- 1◆TJ9qoWuqvA23/01/10(火) 20:39:52
「嫌いだよ」と言っていた。
これは君の。
……君と、僕らの物語だ。
君は牡馬だ。
父クワイトファインで、母父クライムカイザー。
臆病な性格だが丈夫な体を持って生まれた。
けど臆病さゆえにデビューは少し遅れて3歳。
芝1600mで2着に入ると、次走2400mの未勝利戦で勝ち上がった。
ダービー出走を目指して選んだプリンシパルSでは6着。
神戸新聞杯も勝ち上がれず、クラシックは未出走で終わった。
けど次走に選んだ古都Sで君は勝ち上がり、4歳になると万葉S、阪神大賞典と順当に勝ち進んでいった。
初めてのG1となった天皇賞・春は脚を捻って競争中止。
半年間の休養ののち、富士S・6着を挟んで出走したG1・マイルCSでは圧巻の先行押切勝ちで勝利を掴んだ。
そして5歳になっても君の勢いは落ちない。
阪神大賞典を連覇し、君はいよいよ、天皇賞・春へのリベンジへと挑む。
前スレ
https://bbs.animanch.com/board/1466751/?res=194
(スレ画はAI生成)
- 2◆TJ9qoWuqvA23/01/10(火) 20:42:23
(1スレで完結できずごめんなのだ。続きはこちらに投稿するのだ)
- 3二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 20:43:05
1スレと言わず何スレでもええんやで
- 4二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 20:43:22
まあ前スレは開始の父だれだよでゴタゴタしちゃったし、仕方ないね。全てはチャンス。
- 5二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 20:44:21
続き待ってるやで~
- 6二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 20:44:59
ちゃんと完結させてくれると信用してるのでもっと長くなってもいいのよ
- 7◆TJ9qoWuqvA23/01/10(火) 21:22:54
君は阪神大賞典を連覇した。
その勝ち方は鮮やかだった。
dice1d3=3 (3)
1:父方の祖父トウカイテイオーのような、身の弾む軽やかな走りで駆けて行き、内側のコーナーをロスなく綺麗に回った。この日は逃げ馬が2頭いたためハイペースで進み、全体的に縦長の展開。それすらもうまく利用して君は、スタミナ落ちした2頭を捉えて押し切ったんだ。
2:父方の曽祖父シンボリルドルフの天皇賞・春のような、直線の伸びが力強い足運びで君はレースを制した。僕が追い出す前からスパートの仕方を知っていたかのように、君は優雅に頭を突き出す。ゴール手前で、誰かが「ルドルフ」と叫んだ声が聞こえた。
3:母方の祖父クライムカイザーの日本ダービーのような、そんな勇猛果敢な走りを君は見せた。前で激闘する逃げ馬2頭の間にぐんと割り込むと、君に怯んだ2頭を置き去りにした。仕掛けどころを阻まれた2頭はもう君に追いつけない。君はそのままゴールした。
その着差はdice1d5=2 (2) 馬身差だった。
- 8◆TJ9qoWuqvA23/01/10(火) 21:25:48
帰ってきた君を、厩務員が抱きしめる。
僕も先生と調教助手にもみくちゃにされながら、それでも笑った。
嬉しかった。マイルCSの時も嬉しかったけれど、今日はさらに。
なぜか初めて、君と心を重ね合わせて勝ったような、そんな気がしたから。
その日、父と兄たちから携帯電話宛にメッセージが残っていた。
「連覇おめでとう」と、喜びに満ちたメッセージ。
彼らから何か送られてくる時、いつもは既読をつけるだけで、返信してもスタンプか、短いもののみ。
僕を気にかけてくれる彼らの言葉ひとつひとつが、前はすごく虚しかったから、そんな幼稚なことしかできなかった。
でも今日は違う。僕はキーボードを立ち上げ、指を遊ばせ、迷わせ、少しずつ文を打った。
そして消しては打ち直して、また消して。
繰り返して最後に送ったのは、「ありがとう」、の一文だった。 - 9二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 21:27:52
見た目も勝ち方も母父のクライムカイザーにそっくりだぁ‥
- 10◆TJ9qoWuqvA23/01/10(火) 21:29:11
それからさらに2ヶ月が経った。
5月。初夏の風が吹いて、京都競馬場は緑に包まれる。
美しいグリーングラスに、醒めるようなブルー。
1年前、ここでの苦々しい記憶が思い起こされる。
けど、今日それを拭い去るためにここに来た。
「1番人気だって」
今年の天皇賞・春には昨年の菊花賞馬も参戦する。
それに前年の天皇賞馬も。
それらを押し退けて、君が1番人気に推されていた。
誰もがきっと、君に夢を見ている。
果てのない夢の、その続きを。
ゲート前、君は軽く身体を揺らした。
僕の緊張が伝播して、君も落ち着きがなくなっていく。
だから僕は深く息を吸って、鞍上から君を抱きしめた。
「怖いよ、すごく。でも」
そう、怖いけれど、でも。
君と一緒にいる。君と一緒に立っている。君と、僕と。
だからもう大丈夫。大丈夫、走れるよ、僕らは。
「大丈夫」
君の震えはもう、収まっていた。
dice1d99=8 (8)
(1以上で勝利)
- 11二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 21:30:15
危ねえ…
- 12二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 21:30:26
確定演出で助かった!
- 13二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 21:32:48
接戦だな
- 14二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 21:33:14
そりゃこんな長距離巧者はマークされるよな・・・プボくんだって警戒されるんだもの。
- 15二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 21:35:16
- 16二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 21:36:44
褪せた瞳・・・?やはり王になる運命であったか・・・(フロム民
- 17二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 21:39:40
このレスは削除されています
- 18◆TJ9qoWuqvA23/01/10(火) 21:53:15
このレースで君は
dice1d3=3 (3)
1:初めて逃げた
2:いつも通り番手につけた
3:後方からレースを進めた
その君のすぐそば。
昨年の天皇賞馬で、君と同世代の皐月賞・菊花賞の二冠馬──がしっかりと追随してくる。
レース前の会見から僕らをマークすると宣言していた、その通りの競馬。
相変わらず有言実行の人だな、dice1d2=1 (1) (1:父さん/2:兄さん)は。
君は結構苛立っていた。ここまで露骨にマークされたのは初めてだったからだ。
これがマイルCSのような1600mだったらそこまでストレスにはならなかったかもしれない。
でもこれは3200mの長距離。
徐々に苛立ちと共に恐怖が迫り上がってきたのか、君の脚運びがふらつき始めた。
僕は君がなるべくその馬を気にしないよう外に出す。
内に寄せてラチと挟まれては抜け出しようがない。
幸い君にはスタミナがあって、また息も長い方だ。
後ろをぴたりとついてくる馬の気配を感じながら、君は確かな足で走り続けていた。
- 19二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 22:02:31
大人しくポツンしててくれおとっつぁん・・・
父「私はポツンにはならないさ・・・」 - 20二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 22:11:21
ガッツリマークするってことは、親父さんが主人公騎手を警戒すべき相手と認めてるってことなんだよなぁ……
- 21◆TJ9qoWuqvA23/01/10(火) 22:17:51
君が前を向いたのはラスト400mの地点。
いつもは先行する君が後方から上がってきた時、にわかに競馬場がどよめいたような気がする。
僕は君の鞍上にいるから全てを把握できたわけじゃない。
けど、僕らより前にいた馬たちが動揺していたことだけは、はっきりとわかった。
追い上げる君は脚を止めない。
ぐん、ぐん。ぐんぐんと頭を伸ばし、首を伸ばし、脚を伸ばし。
君はついに先頭の馬を捉え切った。
でもそれは君だけじゃない。
ずっと君をマークしていた馬も同じだ。
スッと真横から影が伸びる。手綱越しに君が動揺しているのがわかる。
でも僕は鞭を振るった。ここで止まるなと頭を押した。
止まれないのだ君は。そして僕も。
最後は君とその馬のデッドヒート。
僕は真横を走る馬の鞍上、父さんをちらりと見ながら、悔しさに歯軋りした。
ああ、本当に上手い人だ。
憎たらしいほどの才能。
僕には残してくれなかった。
いつだって胸の奥のわだかまりは消えないまま、でも、それも今日までだと君に誓った。
僕だってもう立ち止まれない。
立ち止まって、諦めて、仕方ないのだと言えない。
「覚悟なんだ、これは、僕の!」
君と一緒に変わっていく。
君と一緒に乗り越えていく。
僕はもう、天才騎手の息子じゃない、弟じゃない。
僕の名前は「息子くん」でも「弟くん」でもないから。
鞭がしなる。君が脚を回す。ラスト200m。
互いの肩がぶつかりそうになるほどの接戦の先で、君はゴール板を踏み鳴らした。 - 22◆TJ9qoWuqvA23/01/10(火) 22:18:10
「春の淀に春疾風! 祖父ルドルフの制覇から約40年! ついに繋いだ繋がった! 君は── キミハカゼ!」
- 23二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 22:19:28
(水差して申し訳ないがルドルフは祖父の父です…)
- 24◆TJ9qoWuqvA23/01/10(火) 22:20:34
(普通に打ち間違えたのだ。穴があったら入りたいのだ)
- 25二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 22:21:41
息子とG1の舞台で叩き合いとか
お父ちゃん横で絶頂してるだろこんなん - 26二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 22:23:32
なんなら実況が興奮しすぎて間違えたってことにしてもいい
- 27二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 22:23:56
騎手くんが自分は天才の息子って名前じゃないってモノローグした後に牡馬くんの競走馬名を出す演出が天才すぎるんよ……!そうだよなあ、牡馬くんもずっと「クワイトファイン産駒」「トウカイテイオーの孫」呼びだったんだもんなあ!
キミハカゼ!!!! - 28二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 22:25:45
- 29二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 22:27:03
キミハカゼ、良い名前だ……
- 30二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 22:27:18
何気に今までの架空馬の中で初めて名前ついたのでは?キミハカゼくん!
春天制覇おめでとう…おめでとう……! - 31二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 22:27:44
マックイーンにボコシメられた祖父以来の期待馬といえばそうだから…
- 32二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 22:29:06
もしかしてだけど、騎手くんの「君」ってもしかして「キミハカゼ」くんの「キミ」だったのでは・・?
ボブは訝しんだ - 33◆TJ9qoWuqvA23/01/10(火) 22:41:06
天皇賞・春は君が勝った。
2着馬とはハナ差決着だ。
荒い息を吐く馬たちの鞍上で、父さんだけは何故か涼しそうな顔をしていた。
「おめでとう」
差し出された手を、握り返すか、無視するか。
多分前だったら素直には握り返せなかった。
けど今日はできる。今日からはできる。
「強くなったな」
「……ありがとう」
父さんは暖かい目で僕を見ていた。
多分僕は気づいていなかっただけで、ずっとこんな目で僕を見ていたのだ。
どこまでも優しく、暖かい目で、ずっと、ずっと。
「そういえばさっき実況が『祖父ルドルフ』って叫んでたけど」
「この子はルドルフの曾孫だよ」
「だよなあ。……後でからかってやろ」
「やめてよ父さん、大人気ないよ」
もう五十路なのに茶目っ気たっぷりにウインクを返される。
父さんには昔から憧れているけど、こればっかりは嫌だ。
だから影で「心だけ少年」って言われてるんだよ。教えないけど。
僕がふっと笑うと、君も釣られたように身体を揺らした。 - 34◆TJ9qoWuqvA23/01/10(火) 22:45:32
僕らが戻ってくると、視線が噛み合った先生がものすごい勢いで走ってくる。
君はそのとんでもない形相に驚いて固まっていた。
そんな僕らの前で先生はぴたりと動きを止めると、しばらく何も言わなかった。
思わず「先生?」と呼びかけると、その目からポロリ、一筋だけ涙を流して、口を開いた。
「>>36
- 35二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 22:45:41
このレスは削除されています
- 36二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 22:46:12
ありがとう
- 37二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 22:51:03
このレスは削除されています
- 38◆TJ9qoWuqvA23/01/10(火) 22:51:45
「ありがとう」
風が喋ったのかと思った。
そう思うくらい自然にまろびでて、辺りに浸透する。
先生は僕から目をそらさなかった。
潤んだまま、瞬きもせずに僕を見た。
どうしてか僕は、それまで一切泣きたい気分じゃなかったのに。
ポロッと落ちたらもう、止まらなかった。
「先生」
先生、先生、先生。
ありがとうはこっちのセリフですよ、先生。
こんな、騎手10年近くやって重賞勝ち一つもない僕を、ずっとずっと見捨てずにいてくれた。
馬を回して、乗ってみろって、ずっと。
大敗したらちゃんと叱ってくれた。甘やかされた訳ではなかったけど、ずっと守ってくれていた。
尽きない感謝の言葉に代わって、涙が溢れ出す。
嗚咽の混じった呼びかけに、先生は黙ったまま、何度も頷いてくれた。
僕が泣き止むまで、何度も。 - 39◆TJ9qoWuqvA23/01/10(火) 22:55:50
オーナーは入院先の病院から電話してくれた。
テレビで見ていたこと。
君の走りに感動したこと。
僕の今までの騎乗の中で特に素晴らしかったこと。
その一つ一つに返事をしてから、僕は、これまでの感謝を余すことなく伝えた。
先生と同じだ。オーナーも僕を見捨てず、ここまで面倒を見てくれた。
素質馬だってたくさん回してくれた。きっと僕が乗っていなければ大成しただろう馬も。
申し訳ないという気持ちと共に、ただ深い感謝の念が滲む。
この人がいなかったら僕はここにいない。君とも出会えていなかった。
こんなに熱く、こんなに優しく、こんなに愛おしい気持ちを知ることも。
「オーナーと出会えたことが、僕の人生の最良です」
そういうとオーナーは、「あと50年生きてから言いなさい」と、か細い声で言った。 - 40#12323/01/10(火) 23:09:20
あれから数日が過ぎた。
君も僕も毎日のように押し寄せる取材を躱しながら、久しぶりのリラックスタイム。
……とは行かず、次走の作戦会議だ。
これまで重賞は阪神大賞典を連覇、マイルCSと天皇賞・春の合計4勝。
これだけでも十分に名馬と言える戦績だと思う。
調教助手から「ここだけの話」として聞いたところによると、君には種牡馬入りの話も出ているらしい。
そうか、君もいつかは引退するのか。
そんな当たり前のことを改めて思い知らされた。
きっと僕らが一緒に走れる機会はそう多くないだろう。
ならその限られた日々を思いっきり楽しもう。
いつか心が折れそうになった時、思い出せるように。
「──、聞いてるか?」
「……ああ、はい。聞いてます。次走ですよね」
「そう。その次走なんだけど、オーナーとも相談した結果、>>42
- 41二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 23:10:11
ksk
- 42二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 23:10:39
宝塚記念
- 43二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 23:17:57
投票1位はほぼ確実かな
- 44二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 23:18:55
オーナー長生きしろよ
大丈夫か…… - 45◆TJ9qoWuqvA23/01/10(火) 23:19:42
「そう。その次走なんだけど、オーナーとも相談した結果、宝塚記念に出すことにした」
宝塚記念は2200mだ。
これまでの君の勝ち鞍から見ても狙える距離だと思う。
何より先生は「こいつは3200mと1600m勝ってるから、まあ行けるよなあ」と前向きだ。
「正直、3200mから1600mに短縮するよりも現実的っすよね」
「俺が非現実的なローテしたみたいに言うな」
「え、違うんすか?」
「なんだとテメェ! 1600mは3200mの半分なんだから実質長距離だろうがよ!」
「いや、そうはなんねーっすよ」
先生と調教助手を戯れ合いを見つつ僕は笑った。
口には出さなかったが、僕はどちらかといえば調教助手派だ。
いくら脚のためとはいえ、3200mの半分の距離に出すと言われたら困惑する。
結果として勝てたからよかったものの、これで大敗したら目も当てられない惨状だっただろう。
終わったことなのに胃がキリキリと痛んできた。
……うん、それに比べるとやっぱり宝塚記念の方が現実的だ。
それに天皇賞・春から宝塚記念のローテを組む馬はメジャーだからな。
おかしくはない。
一人で勝手に納得して頷いた。近くの厩舎からも、同意するような嘶きが聞こえた。 - 46二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 23:22:22
マイルチャンピオンシップ勝ってるからただのステイヤーじゃなくてスピードもあるのが強い
- 47二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 23:23:01
マイルCSは長距離だった…?
- 48二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 23:23:35
3階級制覇したらJRAちゃんがオグリ並みに脳焼かれそう
- 49二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 23:24:27
なお勝利が確定しているのはマイルと天春だけ
つまり宝塚記念は確定していないのである! - 50二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 23:30:17
- 51二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 23:39:19
祖 父 の 血
- 52◆TJ9qoWuqvA23/01/10(火) 23:41:49
6月。天皇賞・春に挑んだ時よりも暑さが増した。
君が夏に競馬を走ったのは3歳の時以来だ。
じわりと汗が浮き出ていたが、歩様はしっかりとしていて飼い葉食いもいい。
ただ、春の中長距離路線を締めくくるグランプリレースだからか、いつも以上に観客が多く、その音には怯えているようだ。
耳カバーをしっかりと付け直し、君はなんとかパドックに出てきた。
「今日は特別気合いを入れる日だよ」
そっと声をかけた。
君は相変わらず返事をしない。けど、今日は本当に、いつも以上に気合を入れて貰わなければならない日だ。
宝塚記念が開催される今日という良き日。
オーナーは手術を受けることになっていた。
重病で入院中のオーナーだったが、前々から手術することは決まっていて、その日程だけが未定だった。
でも君が宝塚記念の人気投票でdice1d3=3 (3) 位にランクインして、距離も合うことから出走が決まった時。
この晴れの舞台を手術日にすることをオーナーが決めた。
「どうせやるなら、期待に胸を躍らせたままでいたい」
そう語っていたオーナーのためにも、ここは勝ちたい。
勝って、オーナーが目覚めた時、幸せな気持ちになってもらいたい。
「……さあ、行こうか」
鼻息を鳴らした君がゲートに収まる。
カウントダウンは始まって、ゼロになるその瞬間。
君は大地を蹴り上げた。
dice1d99=46 (46)
(55以上で勝利/25以下で【君はきっと別れ際】イベント)
- 53二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 23:43:20
ううーーーん惜しい。。。
- 54二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 23:44:21
普通に中距離にもっと強いやつがいた感じか?
- 55二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 23:44:27
【君はきっと別れ際】イベントってなんだ
【君はきっと別れ際】イベントってなんだ
【君はきっと別れ際】イベントってなんだほんとなんだ大丈夫なのかほんとに
25以下じゃなくてセーフだったんだよな?そうだよな? - 56二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 23:45:10
これは・・・同世代か昨年度のダービー馬に騎乗したお兄さんが最後に差したか?
やっぱりクラシックディスタンス強者は怖いっすね・・・ - 57二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 23:45:24
まだあとひとつどこか取るはずなので永遠にお別れということはないはず…
- 58二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 23:45:55
ジャパンカップ取りたいなあ
- 59◆TJ9qoWuqvA23/01/10(火) 23:47:27
宝塚記念を制したのは
dice1d3=2 (2)
1:君と同世代のダービー馬(牝馬)
2:君の1つ下の世代のダービー馬
3:君と同世代のプリンシパルS覇者(母父ルドルフ)
- 60二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 23:56:47
ダービー牝馬とは今のところすれ違いっぱなしなんだろうか
- 61二次元好きの匿名さん23/01/10(火) 23:58:48
- 62◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 00:01:41
今年の宝塚記念を勝った1つ下のダービー馬は
dice1d3=2 (2)
1:君と同世代のダービー馬の弟だ
2:母の父メジロマックイーンだ
3:セリ価格6億円の高額馬だ
昨年の年度代表馬馬でもあり、主な勝ち鞍は
dice3d11=6 4 1 (11)
1:天皇賞・秋
2:ジャパンカップ
3:有馬記念
4:高松宮記念
5:大阪杯
6:安田記念
7:宝塚記念
8:スプリンターズS
9:フェブラリーS
10:ドバイC
11:ドバイSC
(被りの場合は基本的に下)
この馬が人気投票で第1位だった。1位に推されるのはそれなりの理由があるというわけだ。
だが君だって負けていなかった。道中は折り合いを付けて進められていたし、位置取りも問題なかったはずだ。
それでも敗因があるとすれば、昨年の富士S同様、スパートのタイミングの問題だろう。
3200mから1000mも縮めた。しかしそれが君に伝わっているわけもない。
僕が必死に前に押しても、君は「まだだろう」と言いたげになかなか前に進まなかったのが、その証拠だ。
「どこか叩いてから進むべきだったかもしれんなあ」
先生がそう言うので、僕もたまらず頷いた。
- 63二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 00:04:02
3階級制覇だ
- 64二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 00:04:29
中距離も勝てるスプリンターとか超名馬やんけ…
- 65二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 00:04:55
秋天・高松宮記念・安田・ダービー・・・これは強いマイラーだ、相当強いぞ。グランアレグリアなのにスタミナががある。
同時にとんでもねえ変態陣営だということだけは分かる。 - 66二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 00:05:32
我々「キミハカゼくん3階級制覇して」
我々「別の馬が3階級制覇しよった・・・」 - 67二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 00:06:11
長距離だけ勝ってないのか
- 68二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 00:06:49
だーびーもまいるなんですけど!
- 69二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 00:07:29
グランなアレグリアさんはお帰りください
- 70二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 00:09:09
長距離巧者かつマイルで通用するスピードを持つクワイトファイン産駒。
短距離・マイル・クラシックディスタンスと三階級制覇の母父メジロマックイーン。
これどこかで取り違えおこしてない?本当にその血統なんかこいつら? - 71二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 00:13:49
俺たちのキミハカゼにはまだG1が1勝残ってるから……ただどのレースで取るかは確定じゃないだけだから……
- 72◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 00:17:06
(眠いので今日はここらへんで失礼させていただくのだ)
(ここまでお付き合いいただきありがとうなのだ)
(また明日というか今日もよろしくお願いするのだ) - 73二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 00:18:02
明日というか今日も楽しみにしてるぞ
- 74二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 00:18:55
良かった!寝れる!明日もよろしく!
- 75二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 00:45:57
乙
- 76二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 01:11:21
乙
ボロボロ泣いてしまった
明日も楽しみや - 77◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 11:12:38
(おはようでありこんにちはなのだ)
(投稿を再開するのだ) - 78◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 11:13:04
7月初旬。オーナーが君に会いにきた。
宝塚記念当日の
dice1d99=79 (79)
〜29:『1回目の手術』は無事成功し回復
〜79:『1回目の手術』は無事成功したが経過観察中
〜99:『手術』は成功したが経過観察中
車椅子をお孫さんに押してもらいながら、以前見た時よりも痩せた姿で現れた。
「やあ、元気かい、キー坊」
オーナーは君を『キー坊』と呼んでいる。
5歳の君はオーナーからすれば曾孫も同然なのだろう。
柔らかく親しみの籠った声に、君は甘えたような声を出した。愛されていることを理解しているのだ。
「あの、オーナー……僕……」
振り返ったオーナーが目尻を和らげる。そして唇の前で人差し指を立てると、首を振った。
「謝罪はいらないよ。随分と頑張ったと聞いているから。それに、不幸な負け方じゃなかった。キー坊も君も、情けなくなんてなかった。……それでももし、申し訳ないと思うなら。次もこの子に乗って、走っておくれ」
しわくちゃの手で僕の肩を叩いて、オーナーは笑った。
君の次走は京都大賞典に決まった。
「宝塚記念の結果を見て確信した。この馬は距離を変える時は叩かなきゃダメだ。富士SからマイルCSに行ったみたいにな。だからまずは京都大賞典── 2400mに出走して、狙うは>>80
- 79二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 11:15:44
有馬記念
- 80二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 11:16:00
ジャパンカップ
- 81◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 11:22:20
「宝塚記念の結果を見て確信した。この馬は距離を変える時は叩かなきゃダメだ。富士SからマイルCSに行ったみたいにな。だからまずは京都大賞典── 2400mに出走して、狙うはジャパンカップ」
先生の目が爛々と輝く。
調教助手も厩務員も、きっと僕も。
ジャパンカップは君の祖父も曽祖父も制した舞台。
そして僕の父も兄も制した舞台。
僕らが挑むのに、これ以上相応しいG1レースはないだろう。
ここで掴むもの全てが、君の、そして僕の未来を後押しする。
誰の息子でもない。誰の孫でも、弟でもない。
僕らが、僕らであるための。
「行こう」
そうして秋初戦。君は、
dice1d99=79 (79)
(25以上で勝利)
- 82◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 11:45:58
宝塚記念の惜敗を挟んで挑んだ京都大賞典。
君は
dice1d99=35 (35)
〜59:父の母方の曽祖父ミスターシービーの日本ダービーような、常識はずれの競馬を演じた。常にない田んぼのような不良馬場。そこを出遅れて最後方からスタートすると、4コーナーから外に持ち出して一気の追い抜き。乱暴さと鮮やかさを併せ持つ、強い勝ち方だった。
〜99:父の母方の高祖父シンザンの日本ダービーのような、抜群のスタートで好位に取り付いた。先行で押し切る競馬は君の得意とするところだ。血が成せるものなのだろうか。ここが東京競馬場なら、君が居た位置はまさに『ダービーポジション』だった。そのポジションを崩さず、君は先頭馬を引き離すとそんままゴールした。
- 83◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 11:53:21
劇的で、情熱的で、あまりにも鮮烈なその走り。
泥だらけの馬体で栄光を掴む。
がむしゃらに、そして前向きに。
『古風と呼ぶには新しすぎた』
競馬史に吹く、風としては。 - 84◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 12:09:14
1ヶ月後。11月。
東京競馬場、2400m、芝左回り。
ジャパンカップ。
僕らはその舞台に立っていた。
ここで君のライバルになるのは
dice3d9=8 3 3 (14)
1:同世代のダービー馬(牝馬)
2:1つ下のダービー馬(母父メジロマックイーン)
3:プリンシパルS覇者(母父シンボリルドルフ)
4:同世代の二冠馬(皐月/菊花/天春)
5:前年のJC覇者
6:その年のダービー馬
7:その年のオークス馬
8:前年の秋古馬三冠馬
9:その年の凱旋門賞馬(海外調教馬)
だろう。
僕にとってもその馬たちがライバルだが、
dice1d3=3 (3)
1:その3頭のうち1頭に父さんが騎乗しているからさらに気になる。
2:その3頭のうち 2頭に父さんと兄さん1人が騎乗しているからさらに気になる。
3:3頭全頭に父さんと兄さんたちが騎乗しているからさらに気になる。
- 85◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 12:10:08
(複数ダイス被っている場合は下)
- 86二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 12:14:15
・ダービー出走権を逃したプリンシパルSの時の勝ち馬
・同世代の二冠馬で、今年の天春で激闘した馬
・去年の秋古馬三冠馬
なんやこのオールスターはァ!! - 87◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 12:23:50
「緊張しないわけがない。怯まないわけがない」
君も、僕も。
パドックを周っている時から君は緊張しっぱなしだ。
きっと僕の緊張が伝播してしまっているから。深呼吸をして落ち着こうとするも、なかなか治らない。
けどずっとそうはしていられない。君のためにも、僕のためにも。
「……『怖くても進むしかない』のは、君が教えてくれたことだ」
そうだろ? キミハカゼ。
今も、僕が触れると身体が強張る君。
「行こう。勝ちに行こう」
そうしてグリーングラスを蹴り上げる。
最後にはきっと、美しいブルーが見れると信じて。
dice1d99=71 (71)
(1以上で勝利)
- 88二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 12:27:45
騎手くん家はこっちの世界でいう横山家のもっと凄い版か
馬券内独占とかしてそう - 89二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 12:30:10
確定演出!
- 90二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 12:32:18
確定演出にしないとあかん時があるのやダイスは…ダイスを信じてはいけない!
- 91二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 12:33:02
ひょっとしたらディープ産駒タケユターカが世帯を持った世界線かもしれん
- 92◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 12:50:03
君はジャパンカップを制した。
曽祖父シンボリルドルフから、祖父トウカイテイオーへ。
祖父トウカイテイオーから父クワイトファインを挟んで、君へ。
繋がれた襷が確かにあって、君はそれは抱いて走り抜いた。
名馬は必ずしも名種牡馬には成り得ない。
名手の子が必ずしも名手には成り得ないように。
けれど覚悟一つで変わる。誰かの努力ひとつで道ができる。
君は、僕は、僕らはその道を通ってきたんだ。
その果てに来たんだ。
「……見て。綺麗なブルーだ」
空は青々としていた。
君は僕には返事をしない。
けれどその時だけは、ふっと空を見上げた。
今頃北海道も同じ色の空が広がっているはずだ。
天国より遠い場所でも、きっと、きっと。 - 93◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 12:50:19
君のライバルと目されていた馬たちの着順は
1+ dice3d14=10 10 12 (32)
(被った場合は1つ後ろ)
(着順はプリンシパルS覇者、同世代ライバル、前年秋古馬三冠馬の順)
君が2着馬につけた着差はdice1d5=2 (2) 馬身差だった。
- 94二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 12:50:47
ど沈みしたな…
- 95二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 12:51:57
全員授業参観したとかめっちゃ叩かれそう
- 96◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 13:08:33
レースを振り返ると、結果は近年稀に見る大荒れだった。
1番人気は前年の秋古馬三冠馬。
2番人気に君が推され、3番人気は同世代のライバル。
そこから少し離れた7番人気に、かつてプリンシパルSを制し、今年の札幌記念を制した馬が推されていた。
レースは先行集団に取り入る君と、それに追随するライバルがペースを作っていた。
秋古馬三冠馬は後方からのスタート。札幌記念を勝ったあの馬は中団に控える競馬だ。
当初、このレースは上位人気馬による順当な決着とみなされていた。
だがレースに絶対はない。約束された展開はない。
それを証明するように、このレースに焦点を合わせて調整してきた素質馬たちが勝利を目指して激走を見せた。
特に凄まじい脚を見せたのは
dice3d9=3 7 9 (19)
1:勝ち鞍が桜花賞のみ牝馬
2:去年の有馬記念2着から長期休養していた牡馬
3:2歳重賞以来勝ち鞍がなくいつも2着の牡馬
4:海外から参戦してきたG2・2勝馬
5:3歳クラシック1勝以降5年間一度も勝てなかった牡馬
6:今レースで引退を表明していた地方馬
7:ダートから転向してきた牝馬
8:2000m以上で勝ち鞍のない牡馬
9:回避馬が出たことで繰り上がり出走となったG3・1勝馬
君は2着馬に2馬身差をつけたけれど、そこから10着までの馬はほぼ着差タイム差なしの雪崩れ込むような決着だったのだ。
接触を怖がった君が好ポジションから横に流れる。
結果的にはそれが功を奏して、君はマイペースのまま凭れる集団を突き放して勝ち上がれた。
まるで、君にだけ勝利への道筋が見えていたかのように。
- 97◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 13:23:09
『20XX年ジャパンカップをキミハカゼがレコードV!』
そう見出が踊る新聞を手に、オーナーは僕らに手を振った。
これでG1・3勝。
十分、名馬としての条件は満たせたように思う。
でもそれ以上にオーナーが嬉しいのは、僕らが怪我なく帰ってきたからだと言う。
楽しいレースをありがとう、最後まで走り切ってくれてありがとう、と。
ネット上では、このジャパンカップをフロックだと言う者もいる。
素質馬の激走によって他の上位馬がブロックされたことによるおこぼれだと。
圧勝だったかと聞かれたら、そうじゃなかったかもしれない。
完璧なレース運びだったかと聞かれたら、そうじゃなかったかもしれない。
けど勝ったのは君だ。君と僕が、あの瞬間、確かにゴール板を踏んだんだ。
それだけは紛れもない真実だった。 - 98二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 13:24:53
このレスは削除されています
- 99二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 13:25:42
このレスは削除されています
- 100◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 13:27:40
でも悔しい。あれは本物じゃなかったと言われるのが悔しいし、申し訳ない。
どうにかオーナーやファンに見せたいと思う。
フロックでもなんでもない、この馬の脚で掴む確かな勝利を、もう一度。
「オーナー、次走は?」
ベッドの側に椅子を引き寄せて座る。
新聞を広げたままのオーナーは、ベッドの上でしばらく考え込むように黙って、それから口を開いた。
「有馬記念で頼むよ」
紅葉がもうじき終わる。冬が来る。
そして、今年最後の古馬G1が幕を開けるのだ。
グランプリレース・有馬記念。
君はdice10d9999=9610 1791 2874 1478 7393 1112 4107 8902 3773 9079 (50119) 票を獲得して出走を決めた。
けれどその日、オーナーは、競馬場にいなかった。
- 101◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 13:28:13
(合計が獲得票数なのだ)
- 102二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 13:28:51
人馬ともども何事もありませんように
- 103二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 13:31:12
5万119票か・・・
なんか思ったより少ないが、JCとか春天とかもフロック扱いされてるんだろうか?
奇跡の血統だし戦績関係なしで投票するファンはいそうな気もするが - 104二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 14:36:32
数年前までファン投票1位の馬ですら10万票に満たない年もあったぐらいだし、総票数がそもそも少ない可能性がある
- 105◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 15:35:34
12月。僕らは寒空の下に居た。
中山競馬場、2500m、芝右回り。
君は耳カバーをしっかりとつけて、オイオイ、と爆音が響く中を歩いていた。
歩様に乱れはない。身体は強張っているけど、それは僕が乗っているせい。
それ以外は落ち着いた様子だった。
「今日は、君のこの落ち着きに助けられてるよ」
僕は心臓がばくばくしている。
緊張で手綱を持つ手が汗ばんでいないかが気になるほど。
ちらり、先生達がいるスペースに目を向けた。
今日はここにオーナーがいない。
オーナーは、
dice1d99=90 (90)
~19:有馬記念への出走が確定した後に亡くなった。
~79:予定していた『2回目の手術』を受けるため入院していた。
~99:容態が急変し病院に運ばれた。
- 106二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 15:39:22
あまり良くないとこ引いた…
- 107◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 15:47:10
1回目の手術の後、経過観察中だったオーナーは、ジャパンカップ終了までは元気だった。
だが有馬記念出走の前日に容態が急変。
病院に運ばれた今も危険な状態で、ちょうど1時間前に手術が始まっていた。
終了予定時刻は、有馬記念の出走開始時刻と同じ。
手術が上手くいけば、君がゴールする頃、オーナーは目覚める。
「宝塚記念では良いところを見せられなかったから……ここはしっかり、勝ちきっていこう」
ポンポン、と2度、君の首筋を撫でる。
やっぱり君は身体を強張らせた。でも珍しく、僕に返事をするように嘶いた。
── 開始を告げるファンファーレが鳴る。
開かれたゲートの隙間を縫って、僕らは、ゴールへとひた走った。
dice1d99=80 (80)
(55以上で勝利/出目が次のダイスの上限値/25以下で【君はきっと別れ際】イベント)
- 108二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 15:48:44
勝利!
....だからそのイベントはなんだ - 109二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 15:49:35
勝った!
だんだん勝ちにくくなるのか、でも80は良いな - 110二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 15:51:31
これでG1・4勝!!!!
でもだからこそ気になる
そのイベントなんなんだ、ほんと - 111二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 15:52:31
これでGⅠ4勝したし血統希少だしもう引退かな?
- 112◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 16:00:47
印象深いレースは他にある。
けど、もし、心から『勝ったぞ』と叫んだレースは何かと言われたら、それは有馬記念になるだろう。
中山の直線を向いた時、君の前には何もなかった。
必死に逃げる馬も、競り掛ける馬も。
ただゴールだけが眼前にあるそのまっすぐとした路を君は進んで、緑の紙吹雪が舞う中を飛ぶ。
僕は思わず拳を振り上げ、曇天の空を仰いだ。
『ジャパンカップはフロックじゃない! 先行押切り王道を行く! 中山の強風、キミハカゼ──ッ!』
僕らが先生たちと合流する頃、オーナーは
dice1d80=42 (42)
~19:君のゴールを最期に見て、天国へと旅立った。
~80:無事手術を終えて目覚め、君のゴールを見ていた。
- 113二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 16:00:49
イベント何……? 怖いよ……
- 114二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 16:01:12
おおよかった…
- 115◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 16:01:55
(これから先、出目が次のダイスの上限になるのだ)
- 116二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 16:04:02
次の上限42とかヤダー!
- 117二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 16:06:20
勝敗以外のダイスにも適用されるとは…
補正なしの時は55以上勝利だからもう勝つことはないのか
この手術みたいな判定で上限低いのは勝敗より怖いな - 118◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 16:17:18
ウィナーズサークルにはオーナーの代わりにお孫さんが立った。
「ここに立つ祖父を見れないのが残念です」
そう言って、でもオーナーの代わりにしっかりと映らないと、と言って笑った。
「私も所謂3代目ですから。いつも祖父と比較される。それが有り難いやら、鬱陶しいやら……だからでしょうか。キミハカゼとあなたが勝つ度、勝手に救われていたんです。3代目がなんだ。私は私だ、と。そう強く思える」
なかなか理解されないが、僕らは、少なくとも僕は父や兄が嫌いではない。
好きだから、憧れているから、追いつきたいと思っているからこそ痛いだけで。
それはきっと自立心と自己主張の間にある、不確かな感情だ。
勝って救われるのは自分自身だけだと思っていたけれど、こうして誰かを救える走りができたのだと、僕はどうしてか胸が熱くなった。
「撮りますよー! 3、2、1……」
優勝レイをかけた君はその時、耳カバーを外していた。
周りの音がよく聞こえているのだろう。
ストレスからか小刻みに身体を揺らし、でも、大人しくしていた。
数回の写真撮影を終え、僕を鞍上に乗せたまま君は歩き出す。
いや、歩き出そうとして──。
パキン。
「え?」 - 119◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 16:17:32
dice1d42=22 (22)
1:【君はきっと別れ際】イベント
~42:僕の手から君の手綱が離れていた。
- 120二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 16:22:45
あっ‥
- 121二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 16:23:03
もうこのイベント怖いよ……スレタイなのがさらに怖さを倍増させてるよ……
- 122◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 16:36:21
手綱を繋ぐ金具が切れていた。
パキン、と聞こえた甲高い音は、金具が落ちる音だったようだ。
僕は咄嗟に切れ目を掴もうとして、でも掴みきれずに宙を舞った。
君が君自身を引き留める綱が切れていることに、僕以上に早く気づいたからだ。
ただでさえ大勢の人に囲まれていたのに耳カバーもなく、長いこと僕を乗せたまま。
君のストレスは相当なものだったに違いない。
いつもは我慢している君も、さすがに耐えかねたのだろう。
地面に打ち付けられた背中が痺れる。
先生たちに助け起こされながらも、僕は別に怒ってはしなかった。
むしろ頑張った方だろう、君は。
「待たせてごめん」
すぐに厩務員に捕まって戻ってきた君に、そう呟いた。
君は目を細めて、小さく小さく、鳴いた。 - 123二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 16:46:49
不穏すぎる
- 124◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 16:55:04
年が明けて1月。君は6歳になった。
オーナーはまだ入院中だったが、その代わりにお孫さんがよく会いに来た。
「種牡馬入り、ですか」
「はい。ありがたいことにお話を頂いてまして……祖父は悩んでいるようですが、6歳になりましたし、丁度良いのかなと」
馬産地ではクワイトファインの後継種牡馬── ひいては、ルドルフ直系種牡馬として君に期待する声は決して小さくないようだ。
ただ、とお孫さんは小さな声で言った。
「キミハカゼは突然変異だと見なす声もあるようで。種牡馬入りできても、そう大きな牧場には入れないかな、と。それと、どれだけの牝馬を集められるかも不安ですね」
君が属するヘロド系は、君を含めてもう残り僅か。
貴重な血統を守ろうとする動きの外で、時代に適応できない血は淘汰すべきという声もある。
君はこれからもきっと波乱の道を行くだろう。
それは僕が永遠に父や兄たちと比較され続けるのと同じで、終わりはない。
けど、その中で君が幸せを掴むことを祈っている。
どんな状況でも君が、決して歩みを止めなかったように。
dice1d22=14 (14)
1:現役続行
~22:種牡馬入り
- 125二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 17:04:01
引退かぁ……
もっと走る姿を見ていたい気持ちもあったけど、妥当ではあるか - 126◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 17:51:54
3月。君は厩舎から旅立つ。
向かうのは父クワイトファインが待つ牧場。
馬運車の準備が進められている横で、僕は遠くない過去を追想した。
君は重賞6勝。
阪神大賞典連覇。
マイルチャンピオンシップ制覇。
2度目の天皇賞・春を勝ち。
ジャパンカップを制すると有馬記念で勝利して引退した。
騎手8年目の時に出会い。
10年目の時に僕を初めての重賞制覇に導いてくれた君。
君は僕を怖がっていた。僕が君を追い詰めたから。
でも君は逃げずに僕と向き合った。
僕の心が成長して、君に追いつくのを辛抱強く待ってくれた。
そうして制した数々のレースが、いつも僕に気づかせてくれる。
温かみであるとか、喜びや悲しみや、挑み続けることすべて。
君の曾祖父に乗っていた騎手がかつて言っていた。
『ルドルフがレースを教えてくれた』と。
僕にとっては君がそうだ。君は教えたつもりなんかないだろうけど。
君の背中から見た景色が、いつまでもこの目に焼き付いている。
「キミハカゼ」
名前を呼んだ。やっぱり返事はない。
返事はないけれど、君は、僕の目を見た。 - 127◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 17:52:42
「あの時は本当にごめん」
もっとはっきり言うつもりだった。
真剣な声で、揺るぎなく、謝るつもりだったのに。
結果としてまろびでた声は震えて、水気を帯びる。
「あの時は本当に、本当にごめん……っ」
言葉が通じないのなんてわかっている。
それでも何度でも言う。
言葉以上に、感情で、君にずっと謝りたかった。
出発の時間になった。君は馬運車へと連れられていく。
寂しそうな横顔の厩務員が、馬運車の中で君を固定した。
甘えたように厩務員にすり寄る君は、もうきっと見られない。
「それじゃあそろそろ」と声が聞こえた。
馬運車の扉が閉められる、ほんの少し前になって、僕は大地を蹴り上げた。
寸でのところで閉まる扉をこじ開け、馬運車の中に乗り込む。
止めに入ろうとした調教助手を、先生の静かな声が引き留めた。
「キミハカゼ!」
ごめん、ごめん、ごめん。
そして──……。 - 128◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 17:52:54
「ありがとう」
大好きだよ。
でも、君は。
「ブルルッ」
調教助手が僕を連れ戻す。その間際に必死に手を伸ばして、その時。
君はきっと別れ際、「嫌いだよ」と言っていた。
けれどその嘶きはふるりと揺れて。
最後に触れた身体は、もう、強張っていなかった。 - 129◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 17:53:29
君が種牡馬入りしてから月日が流れた。
初年度産駒が産まれた年、高齢だったオーナーは天国へと旅立った。
最後は君の産駒が活躍することを願って、穏やかな顔をしていたらしい。
僕も先生も調教助手も、オーナーの葬儀に参加させてもらった。
オーナーの表情は本当に穏やかで幸せに満ちていて。
それを見送る僕らにも分け与えてくれているようだった。 - 130◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 17:53:50
君の繁殖のオフシーズンになると、僕は毎年君に会いに行った。
僕の姿を見つけると君は逃げる。
まるで「ヤバイやつに会った」かのように。
その度に僕は苦笑いを浮かべてしまう。
でも君は現役時代もそうであってように、目を合わせると逸らすことはない。
時間の許す限り放牧中の君を見て、勝手に君に相談して、勝手に解決する。
「次に会いに行くときは、G1勝ちしてみせるよ」
君はやっぱり返事をしなかった。
でもそれでよかった。
あれは、確か春の日のことだった。
夕日がキレイに見える日。
会いに来た僕を見ても、君は逃げなかった。
むしろ自分から近づいていって、じっと見つめてくる。
思わず君の名前を呼んだ。君はやっぱり返事をしない。
いや、でも。
でも、声がした気がするんだ。
吹き抜けた春疾風の隙間から、君の声が。 - 131◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 17:54:04
僕がG1を制したのはそれから1ヶ月後のことだった。
大阪杯。5番人気の馬で先行押切り勝ち。
君と勝った有馬記念以来のG1制覇に、僕はたまらず腕を振り上げた。
その時、実況が君の名前を叫んだ。
『20XX年大阪杯を制したのは──! キミハカゼ産駒の──だ!』
また風が吹いた。新時代の風が、また、君の声を乗せて。
君が死んだと聞いたのは、その日の夜だった。 - 132◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 17:54:22
眠るように逝ったらしい。
先生がそう僕に言った。
やわらかい風が吹く中、ラジオ越しに僕らの勝利を聞いた後。
僕は泣いた。新しい相棒の側で、ただ、君を思い出して。
なあ、きっと、旅立つには早すぎる。
まだ君に夢を見ている大勢の人間がいて、君に支えられている人間がここにいる。
ずいぶん早いじゃないか。君自身が、風になるのは、なあ。
呼びかけても返事は永遠に返ってこない。
けれど代わりに吹く風が僕の涙を拭い上げていく。
涙が溢れても直ぐに乾いて、僕の背中を追い立てるんだ。
蹲ってる場合じゃないぞ、と。君を真似て。 - 133◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 17:55:22
オーナーの家に行ったのは、それからしばらくの事だった。
今はお孫さん夫妻とその娘である少女── 阪神大賞典の時に君に跨がっていた少女の3人が暮らしている。
これまでの所有馬の優勝レイなどが飾られた部屋に入れて貰うと、しばらくそれらを眺めていたのだ。
思い出を振り返るように。
「──さん?」
「……ああ、すみません。ちょっと考え事をしていました」
「いえっ! 当時のことを教えてくれてありがとうございました! 会ったことがあるような気はしてたんですけど、細かいことは覚えてなかったので……」
当時は幼稚園生くらいだった少女も、すっかり大きくなっていた。
少女と呼ぶのはもう失礼だろうか。
どうしてもあどけない彼女の姿が浮かんでしまって、内心で苦笑した。
「そろそろお暇します」
「はい! お引き留めしてすみません!」
「いえ。懐かしい話ができてよかった」
本心だった。
彼女と話している内に、まるで過去に戻ったかのように鮮明に君を思い出せた。
おぼろげな記憶ではなく、より輪郭のハッキリした記憶でもって、君の死を悼む。
「それではまた」
「はい! いつでも来て下さい!」
少女が頭を下げる。次いで上げた表情がオーナーに似ていて、目頭が熱くなった。
僕は泣いている姿を見られまいと背を向ける。
駆け足で車に乗り込んで、そこでまた涙が止まらなくなった。
けど、止めないと。
止めて、顔をあげて、また進まないと。
君を送り出さないと。 - 134◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 17:55:47
「そうだろ、なあ──」
車の窓を開けた。
走行中の車内に飛び込んでくる初夏の風。
「さようなら、僕の風」
無風、つむじ、またきて強風。
1枚だけ季節外れの桜が舞い込んで、それがきっと、君からの返事だった。
~ 完 ~ - 135二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 18:01:34
良かった...良い安価SSだった...
- 136二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 18:05:30
騎手君に触られると体が強ばってたキミハカゼくんが、引退する時は強ばってなくて泣いた
通じてる、通じてるよ騎手君…よかったな……! - 137◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 18:13:52
(約3日掛けて完結できたのだ)
(ダイス神から絶対に鬱展開にはさせないという強い意志を感じたのだ)
(なにはともあれ最後まで書けてほっとしたのだ)
(2スレに渡ってお付き合いいただきありがとうなのだ!) - 138二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 18:18:56
- 139◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 18:20:29
(「君」から始まるシリーズ(?)はこれで終わりなのだ)
- 140◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 18:20:51
(また次もよろしくお願いするのだ!)
(でもうっかりミスでトリップ割ったまま投稿しちゃったので次からはトリップかえるのだ)
(見つけたらまた見守って欲しいのだ!)
(最後までお付き合い頂き、本当の本当にありがとうなのだ!) - 141二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 18:22:13
完結乙です〜
【君はきっと別れ際】イベントとは結局どんなの想定してたのか? - 142◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 18:24:43
(キミハカゼ予後不良イベントなのだ。ダイス振って確率によってはさよならすることになるのだ。ただダイス神がそれを許さなかったのだ。書いてるスレ主もつらいのでほっとしたのだ)
- 143二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 18:26:51
そのイベント引かなくて本当に良かった……
- 144二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 18:27:39
完結お疲れ様でした
可愛そうなことにならなくてホント良かった - 145二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 18:27:55
その時点で引退するだけだと思ってた
引かなくてよかった… - 146二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 18:30:22
ブンゴウウインディちゃんは転生馬モノは書かないの?
- 147◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 18:41:20
- 148二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 18:41:28
ボロボロ泣いた
ありがとう - 149◆TJ9qoWuqvA23/01/11(水) 18:44:31
(みんな本当にありがとうなのだ!)
(また次のスレで会おうなのだ!) - 150二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 19:06:15
おおブラヴォー・・・おおブラヴォー!!
終わったから重箱の隅を突いてみるが、昨年ダービー馬(母父マックイーン)の勝ち鞍に秋天(さらに年度代表)
それとは別に昨年の秋古馬三冠馬(年度代表ではない)
秋天は同着だったとしても秋古馬三冠で年度代表になれないとか、やっぱりJRAの選考委員はクソやな! - 151二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 19:37:20
お疲れ様でした……脳内でエレカシの「桜の花舞い上がる道を」がエンディングテーマで流れてるよ……素晴らしい物語をありがとう
今回の騎手くん目線良かったから、いつか騎手の一生をネタにした話も見たいけど、競走馬を題材にするより長引きそうだから難しいね
とにかくお疲れ様でした - 152二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 19:43:59
お疲れ様です。
予後るめを引かなくて本当によかった...!!! - 153二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 19:49:55
- 154二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 19:53:43
- 155二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 20:02:01
騎手くん久々のG1勝ちが初G1をくれた馬の産駒なのほんと好き…
- 156二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 20:36:57
ターフに舞う、運命の風
あの日の君は、小さなそよ風。
伝統と誇りの遺伝子を宿す疾風。
その宿命が、時代に風穴を開ける。
マイルチャンピオンシップ。
天皇賞・春。
ジャパンカップ。
有馬記念。
あの日の君は、吹き抜ける神風。
過去も未来も置き去りにする嵐。
風は、どこまでも、いつまでも、駆け抜けて行く。 - 157二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 21:00:23
ここのスレ主さん、毎回ラストがオシャレなんだよな
>無風、つむじ、またきて強風。
>1枚だけ季節外れの桜が舞い込んで、それがきっと、君からの返事だった。
無風→風が止んで(キミハカゼ死亡)
つむじ→突風が吹いて(キミハカゼ産駒G1制覇)
強風→それがまた強い風になっていく(今度はその子を相棒に歩んでいく)
それでいいんだと、その子と歩いていけと、キミハカゼから返事が来た。
そう言うふうに受け取れるんのがほんまね・・・素敵や・・・
- 158二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 21:46:30
スレ主さんの作品で全部泣いてる……今回もありがとうございます……
良いもん読ませて頂きました - 159二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 22:03:42
乙
- 160二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 23:59:11
- 161二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 01:11:24
保守