(SS注意)ダイタクヘリオスに耳掃除してもらう話

  • 1二次元好きの匿名さん23/01/04(水) 22:39:28

     太陽に近づきすぎたイカロスは、その傲慢さを咎められ、墜落することとなった。
     人間の愚かさを戒める話と見るか、死をも恐れぬ鉄の勇気を見習う話と見るか。
     どちらにせよ、私には縁遠い話だと思っていた――――今、この瞬間まで。

    「どしたんトレーナー? ウチの準備はおけまるだよ?」

     長椅子に腰かけるダイタクヘリオスは自身の膝をぽんぽんと叩く。
     正確いえば膝ではなく、太腿に当たる部分である。
     膝枕とはいうけど太腿枕が正確だよね、それはともかく。

    「ヘリオス、人間は太陽に近づき過ぎると、死んじゃうんだよ……?」

     私は『ヘリオスの膝枕』という名のコリカンチャに一歩後ずさる。
     今まで私は彼女の担当トレーナーとして共に歩んできた。
     近づいても脳と目が焼かれる程度の軽傷で済んでいると思っていたが、それは違った。
     今までのは太陽を地表から眺めているだけに過ぎない。
     私は文字通りイカロスの足元にも及んでいなかったのだ。
     そんな現実に立ち尽くす私に対して、彼女は首を傾げながら、啓示を与える。

    「トレーナー、時間勿体なくない? ……それとも、実は嫌だった系?」
    「は? そんなわけないし? すぐ巡礼かましたるから待ってろし!」

     微かに曇るヘリオスの顔を見て、私は自分を恥じた。
     ヘリオスの膝なら腹に食らったとしてもバッチコイなのだから、嫌なわけがない。
     清水の舞台から飛び降りる……いや、クレタ島の塔から飛び降りる思いで彼女に近づく。
     見てろ、私はイカロスを越える! 飛ぶぜ私!

     ――――何故こんな神話に挑戦するような話になったのか?

     それは数十分前に遡るのであった。

  • 2二次元好きの匿名さん23/01/04(水) 22:39:50

    「ああ~~終わった~~っ!」

     どんな業種にも繁忙期というものがある。
     それはトレーナー業においても例外ではない、いや年がら年中繁忙期な気もするが。
     レースの準備やヘリオスのトレーニングに加え、溜まっていた大量の書類の処理に、レース場の下見や注目ウマ娘の調査、それ以外にも様々な雑事に追われていて、この一週間ほどはまともな休みはない状態だった。
     家には帰っているものの、食べて呑んで寝るだけ。
     服も寝巻と通勤用のスーツと仕事用のジャージをローテーションしているような有様だ。
     無論、ヘリオスのトレーナーとして恥じないように最低限の身嗜みは整えてるつもりだが。
     背伸びをして身体を曲げると、ゴキゴキと音が鳴る。あまり良い傾向ではない。
     明日は久しぶりに一日オフだけど、回復に時間使わないとまずいかなこれは。
     軽い体操をしながら休日のスケジュールを組み立てていると、トレーナー室の扉が開かれた。

    「ウェーイッ! トレーナー、今なーにしてんのー☆」
    「あれ、ヘリオス? うぇーい、てかどしたん、今日も明日もお休みだったでしょ?」

     聞いてるだけで元気を貰えそうな明るい声と共に私の担当ウマ娘、ダイタクヘリオスが入ってくる。
     眩しく、優しい笑顔、多分彼女の存在で人間は光合成が出来るようになると私は睨んでいる。
     しかし、意外だった。
     彼女は友人が多く、お休みとなると友人と遊びに行くことが殆どだ。
     友人と遊ぶ時間が足りないなんて言って泣きそうになることもあったくらいだし、今日も遊んでると思っていたが。

    「そなんだケドさ、うーん」
    「まっ、とりあえずもう仕事終わったし、私は暇だけど」
    「……最近トレーナー頑張り過ぎというか、きゃぱい的な?」

     笑顔を沈ませ、心配そうな表情を浮かべるヘリオス。
     ああ、流石に隠し切れていなかったようだ。
     そもそも他人の機微に敏感な彼女に、隠し通そうなんてのが最初から無理だったのだろう。

  • 3二次元好きの匿名さん23/01/04(水) 22:40:17

     とはいえ、そもそもの原因は私の管理・処理能力不足である。
     担当にいらない心配をかけてしまったのは私の手落ちだ。
     
    「心配ありがとねヘリオス、でも好きでやってる仕事だから気にしな――――」
    「ってなわけで! 今日はヘリオス・アゲヘブン・デイいっとくしょ☆ ウェーイッ!」
    「まってまってしょうさいおしえてしょうさいちけっとよやくかいしびはいつですか」

     あまりに魅惑的なワードに、取り繕うとした精神の鎧は一瞬で砕けた。
     ヘリオス・アゲヘブン・デイ? 酒池肉林って書くんだっけ?
     こんなんもう激ヤバのやばたにえんじゃん、字面だけでテンアゲ確定じゃん。
     脳内で繰り広げられるカーニバルに何とか蓋をして、私は改めてヘリオスに問いかけた。
     
    「詳しく説明して、私は今冷静さを欠いているの」
    「りょ! 最近トレーナー、テンサゲ☆ 鬼サゲ★ ヘローサンパウロ! って感じだったじゃん?」
    「……まあその辺りはもう言い訳しないよ、でもこれからは」
    「バテバテなトレーナーには癒しが必要しょ!」

     うーん押しが強い。
     ヘリオスは周りを良く見るし気が利くタイプではあるが、たまに、すごい我が強くなる。
     正確にいうと自分達のことに関してはひたすら曲げない、譲らないというタイプだ。
     今回は後者が出てる、私も身内に含まれるようになった、と好意的に見るべきか。
     そして彼女は、自身の荷物から何か道具を取り出した……竹の、棒?

    「好きピが、トレーナーにやって効果神アゲって言ってたから……耳掃除なんて、どよ?」
    「みみそうじって……耳を掃除する、ってコト!?」

     思わず自分の耳に手が伸びる。
     乙女(二十代後半)の秘密故詳細は省くが、あまり手入れは出来ていない。
     しかもそれは外側の話で、中の話になれば最後に掃除した日が思い出せないレベルだ。

  • 4二次元好きの匿名さん23/01/04(水) 22:40:43

     正直にいえば、耳掃除というのがあまり得意ではない。
     両親は私に恨みでもあるのかと思うくらい下手クソだったし、自分でやる気もしない。
     そんなこんなで長年やってなくても問題なかったので放置していたわけなのだが……。

    「トレーナー、あんま耳の手入れとかしないっぽいし? しごおわならよきかなって」
    「えっ、そういうのわかっちゃうんだ」

     今後は気を付けようと思いつつ、私は一旦腕を組んで考え込んだ。
     学生である担当ウマ娘にそこまでしてもらうのはいかがなものだろうと思う反面、せっかくのヘリオスの厚意を拒否するというものどうなのかとも思う。
     何よりヘリオスの耳掃除――――すごく、すごい興味ある。
     思考を巡らせる私に対して、何か勘違いしたのか、彼女は言う。

    「パマちんにも何度かやってあげたから、ウチの腕はASだかんね☆」
    「…………え~本当? 実際に見てみないと信用できないな~、なんて」
    「じゃあ今度セルフィーすっから! マジだかんね!」

     よっしゃ、写真貰ったらパーマーのトレーナーに横流ししてなんか奢ってもらおう。
     ……やっぱヘリオスの想いを拒否することなんて、やっぱできないな。
     今回だけは素直に彼女に甘えるとしよう。
     私は組んだ腕を解いて、両手を合わせて、彼女にお願いをした。

    「うん、ヘリオス、今回だけお願いできるかな……?」
    「……ッ! りょっ! おけまる水産! じゃあ、パパッと準備すっから!」

     ヘリオスはいつの間にかトレーナー室に用意されていた小さな冷蔵庫みたいなものをテーブルに置く。
     事前に準備されていたということは、今日に当たりを付けられてたのかな?
     そしていくつかの道具を取り出し、長椅子の端の方に陣取って、準備完了、と言わんばかりの笑顔を向ける。

    「じゃトレピ! 膝に頭をカムヒア~☆」
    「えっ」

  • 5二次元好きの匿名さん23/01/04(水) 22:41:06

     ――――そんなこんなで冒頭の話から、現在に至るのである。
     まさか少年ならぬ少女(二十代後半)が神話になる日が来るとは思わなかった。
     まず長椅子に寝転がり位置を調整、大きく深呼吸をしてから、頭をゆっくりとヘリオスの太腿へと運んだ。
     むにゅん、とした肉感。鍛えあげてなお柔らかさを損なわないウマ娘特有の感触が、私の見栄を破壊した。
     そして高めの体温がダイレクトに私の顔に伝わり、その心地良さに私の理性はドロドロと溶け出す。
     鼻から吹き抜けるヘリオスの香り、香水と若干の汗が合わさった芳香は、抵抗する力を奪い取る。
     いずれ一つでも致死量。合わさったら――――トブぜ私。

    「これ、ヤバ……私、ここ住む……日照権主張するぅ…………」
    「アハハ、トレーナー、マジバテぽよだったんじゃね?」
     
     この様では何も否定ができない。
     やっぱり人間が太陽に挑むなんて無理だったんだ、見直したよイカロス。
     いつの間にか私は力を抜いて、全体重をヘリオスの太腿にかけてしまっていた。
     そんな情けない様子の私の頭を、彼女は軽く撫で回す。

    「……うん、そのままウチに身体預けて、ヘロードリームしてても良いかんね?」

  • 6二次元好きの匿名さん23/01/04(水) 22:41:24

     ぱかっ、とテーブルの上に置かれた冷蔵庫みたいなものをヘリオスは開けた。
     中からは湯気を立てるおしぼりが出てくる、なるほど、逆だったみたいだ。
     保温機なんて良く持ってたね、と彼女に言う。

    「さっきの好きピからのレンタルだよ、今度397しないとね?」

     そう言いながら、ヘリオスはおしぼりを広げて、私の耳につける。
     熱すぎない程度の温かさ、じんわりと熱が広がっている。
     だいじょぶそ? と声をかける彼女を私は肯定する。
     それを聞いた彼女は、おしぼりで私の耳全体を優しく拭い始める。
     時より、ぎゅっ、と指でツボを押すように力を加えながら。

    「わっ、トレーナー、耳の裏マジ卍じゃん。せっかく顔はギャルベなんだし勿体ないよ」

     そう言いながら、ヘリオスは念入りに耳の裏を拭っていく。
     ヘリオスの細くてしなやかな指の感触が耳から伝わってきて、なんか変な気分。
     おしぼりが冷めるまで続けていると、少しだけ耳の中が痒くなってくる。
     なるほど、耳の掃除だけでなく、代謝を進めて中の掃除をやりやすくするわけだ。

    「じゃあ中の方を攻めてくかんね? ……うぇいうぇ~い」

     景気づけなのか、小さな声でいつもの掛け声を入れると、耳の中に耳かきが侵入する。
     ノイズかと思うような音をかき分け、耳かきは軽い力で、耳垢を浚っていく。
     ぞくりとする感覚と何とも言えない心地良さが全身を駆け巡る。
     耳から耳かきが出る度に、テーブルの上に広げたティッシュに垢がトントンと落とされる。
     
    「かり、かり……♪ やば、メッチャ取れるじゃん、いつから耳かきからおいとましてたん?」

     覚えてないなあ、と口にするとヘリオスはむぅと不満げに唸りながら耳掃除を続けた。

  • 7二次元好きの匿名さん23/01/04(水) 22:41:44

    「おけ、次は大物いっちゃうっしょー☆ ……痛かったら言ってね?」

     簡単に取れるところを取り終わったのか、ヘリオスは次なる目標を宣言する。
     とはいえ私の意識はうとうとと沈み始めていて、何を言われたのかがいまいちピンと来ない。
     寝落ちしてしまうのすら勿体ないと感じる多幸感。
     意識を何とか保とうする意思に反して、私の瞼は徐々に落ちていく。
     やがて視界が完全に闇に包まれた――――その瞬間、ガリッという大きな音が響く。
     急な轟音に意識が覚醒し、反射的に私の身体がビクリと跳ねる。

    「わっ、ヤバッ、ごめっ! トレーナーだいじょぶそ!? 痛かった!?」

     慌てたように声をあげるヘリオスに、痛くないよ、と声をかける。
     実際、音に驚いてしまっただけである。余計な心配をかけてしまったかな。
     しかし察するに、頑固な大物が潜んでいたようだ。
     私の様子に彼女はしばらく考え込むと、綿棒と小さなボトルを手にとった。
     
    「ちょーっとヒヤッすんよー? ペタ、ペタ、ペタ……♪」

     綿棒をボトルに入った粘性のある液体に浸し、それを私の耳の中に塗りたくっていく。
     あのボトルの中身はいわゆるローションとかかな? 耳用があるとは知らなかった。
     スーッとしたメンソールの清涼感と吹き抜けるミントの香りが、心地良い。
     というかさっきからなんで擬音を囁いてるんだろ? 私は疑問をそのまま口にする。

    「それな? 囁きながら耳かきするとマジ卍って好きピがな?」

     誰だよそんなこと言ったやつ、国民栄誉賞もんだろ。
     一通りローションを塗り終わると、ヘリオスは再度耳かきを持ち直して、大物狩りを再開する。

    「かり、かり、かり……♪ アハッ、これすご、取れすぎてマジウケなんですけどー☆」

  • 8二次元好きの匿名さん23/01/04(水) 22:42:10

     先ほどの異音が嘘だったかのように大物がどんどん取り除かれていく。
     どうやらあのローションには垢を柔らかくして取りやすくする効果があったようだ、勉強になるなあ。
     順調さを取り戻した耳掃除は、私に心地良さと睡魔を感じさせる。
     ……嫌だ、私はもっとこの太腿とみみかきの、かんかくを、じっくりあじわいたい、のに。
     いしきはじょじょにやみにのみこまれてい――――、

    「Fooooooooooooooooooooo!!」

     太陽神による裁きの雷が鼓膜を襲った。思わず低めの悲鳴が喉から出る。
     えっ? 何? なんでこの流れで急にバイブス上げて来たの? 私なんかしちゃいましたか?
     あまりの出来事に若干目に涙を浮かべながら、私は起き上がりヘリオスを見た。
     彼女はきょとんとした表情で首を傾げる。

    「最後は耳にフーってするとよきよきって好きピがな?」

     誰だよそんなこと言ったやつ、ダーウィン賞もんだよ。
     とりあえず誤解を訂正すると、ヘリオスは素直に謝罪を告げた。まあ私も怒ってはいない。
     まだ熱を持った片耳に触れると、先ほどとは全く違う触り心地になっていた。
     聞こえもかなり良くなってる感じがするし、気のせいか頭もどことなく軽い。
     
    「じゃあトレーナー、反対側ね? 次はちゃんと耳フー決めっからっ!」

     そう言ってヘリオスは太腿を叩き、私はその案内に従い頭を預ける。
     そして視界の真ん前に広がるヘリオスのお腹……えっ、これヤバくない?
     制服だからセーフ感あるけど仮に勝負服だったらへそ見えてる位置、眩しくて目が開けられない。
     ヘリオスの良い匂いも体温も強く感じるし、こんなの太陽が目の前にあるようなものだ。
     太腿も太陽と字面が似てるし、実質太陽にサンドイッチされてる状態。
     つまるところ今の私は人類史上もっとも太陽に近づいた存在といっても過言じゃない。
     そっか……私、越えられたんだ――――イカロスを。

  • 9二次元好きの匿名さん23/01/04(水) 22:42:42

    「今度は最初っからローション行くっしょー! ペタ、ペタペタ~♪」

     馬鹿なこと考えてる間にもヘリオスの耳掃除は進行していく。
     おしぼりを使った耳の外側の掃除とマッサージを終え、耳の中を確認したヘリオスは最初にローションを手にした。
     最初からローションを使った方が手早く、かつ耳の中への負担も少なくなると判断したのだろう。
     感心する反面、手際が良くなって耳かきの時間が減ってしまい残念、という気持ちもある。
     
    「うぇいよー、それじゃあ中の方を……かりかり、かり、かりかり……」

     耳かきに持ち替え、耳の中の掃除を開始する。
     少しだけ湿り気の混じった、耳の中を浚う音色。
     耳かきが差し入れされる都度、耳の空気の通りが良くなる実感と、神経を刺激する快楽が脳に響く。
     そこにヘリオスの囁きが絶妙に入り込み、思わず変な声が出てしまいそうになる。
     
    「トレーナーもそんなきゃわたんな声出せる系? アハハ、ジワるー☆」

     いや出てたわ、女の子(二十代後半)にあるまじき声が。
     いつもなら軽口を返す場面だが声を抑えるのに必死でそんな余裕はない。
     口を手で押さえて、目を瞑り、なんとか耐えようとする。
     しかしそれは逆効果だった、目と口をふさいだ結果、耳と鼻が寄り鋭敏になってしまう。
     かり、かりと耳の壁を優しく擦る音、ヘリオスの穏やかな囁き声。
     耳から伝わってくる心地良い刺激、鼻から伝わるヘリオスの香り。
     こんなん、耐えられへん。
     脳の処理能力がオーバーロードし、真っ白になった頭に、更には睡魔が襲ってくる。
     あらゆる感覚がふわふわとなり、何かの気配が近づいてくる。

    「今度は間違えないかんね、ふぅーーーー……っ♪」

     優しくて温かい吐息は、私の最後に残った、理性とか、そういう感じの何かを全て吹き飛ばしていった。
     誰だよこんなこと教えたヤツ、ノーベル賞もんだろ……。

  • 10二次元好きの匿名さん23/01/04(水) 22:43:07

    「……トレーナー? 寝ちゃった系?」

     えっ、私寝てた? 飛ばした意識は、ヘリオスの呼びかけで覚醒する。
     反応しようとしたのだが、それよりも早く彼女の言葉が発せられた。

    「トレーナー、頑張りすぎな? 気持ちはあざまる水産だけど……」

     彼女は右手で私の頭を撫でて、左手を私の肩に当てて、トントントンと、優しくリズムを取る。
     ……参った、想像以上に心配をかけてしまっていたようだ。
     起きるタイミングを見失った私は、タヌキ寝入りを決め込む。

    「それでメンブレされたらぴえんでつらたんだし、ウチの運命、マジ詰んじゃうよ?」

     私なんかいなくても、ヘリオスはやっていけると思うけど。
     でも、彼女は今、本気で言ってくれているのだから、そんなことは言わない。
     そんな彼女の本気に応えられるように、更に頑張っていくだけ――――、

    「トレーナー、今起きててTBSなこと考えてるっしょ?」

     ぎくり、身体が思わず震える。
     ヘリオスの口から大きなため息が出て、彼女は私の頭をお腹に押し込むようにぎゅっと抱え込んだ。
     まってまってちかいちかいあったかいいいにおいするやわらかいむりむりやばたにえん。
     
    「今は何も考えないでメンケアしてさ? また一緒にバイブスあげてこ?」

     何か話をいい感じに〆ようとしつつあるヘリオス。
     そんな彼女を尻目に、私は、某アグネスデジタルが尊さを感じてる時みたいになってた。
     ああ、ヘリオス・アゲヘブン・デイってそういうことなんだ……。

     その後、私が気絶したことに気づいたヘリオスによってひと悶着起きるのは、また別の話。

  • 11二次元好きの匿名さん23/01/04(水) 22:44:30

    お わ り
    耳掃除SSが同じ日に被るとは思わなかった……

  • 12二次元好きの匿名さん23/01/04(水) 23:31:03

    ヘリオスの包容力が全面に出た良きSSだあ

  • 13二次元好きの匿名さん23/01/04(水) 23:37:22

    トレーナー限界オタク過ぎない?
    担当トレーナーなんだから担当推しなのは当たり前だろ
    それもそうか

  • 14二次元好きの匿名さん23/01/05(木) 00:53:19

    感想ありがとうございます

    >>12

    そういう面が出せれば良かったです

    >>13

    そうなんです

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