【閲覧注意】推しのサーヴァントを一騎選んでスレを開いてください【閲覧覚悟】

  • 1二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 22:58:37

    そのサーヴァントのSSを書くまでこの部屋からは出られません
    SSの長さは自由、形式も自由とします、出演キャラもメインが思い浮かべたサーヴァントならあとは自由です
    ただしR18になる場合はなるべく暈すか外部を用いてください

  • 2二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 22:58:56

    出してぇぇぇぇえ!!!!!!

  • 3二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 23:01:11

    >>1

    今pixivに推しの小説書いてるんだけどそれ完成したら貼るじゃだめ?

  • 4二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 23:01:12

    今日はメリュジーヌとの朝について語っていこうと思う。まず朝は俺が先に起きる。これはメリュジーヌを朝まで起こす理由でもない限りほぼ確定だな。

    基本的に彼女は朝はぐっすりで俺も彼女もこれ以上ないほどべったりくっついて抱きあってるから間近でメリュジーヌの寝顔を見れるこの時間は数ある至福の時間の一つだ。まあ、メリュジーヌと過ごせる時間そのものが至福なのは言うまでもないけど。

    で、しばらく彼女の柔らかな唇や頬、瞼にキスしたりギュッと抱きしめるとメリュジーヌは可愛らしくあくびしながら起きるんだよ。

    で、俺の顔をみたら微笑んで可愛らしくおはようといい、そのままキスしてくる。してきたら抱き合いながらそれを受け入れて時折頭を撫でたり首筋吸い付いてキスマークや歯形を付け直していちゃいちゃする……って言うのが俺とメリュジーヌのおはようだな。

    そうして朝のモーニングコールが終わったら両手を出して抱っこの体勢の彼女をお姫様抱っこでお風呂の脱衣所まで連れて行く。やっぱ朝のシャワーは気持ちいいからね……二重の意味で。

    やがてシャワーからあがった俺たちはタオルでお互いの身体を拭いたあと、同じコップに入ってる歯ブラシをとり、歯を磨く。磨き終わったらコップで口を濯いでその後、交代で顔を洗うなどの身支度を行う。

    そうしてスッキリした後は服を着てリビングにあるソファに座ってメリュジーヌの綺麗な髪の手入れをするんだ。

    最初はメリュジーヌからも微妙な顔をされてた俺だけど日々の努力のおかげでようやくあのフワッとしてて艶やかな銀髪に仕上げることができるようになったんだぜ?

    こうしてある程度朝の支度を終えたら朝ご飯を作る。こちらは役割分担をして二人でだ。なんでって?ほら、共同作業感があっていいだろ?ふ……同棲カップルみたいでさ。

    で、朝ご飯を作り終えたらメリュジーヌを膝に乗せてお互いのご飯をあーんしたり口移ししながら食べる。このおかげかただの卵やパンをどんな豪勢な食事より美味しく感じるんだ。

    しばらくして朝ご飯を食べ終えたら自由時間だけど大抵メリュジーヌが甘えてくるからひたすらイチャイチャし続けて気がついたら昼になってる。……とまあ、こんなところだ。

  • 5二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 23:04:07

    【閲覧覚悟】が入ってるってカテゴリ欄からじゃ分からないの罠すぎないか???

  • 6二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 23:15:57

    今日、俺たちはお互い「ハジメテのS◯◯」に取り掛かる。

    昨夜スーパーバニヤンはあれだけ張り切っていたのに、いざ始めるとなるとなんだか不安そうだ。
    俺は経験はないけど、インターネットでたくさん調べてきたし、まだ幼い彼女をリードしてあげなきゃいけない。

    「マスター、私全然自信ないよ…。」
    「何言ってるんだ、バニヤンはみんなのリーダーだろ?率先してやらなきゃダメなんだよ。大丈夫俺が教えてあげるから。」
    「…Salut、マスター。」

    そう言葉を交わすと、俺たちは手を重ね合い、カルデアの暖房温度を1℃下げた。

    「う〜、本当にこんなことからでいいのかなぁ」
    「もちろん!SDGsは何より意識して取り組むことが大事なんだ、何も17のゴール・169のターゲットを全て行う必要はないんだよ。」
    「そうだね、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指せるよう、大統領として頑張らなくっちゃ!」

    その後も俺たちは、熱くSDGsし合い、俺たちの地球(子供)を育んだのだった…。

  • 7二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 23:32:02

    「えっちゃん、おやつはそれで足りる?」
    「はい。本日はこれで十分です」
    「そっか、それじゃ食べようか」

     彼女の名前は謎のヒロインXオルタ、俺が召喚したサーヴァントだ。なんでも彼女が活動するためには高純度かつ大量の糖分が必要らしく、毎日こうして高級和菓子店の和菓子をおやつとして食べさせている。
     毎回こうして数に不足が無いか確認しているが、今のところ不満はないらしい。ちなみにこれらの和菓子を仕入れるために毎回それなりの金額を支払っているが、俺の懐には何ら問題はない。
     今まで株や宝くじで手に入れた財力を持ってすればこの程度は容易いことである。

    「うーん、やっぱりこのお店のどら焼きは美味しいね」
    「はい、良いこしあんが使われています」
    「つぶあんも良いけどやっぱりこしあんだよねどら焼きは」
    「マスターさん今つぶあん派に喧嘩を売りましたね?上等ですかかってきなさいやりますかオォン?」
    「おちけつ、まだあわわわわわわ」

     ………彼女との日常にさして不満は無いが、強いて言えばちょっとした発言で戦争が起こりそうになるのは勘弁してほしいと思う。
     ちなみにどら焼きはこしあん派だけどたい焼きはつぶあん派だからそれで許してもらいたい。え?ダメ?そっかー

  • 8二次元好きの匿名さん23/01/09(月) 23:32:02

    「マスターマスター」
    「んー、どうかしたかー」
    「お腹減ったんだけど」
    「そう、なら食堂に…」
    「おやつはマスターの魔力がいいなー」
    「!?」
    「なによー、そんなに慌てなくてもいいじゃない」
    「慌てるに決まってんじゃん…だってクロの言う魔力補給って…その……キス、だろ?」
    「そりゃもちろん。他に何があるの?」
    「でもほら、それならイリヤとか美遊に頼むとか…」
    「あなたがいい」
    「!」
    「あなたじゃなきゃやだ。だからお願い」
    「……わかった。そこまで言うなら覚悟を決めるよ」
    「やった♪優しくお願いね、マスター」
    「お、おう…」
    「そんなに緊張しなくても良いわよ……んっ…」
    〜〜〜〜〜
    「……これでもう良いよね?」
    「…ねえ流石に早く離れすぎ。ちっとも魔力もらえなかったんだけど」
    「いや、そのごめん、流石に照れ臭くて…やっぱり好きな人とするべきだよ。うん」
    「まだそんなこと言ってる…これだけアピールしても気づかないなんてほんと鈍感」
    「ん?ごめん、小声で途中から聞こえなかったんだけど」
    「なんでもないわよ…まあ良いわ。当初の目的は達成できたし」
    「?それってどういう…」
    「ふふっ、内緒♡知りたかったらもっとわたしのことを構ってねマスター♪」

  • 9二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 00:00:07
  • 10二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 00:08:14

    「やだー!!ぐっ様の隣がいいー!!」
    「す、すみません徐福さん。皆さんの部屋割はできる限り希望通りにしているんですが、虞美人さんの両隣の部屋は既に項羽さんと蘭陵王さんの部屋で……」
    「むう……。項羽……様はまあ仕方ないとしても、蘭陵王より私の方が古参なんだけどなー。先に召喚されたからってずーるーいー!!マシュちゃんもそう思わない?」
    「そ、そういうものですか……。でしたら、蘭陵王さんと交渉して部屋を代わっていただくようお願いするのはどうでしょうか。今は先輩と一緒に出撃中なのですぐにとはいきませんが」
    「おぉ!!いいね〜それ、名案!!」
    「ではそういうことで。また後で先輩たちが帰ってきたら、一緒にお話してみましょう」
    「え!?一緒にお願いしてくれるの?忙しくない?」
    「大丈夫ですよ。サーヴァントの皆さんと交流を深めるのも、大事なことですから」
    「マシュちゃん……」
    「では、また後で。失礼しますね」
    「マシュちゃん……いい子だ……。………………ふふふふふふ。明日からはぐっ様の隣〜♪あ、そうだ。蘭陵王の部屋の反対側の隣の人って誰なんだろう。明日からお隣さんになるわけだし、せっかくだから挨拶しとこっかな。時間も空いてるし。 すみませ~ん!」
    「何かな?」

  • 11二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 00:09:06

    >>10

    画像は朕ですが徐福ちゃん推しです

    特に半泣きでキャパオーバーになってる姿が一番好きです

  • 12二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 00:57:00

    エミヤ「マスター、海に行くなら日焼け止めを忘れるなよ」
    「エミヤって日本のサーヴァントだよね?人のこと言えないじゃん…」
    為朝「マスター、私からも提言する」
    紅葉🦖(コクコク)
    ボブ「日焼け止め……フッ」
    「うーん…みんなもそう言うなら塗っていこうかな」
    エミヤ「(心底複雑そうな顔)」

  • 13二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 01:02:19

    このレスは削除されています

  • 14二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 02:17:17

    「わしは戯れは許すが侮りは許さん」
    召喚されたばかりの頃そう言われてから随分と経つ。我がカルデアのエースとして活躍してもらい感じる絆も最大となった今、そのときの言葉を思い出した。
    マイルームの一部を占領し、魔王と二人でぐだぐだしているこたつの中で。
    「なぁマスター、今の時代のわしってどんな存在なん?過去現在未来を超えて異世界まで行っておる」
    「あー、職業になったりタイムリープしてるやつもあるよね…」
    「自由すぎじゃろわし」
    抹茶アイスを食べながら軽口を叩きつつ漫画のページをめくる。
    「そういえば難しいテ○レイドあるんだけど手伝ってくれる?」
    「タイプなんじゃ?大体カ○ナで張り倒せるが」
    ゲームに誘えば大体乗ってくれる。家に親しい友人を呼んで過ごすような心地いい感覚を得るのだが、この人の場合は同時に思い出すこともある。
    自分の本物に驚く顔、帝都で撃たれたときの冷たい顔、体を紅蓮に燃やしながら高らかに笑う顔。見せる一面はどれも魅力的で不思議な気持ちになる。これが様々な臣下を生み出すカリスマなのか。今はアイスの木のスプーンをかじった顔をしているが。
    隣でゲーム機を起動させる昔の偉人、幕末の剣士をからかう少女、苦戦した敵を弟と共に自分ごと焼き尽くす魔王。
    自分もゲーム機を起動させる。
    ともにいる空間は心地良い。アイスを食べてごろごろして、しょうもない話をしながらゲームをする。感じる絆も最大なのだろう、だが、ふと思うことがある。思ってしまうことがある。
    「げ、こいつはちとキツイぞマスター」
    (自分の対応が無意識でも侮りになったら、そのときはどんな顔をするのだろうか)

    初めて書いたけどss書きってすごいネ!

  • 15二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 02:41:26

    カルデアに来てもう長い日々が経っているここは多くの英霊が居てまさかのカレン先生も居た。
    この場所は絶望も夢も沢山含まれた場所だと思う。それでも立って世界を救う決心をしたあの人を見て私もこの力で彼の役に経とうと改めて決心をした。
    …ところで、ベッドでなにをしているのかエリセだって?カレン先生から聞いたけど私みたいな体格の女性を抱きしめると疲れが取れやすいって聞いたから(フフーン)

  • 16二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 05:51:12

    「エルキドゥの姿ってさ、巫女を真似たものなんだよね?」
    「まあね。ボクは彼女と語り合うことで人の在り方を学んだんだ」
    「どんな人だった? いや、美人さんだったのはエルキドゥを見ればわかるんだけど。当時のエルキドゥってケルヌンノスみたいなものでしょう? そんな存在と語り合えるって度胸あるなーって」
    「ケルヌンノス…。妖精國の祭神だったね。星の内海からやってきた彼と神々が兵器として生み出したボクでは事情が違うけど、似たような所はあるのかもしれないね」
    「おっと脱線する所だった」
    「それでは語らせてもらおう、かつてのボクと彼女の出会いの物語を」

  • 17二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 09:39:03

    この世に人は我一人。一切衆生は塵芥。皆、欲に耽る惨めな獣、憐れな虫なのです。


    美しいあなたはそう言った。己以外の全てを切り捨て、世界の中心で宣言した。そこに他者への憤りはなく、また他者への絶望もない。何せ絶望も憤慨も、幼き頃に既に飲み干してしまったもの。なんとも完璧な自己完結で、そこに隙はありはしない。強いて言うなら、恋する乙女ならばあるいは、と言ったところで。


    「ですが、一寸の虫にも五分の魂と申します。どれだけ惨めな羽虫であろうと、救いがなければ到底、此の世を生きることは難しく。まさに生き地獄でありましょうや。ええ、けれど……ご安心を、マスター。わたくしはあなた方を憐れみましょう。あなた方の獣欲を認めましょう。故に、ここに誓いましょう。あなた方は、絶対に、わたくしの手で救ってみせると」


    その言葉は、正しい。その宣誓は、真実だ。世界と、その世界に存在する自分以外の生き物たちを憐れな物と定め、救ってみせると言ったのだ。己の身を全て捧げて、溢れんばかりの慈愛を与えて、全ての欲望を受け止めるのだと。


    「ふっ、ふふふふ……どうなさいました?」

    「あなたの他者に向ける愛は本物。けれど、それは人に向ける愛ではない」

    「ええ、その通り。先程も申し上げた通り、わたくしの世界において、人間とはわたくし独りなのです。ですから、そうね。あなたの言葉は正しい。気持ち良くなるための道具に愛着を持っていても、道具を人として愛するなんておかしな話でしょう?」


    彼女が他者に慈愛を振り撒くのは、それが巡りに巡って、最終的に自らに愛……欲望を集める結果になると知っているから。溢れんばかりの救世の素質を、全て己が欲望のために使い込んでいるから。それこそが人であると、そう謳って止まないから。

    一切衆生、悉有仏性、草木国土、悉皆成仏。三界にて満ち満ちている三毒に喘ぐ獣たちを、己が身によって救済する。そこに混じり気の善意は一つもなく。ただの澄み切った悪意がある。それが魔性菩薩。それが、随喜自在第三外法快楽天。殺生院キアラという女である。

  • 18二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 20:12:50

    名作揃いじゃな出してよおおおおお

  • 19二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 21:21:16

    『俺の事を好きな女の子とか、いる?』

    「……いや、聞いたよ?召喚された時確かに聞いたけどさぁ」
    「うふふふ〜。だ〜ぁり〜ん♡」
    「本当にいるとは思わねぇじゃん……!」
    「何よぉ。ダーリンは嬉しくないの?」
    「え〜?気軽にナンパ出来ないのはちょっと残念だなーと思っあだだだだ!!痛い痛い痛い!!すいませんすいません冗談です!!!アルテミストイッショウレシイヤッター!」
    「そうよね〜!これからはここで愛を育んでいきましょうね♡……もちろん熊のダーリンもね?」
    「クソぉ、本来の俺が来たから俺は束縛が緩むと思ったのに!アギャー!出ちゃう出ちゃう綿出ちゃう!すいません冗談です!!アルテミスダイスキヤッター!」
    「うふふふ、両手にダーリン……♡カルデアさいこー!」
    「はぁ……。折角召喚されたから女の子と遊ぼうと思ったのに」
    「む、また浮気する気だったの!?でも私知ってるのよ!」
    「あー?何を」
    「ダーリンが、私がここにいるかどうかって意味で『俺の事好きな女の子いる?』って聞いたのも、マスターが『いるよ』って答えた時に一瞬嬉しそうにしたのも!私知ってるんだから!」
    「………………」
    「ダーリン?」
    「諦めろ俺。完全に見抜かれてるから誤魔化せないヤツだぜ、これ」
    「……お見通しかよぉ……!」
    「ダーリンたち顔真っ赤〜!もぉ、かわいいんだから!どっちのダーリンも大好き!」
    「…………そうかい」



    「せ、先輩?!なぜ廊下で吐血しながら倒れて……。『推しカプとうとい』?そ、そうですか……」

  • 20二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 22:03:14

    「エヘヘ……、…こういうビデオに出るのって初めてで…」
    ーーうん、そうだね

    ーーそれじゃあ、まずは名前を聞かせてくれるかな
    「…ゴッホ。クリュティエ=ヴァン・ゴッホです。そ、その…マスターさまの、奴隷(サーヴァント)、です」

    ーー好きなことは?
    「マスターさまの手で、この身に傷(証)を戴く事と…。マスターさまに…ハウ…っ…、食べて、頂く事です…エヘヘ、ゴッホ恐縮…!」

    ーーできること、得意なことは?
    「この身に備わるゴッホとしての技術で、ひぅ…んっ、絵を描き、ご覧の通りマスターさまのために…ハウっ…!!……!!ああもう無理ですゴッホ撃沈、今すぐにでも頂いちゃって下さい見てくださいマスターさまの傷を下さいゴッホ咲いちゃった!エヘヘ、ウフフフフ!!」


    ビデオはここで途切れている。

  • 21二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 01:37:24

    このレスは削除されています

  • 22二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 03:19:12

     こういうとこでSSのないジナコっていうかガネーシャなので頑張った……と思う

     レイシフトで偶然マスターと二人きり。人によれば幸運かもしれないが、ガネーシャの依代はそんな意図しない苦境を不運と思う。かつて、間が悪かったから。
     
    「ガネーシャさん!右手奥のは無敵を貫通してくる!先に!」
    「りょ、了解、マスター!」
     橙色の髪を乱し叫ぶ少女を背に、象の帽子を被ったふくよかな女が慌て応じる。二人が荒野にて相対するは実体ある影、シャドウサーヴァント達だ。
     砂埃を起こし駆ける敵意の具現は数十。追いつかれるより、耐久性で迎え撃つのをマスターが選んだ。結果、直接の相手は数体に抑えられた。
     斧と匙を振るう四ツ腕、リボンを付けた小さな騎獣が敵を薙ぐ。戦闘の苛烈さとは逆に、神の力を振るう顔はまるで人の様に強張っている。気付いた少女は距離を詰め、両腕で背と心を支えた。
    「がんばれ!一番近いのをガンドしたらその隙に宝具準備!」
    「無情な労働命令ッス~!!帰ったらマジで引き込も……っ!」
     人の目では追えない瞬速の矢が飛来し、ガネーシャは菓子の乗った盆を持つ腕でとっさに受けた。衝撃で団子が宙に舞う。苦痛で眼鏡の奥の目が歪む。菓子も魔力になって消え、しかしマスターは傷から飛んだ血すら無視し、人差し指を最も近い影へ向けた。
     ──魔力が迸る。

  • 23二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 03:19:49

    >>22の続き


     一つの影が痙攣する。痛くないと呟く女を心配しながら少女が後ろへ下がる。

    「……あ、アタシは平気だか「ガネーシャさん!」

     気弱な目に笑みの声援を威勢よく被せる。

    「今、クエスト単騎駆けみたいだね!」

    「ちょ、何言ってるのよ!?」

     驚愕で虚言に覆われた態度が吹き飛んだ。

    「それみたいに後でお菓子つけるからさ!──倒してしまっても構わんのだよ!」

    「セリフも言う側も違う気がするんだけど!?」

     女は三度の声援にようやく笑みを浮かべる。

    「でも、そこまで言ったら──絶対約束守ってもらうッスよ!」

     騎獣が女の頭に飛び乗り、身体が輝きに包まれた。



    『痛ぁ……マ、マスター、大丈夫!?』

    『う、うん、ありがとう』

    『とか言いながら腹をポヨポヨするのやめるッス!あんな高さから落ちといて余裕ッスねぇ』

    『私を受け止めた凄さを確かめてるの。ガネーシャさんのお腹は全宇宙を表すんでしょ。すごいね。こんな宇宙クッションがあった私はラッキーじゃない?』

    『この宇宙クッションの意味は諸説あるッスよ。後、空中レイシフトはツイてないのでは?』

    『ううん、だってガネーシャさんが居て──』

     落下直後の話。

     敵襲を察した騎獣により終了した会話だ。


     ガネーシャの依代は例え全て聞いても、意図しない苦境を不運と思うのは変わらない。

     だが、部屋へ約束通りお菓子を持ってきたマスターの笑顔には、少女を守れたのは、運がいいと思えるのだ。

  • 24二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 04:11:06

    物書きの経験などない俺にSSを書けと? よろしい、ここは藤ねえ3秒√に助けてもらおうか

    「ラーマくん。結婚しよー?」
    「断る。余にはシータがいる。いくらマスターの頼みでもそれは聞けない」
    「」

  • 25二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 08:41:30

    「いや…助けて!お母さん!」
    「このガキッ…!…!?」
    男が銃を向けた時、少女の手の痣が光を放ち始める。男は危険を感じ発砲しようとするが──
    「っ!あああああ!」
    次の瞬間、男の腕は吹き飛ばされていた。
    少女が目を開けるとそこに立っていたのは東洋風の武者装束を身につけた美しい女性。
    「私が、貴方の母(サーヴァント)ですよ」
    「さー、ばんと?」


    続きはないしあらすじもないけどそこは想像で!

  • 26二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 09:12:01

    「あらマスター、こんな時間に珍しいわね。どうしたのかしら?」
    「その手に持っているものは…キュケオーン…ね…ふぅ…」
    「以前伝えたと思いますけど、未だ明確な出自も不明な毒耐性に胡座を描くのは危険よ?どこまで効くかなんてわかったものじゃないんですから」
    「そもそも叔母様はどうしたのかしら?…たまたまベッド下から這い出てきた溶岩水泳部に連行されて行った?…まぁ、自業自得でしょう」
    「『毒を貰うわけにはいかないけど、折角自分に作ってくれたものを捨ててしまうのは忍びない』?…ふぅ。わかりました、無毒化してしまいましょう」
    「それに私も久しぶりですし、御相伴に預かろうかしら」
    「お茶を淹れてきますから少し待っててくださいな、私のマスター」

  • 27二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 09:20:18

    >>5

    覚悟とは事前にするものじゃなくて、その時になって固めるものだから…

  • 28二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 14:09:01

     何故自分はここで彼を使役するのだろうか?幾度となく繰り返した疑問を腹の中で繰り返す。特異点F、未確認座標X-G。僅かに強化されたスケルトンの棲処で凶骨採集の定番地帯。有体に言えば誰を連れてきてもまず負けはない。
     そんな場所に獣を解き放つ。彼は暫くじっとその場の音を聞き、ほんの少し崩れた路傍の石に駆け寄って今まさに形を取らんとした人骨を苦もなく大きな牙で砕く。土竜叩きのような作業を何度となく繰り返し、やがて自分の下にやって来て何片か骨の欠片を吐き出す。使えそうなものを自分が選別している間にも彼は瞳に青白い炎を湛え続けている。無言の圧。駄目だ、砕きすぎだ。使えるものはないと黙って首を振ると、彼は鼻を一つ鳴らして踵を返した。次の発掘地点に向かうぞと語るでもなく黙って歩を進める、その後ろを下僕のようについていく。
     ダルヴァザのガスクレーターのように特異点Fの天地は燃え続けている。この地の最大の敵は動く骸骨ではなく環境そのもので、魔術礼装の保護で弱まった熱でも心身を苛むには十分だ。獣の背の上の男がないはずの視線をしばしばこちらに向けているのを感じる。意識を失った途端、彼は両手の曲刀を自分の背に突き刺すだろう。この場に真の意味での味方はいない。分かり切った結論を今一度心に刻む。

  • 29二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 14:09:16

    今もカルデアのモニター越しにこちらを注意深く見守っているであろう後輩の顔を思い出す。自分に未来を託し虚空へと消えたオレンジ色の髪をした男の顔を思い出す。特異点で出会い別れた数多の美しく誇りに満ちた英雄たちの顔を思い出す。そうしたものを心の内に大事にしまい込んでなお、決して埋め尽くせないモノがある。
     益体もないことを考える。全てが解決して世界があるべき姿を取り戻した時、そこに自分の居場所はあるのだろうか。読み終えた本を片付けるための本棚、抜いた刀を納めるための鞘。自分にとってのそれは何か。クリプター、選ばれながらその才覚を振るう機会を与えられることもなく闇に消えるはずだった彼らにはそれがあったのだろうか?もしそうなら…自分は果たして彼らに勝てるのか?
     不意に手の甲に鋭い痛みを感じた。目の前で、獣が牙を剥き出して唸っている。生臭い息、ピントが急速に現実へ収束していくのを感じた。カルデアからのコールを無視して、自らの血に濡れた令呪を一画切る。剥き出しの牙をそのままに自分と距離を取る獣。そうだ、忘れるな。己が斃した獣は今も痛みを与え得るのだ。足りないものはその痛みで埋めればいい。消えぬ炎、潰えぬ苦悩。歩みを止めぬ理由なんてそんなものでいいのだ。
     それにしても、だ。相互理解など不能だって?なんて思い上がりだ、あちらは分かっているじゃないか。乾いた血を吐き捨ててまた歩く。道は、まだ続く。

  • 30二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 00:09:39

    間に合わなさそうなので保守

  • 31二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 10:19:08

    もっとSS読みたいなー…(チラッ

  • 32二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 18:40:40

    「セイバーが一人、セイバーが二人……おかしいですね、セイバーが減るどころか増えている……?」

    マイルームの机の上に写真を広げて唸る彼女、謎のヒロインXがカルデアに召喚されて、もうどれほどだろうか。燃え盛る冬木で出合い、南米を目前とするまでの長い戦いで、絆も最大まで深まった……の、だが。

    [ねえ、X]
    「どうしました、マスター?」
    [昔、他のセイバーはもうどうでもいいとか言ってなかったっけ]
    「ええ言いました! 私はマスターの剣である、最高のセイバーですからね!」
    [……なんでセイバー襲撃再開したの?]
    「? おかしなことを言いますねマスター。いいですか、マスター」
    [はい?]
    「私とマスターの絆レベルは10……いえ、それを超えて12と言っても過言では無いでしょう」
    [うん?]
    「つまり、私とマスターは最早一心同体というわけです! 完璧な理論でしょう!」
    [いや、おかしいよね?]
    「そして一心同体ということはつまり! マスターもセイバー討伐を望んでいる。そうでしょう!」
    [ちがうよ?]
    「そんな、莫迦な……!?」

    愕然とした表情でベッドに倒れ込むX。そのままもぞもぞと動くと、顔をあげて枕元の時計を見る。

    「あ、日付変わりましたね。どうぞ、今年のドゥ·スタリオンチョコです」
    [……ありがとう?]
    「どういたしまして。量産計画は諦めましたが、マスターへのチョコといえばコレですからね。しかも今年は一番乗りですよ! ふふ、私が一番……ふふふふ……」
    [急にテンションかわるなぁ……]
    [……あれ、さっき何の話してたんだっけ?]

    2月14日、深夜0時、ストームボーダーマイルームにて

  • 331/223/01/12(木) 23:46:54

    「あらマスター、どうかなさいました?」
    『帰ってきたらベッドの上に女神様が居たものだから』
    「ふふ、安心しなさいマスター。あなたには椅子が残っていてよ」

    夜。私室に戻って早々憩いの場所を占領する女神ステンノを見てもマスターは慣れたような様子で椅子を移動させて先に場所を決めておく。すんなり作られる二人の会話の絵。机を挟んだその配置。それくらいが丁度良いと無意識のうちに作られた空間。

    『何か飲む?』
    「そうね、この部屋で一番貴重な飲み物を頂きましょうか」

    遠慮もなく、他意もない。ただ相手を困らせて振り回すためだけの問いとわかっていてもマスターは頭を悩ませる。貴重と言われても部屋に備蓄されている飲み物には然程貴重品はない。
    他のサーヴァントから頂いたものはすぐに飲んでしまうのだ、無理もない話。だから彼は冷蔵庫の中を覗くと一度閉めてうーんと唸っている。
    その後ろ姿をステンノは実に愉しそうに見守る。その姿が見たかったと言うかのように。紅茶の味一つでも振り回す自分のために、彼是苦悩する様が女神には何よりの演目なのだ。

  • 342/223/01/12(木) 23:47:15

    少しすれば彼は何か思い付いたように冷蔵庫の扉に手を掛ける。何を思い付いたのか、ステンノは楽しみに待っていれば。

    『ステンノ様はウルクの川の水などは』
    「確かにそれは貴重でしょうけど、まさか女神に川の水を飲ませるなんて言いませんよね?マスター?」
    『紅茶を淹れます』

    流石の提案に冷気を放つような笑みを浮かべていた女神は代案を耳にしてよろしい、と告げて笑みを戻す。確かにおふざけは許しているが、それはは一日に一度まで。こんな形で消費する彼がおかしくて、少しだけ不満に思ってしまう。
    誰からか学んでいるのか、もたつく様子は見せずに淹れていく彼。妹であるメドゥーサには敵わないだろうけど、その後ろ姿で多少のおまけ…などあげるはずもないが。女神である自分が誰かに肩入れするなどあるはずはない。紅茶を淹れて戻ってきた彼はそれを机に置きながら、目敏く。

    『出来たよ、ステンノ。……どうしたの?』
    「いいえ、なんでもありません。それでは頂くわ。それと…今日もお話を聴かせてもらいますわ、マスター」
    『そうだね、今日はまず……』

    これが今のステンノの、楽しみの一つ。出掛けたマスターがそこで何をしてきたのか。それを聞くことが何故だか捧げ物として見れる自分が少しおかしい。

    (ねえ私(エウリュアレ)、私(エウリュアレ)もこんな気持ちなのかしら?)

    身振り手振り、抑揚たっぷり、百面相で語られる彼の一日の物語を聞く夜は今日も恙無く、そして過ちもなく過ぎていく。

  • 35二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 01:22:58

    雪の中のぐだキャストリア

     冬は苦手です。小屋で一人寒さに震えていた頃を思い出すし、側に居てくれる人の温もりなんて私は知らないから。

     今回の微小特異点は雪の降る所だった。マスターとサーヴァント一騎で十分対応出来る規模だったので立香と私の二人でレイシフトし無事聖杯も回収したのだが…
    『ごめんねー!トラブルが発生して帰還が遅れそう!しばらくそこで待機してて!』
     いざ帰還しようとした矢先にカルデアから通信が入り私たちは待ちぼうけをくらってしまった。
    (立香と二人は嬉しいけど……寒いのはやだなぁ)
     英霊となった今は寒さなどへっちゃらの筈なのに私の脳裏に浮かぶのは幼い頃凍えていた記憶ばかりで、どうしても気が沈んでしまう。
    「この辺には暖が取れそうな所は無いし近くの町まで移動しようかな。アルトリア大丈夫?」
    「ちょっと手先が冷たいですね…手袋も雪で濡れちゃいましたし。」
    「うーんオレも手袋は持ってないなぁ……手を繋ぐとか?」
    「ふぇっ!?じゃ、じゃあ遠慮なく……」
     差し出された手をぎゅっと握る。まだ恋人繋ぎにする勇気は無いけどそれでも嬉しい。
    「よく考えたらオレの手も冷えてるしあんまり意味ないよねコレ……」
    「ううん──とても、あったかいです。ありがとう立香。」
    「そっか、なら良かった。まだ帰還までは時間があるみたいだし…せっかくならこのままデートしよっか。」
    「──はい!」

     ああ、やっぱり冬は苦手です。小屋で一人寒さに震えていた頃を思い出すし、側に居てくれる人の温もりなんて私は知らなかったから。
     けれど──この繋いだ手のひらに伝わるほのかな暖かさがそれだというのなら、ちょっとだけ冬を好きになれるかもしれない。

  • 36二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 02:00:16

    わたしは彼にふたりっきりでバレンタインのチョコレートを渡せたことがない。
    とうに夢火を捧げ聖杯もありったけ注ぎ込んだけれど、狂化の壁が厚すぎるのだ。
    ダブルになった神祖さまとナイチンゲールに見守られながらチョコレートを渡すのが毎年のこと。彼らの眼差しが暖かくなってきているのがちょっと気恥ずかしい。
    「しかも贈り物が他の女の子の胸像なんだよね…」
    お返しにこれなの、他の娘ならとっくに怒ってる。メイヴちゃんも鈴鹿も信じられない!ってリアクションだったし、バレンタインに疎い巴さんですら思案顔で湯呑を持て余していた。
    「わたしは嬉しいんだけどな」
    si vales valeo.
    わたしは彼が世界で一番大事にする麗しの薔薇を任せてもらえるマスターで、しかも贈られた言葉がこれなのだから!
    睫毛まで精緻に彫られた胸像を見るたびに、次のバレンタインまで生きていたいと思う。これも立派なモチベーション…だよね?

    (涙も、叫びも───赦す)
    誰にも聞かせられない叫びも、誰にも見せられないようなぐちゃぐちゃの黒い気持ちも、
    赦してくれる皇帝陛下が、今年もバレンタインに集中できるように──

    「よーし!明日も頑張るぞ!」

  • 37二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 02:12:50

    ではこの間みた素晴らしい夢の話でもしようかな

    私は何やらとてつもなく脱力した状態にあった
    腕に力を加えようとしても微塵も動かないような脱力感のなか何やら腰の辺りに圧迫感を感じる
    クリュティエ・ヴァン・ゴッホ氏が私の上に跨って何から企んでいるようだ
    彼女は微笑みながら私の右腕に対して酷く興味をもっているように眺めていた
    彼女は微笑むばかりで何かを喋る訳ではない
    ふと、彼女は思い立ったがのように手を伸ばし爪を立てる
    肘から手首までの皮膚を流れるように剝いてくれたのだ
    私には驚くべきまでの快楽と彼女には何やら欲する物を得られた満足感があったように見えた

    ここらで目が覚めたから続きはシラン

  • 38二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 12:42:31

    保守して部屋に囚われるこの快感よ

  • 39二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 21:06:28

    キンと冷えた空気を顔全体で浴びながら道を行く。
    陽に当たって真っ白な道が眩しいくらい輝いている。
    「まだまだ冬は続くねえ」
    身を縮めながらも苦笑気味にそう言えば、
    「いいやマスター」
    前を歩くシャルルが振り返り
    「もうすぐ春だぜ」
    見せる笑顔と共に柔らかく風が吹く。
    冷たいながらも少し湿り気があるその伊吹は、確かに春が近付いているかのような暖かさがあった。

  • 40二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 01:55:04

    ネタはあるけど書く気力が意外と湧きにくい……

  • 41二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 01:59:27

    ここに投げようと思って書いてたんだけど、思ったよか長くなりそう+重い+特殊になってきてしまった……ずっと出られない

  • 42二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 02:03:38

    >>41

    外部もありって書いてあるしそこに書いてリンク貼るのもありじゃない?

  • 43二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 02:04:39

    『パールヴァティーのひと言日記』
    ○月×日 雪
    アルジュナさんが森を焼いちゃった。これからは彼のことをもう少し気にかけようと思う。
    ○月×日 雪
    カルナさんがガネーシャを外に連れ出してくれた。感謝感謝。
    ○月×日晴れ
    ガネーシャが友達と楽しく遊んでいた。最近はゲームの時間を守っているみたい。良かったと思う。
    ○月×日 晴れ
    ヴリトラさんがラーマさんとラクシュミーに大変ないたずらをした。やり過ぎたので今度お風呂に入れようと思う。
    ○月×日 曇り
    カーマがマスターのカウンセリングをしたらしい。今度おやつを差し入れてみよう。
    ○月×日 曇り
    カーマが私のどら焼きを食べた。注意しておいた。
    ○月×日 曇り
    カーマがアルジュナさんにちょっかいをかけたらしい。ちゃんと仲裁できたかな?

  • 44二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 02:19:48

    >>42

    せやな、とりあえず書き切ってからそこら辺考えるわ

  • 45二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 04:34:21

    何年目かのバレンタインデーが迫っている。本当はあまり良くないんだろうけど。ほんの出来心というかで、こっそり贔屓をしてみたくなってしまった私。
    「今度のバレンタインなんだけど……」
    もちろんあの子やあの人たちも「こっそり贔屓」の対象だ。だけど私が一番最初に声をかけたいと思ったサーヴァントは、いつも前線で私と一緒に戦ってくれる彼女だった。
    「フランはさ、何か欲しいものとかある? チョコレート以外で」
    白いドレス姿の、女性のサーヴァント。狂戦士、フランケンシュタイン。彼女は基地内の小さな菜園スペースで、人工照射の下に置かれたエンドウマメのプランターに如雨露で水をやっていた。
    『いのちを育てて食べてみましょうってせんせーに言われた』とここに種を植えたのはセイバーのフランちゃんだ。しかしその世話はいつの間にかこの──バーサーカーのフランが行っている。夏フラン曰く、『同じフランのよしみでマメなわたしに任せま〜す。豆だけに。豆だけに』。よりによってケイローン塾の課題を他人(?)任せにしていては結局困るのは自分だと思うのだが。通常霊器のフランはエンドウの株の間に生えた、白い花をつけた雑草を摘もうとして、やめる。ん、という彼女の声。話の続きを促しているようだ。
    「私たち、贈り物交換するの毎年恒例になってるじゃん? みんなは別にいつものをくれれば満足なんだけどさ。でも私は、たまにはチョコ以外もみんなに贈りたいって思うわけ」
    ここで言う「みんな」が極々数の限られた相手であることは誰にも内緒、絶対の秘密だ。そして、バーサーカーである彼女とコミュニケーションする時はどうしても相手の発話の難しさを補ってあげようとして(傲慢だとは思っている)こちらが口数過多になってしまう。
    「希望があったら教えて欲しいな」
    こういう時、無理なものをふっかけてこない彼女には安心感がある。まあ万一、花婿!とか言われたら困るけれど。相手の性別を鑑みない一部女子サーヴァントズのせいで感覚が麻痺しかけているが、一応私も女だし。

  • 46二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 04:35:09

    いつもは私が話しすぎているから、こんな時くらいはフランの話が聞きたい。
    会話は言葉によるものだけじゃない。ジェスチャーや表情、視線の動きや息遣い、それらだって立派に会話の方法だ。
    フランケンシュタインの怪物。私のバーサーカー。
    手段が拙くても、足りなくてもいい。伝えて、あなたの考えていることを。きっと私の伝えられようとする力も幼いだろう。構わない。通じ合うよりも通じ合おうとすること。それが私たちにとってどんなチョコレートや品物よりも必要なことだと信じているから。
    「可能な限り、なんでもいいよ」
    コトンと物が置かれる音がした。如雨露の水が無くなったのだ。今まで屈んでいた怪物は小さくウ、と声を上げて背を伸ばし、私と視線を合わせる。彼女は背が高くて、僅かに花の匂いがして、白いドレスが眩しくて、口元に微笑みを浮かべていた。
    彼女は聡い。照れ臭いから以上のことは言葉にはできなかったが、なんとなく理解してくれるといいな。理解してくれる、はずだ。というかなんでフランちゃんったらこんなに見つめてくるんだろう。やっぱり狂戦士との意思疎通って難易度高いな? そんなに見られると寝癖直し忘れてないかなーとか気になって超恥ずかしいです。やめて欲しい。
    黄金と碧玉。揺れる髪の間から、二つの瞳がいつまでもずっと、穏やかに私を見ている────────。

    ちょい早いけど狂フランとのバレンタインシーズン話。書いてから思ったがフランは凄く疲れるってだけで別に話そうと思えば話せるんだよな。

  • 47二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 15:56:45

    保守

  • 48二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 16:20:22

    『囚人の救い』サンソン、アステリオス
    「俺の要求はただ一つ。うちの“飼い牛”を、楽にしてやって欲しい」
    マスターを誘拐し、脅迫状を送りつけ、此方を窓ガラスが破れた廃ビルに呼び出した張本人……顔に大きな痣を持つ男、バーサーカーのマスターの発言に、アサシンは一瞬、我が耳を疑った。
    男が指差した先にいたのは、頭に多量の白い髪と牛の角、大きな体とは裏腹にあどけない顔をした、瀕死の重症を負い、今にも消えそうな息をするサーヴァントだ。
    「それは、“マスターを返して欲しければ彼の治療をしろ”という解釈でいいのか?」
    「助命が確実に可能であればそれがいい。しかし、“命を救おうと最善を尽くしましたが、助かりませんでした”等と言った結果だけは御免だ」

    「やり方は任せる。俺には治療も介錯も不可能だ。そして俺の知る限りこれを“救う”ことが出来るのは、お前だけだ。フランスの執行官よ」

    アサシンはバーサーカーを救うべく考えを巡らせ、頭の中で幾度も試行錯誤をし続けたが、彼の命は救えないとわかった。
    できたのは、彼を苦しめないことだけだった。
    「あいつをすくったこと、感謝する。謝礼金代わりに俺の僕をこんな風にした奴の情報を渡す。じゃあな」

  • 49二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 16:48:05

    >>48

    後日談

    アサシンは医薬品の買い足しのためにドラッグストアーに足を運び……そこで働く彼と再会した。バーサーカーのマスターだ。

    「……また会ったね」

    「その節はどうも」

    聞きたいことがあったので、彼の仕事が終わってから話すことにした。

    「なぜ僕にバーサーカーを託したのか、聞いてもいいかい」

    「誰にも治療不可能なことはわかっていた。キャスターの悪辣な呪いにやられたからな、遅かれ早かれあいつは消えることも……」

    彼は俯きながら静かに語り、一度言葉を切ると、今度は顔をあげて。

    「あの“牛”は、初めて俺を座敷牢から連れ出した」

    生まれて初めて何かに感謝した、そして物心ついてすぐに不条理に暗闇に放り込まれた唯一の同類だと、彼はバーサーカーについて語った。


    「叶うならあいつと、もっともっと外の空気を堪能したかったなぁ……」

    爽やかながら寂しげに溢れた言葉は、黄昏時の空に溶けていった。

  • 50二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 19:48:13

    これってオリ鯖はおk?

  • 51二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 20:06:50

    >>50

    推しがオリ鯖って中々すごい性癖だな…

  • 52二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 20:13:08

    >>51

    推しは既存、オリはおまけならどうでしょう?

  • 53二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 21:04:13

    「たとえ裏切ろうとも…あくまで、あくまで、拙僧の魂はあなたに寄り添っておりますぞ。マイマスタァ。」
    いっつも調子のいいこと言って擦り寄ってくる。思わせぶりなことされる度に思わずドキッとさせられる方の身にもなって欲しい。ただでさえ顔と声はいいんだから。全くどう言うつもりなんだか。夏に浮かれるのはいいけど二年巡連続裏切りってどうなの。道満はそういう奴だから別に裏切られてびっくりはしないけど。よく飽きないなぁとか懲りないなぁとは思うわけで。

    「拙僧は見守らせていただきましょう。その生きざま、その足掻き。全て全て果つる時まで。特等席にて、目の当たりにいたしましょうぞ。」
    あ、なんか今のは本気な気がする。地獄までお供するって言ったぐらいだし。でも、一体どこまで本気なんだろう。

    「拙僧はマスターの味方ですぞ。」
    そう言って戦闘中わたしにだけバフをかけてくる。他のサーヴァントのみんなは呪われているようだが。一瞬何が起こったのか分からない。本当にわたしの味方ではあったの?かといってわたしの味方の味方をするつもりはないらしいけど。

    戦闘後ショップの後片付けをする道満に尋ねてみる。
    「アレって本気だったの?」
    「はて?なんの事でしょう?」
    「魂は寄り添ってるとかなんとか。他にも今までの色々、地獄とか。」
    「勿論。マスターに嘘はつきませぬとも。」
    「嘘つき。」
    ンン?と白々しい顔で首を捻る道満。嘘つくじゃん。裏切ったじゃん。どうせまたやるじゃん。まあそこが道満らしいからいっか。

    「芝居もいいけど、今後は程々に。」

  • 54二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 21:06:48

    Twitterにもあげたけど今日書いたやつ

    管制室隣の物置を突貫で作ってもらったヘクトールの部屋に今日もマスターである彼が眠っている。相変わらず疲労度は強めの顔色であるが安らかではある。
    そのために指定した部屋なのでそれは構わない。鍵だって渡しているのだ。気兼ねなく使っていただいてありがたいかぎりだ。
    ならば今まで通り食堂でミルクを温め保温ポットと共に彼の目覚めを待とうではないか。そう思って一度部屋を出ようとした時
    「んん、ぅ、」
    珍しく、わずかな物音か気配に反応したのか。ベッドの上の彼がもぞりと動いた。
    「……だれか、いる?」
    「オジサンがいますよ」
    「……………………ぅぇ?めずらしい……」
    ヘクトールの部屋にヘクトールがいることは当然のことなのだが。むしろ結構な頻度で側に控えていると思っているのだが。もしかして寝ぼけて自室で休んでいると思っているのだろうか。わずかに開いている瞳は朧に霞んでいて何かを映しているようには見えない。
    うとうととほとんど回っていないだろう思考の中を彼は揺蕩い
    「うーん、いいよ。おいで」
    「……………………」
    眠れぬ子供を招き入れるように。いつも自室に訪れる来客たちを迎えるように毛布を大きく開く。
    その無意識レベルまで習慣化している姿にヘクトールはただただ言葉を失う。

  • 55二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 21:07:03

    >>54

    よくもまあ、ここまで今まで何も間違いが起きずにやってこれたものだなと。

    いやここまで無防備なら何が起きようと最早事故でも何でもなくなるべくしてそうなった当然の結果でありそれに関して咎められる者など誰もおらず。

    よくもまあ、召還されるサーヴァントは召還者の気質に若干でも寄りやすいとはいえ、世界のための善意だけでよくぞここまで……。

    己もまた日常における彼の日々とろとろにとろけていくくりーむぱん脳にいくら両想いとはいえこれに手を出すのはあまりにも……。となっていることには棚に上げて眉間を指で押さえる。

    「んぅぅ?どうしたのー?こないのー?」

    「いいから。寝てなさい」

    「んんぅ?」

    広げられた毛布をそっと押し沈めて毛布越しに優しく肩を叩く。

    それに彼は不思議そうな声を漏らしつつもすぐに意識を落として再び安らかな寝息が響いていく。

    その平穏極まりない空気が満ちる部屋の中、ヘクトールは大きく息を吐き肩を落とす。

    「まあ…………、うん。うん」

    とりあえず、今日も彼が彼らしくくりーむぱんであれる皆の甘さ緩さ善良さに感謝しておこう。どうか最後までこのままでいてくださいと祈りを捧げておこう。一応こちらからも予防線は張れるだけ張るけれども。

    まず今日はいつも通りにミルクを温め傍に控えていよう。混沌にうねる感情をいつも通りに奥底に沈めて落ち着かせ、音を立てぬよう細心に気を払いながら食堂へと向かった。

  • 56二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 00:14:52

    ☆ゅ

  • 57二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 01:35:03

    実のところ、今まで読んできた童話というものが現代に合わせて改稿やら改変やらされてきた話、だということは人類最後のマスターになってから知ったことである。
    自嘲気味に自作を例として教えてくれたのは、人魚姫の作者であるアンデルセンだった。それを一緒に聞いていた自分にとってはかわいい後輩、あるいはアンデルセンにとっては愛読者のひとりから勢いのある推薦を受けて原典を読んでみることにした。きれいな装丁が施されていて、高級そうな雰囲気がする本だった。あんまり触らないやつだなあ、と変に緊張する。

    結果から言うと、よく知っていたはずのオチには続きがあったし、案外子供時代の記憶があてにならないことを知った。

    幼少の話から始まる、自伝的な作品をも書き上げた――これも最近知ったことだけど――彼に伝えると、お前の記憶力はどうなっているんだ、と少し呆れられてしまった。
    でも、うまく言えないけどなんかきれいな終わり方だったなあ、なんて言えば、今度はどこの自称JKサーヴァントだ、どこの! とやけくそになってしまう始末だ。

    どうやらこの童話作家は死ぬほど偏屈でやりづらい、というのを理解するには簡単なことだった。
    けれども彼が私を、カルデアのマスターを、導いてくれるひとりであることも、同じくらい簡単に理解できることだ。




    むか~しこれとは別に支部でss投稿したことあるけどそっちのほうが出来いいんだよなァ!

  • 58二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 06:32:18

    どうしてこうなった…。いや、どうしてこうなったかなんて今になっては些細な問題だ。今の自分は大行進する象の群れの中に放り込まれたアリのようなものだ。
    今できることと言えば踊り狂う周囲の巨大なるナニカや狂ったような音を奏でるナニカに意識を向けないことだけだ。認識をしてはいけない。認識をしてしまったその瞬間、自分の頭は氷菓子のように溶けて行ってしまうだろう。

    ……だめだ。考えないようにしているだけでそれはもう考えていることと同義だ。
    だめだ、ダメだ。だmmえだ。だえかたすkえt

    「…?あら?座長さん?」

    懐かしい透き通るような声。その一言で、ブレていた視界が安定し、とろけかけていた意識が再び固まるのを感じた。

    ──アビー…?

    「この場所に似合わない穏やかな気配を感じたから様子を見に来たのだけれど…。
    あはっ。貴方に会えるなんて幸運なのかしら!」

    いつかの出会いと別れ、その時よりも幾分か大人びた声がするほうへと視線を向ける。
    そこにはアビゲイル・ウィリアムズ。彼女がいた。
    彼女はあの時と同じように花咲くような笑みを浮かべてこちらを見ている。…それだけで、どれだけ心が落ち着いただろうか。

    「でも座長さん。こんなところにいてはいけないわ。 ここは王さまの寝所。神ならざる者…。いいえ。神だとしてもみだりに立ち入ってはいけない場所なのよ。」

    ──それはわかっているのだけど。 なぜ今自分がここにいるのかさえも分からない。

    そう伝えると、彼女は訝しげに顔をゆがめ

    「そうなの…。うーん。お父様が何かをしたのかしら? また会いたいとは思っていたけれど、さすがにこんな場所に連れてこようだなんて考えたことはなかったし…。」

    とアビゲイルは何かを思案している。

  • 59二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 06:34:20

    >>58続き

    ──また会えてうれしいよ。

    と、そう言おうとした瞬間だった。彼女に会えた喜び、そして安堵から少しだけ気を抜いてしまった。


    ──ッ!!!?

    消えかけていた眩暈と吐き気が再び襲ってくる。そういえばなぜ眩暈と吐き気があったんだっけ…?

    そうして、周りに目を向けかけた瞬間だった。


    「だめよ?マスター」


    耳元で声がする。そして同時に誰かに後ろから、頭と瞼をそっと抱きすくめられた。だが、声の主は自分の前にいるはずだ。


    「危ないところだったわ。ありがとう。夏の私」

    「うふふ。どういたしまして。遠いどこかの私」

    「名残惜しいけれど、座長さんをこの場にとどまらせるわけにはいかないわ」

    「そうよね。ここはとっても恐ろしい場所だわ」

    「だから…。」

    「ええ。私がきっと、マスターを連れて帰るわ」


    視界が暗闇に閉ざされ、音も彼女たちの声しか聞こえない。

    もはや彼女がいまどこに立っているのかさえも定かでしかないが、どうしても言わなければならないことがあった。


    ──アビー!!

    後ろと前から、驚いたような気配がした。


    ──また会えてよかった!そして、また会いたいな!それまで元気でね!!

    「……。ええ。再び星辰がそろうその時。きっと。」


    彼女は短い沈黙の後、少しだけ震える声で告げた。

    「マスターはいけない人ね。そうして、私たちを惑わすのですもの。」

  • 60二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 15:07:48

  • 61二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 17:36:21

    バレンタインのお返しにそれを渡された時は、そりゃひっくり返ったものだ。チョコひとつに大感激したと思ったら、宿敵を討った矢を渡してくるとかどういうことなの? と。

    彼の異名は「授かりの英雄」だ。
    それなら贈り物なんて珍しいことでもないだろうし、彼はチョコより凄いものを山ほど持っている。
    スマートに感謝を述べられて、従者として頭を下げられて、サクッとおしまいだと踏んでいたのに!
    「チョコ……レート……ですと……!? この……私に……?」
    なのにまさか、そんな顔をされるとは。
    「私は……そのような好意を戴けるほどの存在なのでしょうか!?」
    普段より随分と上擦った声が、よく記憶に残っている。
    ──あれ? 君は、そういう好意を授かり続けて来た人じゃなかったの?

    気がつくと私の手元には、彼の「後悔」が残されていた。預かっていてほしい、と渡されたそれが。
    丁寧に保存されてきたのだと分かる、宿敵を討った矢が!

    今思えば、彼の動揺具合は何となく分かる。
    彼は、期待とか打算無しに贈り物を渡されたことが少ないんだろう。
    神の弓や無数の財宝、とかく多くの栄光と賞賛を授かってきた人生だった。
    とても輝かしいものに思えるけど、それは責任と同義。つまり彼は、山ほどの責任を持っている。
    道端で咲いていた綺麗な花とか、ただの贈り物としての菓子だとかは彼には馴染みのないもので。多分、彼からしたらその方がよっぽど嬉しいんだ。

    「ねえアルジュナ! 今年もチョコ食べるでしょー!」
    廊下を歩く彼を呼びとめる。
    「ええ、無論いただきます。味は素朴でシンプルですが、だからこそ貴女らしいと感じられるのが良い」
    「はー!? 去年より格段に美味しくなりましたぁー!! ちょっとは味も複雑になってますぅー!!」
    彼は、それは楽しみです、なんてくすくす上品に笑って……ふっ、と真剣な顔に戻り声をひそめた。つられて、こちらも居住まいを正す。

    「……失礼を承知で、問うのですが」
    「はい」

  • 62二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 17:44:39

    「例の矢は、変わらず貴女の部屋に在りますか?」
    それは彼の汚点、後悔の象徴。正しい英雄の中にある、醜い悪心の存在を証明するもの。
    彼が仕組んだ訳では無いにしろ、呪いにより動きを縛られた宿敵を討ったことは……深い後悔として影を落としているんだろう。

    けど、彼の深層に触れた今の私には、別の視点があった。
    「あー、あれですか」
    あの矢は同時に、彼が「ごく普通の人間である」ことの証明でもあるんだ。だって彼の言う悪心って、嫉妬や怒りのこと。期待とかキツいなって思うこと。そういうので、心が乱されること。
    それって、人間なら誰だって持つ感情でしょ? それの存在も否定したら、人間の彼は苦しすぎるんじゃないかな。

    この矢は言うなれば、彼の人間味だ。彼が人間でなければ、この矢は生まれなかった。いけないと思いながらも、激情のまま放たれた矢。
    これを捨てなかったから、無かったことにしなかったから。死ぬまで彼は人間でいられたんじゃないかな、なんて思ったりする。
    「あるあるめっちゃある。机の上とかに」
    「机の上とかに」
    「チョコ食べるついでにおいでよ、一緒に綿棒とかで掃除しよ。私だけだと壊しちゃいそうで怖くてさー」
    「あ……あれを机の上に? 無造作に? しかも綿棒で掃除? ……あははっ、なんて方だ、信じられない!」
    呆れたというよりは、いい感じに肩の力が抜けた的な。
    普段の取り繕いも投げ捨てて、彼は声を上げて笑った。なんの重荷もない普通の人間みたいに、口を開けて楽しそうに!
    「こんな大切なもの、捨てたりなんかしませーん。けど、大層なモノだからって丁寧丁寧丁寧に仕舞い込んだりもしないよ!」
    「成程、何かお考えがあるのですね? いやしかし、机の上か……」
    私は、あれはその辺にあるのがいいって思ってるんだもん。もちろん雑に扱うってことじゃないよ、普通に置いとくってだけだ。
    「さてマスター。仕切り直します! 先程のお誘いへの回答ですが」
    「はい。はいはーい?」
    「……喜んで伺います。ではまた、バレンタイン前夜に。二人きりで」
    …………あ。本当に彼は、楽しそうに笑うことが多くなった。

    「あ。チョコ食べたら危ないから、猿は連れてきちゃダメだからね!」
    「二人きりと言いましたよね!?」


    アルジュナのバレンタインをフルボイスで聞くと大変なことになるのでぜひみんなも聞いてみてね!何だその可愛い声は!!

  • 63二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 01:22:26

    保守

  • 64二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 08:41:54

  • 65二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 19:40:30

  • 66二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 19:50:26

    出られないのでひたすらみんなの推しの話を読むだけの作業をしている

  • 67二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 21:01:36

    『辛口同盟』1/3
    言峰綺礼、アルジュナ・オルタ

    今日の夕食は少々、否、かなり目を覆いたくなる光景だった。
    「こちらは私の好物なのだが、如何かな?」
    「……とっても美味しいです」
    レンゲを手にした青年の口許が、ふわりと綻んだ。世辞の含まれない素朴な頬笑みが、男の問いかけに対する答えだった。
    食卓を囲んでいるのは、最近召喚されたばかりの神父、言峰綺礼と、頭に青い角を頂くアルジュナである。
    二人が食べているのは、香辛料の赤と、角切りにされた豆腐の白の対比が目を引く、メジャーな中華料理の一種、麻婆豆腐である。
    一見すると同じものを口にし、美味を共有し合う和やかな光景……なのだが、彼らを除く周囲の者達は顔に苦悶を滲ませていた。

  • 68二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 21:03:58

    『辛口同盟』2/3
    ある者は咳き込み、またある者は涙を流し、厨房の者達は皆、マスクとゴーグルを装着している。
    「口にあったのであれば僥倖、何せ『この料理』は、万人受けするものではないからな」
    「?……ああ、なるほど」
    アルジュナは一瞬驚いたが、自らと他者の“相違点”を思い出し、直ぐに意味を理解したようだ。神父の言う通りそれは万人に好まれるものではない……どころか、“食することが可能な者が数えるほどしかいない”代物である。
    なぜなら、その麻婆豆腐は一言で言えば『非常識という言葉すら生温い超激辛料理』だからだ。
    「こちらを好む人を、貴方は他に何人ほどご存じでしょう?」
    「アムールと、宇津見エリセという少女がいるな。

  • 69二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 21:06:05

    『辛口同盟』3/3

    それから、特別好んでいるかは知らぬが、“壊れている”方の弓兵エミヤが平然と食しているところを見たことがある。……これは私からの提案なのだが、今度“激辛同好食事会”など開催しようかと思案中なのだが?」
    神父の一言に辺りがどよめき、次いで息を飲む音が響く。
    「お誘いはとても有り難いのですが、遠慮させていただきます。私達の都合で皆さんを危険に曝すのは、ちょっと」
    彼の答えの直後に響いたのは、今度は安堵の溜め息の音。
    「そうか。ならば私はその選択を尊重するとしよう。君に参加を強いる権利は此方にがないからな」
    落胆する神父をよそに、傍観していた青い槍兵と金髪の幼い少年はアルジュナにグッドサインを送っていた。

  • 70二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 21:06:16

    もう書いて投稿している奴は駄目ですか!?

  • 71二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 01:06:00

    >>70

    >>1にあるが外部もOKらしいぞ


    あにまん民にバレるリスクを許容できるならだが

  • 72二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 01:21:24

    >>71

    つまりかつてあにまん掲示板内に投稿したssを載せるのはOK?

  • 73二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 01:58:33

    「マスターに触れてみてもいいだろうか」
    マイルームにていつもの雑談中のこと。
    ジークからの突然の申し出に彼は驚きで目を丸める。
    しかし控え目で我がまだ薄めなジークからの希少な希少なお願いなのだ。断れるわけもない。肌を貸すくらいならいくらでもだ。
    「いいよ。手と顔。どっちがいい?」
    「……そう、だな。まず手を、いいだろうか」
    「どうぞ」
    特に嫌がられる素振りもない彼の様子に安堵を浮かべるも、差し出される手をなぞる指は非常にこわごわとしていてくすぐったい。
    いつも繋いで歩いている手を触れてなんの面白みがあるのだろう。
    そう思えど何かを思案するかのような瞳の輝きで彼の手をなぞり続けている姿は微笑ましく止める気にはなれなかった。
    「顔、も……、いいだろうか」
    「どうぞ」
    「それじゃあ」
    「ん……」
    ジークの両手で優しく両頬が包まれる。ジークの赤の両目いっぱいに彼の青の瞳が映し出される。
    物静かなジークには、自分はどう見えているのだろう。きっとそれは最後まで分かることはない気がする。けれど、その澄んだ赤に恥じぬ自分でありたいと思った。
    「…………うん。ありがとうマスター。マスターの暖かさを俺はこれからも守っていきたい」
    「ありがとうジーク。出来ることは少ないオレだけど、よろしくね」
    「そんなことはないさ。マスターは強い人だ」
    微笑みあって手が離れる。
    この何でもない身近な時間でジークとしては得るものがあったらしいのはとても喜ばしいと思った。
    けれどその心落ち着くぬくもりが離れてしまったのはやはり寂しいものがあった。

  • 74123/01/17(火) 02:09:57
  • 75二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 11:32:56

    お題指定がないのは助かるとも言えるし助からないともいえる
    自由に書けるから楽って人も居るだろうし

  • 76二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 21:11:57

    別の掲示板で即興で書いた十五夜話

    「見ろよマスター!月がすげー綺麗だぜ!」
    言われて空を見上げれば確かに月が大きく煌々としていた。ああ、そういえばここはそういう時期か。団子が食べたくなってきた。帰ったらエミヤあたりが作っていないだろうか。都合が良すぎる他力本願だろうか。
    ぼんやりと雑多に思考が漂う隣でシャルルマーニュは変わらず「綺麗綺麗」と目を輝かせて喜んでいる。そういえば彼は月から来たのだったっけ。
    「皆元気にしてるかなー?まあ向こうで知り合った顔は大体こっちにもいる気がするけど。むしろ俺が遅すぎた?あいつももっと上手くやれなかったのかねえ」
    郷愁。だろうか。目まぐるしく横顔を眺めて自分の中になんとかあった多分近い言葉を絞り出す。
    彼が初めて召還された場所。彼がサーヴァントとして形作られた場所。サーヴァントとして不慣れな彼の手を取り支えてくれた仲間たちがいた場所。
    しかし。しかしと思うのだ。
    その月は、今見上げている月ではないのだ。
    今この世界のこの時代の月にそんな高度な施設などありはしない。人だってうさぎだっていはしない。ただの石の塊だ。自分にとっては当たり前のことだが嬉々と見上げる彼を見ていると胸が痛くなるほど申し訳なくなる。
    けれど、そんな彼の想いひとつで世界は繋がっているのだとしたら。
    それはきっと、素敵なことなのだ。
    「せっかくだから少し遠回りする?あっちの公園ぐるっとするくらい」
    「んーーー、マスターが遅れちゃ心配するんじゃないか?」
    「大丈夫だよ。シャルルが一緒なのは皆知ってるから」
    「いや…………んーーー……、ま、いっか。マスターがそう言うのなら。お言葉に甘えるぜ。ぐるっと眺めていこう」
    「決まり」
    笑って頷き踵を返し、あとは真っ直ぐ帰るだけだったはずの道をふたりで右折した。

  • 77二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 23:53:02
  • 78二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 11:26:21

    あげ

  • 79二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 19:00:29

    保守

  • 80二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 19:40:29

    ずいぶんと奇怪な特異点があったものだと思う。
    ビルの屋上から下層の異様な景色を見て、綱は1人思考した。隣には主である少年が1人。綱はレイシフト部隊に抜擢され、護衛のためここにいる。
    「綱さんがうちに来た途端、この世の鬼とつくものが全部鬼エネミー化しちゃう特異点が見つかるなんて!」
    「なんというか、申し訳ない」
    あまりにも出来すぎた遭遇に思わず謝罪の言葉が口をついて出る。だがマスターの少年は笑って、
    「いいよそんなの、だって綱さんが居なかったらもっと苦労してたと思うしね」
    と言った。少年は中々肝が座っていた。
    偵察隊との集合の場所を目指し、ビルの階段を3段飛ばしで降りる。
    「それにしても鬼瓦に鬼餅に鬼まんじゅう鬼しじみ…鬼のつく食べ物多くない?」
    「鬼氷…?氷菓の1種だろうか…」
    などと会話をしながら移動をしていると、まるで兄弟にでもなったようで。ここには来ていない弟分を思い出しながら綱はそっと笑みを浮かべた。
    「もしかしたら酒呑や茨木もいるかもね」
    という己の主の不穏な言葉に耳を傾けながら。

  • 81二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 01:16:10

    あげ

  • 82二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 01:21:19

    現パロ、学パロあり?

  • 83二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 01:31:50

    「ねえねえマスター!」
    不意に呼び止められて振り向くと、甘い香りを漂わせた王妃が、可憐なティーセットと共にこちらに微笑みかけていた。
    「……マリー」
    「今ってお暇かしら? 良ければ一緒にお茶しませんこと? これから丁度アマデウスと」
    「ごめんね、これから戦術の訓練があるから」
    眩しい笑顔に耐えきれず目をそらす。マリーはどこまでも愛らしい表情のまま、「あらそう?」とどこか悲しげに言って立ち去っていった。

    マリーが、嫌いだ。
    でも、右も左も分からない頃にマリーと出会った頃は本当に楽しかったのだ。優美なティーセットでするお茶会は自分まで高貴な身分になれた気がしたし、何よりもマリー本人の可憐さとその高潔さに憧れた。その憧れの存在と同じ卓でティータイムをするひと時を大切にしていたし、愛していた。

    だけど戦いが激しくなっていき、私はどんどん憧れから遠ざかっていった。食べるものも適当、敵に警戒しながらの野宿、それらが髪や肌に与える影響なんて分かりきったもので。どんなに可愛くなくなっても生きてさえいれば、にすり替えられていく価値観。そうして擦れていったボロボロの私は、眩しすぎるマリーを見られなくなってしまった。
    お淑やか故に無駄ともとれる所作。無邪気で、誰かに騙されるなんて微塵も考えていなさそうな性格。傷1つついていない肌や髪。

    彼女は昔と相変わらずお茶会に誘ってくれる。今の私が汚さにコンプレックスがあるのを察して、お気に入りのバスグッズをくれたこともあった。それでも、マリーが優しいのは私が選ばれたからじゃないと段々理解していくにつれ、その優しさが痛くてどうしようもなくなってしまった。
    だから、マリーが嫌い。
    ひねくれきった憧れを払い除けるように首を振って、私はシミュレータに急いだ。

    女マスター×マリー

  • 84二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 12:51:09

    このレスは削除されています

  • 85二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 12:51:42

    このレスは削除されています

  • 86二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 12:54:05

    ●SS作品目次(>>32まで)

    >>4 メリュジーヌSS

    >>7 謎のヒロインXオルタSS

    >>8 クロエ・フォン・アインツベルンSS

    >>10 除福SS

    >>12 エミヤSS

    >>14 織田信長(魔王信長?)SS

    >>15 宇津見エリセSS

    >>16 エルキドゥSS

    >>17 殺生院キアラSS

    >>19 超人オリオンSS

    >>20 クリュティエ=ヴァン・ゴッホSS

    >>22 大いなる石像神SS

    >>24 ラーマSS

    >>25 源頼光SS

    >>26 メディア(?)SS

    >>28 ヘシアン・ロボ

    >>32 謎のヒロインXSS


    ●怪しい描写ありのSS作品目次(個人の主観なので違ってたら申し訳ない)

    >>6 スーパーバニヤンSS(R15)

  • 87二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 22:26:25

    助かる

  • 88二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 22:42:17

    「お帰りなさいませご主人様♡お風呂になさいますか?それともお食事?…もしくはぁ〜わ・た・く・し?」
    帰宅1番にキャスターが言う。いや、今一緒にアリーナ探索から帰ってきたところでしょ
    「あぁ〜んご主人様のいけずぅ…それで結局、どれになさいますか!?」
    いや、疲れたし寝たいんだけど
    「そんな、嬉しい!本当に私を選んでくださるんですね!」
    いやだから睡眠を…
    「このキャスター!ご主人様の為ならば、誠心誠意ご奉仕いたしますぅ!」
    だから話を聞いて…いや、もういいや、そっちがその気ならこっちもその気になるまでだ

    玉藻エミュがキツすぎて草。この後考えるとキャラ崩壊がヤバいわ

  • 89二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 00:53:45

    本日は最近召喚された疑似サーヴァントの神父、言峰綺礼が店員を勤める、カルデアに設置された購買部。
    この日の客は、細身で白い髪の青年が一人。
    「神父、いや、今は店員か。このロールケーキとアイスクリームと、ポテトチップスを頼む」
    「温めますか?」
    「不要だ」
    そうやり取りしながら支払いとバーコード読み込みが行われる。青年の美貌と店員の服装、彼らの少々おかしな会話を除けば、何の変鉄もない日常風景。
    しかし用件が済んだ筈の青年、カルナが、なぜか怪訝そうな表情で神父を見つめていた。
    「……。……」
    「私の顔に何かついているかね?」
    「……以前にもどこかで会ったか?」
    「私にそのような記憶はないが……」
    「そうか。妙なことを言った自覚はある。忘れて欲しい」
    それを最後に言い残すとカルナは静かに帰っていく。
    また別の日の同じ店で、同じように言峰が店員を勤めていた。今日の客は恰幅のよさと象の帽子が目を引く女性、ガネーシャだ。
    「ロールケーキ一つオナシャス……あーッ! 月で店員やってた神父さん、こっちでも店員やってるんッスね……」
    「はて?お嬢さん、我々は初対面の筈だが?」
    「あ、えっと、人違いッス、すんません……サヨナラ~……」
    気まずさを覚えたのか、ガネーシャは会計を済ませるとそそくさと去っていった。
    「……フフッ、まったく、ここは退屈せんな」
    直近の客とのやり取りを思い出し、自然と笑みが溢れる。どうやらよその世界の自分は、随分と愉快な縁を結んでいるようだ。

  • 90二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 10:03:45

    帰ったらなんか書くからー!

  • 91二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 18:48:34

    あげ

  • 92二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 00:25:22

    マスターぐだ子と弟ショタぐだ男

    ダヴィンチちゃんが急遽仕立ててくれたちょっと大きめなカルデア制服を着た黒髪の少年がカルデアの廊下を歩いていく。
    年の頃は5か6か。本来はこのような施設には絶対にいないような大きさの子供である。
    そんな少年が何故いるのか。それはまあ、事故のようなものだ。
    ぱたぱたとせわしなく歩いていく少年が到着したのは医務室前。そのドアの横でしゃがんで膝に手を置きちょこんと待機する。その中で何をしているのかは自分も受けているから知っている。だから騒いで邪魔をしてはならないとおとなしくしているのだ。
    「おや、チビ君。立香ちゃんのお迎えかい?」
    「ドクター!」
    ドアが開き向けられる柔和な微笑みに少年は顔を輝かせる。ロマニが出てきたということは、検査が終わったということだ。
    「詳しいことは後になるけどお姉ちゃんは大丈夫だよ。元気元気」
    「おねーちゃん!」
    「はいはいいますから騒がないの」
    「おねーちゃん!」
    年の割りには幼い語感で跳ねる少年に呆れた声で赤毛の少女が現れる。年の頃は10の半ばか。またうるさいのの世話をしなきゃならんとため息をつきつつも少年が求めるように抱きしめる頃には穏やかな笑みを浮かべるようになる。
    それは年頃の少女とは随分とかけ離れた親のような慈愛に満ちていた。
    しかし、それに反して少女を抱きつく少年の腕や身体はか細く震えていた。
    「おねーちゃんいないの、いちばんこわい」
    「大丈夫」
    「おねーちゃん……」
    彼女がオルレアンから帰還してからは少年はずっとこうだ。
    邪魔をしないという約束で管制室の隅に席をもらい、大好きな姉が恐ろしいものに追われ戦い傷ついていく姿へのショックは計り知れないものであった。
    泣きじゃくりながら出迎え飛び付き元よりどこにでも付いて行きたがる甘えっ子は更に甘えるようになり、それをうざったく思うところもありつつもそういう弟がいたからこそ自分は今も自分であれるのだという気持ちもあり。
    こういうのって共依存って言うんだっけ?
    平和な時期にネットかテレビかどこかで見たような言葉が頭をよぎる。
    「さーて。お腹すいちゃった。食堂行こっか。何食べたい?」
    「んー、カレー!」
    「じゃあ行こっか。それじゃあドクター」
    「うん。ごゆっくり」
    二人で手を振り医務室を後にする。
    それにロマニは手を振り返し見送った後、一人複雑そうに頭を掻いた。

  • 93二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 00:25:45

    あ、ごめん!鯖出てないわ!

  • 94二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 05:14:45

    >>82

    構わない



    >>92

    >>93

    今回は特例として許しましょう

  • 95二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 08:08:30

    すまぬー

  • 96二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 11:03:14

    ●SS作品目次。第二段(>>61まで)

    >>33 ステンノ >>35 キャスター・アルトリア

    >>37 クリュティエ・ヴァン・ゴッホ

    >>39 シャルルマーニュ >>43 パールヴァティー

    >>45 フランケンシュタイン

    >>48 サンソン、アステリオス

    >>53 蘆谷道道 >>54 ヘクトール

    >>57 ハンス・クリスチャン・アンデルセン

    >>58 アビゲイル・ウィリアムズ

    >>61 アルジュナ

  • 97二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 11:25:24

     その日、酒吞童子はほんの気まぐれでカルデアの食堂に赴いていた。
     理由は特になし。しいて言えば酒の肴に適当なツマミを漁ろうと思ってのことだ。
     キッチンに立っていたのは赤い弓兵、酒吞童子が一つ声をかければ彼は手早く調理を初めた。
     ……立っていたのが源頼光であればここで一悶着もあったのだろうが、幸いなことに彼女は図書室の方に出向いているそうだ。

     ……ワイバーンの手羽先をポリポリ食べながら酒吞童子は酒を仰ぐ。
     とろんと高揚していく身体の熱。酒の酔い、その心地よさに酒吞童子は自然と高揚していく。
    「──酒吞! 見てくれ、この超特盛すぺしゃるぱふぇを! からめるにそふとくりぃむ、まかろんまでついている! さながら京の五重塔のようであるぞ!!」
     ……だから、この心地よさは酒のせいだろう。
     年頃の少女のように、大きな菓子に目を輝かせる茨木童子。
     そんな彼女を見つめて、酒吞童子は静かに微笑んだ──どのようにからかおうか、考えて。

     アマゾネスドットコムの酒吞童子と相性の良いリラクゼーション施設の一つにスイーツコーナーがあるんですよ。
     酒吞童子ってスイーツ好きって印象があまりなくて、理由を考えたらこうなりました。
     酒吞童子は子供のようにはしゃぐ茨木童子が好きなんだよ!! 
     さらに言えば汗水流す金時が好きだからトレーニングルームも通うんだよ!!
     アマゾネスドットコムはなぁ、キャラの趣向が見える神イベントなんだよ!!

  • 98二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 18:24:10

    シャドウボーダー内
    トテトテと歩く音が聞こえる。振り返ろうとした時腰辺りに緩い衝撃が走る。
    「おかあさん!」
    振り返ると腰にあどけない顔立ちの幼い少女が抱き付いていた。
    「ジャックどうしたの?」
    私は彼女を見ながら話しかける。
    「えっとね、ブーディカが呼んでたの!食堂だよ!」
    「そうなんだ、なら行こっか」
    「うん!」
    そう言って彼女と手を繋ぎ食堂に向かった。食堂の扉を開いたとたん、クラッカーの音が鳴った。
    「・・・え?」
    「「「お誕生日おめでとうマスター!」」」
    そこにはマシュが、清姫が、ブーディカが、そのた様々なサーヴァント、カルデアスタッフが勢揃いしていた。
    「誕生日?」
    「うん!今日はおかあさんの誕生日!」
    「あ、忘れてた」
    「そうなの?でもわたしたちは覚えてたよ!たんじょうびはお祝いするんだよね!」
    「・・・そうだね」
    思わず彼女の頭を撫でる。するとジャックは太陽のような笑顔を向けた。そのままトテトテとどこかに向かうジャック。すると私にブーディカが話しかけてきた。
    「実はね、今回のパーティーはあの子達が考えたんだ」
    「ジャックが?」
    「うん、カルデアから逃げてきて貴女の笑顔がめっきり減ったのを感じてたらしくてね。笑顔になってほしいんだって」
    「そうだったんだ。私・・・ジャックに気を遣わせちゃったのかな」
    「ま、今日くらいは英気を養わないと。何時までも気を張ってたら潰れちゃうよ」
    くしゃくしゃとブーディカは私の髪を撫でる。
    「うん、わかった」
    そう言ってマシュとジャックを探しにいった

  • 99二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 23:30:48

    >>96

    助かる

  • 100二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 10:32:34

    保守

  • 101二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 16:38:29

    あげ

  • 102二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 20:41:48

    自分の築き上げたものがうまく回ってくれて、眠っていても収益があることほどすばらしいこともないよね。
    え?その割にはいつも何かしら動き回っているように見える?
    あはは、そりゃあそうだとも!
    お金を稼ぐのは必要だからやっていることだけれど、牧場経営や妻たちの面倒を見るのは僕がやりたくてやっていることだからね!
    やりたいことをするために、やるべきことはどこまでも能率化して省エネ化する。お金も時間も体力も、リソースは常に有限だからね。マスターくんも覚えておくといい。
    ――じゃあ、俺と一緒に戦うのはどっち?
    おや?昼ドラでも見たのかい?なんちゃって。いやいや、わかっているよ。
    世界のために戦うのは僕のすべきことで、 きみのサーヴァントとして尽力しているのは僕のやりたいことさ。
    確かにあいつの顔を見られたのは僕にとって幸運だったけれど、別にそれが目的だったわけじゃないからね。
    言っただろ?僕たちは運命共同体だって。
    だからそのことで君が気負うことは何もないよ。
    ここに来たときから僕は君のサーヴァントで、君は僕のマスターだ。
    ――そう笑ったダビデは、たしかに"おじいさん"なん だな、と俺は思った。

オススメ

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