- 1二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:18:04
~~~劇場廊下~~~
音無小鳥「ぴよぉ...やっと一段落ついたわ...
でもこの苦労もあの子たちの輝かしい未来に
つながってるって思えば楽しみに変わるわね♪」
小鳥「ん?中から声がするわね?
この声はプロデューサーさんと美咲ちゃん?」
~~~控え室内~~~
P「じゃあもう小鳥さんは必要ないんですね?」
青羽美咲「はい!もう私一人でも大丈夫です!
なので明日にでも私から音無先輩にお話ししようかと。」
P「いや、それは俺の方から言っておきますよ。
その前に一応社長にも相談かな?
いやぁそれにしても青羽さんは優秀ですね。」
美咲「えへへぇ~。早く一人前になりたくていっぱい勉強しましたから。」
~~~廊下~~~
小鳥「そ、そんな...私クビ?え?うそでしょ!?」
小鳥「いやいやいやいや私だってこの事務所の力に...なって...
え?なってるわよね?でも確かに最近は美咲ちゃんの方がバリバリ働いてる気が...」
い、嫌よ!!!そんなの嫌!!! - 2二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:18:36
ニコ動には橘ありすバージョンがあったな
腹抱えて笑ってたわ - 3二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:19:36
~~~控え室2~~~
星井美希「んもぉ~疲れたの!今日はもう終わりにしていいんじゃないかな?」
四条貴音「あまりワガママを言ってはいけませんよ美希。
まだまだわたくしたち全員での連携が不十分です。」
我那覇響「そうだぞ美希ぃ。そ、それに完璧な自分ならまだしも貴音はまだ中盤のステップ不安定だからな!
練習付き合ってあげるからもうちょっと頑張るんだぞ!」
貴音「ふふふ、そうですね。わたくしの練習に付き合ってくれますか?美希。」
美希「...仕方ないの。その代わり後でおにぎりとイチゴババロア奢ってよね?響が。」
響「!?な、何で自分なんだ!?」
~~~劇場廊下、関係者出入口前~~~
早坂そら「この度はお時間とっていただきありがとうございます。」
P「いえいえこちらこそ。あの子たちのベストショットしっかり撮ってくれること期待してますよ。」
そら「任せてください!最高の一枚を撮らせてもらいますよ!」
~~~外、関係者出入口付近~~~
菊地真「大丈夫だって雪歩。ぼくも練習に付き合ってあげるからさ。」
萩原雪歩「ダメだよ真ちゃん。これ以上迷惑かけられないよ。私が言い出したことなのに...」
真「雪歩...」
きゃあああああああああああああああああああああ!!!!! - 4二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:21:00
~~~周防探偵事務所~~~
松田亜利沙「ほ、ほんとにこんな安くてもいいんですか!?」
野々原茜「でしょでしょ?こぉ~んなかわいい茜ちゃん人形が
今ならなんと1体\85,000ぽっきり!!!お買い得だよぉ?」
亜利沙「買います買います!!!キャッシュで買います!!!」
茜「ありがとうございまぁす!ではこちらの書類にサイn」
馬場このみ「探偵!事件よ!」バァン!!
周防桃子「いらっしゃいこのみ警部。何があったの?」
このみ「どうもこうもないわ!事件発生よ!」
桃子「なるほろ。まあまずはいったん落ち着こう?」
このみ「私は十分落ち着いてるわ。とりあえず一緒に来てちょうだい。
詳細は道中説明するわ。助手の亜利沙ちゃんも一緒に...今日は亜利沙ちゃん居ないの?」
桃子「入口のドアと壁の間に挟まってるよ」
このみ「亜利沙ちゃん何そんなところで遊んでるの?ほらさっさと行くわよ!!」 - 5二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:22:01
このみ「被害者は765プロの事務員、青羽美咲さん。小規模ながらも人気アイドルを多数抱えている花形事務所の事務員よ」
桃子「なるほろ。芸能界ってぱっと見は華やかだけど裏はドロドロしてるって聞くからね。」
このみ「人間関係は現在調査中よ。それにこの事件ちょっと気になることがあってね。」
桃子「気になること?」
このみ「まあそれについては現場についてから改めて説明するわ。」
~~~劇場関係者入口~~~
このみ「着いたわ」
桃子「ここは?」
このみ「765プロアイドルが公演を行う予定だった劇場よ。
一部のアイドルたちがリハーサル中だったわ。」
桃子「一部ってことは劇場に来てなかった人も居るんだね?」
このみ「そうね。所属アイドルのうち劇場に居たのは星井美希、我那覇響、四条貴音
あと、萩原雪歩、菊地真の計5名ね。
水瀬伊織、高槻やよいの2名は別の仕事でリハーサルには参加していなかったわ。」
桃子「なるほろ。
さっき言っていた気になることは?」
このみ「図を見ながら説明するわね」 - 6二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:23:20
このみ「事件現場は劇場控え室。事件発生時、関係者出入口前には765プロのプロデューサーと
外部のカメラマンが打ち合わせをしていたみたいなの。もちろん出入りした人は一人もいなかったそうよ。
さらに言えば出入口外側にも所属アイドルの雪歩さん、真さんが立話をしていたみたいで
出入りどころか近づく人すら居なかったそうよ。
裏口については普段はカギをかけているし、そのカギもPさんが持っていたらしいわ。
奥の廊下はそのまま劇場裏方につながっていて大勢のスタッフが準備を進めていたけど、
不審な人影は特に見ていないそうね。これについては各自作業中だったから少し証拠としては弱いかしらね。
それでも少なくとも見慣れない人物が出入りすれば違和感くらいは持たれるはずよ。」
桃子「なるほろ。ある意味大きな密室みたいな状態だったんだね。
つまりこれは密室殺人事件!!!」
ふふっ
亜利沙「?何で笑ってるんですか桃子ちゃん?」
桃子「久しぶりにこの名探偵にふさわしい事件に出会えたからね。
ちょっと嬉しくなっちゃった。
だって密室殺人だよ?ミステリーの王道展開!
ゆくゆくはこの事件を元にドラマ化、小説化、映画化...忙しくなりそうだね。」
桃子「さあ、気合を入れt」
北上麗花「捕まえました♪犯人です♪」
桃子「!!!?!?!??!?」 - 7二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:24:14
桃子「あ、あなたが美咲さんを!?」
小鳥「はい...私が殺しました。」
桃子「え!?密室は!?どうやって控え室に!?」
小鳥「私も裏口の合鍵持ってますので。」
桃子「!!!?!?!??!?」
亜利沙「合鍵持ってたなら裏口から控え室はすぐそこですねぇ...」
このみ「いったい何で殺しちゃったの?調査した限りでは事務員同士の仲は良好だって聞いたけど?」
小鳥「...私はこの事務所設立当初から皆を裏から支えてきたわ。
まだまだ小さい事務所だけど、皆ならアイドルとして大きく成長できる。
そんな皆を陰ながら支えていけるなんて、なんて幸せなんだろうって思ってたわ。」
小鳥「でも私聞いちゃったの。新しく事務所に入った美咲ちゃんが居れば私はもういらないって...
確かに美咲ちゃんはよく出来た子だったわ。でも、私だって今までずっとこの事務所のために頑張ってきたのよ!
それなのに、優秀な後輩が入ったらすぐさま切り捨てられるなんて...私の価値なんてその程度だったんだって...
この子さえ、この子さえ居なかったら。そう思ってしまったの。」
私はただ輝く皆を見ていたかったのよ
麗花「そろそろ行きましょうか。」
このみ「なんともやりきれない事件だったわね。まあとにもかくにもこれで事件は一件落着ね。よかったよかっ」
桃子「果たしてそうなのかな?」 - 8二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:25:05
このみ「え?だって犯人が自白してるし...
それに密室の件だって小鳥さん以外に犯行は不可能じゃない?」
桃子「これで終わっちゃうよ?」
このみ「え?」
桃子「せっかく頑張って慣れないSS書いてスレ建てしたのに...
こんな速攻で終わらせちゃってもいいの?」
亜利沙「無事に事件解決ならそれでいいんじゃないでしょうか?」
桃子「この事件!桃子が!!
33レス持たせてやる!!!」
普通にやったらたった5レスで終わる超簡単な事件を正味33レスの放送時間いっぱいなんとか持たせる名探偵
その名も!33レス探偵 周防桃子!
次々に繰り出される推理にガンガン増える一方の容疑者
その果てに真犯人は見つかるのか見つからないのか
ただいま7レスです - 9二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:26:02
亜利沙「といってももう事件は解決したようなものですよね?」
桃子「小鳥さんは誰かをかばって殺人犯の濡れ衣を着ようとしている。間違いないよ。」
亜利沙「考えすぎじゃないでしょうか?」
このみ「探偵!証人を連れてきたわよ」
桃子「ありがとうこのみさん。あなたが765プロのPさん?」
P「はい。事件当時私とこちらの早坂さんとで少し雑談をしていたんです。」
桃子「念のためもう一度確認するけど、関係者出入口から入ってきた人は居なかったんだよね?」
そら「はい。私とPさんが話していたのは扉のすぐ近くでしたので...誰か来たらどうやっても視界に入ると思います。」
亜利沙「桃子ちゃん。やっぱりこれは他の人には犯行は無理なんじゃ...」
プロデューサー!!
高槻やよい「美咲さんが小鳥さんに刺されたってほんとですか!?」
桃子「あなたは?」
やよい「私はアイドルの高槻やよいっていいます!」
亜利沙「ふおおぉぉぉ!765プロ所属の大人気アイドルちゃんですね!今をときめくもやしアイドルって聞いたことありませんか?」
桃子「そういえばテレビとかで見たことあるような?」 - 10二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:27:00
やよい「何で小鳥さんが美咲さんを...二人はとっても仲良しだったのに...」
桃子「ちょっと待って。何で小鳥さんが殺したってことをやよいさんが知ってるの?」
やよい「え?」
亜利沙「確かにそうですね。まだ記者発表すらされていないはずですよ。」
桃子「それにさっき"美咲さんが小鳥さんに刺された"って言ったよね?
殺害方法まで知っているのはどうして?ちょっとおかしくないかな?」
やよい「えっと、それは...」
ココニクルマデニケイジサンニオハナシキイタカラ>
桃子「なるほろ。つまり、美咲さんを殺した真犯人はやよいさんあなたなんだね?」
やよい「えぇ!?」
桃子「このところ毎日毎日もやしの仕事ばっかり。
せめて衣装だけでもアイドルらしくと美咲さんに直談判するも鼻で笑われ
それどころか大豆もやしだけに飽き足らず、ブラックマッペ、緑豆と、
追い打ちをかけるかの如くもやし、もやし、もやし衣装三昧のアイドル活動。
もはや一日のうちにもやし以外になっている時間の方が少ない...
このままでは身も心ももやしになっちゃう...
そこでやよいさんはこう決意したんだよ。」
うっうー!美咲さんぶっ殺しますー!
桃子「ってね」
- 11二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:28:10
このみ「動機としては十分と言わざるを得ないわ。」
桃子「そこでやよいさんは犯行のために関係者出入口から侵入。
お喋りに夢中になっていたPさんと早坂さんは扉から入ってきた
やよいさんの姿に全く気付くことが出来ない!」
亜利沙「なんで気が付かないんですか...」
このみ「お喋りに夢中なら仕方がないわね。」
そら「ちょっと待ってください!
いくらお喋りに夢中だったからって誰か来たらさすがに気が付きますよ!」
P「そうですよ!さすがに無理がありますって!」
桃子「普通に考えたらそうかもしれないね。
でもやよいさんはある心理的な盲点を利用してこの問題を突破したんだよ。」
P「心理的な盲点だと?」
桃子「人間の脳は本来そこに存在するはずがないものを無意識のうちに排除してしまうことがあるらしいの。
やよいさんはそれを利用したんだよ...そう、つまり...」
そら「つまり?」
桃子「犯行当時、やよいさんは別の仕事をすっぽかして現場まで来ていた!
これがオフの日のやよいさんだったならPさんたちも即発見!犯行は不可能だった!
でもそれが本来は仕事の最中のはずだったなら?あんな良い子が仕事をすっぽかすはずがないと
心理的な盲点を突かれたPさんたちはそばを横切るやよいさんを認識することが出来ない!」 - 12二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:29:16
桃子「これで堂々と関係者出入口を通過したわけだね」
亜利沙「それ余計目立ってませんかね?」
桃子「その後控え室へと侵入し、作業をしていた美咲さんと遭遇。
同じくやよいさんを認識できなかった美咲さんの隙を突き殺害!」
このみ「美咲さんもやよいさんの良い子っぷりはよく知っていたでしょうから無理もないわね...」
桃子「その後同じように雑談を続けるPさんたちの横を通ってまんまと逃げたというわけだよ。」
やよい「探偵さん!ちょっと待ってください!
その、確かに面白い話かなぁって思います...
だけど私にはアリバイがあるんです。」
やよい「今日は私、伊織ちゃんと一緒のお仕事で、
美咲さんが殺された時間は撮影の最中だったんです...」
このみ「完璧なアリバイ成立じゃない」
そうよ!
水瀬伊織「やよいは朝からずっとあたしと一緒だったんだから」
桃子「失礼だけどあなたは?」
伊織「あたしを知らないの?765プロ所属アイドルの水瀬伊織ちゃんよ!
やよいとは一緒に仕事する機会がよくあるのよ。
やよいのアリバイはあたしが証明するわ。」 - 13二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:30:01
亜利沙「どうするんですか?桃子ちゃん」
桃子「そ、それは...」ハッ!?
桃子「巧妙な身代わりを使ったトリックだったんだよ!」
伊織「身代わりトリック?」
亜利沙「どういうことですか?」
桃子「みんな忘れたの?やよいさんは大家族で有名なんだよ?
つまり...妹さんを身代わりにしたんだよ!」
桃子「まずやよいさんは撮影途中の休憩時間にちょっとトイレにとか言って伊織さんと離れたの
そして身代わりの妹さんを伊織さんにけしかける。
よく似ていながらもどこかいつもと雰囲気の違うやよいさんに伊織さんは違和感を持つものの
プライベートでも仲が良く、あまりにも高槻家に見慣れてしまっていた伊織さんはこれに気付くことが出来ない!」
亜利沙「いや気付きましょうよ!?」
伊織「そもそも見慣れてたんなら逆に見抜けるはずでしょ」
桃子「アイドルではない妹さんにドラマの台本を覚えさせ、演技指導までするのはきっと途轍もない苦労だったはず...
だけどやよいさんと妹さんはなんやかんや頑張ってこれを成し遂げた!」
伊織「なんやかんやって何よ!?」
桃子「なんやかんやは...なんやかんやだよ!!!」 - 14二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:31:06
P「ちょっといいですか?」
桃子「何?」
P「仮にやよいが入れ替わっていたとして、どうやってこの犯行現場まで来たんです?
しかも犯行後はまた撮影現場まで戻ってるんですよね?
じゃないとこうやって伊織と一緒に駆けつけることが出来ませんから。
ここから直線距離で50kmは離れている現場をどうやって往復したんですか?」
亜利沙「タクシーを使ったとかでしょうか?」
桃子「公共機関を使ったら足がつくよ。
ここではもっと庶民的なものを使ったんだよ。」
伊織「庶民的なもの?」
亜利沙「それってもしかして...」
桃子「そう、自転車だよ!
やよいさんが自転車で時速300kmで現場を往復したんだよ!」
伊織「速すぎるでしょ!?」
桃子「伊織さん知らないの?
競輪選手のスプリンターにもなると時速70kmにもなるそうだよ?
つまり日夜安売りを求めて町内中のスーパーを駆け巡るやよいさんが
時速300kmで走行できてもなんの違和感もない!!!」
伊織「出来てたまるか!」 - 15二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:32:03
桃子「劇場についたやよいさんは控え室にて美咲さんを殺害後
撮影現場に戻り妹さんと入れ替わる。
これでアリバイ成立ってわけだね!」
桃子「撮影後は移動に使った自転車で帰れば証拠も残らない」
伊織「乗って帰ったんなら家調べられたら一発でアウトじゃないの」
桃子「.........やよいさん
自首...してくれますよね?」
やよい「あの、探偵さんごめんなさい。
私にはちょっと難しくて...なんだかよくわからなかったです...」
亜利沙「でしょうね」
やよい「それに私が美咲さんを殺すなんて絶対にありえません!
私みんなみたいにスタイルよくないから
せっかく美咲さんが可愛い衣装作ってくれてるのに
私なんかが来てもダメだよねって悩んでたんです...
でもそんな時、美咲さんが私に言ってくれたんです!」 - 16二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:33:02
~~~回想~~~
やよい「ごめんなさい美咲さん...
せっかく可愛い衣装作ってもらってるのに...」
美咲「私から見たらやよいちゃんだってとっても可愛いアイドルなんだから!
やよいちゃんはもっと自信もっていいと思うよ。
それにね、私たち事務員だって立派なやよいちゃんのファンなんだよ?
目の前で自分が大好きなアイドルの事"可愛くない"なんて言われたらこっちまで悲しくなっちゃうな。」
美咲「だからね?もしやよいちゃんがほんとに申し訳ないって思っているんだったら、
この衣装を着てキラキラ輝く笑顔をたくさん私たちに見せてほしいの。
衣装を一番引き立てるのはどんなアクセサリーなんかよりも着てくれてるアイドルたちの笑顔なんだよ!
ファンの皆さんを喜ばせるのもね♪」
やよい「美咲さん...
うっうー!わかりました!
私、今まで以上に元気に笑顔で頑張ります!」
~~~回想終わり~~~
やよい「美咲さんは落ち込んでる私をいつも優しく励ましてくれたんです...
やっとテレビのお仕事も増えてきて、これから恩返し頑張っていこうって思ってたのに...」グスッ
伊織「やよい...」
亜利沙「桃子ちゃん...ありさにはとても彼女が犯人には見えませんよ...」
桃子「.........」 - 17二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:34:03
彼女の見せた涙に真実の光を感じた桃子たち
この事件の真相を明らかにさせるには
さらなる情報が必要だと感じた桃子は
彼女を頼ることにした
双海亜美「はいじゃあ今からマジックをやるよ~
みんな集まれ~」
ワー ワー
ワーイ ヤッター
桃子「ワーイ」
亜美「このボールをこの紙袋の中に入れて、
こうやって潰せば!」パァン
亜美「はい!ボールが消えちゃいました~」
ワー スゴーイ
ドウナッテルノ?
桃子「スゴイスゴーイ」
亜美「今日のマジックはここまでだよ♪みんなまたね!」
マタネー バイバーイ
桃子「情報が欲しい」
亜美「例のアイドル事務所事務員殺害事件だね?」 - 18二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:35:16
亜美「...その件については何にも情報がないんだよね。ごめんねももーん」
桃子「...」スッ 1000円札
亜美「被害者の事務員、人当たりが良いのもあって結構いろんなにぃちゃん、ねぇちゃん達から相談受けてたみたいだよ
その度に親身になって相談に乗ってるから印象はかなり良かったみたいだね」
桃子「なるほろ...じゃあ人から恨まれるようなことはなかったんだね」
亜美「いやぁ、それが受けた相談全部が全部円満に解決ってわけにはいかなかったみたいでね?
けっこうな口論になっちゃったねぇちゃんも居たみたいだけど、亜美の口からはちょっと...」
桃子「...」スッ 1000円札
亜美「所属アイドルの萩原雪歩ってねぇちゃんが特にこじらせてたみたいだよ
口論...というかゆきぴょんが一方的にまくしたてる所を度々目撃されてたみたいだね」
桃子「雪歩さんが?それは盲点だったね。よくわかったよ。ありがとう。
ちなみに口論の内容ってどんな感じだったの?」
亜美「え?いやそこまではちょっと...」
桃子「想像でもいいからちょっと再現してみてくれない?」
亜美「えっと...な、何度言ったらわかるんですか?こんな私なんてもう穴掘って埋まってますぅ~!」
桃子(モノマネのクオリティ高すぎて逆に反応できない...)
「参考になりました。ありがとうございます。」 スタスタ
亜美「...」グスッ - 19二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:36:14
このみ「今度こそ犯人がわかったって本当なの?」
菊地真「その前に何でボクらも呼ばれたんですか?」
萩原雪歩「ま、真ちゃん、そんな言い方しちゃダメだよ...」
桃子「それはね、雪歩さん事件の真犯人があなただからだよ」
雪歩「え?」
桃子「雪歩さんと美咲さんはよく口論していたそうだね?
何度言っても自分の悩みを理解してくれない美咲さんに腹が立っていたんじゃないの?」
桃子「雪歩さんは自分の悩みを美咲さんに打ち明けていたけど、いつまでたっても解決策が出てこない。
どうしても解決したかった雪歩さんは毎日毎日美咲さんに相談を繰り返していたの。」
亜利沙「そこはせめて違う人に相談するとか...
というか毎日同じ内容は勘弁してあげてくださいよ」
桃子「さらには脅迫状風に、伝説の樹の下で、矢文で、狼煙でと
相談方法は多岐に渡ったんだよ。それでもどうしても解決には至らなかった。」
このみ「悩める十代だものね。ちょっといきすぎてしまうのは仕方ないわ」
桃子「自分は恥を忍んでこんなに相談を持ち掛けているのに何でいつまで経ってもいい案を出してくれないんだ...
逆恨みからの犯行に走るのにそう時間はかからなかったよ。」
亜利沙「逆恨みを自覚するくらいの常識は残ってたんですね」 - 20二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:37:05
真「ちょ、ちょっと待ってよ!
雪歩は犯行時間にはずっとボクと一緒にいたんだよ?
そんなことできるわけないじゃないか!」
桃子「そもそも真さんと雪歩さんはどうして外に居たの?」
真「え?それは、雪歩から相談があるって言われて...
人気のない所がいいって言われたけど控え室はどっちも埋まってたからいったん外に...」
桃子「それこそが雪歩さんの計画だったんだよ!」
雪歩「えぇ!?」
桃子「まず雪歩さんは事前にあるものを倉庫から持ち出して隠しておいたんだよ。」
このみ「あるものって?」
桃子「衣装用のマネキンだよ!」
亜利沙「マネキンってまさか」
桃子「その後相談があると言って予定通り真さんを外に連れ出した雪歩さんは、
会話の隙を見て隠しておいたマネキンと入れ替わって劇場内に戻ったの。
雪歩さんから真剣な相談を受けていた真さんは内容を把握することに集中していて
雪歩さんとマネキンが入れ替わったことに全く気が付かない!!!」
亜利沙「だから気付きましょうよ」
真「ボクどれだけバカだと思われてるの?」 - 21二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:38:01
桃子「そうやって劇場内に侵入し、美咲さんを殺害。
戻ってきた後に何食わぬ顔でマネキンを片付けて相談を再開すればアリバイ成立ってわけだね。」
このみ「謎は全部解けたわね!事件解決よ!」
真「ちょっと待ってよ
雪歩とボクは一緒に美咲さんの悲鳴を聞いてるんだよ?」
桃子「それは実は小鳥さんの悲鳴だったんだよ。
控え室で美咲さんの死体を発見した小鳥さんは何とかして助けようと
色々とやっているうちにうっかり返り血で全身を汚してしまい、
さらにその返り血をみてうっかり自分が彼女を殺したと思い込んでしまったの。」
このみ「うっかりならしょうがないわね!」
桃子「そうしてパニックなった小鳥さんは現場から逃走したっていうわけだね。」
真「ちょっと待ってよ探偵さん。
この事務所随一の頭脳派と言われるボクからしたら
今の推理にはたった一つだけ、だけど大きな穴があるよ。」
亜利沙「一つだけ...?」
真「今の計画...ボクでも実行は可能だよね?」
雪歩「ま、真ちゃん!?」
真「だってそうでしょ?
隙をみてマネキンと入れ替わるだけなんだからボクだって...」 - 22二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:39:03
桃子「それは無理なんだよ。」
真「な、なんでだよ!!」
桃子「だってあの真さん大好きで有名な雪歩さんだよ?
そんな彼女がマネキンと入れ替われるほどの時間真さんから目を離すはずがない!!!
つまり入れ替わりのトリック自体が実行不可能なんだよ!!!」
雪歩「そ、そんな///大好きだなんて///」
桃子「さあ、雪歩さん。観念してくれるよね?」
雪歩「...あの、ごめんなさい全然違います。」
桃子「!!!?!?!??!?」
亜利沙「そりゃそうでしょうね」
雪歩「確かに私が美咲さんに相談を打ち明けていたのは本当です。
でもそれで美咲さんを恨むなんて絶対にありえません。だって...」
だって美咲さんは引退を考える私を必死で説得してくれていたんですから
雪歩「元々気弱で引っ込み思案だった私は事あるごとにすぐに落ちこんで...
積もり積もってもう限界だってなったとき美咲さんが言ってくれたんです。」 - 23二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:40:02
~~~回想~~~
美咲「雪歩ちゃん。私もね?ほんとにこれでいいのかなーって
自分がやっていることは合っているのかなって不安になることがよくあるんだ。
そうやって失敗して、落ち込んで、凹んで、転んで、色々と経験した先で
ふとした時に振り返ると自分の今までがちゃんと道になっていることに気付く時があるの。」
美咲「もちろん私だってまだまだ半人前だから。社長さんやPさん。音無先輩にいっぱいフォローしてもらってるんだよ?
そんな私でも。ううん、そんな私だからこそよくしてもらった皆さんに恩返しが出来るように頑張ってるんだ。
もし雪歩ちゃんが本当に限界だーって思ってるんだったら悲しいけど私は引退することは反対しないよ。
でもね?もし、そんな自分が許せなくて、不甲斐なくてって気持ちから言いだしたんだとしたら...
迷惑かけることを怖がらないでもう少しだけ頑張ってみて?
そして他に迷惑かけることを怖がっている子が居たら手を貸してあげてほしいの。
その時どんな言葉をかけてほしかったのか。雪歩ちゃんならきっとわかると思うから。」
~~~回想終わり~~~
雪歩「美咲さんのあの言葉あったから私は今日までやってこれたんです。
今回の公演だって最初は私は出る予定はなかったんですけど、自分でPさんに志願したんです!
もう大丈夫だって、しっかり前を向いて歩きだせるんだって美咲さんに見てもらうために...」
真「雪歩の相談っていうのも振付がどうしても上手くいかないので
コツを僕に聞いてきていたんです。人目を気にしていたのは
前にPさんに自主練のし過ぎでしっかり休めと怒られたので...」
雪歩「美咲さん...やっと、やっと美咲さんに安心してもらえると思っていたのに...」
桃子「...」 - 24二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:41:01
限りなく真実に近づいた推理ではあったけど彼女たちは事件に無関係だった。
桃子たちは重要な何かを見落としている。そう思った桃子は鑑識を訪ねることにした。
~~~鑑識~~~
桜守歌織「それじゃあ環ちゃん。今から実験をするわね?」
大神環「はーい!」
歌織「この水を霧吹きで環ちゃんが着てるTシャツに吹きかけたらどうなると思う?」
環「わかんないぞー!」
歌織「わからないなら仕方ないわね♪それじゃあ一度やってみま」
桃子「歌織さん!何か新しい情報はわかりましたか?」
歌織「あら、桃子ちゃんいらっしゃい」ポイッ
環「おーももこ!いらっしゃい!」
歌織「残念ながらこれと言って新しい情報はないわね
凶器についた指紋は間違いなく容疑者のものだったし
返り血も間違いなく被害者のものだったわよ」
桃子「そうですか...」 - 25二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:42:07
歌織「ただ...」
桃子「?」
歌織「現場検証の時に分かったんだけど、あの部屋何故か犬の毛がところどころに落ちていたの。
でも今回の公演では犬を使う予定はなかったそうよ。」
桃子「なるほろ。貴重な情報ありがとうございます。」
歌織「はーい。また来てね。」
歌織「それじゃあ環ちゃんさっきの続きを」
環「あ!たまき今から遊ぶ約束あるからもう帰るね!
また明日ね!ばいばいかおり!」
歌織「あ、うん。またね環ちゃん...」チッ
~~~劇場~~~
このみ「今度こそ犯人がわかったのね?」
桃子「うん。次こそは間違いないよ。」
星井美希「なんで美希たちここにいるの?」
四条貴音「わざわざ呼んだということは、わたくし達にも関係のある話なのでしょうか?」
我那覇響「自分嫌な予感しかしないぞ...」 - 26二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:43:06
桃子「美希さんたちは事件当時、隣の控え室に居たんだよね?」
美希「そうなの。休憩中に控え室で喋ってたら隣から凄い悲鳴が聞こえて」
貴音「なにやらただならぬ雰囲気だったもので、下手に動くのはかえって危険かと思いしばらく控室の中でじっとしていたのです。」
響「そしたらだんだんと騒がしくなってきて、Pが自分たちの無事を確認しに控え室に来て事件を知ったって感じだな」
桃子「なるほろ。つまり3人はお互いがアリバイの証人ってわけだね。
つまりそれが犯人の狙いだった。そうだよね?響さん」
響「うわっ、こっちに振ってきた」
桃子「鑑識によれば事件現場には犬の毛が落ちていたそうなんだけど...
響さん、あなた犬を飼ってるよね?」
響「うん、自分の家族にいぬ美がいるぞ。
え?まさかと思うけど...」
桃子「そう、事件の真犯人は...響さん!あなただったんだよ!!!」
桃子「動物が大好きな響さんは来る日も来る日も動物の素晴らしさを美咲さんに伝え続けて、
あわよくば美咲さんにも何か動物を飼い始めてもらおうと画策していたの。
しかし連日連夜、時間も場所も方法も問わない勧誘にもかかわらず美咲さんはまったく期待に答えてくれない。
それもそうだよね、だって美咲さんの部屋はペット不可だったんだから。
どうして自分が勧誘してくるとわかっていたのにペット不可の家に住んでしまったのか、
そんなに自分をこけにして楽しいのかと、期待が憎悪に変わるのは火を見るよりも明らかだった。」
響「これ自分怒ってもいいよな?」 - 27二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:44:13
貴音「お待ちください。先ほども言いましたが響はそもそもわたくし達とともに居りました。」
美希「そうなの!それなのに響がどうやって美咲を殺したっていうの?
それとも美希たちが嘘ついてるとか言うつもり?」
桃子「ううん。たぶん美希さんたちは嘘なんかついてないと思うし、
響さんは実際に控え室内に居たはずだよ。」
亜利沙「じゃあどうやって犯行を?」
桃子「いぬ美ちゃんだよ。」
響「嘘だろ...」
桃子「殺すと決意してから響さんはひたすらにいぬ美ちゃんにナイフの使い方を教え込んだ。
それだけじゃない、足音の立てない歩き方、痕跡の消し方、偽の証拠の作り方まで一通りね。
そうやって立派な殺し屋に仕立て上げたいぬ美ちゃんに犯行の全てを任せて自分はアリバイ作りのために
ずっと隣の控え室で過ごしていたの。」
このみ「芸達者なワンちゃんね!」
亜利沙「その一言で済ませちゃダメなレベルだと思いますけど...」
響「いやそもそもいぬ美がどうやって現場まで行ったって言うんだよ?
また犬が居るのはありえないから見逃したとか言うつもりか?」
桃子「何言ってるの?そんなわけないでしょ?」
響「こ、こいつ...」 - 28二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:45:13
桃子「桃子も完全に盲点だったけど犬といえばあれがあるよね。」
美希「あれ?」
桃子「そう犬の得意技、穴掘りだよ!
いぬ美ちゃんは外から控え室まで地面の下を掘り進んで来たの!
そうやって現場に突入、突然床をぶち抜いて現れたいぬ美ちゃんを目撃して
混乱している美咲さんを殺害!一通りの証拠隠滅を済ませた後に掘ってきた穴を通ってエスケープ!」
響「それだったら現場にいぬ美が通れるくらいのどでかい穴が開いてるはずだぞ」
桃子「数々の暗殺術を身に着けたいぬ美ちゃんだよ?
なんやかんやすれば掘り起こした穴を鑑識でも見つけられないレベルで埋め立てることもできる!」
このみ「完璧な計画ね...これが完全犯罪...」
桃子「そうやって自分の手を何一つ汚すことなく犯行を成し遂げた響さんは
Pさんが呼ばれて素知らぬ顔で犯行現場を確認。成功を見届けたってことだね。
どうかな?響さん。犯行を認めてくれる?」
貴音「ひ、響?噓ですよね?違いますよね?」
美希「響!違うよね!?
あの探偵さんが適当言ってるだけだよね?
違うなら違うっていうの!」
響「いや違うに決まってるぞ」 - 29二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:46:15
桃子「!!!?!?!??!?」
響「なんであんな推理でそこまで自信満々だったのか甚だ疑問だぞ...
いぬ美今家でゆっくりくつろいでる最中だからそんなことできるわけないぞ」
桃子「だけどその証拠は...」
響「ほら、ペット用のカメラアプリ。今のうちの様子だぞ。
これ録画機能もついてるから今朝の様子もばっちり確認できるぞ。」
亜利沙「気持ちよさそうにお昼寝してますねぇ...」ハァハァコレガヒビキチャンノオヘヤアアアアア
響「そもそも自分美咲の事大好きだからな!
自分が美咲の事殺すなんてありえないぞ!」
このみ「なるほど、きっとやよいちゃんや雪歩ちゃんみたいな感動エピソードが...」
響「え?いや自分は特にそういうのはないけど...」
桃子「え?」
亜利沙「え?」
このみ「え?」
美希「ごめんなさいなの、うちの響が...」
貴音「わたくしたちの方からもよく言い聞かせておきますのでここどうかお見逃しを...」
響「これ自分が悪いのか!?」 - 30二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:47:11
四捨五入すればほとんど真実と言っても過言ではなかった推理だったけど
彼女たちも犯人ではなかったみたい。
もしかしたら大きな間違いをおかしてしまっているのかもしれない。
そう思った桃子は一度原点に立ち返ってみることにしたよ。
このみ「今度こそ本当に犯人がわかったのね?」
桃子「うん。だからこうやって全員に集まってもらったよ。」
桃子「Pさん。今回の密室はあなたとそらさんが出入口付近で雑談していたことが要因の一つになってるよね?
そもそも何でそんなところで立話をしていたの?予定を調べさせてもらったけどこの後はすぐに事務所に帰るはずだったよね?」
P「うっ、そ、それは...」
桃子「何か帰りたくない理由があったんだよね?」
このみ「おのれこの男は!!逮捕するわ!!!」
桃子「だけど彼は殺してないよ!!!」
このみ「そうよね!そんなことする男じゃないって信じていたわ!」
亜利沙「じゃあこの事件の真犯人は誰なんですか?」
桃子「この事件の犯人...その人は密室を破ることが出来た...
その人はアリバイが無かった...その人は動機があった...
この事件の真犯人...それは...」
音無小鳥お前や! - 31二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:48:01
亜利沙「知ってた」
響「知ってた」
桃子「自首...してくれるよね?」
小鳥「もうしてます」
響「え?今までの時間なんだったの?」
雪歩「小鳥さん...私から一つ聞いてもいいですか?
小鳥さんは今でも美咲さんを恨んでいますか?」
小鳥「雪歩ちゃん...私は美咲ちゃんを恨んだことなんて一度も無いわ...
いつでも明るくて前向きで、私にとってはまるで妹みたいだなって思っていたもの
そんな彼女を私はいっときの醜い感情で...私は...本当になんてことを...」
雪歩「そこまで思っていながらどうして」
小鳥「恐かったのよ!皆に捨てられるのが、必要とされなくなるのが、
バカみたいよね?皆のおかげで夢を見させてもらっているのに...
いつまでもそれにしがみついているなんて...
そしてついに...こんな取り返しのつかないことを...」
P「あの、ちょっといいですか?
小鳥さんが必要ないとか、捨てられるとか、
さっきからいったい何の話をしてるんです?」 - 32二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:49:16
小鳥「え?」
桃子「Pさんと青羽さんがしていた"小鳥さんはもう要らない"という話を聞いちゃったから
小鳥さんは犯行に及んだって言ってたけど...」
小鳥「わ、私は確かに聞きましたよ!
私はもう必要ないって!だから社長にも話して私を...」
P「もしかしてあの時の話を聞いていたんですか...
違いますよ小鳥さん。あれは、自分のOJTから小鳥さんを外してくださいと相談を受けていたんです。」
小鳥「そ、それはどういう...」
P「小鳥さん。ほとんど付きっ切りで青羽さんの業務フォローに回っていましたよね?
そのせいで自分は夜遅くまで残って作業をしていることを青羽さんかなり気にしていたんですよ。
なので、小鳥さんに十分教えてもらって自分はもう大丈夫だからと。これ以上あの優しい先輩の負担になりたくはないと
そういった相談を受けていたんです。
今度は私が小鳥さんの助けになるんだって青羽さん嬉しそうに話していましたよ...」
小鳥「嘘...そんな、嘘よ...
じゃ、じゃあ私は...私は何のために...」
桃子「小鳥さん、あなたは見捨てられてなんか居なかったんだよ。
あなたが人のために動ける人だから、そんなあなたの助けになりたいからこそ
美咲さんは今回の話をPさんたちに持ち掛けたんだね。」
小鳥「美咲ちゃん...美咲ちゃん...ごめんなさい、ごめんなさい!」
麗花「このみ警部♪被害者が病院で意識を取り戻しました~。
さっそく事情聴取行きましょう~。」 - 33二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:50:37
このみ「あれ?死んだんじゃなかったの?」
麗花「ぎりぎり急所は外れて今の今まで意識不明だったんですよ~。
さあさあ、早く行きましょう~。」
小鳥「け、刑事さん!お願いします!
私も一緒に連れて行ってください!」
このみ「今回だけ特例よ?しっかり見張りはつけさせてもらうからね?」
小鳥「はい!ありがとうございます!」グスッ
このみ「他にも気になってる人いるでしょ?
全員パトカーで送って行ってあげるからついてきなさい!」
P「よかった。無事に目を覚ましたか...」
桃子「随分と落ち着いてるみたいだけど、もしかして生きてるって知ってた?」
P「第一発見者も、救急車に乗り込んで説明を受けたのも俺ですよ?
助かる見込みがあるってことは医者から聞いていました。
まあ油断は出来ないとも言われていたので心配には変わりなかったですが...」
P「けっきょく事件の原因は俺だったな...
小鳥さんめちゃくちゃ青羽さんの事可愛がっていましたから。
フォロー外れるってなったら落ち込むだろうなって、伝えるの億劫だと思わずに
さっさと帰ってちゃんと説明していれば...」
桃子「それは違うよ」 - 34二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:51:02
P「え?」
桃子「だって美咲さんが助かったのは発見が早かったからで、
早期に発見できたのはあなたが現場に居たからでしょ?
だから今回はそれで良かったんだよ。
早く説明しておけっていうのはその通りだけどね。」
P「そっか、そうですよね。
今回はこれで良かったんだ...」
ありがとう 探偵さん
~~~周防探偵事務所~~~
亜利沙「しかし33レス持たせるためとは今回はかなり無茶な推理しましたねぇ
美咲さんもけっきょく刺されたことを否定して事件にすらならないなんて仕方ないですね♪」
桃子「そんなんじゃないよ。
本当は小鳥さんは美咲さんの事を思っていたし、美咲さんも小鳥さんの事を思っていた。
それなのにあんな誤解で悲しい結末なんてあんまりだもん。」
亜利沙「そうですね♪」 - 35二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:52:10
~~~周防探偵事務所~~~
亜利沙「ほほほ、ほんとにほんとにいいんですか!!?!?」
茜「いいよいいよぉ!お買い得でしょ?茜ちゃん人形ストラップ!
今ならたったの\76,500(税抜き)!だからこの書類にサイn」バァン!!
このみ「探偵!いやぁ今回もあなたの活躍で無事事件解決!
私も鼻が高いわ!まあなんか最初っから解決してたような気もするけど...」
亜利沙「あ、このみ警部。いらっしゃいませ。
どうぞゆっくりしていってください。」
桃子「このみ警部。ちょうどよかったね。
桃子たちこれからお昼ご飯なんだけど、よかったら食べていく?」
このみ「いいの?じゃあせっかくだし頂いていくわね。
...にしても相変わらずこの部屋散らかってるわね。
たまには掃除しなさいよ?」
亜利沙「お待たせしました。ありさ特製スペシャルカレーですよ!
って、うわああぁぁぁ~~~」ツルッ
このみ「だから片付けないって言ったのにいいぃぃぃぃ!
なんで最後の最後にこんな目に合うのよおおぉぉぉ!」
~~~fin~~~ - 36二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 22:53:14
ここまで見てくださった皆様、長々とお付き合いいただきありがとうございました。
SS初挑戦でしたので色々至らない点ありましたでしょうが、少しでも楽しんでいただけたのなら幸いです。
途中で薄々気が付いた方も居られると思いますが
このSSは↓の動画に多大なる影響を受けております。
また本家『33分探偵』も文句なしで楽しめる名作ですので
気が向いたら一度ご覧になることをオススメします。
それでは今回はこの辺で、ご閲覧ありがとうございました。
- 37二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 23:02:34
乙
>響「嘘だろ…」
で耐えきれなかった
- 38二次元好きの匿名さん21/08/23(月) 04:45:40
乙です
美咲ちゃんいい子だなぁ - 39二次元好きの匿名さん21/08/23(月) 12:57:28
気が向いたらまた書いてみてくださーい
乙でした