- 1二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 21:46:15
「ダイヤのおみくじ占い〜。今日のトレーナーさんの運勢は〜〜、ずばり小吉です!」
年が明けてもいまだ肌寒く、暖房で暖まったトレーナー室に、金色の糸で刺繍された亀が映ったスカートと白と淡い緑色と紺色を組み合わせ巫女服を着た担当のサトノダイヤモンドが日の出のよう明るい笑顔で部屋に入ってくる。
巫女服に手を通しているためか、いつものロングヘアーではなく、巫女にならってか、長い髪を白いリボンで一つに束ねている。普段なら見れないうなじや制服や勝負服のドレスとは違う服装に内心、少しドキッとする。
そして俺の座っている机の前に立ち止まると、開口一番そう言い放ったのだ。
なんともいえない微妙な運勢だと俺は思って、苦笑いしたら、ダイヤは続けて、
「ふふっ、トレーナーさん、もし、運勢をあげたいなら私を可愛がったら、運勢あがりますよ」
両手を広げて、さぁ、可愛がって下さいと言わんばかりのポーズをとる。ダイヤを愛でることで、自分の運勢が上がることは関係ないと思うが、この子なりの甘え方だろうと納得しつつ、
「……じゃあ、ダイヤや頭を下げて」
「……こうですか?」
こちらの言葉に素直に従い、頭を下げた彼女の頭を優しく撫でる。すると気持ち良さそうな表情をして、目を細める。その様子が猫みたいで、ついこちらの頬も緩んでしまう。
しばらく撫でた後、時間を見ると、そろそろトレーニングの時間だと気づいて、
「ダイヤ、トレーニングの時間になるから」
と撫でる手を止めようとすると、
「あの……もうちょっとだけ……」
上目遣いでおねだりする。その仕草が可愛らしく、もう少し撫でることにした。
「……仕方ないな。あと5分だけだぞ。」
「はい!」
5分間撫で終わると、満足したのか、先程の寂しそうな顔はなく、満面の笑みを浮かべていた。
「ありがとうございます。トレーナーさん、これでトレーナーさんの運勢は中吉です。では、トレーニングの準備に行ってきます」
嬉れしそうに部屋から出ていく彼女を見送りながら、あれだけのことをしても大吉にならないあたり、まだまだ、可愛がってほしいサインだと受け取る。
さて、どうしたものかと頭の中で対策を立てながら、トレーニングのためにトレーナー室を後にした。 - 2二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 21:48:26
「こんにちは、トレーナーさん。さぁ、こちらに座って下さい。今日の運勢を占ってあげます」
次の日寒い廊下を渡り、トレーナー室に入ると、制服を着たダイヤがなぜか机の上に水晶玉を置いて、こちらを手招きする。
「今日は水晶占いなのか?」
「はい!昨日の続きです。トレーナーさんの運勢を上げるためですよ」
そう言ってダイヤは微笑む。目の前の水晶玉からあるウマ娘の真似ごとだが、まぁ、悪いことじゃないと思い、促されるまま座ると、
「まずは手相を見ましょう」
と言いながら彼女の白く綺麗な両手をこちらの右手に取ると、手のひらをじっくり観察し始める。
「ふふっ、トレーナーさんの手は大きくてゴツゴツしていますね」
「そりゃ男だからな」
「でも、とても温かくて私は好きですよ」
「……ありがと」
そんな会話をしながらダイヤは楽しそうに手を触り続ける。しばらくすると、満足したのか、
「次は水晶占いでトレーナーさんの運勢をみてみましょう」
「手相占いの結果は教えてくれないのか?」
「水晶占いと合わせて教えてあげます。それでは始めますね」
そう言って、ダイヤは水晶玉に両手から念をおくるかのようにしながら、水晶玉を覗きこむ。手相占いの結果を誤魔化したのを見ると、手を触りたかっただけだろうと思ったが、黙っていることにした。 しばらくして、ダイヤは両手を離すと、
「……見えました」
「なんて出たんだ?凶とか言わないでくれよ」
「安心して下さい。トレーナーさんの運勢は中吉です」 - 3二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 21:50:35
「それは良かった」
とりあえず昨日のままの運勢である。
「占いの結果、トレーナーさんの運勢あげるには私を後ろ側からハグをすることです」
キラキラした目でこちらを見ながら言ってきた。大胆なお願い事だなと思いながら、一息いれて、こちらも覚悟し、
「ダイヤおいで」
「はい、お邪魔しますね」
椅子に座りながら、ダイヤを受け止めるように両手を広げると、彼女はこちらにゆっくりと近づき、椅子に座るように背中を預け、体をこちらにもたれかかるように密着させる。ダイヤの体温や良い香りにドギマギしながら、優しく包み込むように抱きしめる。
ダイヤの顔は後ろから見れないが、ほっぺがりんごのように真っ赤になっているのを見て、恥ずかしいならこんなこと言わなければいいのにと内心思いながらも、何も言わずそのままの状態でいる。
数分間たって、ダイヤが落ち着いたと見てから、ダイヤに話かける。
「ダイヤ、少しいいかな」
「……はい」
「明後日、朝日を一緒に見に行こう」
「……えっ!?」
ダイヤは驚いたような声をあげながら、こちらの方を向く。彼女の表情は驚きに満ち溢れていた。そうだろう、こちらから誘うことは予定にないことだったから。
「どうしてですか?」
「まだ、今年になってから、一緒に日の出は見に行ってないだろう。だからさ、一緒に朝日を見に行かないか。ダイヤは巫女服を着てさ」
「……もちろん、行きます!」
晴れやかな笑顔の嬉しそうに大きくうなずくダイヤを見ていると、提案しているこちらも嬉しくなる。ダイヤは満足したのか、こちらから離れると、
「トレーナーさんの運勢は吉です。ふふっ、明後日のお出掛けで見事に大吉してくださいね。楽しみにしてます」
「楽しみにしてくれ」
そう言って、ダイヤは水晶玉を片付けながら、ルンルン気分でトレーナー室を後にした。
さて、明後日までに、準備しないとなぁ。
- 4二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 21:52:30
「お待たせしました、トレーナーさん」
「おはよう、ダイヤ」
冬の朝は、肌に刺さる寒さの中、運勢うんぬん言い出した初日と一緒の姿をした巫女服で髪を一つに束ねたサトノダイヤモンドの姿があった。
「さぁ、一緒に朝日を拝みに行こうか」
「はい!」
ダイヤの綺麗な手を取りながら、一緒に階段をゆっくりと登っていく。
トレセン学園の近くにある山を登ると、そこには小さな神社がある。
「ダイヤ、寒くないか?」
「はい、大丈夫ですよ」
「今日は天気が良くて、綺麗な朝日が見れそうで」
二人で境内まで歩く。境内には誰もおらず、静寂に包まれていた。
「ここら辺で眺めるか」
「そうですね」
しばらくすると、太陽が少しずつ顔を出し始め、辺りが明るくなる。その光景をダイヤと一緒に見ているだけで、幸せを感じる。
横にいるダイヤも、この景色に感動しているのか、目を輝かせながら見ていた。朝日はあっという間に昇り、あたり一面を照らしていく。
「ダイヤ、これは俺からのプレゼント受け取ってほしい」
俺はポケットから、亀の形をした髪留めを渡す。ダイヤの巫女服とスカートに刺繍された亀と合わせるように、オーダーメイドで作ってもらった。
「これって……」
「ダイヤの巫女服に似合うと思って、買っていたんだ」
「……トレーナーさん、ありがとうございます」
ダイヤは両手で大事そうに受け取ると、 今日見た綺麗な朝日のように 今までで一番の笑みで こちらを向いた。
「ダイヤ、今日の運勢は?」
「私とトレーナーさん共に大吉です!」 - 5二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 21:57:23
- 6二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 22:07:36
ダイヤちゃん可愛かった、ありがとう
- 7二次元好きの匿名さん23/01/11(水) 22:34:40
いいね、きっと表情がコロコロ変わって可愛いんだろうな
- 8二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 02:25:44
- 9二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 03:03:52
超好き
甘えるダイヤちゃんもそれを受け入れるトレーナーさんもとっても良い,.. - 10二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 03:08:52
可愛いダイヤちゃんSSはいくらでもあって良いですからね
深夜に癒されました。ありがとうございます - 11二次元好きの匿名さん23/01/12(木) 07:52:16
てえてえですわ…