【SS】キングヘイローの長い夜

  • 1二次元好きの匿名さん21/11/05(金) 21:58:33

    「悪い物が寮にいる?」
    突然にマンハッタンカフェさんから言われた言葉、怖い話はとても苦手だけど彼女は冗談でこう言うことは言わない筈だ。
    「はい⋯だから今日は何があっても部屋を開けないでください⋯⋯」
    「ちなみにそれってどのくらい⋯?」
    「朝日が登るまで⋯までになんとかしてみます⋯」
    そして私に一つの封筒を手渡した。
    「これは最終手段です⋯⋯本当にいざと言う時にこれを破ってください」
    そう言ってカフェさんは周りを見渡しながら去っていった。
    悪い物ってなにかしら⋯

  • 2二次元好きの匿名さん21/11/05(金) 21:58:53

    部屋に戻り鍵を閉める。
    辛い事に今日はウララさんが遠征で居なく、一人きりなので部屋がとても静かだ。
    「さて、明日も早いし寝ましょうかしら!」
    空元気で独り言を言って布団に潜る、意外とすぐに眠気はきて私は入眠していった。

  • 3二次元好きの匿名さん21/11/05(金) 21:59:16

    突然響くノック
    「キングちゃん!帰ったよ!空けてー!」
    ウララさんの声が響きドアがノックされる、寝ぼけながらドアの方に向かい、思い出す。
    『今日は何があっても部屋を開けないでください』
    「キングちゃん!?怒ってるの?空けてー!」
    声を出さずに時間を見る、時刻は午前1時を回ったところだ。
    そんな時間に遠征から帰るはずがない、じゃあこのドアの前にいるのは⋯?
    「キングちゃん?キングちゃん?」
    背筋に冷たいものが走り音を立てずにベッドに潜り込み耳を塞ぐ、それでもまるで耳元に居るかのように声は響く。
    「キングちゃんキングちゃんキングちゃんキングちゃんキングちゃんキングちゃんキングちゃんキングちゃんキングちゃんキングちゃんキングちゃんキングちゃんキングちゃんキングちゃんキングちゃんキングちゃんキングちゃんキングちゃんキングちゃんキングちゃんキングちゃん」
    機械のように繰り返される声は途中からウララさんの声なんかではないとても低い物になっていた。

  • 4二次元好きの匿名さん21/11/05(金) 21:59:44

    どれくらい経ったのだろうか、気を失っていたのか、いつの間にか音は止んでいた。
    布団から出ると外からは光が差し込んでいる。
    耐え切った⋯のかしら⋯
    伸びをして着替えを始める。
    ノックが聞こえた。
    「キングちゃん!おはよー!!帰ったよー!」
    ウララさんの声に安心して鍵を開ける。
    勢いよく扉は開き、そこには誰も居なかった。
    部屋の中からは何かの気配を感じ、寒気が止まらなくなる。
    恐る恐る目だけ動かし時計を見るとまだ、午前3時を回ったところだった。
    窓から差し込んでいた光はいつの間にか無くなり、漆黒の闇が部屋を包んでいた。
    「はいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたウマ娘のからだからだからだ」
    聞こえる声は今まで聞いたことのないような低さと高さでまるで何人も居るかのような響きを聴かせる。
    「こ、これを⋯⋯!!」
    私は思い出し、ポケットの中に入れておいた封筒を勢いよくちぎる。
    その瞬間私の目の前は真っ白になり、意識は途切れていった。

  • 5二次元好きの匿名さん21/11/05(金) 22:00:12

    目を覚ますとそこは保健室だった。
    「大丈夫⋯⋯ですか?」
    カフェさんが覗き込む、時計を見ると午前9時
    「嫌が予感が当たりました⋯あれは知恵をつけていましたから⋯」
    そう言ってカフェさんは私にコーヒーを差し出した、一口啜ると暖かく優しい苦味が口に広がる。
    「もう⋯大丈夫です⋯」
    私は涙を流していたらしい、流石に昨晩のことは怖すぎた。
    「あの封筒の中身はなんだったの⋯?」
    涙を拭き、落ち着いた頃にそんな疑問をカフェさんに聞いた。
    「あれは⋯タキオンさんが使った紙型のスタングレードです⋯」
    「は?」
    「強力すぎる光と音で幽霊を撃退し、被害者も余計な行動をしないように気絶させる代物⋯と説明していました⋯」
    たしかに、あの封筒を破いた瞬間に私は気絶をした。
    「効くかどうかは『お友達』が言うには一か八かだったのですが⋯効いてよかったです⋯」
    そんな物を私に渡していたの⋯?
    「キングさん、あなたはそう言う存在から好かれやすいみたいなので気をつけてください」
    最後に呪いのような言葉を残してカフェさんは去っていった。
    こんな目にはもう二度と会いたくないわ⋯

  • 6二次元好きの匿名さん21/11/05(金) 22:00:42

    ウワーッヤマノケ!!怖い!!!

  • 7二次元好きの匿名さん21/11/05(金) 22:02:53

    コワイヨー

  • 8二次元好きの匿名さん21/11/05(金) 22:14:58

    こっわ

  • 9二次元好きの匿名さん21/11/05(金) 22:17:29

    やさしい人にはよって来やすいって聞くし、確かにありそう。

  • 10二次元好きの匿名さん21/11/05(金) 22:18:43

    こういうの好き

  • 11二次元好きの匿名さん21/11/05(金) 22:19:30

    Oh...How scary...

  • 12二次元好きの匿名さん21/11/05(金) 23:15:34

    紙型のスタングレネードってなんだ⋯?

  • 13二次元好きの匿名さん21/11/05(金) 23:22:50

    >>12

    元々催眠効果があるものが封されてて破くことによってによって発光する紙片に加工されたなんか。こまけぇこたぁいいんだよ!

  • 14二次元好きの匿名さん21/11/05(金) 23:27:11

    オカルト的な対抗手段ではなくて割と現実的なお祓いにちょっと笑った
    それはそれとして油断したところにくるのほんと怖い

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