- 1二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 21:05:50
前書いたやつ
数々の絵師さんたちの協力もあって楽しいスレになりました。
①
閲覧注意 エリアゼロが全裸必須地帯だったら|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/board/1402299/しょうがないよね、こんな見ちゃったら、書いちゃうよねbbs.animanch.com②
閲覧注意 エリアゼロが全裸必須地帯だったら part 2|あにまん掲示板前スレhttps://bbs.animanch.com/board/1410158/?res=184スレ絵は絵師さんが描いてくれました。あらすじペパーはサワロ・タイム・クラベルの3人の師の教えとともに…bbs.animanch.com③
閲覧注意 エリアゼロが全裸必須地帯だったら ぺパーヌードモデル編|あにまん掲示板あけおめこの前書いたやつ①https://bbs.animanch.com/board/1410158/②https://bbs.animanch.com/board/1421007/時系列的には続き…bbs.animanch.com初見さんはいらっしゃいませ。前スレから来てくれた人はまた一緒に楽しみましょう。
エリアゼロに向かう冒険ものです。真面目なssです。
爛れたことはしませんし、服着てないだけで至って健全なスレです。
神絵師さんが多数降臨します。キミも神絵師になってみないか!
私もたまにへったくそな絵載せます。
- 2二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 21:15:09
「いやいや、いやいやいやいや・・・何しとるん!?」
眼前で勢いよく衣服を脱ぎ捨てた女子たちを見て、チリは黙ってはいられなかった。
「エリアゼロでは服着てたら危ないんですよ!チリさんも早く!」
「どういうこっちゃねん!?裸で行けっちゅうんか!?」
「あの・・・そうなんです・・・」自分が悪い訳でもないのに、なぜか申し訳なさそうにペパーがつぶやいた。
「エリアゼロではテラスタル結晶の粒子が飛んでます。生物の体の中では何も起こらないみたいだけど、無機物とか植物とかに付着すると急成長を遂げて体を傷つける可能性が高いんです。実際、ウチたちが見たときは建物の外壁も貫通してましたし、何より博士のロボットが急に結晶に包まれていくのも見ました。」リーグのデータセキュリティを管理するために何度かリーグ本部に出入りしてチリと面識を持っていたボタンが説明をした。
「そんなん言うても、男子の前やで!?」
「えー、でも前もこんな感じでしたよ?」ネモのあまりにあっけらかんとした返答がチリの常識を揺さぶっていく。
「いやいや、おかしいやろ・・・どないしよ・・・いくら正式な調査依頼いうても子どもらだけで危険地帯送るいうんはさすがに・・・いやでも全裸やで?いまから屋外行くんやろ?・・・ペパー君も全然気にしとらん感じやし、ええんか?・・・いやいや・・・」チリの独り言は思考が堂々巡りになっていることを如実に表していた。
「おし・・・誰に見られるもんでもなし!やったる!チリちゃんも一緒やで!」
チリは力強く宣言した。その表情は明らかに赤らんでおり、見る者に彼女のからげんきを密告してしまっていた。
ぺパーは、恥じらいというスパイスがもたらす効果について脳内で2,3篇の論文を書き上げていたが、チリが上着に手をかけた時点で、急いでタイム先生を召喚するに至った。恩師たちの力なくては、彼はまだまだ若すぎる。
アオイは、いまこの瞬間、ペパーの性癖に揺らぎがあったことを敏感に感じ取っていたが、それが何なのかを理解するには、彼女は清すぎる。
4人は一人の引率者を伴って、生まれた姿のまま、再び死地に挑む。 - 3二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 21:18:49
数日前、ネモとアオイは学校最強大会への参加について改めて謝意を伝えるため、ポケモンリーグを訪れていた。パルデアでは各地のジムリーダーに権限の多くが委ねられているため、リーグ本部で働く職員は決して多くはない。もちろん事務作業を行う常駐スタッフはネモとアオイ二人の両手でも数えられないほどにはいるが、それでも外部からやってきた人間がいれば自然と目につく程度である。必然、リーグ本部に常駐する四天王の面々とは顔を合わせる機会がある。活動の本拠地を別に持つアオキとハッサクは別として、チリとポピーは基本的に本部にいることが多かった。
トップであるオモダカは超人的な業務量をこなす、まさにこのリーグの頂点。チリが彼女をスーパー総大将と呼ぶのはあながち冗談だけでもなかった。
チリ自身はあくまでプレイヤー側の存在であって事務方の権力者という訳でもない。が、そこはやはりリーグが誇る最強のトレーナー、四天王であるチリを頼って大小さまざまな相談事が舞い込んでくる。新チャンピオンがジムリーダー視察を終えた辺りから、ジムリーダーたちがやたらと奮発しているようで、とくにグルーシャに至ってはかつての情熱を取り戻しつつあるとの噂もあるほどであり、このところ四天王まで至るトレーナーは皆無、見込みのある者すらなかなかいないというありさまであった。
そういった事情もあってか、チリは比較的時間に余裕を持つことができていた。そんなときにネモとアオイがリーグ本部にやってきたのである。当然、チリは彼女たちをにこやかに迎えるつもりだった。その意志は半分までは達成されたが、彼女たちが話す冒険の内容を聞いていくにつれて、チリは黙ってはいられなくなった。
「アホ!いくらか強ぉなっても自分らまだ子どもやろが!そないな話聞いたら親御さんたちがどんだけ肝冷やすか分からんほどパーやないやろ!」眉間に深いシワを刻みながら叫ぶ。普段の彼女とはとても結びつかないほどに大きな声がリーグの廊下に響いた。 - 4二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 21:20:36
やったー!新作だ!!!
- 5二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 21:20:50
親しみと尊敬を持っていた年上の先達からの本気の叱咤。いくらチャンピオンといえど余りにも軽率すぎたと二人は素直に反省した。
「「・・・ごめんなさい・・・・・・・・」」
「・・・あんな?二人が強いんは皆よ~く知っとるで?でもな、そない危ないとこ行くんなら、先生方なり何なり大人に相談しいや。チリちゃんでもええんやで?大歓迎や!水臭いやないか!ズルいわホンマ、こっそりそないな楽しそうなこと!今度はチリちゃんも連れてってな?約束やで?」さきほどまでの激昂がウソのように、優しい笑顔を見せたチリは、アオイの目線の高さに合うように少しかがんで、そう告げた。
「おや、何事かと思えば・・・」気づけばオモダカが廊下を歩いてきていた。
「あ、トップ!この前はありがとうございました!そのお礼を言い来ました!」ネモがオモダカに走り寄って元気よく挨拶した。アオイも同様に走り寄る。
「これはご丁寧に。こちらこそ、楽しい一日でしたよ。またいずれお願いしたいですね。」可愛らしい二人の来客にオモダカは思わずにっこりと笑顔を見せた。
「しかし、おかしな奇遇もあるものですね。ちょうどクラベル校長に連絡を入れたところだったのですよ。こちらから伺おうと思っていたのですが、手間が省けました。」
「「・・・?私たちに何か用があったんですか?」」ネモとアオイのセリフが重なる。
「えぇ。お二人にお聞きしたいことと、次第によってはお願いしたいことがあるかもしれません。ちょうどお昼時です。ご一緒にランチはいかがですか?私はこの後も仕事があるので街に繰り出すわけにはいきませんが・・・」
「はい!是非!」「やった!トップとランチ!」
「ふふ・・・チリも一緒にいかがですか?応接室が空いているはずですが・・・」
「おっ!高級ランチや、嬉しいわぁ。ほな、ご馳走なります~。」 - 6二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 21:23:49
・ ・ ・
「御存知の通り、パルデアは学術研究と教育開発に力を入れています。他の地方と比べてもこのパルデアほど巨大な教育機関を持つところはありません。必然的にこの地には多くの学術研究機関があります。このお二人にお聞きしたいことというのは、そのうちの生物学研究を担当する機関からの依頼に基づくものでして。
エリアゼロのポケモンについてです。」
「エリアゼロ」という単語を聞いた瞬間、ネモとアオイは座りが悪い心地がした。つい今しがたその話題で怒られたばかりだからである。
「二人ともそないにち~っちゃくならんでもええで~。」二人の緊張をほぐすため、チリが笑顔で話しかけた。
「エリアゼロには正体不明のポケモンが多く居たと聞いています。皆さんが書いたレポートはクラベル校長から極秘に共有を頂いています。ペパーさんが仮称した4体のポケモン、サケブシッポ、イダイナキバ、ハバタクカミ、そしてアラブルタケ。そしてアオイさんの報告にあった3体の名称不明種。アオイさんのライドポケモンの同種とも戦ったそうですね。その詳細な情報が欲しいのです。そもそもポケモンなのかどうかすら怪しいとの話も聞いています。研究機関からは是非生体を捕獲してほしいと言われているのですが・・・」
「トップ」オモダカが話し終える前にチリが遮った。本来チリはこのようなことは無礼として、人の話を遮るような真似はしない。珍しい彼女の態度にオモダカは少し驚いた。
「トップ。もしこの子らに、正式依頼が出とるんなら、私が同行します。いくら強い言うても立ち入り禁止エリアに子どもらだけ送るんは、道理が通りませんわ。」 - 7二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 21:24:00
「・・・・・・・。まさにそのとおりです。しかし、現実に依頼が来ているのは事実ですので、ここは私がともに行こうと思っていたのですが・・・・そうですか。」オモダカの表情は一瞬曇ったが、すぐに柔らかくなった。
「チリが行ってくれるなら安心ですね。チャンピオンネモ、それにチャンピオンアオイ。これはポケモンリーグ本部を経由した研究機関からの正式な調査依頼です。ペパーさんとボタンさんにも同じようにお話をするつもりですが、今の時点で、お二人の気持ちはいかがですか?一度は踏破したと行っても危険な場所ですから、もちろん断ることもできますが・・・」
新たな冒険を目の前にして、自由な冒険者の二人がどう返事をしたのかは、言うまでもないだろう。 - 8二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 21:25:20
「はぁ・・・やってもうたわ・・・あの子らなら声荒らげんでも分かるっちゅうに・・・」
チリはその日、二人を見送った後、トップとミーティングを行い、自室に戻って冒険の準備を始めた。「叱る」というのは相手の行動を諫めるには有効だが、「諭す」だけで反省できる相手には当然ながら叱る必要はない。それを分かっていながらも抑えられなかった自分を恥じる。そんな彼女はまだ若いが全うで素敵な大人の女性であった。
「ま、今チャレンジャー来そうにないし、もし誰か来よってもアオキさんもおるし。さすがにポピーには面接任せられんわな・・・」
面接アオキ、先鋒アオキ、次鋒ポピー、副将アオキ・・・怒涛のアオキ連打を想像して、口に含んだ紅茶を少しこぼしてしまったが、チリは四天王の面々を信頼している。閑散期に自分がほんの数日いなくなっても問題なくこなしてくれるだろうと確信している。
その夕方には事務方から翌日には出れるように準備しておいてほしい旨を聞き、即断即決のトップらしいと苦笑するチリだった。 - 9二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 21:27:14
そして冒頭の状況に戻る。まさか大人になって屋外で肌を晒すことになるとは夢にも思わなかったが、子どもたちを守るのが自分の使命。やるしかない。古今東西、腹を決めた女は強い。もともとゴテゴテとした飾り立ては好まなかったため、あっという間に靴と手袋以外の服を脱ぎ終える。
「んん?なんやペパー君、何を恥ずかしがっとんねん、こちとら乙女が柔肌晒しとるんや。みんな!やったれ!」
ペパーは瞬く間に女子に囲まれリュックを奪われ、上着をはぎ取られ・・・と、ここまでは前回と同じ。前回はネモに羽交い締めにされて服を脱がされたが、今回はチリに羽交い締めにされている。背に当たる感触の違い。人はそれぞれ肉体に大きな違いがあり、当然ながら体を密着させていれば、その感触はよりダイレクトに伝わる。その結果、ペパーはネモにはあった、あるはずのものが無いことに違和感を感じていた。
通常大人の女性は少女よりも、より肉感的なものであり、ペパーも当然そうだと思っている。
しかし、今、背にあたる感触は、ペパーが今まで培ってきた常識を、現実を、世界を裏切っている。
あるはずのものが無い違和感。そこに「在る」ものが本当は「無い」かもしれない。遠い別の世界の哲学者ルネ・デカルトは「すべてのものを疑え」という言葉を後世に残した。ペパーがこの格言を知るべくもないが、彼は今、哲学者としての一歩を歩み始めたのかもしれない。
「よし、さすがに下着は自分で脱ぎや。」うら若い青年を剥くことにひとしきり楽しんだ女子たちは、改めてペパーに最後の一枚のパージすることを要求する。ペパー青年3度目の公開脱衣である。喉を鳴らして下着をぐっとつかむ青年と体育座りでそれを拝む女子たち。明らかに異常事態であるが、このゼロゲート施設にそれを観測する者はいない。
息を呑んで、下着を脱ぎ始めるぺパー。ゆっくり、それでいて確実に、そして堂々と。大地に根を張る大樹は年月と風雪に耐えてこそ、偉大な神木へと成長する。ペパー青年も困難と羞恥という風雪を幾度も繰り返し経験することで成長を遂げつつある。下へ下へと降りていくペパーの両手とその中の下着は、巨大な林冠をなす大樹の根のごとく、深く下りつつ、いまのこの羞恥という風雪に耐えていた。 - 10二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 21:28:58
「いよいよで直前だけどさ、アオイ」生まれたときの姿となって凛々しい顔で大穴を見つめるペパーをよそに、ボタンがコライドンのコンディションをチェックしているアオイに話しかけた。
「5人乗せても大丈夫なもんなの?前のときはまだ余裕ありそうだったけど」
「あ、うん。5人くらいなら滑空は全然いけるんだけど、着地と制御が難しいみたい。だから前よりも、うんとゆっくり大きく旋回しながら降りていこうかなって。」
「アオイがそういうなら大丈夫そう。」
コライドンの背にまたがった全裸の5人。フォーメーションは以前と同じだが、ネモとボタンの間にチリが入っている。とはいえ、細身の彼女が入っても詰めればなんら問題ない。もちろんネモは前に詰めることになり、結果、ペパーの背中に密着することになったが、それはペパーにあるべきものが「在る」安心感を与えていた。
そのとき、
「気、つけて。たぶん何かある。」ボタンが、根拠のつかめない乏しい違和感ながらも、確信をもって警戒を促した。 - 11二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 21:31:22
こんなところで哲学への道を歩みだすペパー先輩で草テラスタル
- 12二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 22:20:26
新作が早えwホントに筆速いなw
- 13二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 22:30:55
怒涛のアオキ連打で笑ってしまった
まぁ仕方ないといえば仕方ないんだけどね… - 14二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 22:37:27
やっぱり某スレはチリちゃんを脱がす前触れだったんだな
- 15二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 22:52:44
下へ下へと降りていくペパーの両手とその中の下着シリーズ大好き民のぼく、今日も歓喜
- 16二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 22:58:03
- 17二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 23:02:09
ネモの乳が当たってても安心感しか得てないペパー青年そろそろまずいんじゃなかろうか
まあここでテラスタルしててもヤバいけどフォーメーション的に - 18二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 23:15:54
コライドンが加速し、飛び立った瞬間、ボタンが明確に殺気を感じた。
「おかしい・・・、早すぎる!まだ大穴着いてないのに!」「どうしたボタン!敵ちゃんか!?」
上空から飛来する奇妙なフォルム。複数体いるが群れているわけではなさそうだ。
「ひぃふぅみぃ・・・4体!ジバコイルや!みんな気張りやぁ!」
四方から迫りくるジバコイルとの空中戦。達人ぞろいといえども空を滑空しながらポケモンに襲われる経験などそう多くはない。せいぜいイキリンコの群れがつついてくる程度のもの。最終進化形態クラスに空中で全裸で包囲されるなどあり得ない体験である。
「ヤヤ君!おねがい!」コライドンに急旋回を指示しながらアオイが対応する。
「ファイアローか!」チリは感心すると同時に危惧してもいる。確かにファイアローの炎ならジバコイルに対して有利に戦える。しかし、ひこうタイプを併せ持つため、ジバコイルの攻撃で致命傷を受けかねない危険がある。
「攻めなくていい!ヤヤ君!無理攻めして来ないように牽制して!一発も食らっちゃダメだよ!」
「チャンピオン!岩壁すれすれまで近づけてや!」チリが敵を見据えながらアオイに大声で叫ぶ。その間ボタンはサンダースを繰り出して微弱な電流を巧みに使ってジバコイルの電撃を遠くに誘導している。全裸である以上、電撃は致命傷につながりかねない。敵が寄ってくればこちらから迎撃も可能だが、そんなことは相手も承知の上なのか、なかなか接近せずに遠距離から電撃を加えてくる。
コライドンがアオイの指示で岩壁にほんの数mのところまで接近した。
「上出来やで、チャンピオン!ダグトリオ!岩壁に「穴を掘る」!」チリの指示で圧倒間に岩壁に潜り込んだダグトリオは、硬い岩盤をものともせずに、岩壁から大きな岩の塊を切り出した。 - 19二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 23:18:15
「ドンファン!ストーンエッジや!デカいのやったれ!」
コライドンの背にドンファンは乗り切らない。また、乗ったとしてもその重さは扱いきれないだろう。だからこそ、チリは岩壁間際まで近づき壁を地面として見立てて、ドンファンを放った。ダグトリオが切り出した岩の塊を砕いて、巨大な岩の弾丸をジバコイルに放つドンファン。また瞬時にボールに戻っていくその手際は見事のひと言である。
「ダメだよ、チリさん!ジバコイルははがねタイプ!ストーンエッジじゃ・・・」
「ええんよ。デカいの飛んで行ったやろ?」
アオイの心配通りジバコイルにストーンエッジは有効だとはならなかったようだ。かわすことすらせず充電して力をためている。だが、ひときわ巨大な岩の弾丸がジバコイルに接触した瞬間。
「ダグトリオ!!やったれ!」
ダグトリオが岩壁を切り出す。ドンファンが岩を高速で射出する。ストーンエッジで発射された岩壁に潜んで接近する。その工程を終えたダグトリオの剛爪はジバコイルの眼前にあった。
空中にいながら「穴を掘る」の一撃を食らったジバコイルは撃沈となった。高度な作戦を瞬時に構築し実行する四天王の実力を目撃し、ペパーら4人は手に汗を握っている。
「すごい・・・!空中戦でじめん技を・・・!」ネモが歓喜の声を上げようとしたところ、チリは制した。
「まだあと3体おる!このまま距離取ってずらかるで!」多少無理をして滑空の角度を変えて強引に距離を取る一行。アオイのファイアローも無事帰還できた。ジバコイルたちとの一戦を終え、ボールの帰還機能で手元に戻ってきたダグトリオを労いつつ、裸の4人に警戒をうながすチリ。服を着ずとも凛々しい彼女を見る4人の目はまさに「カッコイイ大人に対する尊敬」そのものであった。 - 20二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 23:22:10
ボタンは防戦に大いに貢献してくれたサンダースの様子が変わったことに気づいた。
「どうしたの、サンダース?・・・っ!なんか来る!ジバコイルじゃない!もっと速い!」
「なんであいつが飛んでんねん・・・!?じめんタイプやろ!!」
「なにが来てるんですか!?」「ガブリアスや!」
空中を高速で飛びつつ一直線に襲い掛かる一匹のポケモン。砂塵に潜む地竜の雄、ガブリアスが、空中から襲い掛かる。
「やべえ!ドラゴンだ!」ペパーが叫ぶ。
チリはコライドンのタイプを知らないため、その警戒はガブリアスという種そのものの強さに向けられているが、他の4人の危惧は一致していた。ドラゴンタイプは確かに耐性面で強く、炎や水、電気をものともしない強靭さを持つ。しかし、4人が何よりも恐れているのは「ドラゴンタイプが接近してきている」ということそのもの。なぜなら今自分たちが体を預けているコライドンはドラゴンタイプであり、ドラゴン技で大ダメージを受けるからである。この上空で滑空姿勢を維持できなくなったら、一巻の終わりである。 - 21二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 23:22:20
ペパーはガブリアスに対する強力な対抗手段である、こおりタイプのパルシェンを持っている。だが、100kgを超すパルシェンはそう機敏には動けない。また先ほどのチリとドンファンのような緻密で高速なボールさばきはペパーの技量では不可能である。
「仕方ねえ…!近づいてきたら一瞬だけパルシェン出して「冷凍ビーム」をぶち込んでやる!そしたらすぐ引っ込めるから・・・」
「待ちや。ここはチリちゃんに任しとき。」チリは腹案があるのか、ガブリアスを発見したときの焦りは見えない。敵はもう眼前に迫ってきている。
「野良のじめんタイプが四天王の地面使いに挑もうたぁ、100年早いわ。ナマズン、出てきい。」ナマズンの体重は23kg程度。大きな体躯の割には軽い体重であるため、コライドンの負担はそこまで上がらない。
「近くまで引き付けるまで待って、そのまま「ふぶき」や。」ナマズンは指示通りガブリアスを回避不能な距離まで近づけて致命的な4倍弱点技「ふぶき」を直撃させ、強敵を難なく撃沈させた。
「よおやったで、ナマズン。あとで褒めたるから、今は堪忍な。」そう囁くチリの姿はどんなヒーローよりも雄々しく、まさしく「カッコよかった」。
本来苦手なはずの空中戦をこうも鮮やかにこなす。もはや4人のチリに対する尊敬の気持ちはカンストしていた。 - 22二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 23:25:31
しかし、着地姿勢に入るや、ボタンはすぐ気を引き締めなおした。
「ペパー!着地したらすぐウチと前出てスコヴィラン出して!」
ボタンの要請に瞬時に従う姿勢を見せるペパー。
「ボタン!近いの!?」アオイが声をかける。
「たぶん着地を狙われてる!」ボタンが叫ぶように返す。
「なにが来とるんや!?」チリが問う。
着地と同時にペパーとボタンがスコヴィランとブースターともに、裸で前に躍り出る。
その瞬間一同に襲い掛かる漆黒の鉄翼。
「アーマーガアです!!」
最大級のアーマーガアがその巨体をもって一同に襲い掛かるも、すでに察知していたボタンとペパーが繰り出したポケモンたちによる炎技で撤退を余儀なくされていた。
チリは手で胸と下腹部を隠しつつ、一行の対応力に驚嘆していた。
「この子らにポピーが加われば、まさに黄金世代やな・・・」彼女の独りごとを聞きとめたネモはこの上なく嬉しい気分となっていた。
「あれだけしこたま「だいもんじ」撃ったのに、倒せねえのかよ・・・!?」ペパーはエリアゼロの雰囲気が前よりも険しくなっていることを察知し、今回の冒険も一筋縄ではいかないだろうと確信したかのようなシリアスなセリフを意味深につぶやくことによって、「恥じらいっていいな」というセリフが喉まで出てきそうになっていたのを阻止した。 - 23二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 23:28:07
ぺパーくんさあ…
- 24二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 23:29:21
よし、今夜はここまでです!
またご一緒できて嬉しいです。
FAすごく嬉しいです。お手すきな方、絵が好きな方、ペパーが好きな方、皆でどんどんペパーを剥いちゃってください。
>"下へ下へと降りていくペパーの両手とその中の下着シリーズ大好き民"
そんな危険な民族が現存していたとは・・・
- 25二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 23:30:21
お疲れ様です!
各人の対応力!パルデアの未来は明るいですね! - 26二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 23:30:35
そうだよね、今まで恥じらいもクソもなかったもんね。
むしろ一番恥じらってたまである。 - 27二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 23:40:46
お疲れさまです!
スレ主様も絵師様も筆が速ぇ
今まで恥じらいとツッコミを一手に担ってたのペパーだったもんな… - 28二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 23:46:15
- 29二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 00:32:00
ドオーじゃなくてナマズンなのは珍しいですよね
- 30二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 00:34:34
全員めっちゃ有能なんだよな
ボタちゃんの警戒能力がレーダーレベルまで達してそう
恥じらってる人の前でテラスタルしたら相当気まずくなるし、これペパー今まで以上にツライ旅になるのでは? - 31二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 00:36:52
まさに四天王って感じの地面ポケの操りでよかった
- 32二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 00:40:16
""最終進化形態クラスに空中で全裸で包囲されるなどあり得ない体験である。""
そんな体験あってたまるか - 33二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 00:45:19
単純戦闘はネモアオイが強くても、こういう特殊な戦闘ではやっぱ四天王なだけあってめっちゃ強いな。
いやなんか真面目に読んじゃったわ。なんなんだよ、このスレ - 34二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 08:42:36
空中戦めっちゃカッコいいな。
確かにあの辺何故かガブが飛んでるんだよなw
確かにドンファンはストーンエッジ使うし、ナマズンはふぶき使うし公式設定の使い方が上手い
空中戦で「穴を掘る」とは・・・
なんで全裸に・・・? - 35二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 09:21:11
- 36二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 09:28:11
戦闘シーンのかっこよさと全裸という設定が俺を混乱させる
- 37二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 10:07:48
ずっとおススメにあったけど今日初めて来ました
作者さんは正気なんですか? - 38二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 10:15:52
正気じゃないとこんな冷静に狂えない
- 39二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 10:48:01
「エリアゼロ・・・!ここが・・・!」チリは裸身であることを恥じらいつつも、目の前に広がる未知の領域に心を躍らせた。
「さっぱり分からんとこなんて、いつぶりやろなぁ。」チリはわざとおどけて一行の緊張をほぐそうとしたが、4人の様子を見てすぐに気持ちを切り替えた。4人は明らかに焦っている。その表情にあるのは、緊張感ではなく、焦燥感。一度来たところであれば、本来ならリラックスしているはずが、顔に汗を走らせている。特にいつも明るいネモが口を堅く結んで力んでいる様は、チリにも異様な緊張感を伝えた。ネモの額から生まれた汗のしずくは、そのまま布をまとわぬ小麦色の肌を伝い、太ももを超えて地面へと飛び込んでいった。
「・・・自分らが前来たときと、なんか違うんやな」チリは4人の深刻そうな表情からそう推断した。
「はい、前来たときよりポケモンの気配が多い・・・しかも、この圧迫感・・・あいつらです・・・。」
「パラドックス・・・ちゅうやつか」オモダカから事前に渡された報告書で見た名を口にしたチリ。彼女も再度気を引き締めなおす。ここは人外魔境エリアゼロ、未知を既知として思いあがった者には、死の罰だけが待っている。裸で死ぬなどまっぴらである。
「ま、今回はそのパラドックスの連中に用があるんや。囲まれるんは勘弁やけど、ぎょーさんおるなら、トップに「一匹も会えませんでした」いうて怒られるんは避けられそうやな。」彼女の軽口に少し雰囲気が和らぐ。
前回と同様にネモが全裸で先行警戒を行う。今回はペパーが同行することにした。チリ、ボタン、アオイの3人は裸で現地警戒を行いつつコライドンとアオイの気力が回復するのを待つ。ペパーは「ネモもアオイもボタンもちょっとは恥じらってみてくれないかな」と思っていたが、口はおろか表情にも一切出さなかった。彼は真剣な様子で周囲の警戒を行いつつ、これから向かう第1観測ユニットでのテラバーストについて思いを馳せていた。 - 40二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 12:08:32
「ダグ~、さっきはようやってくれたな~、ホンマいい子や。ドンファンも頑張ったなぁ!よしよし。ナマズンは頼りんなるで、ホンマ。みんなお疲れさんや!おっ?ドオーもバクーダもやる気マンマンやないか!期待しとるで!」
待機中、華麗な空中戦を終えたばかりの仲間たちを労うチリ。その和やかな姿は先ほどまでの武将然とした強者のオーラではなく「親しみのあるお姉さん」の雰囲気をまとっていた。服さえ来ていたなら、ここが近所の公園といっても不自然ではなかっただろう。だがしかし、ここはエリアゼロ。死が常に隣にいる魔界。現実にはチリは服を着ていないし、仲間たちも和やかながら実に見事な警戒態勢を築いている。
裸でその様を見ていたアオイは、先輩トレーナーの隙の無さに、ポケモントレーナーの奥深さを感じていた。「ただ勝負に勝つだけが強いトレーナーなんじゃない。ポケモンの可能性を引き出すだけでも足りない。ポケモンの可能性を引き出して、かつその穴を埋めるように立ち回れるのが、本当に凄いトレーナーなんだ。」アオイはチャンピオンとしては確かに一流だが、まだまだ学ぶことが多いということを実感した。
アオイの隣で警戒に当たっていたボタンだったが、遠くから吹くぬるい風の中にほのかに甘い匂いが混じっているのに気が付いた。
「チリさん、アオイ。なんか来る。それもいっぱい。」ボタンがポツリと言ったのを聞いた二人はごく自然に戦闘態勢に入った。
「ワタッコ・・・?」アオイは遠目に見える群れを見てつぶやいた。凶暴なイメージとはかけ離れた身近なポケモン。自身も駆け出しの頃には世話になったポケモン。
「ユルんだらアカン。こないなヤバいとこにフツーのやつがおる、ヤバいとこにヤバいやつがおるより怖いかもしれんで。」
三人にワタッコの大群が襲い掛かる。 - 41二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 12:19:05
ポケモンたちをよしよししてるチリちゃんかわいい
- 42二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 12:56:59
特に形容する必要がない場面で裸である注釈がちょくちょく入るの草テラスタル
- 43二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 13:05:03
読者諸賢が忘れないように気をつかってくれてるんだぞ!
- 44二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 14:20:32
「バクーダ!」「ヤヤ君!」「ブースター!」3人は押し寄せるワタッコの大群に対して火力の高い遠距離の炎技で制し、近距離の飛行技で討ちもらしを叩く戦術に出た。周囲の警戒を担当する人員を割く余裕はない。ワタッコたちの攻撃は「ようせいのかぜ」やドレイン系など一撃が強烈なものではないが、その数はまさに弾幕といえるレベル。ペパーとネモが戻るまで持ちこたえたいが、これほどの手数で押されていては合流するのも簡単ではない。
「にゃおちゃん!ペパーとネモのところに行って、攻撃を受けてるから、どうにか隙を見て合流するように伝えて!」アオイはマスカーニャを繰り出し、手持ちの仲間たちの中でトップクラスに足が速い相棒に伝令役を頼んだ。 - 45二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 14:20:44
「よっしゃ!一旦大技で道作るで!合わせやぁ!」チリがボタンに叫ぶ。
「了解!」ボタンも大声で返す。
「バクーダ!」「ブースター!」
「「 ふ ん え ん !!」」タイミングを合わせて巨大な炎球が立ち昇ったと同時に、その真下をアオイのマスカーニャが高速で走り抜ける。
「ヤヤ君!アクロバット!」マスカーニャの行く手に毒の粉をばらまこうとしたワタッコにファイアローのアクロバットが直撃した。かなりの数を打ち落としているはずだが、大群の勢いが衰える気配はない。包囲されていないだけマシではあったが、それも時間の問題かもしれない。
敵を見据えるアオイの目にわずかな違和感が写った。空の色が変わってきている。それもカラフルに。見間違いかと思ったが、ボタンも同様に感じ取っているようだ。ワタッコたちが「ねむりごな」や「しびれごな」を大量にまき散らしていると気づいたときには、すでに霧のような毒粉が空を覆っていた。チリの脳裏によぎるひとつの可能性。
「アカン!撃ち方やめ!」
「でもチリさん!炎を撃たないとどんどん近づいてきちゃうよ!?」アオイとボタンはまだチリの意図に気づいていない。
「その炎がアカンのや!もっと距離取らな!走るで!」
「コライドン!ボールに戻って!逃げるよ!」アオイは消耗した体力が回復しきっていないコライドンを戻して、チリの指示通り全力で走り始めた。ボタンも同様にブースターを戻してひたすらに走る。
しかし、そのあとがよくなかった。アオイはファイアローに指示した。「遠距離から「ひのこ」をばら撒いて牽制しつつ、戻ってこい」と。
「アカン!!!」チリが大声で叫んだ。
「ねむりごな」も「しびれごな」も草タイプの技である。つまり、その毒粉は可燃性を持つ。その可燃性の粉が霧になるほどに密集している。そこに「ひのこ」による火種が落ちる。結果・・・
「 粉塵爆発や!!!! 」
巨大な爆炎がエリアゼロの空に立ち昇った。 - 46二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 14:48:45
前回のヌードモデル編が比較的平和な全裸だったこともあり、今回は手に汗握るような全裸ですね…
- 47二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 16:07:36
原作通りの熱い全裸
イチャイチャ甘酸っぱい全裸
ほのぼの和やかな全裸
手に汗握る戦いの全裸
いろんな全裸が見れる素晴らしいスレ - 48二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 16:08:30
粉塵爆発と全裸をフュージョンさせるとか何食って生きてたら浮かぶんだろう
- 49二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 17:16:34
- 50二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 17:44:18
- 51二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 17:48:35
全部実際に大穴にいるポケモンだから想像しやすいんよね。
でもワタッコからの粉塵爆発シチュは想定外だった - 52二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 19:01:07
時を同じくして、先行偵察のためにアオイたちから少し離れていたネモとペパーは、ポケモンの数が明らかに増えていること、パラドックスポケモンの姿は見えないものの確かに気配があること、そして、通常のポケモンたちですら活動が活性化していることに気づいていた。
「ネモ!ライチュウだ!正面から2匹!けっこうデカいちゃんだ!リククラゲで叩くぜ!」
「こっちも!フラエッテが2匹!ミミズズ!おねがい!」
アオイたちと同じく、こちらも複数のポケモンたちに襲われていたが、数の暴力というほどではないようで、相性の考慮しながら仲間たちを繰り出して戦局を優位にとどめることができていた。
「リククラゲ!できるだけ食らうなよ!気を付けろ!」ペパーは動揺していた。ライチュウはでんきタイプであるため、タイプ上では有利なはずだが、予想以上にパワーが強い。一対一なら万に一つも後れを取ることはないだろうが、二対一となると注意が回りきらないかもしれない。ヨクバリスを追加することも考えたが、ぺパーは持久戦を想定し、リククラゲを回復しつつしのぐべきと判断した。非力な人間が裸で無防備となれば、一瞬で刈り取られてしまうだろうことを、野戦料理を得意とするペパーは知悉していた。
ネモはさすがの腕前でフェアリータイプのフラエッテに決定打を打ち込んですぐに戦闘を処理し、ペパーの加勢に向かっていた。若きチャンピオンの面目躍如である。だが、その若さが命取りとなる。命の取り合いの経験が浅い故の一瞬の気のゆるみ。そのゆるみの隙を狙って岩陰に隠れていたもう一体のフラエッテが音もなく飛び出した。ネモの均整の取れた美しいむき出しの背中に、無垢を装う妖精の悪意が襲い掛かる。 - 53二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 19:07:50
このレスは削除されています
- 54二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 19:08:16
間一髪。
アオイのマスカーニャが「とんぼがえり」を叩きこみ、フラエッテの不意打ちを阻止した。
「マスカーニャ!?アオイたちに何かあったのか!?」ペパーの問いに、マスカーニャは小さくうなずいて肯定の意を示した。
「ネモ!急ぐちゃんだぜ!」「うん!!」走り出したペパーはもう股間を隠してなどいない。
ネモとペパーが走り出したと同時にアオイたちがいるはずの方向で激しい爆音が鳴るとともにその方向の空に大きな炎が見えた。
「「・・・・っっ!!!?」」二人は声を出すことも忘れて合流を急ぐ。 - 55二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 20:11:22
爆炎が唸りを収め始めたとき、チリ・アオイ・ボタンの3人は裸で土にまみれていた。
ボタンとアオイはチリの技に驚嘆していた。ファイアローの「ひのこ」が着火して、大きな火球が生まれる刹那、ファイアローがボールに帰還したと同時に、チリはドオーを繰り出して地面を隆起させ、瞬時にダグトリオと交代させて隆起部の後ろに塹壕を作り、さらに、これまた瞬時にドンファンと交代させ、「ストーンエッジ」をわざと不発に終わらせて巨大な岩の壁で塹壕にフタをして爆炎をやり過ごした。
この間、ものの数瞬である。ポケモン勝負とは別の熟練の技。その凄絶さに息を呑む二人だったが、より強く心を揺さぶられていたのは、意外にもボタンの方だった。もちろんアオイも感動し自身もその高みに至るべく修行しようと心に決めたのだが、ボタンは、目標を「走って逃げる」から「爆炎をやり過ごす」に瞬時に切り替え、地形や地質という前提条件を利用して最大効率で目的を達成する手腕そのものから、自身の技術力を高めるヒントを探ろうとしていた。ボタンの心の内には、あの悪辣の極致、ボール・ロック・システムに対抗できなかった悔しさが渦巻いており、次こそは負けないと、意気込んでいた。その意気が彼女に四天王の手練手管を盗ませようとしていたのだった。
「今のでワタッコどもも、ほとんど逃げていきよったな・・・はぁ~、無茶するでホンマ。ええか?二人とも。燃える粉に火ぃつけたら爆発するんや、よう覚えとき。普通は密閉せえへんとここまでならんけどな。」ボタンとアオイはこくこくと何度もうなずいて、チリの話に理解と、そして感謝を伝えた。
塹壕の中の三人の耳に走り寄ってきたネモの声が聞こえた。地上から塹壕の中を見下ろす心配そうなネモの顔がひょっこりと現れた。
「三人とも!無事だった!?わ、泥だらけ!ケガはない?」「うん、チリさんがどうにかしてくれた!」「やっぱ四天王パない。ヤバい。」ネモが上から手を伸ばして、アオイが塹壕から出ようとする。 - 56二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 20:11:37
「ほれほれ!早よ、出や!ペパー君の前で足広げて登りたくないやろ?」チリのダグトリオが作った塹壕は少し深く、這い出るためには足を大きく広げて上に引っかける必要があった。チリが下から押し上げてアオイとボタンを塹壕から押し出す。
アオイたちが地上に出ると、上から今度はペパーがひょっこりと顔を出した。チリは慌てて両手で隠すべきを隠しつつ、ペパーの無事を喜んだ。
「おお、ペパー君!無事やったか!」「はい!手、引っ張ります!」ペパーが上から手を伸ばしたが、チリはそれを断った。
「あ、ダイジョブやから、あの、向こう向いとってくれへん・・・?」
「へ?向こう?」
・ ・ ・
「いや、あの・・・足広げなアカンから・・・///」
「・・・?あ、はい」
ペパーは何が何やらと、首をかしげて、とりあえずはチリの要望に従った。 - 57二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 20:27:36
- 58二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 20:59:28
絵師さんが荒らぶっておられる!
- 59二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 20:59:44
アラブルエシ
- 60二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 21:02:35
スレ主ですが、ちょっと待ってください。
絵師さんのアレがあまりにもアレなのでアレをアレしないとアレがアレしそうで・・・・・
ちょっと走ってきますんで待っててください。 - 61二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 21:40:51
塹壕から這い出た3人と先行偵察から戻った2人。離れていたのはほんの数十分だが、長らく離れていたようにも感じる。状況整理も必要だが、まずは体についた泥を落とさなくてはならない。通常の野戦なら土汚れなど気にするものではないが、今はみんな服を着ていない全裸であり、皮膚に冷たい土が付着しっぱなしというのは体温保持の意味でも看過できない。しかも付着しているのはエリアゼロの土である。常に流れ続ける水と違って、土壌には残留する物質が多い。もし土の中にテラスタル結晶が多く混じっていて、突然急成長を遂げた場合、衣服がないため、皮膚を直接侵食されるかもしれない。一刻も早く、土を落とすべきである。
幸い、滝がすぐ近くにあり、先ほどの爆発の轟音で辺りのポケモンは退散しているらしく、一行は水場を独占することができた。ペパーは、リュックの中で厳重に密閉しておいたタオルを取り戻して、ボタンに渡した。
「一応、予備はまだまだあるけどよ。ケガしたりしたときのことも考えて、清潔な布は節約しとこうぜ。」
「うん、ウチもそう思う。」 - 62二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 21:41:08
ペパーの判断とボタンの賛同で、布類を節約するために一枚のタオルを洗いながら一人ずつ使うことになった。土汚れを落とすための水はすぐ近くに大量に流れているが、さすがに水の中に飛び込んで体を冷やすわけにはいかないので、まずはタオルを濡らして、少しずつ体を拭きあげていく必要がある。
ボタンが体を拭くしぐさはペパーの獣性を呼び起こすには十分すぎる威力を持っていたが、そこはペパーもかなりのやり手。彼はこのエリアゼロに集合する前に前日も当日の朝も入念なテラバーストを行うことによって、その精神を賢者の域へと磨き上げていた。そのため、ボタンが体を拭いているときも、その様を見つめる青年の眼には慈母のごとき穏やかさがあった。
ボタンが体を拭いた後、よく洗ったタオルをアオイが受け取り、チリに先を譲ってもらったことの礼を言って、体を拭き始めた。アオイは小さな体にめいっぱいの泥をつけていたが、濡れタオルで吹き清めていくときの「むふー」といった表情は見る者を和ませた。このときぺパーの中の獣は、主人が油断しているのをいいことに着々とキバを研いでいた。
アオイは体を拭き終えてタオルをチリに渡し、待機していたファイアローに抱き着いた。隣にはブースターに温められてすっかり乾いたボタンが微笑んでいる。
チリは困惑していた。表情には出していないつもりだが、本当に顔に出ていないかは自信がない。まさか大人になって屋外で裸になり、全裸で大激戦を繰り広げたのち子どもたちに囲まれて裸で体を拭くさまを見守られるとは、想像もしていなかった。すでに叫び出したいほどに羞恥を感じていたが、その主因であるペパー青年が裸の女が目の前にいるにも関わらず穏やかな目をしていることに、ほんの少しイラッとしていた。
当のペパーは、土よごれが取れてアオイの白い肌が戻ってきたことを喜びたい気持ちを、神妙な顔をすることで抑え込み、何か真剣な発言をすることでカモフラージュできないかと考えていたが、アオイの肌に完全に思考を奪われていた。 - 63二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 21:45:05
早朝から入念なテラバーストをするとはアラブルペパーですね。
- 64二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 22:23:45
改めて、現状と各人の意見を整理する。5人は裸のまま円を描くように座って話し合いを始めた。チリはバクータの背に尻を置き、脚をそろえて座っているため、不必要に足を開くことがないのは本人にとっては救いだろう。3人の女子たちはなんの気兼ねもなくあぐらをかいている。ちなみにペパーも地べたにあぐらである。
まず捉えておくべきは、エリアゼロのポケモンたちのようすである。明らかにレベルと攻撃性が上がっている。前回は警戒と潜伏を徹底していたのもあるが、ここまで大規模に襲われることはなかった。テラスタル結晶の影響なのか、まるであのパラドックスポケモンたちのような圧力を感じる。
そして、危惧すべきは、今回の調査対象であるパラドックスポケモン自体が強化されている可能性である。そもそもがかなりの強敵ぞろいであり、いかにアオイたちといえども油断ならない相手だった。それが強化されているとしたら、相当な苦戦を強いられるだろう。また、パラドックスポケモンが通常種たちを使役するような上下関係が成立していると、さらに厄介である。今後はそういったケースを想定した立ち回りが必要だろう。
今回も簡単にいきそうにない。まずは前回と同様、第1観測ユニットを目指すことになった。それはペパーにとっては福音であり残酷な宣告でもある。観測ユニットにつけばベッドで休息をとる、または就寝するというのは自然な流れである。そして前回の冒険のときはひとつのベッドの中に4人で入り込んだ。ペパーを中心に左右上を女体で囲むことになったことは、ペパーの記憶に新しい。いくらテラバーストを事前に済ませてあるとはいえ、そんな状態で一晩明かすとなれば、確実にタイム先生とサワロ先生の厄介にならなければならない。
ペパーは深刻な懸念を抱えながら、4人の女性たちとともに、第1観測ユニットを目指すことになった。 - 65二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 22:25:33
今日はここまでです!絵師さんがアラブっておられますね。
もっともっとあらぶって頂けるよう精進します。
皆さんも是非あらぶってください。 - 66二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 22:31:06
- 67二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 22:35:31
ペパーwwwwwwwww
- 68二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 23:51:03
前スレの宣言通り絵師殿が荒ぶっていてニャオハ生える
- 69二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 00:08:10
ニャオハ生えるな
- 70二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 00:15:53
なんて穏やかな目をしてやがるんだw
- 71二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 01:10:43
下の手袋が……毛に見えてしまった………
- 72二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 02:55:19
いまふと気づいたんだけど、前の冒険で研究所のロックを解除してるから、入口のエレベーターのところに各ユニットに行けるワープポイントがあるよな……
いやこの物語では、そんな無粋なものは存在しないと考えるべきだな…… - 73二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 05:42:47
今回は生態調査がメインだから練り歩いて行く方が目的に合ってるのかも
- 74二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 08:59:27
現在位置は前回の冒険のときの着地地点から第1観測ユニットまでのルート上にない。つまり、一旦は既知のルートと合流する必要がある。ペパーの記憶の中の地図と、女子生徒たち3人の方向感覚、そしてオモダカから古い資料を与えられていたチリの推論は、「そう遠くないところで前回のルートと合流できる」という方向で概ね一致していた。
途中、道すがらアオイとネモがチリに様々な質問をし、そのたびにチリは有用なアドバイスを返していた。実に朗らかで笑顔あふれる和やかな会話ながら一行の眼の端は周囲の岩陰や木陰を捉えている。旅の達人である彼らならではのことだが、チリは見えもしない地中にまで気を配っている点、経験とはなんたるものかを如実に教えてくれていた。
チリ曰く、相棒たちと深い信頼関係で結ばれるのは前提条件であり、トレーナーはその場に何が有るのか無いのかを考量しなければならない。「力を引き出すこと」ももちろん大事なことだが、「使える力を適切な形で使う」ということも重要だということを肝に銘じたネモとアオイはトレーナーとしてさらに強くなる。チリは羞恥心よりも二人の成長への期待感が勝るのを自覚した。そのとき後ろを歩くペパーは、前に並んだ4人を見比べて「ボタンが一番白いんだな、当たり前ちゃんか」と独りで納得していた。 - 75二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 10:26:04
周囲を警戒しつつも順調に進む一行。チリはいまだ両手で体を隠してはいたものの、さすがに顔の赤らみが引くほどではないが、ある程度恥ずかしさには慣れてきていた。ネモとアオイはもちろん警戒は続けているもののニコニコとチリの両脇についている。ボタンはその様子を微笑みながら見ていたが、ペパーだけは真剣な表情をしていた。彼はいま、腰の龍の手綱を握ることに集中していた。横たわる龍の傍らに置かれた二つの宝物殿はすでに解き放たれて空になっているはずだった。だが、実際には目の前に繰り広げられる光景のあまりの艶やかさに、宝物殿には力が満ち、龍の宝玉は再び気を取り戻そうとしていた。
丸二日もかけて調伏したはずの龍が再び蘇りつつあることを察知したペパーは、脳内で龍に立ち向かう勇者として、またしても恩師たちを派遣することになっていたが、その戦いはこの場の誰にも知られることはない。
歩き進む途中、アオイはふと木の葉が風に吹かれて目の前を通り過ぎるのを見とめた。ゆらりとした動きが目につく。だが、同時に奇妙な違和感も感じていた。
木の葉が舞う程度には風があるのに、チリとネモの後ろ髪は揺れていない・・・
その違和感を口に出そうとしたその瞬間、目の前の空間が歪にゆがみだした。急激に警戒を強める一行。空間の歪みをにらみつける全裸の一行。その背後から迫る一体の影。エスパーポケモン、リキキリンのバックアタックである。
敵の目の前の空間をこれ見よがしに歪めてみせて警戒をうながし、それを囮にして背後から強襲する。前後に頭を持つバックアタックの申し子、キリンリキの進化系だからこそできる策謀の一手である
間一髪、ペパーのマフィティフとネモのルガルガンの介入が間に合ったが、敵の接近を直前まで許してしまった。だが、ペパーらの緊張の理由は目の前にそびえるリキキリンよりも、「警戒能力の高いボタンが直前まで察知できなかったこと」にあった。
案の定、リキキリンは一体だけで襲い掛かってきたわけではなく、キリンリキを3体従えて包囲してきたのだった。ネモとぺパーにリキキリンを任せた裸の3人は、アオイがマスカーニャを、ボタンがブラッキーを、チリはドンファンを繰り出して慌てずに応戦する。エスパーポケモンたちによるサイコキネシスの念動力が周囲の空間を妖しく歪めていく。 - 76二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 10:52:51
>前後に頭を持つバックアタックの申し子
そうかな…そうかも…
ここに至っても全然慣れてないペパーの龍まあまあ活動的だな
- 77二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 12:09:24
エスパータイプに対しては、あくタイプをぶつける。一流トレーナーである彼らがそれをミスすることなどない。実際、敵のサイコキネシスはマフィティフたちにダメージを与えることはできなかった。問題はトレーナーごと囲まれているということ。位置関係的に大規模な技を使えば自滅してしまうため、近接技で一体ずつ処理していく必要がある。また、ポケモンたちは平気でも、トレーナーたちは流れ弾でも食らえば大ダメージを受ける。ましてや、今は全員全裸。慎重な立ち回りが求められる。
とはいえ、やはり順当な実力差は埋まることなく、囲んでいたキリンリキたちは逃げ散り、戦局はあっという間にアオイたちの有利な展開になっていった。リキキリンもマフィティフたちもお互いに深い手傷を負うことなく、相手の逃亡で、戦闘状況は終了したが、一行はどっと疲れ果ててしまった。 - 78二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 12:09:40
第1観測ユニットが視界に入ってくると、一同の精神的な疲れはより増してきた。見えないゴールよりも、見えているゴールの方がより心を揺さぶるものである。全裸の解放感など微々たるもの。そんな疲弊した5人の前に現れたのは、ピンク色の丸い塊。
「プリン・・・?いや、ちゃう・・・」目は前を見ながら顔だけをアオイの方に寄せてチリがつぶやく。
「はい。プリンじゃない・・・サケブシッポ・・・・パラドックスポケモンです。」アオイが小声で答える。
「それも一匹じゃない・・・4匹?」ネモも加わるように小声で付け足した。
「まだこっちには気づいてないみたいですね。」ボタンの指摘どおり、サケブシッポたちはまだアオイたちに気づいていない。気づかれれば即座に戦闘が始まるだろう。
「でもよ、観測ユニットの扉のすぐ近くだぜ。気づかれずに建物に入るのはキツイちゃんだろ。」ペパーの意見も正しい。
「要は、戦わなアカン、っちゅうこっちゃな。難儀なモンやで、ホンマに。」チリは愚痴を言いながらも口もとには笑みを浮かべ、服を着ていないながらも女戦士さながらの勇壮さを見せている。相手の視野と一行の位置関係を鑑みて、全裸のこちらが奇襲をかけるのは難しい。正面戦闘は避けられないようだ。
「皆ええか?とりあえずは普通に戦う。こっちの身の安全が最優先や。んで、余裕があったら一匹だけ捕獲。あくまで余裕があったら、や。4匹おるから、それぞれ一体ずつ相手しい。真ん中でチリちゃんがサポートしたる。キツくなったらすぐ交代や。ええな?こっちは裸なんやから、安全第一やで?」チリは4人に作戦の優先事項を再確認させ、戦闘準備を促した。
「おし、いくで!」 - 79二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 15:03:22
- 80二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 15:22:25
- 81二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 15:26:01
- 82二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 16:08:28
5人の接近にいち早く気づいたサケブシッポたち。密集していた彼らもまた全裸であった。立ち向かうトレーナーたちもまた全裸。そして、繰り出されるポケモンたちも、当然全裸である。ごく一部の勇士を除けば、読者諸賢だけが着衣でこの空間を観測している存在である。
可愛らしい全裸、力強い全裸、雄々しい全裸、気高い全裸、凛々しい全裸。
あふれかえる全裸たちの中、とくに輝いていたのは、全身の筋肉をこわばらせスコヴィランを繰り出しているペパーだった。彼は脳内で「サケブゼンラとイカルゼンラ」という一枚の絵画を描きあげていた。草タイプの技と炎タイプの技を交互に、または同時に展開しつつ、サケブシッポのハイパーボイスを緩和させながら戦局を進める彼の後ろ姿には、もはや勝負ごとに対する苦手意識など微塵も感じ取れない。まさに闘神インドラの気配すら感じさせる気迫があった。
ペパーのすぐ左手に出たのはネモだった。一糸まとわぬ彼女が繰り出したのはミミズズ。攻防のバランスのとれた、優れた相棒である。以前の戦いでサケブシッポの属性をフェアリータイプだと推測したネモはタイプ上有利なをミミズズで戦いを進める。だが、有利なはずの相性を押し返すほどの気迫を放つ敵に、ネモは思わず口角が上がるのを感じていた。ネモは淑女である。命の取り合いに心を躍らせるなど不謹慎であることは承知している。よって、今の自分の表情を、彼女はわざと意識下から切り捨てた。
真横で戦うネモの姿が目に入ったとき、ペパーの視線は図らずも、今まで避けてきたネモの胸部にとまってしまった。また、その延長線上にいるサケブシッポの両目にネモの胸部との共通したデザインを見つけてしまったペパーは、親友のことを下卑た目で見てしまったことを恥じて、自らの太ももを強くつまんだが、そこから来る痛みにはほの甘い快感が混ざっていた。 - 83二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 16:50:39
- 84二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 16:55:06
ネモかアオイあたりがうっかり全裸探索のことを漏らしてペパーが学校中の野郎の嫉妬を浴びそう
- 85二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 16:55:14
- 86二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 17:09:45
このレスは削除されています
- 87二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 17:39:47
そして開催される「学校全裸大会バトル・ネイキッド・ウォーズ」
- 88二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 17:41:30
コルさんとハッさん、真相知らずに高評価してそう
- 89二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 17:43:52
ペパー、後年になって思春期抜けたらもっとちゃんと見ておけばよかったって、死ぬほど後悔してそう
- 90二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 18:11:20
八面六臂の大活躍という言葉がある。顔が八つ、腕が六本あるかのように、右へ左へと動き回って多大な成果を上げる者をたたえる言葉である。今のチリは、まさにその八面六臂という言葉が当てはまる活躍ぶりであった。
すぐそばで獅子奮迅の戦いぶりを見せるペパーとネモを援護するように、動線や射線を見切って絶妙なポジショニングで相棒のポケモンたちを配置する。チリのドンファンとバクーダが、ネモとペパーの攻撃の合間を縫うように、牽制・防御・追撃を打ち込む。また、逆側ではアオイのマスカーニャとボタンのニンフィアがそれぞれ眼前の相手と戦っているが、どうも旗色が悪い。だが、それもチリがナマズンとダグトリオをサポートに派遣して、巧妙に戦局をコントロールしている。
サケブシッポたちは気づいている。扇状に展開している目の前の4人の全裸も脅威だが、その後ろでにらみを利かせている一人の全裸が、より厄介だと。しかも、このときチリはドオーを地面に潜ませて背後からのバックアタックを警戒していた。
驚異の5匹同時使役。アオイやネモですら、未経験の領域である。
チリの驚異的な戦況コントロールに導かれ、ペパーたちは大きな損害なく目の前の敵を倒すことができた。アオイの目の前のサケブシッポだけは、マスカーニャとの相性の問題か、またはシンプルに体力の秀でた個体だったのか、ダメージの通りが悪く、満身創痍ながら生き残っていた。偶然ながら、一匹だけ残ったため、アオイはオモダカから受け取っていた捕獲用のボールを投げ、サケブシッポは多少抵抗はしたものの、無事捕えることができた。 - 91二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 21:48:45
サケブシッポの捕獲に成功したアオイたちだったが、心身ともに極度に消耗してしまったため、第1観測ユニットの屋内に入った途端に、全員座り込んでしまった。ユニット内の冷たい床が疲れで火照った体を冷やすその快感にアオイたちは声を上げずにはいられなかった。
「「「あああ~~~~・・・・、つっかれた~・・・」」」女子たちが3人とも同時に声を上げる。はたしたなく尻を突き上げて頬を床に押し付けるアオイ。ペパーは後ろに居てはまずいと感じ、慌ててアオイの頭側に移動した。
大人であるチリは、さすがに地べたに倒れ込むようなことはしないが、今まで死守してきた下半身も投げ出して胸だけを隠し、壁を背にして座り込んでいた。
そもそもペパーに見られたとて、自分が恥ずかしいだけで別に彼が何かを言ったりするわけでもない。チリもようやくエリアゼロの狂気に呑まれ始めていたが、それでも胸だけは隠し続けているのは、大人の女性としての矜持だろうか。
片膝を立て、壁にもたれて座る彼女の姿は、裸でありながら歴戦の戦士を思わせるほどに気迫があり、かつ大人の女性としての風格も漂っている。ボタンは目の端でチリを見つつ、「カッコイイな…」とつぶやくのだった。
ペパーは疲れた体を押して簡単な食事の準備を始めた。
ランチョンマットに紙皿がおかれた。缶詰から魚の切り身を取り出して乾パンに乗せ、スコヴィランが出す小さな火で上からそれを炙る。ペパーは調味料をほんの少し垂らしつつ軽めの炙りで一気に香りを立たせる。その作業はじつに洗練されていて、あっという間に野戦軽食とは思えない立派な食事が完成した。
手を取り合って歓声を上げるネモとアオイ、その後方でまるで師匠のような表情でそれを見るボタン、あまりの手際の良さに思わず軽く口を開けて驚くチリ。満足のいく出来だと微笑むペパー。
第1観測ユニットはオリーブオイルのふくよかな香りと、香ばしい魚の脂の香りで充満していた。また、ペパー青年の驚異的なところは、料理のクオリティだけではない。彼は人間の分を作ると同時に、ポケモン用に調味料を使い分けた特別仕様のメニューも全員の仲間の分作り上げていた。さすがにペパーのリュックには収まらないので、ヨクバリスのシッポを借りて食料を持ってきたかいがあったようだ。 - 92二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 21:49:19
疲れた体に滋味が染みわたる。アオイが頬いっぱいに食事を詰め込むの見て一同は朗らかに笑った。
数十分の食休みを取り、大事を取って、今日はこのまま第1観測ユニット内で睡眠を取り、翌日また調査を再開しようという段になった。初日目からサケブシッポを捕獲することができたのは幸運だった。全裸5人ライドの状態ではコライドンは高速で走り抜けることができないため、エリアゼロを進むためにはどうしても徒歩でいくしかない。エリアゼロの全域を徒歩で、しかも裸で調査するなど、気の遠くなるようなことである。その点、ひとつでも成果があれば、最悪そのまま帰るという選択肢も取れる。ユニット同士のワープ装置は稼働しているため、帰りはそこまで苦労しなくて済みそうだった。
そして、裸の女子たちと旅をするペパーに取ってはここからが試練となる。
ベッドのポジショニング問題である。もちろん今回もペパーは床で寝ようとした。だが、それを止めたのは、チリだった。大人として、子どもが冷たい床で寝るなど見過ごすわけにはいかない。ここがエリアゼロでなければ、また短時間であれば、ポケモンの体に身を預けるという手もあるが、できるだけ力を温存してもらうため、やはり、ベッドに身を詰めこむことになった。
具体的なポジションとしては、ぺパーを中心に左にネモと右にチリが下段を担当し、そのうえに体の小さなアオイとボタンがぺパーに体を預ける形で横になることになった。下3人に上2人の、いわばピラミッド方式である。ペパーにしてみれば、全裸の女子全員と前回以上にまんべんなく体を密着させることになる。今日のタイム先生とサワロ先生はさぞや腕を鳴らすことだろう。 - 93二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 21:50:26
準備運動シャリタツかわいい!!
- 94二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 21:52:23
あふれかえる全裸で笑ってしまったw
- 95二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 22:11:08
その晩、いや正確には夜なのかどうかすら分からないが、とにかくその日皆が寝静まった頃、ペパーの戦いはより一層激しさを増していた。ペパーにとって計算外だったのはチリの身長である。いびきや寝言を言う訳でないが、時折むにゃむにゃと声を出す。その甘く響く大人の声が、ちょうど耳元に来るのである。
前を向けば左側にはボタンが眼鏡を外した寝顔が、右側にはアオイがトレードマークの三つ編みをほどいた無防備な寝顔が見える。チリの逆側にはネモがこれまた髪をほどきペパーの肩に頬を寄せるようにして寝息を立てている。
すでに脳内のサワロ先生は二度ほど裸でウエディングケーキを完成させていたし、タイム先生の数学の授業は惑星の三次元軌道計算の領域にまで踏み込んでいた。もちろんペパーはそんなものは習ったこともないので想像にすぎないが、それでも多少の効果はあったのか、ペパーの腰に住む龍は、先ほどまでオノノクスと化していたが、今ではシャリタツにまで落ち着いている。とはいえ、いつ急激に進化を遂げてサザンドラとなって水タイプのテラバーストを放つか、油断は許されない。
マフィティフは、ボールの中でペパーが苦しそうな表情をしているのを見ていたが、内心結構喜んでいるのを看破していたため、やれやれと首を左右に振るのだった。 - 96二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 22:31:49
- 97二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 22:42:11
女の子たち品性のかけらもなくて草
- 98二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 22:47:31
巧みな語彙力によって書かれる文体はまるで目の前で起こってるような情景を浮かばすし、
時折投稿される神絵師の挿絵もあいまって、高尚なライトノベルを読んでいる気分になるな。
登場人物全員全裸だけど。 - 99二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 22:56:38
翌日チリは5人の中で一番早く目が覚めた。
自分の上にはボタンが乗っていたが、完全に寝入っていたため、ゆっくりと優しく体を引いてボタンをベッドに横たえて、自身はベッドから抜け出た。人の体温に包まれながら寝るなど、幼少期から数えて果たして何年振りのことだろうか。
手持ちの仲間たちのコンディションを確認して、そっと外に出る。辺りの気配を探りつつも、冷たい空気で肺腑を洗う感覚を楽しむ。今は近くに何もいないようで、念のためボールが出しておいたドオーもエリアゼロの空気を堪能することができた。
微細なテラスタル結晶を含んでいるのか、遠くの空気がキラキラと輝いているように見える。遠くには滝もあるので、その水分が飛沫となって光を反射している様も相まって、いかにも幻想的である。傍らのドオーは空気に光が散りばめられている様を不思議そうに見つめる。
腕を組んでその光景を眺めるチリの口元には自然と笑みが浮かんでいた。
「・・・裸でもワルぅないな・・・」
主人のつぶやきの意味が解せないドオーがチリを見上げるが、彼女はにっこりと笑顔でドオーの頭を撫でるだけで、何も言わずに、ユニット内に戻るのだった。
パラドックスポケモン調査紀行、二日目の開始である。 - 100二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 22:59:46
ふー、今日はここまでです!
読んでくれて感謝です!感想嬉しいです!
絵師さんのチリちゃん愛が伝わってきますね。
そのうち貯まったらFAまとめスレとか、全裸冒険お絵描きスレとか立てたいですね。 - 101二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 23:01:19
む、誤字が・・・
"念のためボールが出しておいたドオー"は
"念のためボールから出しておいたドオー"
ですね。
すみません。 - 102二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 23:04:19
- 103二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 23:11:51
タイム先生がめっちゃ神々しい…
- 104二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 23:46:40
宗教画かな?
- 105二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 00:03:58
ついにサワロ先生まで全裸に
- 106二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 09:52:58
ぺパーは生来寝覚めが悪くはない。快眠からの爽やかな目覚めとともに彼が感じたのは下半身の強烈な違和感であった。その違和感の原因は大きく二つ。
一つは、食事と休息、そして快眠を減ることで回復した己の分身がフルコンディションになったことを自覚したことに因る。
そしてもう一つは、未だムニャムニャとまどろみと戯れているアオイの右手が、己の分身を掴んでいることにあった。もちろん眠っている少女の握力などたかが知れているため、痛恨の握撃というわけではないが、それでもペパーにとっては心の臓を鷲掴みにされている気分である。
アオイの手からもう少し力が抜けていれば、または彼の分身のビルドアップがもう少しささやかだったなら、今頃ペパーは天にも昇る心地となっていただろうが、運命は彼に癒しを与えなかった。
両腕をネモとボタンの太ももに挟まれて指一本動かすことができない状態で、ペパーは一方的に嬲られるという地獄を、アオイが目を覚ますまで続けられることになった。
アオイが目覚めたとき、二人の会話はどこかちぐはぐであった。
「ん・・・おはよ、ペパー」にこりと微笑むアオイ。
「あ~、手、洗った方がいいぜ・・・うん、おはよ・・・うん」頬を染めて歪に微笑むペパー。
(なにドラマみたな空気出しとんねん、全裸やぞ)チリは心の中でツッコんだが、自分も全裸であるため、自重するのだった。 - 107二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 10:26:38
女子たちが全員起床し、朝食として乾パンをかじったあと、今日の具体的な行動指針を話し合った。今回の探検はあくまでパラドックスポケモンの調査が目的である。そのため、無駄な戦闘を極力避けつつも、結局は戦わなければならない。体力の温存は絶対条件である。
前回の探検を踏襲して、各観測ユニットを拠点として、その周辺地域に生息しているパラドックスポケモンを調査・捕獲する。それが基本的な方針だった。本当はワープ装置を利用して移動するつもりだったが、本来下層近辺にしかいなかったはずのパラドックスポケモンたちが、上層にまで進出してきている。この点を鑑みて、もう一度、徹底してこのエリアゼロを調べていく必要があるだろう。
サケブシッポを捕獲した今、前回と同じ流れをたどるなら、次の標的はイダイナキバとなる。前回は第3観測ユニットの直前で遭遇したが、今回はどこにいるか分からない。少なくとも、以前ボタンが感じてたような「振動」は、今のところ感知できていないため、近くにはいないと見えるが、油断は禁物である。
イダイナキバと戦いを想定して、タイプ的に有利な草タイプを起点に立ち回ることにし、ボタンのリーフィア、アオイのマスカーニャを前衛に戦線を組む。
そうして第1観測ユニットの扉を開いて、外に出ようとした一同の目の前に現れたのは、エリアゼロの風景ではなかった。
白い毛並み、燃えるように紅い羽、感情を感じさせない十字の瞳孔
「ウルガモス!多いぞ!」と叫ぶペパー。
「いや、違う!博士と戦うときに見た!」アオイだけは前回の冒険で戦っていた。
太陽を騙る紅い魔蟲
仮称 チヲハウハネ
その群れの強襲であった。 - 108二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 13:14:32
太陽を騙る紅い魔蟲
オーリムai戦のじゃれつくといいカッコ良すぎる - 109二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 13:45:23
カッコイイけど、このチヲハウハネも全裸なんだよね
- 110二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 15:19:22
群れといってもチヲハウハネ自体が大群を成しているのではない。チヲハウハネ1体を中心にウルガモスが2体、モルフォンが2体の計5体が集まってきていた。虫ポケモン同士で群れただけの、いわば烏合の衆ならぬ”虫”合の衆のはずだが、明らかにチヲハウハネを統率者として群体が機能している。モルフォンを後衛に据え遠距離から特殊攻撃を、ウルガモスを中衛に置いて炎技や「むしのさざめき」などを放ち、群れのアルファであろうチヲハウハネ自身は近接攻撃で前線を押し上げる・・・そんな戦術を思わせる挙動であった。
今まで5人は何度も対多数戦を経験してきたが、群体として機能する集団を相手にするのは初めてであった。未知の経験であることも問題だったが、それよりも致命的なのは、イダイナキバとの戦闘を想定して、リーフィアやマスカーニャなどの草タイプを前線に出していたことである。相性は最悪だが、交換するだけの隙を与えてくれるほど、敵の気は長くないらしい。
モルフォンたちが遠距離からサイケ光線を放ち、ウルガモスが間髪入れずに猛火を振りまく。たまらず後退するリーフィアにチヲハウハネの痛烈な打撃が食い込む。
打ち込まれた攻撃が何なのかまでは分からないが、むしタイプの技ではなかったようで、リーフィアは致命傷を免れた。チヲハウハネのタイプは分からないが、ウルガモスと同じなら岩タイプか水タイプで応戦する必要があると考えたボタンは、一瞬の隙をついてリーフィアを退かせ、シャワーズを繰り出した。
チヲハウハネがシャワーズを警戒した一瞬の空隙を縫うように、マスカーニャが渾身の一撃「じゃれつく」を叩きこもうと瞬時に距離を詰める。すると、チヲハウハネは明らかにマスカーニャの攻撃を嫌がり、ウルガモスに炎技で援護させた。結果、マスカーニャの攻撃は成功しなかったが、この攻防は隣でモルフォンを食い止めていたチリにわずかな違和感を与えた。
「もう一回や!こっちで隙作る!もう一回ぶちこんだれ!」チリの激励は4人に対する指示を兼ねる。つまり、アオイのマスカーニャが「じゃれつく」をチヲハウハネに当てるための隙を、残りの4人でこじ開けるというものである。 - 111二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 15:24:21
「いくよ!ルガルガン!」ネモがウルガモスの一体を、「ウチたちも!シャワーズ!」ボタンがもう一体のウルガモスを相手取る。ポケモンとともに前に出て、多少の負傷を覚悟の上で戦線を押しこもうとする二人の気迫に、完璧だった敵のコンビネーションがわずかに崩れた。チヲハウハネは後ろに引っ込んでいる。
「バクーダ!「ふんえん」や!いてこましたれ!」チリが後衛のモルフォン2体を抑える。
「キョジオーン!やっちまえ!」ペパーがあえて荒々しい口調で指示し、チヲハウハネの意識が一瞬、ペパーのキョジオーンに集中する。
後衛の後ろに下がっていたチヲハウハネと、前線にとどまっていたマスカーニャとの間に、一直線の隙間がわずかに生じる。
矢のように飛びつくマスカーニャ。
チヲハウハネの防御は、キョジオーンに遮られて一瞬遅れる。
「今や!!!」
「にゃおちゃん!」アオイが叫ぶ。
「 じゃ れ つ く !!!」 - 112二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 15:33:37
「じゃれつく」大活躍だな。でも他の技も見たい!
- 113二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 18:34:38
渾身の一撃を受け、地に沈むチヲハウハネ。以前と違って、今回はペパーのイダイナキバも雄たけびを上げてはいない。全員のチームワークによる会心の一手であった。
チヲハウハネはまだ瀕死状態にはなっておらず、戦いを継続しようとしていたが、アオイの投げた捕獲ボールに対抗するほどの力は残っていなかった。
オモダカから支給されたこの調査捕獲用ボールは、通常のボールほど捕獲力が高くないが双方向的な出入りができないようになっている。つまり、一度捕えておけば、勝手に出てきたりはしないということであり、パラドックスポケモンとの意思疎通に一抹の不安を感じていたアオイにとって、これは大いに助かる機能だった。
「やっぱりな・・・思ったとおりや。通常種とコイツらはタイプが同じちゃうんや。フェアリー技、あないに嫌がるから、もしやーおもたら、案の定や。」
第1観測ユニットの屋内に戻り、再度態勢を立て直す5人。チリの説明を体育座りで聞く女子たちと、チリを見ないようにしながらキョジオーンの治療を行うペパー。彼の獣性は先の戦闘で大いに昂ぶり、もはや連日のテラバーストなど問題にもならないほどに完全回復を遂げていた。
再度観測ユニットの扉を開け、警戒しつつも改めて出発した一行。現在はペパーが先頭に立ってその後ろにアオイが続き、左をネモ、右をボタンが警戒する陣形を取った。殿(しんがり)は経験や対応力からチリの担当となった。
チリは前を行く子どもたちの、全裸でむき出しの背中を見ながら、改めて彼らを守る決意を強めた。自分自身も全裸でむき出しであることを、彼女は意識的に頭の外へと追い出した。 - 114二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 18:54:11
歩みを進める一行だったが、ボタンが突然全員に警戒を促した。
「多い・・・。明らかに多い・・・。」ボタンが額から垂らした汗は、彼女の胸部を素通りし、へその辺りで止まった。
ボタンが感じ取ったもの。ボタンだけが感じ取ることができた微かな違和感。
振動。
前回の冒険と同じあの振動が、今度は明らかに多数で響いてきている。警戒を通り越し、戦闘態勢に入る一行。
「イダイナキバ・・・っちゅうやつか・・・?」チリが確信をもってボタンに問う。
チリはここまでの探検で、一同の冒険者としての実力が一流であり、子どもといえど、その意見は十分信頼に足るものだと、感じていた。だからこそ、ボタンが言うのならば間違いないとして、意見を仰いだ。
「はい、・・・でも、一体じゃないです。さっきのウルガモスもどきみたいな混成チームじゃなくて、完全に群れです・・・。」ボタンはイダイナキバとの遭遇が決して遠くないことを確信しているが、同時に前回の冒険で、結晶洞のイダイナキバの群れが最下層にはなかったことを思い出していた。
(あのときは、博士AIがなにかしてたんだろうけど、今回は・・・)ボタンは懸念を口に出さなかった。本来彼女は、このメンバーでなら警戒を促すために確証を得る前であっても考えを話すことにしていた。だが、今回は懸念の内容を彼女自身がよく分かっていなかった。
(最下層にイダイナキバの群れはなかった。でも上層にもなかった。個体が一匹居ただけ。群れ全体で上層に逃げてきてる・・・?なにから・・・?わからない・・・あれ?振動しなくなってきた・・・)
裸の5人は遠くないであろうイダイナキバとの遭遇に備えていたが、何故かボタンが感じ取っていたはずの振動は遠ざかっていった。
大穴にはまだ彼女らが分からないことが多すぎる。 - 115二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 20:08:14
トリックフラワーは使ってたな
- 116二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 21:23:38
5人は戦闘態勢を保ちながら第2観測ユニットまでの道のりを練り歩くように進んでいった。風景は緑豊かな草原から荒涼とした荒地に様変わりしている。
ペパーが先頭を歩くのは変わらずだが、これは彼にとって幸運だった。過度の緊張と充実する体力、そして後方の女子たちから香る甘やかな匂い。その全てがペパーを追い立て、彼の芯はいま、半テラスタル状態にあった。
下を俯いたままでありながら、その姿はウミディグダではとても形容しきれず、清廉な泉にたたずむハクリューのごとく、静かさと力強さを両立させている。煮えたぎるような獣性と凍てつくような冷静さ。相反する二つの感情がいまのペパーを構成していた。
そんな精神状態でありながら、ペパーはその違和感を逃さなかった。ザワザワと肌がひりつくような感覚。一糸まとわぬ姿だからこそより強く感じる得体のしれない違和感。産毛が立つような不快感。
いや、立つ”ような”ではない。本当に産毛が逆立っている。まるで静電気でも帯びてるかのように。
ザシュッ・・・、ザシュッ・・・
そのポケモンは足音を隠しもせず、ゆっくりと正面から現れた。敵を眼前にして感情の機微を見せない独眼、野生を連想させる毛皮のようにへばりついた砂鉄、歪に曲がって脚の役割を果たす磁石・・・
文明を嗤う古代の雷轟
仮称 スナノケガワ
エリアゼロのポケモンは十分な戦術的知能がある。そのため多くが、徒党を組んだり、搦め手を多用したりして戦局を進めようとする。にもかかわらず単独で正面からなんの工夫もなく現れるなど、愚の骨頂。
だが、この地獄の大穴で愚かでいられること、それすなわち・・・
圧倒的な強さの証明にほかならない。
アオイ以外は見たこともない強敵スナノケガワと、全裸探検隊の戦いが始まった。 - 117二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 21:32:43
全裸探検隊の一言でシリアスブレイクしてるのお見事すぎて笑う
- 118二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 22:05:28
パラドックスポケモンたちの二つ名みたいなのめっちゃ好き
- 119二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 22:16:54
- 120二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 22:23:07
アオイちゃんガン見してない?
- 121二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 22:26:44
アオイちゃんはペパーの雄姿を文字通り網膜から脳裏に焼き付けておられるのだ…。
- 122二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 22:34:01
平日の10時頃だったから皆タイミング逃したんだろうけど>>106でアオイがペパーの分身を鷲掴みしてたのにもツッコミを入れろ無意識に何してんだお前さん
- 123二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 22:46:26
圧倒。
それは大きな力の差を指す言葉である。スナノケガワの戦闘力はまさに圧倒的という言葉がふさわしかった。
そのメタリックな外見から、はがねタイプであると推測したペパーはスコヴィランの「だいもんじ」による早期決着を図った。同時にボタンもブースターを繰り出して炎技で火力を増強したが、スナノケガワは悠々と歩みを進める。
無人の野を行くがごとく、猛火の攻撃をものともせず間合いを詰めてくる敵。その事実もさることながら、一行の緊張感を高めている、よりシンプルなものがあった。
それは体躯である。おそらくこのスナノケガワは最大個体クラス。その巨体はキョジオーンすら超えている。見上げる者に恐怖を与える無機質な単眼は、この場においても実によく機能していた。
地に足がついている姿から「ふゆう特性」はないと判断したチリが側面からドンファンを送り込む。しかし、次の瞬間ドンファンにたたきつけられたのは、土の塊であった。もちろん致命傷にはほど遠いが、それは見る者に衝撃を与えた。
コイル系が使う地面タイプの技。驚愕の光景だったが、スナノケガワは攻撃の手を緩めない。周囲の空気が変わる。電気が弾け、スパークのような光がところどころに浮かぶ。
スナノケガワが放つでんき技「ほうでん」。四方に飛ぶ白い稲妻の光。トレーナーたちは直撃を免れたが、ブースター、スコヴィラン、そしてトレーナーたちを守るために飛び出してきた、ネモのルガルガンは直撃を受け、大ダメージを負ってしまった。
トレーナーたちも、負傷こそないが、衝撃で姿勢を崩されてしまった。チリは転んだ拍子に足を広げてしまい、顔に血が上るのを感じたが、誰も見ていないことに安堵し、ドンファンに隙を伺うよう指示した。 - 124二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 22:47:23
5対1でありながら、こちらは大ダメージを受け、相手は手傷ひとつ負っていない。圧倒的な暴の蹂躙に冷たい汗がペパーの裸の背を走る。そんなとき仲間たちに声をかけたのは、この探検隊の中心であり、皆の問題を解決してくれた全裸の小さな少女だった。
「ねえ、みんな。お願い、みんなの力を貸して。」アオイはこの中で唯一スナノケガワとの交戦経験があり、それも勝利している。異論をはさむ理由などない。
アオイの策は、策とも言えないほどに愚直なものだった。
「みんなはアイツの周りにそれぞれ囲むように立ってほしいの。それも距離もバラバラで。」アオイは普段ポケモンを呼ぶときは、どれほど凶暴な個体であっても「あの子」と呼ぶ。そのアオイが「アイツ」と呼称することの重みをペパーとネモは、はっきりと感じた。
「アイツの攻撃、たぶん「ほうでん」以外にもあると思う。それが来る前にできるだけパワーを削っておきたいの。みんなはポケモンに守ってもらったり、走って移動したりしてアイツの攻撃を誘って。アイツの隙をにゃおちゃんと私で突くから。」
トレーナー自身も攻撃対象にしてくるパラドックスポケモンを相手にしているからこその戦術である。
標的であるトレーナーが裸で敵の周りに散開し、敵の攻撃を誘発させる。そして消耗するか、隙が生まれたところをマスカーニャが討つ。筋は通っているが、全員が「ほうでん」の直撃を受ける可能性のある、危険な戦術でもある。
チリは否定しようとしたが、裸ながら明確な闘志と信頼に満ちた後輩たちの顔を見て、自分も命を預ける決意をした。猛々しい笑みを浮かべる5人の顔はまさしく戦士の貌である。 - 125二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 22:50:04
まさかここでチリちゃんの四天王としての実力を拝めるとは思わなかった
そして全裸でエリアゼロに潜るという物語を読めるとは思わなかった
ただひとつ言えるのは、がんばれペパー - 126二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 22:50:43
すみません、対スナノケガワ戦を終わらせるとこまで行きたかったんですが、今日はここまでです。
お仕事ちゅらい。でも最近はここで書いてるのが楽しいです。
めっちゃ楽しいです。 - 127二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 22:53:54
アオイちゃん?目が怖いよ?そんなに必死に見なくてもこないだ凝視してたでしょ!
- 128二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 23:10:23
- 129二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 23:10:32
このスレなんで閲覧注意なんだろう
むしろ閲覧推奨したいんだが - 130二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 23:11:57
- 131二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 23:48:09
あーお客様センシティブすぎます!GJ!!!
- 132二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 00:31:03
エッチが人の形をしている!
- 133二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 10:16:46
すいません、仕事が立て込んじゃいまして・・・
今日の晩からまた書きます!対スナノケガワ戦決着させます!
あと、聞いてみたいんですが、アオイちゃんの手持ちは
マスカーニャのにゃおちゃん
ファイアローのヤヤ君
原種ヌオーのマサオ
ゲンガーのちみちゃん
の4体しか決まってなくてですね・・・皆さんの旅の相棒を教えてほしいです! - 134二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 10:43:45
- 135二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 10:51:28
- 136二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 10:55:56
これはうちのエースのセグレイブくんとサザンドラちゃんも活躍するんだろうか・・・?
- 137二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 11:02:34
- 138二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 11:05:04
- 139二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 11:38:09
このレスは削除されています
- 140二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 11:41:43
ポケ被り無しだとバウッツェルとイルカマン連れてたわ
- 141二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 12:10:07
お疲れ様でスター!のびのびやってください、待ってますんで。
ちみちゃんとマサオって交換でもらえる子たちですよね。かわいい。
あ、うちはカイリューとオンバーンがツートップでした。ドラゴンいいですよね。
- 142二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 13:14:26
ゴースト被っちゃうけど1008で話題になったサーフゴーはどうだろ
宝探しテーマのSVで全国図鑑1000番で主人公の手持ちとしてのロマンがある
被りなしならひこうタイプ誰も持ってないしタイカイデンあたりが旅パとしては使い勝手いい - 143二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 15:37:09
ありがとうございます!貴重な意見ですね!
参考にします!
仕事終わったら、続き書きます! - 144二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 17:10:27
スナノケガワを中心に五芒を組むように囲んでいく5人の全裸たち。
ペパーはリククラゲを傍らに、チリはドオーを伴っている。ネモとボタンはでんき技を完全無効化できる仲間がいなかったため、チリのナマズンとドンファンを借り、さらに相性的に電気に強いサンダースとミミズズを繰り出して、適度に攻撃させ、相手の注意を散らしている。
アオイはマスカーニャを場に出しつつも自らの後ろに退かせ、原種ヌオーを前に出してスナノケガワの「ほうでん」をいなす作戦に出ている。
「マーくん、防ぐのは電気だけでいいからね。にゃおちゃんが後ろからサポートするから。」ヌオーはつぶらな瞳ながら力強くうなずいて、主人に意力の強さを示した。ヌオーのマサオは、旅の途中で、交換によって共にいくことになった頼れる仲間である。
スナノケガワの「ほうでん」は明らかに常軌を逸していた。サンダースとミミズズが適宜攻撃を差し込んで挑発しているとはいえ、電撃無効の仲間たちすらたじろがせるだけの威圧の連続。それでいて磁場を操り石礫を飛ばすなどの連携も駆使してくる。地面タイプの技を織り交ぜてくる上、ナマズンやドンファンで距離を詰めすぎると、「きんぞくおん」や「いやなおと」などを飛ばしてくるため、迂闊には近づくことすらできない。
その姿は、災害のようですらあった。 - 145二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 17:11:23
猛攻はとまる気配がない。これでは隙を作るには埒があかないと判断したのは、ペパーだった。身を乗り出して自らを囮とし、スナノケガワの単眼がギョロリと動いて彼を捕捉した瞬間、ペパーは繰り出したキョジオーンとともに高く空に舞い上がった。
渾身の必殺技、「ボディプレス」である。キョジオーンの背に乗って攻撃をかわしつつ、反撃を仕掛ける彼の策は、半分までは成功した。ペパーは、ボディプレスをスナノケガワに緊急回避をさせて隙を作ろうと意図したが、スナノケガワは足替わりの磁石を触腕のように上に伸ばし、超重量のキョジオーンを空中で受け止めてしまった。
絶体絶命のピンチだが、結果的に「ほうでん」が止まっている。青ざめつつ絶叫するように指示するチリ。
「っっ!!!アカン!!ドオー!!隆起せえ!!」
「ダメッ!!ミミズズ!アイアンテール!ペパーを助けて!」
「サンダース!ミサイルばり!アイツの目を閉じさせて!」
急激に仕掛けられた猛攻に、スナノケガワは一瞬身を硬直させたが、キョジオーンは解放されない。
3人がペパーを助けるために動く中、拘束されたキョジオーンの背に乗ったペパーはアオイを見ていた。アオイもまた、ペパーの目を見ている。無言でうなずき合う二人、この間はほんの刹那の一瞬であった。 - 146二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 17:11:53
「今だよ、にゃおちゃん!」マスカーニャは神速のごとき瞬発力でスナノケガワの間合いに入った。
スナノケガワの視界がボタンのサンダースによって、一瞬つぶされる。
その一瞬の後、スナノケガワの目に見えたのは、一本の花束。優雅な華美。しかし、その様は、まるで矢のように高速で、一直線に飛び込んでくる。
神速の一矢、妙華の一手が敵を討つ。
「 ト リ ッ ク フ ラ ワ ー ! ! ! !」
急所を撃たれて沈みゆくスナノケガワを背景に従え、敵を貫く花束から舞い落ちる花弁に彩られたマスカーニャの姿は、まさしく最強チャンピオンの相棒の風格であった。 - 147二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 17:14:45
激戦を終えたアオイたちは、危険をおして大きな貢献をしたペパーに駆け寄る。結果的に電荷による多少の火傷で済んだものの、一つ間違えば大けがでは済まなかったかもしれない。
「ペパー君!なにやっとんのや!」
チリは声を荒げてペパーに詰め寄った。勝利をあげたばかりの一行であったが、普段の彼女からは想像もできない怒気に静まり返ってしまった。
額に汗を浮かべるペパー。眉間にしわをよせるチリ。おろおろと見守る女子たち。
そんな空気を換えたのは、直後のチリの言動だった。
「急に男見せよってからに~!こいつめ~!」
胸を隠していた腕を開いて、ペパーにヘッドロックをかけるように抱き寄せ、わしわしと頭を撫でる。無茶をしすぎたことを怒鳴りつけられると思っていたペパーだったが、チリの思わぬ態度に拍子を外されてしまった。
ペパーの頭を抱えたまま、チリが穏やかに話かける。
「でもな、あんまり無茶はアカンで?ペパー君になんかあったら、みぃんな悲しゅうなる。チリちゃんもな。泣いちゃうかもしれんで?女の子泣かしたらアカンやろ?あ、今、いい歳こいて「女の子」名乗んな思たやろ・・・こんの~!」柔らかい笑顔で茶化しつつ、ペパーの無茶を諫めるチリ。女子たちも、雰囲気が気まずくならずに済んだことにほっと胸をなでおろす。
ここで読者諸賢が忘れないように強調しておきたい。
一行は全裸である。
女子たちが胸をなでおろたのも全裸であり、活躍してくれた仲間たちを労うのも全裸である。そして・・・
チリがペパーの頭にヘッドロックをかけて、わしわしと撫でたのも全裸である。
そのときのペパーには、チリの諫言など一言も届いていないことは、想像に難くないだろう。 - 148二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 17:36:37
つぶらな瞳のマーくんかわいいね
そしてこの状況のぺパーを誰が責める事ができようか - 149二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 18:20:35
- 150二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 19:49:00
"スナノケガワを中心に五芒を組むように囲んでいく5人の全裸たち"
5 人 の 全 裸 た ち ! ! ! ! - 151二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 19:50:32
これペパー君はっきり見ちゃってるよね、何をとは言わんけど
- 152二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 21:48:27
辛くもスナノケガワを撃破した一行は第2観測ユニットへと到着した。
もちろんアオイの専用ボールにはスナノケガワを捕獲済みである。
激戦によって心身ともに極度に消耗した5人が屋内に入るや揃って倒れ込み、床の冷たさを堪能することなったのは、自然な成り行きである。戦ってくれた仲間たちの手当も済んでいる以上、今の彼らがすべきことは、体力の回復、その一事のみ。
腕すら使わず、尻を上げてイモムシのように器用に這ってベッドに近づいていく5人の姿は、はたから見れば邪教の奇祭のような雰囲気であった。
とくに体力のないネモは、普段の元気いっぱいな様子が鳴りを潜め、ぐったりとした表情を見せている。ペパーは普段とは違う彼女の疲弊した表情に、身の内で何かが疼くのを感じたが、それが性癖の開花によるものであると、彼自身が知るのは数年後の話である。
れっきとした大人であるチリも、もはや恥も外聞もなく、イモムシになりきっている。この場面を知り合いに見られたら、彼女は赤面し絶叫して数日間引きこもることは間違いないが、極度の疲労には誰も勝てはしない。
ペパーは地に這ったまま、皆に食事について聞いたが、回復してからにしようとの意見で満場一致したのを見て、少し安堵した。食事の支度は嫌いではないし、むしろ皆に頼られることは光栄ですらあるが、さすがに今回ばかりは休息を優先したい。
ベッドに這いあがり、誰が言うでもなく前夜のフォーメーションを取って、あっという間に夢の世界に飛び込んでいく5人。普段ならベッドに入る前にシャワーを、この冒険の間でも濡れタオルで体を拭く程度のことは欠かさない彼女らだが、今回ばかりは大目に見て頂きたい。
しかし、それがペパーを夢の中でも追い立てることになるとは、誰も予想できなかった。 - 153二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 22:13:39
夢の中、ペパーはむせ返るように甘美な匂いの中にいた。
前夜も、女子特有の甘やかな匂いに包まれていたが、今日は一段と本能を揺さぶる香りが彼を包んでいる。
もともと嗅覚とは、顔面の中心部に位置し、脳と密接につながっている知覚である。睡眠中といえど、彼の周囲には発汗と運動を伴った女子たちが至近距離にいる。いや、むしろ接触している。このときもペパーの鼻にはアオイの額がかすかに接していた。
身長差的に、アオイの鼻にはペパーの唇が触れていることについては、今回は言及しないでおこう。
当の本人たちは知るよしもないが、今、ペパーの鼻腔は女子たちの匂いで埋め尽くされている。
ペパーは夢の中で拘束され身動きが取れないでいた。現実でもネモの太ももに右手を挟まれ、チリとアオイの腹に左手を挟まれている。またチリとボタンに左と斜め前から頭を抱かれているため、頭部の自由すら利かないが、夢の中にいる彼にはそれが「拘束」という形で作用していた。
耳元でチリの声が聞こえてくる。ボタンやネモの声が、アオイの声が響いてくる。
「いい子やなぁ・・・ペパー君は・・・」「ペパーはいい子だよ・・・」「ペパーはいいヤツだよ・・・」「バトルしよ・・・」それぞれの声がペパーを甘やかすように彼の意志をとろかせる。
「ペパー君」「ペパー」「ねえペパー」「バトル」「ペパー♡」「ペパー君」「勝負」「ペパー」「ペパー・・・」「ペパー」「ペパー・・・♡」「闘い」「ねえ」「ペパー君」「ペパー・・・」「ペパー」「ペパー?」「戦闘」「ペパー」「ねえペパー」「バトル」「ペパー♡」・・・・・・・
翌日誰よりも早く目が覚めたペパーは、己の内に巣くう凶獣が今にも解き放たれんとしていることに青ざめ、素早く、それでいて静かにベッドから離脱し、物言わず水場に駆け込んだ。彼は後にこのときの一撃を、「サイレント・テラバースト」と命名したと述懐している。 - 154二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 22:18:31
テラバーストが進化しちゃったぞ
- 155二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 22:18:45
都合のいいエッチな夢の中でも一切ブレないバトルモンスターがいるな……
- 156二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 22:19:39
サブリミナルバトルを仕掛けてる人がいますね
- 157二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 22:21:20
どこで述懐したんだどこで
- 158二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 22:24:35
それはその…報告書でオモダカさんに…?
- 159二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 22:26:45
ペパー青年の性癖はもうボロボロ
あまり羨ましくないのは何故なのか - 160二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 22:27:02
トップ真顔で困惑してそう
- 161二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 22:51:33
- 162二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 22:55:49
宗教画のような神々しさ
- 163二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 23:27:44
古代の王様みたい
- 164二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 23:30:57
今日はここまでです・・・
もう一匹パラドックスポケモンを捕まえるところまで行きたかったんですが、おしごとちゅらい。
なんかちょっと長くなりすぎてる感じがしますね・・・でもまだまだ脱がしたりないんで端折ったりはしません。
ガッツリ脱がします。
では、おやすみなさい。明日も仕事がんばりましょ。 - 165二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 00:30:06
お仕事お疲れ様です
「まだまだ脱がしたりないんで」…?
これ以上何を脱…まさか貞操…? - 166二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 00:35:13
今捕まえてるヤツってチヲハウハネとスナノケガワの2体かな?
あとパラドックスが8体だからツバサノオウ以外だとあと5体か。 - 167二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 04:04:01
ぬーげ!ぬーげ!とか野次飛ばそうと思ってたらもう皆脱いでた
文才あるなぁ - 168二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 09:09:27
サケブシッポも捕まえてる
- 169二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 09:14:28
- 170二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 09:42:30
本文も楽しみだし、イラストも楽しみだが、
コメントも楽しみにしてる自分がいる。なぜ? - 171二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 10:19:06
保守
- 172二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 11:37:03
第2観測ユニットを後にした一行は途中大きな水場で休憩を取ることにした。第2観測ユニットは長い坂道の途中にあり、下りとはいえ、坂道を歩き続けるのはかなり体力を消耗する。さすがに悠長に料理をしているわけにはいかないので、乾パンをかじりながら体を休める。
水場であるため、ゴルダックやアメモースなどのポケモンがそれなりの数居たようだが、幸い群れが移動した後なのか、周囲に敵影は見えなかった。もちろん警戒はするが、ある程度リラックスしても大丈夫そうだ。
アオイのヌオーがチリのドオーと何やら話しているようだが、はたから見るとモチモチと触れ合っているようにしか見えない。
ボタンのシャワーズやリーフィアも水場で羽を伸ばしているし、ネモのヌメルゴンも体を潤している。
ペパーはパルシェンのそばに座りつつ、マフィティフに預けたリュックとヨクバリスに預けた食料を点検している。
ボールは超小型にして運べるため彼らの裸を隠すことはない。また、ポケモンの持ち物として預けてしまえば、もちろん限度はあるが、重量や体積を無視できる。前回の冒険では思いつかなかったテクニックである。
前日に体を拭くことができなかったので、体の匂いが気になっていた女性陣は川の水を利用して体を洗うことにした。ボタンはリーフィアの協力で薬草から抽出した液体せっけんを女子たちに配る。アオイとネモが恥じらいながらペパーにこう告げた。
「「ペパー、私たちお風呂にするから・・・・覗いちゃダメだからね!////」」全く同じセリフを全く同じタイミングで言ったが、アオイの声にはどこか色がこもっていた。
(いや、なんでやねん)チリはツッコミを呑み込むのに苦労している。
当の本人、ペパー青年は、
「・・・・???・・・・??」
女心の難しさに、物も言えず、ただただ狼狽えるばかりであった。 - 173二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 12:10:14
- 174二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 12:12:11
ポピーちゃんはあきまへんよ
- 175二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 12:38:49
久しぶりの沐浴に心身爽快となった女性陣。一応ペパーも川の流水で体を洗ったためすっきりとしているが、彼には冒険の全裸はよくて風呂の全裸は恥じらう乙女心がまったく理解できていなかった。
仲間のポケモンたちも十分に回復し、改めて歩みを進めるペパーたち。数時間の間、戦闘もなく順調に進むことができ、前回に比べてかなり早い段階で第3観測ユニットを視界に収めることができた。まだ遠くではあるが、急がずとも今日中につくことができそうである。
だが、問題は目の前にあった、いや、隠れていた。
モンスターボールを彷彿とさせる独特の模様。明らかに放たれる敵意は懸命な擬態を台無しにしている。
魔境に潜む暴悪の霊芝
仮称 アラブルタケ
それも、10体を超える大群との遭遇である。
擬態しているつもりだろうが、その無数の眼光たちは明らかにアオイたちの姿を捕捉している。アオイたちも当然それに気づいているが、両側には切り立った岸壁、背後には渡れる浅さとは言え水が流れている川。敵を倒して進むしかない。
チリは眼前の敵の群れが報告書にあった敵の特徴と一致していることに気づいた。
「アレがアラブルタケっちゅうやつか。」殿を務めるチリは背後にも気を配りつつ、敵を見据えてアオイたちに問う。
「はい、前のときは一匹だけだったから早く倒せたんですけど・・・」確かに前回の冒険ではアオイはボタンと連携して迅速に倒すことができていた。
問題は数が多いこと。いたってシンプルながら解決しようのない不利である。
「モロバレルそっくりやな。モロバレルVSモロミエルってか。」チリは勇敢な笑みを浮かべて軽口をたたく。女子たちもそれを受けてフッと笑い戦闘に備える。
ペパーは自分のネタが奪われて、かつ場を和ます軽口として高評価を受けていることに、歯がゆさを感じていたが、それを顔には出さず、「おし!やってやるぜ!」と勇ましいセリフを吐くことでカモフラージュしていた。 - 176二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 12:43:02
チリちゃんも軽口が叩けるぐらい全裸に適応しているようですね。良い傾向だ。
- 177二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 14:05:07
ペパー結構セリフで邪心をカモフラージュしようとするよね、かわいいね
- 178二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 17:42:24
このレスは削除されています
- 179二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 17:46:57
- 180二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 17:47:28
- 181二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 17:47:53
- 182二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 19:07:20
ついに水墨画まで来たか
- 183二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 19:19:10
チヲハウハネのふくふく感すき
- 184二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 19:23:12
霊芝って何かと思ったら、キノコのことなんだな。普通に勉強になったわ
- 185二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 19:28:25
- 186二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 19:31:06
両サイドのアラブルウミディグダ
髪下ろしてるチリちゃん
ニコニコアオイちゃん
セクシーボタちゃん
髪以外あんま変わらないネモ
いいわぁ~・・・ - 187二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 19:33:35
すいません、今日は22時くらい書き始めるかも・・・
おしごとちゅらいんですけど、皆さんの感想と絵師さんたちのイラスト見て頑張ります。 - 188二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 21:17:29
もうシンプルにえっち
- 189二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 21:57:52
アオイちゃんが本当にかわいい
- 190二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 23:05:33
ポケモンは絆の通ったトレーナーの指示によって力を増すもの。それはつまりトレーナーの数が味方の数に影響するということ。一人のトレーナーが複数体のポケモンを連れているとしても、それがそのまま単純戦力になるかといえば、そうではない。同時に繰り出したりしない限り、その場に出ることができる頭数は限られてしまう。
また、同時使役は決して簡単なことではない。今この場にはパルデア最高峰とも言える達人が複数人集まっているが、10体のアラブルタケを数で制圧することはかなり難しいことだった。
だが、数の不利では彼らの意力を折ることはできない。戦士たちの心はくじけない。
ペパーのマフィティフ・スコヴィランを中心に、右にアオイがマスカーニャ・ファイアローを、ボタンがブースター・ニンフィアを繰り出して展開する。左を守るはネモ、そしてチリの二人。相棒はそれぞれヌメルゴン・パーモット、ドオー・バクーダのタッグである。
乱戦混戦が予想されたが、意外にも戦線は整然としていた。だが、それは戦いが穏やかであることを意味しない。 - 191二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 23:06:24
炎技を使える仲間たちを多く配置しているが、アオイたちは大きく戦況を動かすことを控えていた。その危惧の根本にあるのは、ワタッコたちとの戦闘で起こった粉塵爆発への警戒である。最初からそれを狙って起こすつもりなら、敵がマヒや毒の粉をまいたときに合わせて炎を打ち込めばいい。チリなら前回と同様に爆風を回避することもできるだろう。
最初にその作戦はアオイの口から提示されたが、ボタンとチリは声を合わせてそれを否定した。両側を切り立った断崖に囲まれているからである。もしここで大爆発が起き岩盤が崩れてきたら、ポケモンの力でもどうしようもない事態に陥るだろう。
それを避けるためには、極端な爆発や衝撃を起こさず、地力で追い詰めていくしかない。
地の利を取られた一行だが、その表情は明るく、猛々しい。
その中でも闘いの愉悦に浸るネモは、ひときわ、生き生きとしていた。戦いのただ中にいるため、トレーナーたち自身も大小の傷を負っており、ネモも例外ではない。だが、傷が一つ増えるたびに一層意力が昂るのを、彼女自身が感じていた。
ネモはいま極致にいる。
目の端で彼女の活躍を捉えたアオイは、そう直感した。今のネモには、たとえアオイであっても敵わないだろう。 - 192二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 23:06:58
「ヌメルゴン、2歩下がりながら「りゅうのいぶき」で牽制して。パーモット、姿勢低くして、そこにインファイト。入れたらすぐに私の後ろに下がって。後ろでディフェンダー塗ったら、私にも傷薬つけて。そしたら、もう一回前にでてヌメルゴンと交代してまたインファイト入れよう。」
ネモは自身すら戦略に組み込んだ新たな境地にたどり着こうとしている。もはや今の彼女を止められる者など、パルデアにいない。
ネモの活躍もあって、2体を落とし、味方の脱落なしで数の不利を覆すことはできたが、そう簡単に勝負はつかない。
敵は状態異常の搦め手を使ってきた。懸念だった毒粉攻撃である。瞬時に察知して、戦線を一斉に退かせる5人。ネモは興奮状態でありながら形成判断も実に的確であった。マヒと毒の煙隠れだったが、その中を走る影が2体。
マスカーニャにマヒは効かない。ドオーに毒は効かない。
二本槍に戦列を切り裂かれたアラブルタケたちは、アオイたちや相棒たちの連携によって動きを乱され混迷し、パーモットによって各個撃破されていった。戦いの終わりが近づくにつれて、ネモの興奮は収まっていった。
最後の一匹をアオイが捕獲ボールに収めたとき、一同には切り傷すり傷が多くみられたが、致命傷につながる大けがは無いようだった。ヒト用傷薬を使って丸一日休息すれば十分治るだろう。
第3観測ユニットに入った一同がベッドに飛び込むことになったのは、言うまでもないが、その夜のペパーがまたも甘美な世界に迷い込むことになったのもまた、言うまでもないだろう。 - 193二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 23:23:42
大事を取って、その日一日、と言ってもエリアゼロでは日が暮れないので、24時間の間、第3観測ユニットの中で過ごして傷を癒すことになった一行。
チリは全員が深いケガなく済んだことを安堵していた。大穴に来る前の彼女なら、自分がいながら、わずかでもケガをさせてしまったことを恥じているだろうが、チリは彼らが一人前であることを見て、知っている。過度な子ども扱いはむしろ非礼となるだろうと、理解しているチリには、全員がこの程度の負傷で済んだことは、むしろ誇るべきことであった。
壁際に腰を下ろす。束ねた髪をほどいて前に垂らし、胸を隠す。空いた両手で傷薬をスプレーしていく。傷口にしみるが、これなら翌朝には痕も残らないだろう。
穏やかなチリの視線の先には、ペパーとアオイの姿があった。
「痛てて、アオイ、もうちょっとこう…」
「もー!ペパー!我慢してよほら!背中は終わり!次は前だよ!」
「え!?前も!?い、いや、前はいいよ、自分でやるちゃんだぜ・・・/////」
「いいのいいの!ほら、早くここ、横になって?」
「いや、あの・・・/////」
ポンポンと膝を叩くアオイ。さすがに膝枕は刺激が強いと逃げようとするが、掴まれて逃げられないペパー。
それをニヤニヤと眺めているネモ。そんなネモを治療しつつ、目の前のラブコメを、同じくニヤニヤと鑑賞するボタン。
チリは、フッと静かに笑いを漏らすのだった。 - 194二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 23:26:09
ふーようやくここまで来ました。今日はここまでですが、あと3体ですね。この冒険もそろそろ終わりが見えてきました。最後までお付き合い頂けると嬉しいです。
- 195二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 23:54:22
大人なチリちゃん本当にカッコイイ
- 196二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 23:55:31
お疲れ様でした。相変わらず読ませる文章で凄い…
にしてもペパー君は一生分どころか来世分の女体(と女性器)を見たんじゃないんだろうか - 197二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 00:05:16
- 198二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 00:08:08
あ、やべ、同名でスレ立てちゃった。大丈夫かな
- 199二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 01:00:27
スレ立て乙です!本編だけじゃなくて番外編2つとも完走って凄いな
ペパーの今後に期待してます - 200二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 01:36:20
アオイとペパーのゆるいイチャイチャ…いいね…
全裸であることを忘れそうだよ