ここだけ超新星で探偵物語【🎲】Part４

[1 二次元好きの匿名さん 23/01/05(木) 22:16:12]

犯罪が頻発する大都会で探偵をしている超新星がいた
町で事件が多発しそれぞれ巻き込まれてゆく…
※バイオレンスを含みますのでそのような描写があります。ご注意ください

1.探偵　ベッジ
2.助手　ボニー
3.依頼人　アプー
4.探偵の妹　ロー[小説家]
5.警部補　ウルージ
6.若手刑事　キラー
7.立て籠もり犯　ホーキンス[広告用モデル]
8.人質(ストックホルム症候群)　ドレーク[しがないサラリーマン]
9.連続殺人犯　ルフィ[大学生]
10.死体　キッド[整備士]
11.謎の女　ゾロ

[2 スレ主 23/01/05(木) 22:16:40]

Part1

ここだけ超新星で探偵物語【🎲】｜あにまん掲示板

Part2(レス番183にストーリーまとめ安価)

ここだけ超新星で探偵物語【🎲】Part2｜あにまん掲示板

Part３(レス番186にストーリーまとめ安価)

ここだけ超新星で探偵物語【🎲】Part３｜あにまん掲示板

[4 スレ主 23/01/05(木) 22:17:49]

【キッド殺人事件編】あらすじ

整備士キッドが殺害された。そのことでベッジの助手ボニーが事情聴取をされる。

ボニーは借金のことで言い争いをしていたが殺害には関与していなかったことがわかり釈放。

真相はある夜の公園で、キッドは昔からのバイク仲間に怪しい白い粉について言及された時、もみ合いになり誤って殺されてしまっていた。真犯人の心情はいかに…？

【依頼人編】あらすじ

ベッジの元に青年アプーがやってきて、空飛ぶ女を探してほしいと依頼する。

その女に恋をしてしまったのだという。

空飛ぶ女の正体は泥棒だった。盗みを働き逃亡中にアプーの家の上空を飛んでいるところを目撃された。

数日後に事務所を訪れたアプーはその事実を知らされ、恋は儚く消えてしまった。

[5 スレ主 23/01/05(木) 22:18:34]

【連続殺人編】あらすじ

ウルージ警部補とキラー刑事がベッジの探偵事務所を訪れた。隣町で毒殺による連続殺人事件が起きているという。

そしてあろうことか5人目の殺害現場近くでベッジの妹ローが目撃された。

【立て籠もり編】あらすじ

猫が大好きなしがないサラリーマンのドレーク、お得意様の広告用モデルをしているホーキンスを訪ねるはずが

近所の小さなレストランで何故か当のホーキンスに捕まえられ立て籠もりの人質になってしまった

実はホーキンスはその日自宅の居間で死んでいる父親を見つけるがそのまま逃走してしまったのだった。

ホーキンスはやがて落ち着きを取り戻すと、ドレークに自首すると伝え、二人は扉へと歩いて行った。

＊＊＊＊＊＊

ベッジの事務所ではローが失踪して一週間が経ったある日、謎の女がビルの窓の外に現れ、ローの木刀と1枚の紙片を置いて消えた。

翌日ベッジはウルージ警部補の元へ、ボニーは紙に印刷されていた建物に向かうことになった。

一方、実は何者かによって薬で眠らされていたローはとある場所で目を覚ます。すると目の前には無表情で見つめるルフィがいた———

[6 スレ主 23/01/05(木) 22:19:43]

挿絵は神絵師さまのファンアートを使わせてもらいました。
本当にありがとうございます！

[7 二次元好きの匿名さん 23/01/05(木) 22:20:50]

スレ立てお疲れ様です！
続きも楽しみにしています

[8 二次元好きの匿名さん 23/01/05(木) 22:30:40]

おおおあらすじ紹介が素敵だ

[9 二次元好きの匿名さん 23/01/05(木) 22:34:57]

たておつです
滅茶苦茶スチル綺麗！

[10 二次元好きの匿名さん 23/01/05(木) 22:45:53]

絵がすごい
このゲームの発売日はいつですか？

[11 二次元好きの匿名さん 23/01/05(木) 22:52:41]

前から思ってたけど挿絵最高。このゲームやりてぇ…。

[12 二次元好きの匿名さん 23/01/05(木) 23:49:21]

殺人犯ルフィに性癖が歪まされてしまう

[13 二次元好きの匿名さん 23/01/06(金) 01:18:10]

立て乙です～～！！！ハラハラする……！！！

[14 二次元好きの匿名さん 23/01/06(金) 01:31:53]

こんなに続きが楽しみなスレ初めてだ…。

[15 二次元好きの匿名さん 23/01/06(金) 08:27:31]

前スレの最後のとこ
ルフィとローの間にある緊迫感がすごくいい

[16 二次元好きの匿名さん 23/01/06(金) 18:29:46]

神絵師すぎる！！！
挿絵と文がいい感じに組み合わさって臨場感あるね

[17 二次元好きの匿名さん 23/01/06(金) 18:51:43]

あらすじの構図なんか見たことあると思ったらドラマの公式HPのストーリーのとこだと思いだした

[18 スレ主 23/01/06(金) 22:26:06]

スレ主です

再開します

何者かによって薬で眠らされていたローが目を覚ますと、目の前にはルフィの姿がありました

前スレ↓からの続きになります

https://bbs.animanch.com/board/1391285/?res=183

[19 スレ主 23/01/06(金) 22:28:41]

ルフィの射るような目線を受け、ローはごくりと唾を飲みこむ。

——落ち着け、情報が少なすぎる。

目を逸らし、手のひらで一度強く顔をこする。
そしてもう一度ルフィに向き直った。

「お前こそ、どうしてあの場所にいた？……それが答えだ」

ルフィは一瞬眉をひそめると、何も言わず両腕にあごを埋めた。

「ここに連れてこられた時に見た。あれはあの時一緒にいたやつらだろ？……今度はお前が答えろルフィ。なぜあの夜、殺人事件が起きた場所にお前がいた？」

[20 スレ主 23/01/06(金) 22:40:56]

ローはここで目を覚ますまでの出来事を思い返す——。

それはいつもと変わらない1日のはずだった。
ローは予定がない日は小説のネタ探しによく散歩に出かけた。
その日もあてどもなく歩き、綺麗な夕日が落ちる頃には隣町までたどり着いていた。

休憩がてら適当な店で腹を満たすと窓の外はすっかり暗くなっていた。
そして何の気無しに見ていたローは目の前の道路、赤信号で止まった車に目を止める。
そこには懐かしい友人に似た人物が乗っていた。

ローはつい、信号が青に変わり動き出した車を目で追った。
すると車は走り去ることなく、住宅を解体した後のような空き地に入っていった。

[21 スレ主 23/01/06(金) 22:53:04]

何か胸騒ぎのようなものを覚え、ローは素早く会計を済ませると、なぜか身を隠すようにしてその車に近づいた。
シルバーの車体はいい加減に生えた雑木に隠されるように停まっていた。
さっき見た車中にいた横顔。ここ2年ほど音信不通だったルフィ。他人の空似にしてはあまりにも似ている。

ひとつ気になったのは、その少年のような華奢な人物のそばに、がっしりとした体躯の男が二人同乗していたこと。

車は今のところ停まったままでなんの音沙汰もない。
何がどうだと説明はできない。しいて言えば本能と、小説家の好奇心だ。
そう結論付けると、ローは花壇のへりに腰を下ろした。

[22 二次元好きの匿名さん 23/01/06(金) 22:54:21]

ルフィめっちゃこわい

[23 二次元好きの匿名さん 23/01/06(金) 22:59:56]

ルフィめっちゃ怖いしローけっこう冷静

[24 スレ主 23/01/06(金) 23:17:53]

それから随分時間が経ち、なぜここにいるのかとローが自問しそうになった時、車の扉が開く音がした。
花壇の陰から覗くと、ルフィに似た男が車から出てきた。そして少しやり取りをした後一人で歩き出した。
黒い上下の服のせいで闇に溶けているように見える。

ローはその背中が曲がり角に消えるのを見届けてから立ち上がり、その後を追った。

[25 スレ主 23/01/06(金) 23:21:03]

今日はここまでです
明日はたくさん書けるよていです（だが予定は未定）
今日もありがとうございました

[26 二次元好きの匿名さん 23/01/06(金) 23:22:11]

>>25

お疲れ様です

[27 二次元好きの匿名さん 23/01/07(土) 07:54:37]

>>25

無理せずに頑張ってください

[28 二次元好きの匿名さん 23/01/07(土) 09:25:55]

ここのルフィさん役が役だけにクールな感じだな
怖いし黒の上下の服なんか映画以外で見ないからな

[29 スレ主 23/01/07(土) 16:04:01]

スレ主です
今日は続きを出来上がった分からつらつら上げていきます

[30 スレ主 23/01/07(土) 16:08:43]

物陰に隠れながら様子を見ていると、その男はある家の裏手に廻り辺りを見回し、なんと塀を乗り越えて侵入していった。

男の尋常ではない行動に、ローはその場を離れられなくなっていた。
ローは歩きだし、その住宅の前をゆっくりと通りすぎながら中を窺う。

だが家の中からは物音ひとつ聞こえてこない。
留まっているわけにもいかないのでそのまま歩き続け、先ほどとは逆側の角で止まった。

20分ほどすると、住宅の陰からその男が姿を現した。おそらく侵入したのと同じ場所から出てきたのだろう。
その後は来た道を戻り、待っていた車に乗り込むとそのまま去っていった。

[31 スレ主 23/01/07(土) 16:24:49]

ローは車が見えなくなると、もう一度住宅の前に立ち、今度は注意深く耳を澄ませる。
だが辺り同様しんと静まり返ったままだ。

さすがにチャイムを鳴らして何かありませんでしたかと聞くわけにもいかないので、その日はそのまま帰宅したのだった。

その後ローは、2つの殺人事件が起きたことを知る。

ひとつは幼馴染だったキッドが公園で遺体で見つかった件、もうひとつがあの日ルフィに似た男が侵入した家で他殺と思しき遺体が発見された件だった。

[32 二次元好きの匿名さん 23/01/07(土) 16:51:39]

ローの目撃情報って…

[33 二次元好きの匿名さん 23/01/07(土) 17:03:34]

ルフィと一緒に車に乗ってた二人の男は何者…

[34 二次元好きの匿名さん 23/01/07(土) 17:45:16]

めっちゃウロウロしてたんだろうなロー

[35 スレ主 23/01/07(土) 19:51:51]

キッドの葬式でルフィと再会した時、あの夜目撃したことが脳裏によぎりながらも、ローはつい当たり障りのない話しかできなかった。

お前の頭ならもっと上の大学も狙えただろうと言うと、いやー住んでるところから近い方がいいから何でもいいんだよ、とのんびり答えたルフィがあまりにも普通の大学生に見えたからだ。


数日後ローは再びあの家に向かった。
ニュース映像で見た家全体を覆うブルーシートは取り払われ、外観はあの日見たのと変わっていなかった。

ローが近づこうとした時、遠くからオートバイの音が聞こえてきた。
それはローの目の前を通りすぎ、あの家の前で停まる。

[36 スレ主 23/01/07(土) 20:12:03]

ローが近づこうとした時、遠くからオートバイの音が聞こえてきた。
それはローの目の前を通りすぎ、あの家の前で停まる。

ローは数歩下がって様子を見ることにした。

オートバイに乗った男はしばらく中を覗いていた。
ほどなくオートバイを降り、鉄柵の門に近づくと取り出した何かを門の下に押し込んだ。
その後男はまた中を覗いてから、オートバイにまたがり走り去っていった。

殺人事件に不審な男。何の変哲もない家に見えるが、何か特別なものでもあるのだろうか？

考えることに集中していたローは静かに近づいてくる車に気づくのが遅れた。

[37 スレ主 23/01/07(土) 20:31:05]

振り返ると同時に目の前に迫ったシルバーの車のドアが開き、伸びてきた手に腕を掴まれ中へ引きずり込まれた。
車はドアが閉まると同時に急発進する。

「何しやがるんだ放せェ！！！」
「こい…っつッ！バカ力が！」
「やかましい！早く黙らせろ！」

木刀を車内中にぶつけながら暴れ回るローを、大柄な筋肉質の男が取り押さえようとする。
ローはその男に見覚えがあった。

「てめェは…」

怒りに任せたローの蹴りが相手の顔に当たる直前に、車が大きな音を立てて急ブレーキを踏んだ。
ローはバランスを崩し前座席まで飛ばされ、同じように倒れてきた男に押さえつけられた。

「どけ！この野郎！」

悪態をつき、なおも暴れようとしたローの口が何かで塞がれた。
ローは鼻をつく強烈な匂いを嗅いだ瞬間、意識を失った。

[38 スレ主 23/01/07(土) 20:47:18]

——眠らされてしまったローは知る由もないが、その後車の中で二人の男が話をしていた。


男は手の甲についた引っ掻き傷を見て顔を歪めると、倒れたローを靴の先で小突いた。

「ったく、ゴリラかこいつは」
「おいそれ、どこかへ捨てとけ。指紋つけるなよ」

運転席から声がかかった。
男はローの木刀を取り上げると窓を開け、狙いすましてそれを外に投げた。
木刀は真っ直ぐ飛んでゆき、背の高い雑草に覆われた空き地に消えていった。

「フン、犯人は必ず現場に戻る、ってェ奴か」

そして車はスピードを上げて走り去った。

[39 スレ主 23/01/07(土) 20:53:13]

——車が走り去り完全に見えなくなると、どこからともなく背の高い女が現れた。
金の三連ピアスを揺らしながら左右を交互に見る。

人影がないことを確認すると女は空き地に入り、つい先ほど投げ捨てられたローの木刀を手に取った。

そしてまた足早にその場を去っていった。

[40 二次元好きの匿名さん 23/01/07(土) 21:14:02]

謎の女が謎の女してる
素性は、目的は、男か女かどっちとして想像すれば良いのか

[41 スレ主 23/01/07(土) 21:16:05]

ミスって同じ文章2回貼っちゃった…スミマセン

[42 二次元好きの匿名さん 23/01/07(土) 21:17:31]

シリアスな空気の中申し訳ないけどロー（妹）もどう想像したらいいか混乱する
サラダ化（シクシク化？）が無難なんだろうけど、なんかどうしても髭の生えたいつもの顔が浮かぶ

[43 スレ主 23/01/07(土) 21:20:40]

スレ主です
ゾロとローに関しては性別ネタでどうこうの予定はないので脳をバグらせながらそのまんま読んでください
これに関しては最後までこんな感じです

Part1のダイスで遊んでた時はがっつりSS書く予定はなかったものですみません…

[44 二次元好きの匿名さん 23/01/07(土) 21:55:20]

>>43

頭がバグってるのも楽しんでるので全然気にしないでください！

SS書く予定なくて突発でここまで書けてるのすげえな…

[45 スレ主 23/01/07(土) 22:58:40]

再びスレ主です

続きなんですが、明日と明後日は書き込みができませんので、次は火曜日になる予定です

ちなみに前スレ、キッド殺人事件の真犯人の次の行動まだ募集中です↓

https://bbs.animanch.com/board/1391285/?res=88

内容が被ってもスレ主が確認して終盤のダイスで使用しますので

良かったらまたアイデア書きこんで下さい

アイデアはこのレスに安価つけて書いて下さい

よろしくおねがいします

[46 二次元好きの匿名さん 23/01/07(土) 23:14:38]

>>44

それな

[47 二次元好きの匿名さん 23/01/07(土) 23:31:49]

同じく
脳バグってる状態が変に癖になってきてる
おまけにダイス振って謎の女で大笑いしたしパロディだしifだし経緯おかしくないのわかってるんだけどなんか変な性癖目覚めそうでこわいわ

[48 二次元好きの匿名さん 23/01/08(日) 10:26:23]

ほしゅ

[49 二次元好きの匿名さん 23/01/08(日) 14:58:26]

サスペンスのSSって珍しいから面白い

[50 二次元好きの匿名さん 23/01/08(日) 21:56:15]

>>45

とにかく遠くへ行こうとするとか？

[51 二次元好きの匿名さん 23/01/09(月) 00:12:16]

謎の女はローをどうしたいんだ？
木刀を兄ちゃんとこ届けてるから助けたいのか？
それだったら強そうだから拉致られた時とか助けてやったらいいのに

[52 二次元好きの匿名さん 23/01/09(月) 07:56:16]

謎の女はルフィを追っているとかありそう
犯人は現場に戻るって言っているし
ローはこれからどうなるんろう？

[53 二次元好きの匿名さん 23/01/09(月) 14:43:38]

ほしゅ

[54 二次元好きの匿名さん 23/01/09(月) 22:39:27]

保守

[55 二次元好きの匿名さん 23/01/10(火) 08:20:19]

>>45

行動とはちょっと違うけど自首しようとして事故にあうとか？

[56 二次元好きの匿名さん 23/01/10(火) 08:51:14]

>>45

気弱さで自首できないけど罪悪感で血だらけのキッドが夢に出てくるようになる

[57 二次元好きの匿名さん 23/01/10(火) 19:27:27]

オートバイの男って何だろう？

[58 スレ主 23/01/10(火) 22:21:03]

スレ主です
いつも保守とご意見ありがとうございます！

ちょっと短いですが続きです

[59 スレ主 23/01/10(火) 22:23:23]

ローはベッドに座り直し、真正面からルフィを見つめる。
部屋の中に漂う匂いのせいか、妙に落ち着かない。

「家に入るとき、普通だったらこっそり裏の塀を乗り越えて行ったりはしないよな？」
「………」
「約20分後。おまえは出てきてあの二人の男が乗ったシルバーの…」
「もういい。…そうかいたのか」

ルフィは初めて目を逸らし床を見つめた。
その言葉を聞いて、ローの心臓がぎゅっと締め付けられた。どこかで否定して欲しいと思ったのかもしれない。

「あそこで何をしていた？」
「………送りにいってた」
「それは…お前が殺ったということか？」

長い沈黙の後、ルフィが答えた。

「まァ、そういうことになるな」

[60 スレ主 23/01/10(火) 22:59:26]

ルフィはまるで今日の天気の話でもするかのような口調で言う。
その様子に、それまで呆然としていたローの中にふつふつと怒りが込み上げてきた。

「お前は…自分で何いってるかわかってんのか？！？！」

ローは思わず乗り出してルフィに掴みかかろうとする。が、バランスを崩してベッドから転げ落ちた。
ルフィは椅子ごと体をずらし、ひょいとローをよけるとまた座り直した。

「だから急に動くなって」
「ふざけるな！なんでそんなことを！！」
「おれの役目だからだ。二度と笑えなくなったやつらに最後の笑顔を作ってやる役、だな」

ルフィはベッドの縁に腕をかけたまま床にへたりこんだローを見る。
そして白い歯を見せ口角を上げて笑う。だが大きな三白眼の目は笑っていなかった。

[61 スレ主 23/01/10(火) 23:03:28]

本日ここまで
少なくてごめんす

[62 二次元好きの匿名さん 23/01/10(火) 23:07:09]

>>61

いいえ、お疲れ様でした

書けるだけでもえらいですし、エミュも上手くてすごいと思いました

無理せずに頑張ってください

[63 二次元好きの匿名さん 23/01/10(火) 23:21:39]

読んでてぞわっとした怖い
連続殺人犯なんて絶対ルフィらしくないんだけどここの世界線ではちゃんとルフィになってる

[64 二次元好きの匿名さん 23/01/11(水) 08:42:24]

保守

[65 二次元好きの匿名さん 23/01/11(水) 17:42:25]

保守代わりのファンアートです、応援してます

謎の女ゾロはバイオのエイダのイメージがある…

妹さんは…下が多分スカート

いつの間にか全員描いていたので今までの立ち絵と使わなかった差分とかまとめました

ゲーム風立ち絵まとめ

[66 二次元好きの匿名さん 23/01/11(水) 17:47:38]

神絵新作来てた！！すごい！

[67 二次元好きの匿名さん 23/01/11(水) 18:33:02]

追いついた
連続殺人犯なルフィが怖くて好き
神絵もあって最高すぎる

[68 二次元好きの匿名さん 23/01/11(水) 18:48:08]

立ち絵ありがてぇ
脳内の謎の女ロングコートにミニスカニーハイブーツ履いてたから赤コート助かる

[69 二次元好きの匿名さん 23/01/11(水) 21:47:42]

ゲーム絵がこのSSの雰囲気にぴったりだな
そしてルフィ殺人犯確定
ダイスで決まってたはいたけどドキドキしたわ

[70 スレ主 23/01/11(水) 22:27:13]

スレ主です！うわあああ神絵ありがとうございます！>>65

出そろいましたね素晴らしいです！！

え、もうほんとにうれしい…

続きいきます！

[71 スレ主 23/01/11(水) 22:28:56]

【ベッジ探偵事務所】

謎の女が事務所に来た日の翌日、ベッジはウルージ警部補訪ねた。
ベッジが警察署に到着すると、いつもは比較的静かな敷地に複数の車が停まり多くの人が行き来している。
それを横目で見ながらベッジは勝手知ったる様子で中に入り、受付に行く。

「あら、ベッジさん。こんにちは」
「よォ、ウルージの旦那はいるかい？」
「あ、警部補は今ちょっと…」
「取り込み中か？悪いが急ぎの用だ。こないだウチを訪ねた時の件だと伝えてくれ」

数分後、ウルージとキラーが正面玄関から入ってきた。

「おや探偵さん。何か白状する気になったか？」
「人聞きの悪いこと言うんじゃねェよ」

軽口をたたくウルージにベッジは渋い顔で返した。

「…今日はやけに賑やかだな。みなさんお揃いで遠足でも行くのかい？」
「まァそんなところだ。中で話そう。こっちだ」

[73 スレ主 23/01/11(水) 23:14:33]

簡素な応接セットに通されると、ベッジは昨日の出来事を二人に説明した。
そして謎の女が残した紙片を取り出す

ウルージはじっくりとそれを見ると、腕を組んでベッジの方へ向き直る。

「探偵さんよ、今日は忙しくてなァ。もうちょっと詳しく聞きてェが時間がない。…ということでだ、キラー。ワシはこいつの車で送ってもらうことにするわい」
「は？」
「は！？警部補また勝手なことを…」
「なに、時間には遅れはせん。後は任せたぞ」
「いやちょっと待って下さい、それは困ります！」

今までずっと静かに聞いていたキラーが口を挟む。

[74 スレ主 23/01/11(水) 23:23:29]

隣に座っているウルージに向かい、キラーは少し声をひそめて言う。

「警部補代理だったらあの人にして下さいよ…」
「ああ、あれか…」
「はい…」

二人が言っているのは、半年前から本社より出向して来ているキャリア組の刑事のことだった。

「あの人わざわざおれが仕事してるとこまで来て嫌味言ってくるんですよ…だから代理は…」
「いやぁでも使えんからなァ、あれ。ま、お守込みで頼むわ」

表情は隠れてわからないが、キラーには明らかにイヤそうな顔をしているであろう雰囲気が漂っていた。

[75 スレ主 23/01/11(水) 23:23:54]

ごめんなさい！誤字あったのでひとつ貼り直しました

[76 二次元好きの匿名さん 23/01/11(水) 23:25:44]

署が慌ただしいのってもしかして立て籠もり事件起こってたりする…？

[77 二次元好きの匿名さん 23/01/11(水) 23:45:25]

すげーベッジサイドでもなんか話が進んでる

[78 二次元好きの匿名さん 23/01/12(木) 10:44:40]

保守

[79 二次元好きの匿名さん 23/01/12(木) 19:56:31]

どうなっていくかが楽しみ！

[80 スレ主 23/01/12(木) 21:47:34]

スレ主です再開します

[81 スレ主 23/01/12(木) 21:50:14]

警察署を出て、ベッジは自分の車の助手席にウルージを乗せ門を出た。

「とりあえず大通りまで出てくれ。それから左だ」
「で、目的地は？なんでおれがあんたを送んなきゃなんねェんだ？」
「説明するからまァせかすな。遠足は始まったばかりだ」

冗談めかした言い方とは裏腹に、ウルージは鋭い目つきで前方を見据えていた。

一方、別の車にはキラーともう一人の男が乗り込み、出発した。
車内には何とも言えない冷たい空気が流れる。
助手席の男は、むっつりと押し黙ったままだ。

——今日もコイツが代理か…目ざわりな奴だ。だがそれももう時間の問題…

[82 スレ主 23/01/12(木) 22:36:32]

「あーこりゃ無理だな……仕方ねェ歩いていくか」

ボニーはひとりごちると、地面を平らにしただけの駐車スペースにピンク色のベスパを停めた。
リュックと、少し考えてからローの木刀を持ってその先の山道を登ってゆく。

ほどなく崖の上の見晴し台のような場所へ出た。ただ柵もなく、朽ちかけた木のベンチがひとつあるだけだった。
ボニーは身を低くして崖のふちに近づく。見晴らしが良すぎる。これじゃ向こうからも丸見えだ。

下を見ると車1台がやっと通れそうな道を挟んで、さらに1段下がったところに四角い建物が建っている。
そこそこの大きさの3階建てか？変則的につけられている窓のせいで判りずらい。
ボニーは双眼鏡を取り出すと敷地の隅からゆっくりと見回し始めた。

[83 スレ主 23/01/12(木) 23:03:37]

続きは明日になります
今日もありがとうございました

[84 二次元好きの匿名さん 23/01/12(木) 23:06:11]

お疲れさまです！
ウルージさん車にみちみちつまってそうだ

[85 二次元好きの匿名さん 23/01/12(木) 23:25:14]

みっちみちワロタ
ボニーが仕事してるのなんかいいなぁ

[86 スレ主 23/01/12(木) 23:47:56]

最初探偵の車はビートルかフィアットにしようかと思ってたんですがみちみちに輪がかかりそうなのでしなくて良かった…

[87 二次元好きの匿名さん 23/01/13(金) 08:27:48]

ウルージさんサイズに合う車は難しいそうだ
パトカーもワゴン車も小さそうたし

[88 二次元好きの匿名さん 23/01/13(金) 19:27:04]

色々と混ざり合ってきている

ドキドキしてきた

>>45

自分が関わった証拠(薬？)を消そうとしているとか？

[89 スレ主 23/01/13(金) 22:01:28]

スレ主です
すいません続き明日になるかもしれません

[90 二次元好きの匿名さん 23/01/13(金) 23:21:48]

【少年】

少年は外を見ていた。梅雨が終わり、開け放たれた窓の外からさらりとした風が入ってくる。
その風に乗って今日も大人たちの怒号が聞こえる。
まるで喧嘩をしているような声だが、真実の幸せを手に入れようとするとああなるらしい。
時には背の低い自分の頭の上から浴びせられるように怒鳴られることもあるが、少年はそれを別段怖いとは思わなかった。

朝の通学時間。いつもの時刻にまた別の怒鳴り合う声が近づいてくる。
少年のいる二階からよく見える道路わきの歩道を、学生服を着た二人がなぜか毎日元気よく喧嘩しながら歩いてゆく。
少年はその二人を見るのが好きだった。
大人たちとは違い、なぜだかその言い合う声が楽し気に聞こえるのだ。

ふと、少年の中で感情が動いた気がした。
あの日以来、どこかにいってしまったと思っていたのに。
それは形を成さないまま少年の胸の底でゆらぐ。欲という名の小さな波紋。

[91 スレ主 23/01/13(金) 23:57:07]

あの日、少年と一緒に育った仲間がひとり姿を消した。
大人には楽園のその先へ行ったんだと教えられた。

それ以外誰も何も言わない。自分も言わない。
だが原因は二人の悪戯だった。悪戯のはずだった。

こっそりと抜け出した秘密の時間。誰もいない大広間。きらびやかな祭壇が珍しくて少年はその子と一緒に忍び込んだ。
祭壇の裏には何かの器具と、金属の皿に入った透き通ったオレンジ色の液体があった。
少年がそれをくんくんと嗅ぐ。紅茶のような、少しだけ甘い匂い。
指で少し取ると、舌で舐める。甘くないしちょっと苦い。
これおいしくない、と言おうとする前にその子も同じように液体を舐めた。

まるでスローモーションを見るようだった。
その子はひく、と体を伸ばすと音もなく倒れていった。

[92 スレ主 23/01/13(金) 23:59:44]

祭壇の布を引っ掛けながら真っすぐ床にぶつかり、いろいろな落下物と共に大きな音を立てた。

少年の目の前で、その子は二、三度ひゅうひゅうと息を吐きながら表情を変えていった。
口が開きその端が釣り上がっていく。そしてまるで笑っているような顔になると、そのまま動かなくなった。

物音を聞きつけた大人たちがやってきたが、その後の記憶は曖昧だった。
気が付けばベッドに寝かされていた。そしてなぜかその日からこの個室を与えられた。

大人たちは何故何も言わない？子供だから？
でもわかる。楽園はない。そしてあの子は死んだんだろう。

[93 スレ主 23/01/14(土) 00:00:14]

>>90

名前入れ忘れましたー

[94 二次元好きの匿名さん 23/01/14(土) 04:07:22]

毎回毎回更新が楽しみにしてます！スレ主さんは無理しないでね

[95 二次元好きの匿名さん 23/01/14(土) 08:54:55]

これはあれだよね…

[96 二次元好きの匿名さん 23/01/14(土) 13:53:57]

めっちゃ続き気になる

[97 二次元好きの匿名さん 23/01/14(土) 20:56:48]

少年ってあれよね、彼の過去だよね

[98 スレ主 23/01/14(土) 23:56:57]

スレ主ですいつもありがとうございます
更新明日になります！

[99 二次元好きの匿名さん 23/01/15(日) 00:00:55]

保守。続きめっちゃ気になる…。それぞれのメンバーがどうなるのか気になる…。

[100 二次元好きの匿名さん 23/01/15(日) 00:58:22]

緊張感増しすぎて語りたいけど語りずらい…
次楽しみに待ってます

[101 二次元好きの匿名さん 23/01/15(日) 11:54:44]

保守保守

[102 二次元好きの匿名さん 23/01/15(日) 18:16:30]

保守

[103 スレ主 23/01/15(日) 23:00:52]

スレ主です
ちょっとずつ再開です

[104 スレ主 23/01/15(日) 23:03:14]

床に座ったままのローに構わず、ルフィは言葉を続ける。

「今いる場所にもう用が無くなったやつらを楽園の向こうまで送ってやる……」
「やつら、だと…？」

ローはその言葉の意味に旋律を覚えた。

「ひとりじゃ、ないのか？」
「……いちいち覚えてねェ。言われたら行く」
「覚えてねェってお前…人の命だぞ！？何故そんなことさせられてるんだ！？」
「だから役目だって。ったく質問多いなお前……まァいいか。最後だし」

ルフィはちら、と部屋の扉を見たがまたローの方に向き直った。

「なァロー、覚えてるか？おれらが一緒に遊ぶようになった頃のこと」
「何をいきなり…」
「おれさ、ほんとに楽しかったんだ、お前らといるの」

[105 スレ主 23/01/15(日) 23:32:00]

ルフィを初めて見たのはまだ学生だった頃だ。通学路の脇の公園でひとりで遊んでいた。
ある日、日がすっかり暮れて真っ暗になっているにも関わらず、同じように遊んでいる姿があった。
心配になったローは、一緒にいたキッドと共に声をかけた。
その時親は？という問いに知らない、と答えたのを覚えている。
とりあえず腹を空かしているルフィにチョコレートをやり、どうしたものかと思案している間に当の本人は姿を消していた。

それからルフィは二人の顔を見かけるとまとわりついてくるようになった。ローとキッドは、屈託なく笑う人懐っこいルフィを自然と構うようになりやがてすぐに打ち解けていった。
3人はよく学校帰りの公園でなんだかんだと暗くなるまで過ごしていた

[106 スレ主 23/01/15(日) 23:53:27]

「で、よく一緒にいた公園の向かい。でっかい建物あったろ？」

ローはルフィの声で思い出から引き戻された。

「あれがおれん家。ここに移転する前に住んでたとこ。……そこでみんなで住んでた」
「……家族とか？」
「家族かな？わかんね。共同体だって」
「お前の親は？」
「さァな。誰かだと思うけど知らねェ」

ローは記憶の糸をたぐり寄せる。のっぺりとした大きな箱のような建物だった。
確かそれは何かの団体の拠点だと聞いた覚えがある。
考えをまとめようとするが、ずっと脳がふわふわとした感覚から抜け出せない。

[107 スレ主 23/01/16(月) 00:18:25]

ローは思いきり頭を振り、手のひらで何度か自分の顔を叩く。
本能が、この状態は危ないと告げている。

「頭ン中、気持ち悪ぃか？」
「！」
「心配すんな。これじゃ死なねェ」

ルフィが手をひらりと翻す。その指の間にはいつの間にかオレンジ色の液体が入ったガラス瓶が挟まれていた。

[108 スレ主 23/01/16(月) 00:50:18]

「これを燻したやつを吸い込んだら脳が興奮状態になるんだ。でも無理やりそんなことしたら当然脳ミソはくたくたに疲れちまう。でも使うのは朝と夜の教義の数時間だけ。それくらいなら大した影響はねェ」

ローは思わず口に手をやる。ずっと漂っているこの匂い…。
だがルフィはいつもと変わらない様子で座っている。

「ルフィ、お前はなぜ平気なんだ？」
「そうだな。何でかおれには効かねェ。生まれつきだ」

そう言うとルフィは目の前にかざしたガラス瓶越しにローを見た。

「だからこれがおれの役目になった」

[109 スレ主 23/01/16(月) 00:51:25]

今日はここまでです
いつもありがとうございます

[110 二次元好きの匿名さん 23/01/16(月) 03:33:26]

別スレ見てたら更新来てた。嬉しい。ルフィの前の家の内部事情きになるわ…。あとルフィに毒が効かないのこれ見て思い出したわ

[111 二次元好きの匿名さん 23/01/16(月) 07:13:16]

なんかずっとぞわぞわする怖さが続いてる

[112 二次元好きの匿名さん 23/01/16(月) 16:12:09]

貯めてたらルフィさん過去が出てきてた！
純粋さを感じますね、怖いけど

[113 二次元好きの匿名さん 23/01/16(月) 16:27:44]

最近怖いのでネコチャンで和んでた頃が懐かしい…

[114 二次元好きの匿名さん 23/01/16(月) 22:30:58]

ほ

[115 スレ主 23/01/16(月) 23:36:39]

こんばんは
再開します

[117 スレ主 23/01/16(月) 23:41:39]

警察署を出たベッジの車は大通りを真っすぐに走っていた。

「だいたいよ旦那、現場の指揮そっちのけでいいのか？」
「別にそっちのけてねェよ。まァ正確にはおれのヤマじゃねェからこれくらい構わん」
「そうなのか。で？今日のアレはアレか？」
「あぁ、ガサ入れだ。あ、次の信号左」

ベッジはウィンカーを出すとふむ、と得心する。しかし、警察署前で見た人や車両の数が通常の家宅捜索にしては多かった。

「なるほどな。自分の管轄以外で忙しくて大変だな…って、それでだ。なんでおれがあんたを送ってるんだって話よ」

「容疑は脱税と、献金の強制もあるかもな…とりあえず国税も来るわハコがデカいわで賑やかな遠足だ」

ベッジの質問は耳に入ってないがごとくウルージは話す。
マイペースは毎度のことなのでベッジは黙って聞いている。だが、それならなぜウルージがそこに向かう？という疑問はある。
だが、ウルージはそんなベッジの心を読んだかのように続ける。

「これから行くところはある団体の本部だ。○○○」

その団体名を聞いてベッジは思わずウルージを見た。

「運転中だ前向け。……そうだ、おまえさんが持ってきたカードの場所だ」

[118 スレ主 23/01/17(火) 00:04:53]

訂正上げなおしましたそして今日はこれひとつだけですすません

[119 二次元好きの匿名さん 23/01/17(火) 00:13:36]

今回もとっても面白かったです。更新お疲れ様です。

[120 二次元好きの匿名さん 23/01/17(火) 11:10:09]

保守

[121 スレ主 23/01/17(火) 17:24:27]

少しづつ上げます

[122 スレ主 23/01/17(火) 17:26:07]

カードにはここ数年頭角を現してきているある宗教団体の名前があった。
布教活動に使われるのか、青空をバックに象徴的なシンボルのついた建物が印刷されている。

「そこが旦那の追ってる連続殺人事件に関係があると？」
「今わかっているのが五人のうち一人が入会していて、一人の勤めている会社がその団体と取引している。そして今日お前が持ってきた情報」
「なるほど。そこまで揃えば必然、か」
「確証はねェがな。まァ今日のガサ入れで何かでてくりゃあ御の字だ」

二人を乗せた車は街中を出て、畑が点在する郊外を走っていた。

「で、なんで妹さんはここと関係してんだ？」
「知らねェよ、あのバカ野郎が」

バカでも何でもいいからとりあえず無事でいろよ……

ベッジは心の中でつぶやいた。

[124 スレ主 23/01/17(火) 22:57:09]

貼り直します


【連続殺人編】

ルフィは何の感情も読み取れない目でガラス瓶を見る。

「これ煙になったらどってことねェんだけど、このまま口に入れたら死ぬからな。だからおれがやってる」

ローはくらくらする頭でなんとか平常を保とうとしていたが、ルフィの言葉に改めてショックを受ける。

「おまえ……いつからそんなことさせられてるんだ…？」
「させられてるっていうか、みんなでここに住んでるやつらでできること分担してるだけだ」
「おかしいだろ…！おまえも…そいつらも…」
「おかしいか」

ルフィが少し笑ったように見えた。そして目を細めて視線を落とす。

「ローの言ってることはわかるよ。でもな、ものの善悪なんてのはよ、そいつの生きてる場所で変わるもんだ」

非情に聞こえる言葉とは逆に、ルフィはなぜか弱々し気に見えた。
ローが声をかけようとしたその時、ルフィの後ろで扉が開く音がした。

[125 スレ主 23/01/17(火) 23:12:13]

大柄な男が開いた扉から体を乗り出す。ローを拉致した男だ。布のようなもので鼻と口を覆っている。

「おい、まだかかるのか」

男の問いに、ルフィは無言で振り向き、鋭い視線で答えた。
それを受け男は一瞬ためらったそぶりを見せたが、すぐに引っこむとドアを閉めた。

「あァ、お前ここ来るとき。手荒なことして悪かったな。後で聞いた。おれの知り合いだって言って怒っといたから」

ルフィはまた何事もなかったように向き直る。

「それで思い出したんだけどよ、お前、キッド殺した奴知ってるか？」

[126 スレ主 23/01/18(水) 00:07:02]

無言のままのローにルフィは首をかしげて聞く。

「まさかおれがやったと思ってるのか？」
「いや…それは。キッドは岩に頭を叩きつけられていたそうだ…」
「そうか。で？」
「犯人はまったくわからない。まだ逃走中だと聞いた」
「わかった。じゃ、おれが見つけたらカタキ取っといてやるか」
「やめろ！！」
「……冗談だよ、わるかった」

ルフィは椅子から降りると、ローと目線を合わせるようにしてしゃがんだ。

「ごめん、おれそろそろ行かなきゃ。…ごめんな」

そういうとルフィは手にしていたガラス瓶の蓋を親指ではじき飛ばすと、中身をローの胸元に振りかけた。

[127 スレ主 23/01/18(水) 00:07:27]

本日ここまで
ありがとうございました

[128 二次元好きの匿名さん 23/01/18(水) 00:32:59]

ルフィ何やってんの？？

[129 二次元好きの匿名さん 23/01/18(水) 09:23:25]

ほしゅ

[130 二次元好きの匿名さん 23/01/18(水) 15:26:14]

淡々としたルフィの様子がこわい
逆にベッジとウルージのおっさんコンビ意外と味があって良いな

[131 二次元好きの匿名さん 23/01/18(水) 23:12:28]

振りかけたってなんだろう？
続きが楽しみです

[132 スレ主 23/01/19(木) 00:20:08]

感想と保守いつもありがとうございます
続きは明日になります

[133 二次元好きの匿名さん 23/01/19(木) 08:23:22]

>>132

了解です

続きもゆっくりと待っています

[134 二次元好きの匿名さん 23/01/19(木) 12:32:10]

>>131

毒では？

ロー危ないんじゃないか？

[135 二次元好きの匿名さん 23/01/19(木) 14:52:09]

>>134

細かいって言われるかもだけど毒言うよりは麻薬じゃない?

[136 二次元好きの匿名さん 23/01/19(木) 15:57:26]

>>135

あっ毒殺なので毒って書いただけなので特に種類は考えてなかった

どんなものでも原液を口に入れたらODでﾀﾋぬのかなくらい

[137 スレ主 23/01/19(木) 22:48:36]

スレ主です
毒はなんとなくそういう効力のあるやつくらいしか考えてなかったです
イメージとしてはドーパミン過多になって脳が疲れてしまう感じなのでアンフェタミン系あたり？

では続きです

[138 スレ主 23/01/19(木) 22:51:41]

オレンジ色の液体がベッドに寄りかかっていた為退路がなかったローにまともにかかる。
甘い薬草のような濃い匂いが立ち上り、シャツに濡れた感触がじわりと広がる。

「やめろ！素手で触るな、危ねェから」

反射的に襟元をつかみ肌から引きはがそうとしたローをルフィが静止する。

「何のつもりだ！？」

顔を横にそむけたままローが叫ぶ。
それをルフィは少し困ったような顔で見ている。

「いやァ実はさ、ちょっと前にヘマしちまってよ……もしかしたら足がついちまうかも知んねェんだよな」

ルフィの脳裏に浮かぶ、暗闇の中、自分の手の中からゆっくりと落ちていくガラス瓶。

「そうすると4つか5つ繋がっちまうんだよなァ…連続殺人事件ってことになってな。そうなると追っかけられたりいろいろ大変になるから」

ローはいぶかし気に聞いていたが、さっきルフィがふと言った言葉を思い出した。
――まァいいか。最後だし。

「だから犯人は警察に見つかることになった。死んでからだけどな」

[139 二次元好きの匿名さん 23/01/19(木) 23:15:37]

ローを犯人にしたてあげて、被疑者〇亡ってことにさせる、、ってこと、、？

[140 二次元好きの匿名さん 23/01/20(金) 08:07:47]

でも薬に触らせたがらないから違う可能性もありそう

[141 二次元好きの匿名さん 23/01/20(金) 08:30:50]

見つかったのが5人ってだけでその前にはもっとたくさんあれしてるんよね
連続殺人者ってより暗殺者みたいな感じなのかな

[142 二次元好きの匿名さん 23/01/20(金) 16:35:16]

最期じゃなくて最後になってるところに希望を見いだしたい…

[143 二次元好きの匿名さん 23/01/20(金) 20:52:18]

>>139>>140

本命：ローを身代わりに

対抗：ルフィが自死を選ぶ気でいる

大穴：ここで父親殺し冤罪のホーキンス

[144 スレ主 23/01/20(金) 21:59:26]

スレ主です再開します
今日もありがとうございます！

[146 スレ主 23/01/20(金) 22:02:47]

「まさかそれを……」

言葉をつまらせたローは反射的に立ち上がる。だが同じように立ち上がったルフィに左肩を押さえられ崩れるようにベッドに腰を下ろした。

「さすが察しがいいな。犯人はお前だよ、ロー」
「ふざけるなッ！」

ローはルフィに掴みかかろうとしたがその手首は簡単に捕まえられた。

「まて、すぐどうこうするって話じゃねェからよ」
「やかましい！放せ！！」
「ロー！」

ルフィは体ごと押し返し、手を振りほどこうとするローの首に腕を回すとそのままかぶさるように抱きしめた。

「―――――――！」

宙をさ迷っていたローの腕が落ちると、ルフィはゆっくりと離れた。

「……じゃぁな」

そう言ってルフィは背中を向け、迎えるように開いたドアの向こうに去っていった。
ローは身じろぎもせずそれを見つめ、外の廊下に響く足音が消えてもなお動かなかった。
しばらくしてやっと緊張が解けたかのように肩を落とし、ベッドに横になると頭までシーツを被った。

[147 スレ主 23/01/20(金) 22:03:08]

（誤字あったので上げなおしました）

[148 スレ主 23/01/20(金) 22:25:53]

ローはむせ返るような液体の匂いを我慢しながら、自分の体がしっかりとシーツで隠れていることを確認する。
そして首の後ろを探る。指に当たる硬い感触。それをつまみ出して見る。
小さなUSBメモリーだ。
これが何なのかはわからない。
そして耳元で囁かれたルフィの言葉。

――帰りたきゃ自力で帰れよ。

自分たちは仲は良かったが、ハグのようなスキンシップをする関係性ではなかった。
それとルフィの態度を鑑みると、おそらくこの部屋はどこかから監視されているのだろう。

ローは頭を振って動かない思考に鞭打つ。
ルフィはすぐにどうこうしないと言っていた。少しは時間があるということだ。

ローはシーツをどかしベッドから降りた。
窓に近づき、外の風景を見るふりをして窓枠を調べる。
嵌め殺しだがごく普通のガラスが張られている。

[150 スレ主 23/01/20(金) 22:37:57]

振り返って改めて部屋を見回す。すると奥にあった小型の冷蔵庫が目に入った。
近づいて扉を開けるとペットボトル飲料やコンビニエンスストアのおにぎりやサンドウィッチが入っていた。
それを見たローは自分が空腹だったことに気づく。
中からミネラルウォーターとおにぎりを2つ掴み出す。ベッドまで戻りルフィが腰かけていた椅子に座るとおにぎりを少しずつ食べだした。

自分はどれくらい眠らされていたのだろうか。
もし1日以上だったらろくに体が動かないのも納得できる。

自力で帰れと言われた。
それはここから出るチャンスがあるということだ。
だが今はまだそれが見えていない。ならばその期が来るまではできるだけ体力を回復しておく。
そして可能性と手段。

ローは2つ目のおにぎりを齧りながらじっと虚空を見つめ、考え続ける。

[151 スレ主 23/01/20(金) 22:46:03]

今日はとりあえずここまでです
感想考察コメント書いてもらえるのすごく嬉しいです

[152 二次元好きの匿名さん 23/01/20(金) 23:00:54]

話の邪魔しちゃいけないと思って149消しましたすみません…
やっぱりルフィはトラ男を殺すつもりなかったんだよな
楽園(天国？)はないとわかっているから、かな？
おんもしれぇ〜！！！！

[153 二次元好きの匿名さん 23/01/20(金) 23:56:56]

うわぁローがんばって逃げてぇぇ

[154 二次元好きの匿名さん 23/01/21(土) 11:02:26]

支援保守
でもこれロー助けたら代わりに捕まる犯人どうなんの？

[155 二次元好きの匿名さん 23/01/21(土) 14:41:53]

>>143の2番とか

[156 スレ主 23/01/21(土) 19:26:39]

スレ主です
今日はちょっとです

[157 スレ主 23/01/21(土) 19:28:27]

ベッジの車は平地を通りすぎ、山に向かうるゆるい坂道に入った。
ほどなく、コンクリートの塀に囲まれた建物が見えてきた。あのカードに印刷されていた場所だ。

「なあ旦那、おれの妹は疑われているのか？」
「……」
「言えんか」
「重要参考人ではある…停めてくれ」

ベッジはブレーキを踏む。建物の数百メートル手前。門の前には十台あまりの警察車両らしきものが停まっていた。

「ここまででいい。お前さんはもう帰っていいぞ」
「………ありがとうよ、旦那」

ウルージは顔をしかめるように笑うと、何も言わずに車を降り歩いて行った。

[158 二次元好きの匿名さん 23/01/21(土) 23:35:07]

今日はここまでかな？
どうなるのか楽しみすぎる！

[159 二次元好きの匿名さん 23/01/22(日) 10:37:45]

おつかれさまです
続きものんびり待たせてもらいます

[160 二次元好きの匿名さん 23/01/22(日) 11:03:58]

なんかおっさん組の雰囲気がいい感じにハマってる
これもダイス神の当たりだな

[161 二次元好きの匿名さん 23/01/22(日) 21:06:20]

ほしゅ

[162 スレ主 23/01/22(日) 22:38:49]

再開します！

[163 スレ主 23/01/22(日) 22:42:06]

窓のない小さな部屋にパソコンとモニターが所狭しと並び、その前に男が一人座っている。
見ている画面にはベッドの上にいるローが映し出されていた。
部屋のドアが開きもう一人男が入って来る。狭い部屋がさらに窮屈になる。

「どうだ？」
「特に異常なし。メシ食ってからずっとシーツかぶって寝てる」
「ちょっと弱ってきたか？……おい、これ何だ！？」

そう言って敷地正面の門に向けられたモニターを指さす。そこには次々と車が到着する様子が映し出されている。

「これ…まさか警察か？？」
「おい、急いで知らせに行け！あとあの女だ、とりあえず拘束しとけ」
「わかった」

男は返事をすると部屋を飛び出していった。

[164 スレ主 23/01/22(日) 22:59:09]

残された男は再びモニターに向かう。焦る手つきで次々と画面を切り替えている。

その背後で、天井の点検口がすっと音もなくずれて、そこから人影がふわりと部屋に降り立った。
外の様子を確認することに気を取られていた男は、背後まで近づかれようやく気付いたが、振り向きざまに重い一撃を食らい床に崩れ落ちた。

侵入した人影――緑色の髪にピアスの女は男が昏倒したのを確認すると、モニター群の裏へ回りケーブルの束を片っ端から引き抜き始めた。
強引に引かれいくつかのモニターが床へ落ちて大きな音を立てる。
それに構わず今度は脇に差していた自分の木刀を抜くと、そこらじゅうのパソコンに向かって叩きつけはじめた。
軽いデスクトップ型は簡単に吹っ飛ぶと壁にぶつかって大破し、サーバーはボコボコにへこんでいき原型をとどめていない。

デスクの上を一通り破壊すると、今度はキャビネットのガラスを割り中の書類を引っ張り出して床にぶちまける。ついでに目を覚ましかけた男を蹴り上げもう一度眠らせる。

すべてが済むと、女はデスクの上に上り天井を見てニヤリと嗤った。

[165 スレ主 23/01/22(日) 23:19:21]

一応区切ります！

[166 二次元好きの匿名さん 23/01/22(日) 23:26:11]

謎の女かっけーーーー！！

[167 二次元好きの匿名さん 23/01/22(日) 23:46:54]

謎の女大暴れしてんな何やってんだ
しかしやっぱり脳バグるわ

[168 二次元好きの匿名さん 23/01/23(月) 00:32:25]

荒ぶる謎の女(男)
元がファンタジスタだから変な登場の仕方しても違和感無さすぎるんだよ

[169 二次元好きの匿名さん 23/01/23(月) 01:02:33]

謎の女かっこよすぎるだろ…！

[170 二次元好きの匿名さん 23/01/23(月) 01:05:17]

謎の女カッコいいのにゾロだと思うと笑える

[171 二次元好きの匿名さん 23/01/23(月) 08:19:58]

謎の女何が目的なんだろ？ルフィか教団関係の目的があるのかな？

[172 二次元好きの匿名さん 23/01/23(月) 08:59:16]

教団に恨みを持ってるとか？それでついでにロー助けたとか

にしても文章のスピード感がいい
視点ががパソコン吹っ飛んで破壊、机の上戻って破壊、キャビネットの高いところに行って書類ぶちまけた先の床の上、そこに起きかけの男がいて蹴とばすってスムーズに誘導されてる感じが気持ちいい

[173 二次元好きの匿名さん 23/01/23(月) 19:56:59]

破壊しまわっているってことは復讐かなにかの阻止とかが目的なのかな？

[175 二次元好きの匿名さん 23/01/23(月) 19:58:47]

>>174

上げなおし

謎の女なんか目的があるとはいえやることがなんか派手

ゾロだから仕方ないけど

[176 スレ主 23/01/23(月) 21:41:19]

スレ主です再開します
いつも保守と感想ありがとうございますすごい嬉しいです！

[177 スレ主 23/01/23(月) 21:45:41]

ローは頭からシーツを被ったままその端を力を入れて硬い結び目を作った。
万が一に備えてできるだけのことはしておこう。……こんなもんか。

シーツから顔を出す。すると微かに物音がする。外の様子が先ほどとは違う。
ベッドから降りて窓へ近づこうとした時、廊下からバタバタと誰かが走って来る足音がした。

ガチャガチャと鍵を開ける音がすると乱暴に扉が開いて男が入ってきた。
大股で近づいてくる男の手には警棒と手錠らしきものが見える。
とっさに構えるローに向かって男は警棒を突き出す。

「動くな！痛い目見たくなきゃあ大人しくしてろ」

ローは男を睨みつける。不意打ちならまだしも力では敵いそうにない。

「向こうむいて膝をつけ。手は後ろだ」

なおも睨みつけ動かないローに、男は警棒を振り上げた。
ローは思わず身をすくめる。

[178 スレ主 23/01/23(月) 21:52:50]

ジリリリリリリリリ！！！！

突然火災報知機の鋭い警報音が建物中に鳴り響いた。
同時に廊下の方角からうわぁっ！という声が聞こえ、男が意識が一瞬そちらに向いた。

ローはすかさず側にあった椅子をつかみ上げ振り回す。
男は思わず両手で頭を庇う。だが椅子は男の目の前を通りすぎ大きく旋回すると宙を飛び嵌め殺しの窓にぶつかる。
大きな音を立て椅子はガラスを突き破った。

ローはそのままベッドを駆け上がりシーツの裾を掴むと椅子に続いて勢いよく窓の外に飛び出した。

[179 スレ主 23/01/23(月) 22:08:24]

自分の体が宙に放り出された瞬間、ローは渾身の力でシーツにしがみついた。
がくん、と全体重が下に引かれ反動で振られたローの体は外壁にぶつかる。
ベッドに固く縛られていたシーツの端は重さに耐えられず緩んでいく。

宙ぶらりんになったローは地面を見る。まだ高さがあるが飛び降りられそうだ。
ふいに重力がなくなる。シーツが完全にほどけて落下する。
かろうじて受け身をとったローはすぐさま立ち上がる。

「おい！！誰か！女が逃げたぞ！！」

見上げると今飛び降りてきた窓から男が身を乗り出していた。

ローは逃走の目当てにしていた裏門の方角を見る。そこからは声を聞きつけたのか人が一人走って来る。表門の方は何やら大勢の気配がして騒がしい。

ローは舌打ちをすると向き直って構える。一人だけならなんとか応戦できるか。
息が少し上がっている。持つか、体力――。

[180 スレ主 23/01/23(月) 22:30:20]

名前を呼ばれたような気がした。

走り込んでくる相手を横っ飛びでかわすと上を見た。
長い影が落ちてきてガランと音を立てる。自分の木刀が上から降ってきた。
ローは反射的にそれをつかみ上げ、振り向いた相手の胴を下段から渾身の力で打ち抜いた。

相手が倒れ、動かなくなる。
見ると、木刀には細いロープが括り付けられていた。

「畜生！ロー！てめェ覚えてろよ！」

コンクリート塀の向こうから、なぜか自分に向かって悪態をつくボニーの声が聞こえた

[181 スレ主 23/01/23(月) 22:35:15]

一旦区切ります

[182 二次元好きの匿名さん 23/01/23(月) 23:10:16]

ボニーきた！ロー助かる？
急展開面白い

[183 二次元好きの匿名さん 23/01/24(火) 10:50:07]

保守

[184 二次元好きの匿名さん 23/01/24(火) 12:59:23]

ローもかっこいいな
ここのローは剣道とか強そう

[185 スレ主 23/01/24(火) 19:32:13]

スレ主です再開します

[186 スレ主 23/01/24(火) 19:34:02]

――数十分前。

ボニーは持ってきたピザパンを頬張りながら目の前の建物を見ていた。
すると2階の窓を影が横切るのが見えた。
ピザパンを急いで口に押し込み、双眼鏡で覗く。
そこには慎重に外を眺めるローの姿があった。

「…！ほんとにいやがった！」

ボニーは双眼鏡から目を離してそう言うと、ベッジに連絡を入れる。だが通話は繋がらない。
仕方ないのでまた後でかけ直すことにして、そのまま建物の監視を続けた。

しばらくすると建物正面の門に物々しい雰囲気の車が集まり始めた。
パトカーこそいないが警察の車も複数混じっている。ボニーは双眼鏡を構える。

やがて人が集まってくると正門を挟んで何やら押し問答を始めた。
門が徐々に開かれ始めた時、突然建物内で耳に刺さるようなベルの音がけたたましくなり始めた。

[187 スレ主 23/01/24(火) 19:38:25]

ボニーは急いで建物に視線を戻す。
するとローのいた場所の窓が割れ椅子が飛び出してくるところだった。
そして驚いたことに続いてローも飛び出してきた。白い布のようなものを掴んで宙ぶらりんになっている。

「あいつ！何やってんだ！？」

ボニーは一瞬考え自分のベスパまで戻る時間がないと判断すると、くそ！と一言吐き捨て目の前の雑木が生える急な斜面を駆け下りていった。

[188 スレ主 23/01/24(火) 19:51:06]

斜面の間にあった細い道路を一足飛びで走りぬけ、また下っていく。
高いコンクリート塀までたどり着くと、塀越しにローが出てきた窓から男が叫んでいるのが見えた。人を呼んでいる。

「ロー！いるのか！？」

ボニーは叫んだが返事はない。
大急ぎでリュックを開けると細いロープの束を取り出した。そしてローの木刀の柄にしっかりと縛り付ける。

「ローー！！！」

そしてありったけの声で叫んで塀の中に向かって木刀を投げた。

[189 スレ主 23/01/24(火) 19:51:19]

次スレ作ってきます

[190 スレ主 23/01/24(火) 20:18:07]

なんかスレ建て失敗して後から建てろメッセージが出てしまった
なるべく今日中に建てられるようにします

[191 スレ主 23/01/24(火) 20:33:00]

次スレできました

ここだけ超新星で探偵物語【🎲】Part５｜あにまん掲示板

[193 二次元好きの匿名さん 23/01/24(火) 20:33:44]

スレ立てお疲れ様です

[194 スレ主 23/01/24(火) 20:38:16]

ちょっと長くなってしまいましたが次スレで完結すると思います

[195 スレ主 23/01/24(火) 20:42:34]

すいません埋めますね

[196 二次元好きの匿名さん 23/01/24(火) 20:42:56]

おお完結も近い！？楽しみです…！
ルフィの真意、謎の女の行動理由、キッド殺しの真犯人！気になる…！

[197 スレ主 23/01/24(火) 20:43:00]

うめ

[198 スレ主 23/01/24(火) 20:44:18]

キッド殺しの真犯人ともうひとつの謎も解決予定です
もう少しおつき合い下さい

[199 二次元好きの匿名さん 23/01/24(火) 20:45:53]

埋め

[200 二次元好きの匿名さん 23/01/24(火) 20:46:12]

200なら大団円