- 1二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 16:36:38
ウマ娘化の方法は?
あっ >>2のリンクに飛んで概念を練るのが あっ最も簡単で あっあっ 一般的なあっ
あっ あっ あっ あっ
本スレは「自分がウマ娘だったら」を妄想するスレです。
スレを開いたあなたも自分のウマ娘になった姿を想像してみましょう。
※入部希望者へ※
際限なくウマ娘が増えてしまうことを避けるため、原則一人一ウマ娘まででお願いします!(自SS内に登場させるだけなら二人以上も可です!)
前スレ
あにまんウマ娘になりたい部Part170|あにまん掲示板ウマソウルの浸透率はすでに──「2000%」を超えている。https://bbs.animanch.com/img/1438568/140https://bbs.animanch.com/img/14…bbs.animanch.comアーカイブ
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umamusumeninaritai @ ウィキ【12/15更新】@wikiへようこそ ウィキはみんなで気軽にホームページ編集できるツールです。 このページは自由に編集することができます。 メールで送られてきたパスワードを用いてログインすることで、各種変更(サイト名...w.atwiki.jp次スレは>>190を踏んだ人が建てること!
建てられない場合は他の人にスレ建て代行をお願いすること!
スレの管理ができなくなるモバイル回線で建てないこと!
いいー?
- 2二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 16:37:29
お絵描き難しいけどウマ娘の容姿を錬成したい!そんな方の為のリンク↓
https://bbs.animanch.com/board/1290765/?res=2
ウマ娘の血統もガッツリ練りたい!そんな貴方にはこちらのリンク↓
https://bbs.animanch.com/board/1290765/?res=4
https://bbs.animanch.com/board/1290765/?res=5
SSでレース描写したいけどレース展開の基礎教えて!そんな方の為のリンク↓
https://bbs.animanch.com/board/1290765/?res=6
トレーニング描写したいけど競走馬育成の参考欲しい!そんな方の為のリンク↓
https://bbs.animanch.com/board/1290765/?res=13
ウマ娘は人間に近いのでヒトミミアスリート由来の知識もどうぞ↓
https://bbs.animanch.com/board/1290765/?res=7
あと蹄鉄
- 3二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 16:39:18
ちょっと早いけどまあええか
建て乙 - 4二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 16:50:15
O2
- 5二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 16:53:19
ついにスレ画芸がレスアンカー利用しだしたわね。。。
- 6ラプラスの中身23/01/13(金) 16:57:25
- 7二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 17:01:08
ホワイトブリムはウマ耳の前につけるべきなのか?
- 8二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 17:12:36
汝立て乙なりや?
- 9スイセイレッカの内部機構23/01/13(金) 17:20:54
タテオーツ
- 10メジロエスキーの人23/01/13(金) 17:56:59
立ておつ。いつの間に
- 11二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 19:02:53
- 12二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 19:11:31
ユキノビジンのようにメンコと一体化してる可能性も
- 13二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 20:05:40
- 14二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 20:22:00
耳動かす度にガサガサなりそうなんだけど後ろにつけると良さが…うごごご
- 15二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 20:34:30
- 16二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 20:38:46
あにまんに住まうというウマ娘に無差別にメイド服を着せる御仁は両方のパターンで書かれてたな
- 17二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 20:43:22
- 18カンパナーレボバー23/01/13(金) 20:46:06
高圧洗浄機でケチャップ噴射していいん?
- 19二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 20:51:37
- 20二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 20:52:57
>>17の血とケチャップとオムライスが当たり一面に飛び散ってそう
- 21二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 21:00:04
- 22二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 21:12:31
- 23二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 21:15:05
味覇の味しかしねぇ……。
- 24二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 21:22:30
仏教カフェ
出される料理は全て精進料理 - 25ラプ中23/01/13(金) 21:24:46
胡麻豆腐あります?
- 26二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 21:39:13
すみません戻す前の高野豆腐ならあるんですよー
- 27二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 21:51:50
誰かマトモに萌え萌えキュンしてくれるメイドさんはいないんですか?
- 28二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 21:53:05
部長ぅ……ですかねぇ…。
- 29二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 21:53:56
- 30二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 22:06:32
なんとかしてボバニキにメイド服を着せたい
俺は本気だ - 31フライングフレアの人23/01/13(金) 22:20:48
よくわかんないので紅茶飲んでますね
アッサム飲みます? - 32二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 22:25:13
- 33二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 22:38:58
裸黒ストエプロンメイド……?
- 34二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 22:39:12
爆発したトレーナーのほうにもメイドやってもらおうぜ
おっぱいデカいし
案外似合うかもしれない
おっぱいデカいし - 35二次元好きの匿名さん23/01/13(金) 22:42:27
トレーナーの雄っぱい!!!!!!!!れ!!!!
- 36メジロエスキーの人23/01/13(金) 23:23:20
オゥカエリナサイムーン好きすぎる
- 37ラピッドホライゾンの人23/01/13(金) 23:57:24
めちゃめちゃ長い名前で草なんだ
- 38二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 04:35:43
ここに来れば雄っぱいが見られると聞いて
- 39二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 06:44:44
オムラは流石に芝
- 40メジロエスキーの人23/01/14(土) 08:24:32
他の子にも名前つけて♡
- 41二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 10:42:21
- 42二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 13:30:20
雄っぱいが好きでないやつは居るかもしれないが嫌いな奴はそうそういまい
つまり雄っぱいの需要は0以上であるのでメイドカフェに居てもおかしくはない
おかしいに決まってんだろ頭メイドガイがよ - 43二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 13:40:40
チームに1台、ガチムチトレーナー
- 44二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 13:48:33
レースで資本金を増やし、メイドカフェで収支をマイナスにする
これがチームカオスだ
そしてこれは給料を支払わなくていい労働力
- 45メジロエスキーの人23/01/14(土) 16:47:15
まともな面子揃えたらメイドカフェもマイナスにはならんでしょ……まともなのが少ないのはそうなんですが
- 46カエラレミラージュの人23/01/14(土) 16:53:26
レースによりますけどGⅢあたり勝てば10人くらい仕入れられるんですね、このどr……ネコチャン……
- 47二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 16:54:50
ガストで強盗するときはレジを狙うよりこいつを盗んだほうがいいってことか
- 48二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 16:57:36
- 49二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 17:18:37
あらカワ
前にクインが着たいって言ってたタイプのメイド服でござるか - 50オイシクナアレグロウ23/01/14(土) 17:20:00
なにかなこの名前!?
- 51二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 17:23:57
オラ!お客様にオイシクナアレの魔法をかけてくるんだよ!
- 52オイシクナアレグロウ23/01/14(土) 18:03:32
「おっ…美味しく…なあれっ…!」
彼女は絞り出すように声を出した。
「うぅぅぅぅ…!これ、やっぱり恥ずかしいかな…!」
そう言って彼女は顔を押さえて足をパタパタと動かし、尻尾をぶんぶんと振っている。
そんな彼女がむしろオムライスよりよっぽど素敵な…いや、なんでもない。
彼女が思いを込めてくれたオムライス。それを食べるのが先決だろう。
『…はむっ』
「!………お、美味しい…かな?」
『………当たり前だよ!君が美味しくなあれ、って言ってくれたんだから』
そう言って、オムライスを一口、また一口食べ進める。
それを彼女はキラキラとした、とても嬉しそうな眼差して見つめている。
『…ごちそうさまでした』
「うん!食べてくれてありがとう!」
さぁ、帰ろう。そう思って、ポケットから財布を取り出すと…
「あっ!待って欲しいかな!」
彼女が呼び止める。
「最後にこれだけ…これはサービス!お題はいらないかな!」
「あなたがもっともっと…幸せになあれ、の魔法!」 - 53オイシクナアレグロウ23/01/14(土) 18:03:44
これでいいんですか
- 54オイシクナアレグロウ23/01/14(土) 18:07:03
誤字を3箇所発見しました
死んできます
徹夜明けで書いたのが悪い - 55スイミンブソクロウ23/01/14(土) 18:08:33
まって誤字の数も数え間違えてるな!?
仮眠足りなかったか
もうちょっと寝ます - 56二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 18:38:12
アックアサマカワイイシヌ
- 57二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 19:04:15
アックアが可愛い……?
- 58メジロエスキーの人23/01/14(土) 19:05:26
作品が変わってしまうのでそれ以上はNG
- 59二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 21:39:30
結局ボバーは高圧洗浄機ケチャップで何がしたかったのさ
- 60二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 21:53:41
- 61ラプラスの中身23/01/14(土) 22:12:19
アドメイドヤラプラスです
- 62二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 22:13:01
文字数!!
- 63二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 22:24:10
ドヤラプラス……
- 64メジロエスキーの人23/01/14(土) 23:02:13
そこになかったらないですね
- 65二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 23:06:00
坂路でアイスクリームメーカー
大浴場に箱買いバスボム全投入
通電され発光するたくあん
高圧洗浄機でケチャップ文字←New!
etc...
常に無いじゃねえかよえーっ - 66カンパナーレボバー23/01/14(土) 23:09:38
- 67メジロエプロングドレス23/01/14(土) 23:36:04
SS投下しちゃうモンニ!
- 68メジロエプロングドレス23/01/14(土) 23:36:36
頬にもにっとふわふわとした物の感触が当たる。
振り返ると手に持ったぱかぷちと同じ顔をしたウマ娘が立っていた。
「えーっと、奪っちゃった…?」
自分でしたのによく分かってないのか首を傾げて前も聞いたことあるような台詞を言う。
「あの…プログレスさん…」
私の頬にぱかぷちを当てた犯人は名前を呼ぶとわたわたと音が出てきそうな仕草で慌て、言い訳を並べ始めた。
別に責めている訳じゃないのに…
「この前エスキーちゃんがしてるのを見て…えっと…その…」
「えへ…恥ずかしいですね、これ!」
分かりやすく顔が赤くなるプログレスさんを見て、なんだかこの部屋の暖房が効きすぎているのではないかという気持ちになってきた。
だが、周りのウマ娘達は少し寒いなと考えているのだろう。
私たちの間に少しの空白が出来た。
先に口を開けたのはプログレスさん。
「あーっその!フラリんさん!」
思っていたより大きな声で口を開けた本人も驚いていた。
少しおかしくて、笑い声がちょっとだけ漏れた。
「大きな声出しちゃいましたね」
「そ、そうですね!」
プログレスさんが自分の頬のところに手を当て少し唸ったあと、私の目の前にぱかぷちが差し出された。
「あのっ!私のぱかぷち、貰ってくれませんか〜…?」
竜頭蛇尾、という感じだった。
「あー、その、えっと…」
もにょもにょと彼女は何か探すように目を動かす。
「そう!そう、実は先日クレーンゲームでラモーヌさんのぱかぷちを見つけたのですけれど!」
見つけたようで先程の勢いを取り戻したようだ。
私は彼女の邪魔をせず頷く。
「それで、ラモーヌさんのぱかぷちは取れたんですけれど私のぱかぷちも来て…それで…」
「あの、被ったという感じで…私の貰ってくださいますか…?」
確かにプログレスさんはラモーヌさんのことが大好きで、それにメジロ家の皆さんも大好きなのだから場所が無くなり自分のぱかぷちが被れば困るだろう。それに私の部屋は場所が空いている。
特にこれと言って断る理由もない。 - 69メジロエプロングドレス23/01/14(土) 23:37:13
それに…
「はい、大丈夫ですよ!」
私の返答を聞いたプログレスさんは向日葵のように笑顔になる。
「わーっ!ありがとうございます!よろしくお願いしますね!」
自分を模したぱかぷちを手渡し嬉しそうに尻尾が動く。
…その後、私たちは別れ私は自分の部屋に戻った。
私のスペースにはメジロ家の皆さんのぱかぷちがあと数個でコンプリート、というぐらいまで揃っていた。
フラりんからの注文品です(適当) - 70二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 23:44:34
近かったらメイド喫茶にボバーが現れていた…?
結局一番メイド力高そうなのは部長なのだろうか
案外バラカとかクインとかも高かったりしない? - 71二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 23:58:16
- 72二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 00:20:38
- 73残滓23/01/15(日) 01:44:46
書きたいウマ娘があまりにも自分そのものすぎてオチが思いつかなかったのですが、最近ようやっと「クロックワークス」の精神性を越えることができたので再び筆を持てそうです
- 74カラレスミラージュの人23/01/15(日) 07:59:00
やっぱり定期的にIP規制食らうの色々しんどいですわー!(カイセンレスミラージュ)
メイド力、チームの中でも着実に清楚枠とアグレッシブ枠が分かれてきて楽しい
プログレスさんとは別件ですが、ミラ中もフラりんから注文受けてたので、二番煎じながらSS投稿失礼しますモンニー! - 75カラレスミラージュの人23/01/15(日) 07:59:28
新たなる門出を迎え、蕾が花を開くと言うには、まだ少しだけ早い時期。寒さも和らぎ微睡みを誘う暖かさの下、お店に立つ私の前に現れたのは……
「すみませーん、ちょっとお伺いしたいことが──えっ、フラりん!?」
「はい、いらっしゃいませ! お求めのお花はなんでしょ──ミラちゃん!?」
私の淡い桃色とは対照的に。陽光に照らされて艶やかな反射を見せる、黒髪の大柄な少女だった。
「そっか、この花屋さんがフラりんのご実家だったんだね……知らなかった……」
「私も、ここが実家だとは誰にも伝えてませんでしたからね。GⅠウマ娘も店頭に立つ花屋さんってなれば、話題性もすごいんでしょうけど」
若干の申し訳なさを見せながら縮こまる彼女に、ふんわり優しく微笑みかけてみれば。つられてへにゃりと表情を崩すチームメイトの少女、カラレスミラージュちゃん。青を基調にしたトレセン学園の制服は、赤や黄色、橙といった暖色の花々とマッチするな……なんて思いながら。
「けどミラちゃんが花屋に来るのって少し意外でした。誰かへのプレゼントとかでしょうか?」
「ご、ご明察……! やはりお花に関してフラりんの右に出るウマ娘はいない……!?」
「これそういう話じゃないと思いますよ!?」
少し妙ちきりんな反応を見せる彼女に、思わずツッコミの手が伸びる。……割とインドア派、どちらかというと文明的で現代っ子な彼女が、こうして店に来るくらいの思いを抱えていたとしたら、やはり売り手としては冥利に尽きるから。つい気持ちも高まってしまった。
「えっと、おばあ……祖母がもうすぐ誕生日で。せっかく会いに行くなら、お花好きだしプレゼント出来たら喜ぶかなって」
「ご家族思いの素晴らしい孫娘じゃないですか……! ぜひ協力させてもらいますよ!」
『おばあちゃん』じゃなくて『祖母』と言い換える辺り、チームメイトの私相手にも礼儀正しくあろうとする姿に少しだけくすりと来ちゃったけれど。やっぱり、色々な用途の中でも贈答用のお花は特別な思いを込められた品だと思うから。健気な友達のためにも、協力してあげたいって思うのは店員さんとして当然のこと。
「ありがとうございます! そっか、フラりんに助けてもらえるなら安心だな……」
「ふふっ、お花については間違いなく先輩ですから! 存分に頼ってください!」 - 76カラレスミラージュの人23/01/15(日) 07:59:49
そうして、彼女の話を聞きながら……あるいは、私がちょっとした雑学を語りながら。和気藹々と、プレゼントの選定が進められた。曰く、お祖母さんの誕生日は3月27日。丁度“さくらの日”とも呼ばれるこの日、当人の好みということもあって、桜の花をメインに据えることにした。
「啓翁桜……初めて聞いたかも」
「昔の人の名前から取られたんですよ。翁(おきな)とあるように、どちらかと言うとお爺さんなんですけどね」
お店に並ぶのは3月くらいまで。桃色の花を落としても、生命力に満ちた青い葉桜が目を楽しませる。そんな花……どちらかと言うとパッと見は枝なので、同じく春らしいピンクのバラやチューリップでデコレーション。花束というよりはブーケに近い完成品になったけど、ミラちゃん曰く洋風のお花もお好きとのことなので問題ないかな。
そんなこんなで無事にプレゼントも決まり、残すはラッピングだけ。今の私はミラちゃんの友達であると同時に、この花屋に立つ店員さんだから。お客さんを差別するつもりはないけれど、やっぱり見知った相手ということで熱が入る。
……そういえば、“さくらの日”は3月27日だけど、桜自体は4月1日の……それこそ、私の誕生日のお花だったりする。どうしてもエイプリルフールの日なのと、そうでなくとも春休み中だから面と向かってお祝いしてもらえる場面は少しだけ少なかったりする。まあ、今時は0時0分にお祝いメッセージを送ってもらえたりもする時代だから、全然大丈夫。
「あ、フラりん。これ別で包んでもらって大丈夫?」
「はい、もちろん大丈夫ですよー!」
そう言って彼女が差し出してきたのは、何輪かのマーガレット。彩り鮮やかなブーケの中で、白色と黄色のシンプルなそれは少し浮いていると思ったけど、ミラちゃんらしいといえばらしいチョイスなのかな? ……なんて思っていたら。
「フラりんフラりん。当日またメッセージは送るつもりだけど、リアルでは会えないと思うから……少し早いけど、誕生日おめでとう!」
「……えっ?」
そう言って、彼女が差し出してきたのは……たった今、私がラッピングしたばかりの、マーガレットの花束。まだまだ瑞々しさの残るその花を正面に見据えるのは、包んでいた先ほどと変わらないはずなんだけれど…… - 77カラレスミラージュの人23/01/15(日) 08:00:08
「……あ、もしかして仕事終わるまで待った方が良かった!? それともお花屋さんの娘にお花プレゼントってもしかして非常識だった……!? でも他のお店で買って渡すのも……えっと……!」
「……ふふ、大丈夫ですよ。落ち着いてください」
百面相みたいにコロコロ顔色を変える彼女が、少しだけ面白くて。花束を受け取りながら、にっこり一笑。私の表情に落ち着いてくれたのか、彼女も軽くだけど微笑んでくれた。
「けど、どうしてマーガレットを選んだんですか? いえ単純に気になって、どんなお考えだったんでしょうかと」
……失礼かもしれないけど、私の知るミラちゃんはこういう知識に疎いイメージがあった。彼女のトレーナーさんとかは色々物知りそうだけど、さっきの反応を見るに私の実家に来たこと自体が予想外だっただろうし。そう思いながら聞いてみると、ばつが悪そうに頬を掻きながら答えてくれた。
「確か、マーガレットって4月1日のお花だよね? ちょうど誕生日の。それで花言葉も『誠実な心』とか『信頼』とか、フラりんにピッタリだなと思って!」
「…………そうですか! 信頼、そう言ってもらえて嬉しいです!」
ふふふと2人して笑いながら、帰り支度を始めたミラちゃんを眺める。こんなタイミングで学友に会うとは思わなかったけれど、こういう体験も学生の間ならではですね、なんて。
大事にブーケを抱えて去っていった彼女を見送り、自分の手元に目を落とす。……友達から貰った、マーガレットの花束。 - 78カラレスミラージュの人23/01/15(日) 08:00:42
「……ミラちゃん、花占いのシーンとか見たことなかったんでしょうか?」
好き、嫌い。好き、嫌い、好き、嫌い。そんな言葉と共に、花弁を一枚ずつ取り去る遊び、或いは恋占い。
ミラちゃんの言っていることは、特に何も間違っていない。確かにこの花は4月1日の誕生花だし、誠実や信頼といった花言葉が付いているのも正しい。だけど。
「……『真実の愛』、『秘密の恋』。あの場で伝えていたら、どうなっていたんでしょうね?」
きっと、彼女はあの時以上にあたふた動揺したかもしれない。顔を真っ赤にして、必死に弁明したかもしれない。けれど、もしかしたら、なんて。ありもしないその先を連想してしまう。
花束から、一輪だけをするりと抜き出して。少し力を込めるだけで崩れてしまいそうな、儚い花弁を撫で上げる。
「私は、摘み取ったりしませんからね」
花屋さんの娘でもあるし、何より“友達”からもらったプレゼントを粗末に扱う趣味は私にない。何処かにしまっていたはずの花瓶を探すため、その一輪をもう一度だけ束に戻して、私は自分の部屋に戻るのでした── - 79二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 08:56:39
花屋してるときのフラリンすこ
そして、もう一つの花言葉の意味を知ってて敢えて伝えないところ……やるな(?)
でも自分も花占いの花がマーガレットだったなんて知らそん……。ってなってる
フラリンの人裏でめっちゃSS発注してて草なんだ - 80ヨゾラギャウサルのうまそうる23/01/15(日) 09:00:41
- 81二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 09:04:15
30レス…30レス……!?
- 82メジロエスキーの人23/01/15(日) 09:09:39
- 83二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 09:11:36
- 84ヨゾラギャウサルのうまそうる23/01/15(日) 09:17:47
- 85メジロエスキーの人23/01/15(日) 09:24:50
- 86二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 09:28:05
そこについては本人に一任かな?
- 87カエラレミラージュの人23/01/15(日) 09:29:49
- 88ヨゾラギャウサルのうまそうる23/01/15(日) 11:02:26
2時間くらい考えた結果、取り敢えず全文1回で投げてみてどんな反応になるか見てみたくなったのでそのまま投げますね
(15レスも20レスもそう変わらんやろ精神) - 89ヨゾラギャウサルのうまそうる23/01/15(日) 11:02:52
『Black Bitter X'Mas』
「――今年のクラシック級は凄い、ねぇ」
学園の図書室にてレース雑誌に目を落としながら、アドマイヤラプラスは独り言ちた。視線の先には『世代交代の波は来たれり』と称された特集が組まれている。
我が世代には強敵が多い。ラプラス自身もそれは早くから感じていたけれども、だとしてもと云いたくなるくらいの躍進振りであった。
出走の無かった安田記念・宝塚記念の両春シニアG1はともかく、芝の秋シニア戦線では有馬記念を残してなんとクラシック:シニアの勝ち名乗りが2:3と云う始末。
有馬記念でクラシック級のウマ娘が勝利すれば、その総数はシニア級に比肩する。新時代の到来を願う者からすれば、この結果を望むのは道理であった。
「あら……あなたは」
「? ああ、エストさん……でしたっけ」
かなり濃い色合いの鹿毛を背中の中程まで伸ばしたウマ娘が、ラプラスの横に座る。名をエストリルディスと云った。
ラインクラフト以来となる、桜花賞・NHKマイルカップを連勝したティアラ路線での変則二冠ウマ娘。
その後はクラシック戦線を離脱してスプリントへと舵を切り、秋にはセントウルステークスで叩いてスプリンターズステークスに挑戦。
バ群を舞うかの如く交わしていったその走りは、突き抜けたと表現するには、少しばかり優雅に過ぎて。
そんなG1を3勝したウマ娘が、ましてシニア級のウマ娘を相手取って短距離で戴冠した当代の若き女王が、怪我からのリハビリに苦しむしがない重賞ウマ娘相手に何の用か。 - 90ヨゾラギャウサルのうまそうる23/01/15(日) 11:03:10
「有馬記念が終わりましたら、わたくしたちの世代で同学年の皆さんで集まって打ち上げをしませんか、と云う話になっていまして」
「え、なにそれ……初耳……」
「あなたは先日まで復帰を悩まれていたご様子でしたから。少々声を掛けるのを躊躇ってしまいました……申し訳ございません」
謝られることではない、とフォローを入れておく。自分自身、トゥインクルシリーズを辞めてドリームトロフィーリーグへの移籍を考えていたくらいなのだから。
エストがそう判断することは何もおかしいことなど無い。我ながらそう思う。ちなみに、トレーナーの方にはすでに了解を得ていたらしい。
トレーナーは保護者なのだろうか――そう思ってしまったが、続く言葉から鑑みるにどうも金銭的な問題だったようで。
「場所はこちらのレストランを予定しています。それで、出走者を除いた参加者全員で、有馬記念を観戦したいなと思いまして」
「ここ、結構良いところのホテルじゃない……その中のレストランなんだ。と云うか、ライヴ終了直後に帰ってきて打ち上げ、ってこと……?」
「そうなりますね。ま、学業の方は冬休みに入りますから、多少破目を外したところでどうとでも。半個室状態にする予定なので、あまり騒がしくしなければ」
「補習受ける子が出そうだけど、そうなったらどうするの?」
「それは――諦めて下さい。現にフルールさんは諦めました」
フルールドゥオーロは諦めた。その事実に笑い声を上げそうになり、無理矢理に喉許に留めて破顔する。そんなラプラスの表情を見て、エストも薄く相好を崩した。
ちなみにラプラス自身は、期末テストを平均よりは上の点数で切り抜けている。分析肌が学業にも活かされた結果のようだ。
それにしてもエストの発言は『出来る側の論理』だとは思うけれど。フルールも可哀想に。
「それでですね。あなたにたってのお願いがございまして」
改まっての懇願に、ラプラスは首を捻ることとなった……。 - 91ヨゾラギャウサルのうまそうる23/01/15(日) 11:03:58
「――で、大役を仰せつかったと」
「そう云うことになるかな。ただ、エストさんってハピちゃんと同じクラスじゃなかったっけ?」
そんなことが有った翌朝。ラプラスとグランドカプリースが談笑している。
彼女も先日は皐月賞ウマ娘として沙田(シャティン)へと乗り込み香港カップに挑戦したものの……現地ウマ娘の壁は高く、インディファティガブルの遙か後塵を拝する結果となっていた。
それでも気丈に振る舞っている辺り、キングヘイローに私淑しているこの子らしい――そうラプラスは感じていた。
「聞いたところによると『ラプが行くなら』と云うことのようです。なので、又聞きよりは本人が直接伝えた方が良いと思ったのではないかと」
「なるほどねえ。事情は理解したよ。お昼にでも声を掛けておこうかな」
「ハピネスブラックさん。わたしは話したことが無いのだけれど、どんなひとなのかしら」
「それは、私じゃなくてエストさんに訊いてみるべきだと思うけど……」
どうしても昔の姿を知っている自分だと、見るものが変わってしまうと思うから。
「彼女曰く『一匹狼を気取った仔犬』と。その評判が気になったので、他の視点からの意見も聞いてみたいなと思いまして」
その台詞を聞いて、思わず微苦笑が洩れた。それは、ラプラスも一緒の意見だったから。
ただ、結論が同じでも、導き出される過程は異なるのだとは思う。その差異は伝えておくべきかとも感じた。
「確かにちょっとしたことでかりかりしてるイメージは有ったけどね……自分が人好きがしないから遠離ってる、ってわけではないんだけれども」
「それは、わたしも感じます。以前彼女のトレーニングを見たことが有るのですが、トレーナーさんは我儘を良く聞いているな、と思っていました」
そう云えば、ハピネスのトレーナーについてはあまり気にしたことが無かった。本人も特に訊かれないから口を開かないと云うことも有るのだろうけれど。
「あれは、なんと云いますか……子供が駄々を捏ねているみたいなイメージだったんですよね……」
「そんなに。私が居るときとはかち合ってないから、そんな光景を見たことが無いんだけど」
「気性難と云われるウマ娘でも、ある程度の分類は可能だと思うんです。でも、ハピネスさんはどのタイプにも当てはまらないような気がしていて」 - 92ヨゾラギャウサルのうまそうる23/01/15(日) 11:04:18
どう云うことだろうか。相槌が浮かばなくて、カプリースが繋ぐ言葉を待つ。
「例えば、ゴールドシップさんやスイープトウショウさんでも、彼女たちなりの論理(ロジック)で以って行動しているはずなんです」
「うん」
「無論、我らが王たるキングだってそう。ですが、ハピネスさんにはそれを感じないんです」
「……――感じない、か」
ぽつりと零した独り言に、カプリースの耳がぴくりと反応する。それに気付かぬまま、ラプラスは言の葉を紡ぎ続ける。
「ただ、ありのままの自分を受け容れて欲しいだけ。それを子供じみた願望だと切り捨てられたら、ハピちゃんにも立つ瀬が無いんだろうけど」
「そう云うこと……なのですか……?」
「それで、良いと思うよ。トレーナーさんに対しても『何処までなら大丈夫なのか』って云う試し行動の可能性は有るんじゃないかな」
ただ、その行動の結果として契約関係が破綻してしまっては意味が無いとは思うのだけれど……ハピネスもそこまで考えているのか、否か。
この仮説を聞いて、カプリースは考え込んでしまっていた。
「立つ瀬が無い、ですか。確かにわたしたちだってまだ中学生ですから、同じぐらいの年齢の相手にそう断じられるのは業腹、と云うのは理解出来ますけれど」
「実際、私らもまだ子供でしょって云われればそれまでだしね。先生やトレーナーから見たら全然子供だろうし、そう扱われるなら――って気にもなる」
我儘放題なのは確かなのだろう。指摘するのは簡単だけれども、そう切って捨てられない程度にはハピネスブラックと云う少女を理解出来てしまっていて。
「……本当は、ハピちゃんのトレーナーさんも我慢しない方が良かったのかも知れないね」
「たとえそうだとしても、仮にもG1ウマ娘を契約解除に追い込んだらキャリアに傷が付くのでは……?」
「だってこれ、単なるコミュニケーション不全だよ? 言葉が足りないのに『理解出来ないなら踏み込んでくるな』って態度取ってるハピちゃんも悪いけど」
その状態で菊花賞を勝ててしまえていることこそが一番の問題。ラプラスとしてはそう考えざるを得ない。
だから彼女の契約当初から醸成されているであろう爆弾をどうやって処理するか。畢竟そこに意識が移る。 - 93ヨゾラギャウサルのうまそうる23/01/15(日) 11:04:39
「多分だけど。ハピちゃんも困ってるんじゃないかな……なまじ何処までやっても受け容れてくれるものだから」
「それこそ、あなたのルームメイトさんはそう云う方をトレーナーにしていますしね?」
あれは特殊例だと断ずる。あの子を相手取ってあんなに楽しそうに出来る――そう云う幸運を掴み取る能力を、ヨゾラギャウサルは持っていた。
ただ、ハピネスブラックのトレーナーは聞く限りではそうではないようだ。あんなのが2人以上居て甚るかとも思うけれど。
強いて彼女たち2人のウマ娘に違いが有るとすれば、それは世界に対するバリアの違いだろうか。
ハピネスブラックの場合は、自らと相手とを分断する防壁。そこに終始する。放っておいて欲しい、みたいなイメージだろうか。
対してヨゾラギャウサルは、どちらかと云うと攻撃的。害するものを排除する意識が高い。邪魔だから出て行け、と云った感じ。
概して後者の方が跳ねっ返りであり、響かせようとして打ってくるからこそ御し易いと云うことかも知れない。
「こんな話聞かされたら、打ち上げに出ない理由……思いつかなくなっちゃったな。元から出席するつもりだったけどさ」
「わたしたちも楽しみにしていますよ。あの独り法師上等なウマ娘を、どうか陽の当たる場所に引き摺り出して下さいね?」
そんな気障ったらしい台詞に柔らかい微笑だけで応えて、ラプラスは自分の席へと引き取ることにした……。 - 94ヨゾラギャウサルのうまそうる23/01/15(日) 11:05:12
今年の有馬記念はクリスマス決戦。それに加えて、風花がちらつくホワイトクリスマスとなっていた。
防寒はしっかりしているはずなのに、中山レース場に降り立ってからと云うもの、身体の芯から冷えている感覚が拭えない。
バ場には問題が無いようで、良との発表が出ていた。雰囲気は出ているし、テレビなどで観戦する分には悪くないのだろう。走る身としては勘弁して欲しいが。
「らららー♪ らら♪ らーららららっらーらら♪ らーららっらーらら♪ らーららららっらーらら♪」
「何故坊主疾走……」
「12月って師走じゃん? 師走の師っておぼーさんらしーじゃん? 中山レース場って千葉じゃん? だから」
……当代の秋華賞ウマ娘だけは、独り元気にあるメロディを口遊んでいた。その曲を理解出来ていたのは、ウマ娘陣ではラプラスだけだったけれども。
ラプラスとてあのチームならこの曲、と染み付いた世代ではない。と云うか父親が知っていなければ自分も知らなかったと思う。
そもそもあちらはこの季節だとシーズンオフだし、近年では10年以上封印状態とは云わないまでも非常に演奏回数が少ない、と聞いた記憶が有るのだが……。
「ラプラスさんがどの曲か解っていること以上に、フルールさんが師走の意味をきちんと理解していることの方が不思議です……」
「それは同感ですわね……」
「なんか、みんなしてアタシの扱いが雑になってない?」
「いや、まだましだと思うよ? 私なんて中山の場所ちゃんと理解出来てるんだ……って思ってたし」
「ひっどー。アタシそこまで莫迦だと思われてたん?」
全員が同時に首肯する。そんな姿を見て、フルールドゥオーロは盛大に肩を落とした。
「うはー、そこまでかー。確かに今回のメンバーだとアタシだけ補習確定だけどさー……」
「それは……ご愁傷さま……」
そこで一回会話が途切れる。沈黙を破ったのは、エストリルディスだった。 - 95ヨゾラギャウサルのうまそうる23/01/15(日) 11:05:42
「そう云えば、ラプラスさん」
「……何? エストさん」
「先日、わたくしが声を掛けたときにレース雑誌を読んでいましたよね。あれはどう云った内容だったのですか?」
エストの台詞に、持ってきていた鞄を漁り始める。結局あのときに読めなかったので、改めて読み直そうと書店で購入していたのだ。
お目当てのものを探し当てると、葉を開いて全員の眼前に差し出す。
「はいこれ」
「なになに、『世代交代の波は来たれり』ですか……。そんな印象は無かったのですが」
「云われる切っ掛けになったオンナがなんか云ってる」
「まったく。出走メンバーも含めて、今回の打ち上げの参加者で複数のG1を勝利しているウマ娘は現状あなたとブレイズさんだけですよ?」
小首を傾げる姿こそ可愛らしいが、その戦績は全く可愛くもなんとも無かった。そこに可笑しみを覚える。
この場に於いては、ラプラスの方こそ場違いなのかも知れなかった。スタンド観戦組では唯一G1での勝利が未だに無い。
出走組まで含めれば、フブキカスケイドも居るのだが……彼女が今回勝利してしまえば、自分以外全員G1ウマ娘だ。
「マイルチャンピオンシップに出走しても、そんな感じは無かった?」
「そう、ですね。そこまでは。マークされている感触は有りましたけど、それはわたくしだから、であって」
――前言撤回。エストも状況を理解していないわけではなかったらしい。真に強いウマ娘とはこう云う精神構造(マインドセット)なのだなあ、と感じた。
スプリンターズステークスを制した後に、彼女はマイルチャンピオンシップを奪るべく京都に殴り込んでいる。結果こそ3着だったが、その健闘が讃えられていた。 - 96ヨゾラギャウサルのうまそうる23/01/15(日) 11:06:16
「うーん、フブキングだけなんか評判悪いなぁ。やっぱ最近勝ててないから?」
「勝てたレースも審議対象になってるのが多いからねぇ。悪気は無いんだろうし必死に勝ち筋探した結果なんだろうけど」
「イン突きや内埒好きも考えもの、と思いますわね」
逃げることが出来ていれば、内埒を頼ること自体に問題は無くなる。それをしないのか、出来ないのか、は外野からは判断出来ないけれども。
壁は打ち破るもの、なんて度し難い性癖であった場合にはもはや打つ手は存在しないが。
その辺りはどう考えているのか。今回の打ち上げで聞いてみたくはある。今まで存在こそ認知していたが、会話したことは無かったから。
「話をハピネスさんに移すと……こちらもそこまで評判が良くは無い……?」
「京都大賞典、菊花賞の連勝はフロック、と云うことでしょうか。面白くないです」
それは違う。この誌面で強さが伝わらないのは、彼女が優れているところを伝えられていないから。その意図は読めないけれど。
「ハピちゃんの凄いところって、ペースを作る能力だからねぇ。目に見えない部分だから、どうしてもこう云うところだと難しい、ってのは有ると思う」
「それは、実体験ですか?」
「そう、ですわね……皐月賞で一緒に走ったからこそ、ダービーでの精緻さには舌を巻きました」
ラプラスの前に、グランドカプリースが口を挟んだ。彼女もクラシックにてクラウン路線を選んだ身である、言及することに何の違和感も介在しない。
おそらくは、皐月賞にて最初から全力で飛ばした結果、16着に惨敗したことがトラウマめいてハピネスの頭に残っていたのだと思う。
だからこそダービーで溜め逃げを間に合わせた。尤も、それでも付け焼き刃だったのか11着に沈んだけれども。
「多分、完全に開花したのは菊花賞だったんじゃないかな。ただ、それがシニア級のウマ娘に通じるのか……って疑問は残るよね」
「今回の有馬記念が、その試金石となる――そう云うことですね」
「そゆこと。まあ、だからこそブレイズはわかりやすく堂々と推されてる。勝ち方が派手だし、見てて楽しい気持ちの良いレースをするからね」 - 97ヨゾラギャウサルのうまそうる23/01/15(日) 11:06:36
この中では、カプリースにも似たような傾向は有るけれども。ただ、ダービーなどで猛追しても届かず、と云うレースも有った為に、人気は安定しないだけで。
ラプラス自身は、そんな能力(もの)は持ち合わせていない。お仕着せのような好位からの抜け出しのみ。展開の面白味なんて欠片も存在しない。
それでも、これまでは勝利と云う結果で応えられていたから、人気が備わっているように見えていただけ。今後もそうである確証なんて無い。
ぐるぐると、思考が堂々巡りを開始しそうになる。それを遮ったのは、歓声と実況アナウンスだった。
『年末の中山で争われる夢のグランプリ・有馬記念! あなたの夢、私の夢は叶うのか!』
『1番人気は前走ジャパンカップを見事に制した新鋭・グロリアスブレイズ、2番人気にはG2荒らしの暴れん坊・シャンギロンゴが入りました』
『3番人気にマンゼルバベット、4番人気はプリンツレーゲンが、それぞれ入っております』
『皆の夢と希望を乗せて、いざ出陣です。今有馬記念のゲートが開きました!』
ゲートが開くと同時に、16人のウマ娘が一斉に飛び出した。出遅れた子はどうも居なさそうだ。
中山2500mはコーナーが6回も、それも1回目は出足に存在するトリッキーなコース。もしロス無く回れるウマ娘が居るとすれば――。
『フブキカスケイド、最内枠を活かして先頭に立ちました! しかしすっと下がってハピネスブラックに端を譲ります!』
「さっすが内埒大好き。でもこれ、外枠だったら斜行を取られてたんじゃないかな」
「有り得そうで恐ろしいわ……それはそうと、やっぱりハピネスさんは逃げるんですね」
やや外枠となる12番からの発走となったハピネスブラックであったが、端に立つのを嫌ったフブキカスケイドに譲られて先陣を切っている。
しかしそれすら一瞬のことで。大外からシニアも3年目になるコンシリエーリが先頭を奪って、ハピネスブラックは番手で追走を選択した。
少しずつ、気付かれないようにペースが上がっていく。スタンドから良く見える1000m通過時点のタイムは1分を切っていた。 - 98ヨゾラギャウサルのうまそうる23/01/15(日) 11:06:55
「これ、2500mだよね? ちょい早くない?」
「ええ。普通でしたらまず先行勢は総崩れでしょう……ただ、本来なら後方待機しているはずのウマ娘も一つに固まって流れています。そこがどう出るか」
「これが、ハピネスさんの上手さだと。ラプラスさん、あなたはそう云うのね?」
「うん。まして端を奪ったのが自分より外枠のコンシリエーリさんだからね……それこそカプリースちゃんみたいな末脚でぶち抜かれることだけ心配すれば良いから」
そこで言葉を1回切る。何時の間にか、エストとフルールの注意もこちらに向いていて。
「おそらくは、コンシリエーリさんは楽に逃されて大逃げか、それとも端を譲られないかを想定してたんだと思う」
「その大逃げには、ハピネスさんだけが着いて来る展開も有り得ますよね?」
「そうだね。ハピちゃんだけなら、その展開も考えられたと思う。問題はフブキさんだった」
「フブキング? なんで?」
「このメンバーで、唯一あの菊花賞を経験してるから。ハピちゃんを好きにさせたらどうなるか、誰よりも知っているからね」
この有馬記念に挑んだクラシック級のウマ娘は、グロリアスブレイズとハピネスブラック、そしてフブキカスケイドの3名。
無論、全員ダービーに出走したので、そのときに対戦経験こそ有るが……ブレイズはジャパンカップを選択した為に、菊花賞は走っていない。
それでも、レース中の意識と云うものはどうしても伝播するもので。
『さあ2度目の第3コーナーに掛かります、ここまで一団となって、わずかに先手を取っているのがハピネスブラック!』
『6番人気ではありますが逃げる逃げる! さあ後続はどう出る!?』
「で、そのフブキさんがハピちゃんに鈴を付けてる。ダービー2着だったフブキさんが、勝った自分じゃなくて、その舞台で惨敗してるハピちゃんをマークしてる」
「――……つまり?」
「こうなるとブレイズも黙ってないわけで。フブキさんよりも末脚は切れるからあまり前には出てないけど、1番人気が先団を追走することを選択した」
「そうして、ブレイズさんをマークしていた全員が着いて行く。結果としてバ群の塊が誕生した、と云うわけですか」
結論、長距離レースらしからぬハイペースでの消耗戦が始まったと云う次第。 - 99ヨゾラギャウサルのうまそうる23/01/15(日) 11:07:15
『第4コーナーをカーブ! ついにここでグロリアスブレイズが目覚めるか!』
『しかし中山の直線は短いぞ! 先頭を捉えることは出来るのか!』
『未だ先頭はハピネスブラック! そこに食らいつくのはシャンギロンゴ! 大外からプリンツレーゲンも突っ込んでくるぞ!』
そして、前走菊花賞にてあんな滅茶苦茶なレースメイクが出来る稀代の長距離専(ステイヤー)なればこそ。このハイペースで追走した並の一流程度には届かせない。
もし、それでも届くウマ娘が居るとすれば、それはただ独り――グロリアスブレイズ以外には存在しなかった。
『グロリアスブレイズだ! グロリアスブレイズだ! バ群を縫ってなおも加速する!』
『しかしハピネスブラックも粘る! 懸命に堪えている! これはマッチレースか! クラシック級ウマ娘のワンツーフィニッシュか!』
出走すべきだったかしら、と幽かに口走るのが聞こえた。けれどラプラスとしては、彼女の挑戦を称えたかった。しかし何も云わなかった。
『この雪を散らすのは煌めく焔か! あるいは祝福の黒か! 終わりを刻むのは! どっちだぁ!』
黒と赤が同時に入線する。3番手以下も混戦模様だったが、この2人の遙か遠くで行われていた。
ターフビジョンには、写真判定となったハピネスブラックとグロリアスブレイズの両名が映し出されている。
ハピネスの方がわずかに凌いでいるように見えるのは、どうも自分だけではないようで。
「これは……ハピちゃん、かな」
「そのようですね。贔屓目ではありませんが、良いレースを見せて貰いました」
「いやー、これが有馬かー。見てるだけでめっちゃアガる……来年、出てみたいなぁ……」
「凄かった。わたし、この2人と三冠を分け合ったんですね」
口々に感想が洩れる中で、ターフビジョンは12番を1着と示していた……。 - 100ヨゾラギャウサルのうまそうる23/01/15(日) 11:07:37
ライヴも恙無く終わって。来年の府中であの曲をセンターで歌うのだと決意を新たにしつつ。
ウマ娘の方は実際に走った3人が参加したことからか興奮冷めやらぬ様子で、レストランの席に座って落ち着いたと思った次の瞬間には感想戦が始まっていた。
逆にトレーナー陣は話もそこそこにアルコールが入り始めていた。仮にも大人では? と当て擦りたくなるのをどうにか抑え込む。
「フブキ、あそこでハピネスを捨て置く選択肢って無かったの?」
「有り得ないとしか云えませんわね。放っておいたらおそらく行った行ったで貴女やカプリースですら届かないくらいに引き離されますわよ?」
口火を開いたのはグロリアスブレイズだった。やはりハナ差での敗北だけに思うところは有ると云うことなのか、”納得するまで帰れない”オーラが凄い。
それに対して10着に沈んだフブキカスケイドは落ち着いたもので。大敗しただけに冷静に分析出来ているのだろうか。
「ラプラスさんとしては、大逃げになった場合の予測はどんな感じだったのですか?」
「そうだねぇ……コンシリエーリさんはともかくハピちゃんそこまで人気無いわけじゃないし、誰かは行ったと思うけど……」
「それなら、さっさと端を奪って自分だけで大逃げ」
ラプラスが云い淀んだところで、ハピネスブラックが口を挟んでくる。こう云った呼吸は、やはり付き合ってきた期間の長さ故か。
それにしても、自分独りで出るつもりだった、とはあまりに大胆に過ぎる。自分も事前に展開を決め打ちして、レース中に適宜修正するタイプだが……。
――いや、違う。そう云うことか。ハピネスの意図に納得したところで、周囲の反応を待つ。
「ハピネスさん、あなた自爆する気だったってこと? 場を引っ掻き回してそれで満足、なんて云わないでしょうね」
「まさか、2500mなら息を入れなくても大丈夫って話……? いや有り得るかもだけど、流石にそれは……」
「無いっしょ。それ出来んなら菊花賞であんなに抜かされてでもってやんなくて良かったんじゃないの?」
「誰かに仕掛けて欲しかった。違う? ハピちゃん」
ラプラスの言葉を聞いて、ハピネスが小さくこくんと頷いた。その返答に、皆一様に狐に摘まれたような顔をしていて。 - 101ヨゾラギャウサルのうまそうる23/01/15(日) 11:08:13
「えっどゆこと、本気で潰れる気で走るウマ娘なんて居なくない?」
「まさか。走る時間はともかく、全員を一緒のペースにしたかっただけ」
「大逃げにはしたくない。ある程度人気を抱えてる自分が行くなら、着いて来るひとも出てくる。特に、フブキさんは間違い無く出てくるはず」
ハピネスの言葉を継いで、想像した通りの展開を語っていく。そこに口を差し挟まれることが無い辺り、互いのレースメイクを共有出来ているのだろう。
おそらく”大逃げにしたくない”のではなく、”大逃げにはならない”のだろうとは思うけれど。
「そうね。大逃げは許せない。でも、そう思わされてしまっていることこそが、私がハピネスさんの術中に填まってしまっていることの証明なのよね……」
「それで、フブキが出るなら私も出るはず――そう云うこと。良いようにやられちゃってるなぁ……」
自分が彼女と相対するときには、果たしてどうなるだろうか。そんな空恐ろしい想像を働かせる。実際問題、来年以降どのレースでかち合うか判然としない。
ラプラスとて的確な観察眼、そして分析力は自身のトレーナーからさえ高い評価を受けている。しかしハピネスの構想力とは畑が違う。
ラプラスの場合はトップダウンと云うか、すでに存在する勝ち筋を模索し、そこに至るまでにはどうすれば良いか。そこを突き詰めていくもの。
逆にハピネスは、勝ち筋は創り上げるもの、と云う認識であるらしい。特に感情面まで考慮に入れた論理展開は、ラプラス自身が持ち合わせていないものだ。
ハピネスのレースを見るたびに課題を突きつけられている気がしてならない。だからこそ、共に走ったときにどうなるか、は気になっている。
「逆説的に、大逃げになった方が嫌だった……そう云うことですか……?」
「うん。それだと、純粋な力勝負になっちゃう。そしたら、ブレイズでも、フブキでも、2人じゃなくても。多分誰かに差し切られてた」
「前に出る分で消費する体力と、それによって作れる差とを天秤に掛ける必要が有る。理解は出来るけれど、わたしがあなたの立場なら、きっとそこまで云えない」
「そうだね。私もカプリースちゃんみたいに、そこまで割り切れないよ……と云うかハピちゃん、実力が劣ってるなんて思ってたの?」 - 102ヨゾラギャウサルのうまそうる23/01/15(日) 11:08:31
純粋な力勝負になれば負ける。ハピネスが云っているのはそう云うこと。だからこそ、こうして策を弄する破目になったのだろうけれど。
まあ確かに、自分以外はシニア級か、すでにG1を2つ勝利しているブレイズ。フブキとて、何処かの歯車が違えばG1を勝利していてもおかしくない。
自分がレースに出走したとして考えると、挑戦者みたいな心持ちになってしまうのは仕方が無いのかも知れない。彼女と違ってまだG1を勝てていないし、余計に。
「ここまで完璧でも、今日は生きた心地がしなかった」
なればこそ、この発言には全員が驚いた。出走者総てを手玉に取ってなお、負ける可能性が存在したと云うのだから。
しかしラプラスだけは直ぐにこの意味が理解出来た。それもそのはず、自身にも同じ経験が有ったから。ただそれだけ。
「このくらいの雪なら、あなたの焔が灼き払ってしまうと思ってたけど。でもそうじゃなかった」
「なっ――――…………」
「ちょっと、ハピちゃん……」
ハピネスの歯に衣着せぬとばかりの発言に、漣が立った。云われた側のブレイズなんて、完全に目を見開いて彼女の方を見つめている。
そんな居心地の悪い静寂を破ったのは、空腹によって鳴った腹の音だった。今の今まで、大した食事の注文をしていなかった。
良い年齢(とし)したトレーナー共は、とっくのとうに出来上がってしまっている。なんだか急に可笑しくなって、みんなでメニューを開くことにした……。 - 103ヨゾラギャウサルのうまそうる23/01/15(日) 11:09:03
明日の朝食は要らないかも知れない。全員が全員そう思ってしまうくらいの量を胃の腑に収めて、寮への帰路に着く。
その道すがら、グロリアスブレイズは頻りに何かを考え込んでいた。原因は、想像がついているけれども。
彼女に気を遣ったのか、ハピネスブラックとエストリルディスが、グランドカプリースとフルールドゥオーロにフブキカスケイドが、それぞれグループを作っていた。
前者に関しては、説教の意味合いも有ったのかも知れない……口煩く指摘しているのが、ぼんやりとラプラスの方まで届いていた。
「……買い被られてるなぁ」
「そうかなー。ハピちゃんの云い方はともかく、ブレイズなら差し切っておかしくないとは思ってたけど」
日本ダービーとジャパンカップを制し、有馬記念はハナ差の2着。最優秀クラシックウマ娘どころか、年度代表バすら狙える戦績である。
本人の主観ではいざ知らず、良くも悪くも目標や標的にされ易くなっていることは否定出来ないのだろう。
無論、その程度の圧力であれば跳ね返せるだろうと、好敵手としての冷徹な判断も、友人としてのささやかな期待も、そう告げている。
「でも、今回こうやってお話出来て良かったな。ラプラスは幼馴染なんだっけ?」
「うん。けど私は今回で怖くなったよ、同じレースで走るの」
「そうなの? 彼女、それこそ長距離でこそ活躍するウマ娘なんだろうな、だから私たちとはあんまりかち合わないんじゃないかな、って思ってたけど」
その意見自体には同意するのだが、導き出された過程は気になる。確かに今年の勝鞍は距離が長いものが多いけれども。
菊花賞と有馬記念での勝利。例年であれば、それだけでも最優秀クラシックウマ娘は十分考えられる成績である。今年は相手が悪かったと云うことなのだろう。
「レース中にあそこまで考えられるなら、きっと2000mなんて短過ぎるんじゃない? 来年の春の天皇賞とか、多分出れば勝つよ」
「天皇賞は目指すって云ってたけど、詳しい出走スケジュールは聞かなかったなぁ。確かに、普通に考えたら阪神大賞典か日経賞辺りを叩くんだろうけどさ」
「あー、でもマイラーの子とかステイヤーの子とかに大きく距離を変えて勝ちなさいってひと、ファンでもトレーナーでもたまに見るよね」
「居るね。純粋スプリンターにはあまり云わない癖にね。あれ不思議だよねぇ」 - 104ヨゾラギャウサルのうまそうる23/01/15(日) 11:09:39
チャンピオンディスタンスやクラシックディスタンスが主戦場の自分たちには、あまり肌感覚で馴染んでいない話ではあった。
彼女たちの苦悩を理解してあげられることは難しいし、何処か他人事のような印象を受けている。無論、本人たちが望んで他の距離もと狙う場合は有るのだろうが。
その後は益体も無い話が続き、気付けば寮の門前まで辿り着いていた。フジキセキとヒシアマゾン、両寮長に会釈してその場を離れようとしたが――。
「ラプラス、アンタはちょい待ち。トレーナーさんが、会わせたい奴が居るって云ってたからね」
ラプラス独りだけが、ヒシアマゾンに足止めをされた。確かに要件は伝えてあるので、会わせたい奴と云うのも誰かは判る。思ったよりタイミングは早かったけれども。
5分10分程度待っただろうか……自身のトレーナーが、若い男性を1人引き連れてくるのが見えた。
「悪いなラプラス、こんな時間に。ちょっと門限は超えるかも知れないけど、寮長の眼前なら大丈夫かと思ってな」
「……そう云うことだったんですね。まあ鉄は熱いうちに打てと云いますし、私の方は問題無いです。この方がハピちゃんのトレーナーさんですか? 初めまして」
「ええ、ボクがそうです。初めまして、アドマイヤラプラスさん。噂はかねがね」 - 105ヨゾラギャウサルのうまそうる23/01/15(日) 11:09:56
やや線の細そうな、柔和な笑顔を浮かべた青年だった。この寒い時節に、しかも夜の帳はとうに降りているのに、汗が光っているのが気になるけれど。
「お手柔らかにな。さっきまで潰れた奴を介抱してたんだ……少しばかり頭が回ってないかも知れん」
「先輩も他人のこと云えないじゃないですか。ボクは1人で、先輩は2人も介抱してたんですから……」
なるほど。汗を掻いていたのはそう云うことか。理由が理解出来れば、違和感は無い。
帰ってくるときに大人がエストリルディスのトレーナー独りしか居なかった裏には、そんな事態が存在していたらしい。
「それで、ラプラスさん。ボクに聞きたいことなどは有りますか? 先輩からはそのように伺っているんですが」
「その……今度、ハピちゃんと一緒に練習させて貰えませんか」
「? それで良いのですか?」
「ええ。私も友人から色々なことを聞いては居まして、お伺いしたことも多々存在するんですが。まず自分の目で見てから判断したいなと」
想像上の手で想像上のパズルを組み上げるわけにもいかない。カプリースから聞いている内容だけではまだ判断材料にはなり得ない。
「なるほど……判りました。日程のすり合わせはボクと先輩の方でやってしまって構いませんか?」
「お願いします。それでは、また今度――ハピちゃんに宜しく伝えておいて下さい」
「ええ。お休みなさい、ラプラスさん」
一つ約束をして、寮へと戻っていく。想像上の手が、なにかを創り上げようとしていて。
何度か深呼吸をしてから、凍りつく夜空を振り仰いだ。空に瞬く星々が、もう溶けたはずの六花に見えて仕方が無かった――。 - 106ヨゾラギャウサルのうまそうる23/01/15(日) 11:11:03
ここまで!(思ったよりレス使わなかった……)
1ヶ月近く遅れてるのも問題なんだけど、なんで14000字近く書いてレースが3000字ほどしか無いんですかね……? - 107二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 12:34:10
- 108インバスレイズ23/01/15(日) 14:31:14
深夜に便乗投稿したかった(規制に負けた)メイドさんss投げ失礼します、短いのでそのまま…。
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「本当に、コレで元気になるんだろうね?」
「らしいぞ、自分にもよくわからんが…。」
目の前にはオムライス、ボクの手にはケチャップ。そしてそれを、カメラに収めるトレーナー。
何故こんな事に…?いや、原因はわかっている。キッカケは、とある単純な企画だ。典型的なメイドさん動作をボクらウマ娘がするという…ファンへの感謝、そして応援のお返しイベント。
断ろうかとも思ったのだが、兄から楽しみにしてるとメッセージが送られてきてしまい…自分でもなぜかわからないが、着替えまで済ませてしまった。ノリ気で無いことは確かなのに。なんでこんな、フリルの多い服に着替えちゃったんだろう。
「全く、良い趣味してるよ本当に…はァ…。」
「やっぱり、自分の方から断っておこうか?あんまり無理してやる物でもないしさ。」
「いや、良いよ。ここで降りるのは負けた気がするし…それにもう、回してるんでしょ?ランプ、思いっきり点灯してるよ。」
「あっ、バレた?だって、レイズがスカート系を着ることないしさ…珍しいと思ったから、つい」
「ついって、キミさぁ」
軽くそう吐くと、叱られた犬みたいな顔するものだから。ボクはその顔に折れてやるしかなくて。
「キミは、トレーナーは、ボクの魔法で元気になれるわけ?」
「なれる。レイズがしてくれるのなら、何だって元気になるよ」
「随分素直だね。じゃあちゃんと撮ってよ、一回しかやらないから…!」
「美味しくなーれ!」
そう唱えながら、ケチャップに巨大なハートを描く。後で見せてもらった録画のボクは、そのケチャップと同じくらい赤くなっていた。 - 109二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 14:43:53
キッカケがまさかの兄から!
一回しかやらないからとは言いつつもちゃんとやってくれる辺りかわいい
恥じらいからしか得られない成分は確かにある - 110メジロエスキーの人23/01/15(日) 18:00:08
はー、カワヨ
- 111二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 18:24:04
ウワーッ イラスト!
ウワーッ SSラッシュ!
ウワーッ シーウィザード馬券溶けた! - 112二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 20:22:53
ケチャップでスプラトゥーンかましそうなボバーをマトモにするとしたらもう催眠か記憶喪失か同室のウマ娘と頭を打って魂入れ替えるくらいしないと無理な気がするっス
ボバーのとこ以外だとフラライコンビのとことかも中身が入れ替われば解決するかもしれない
もういっそ同室関係なしにボディチェンジしたら面白いことにならないかな(適当 - 113二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 20:30:14
待ってくださいグッドルッキング良識ウマ娘バラカちゃんの体が犠牲になるんですけど
- 114二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 20:41:01
バラカそのものはボバーの身体に移動してるだけで実害は好き勝手にフリーダムしてる自分の姿が見えてるだけだからボバーからの被害がなくなるという総合的な±を考慮すれば危害は発生してないのでセーフセーフ
- 115二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 20:42:03
だ、そうです。
チームカオスの皆様方、是非ともご検討ください。 - 116二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 20:46:41
君の名はやめろ
- 117二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 20:55:18
クインinボバーなんか合うんじゃないかしら
謎のファム・ファタール感ある気がする - 118二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 20:56:20
牡馬の押し付け合い始まったな
- 119二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 21:07:12
- 120二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 21:14:09
あえての部長
- 121二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 21:40:08
クイン「甚だ遺憾である」
- 122メジロエスキーの人23/01/16(月) 07:06:19
そんなん王道のライジョウドウinバラカでしょ
- 123二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 09:02:18
奇行種出禁でよくないか???
- 124二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 11:56:41
普段謝罪行脚してるカジっちゃんにボバーが入ったらギャップ込みで面白い絵面になりそうだなあとおもいましたまる
- 125二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 12:19:22
多分カジッちゃん心労でぶっ壊れたと思われるんじゃないかな?
- 126二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 13:01:09
カジ虐!
- 127シュウマツノカジツの人23/01/16(月) 15:01:38
流行らせていけ
- 128二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 15:03:05
お前が流行らせるんかい
- 129二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 18:17:24
本人公認だぞ!手始めに部屋中のラーメンと言うラーメンを隠してしまえ!
- 130シュウマツノカジツの人23/01/16(月) 18:26:10
来ちゃダメ!
何もない!何も置いてないったら!
出てきちゃダメ!(怪現象) - 131二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 18:52:51
₍₍⁽⁽(カ)₎₎⁾⁾
見て!カジっちゃんが踊っているよ
かわいいね
三└(┐卍 (ボ) )卍ドゥルルルルル
ボバニキが中に入ったので、カジっちゃんの体は奇行に走ってしまいました
お前のせいです
あ〜あ - 132メジロエスキーの人23/01/16(月) 18:58:34
なんか同室が奇行種になったんだけど
あとラーメンは隠させないよ? - 133二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 19:02:45
- 134シュウマツノカジツの人23/01/16(月) 19:16:27
実際中の人はカップ麺常備してるわけではないので、多分カジっちゃんもほとんど(10個くらいしか)持ってないんじゃないでしょうか
カップ麺はね - 135二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 19:19:54
- 136二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 19:31:51
- 137シュウマツノカジツの人23/01/16(月) 20:39:58
- 138カンパナーレボバー23/01/16(月) 20:55:29
なんか自分のウマソウルがキャッチボールされてるの草
- 139メジロエスキーの人23/01/16(月) 21:02:46
大丈夫? トレーナーのところに苦情寄せられてない?
- 140二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 21:05:24
豚骨煮出さなきゃセーフじゃないかな(専有面積から目を逸らしつつ)
- 141二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 22:29:57
- 142二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 22:32:18
(ドッジボールとか爆弾ゲームとかの類いでは……?)
- 143二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 22:48:34
そんなものとっとと爆弾処理してもろて。。。
- 144二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 22:58:15
- 145二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 23:00:53
生産速すぎで草
- 146二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 23:10:42
結局入れ替わっても奇行は変わらないじゃねえかよ
中止だ中止! - 147メジロエスキーの人23/01/17(火) 06:22:09
- 148二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 11:00:27
でもそれクソ不味を味わうことになるのバラカだよ?
- 149二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 12:20:49
バラカ
謎のコスプレ写真を得る
クソマズ味わう(元に戻れば後味無し)
イブ
体力が回復するがクソマズの後味がある
ロイビ1L飲んだやつという評判を得る
等価交換だな! ヨシ! - 150二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 18:31:19
等価 定義 検索
- 151二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 19:36:45
コスプレのチョイス次第で甘ロリだとかサキュバス衣装だとか着てる写真がバラカのスマホに追加されてる可能性が微レ存
- 152二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 19:40:09
結局のところ本人公認のカジ虐で一番効率が良くて程よい感じのってなにかしら
- 153二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 19:40:44
輪ゴムでラーメンを作る
- 154二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 19:43:06
ロイビラーメン
- 155二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 19:44:03
つまり輪ゴムをロイヤルビタージュースで煮込む…ってコト!?
- 156メジロエスキーの人23/01/17(火) 19:47:50
ごめん、ちょっと何言ってるか分かんない
- 157二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 19:52:13
犠牲になるのは輪ゴムとロイビだけだからカジちゃノーダメだゾ
- 158二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 20:13:58
ラーメン屋に行こうとしたギリギリのタイミングで横やりを入れ続けて結果丸一日食べれなくなるとかどうだろうか
- 159二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 20:28:13
待てよ、何もラーメン縛りじゃなくていいんだぜ
具体的には短距離走りたがるカジっちゃんを中山グランドジャンプにぶちこむ - 160二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 20:47:26
そもそも謝罪行脚が部長とカジッちゃん虐待みたいなものでは…?
- 161二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 21:29:24
鍋は洗えよ(真顔)
- 162二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 22:24:44
じゃあ代わりにボバ虐かフラ虐だったらやってもいいかな?
- 163メジロエスキーの人23/01/17(火) 22:30:00
いじめよくない。ダメゼッタイ
- 164二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 22:44:01
- 165二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 23:09:12
面白そうだけど千歳まで行くかって言ったら行かない奴
- 166二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 23:12:02
道民部員がいたら頑張ってもろて…
- 167二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 23:13:55
いるかなぁ!?岩手埼玉東京京都あたりが確認されてる気がするけど道民はいるかなぁ!?
- 168二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 23:28:55
お、オンラインでも出来るってあったから……
- 169二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 23:32:59
ノーザンファームのマラソンのココがスゴイ!
ウッドチップの坂路を走れる!
一口馬主権が当たる!
チャリティオークションで引退馬支援が出来る!
なんか日頃から坂路で鍛えてるガチ勢スタッフも混じってる!
ノーザンファーム - 170二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 00:28:21
- 171メジロエスキーの人23/01/18(水) 08:18:06
頑張れボバー。頑張って勝ってくれ(無茶ぶり)
- 172二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 08:27:04
今のところボバシナリオがぶっちぎりで高難度なの草
このスレでフライトライン知ったときはまだ未勝利戦でヤバそうなのがいる程度の認識だったのに時の流れは早いですな - 173二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 11:03:51
- 174二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 12:03:04
クインちゃん怒りのボバーモード突入
- 175メジロエスキーの人23/01/18(水) 12:09:17
- 176ラプラスの中身23/01/18(水) 12:28:31
どうしてセクレタ・リアトの再来とまで言われるフラ・イトライン兄貴姉貴と対戦しようと思ったんですか?(現場ウマ)
- 177二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 12:30:56
あるあるだね⚡️ 自分もよくやる
- 178メジロエスキーの人23/01/18(水) 12:40:24
世界一の称号欲しい……欲しくない?
- 179二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 12:44:10
- 180メジロエスキーの人23/01/18(水) 13:16:33
ボバー! バラカ! イブ! Flightlineにジェットストリームアタックを仕掛けるぞ!
- 181二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 13:43:48
逆走定期
- 182ラプラスの中身23/01/18(水) 14:15:54
- 183メジロエスキーの人23/01/18(水) 14:47:29
ピンポイントでボバー狙い撃ちされてて草
- 184二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 18:16:41
順番が原作通りなのやめろ
- 185スイセイレッカの内部機構23/01/18(水) 18:18:57
フライイトさんが一瞬ブライトさんに見えた
\オヤジニモ フマレタコト ナイノニ/ - 186二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 18:20:38
牡馬ニキ育成シナリオのシニア期はBCクラシックが締めくくり
つまり…? - 187二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 18:23:05
- 188二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 18:25:29
既にスレ建てスタンバってるのでチキンレースは無意味……。
- 189二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 18:26:56
- 190二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 18:29:07
た
て
お
つ - 191二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 18:33:23
ホモはせっかち
はっきりわかんだね - 192二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 18:36:12
梅が香に昔を問へば春の月
答へぬ影ぞ袖にうつれる - 193二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 18:36:39
梅の花あかぬ色香も昔にて
おなじ形見の春の夜の月 - 194二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 18:37:25
色つぼむ梅の木のまの夕月夜
春の光をみせそむるかな - 195二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 18:37:52
白妙のいもが衣に梅の花
色をも香をもわきぞかねつる - 196二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 18:38:10
ふる雪はかつもけななむ梅の花
ちるにまどはず折りてかざさん - 197二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 18:39:11
吹く風をなにいとひけん梅の花
ちりくる時ぞ香はまさりける - 198二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 18:39:35
すゑむすぶ人のてさへや匂ふらむ
梅のした行く水のながれは - 199二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 18:39:57
- 200二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 18:40:10
埋れ木の下にやつるる梅の花
香をだに散らせ雲の上まで