- 1122/12/30(金) 20:51:45
- 2122/12/30(金) 21:02:39
◇探求期
情勢の安定化により、建国の重要要素でもある魔法の研究および発展が、各国で示し合わせたように進められた。魔法を使うために必要な"魔力"の概念、太古より伝わる"魔道具"の解析がその中心である。
魔力の制御、魔道具のメカニズムについては、この頃すでに基礎原理が明らかとなっていた。また、魔法には様々な種類があるが、それらはある種の地域性を有していることが明らかになった。
風害に見舞われる地域では風魔法、山火事に悩まされる地域では炎魔法といった具合で、自然の脅威に対する抵抗、超克の意思が魔法の根源であるらしい。
これらの研究成果は、時に交易の場において披瀝されることもあったという。取引材料、あるいは国威を見せつける手段として、魔法が早くも採用されていたことが伺える。 - 3二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 21:05:49
- 4二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 21:09:04
そこは向かい火ってことじゃないかな?
- 5二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 21:12:59
暴れ川に生贄捧げて鎮めるようなもんで、畏怖の対象を祭り上げる事で被害を抑える事が目的で、この世界ではその手段というか証というかが魔法だったって事では?
「魔法」という単語だから奇妙に思えるけど、原始宗教の有り様としてみればおかしくはないかと - 6122/12/30(金) 21:14:17
◇創始期
やがて研究者達は、"術式"という一つの終着点に辿り着く。術式とは、これまで一族や集落で口伝されてきた魔法の扱いについて、魔力の出力、操作についてマニュアル化したものであり、超常の存在であった魔法が、一つの学問となった瞬間でもあった。
術式の発展は、魔道具の解析から一歩進んだ、魔道具の再現、開発を現実のものとするに至る。
体系化された技術としての魔法は、この発展期に誕生したと言っても過言ではない。
ちなみに、この発展期を境として、それより前から魔法を物としていた人々を"始祖世代"、発展期の新たな魔法使いの嚆矢となった人々を"創始世代"と呼ぶ。
例えば火が燃え盛っていたら、それを鎮火させたり、方向を変えたりするよう炎に干渉する術を発展させた感じです。
- 7122/12/30(金) 21:23:57
◇発展期
術式の誕生、魔道具の新規開発により、魔法は更なる発展を見る。また、そもそも国の勃興に魔法が関わっていたこともあり、民生、土木、治水、農林、工業、軍事といった各方面の発達に、魔法が大いに寄与することとなった。
食料の長期保存、水害の防止および軽減、強度や耐火性に優れた建材の導入…これらの恩恵は生活水準を引き上げ、魔法の更なる発展を齎す好循環を呼んだ。魔道具の開発に端を発する工業技術の向上も顕著であった。 - 8二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 21:29:01
んー全体的に縄文時代の概説書みたいな感じで情緒があるねぇ
- 9二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 21:37:50
- 10122/12/30(金) 21:46:16
◇対立期
やがて、各国首脳部と魔法の研究者達(殆どが創始世代の家系)の間に、暗雲が立ち込め始める。
王家や有力貴族は婚姻政策などによって研究者達の吸収を目論み、研究者達もそれぞれの家同士が連合を組織して、半ば独立を企図していた。
いずれが先に仕掛け、それに対抗せんとしたのかは判然としない。いずれにせよ、首脳部と研究者達の軋轢は抜き差しならぬものとなっていた。魔道具の資材の産出地を国有化、高官の人事に干渉…刃を交えることはなくとも、深刻な対立は深まってゆく。 - 11122/12/30(金) 21:47:03
- 12二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 21:52:17
- 13二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 22:03:06
他人に質問攻めされると詳細ができるよね
鬼滅の刃みたいに - 14122/12/30(金) 22:14:15
◇対立期の終わり、魔法学院の誕生
首脳部にとって苦々しいことながら、国の発展の根幹を担う魔法の研究者達を敵に回すわけにはどうしてもいかなかった。かといって、彼らの専横(に見える)を許しては国家体制そのものが危うい。規模の差はあれど、これは各国共通の悩みであった。
その葛藤の果てに誕生したのが、完全な中立地帯となる魔法学院である。これは各国から集められた魔法使い(始祖世代が中心)と学徒を中心に、魔法の研究や習得を進めるための国営機関であった。
魔法技術のコントロールを完全に研究者達に奪われないための手段であり、
・各国から魔法使いが集まるため、創始期以来の研究者達に劣らぬ研究ができる。
・下手に干渉しようとすれば、あらゆる国を敵に回すこととなる。
・外交の窓口にもなる。
という利点があり、研究者達の肥大化を取り敢えずは抑え込むことに成功する。
ただし、これは研究者達への対抗手段であっても、その力を削ぐものでは決してなかった。 - 15122/12/30(金) 22:15:37
はい、そういうことになります。
術式はいわば数式の書かれた教本やハイテク機械を扱うマニュアルだと考えてください。
高度な物になるほど知識や頭脳が求められるし、魔力の出力を確保するにも適性や努力が必要となります。
- 16122/12/30(金) 22:51:02
◇停滞期、戦乱の始まり
著しい発展を続けてきた魔法技術であるが、やがて頭打ちとなってしまう。期待を寄せられていた魔法学院も、目に見える形での成果を挙げるには十年単位の時間を要する状態であった。
魔法技術におけるブレイクスルーは、険悪な状態の続く首脳部と研究者達が折衝や交流を行う切欠でもあったので、両派閥の関係はさらに冷え込んだ。
このように中央の政情が不安定なものとなると、辺境や国境地帯では軍事的な緊張…地方軍閥の独立宣言や各国の前線部隊同士による小競り合いが頻発するようになる。
これら小規模な混乱は収束の見込みもないまま、国同士の本格的な戦闘へと雪崩れ込んでゆくのであった…。 - 17122/12/30(金) 23:11:03
◇超大魔法主義
首脳部としては、他国との戦争状態を題目に権力を強化、研究者達を統制することを狙っていた。
だが、戦闘の激化はむしろ、研究者達の権勢を確かなものとする。
"超大魔法主義"という軍事用語が、この時代に生まれた。堅牢な陣地を築き、互いに高威力、長射程の魔法を撃ち合うことで勝敗を決する戦闘様式を是とする考え方である。
軍勢同士の大会戦ではなく、広範囲で散発的な攻防が続く戦闘の中での最適解として生まれたそれが要するのは、高威力を支える膨大な魔力、敵襲をものともしない頑強な障壁、敵の位置や移動先を把握する高度な索敵…それらを研究者達は独占していた。
(続く) - 18二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 04:20:56
保守
- 19122/12/31(土) 11:15:57
◇専横極まる
超大魔法主義は軍事におけるメインストリームとなった。となれば、それを可能とする魔法技術を有する研究者達の権勢は、いよいよ最盛を迎えることとなる。
彼らは単に技術供与によって利益を得るだけでなく、軍内部における派閥抗争をも利用した。魔法技術の供与、それに繋がるコネクションをちらつかせる。それにより、競わせるように協力させ、同時に軍部の結束を乱し、自らの影響力を強めた。
皮肉にもこの状態が、停滞していた魔法技術の発展を再始動させることになる。しかし、それは専ら軍事的分野の…火力や射程、防御力ばかり求めた複雑な術式に対するリソースの偏重を意味し、長期的に見れば歪な、後退とすら呼べるものであった。 - 20二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 15:15:39
この世界魔法を医療というか人体に全然使わないな…まあここら辺から治癒魔法的なのが発展するのかもしれんが
- 21二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 15:33:44
めちゃくちゃ面白い話だけど始祖組がどうして術式化を許したのかが思いつかんわ
自身らが支配者になれる程の技術を共有して有利を放棄する理由がわからない - 22二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 16:01:34
というか実際の歴史をちゃんと勉強すればわかるようになるけど、個人が単一の属性しか持たないってことは実際にはないのよ
この属性ってのは火属性とか風属性とかそういうふざけたやつじゃなくて
貴族とか魔法研究者とか、支配者・被支配者とかそういう身分的なものね
つまり設定の問題として解消したいのは国家首脳部?おそらく政治家や貴族にあたる人たち
もしくは民衆の中にも魔法研究者としての側面を持つ人が普通にいると考えられる
あるいは逆に研究者から支配者としての身分を確立する人が登場する
国家と研究者が二元的に対立する社会構造は想定に堪えられるものでない
ということではないかな
特に術式という形で魔法が体系化されるということは
魔法が一部の特権的な身分の人々(ここで言う研究者)に独占されないものになるということでもある
だから術式の設定なかったことにすれば矛盾はないといえばないけど
あと研究者っていう用語はなんか考え直したいよね
今の日本を見ればわかるが学者とか研究者とかいうのは貧乏人のメタファーみたいなもんだし - 23二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 20:53:15
- 24122/12/31(土) 21:44:02
- 25二次元好きの匿名さん23/01/01(日) 09:01:34
ほ
- 26123/01/01(日) 10:17:28
◇転換期
超大魔法主義の浸透による戦争の泥沼化と、研究者達の権力拡大に歯止めをかける、二つの流れが現れる。
一つは、主に魔法学院で研究が進められていた新しい術式の形態…複数の簡易な術式を組み合わせ、一つの術式を形成するという"多層型術式"である。主に研究者達が有する複雑な術式は、威力(効果)や応用力、機密保持の観点から優れていたが、組み上げや運用に時間、費用、高度な技術および膨大な魔力が求められた。
しかし多層型術式であれば、必要最低限の機能だけを残して魔力を節約することも、不具合が生じた箇所をピンポイントで修復あるいは切り離すことも、短期間で大量に組み上げることも可能である。
多層型術式の構想自体は創始世代の研究者達も早期から認識していたが、自らの優位性が失われることを恐れ、その研究に有形無形の妨害を続けていたが、国営の魔法学院にまでそれを徹底することは不可能であった。 - 27123/01/01(日) 16:04:25
今一つは、軍事分野における技術的発展である。
超大魔法主義の限界を早くも悟っていた各国軍部は、魔法の威力向上でなく、敵魔法攻撃の無力化へと舵を切った。前線での配置や指揮官の人事にまで口を挟む研究者達への反抗とも言える。
敵の防衛陣の突破、魔法攻撃着弾の妨害、魔力供給機構の寸断…それらを可能とする新兵器や戦術の開発、洗練に、先述した多層型術式が大いに寄与した。簡易な術式を扱う魔道具(その部品)であれば大量かつ安価に生産が可能で、兵士達にも扱いやすかったために、調練も容易であった。
このような革新によって超大魔法主義はその威を失い、創始世代からの研究者達はその力を大きく削がれてゆくのであった。 - 28二次元好きの匿名さん23/01/01(日) 19:46:43
このレスは削除されています
- 29123/01/01(日) 20:05:34
◇三派鼎立の時代へ
一連の流れによって研究者達は完全に首脳部に従属したかというと、そんなことはなかった。
元々彼らの勢力が強固なものであったというのもあるが、他ならぬ首脳部が手心を加えたためである。
多層型術式の実用化と、簡易な魔道具の大量生産は、一般大衆への魔法の普及を大いに進める結果となった。魔法学院に入学する平民も従来の数割増となり、高度な魔法使いとして大成する者も多く現れる。
魔法によって成立した国々の首脳部にとって、国の基盤を揺るがす事態と映ったのであった。
政敵である研究者達。潜在的な脅威である、魔法が身近になった大衆と魔法学院。あわよくば両者を噛み合わせ、勢力を削ごうと首脳部は考えたのである。
かくして各国首脳部、研究者達、平民と魔法学院…最後に関してはその意図があったかは不明だが、三者が並び立つ"三派鼎立の時代"が始まったのであった…。
(取り敢えずここまで。ご覧いただきありがとうございました) - 30二次元好きの匿名さん23/01/01(日) 20:15:16
乙です
もしかして作品の設定にする感じですか? - 31123/01/01(日) 20:18:52
- 32二次元好きの匿名さん23/01/01(日) 20:22:46
- 33二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 00:52:03
世界観がしっかり考え込まれてていいね
この世界で物語が動いてるのを見てみたい - 34二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 12:43:37
この世界観の物語がみてみたい
- 35二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 12:50:06
質問いい?
魔法は魔術・呪術とかの部類には分化しない感じ? - 36123/01/02(月) 19:27:02
- 37二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 19:40:09