【SS】Novel yellow and compote(オリキャラ注意)

  • 1二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 15:14:00

    このリンゴはウマいねェ〜


    「店員さん、これなんていう料理なんだァ〜い?」
    「“コンポート”です」
    これがわっしと彼女が、いやその海賊が出会ったきっかけだった…

    「あぁ…………」
    そして今、わっしは後悔している。
    何故ならあの時食べた料理が、わっしの運命を変えてしまったからだ。
    しかしあれから何年も経ったというのに、未だわっしはコンポートを忘れることができない。

    「戦桃丸くぅ〜ん! 酒を持ってきてくれないかァ〜い!?」
    わっしは自分の船の自室で酒を煽る。
    もう何杯飲んだか分からないくらいだ。
    「今日も荒れてるなオジキ、またあの女のことか?」
    酔ったわっしはそのまま戦桃丸くんに彼が飽きるほど聞いたであろう昔話を始めた…

  • 2二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 15:14:26

    ー32年前
    「おい、聞いたか!キャメロット一家も潰された!」
    “イエローモンキーズ”の幹部カンドレが息を切らしてアジトにかけ込んできた
    わっしの故郷は北の海に浮かぶホワイ島という大きな島だった。北の海が“闇の北”と呼ばれるようにこの島の治安も最悪だった。窃盗は勿論、放火、強盗、殺人、人身売買が当たり前。まさに無法地帯だった。国を治める国王や行政なんてものは存在せず、島を仕切っていたのは4つのギャンググループだった。彼らに同盟はなく、それぞれが血で血を洗う抗争を日夜繰り広げていた。あの一家が来るまでは

    「またあの海賊かァい?これで一昨日のボルド一家に続いて奴らに潰されたギャングはこれで二つ目だねぇ」
    「あぁ、それにしても奴ら一体何が目的だ?この島には海賊が略奪するようなもんはねぇぞ?」カンドレの双子の兄弟であり同じく幹部のアンドレが言った
    「まぁ何にせよこの島のバランスを崩してることに変わりはねぇ。どうする?リーダー」とカンドレは当時ホワイ島唯一の自警団“イエローモンキーズ”のリーダーだったわっしに尋ねた
    「奴らが自分たちの戦力を消耗するまで今は様子見だねェ。最後に残った組織を
    わっしたちで潰すよォ」

  • 3二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 15:14:54

    一方ホウイ島南西部 キャメロット一家のアジトでは半日に及ぶ抗争が終結した。
    アジトの近くにある広場ではキャメロット一家の組長、キャメロットが後の四皇、シャーロット・リンリン率いるビッグマム海賊団に囲まれ縛り上げられていた。
    「くそっ!海のイカれ野郎どもが…!俺様のナワバリを荒らしやがって!」キャメロットは目の前にいるビッグマムとその子供たちを睨みつける。
    「ママハハハハ!陸の奴らは相変わらず大したことないねぇ!さぁ、早く俺の質問に答えな!」ビッグマムは喋る魔剣“ナポレオン”をキャメロット突き立てた。
    「何度も言ってるだろ!?俺はお前らの言う“悪魔の実の取引”なんて知らねぇよ!持ってるとしたら東のジャン一家か西のホワイトレイダーズだ!分かったらさっさと縄を解いてくれ!」とキャメロットは声を荒立てて懇願するが、ビッグマムは無常にも「悪魔の実のありかを知らないんならお前が持ってる財宝隠し場所を俺に教えな。それとも今ここで死ぬかい?」と言って自身の能力であるソルソルの実の能力を使った。
    「ママのソウルポーカスだ。気の弱いやつは下がってろ!」シャーロット家三男のオーブンが弟妹や部下にあわてて忠告する。
    ー「Life or TREASURE !?」ビッグマムのソウルポーカスは人間が必ず持つ生の執着に話しかけ、少しでも少しでも死を恐れた相手は寿命を取られてしまう。
    広場にキャメロットの悲鳴が響いた。

  • 4二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 15:15:32

    わっしはホワイ島の南東にある市場である男と待ち合わせをしていた。市場と言ってもただの市場ではない。ここは闇市だ。質の悪い野菜や肉、武器や盗品が当たり前に売買されている。
    「よぉ、待ったか?相変わらずここの臭いは最悪だな」振り返るとそこには紫色の髪に紫のコートを羽織った今日会う予定の男がいた。
    彼の名は海軍本部の最高戦力の1人、海軍大将である“黒腕のゼファー”。チンピラだったわっしを海兵へと叩き上げたわっしの元上司でもあり恩師でもある人物だ。
    「いえ先生、ついさっき来たところです」
    「そうかい。じゃあ早速行こうぜ」
    「はい」
    わっしは彼に連れられるままについていく。
    少し世間話をした後早速先生は本題を切り出した。
    「“ビッグマム海賊団”がここのギャングと争っていることは知っているな」
    「はい、なんでも奴らはギャングが隠し持っている“悪魔の実”を血眼になって探しているとか」
    「そうだ。そこで残った2つのギャング、ホワイトレイダーズとジャン一家は海賊と戦うために同盟を組んだそうだ」
    その情報はわっしにとって意外だった。わっしが生まれる前から何代に渡って争っていた奴らが急に同盟を組むなどありえないことからだ。
    「まさか、誰か裏から手を回しているんですかい?」
    「ああ、CP0だ」
    「!?」

  • 5二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 15:16:11

    その名を聞いた時わっしは驚愕した。
    サイファーポールイージス0、通称CP0は世界政府の諜報機関サイファーポールの0〜9まで存在する中での最上級に位置する組織で、「世界最強の諜報機関」と呼ばれている。トップの「総監」の指揮のもと、世界貴族「天竜人」の直属として動き、天竜人の警護、裏社会での金や武器の管理などを主な任務とする。
    ゼファー先生曰く、近年そのCP0が裏社会で「天竜人」の名前を盾にして私利私欲の限りを尽くしているそうだ。彼らの中には人身売買や違法な取引で荒稼ぎした金で自分の島や巨大な別荘を買う者も多く、今回の件はそういったCP0の独断による行動だということだ。
    「天竜人が裏にいる以上、うかつに手が出せないってわけですかい」
    「その通りだ。世界貴族の怒り買えば俺もお前もタダじゃ済まんぞ」と先生は声を荒らげた。
    天竜人は“世界貴族”の名の通り高い権力を有している。もし仮に天竜人の機嫌を損ねてしまえば、最悪の場合死刑もあり得るのだ。
    先生は続けて言う。
    「そこで我々はある作戦を立てた。今ホワイ島にいるビッグマム海賊団とCP0をぶつけ、残った勢力を我々海軍が叩く。お前達イエロー・モンキーズはビッグマム海賊団に近づき、同盟を組み、CP0が行なっている悪行の決定的な証拠を集めろ!」
    まったく、先生もわっしにとんでもない任務を押し付けてくれたもんだ。しかしその作戦には少し疑問がある。
    「しかしビッグマム海賊団の力は強大です。わっしらがいなくても奴らは…」
    「ああ、そのことだが、ビッグマムは数名の幹部と部下を残し「新世界」へ戻った。恐らくCP0のさしがねだろう。奴らはその隙に乗じて島の海賊を消すつもりだ。海賊どもの戦力が不足している今、その隙にビッグマム海賊団につけこめ」
    その後わっしはゼファー先生から島にいるビッグマム海賊団の情報を聞き、先生に別れの挨拶をした後市場を後にした。

  • 6二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 15:17:06

    島の南西にある町にビッグマム海賊団がいるという情報を掴んだわっしは、イエロー・モンキーズのメンバーを町に集合させた。モンキーズの団員は200人。全員がこの島出身の元海兵だ。
    「いいかい! お前ら! これからわっし達は、あのビッグマム海賊団幹部を探しに向かう!」
    「おぉ~!!」
    私は大声で叫ぶと、部下達も同じように叫んだ。
    「でもよ、リーダー俺達はあいつらの居場所なんて知らねぇぜ?」
    「大丈夫だよ。わっしには心当たりがあるからね」
    そう言って、私はある女の名前を出した。
    「シャーロット家の長女「コンポート」って女がこの近くにいるらしいんだ」
    「コンポート?」
    「コンポートはこの島残ってにいるビッグマム海賊団の指揮権を握っている。奴を見つけて説得すればすぐに同盟が組めるだろうねェ」
    すると、一人の男が私の元までやってくる。
    「ん? なんだい? 何か質問でもあるのかい?」
    「あぁリーダー、実は俺心当たりがあるんだよ」と男はニヤつきながら言った。
    彼の名は“ギャリー”。ヒゲ面に少し小太りな男で、島一の食通だ。
    「最近この町に“コンポート”って名前のカフェが新しくオープンしたらしい。恐らく奴はそこにいるはずだ!」
    「よぉし、わっしとアンドレとギャリーはそのカフェに客として入る。残りのメンバーは周辺に待機していてくれ」

  • 7二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 15:17:54

    わっし達は早速、カフェへと向かった。
    「ここが例の店か……」
    町の外れに位置する場所に、それはあった。看板には「Compote」と書かれている。
    「よし、行くぞ」
    扉を開けると、中は薄暗く、ジャズの音楽が流れており、カウンター席とテーブルがいくつか並んでいるだけのこじんまりとした内装だった。そして、そこには二人の女性店員が立っていた。一人は50代前半くらいの女性で、もう一人は10歳前後の少女だ。少女の方は顔に大きな傷がついている。どうやら年配女性の方がコンポートのようだ。彼女は頭にパフェを被っておりとても奇抜な格好をしている。手配書に写っているのが頭のパフェだけだったから顔は初めて見るねぇ。まさかこんなに老けているとは。
    「いらっしゃいま……せ……」
    女性の方は一瞬だけ驚いた表情を見せた後笑顔で言った。
    「あらまぁ! こんな辺ぴな所にようこそおいでくださいました! さあさあこちらへどうぞ!」
    女性は満面の笑みを浮かべながら、わっし達を案内した。店内の奥にあるテーブル席へと案内された私達は向かい合うようにして座った。
    「ご注はは何にしましょうか?」
    「あぁ、じゃあコーヒーを3人分」
    アンドレがそう言うと、女性は首を傾げて言った
    「だめだよ、何ってんだい!?この店のメニューは一つしかないよ!」
    どうやらわっし達はかなり変わった店に来てしまったらしい

  • 8二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 15:18:49

    今まで何人ものいかれた海賊を見てきたが、こんな海賊は見たことがないねェ〜
    そうこう思っているうちにアンドレが注文したこのカフェ唯一の料理が来た。
    これは…果物を煮込んだものなのだろうか。とても甘い匂いがし、美味しそうだ。
    「おい、分かってるんだろうな」ギャリーが小声で囁く。もちろんわっし達はただ料理を味わいに来たのではない。わっしはギャリーにアイサインを送って彼をなだめた。
    わっし達は出されたものを残すのも悪いから話を切り出す前に一口食べてみることにした。するとどうだろう。
    口に含んでみるとなんと甘美で芳しいことか!あまりの美味しさに言葉が出なかった。そして同時にこの味には見覚えがあった。そう、これは……
    「リンゴだ……」
    「ああ、間違いない」
    そう、これはリンゴだったのだ。こんなにうまいリンゴを今までに食べたことがあるだろうか。この料理のあまりの美味しさに興味が湧いたわっしはコンポートに尋ねた。
    「このリンゴはウマいねェ〜。店員さん、これなんていう料理なんだァ〜い?」
    「“コンポート”です」
    「こりゃあいい名前だねェ〜」わっしはこの女性が海賊ということ非常に惜しいと思った。

  • 9二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 15:21:41

    一時間前 ホワイ島東部にあるジャン一家組長 ジャン・ファンゴの豪邸ではホワイトレイダーズとジャン一家の構成員が集まり会合が開かれていた。
    豪邸のホールでは両組織の組長、幹部が集まり、テーブルに置かれた酒や高級料理を囲みパーティーをしている。
    「ジジジジ!いやぁ、それにしてもあいつらには感謝しなきゃなぁ、兄弟」
    ファンゴはグラスを片手にホワイトレイダーズのリーダー、アゴウと酒を飲見交わしている。ファンゴは大柄な体格に長いひげをたくわえており、頭にはサボテンのような形をした帽子を被りカラフルなマントで身を包んでいる。アゴウの方は白髪の長髪に獣のような鋭い目つきをした男だ。
    「ああ、まさかこんな形で抗争が終わるとは思ってもいなかった」と笑みを浮かべ言うアゴウ。
    この2人を含めこの部屋にいる男達は懐かしき平和を祝い、すっかり酔っている。
    そんな中ステージの上に3人の人影が現れた。3人とも白い服に仮面を付けている。
    1人は若い女性らしく、白いドレスに動物を模した仮面を付けている
    もう1人は細身な体格の男性だ。白いスーツに水玉の手袋、靴、ネクタイといった服装に、顔に付けた白い仮面には目、口を表した三つの穴が空いたシンプルなデザインとなっている。その2人の後ろにいる大柄な体格の男は太い腕にパンプアップした上半身と筋肉質な体つきをしている。付けている仮面は、仮面というより鎧に近い金属でできたものを付けている。

  • 10二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 15:23:43

    「ええ、ギャングの皆様、本日は私達の事業にご協力頂きありがとうございます」と細身な男が拡声用電伝虫を使い機械的な声で演説を始めた。
    「皆様の武力、そして財力があれば必ずこの島の平和を取り戻すことができるでしょう」ギャング達から歓声が上がる。
    「さぁ、それでは堅苦しい挨拶は抜きにして、くたばってください」
    そう言ってステージ上のCP0は人差し指をギャング向けて飛ぶ指銃「撥」を放つ。突然の出来事に驚きの声を上げる者、慌てて逃げ出す者様々だが、逃げ遅れた者が次々と心臓を貫かれていく。
    「ぎゃあああ!!」
    「ぐぼっ!?」
    指銃は政府の諜報員が使う「六式」という暗技の一つで、硬化させた指先で相手の身体に衝撃を与える技だ。その威力はCP0ともなればライフルをも凌駕する。
    「くそっ!扉が開かねェぞ!後ろから誰か押さえてやがる!」
    「開かねェよ。俺の“人形”がいるからな」と言う大柄な男。どうやらその男は人形を操る能力者のようだ。
    悲鳴と血しぶきが飛び交い、3人はたった1分足らずでその部屋にいた数十名のギャングを始末した。
    「で、ステューシーそのコンポートって女はどこにいる?」
    一瞬で静寂に包まれたホールの中で、細身の男は同僚の女性に尋ねた。

  • 11二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 15:25:25

    Chapter 1 finish

  • 12二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 15:28:40

    初めて書いたSSだからつまらなかったらごめん

  • 13二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 20:33:57

    できれば感想を書いてほしイーン

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