- 1二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 02:31:35
- 2二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 02:32:08
クローゼットを閉じるとミラーボールの光も遮断され、鳴り響いていたEDMも嘘のように消えた。
シリウスシンボリはまるで夢でも見ているような気分になった。
1度自分で頬をつねり正気を確かめてから、もう一度同じようにクローゼットを開けた。
また、同じようにミラーボールに照らされEDMが1人の部屋に鳴り響いた。
シリウスシンボリは考えた。誰がこんなことをするんだ、と。
そして、頭に浮かんだのは今は不在の相部屋のナカヤマフェスタだった。
意味不明だが謎の技術のあるゴールドシップとでも共謀したのだと、シリウスシンボリはそう考えた。 - 3二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 02:32:30
深夜だがシリウスシンボリは躊躇なく電話をかけた。レース終わりの後泊だということも知っていたので、躊躇などなかった。
3コールでは出ないことは覚悟の上、10コールぐらい待っただろうか気だるそうにナカヤマフェスタが電話に出た。
「1人で寂しくなっちゃったのか?」
というナカヤマフェスタの冗談に被せるように、シリウスシンボリは不機嫌極まりない声で今の状況を説明し、一段と強い口調で
「お前がやったのか?」
と尋ねた。
電話の向こうでひとしきり笑ったナカヤマフェスタは自分ではないことを伝え、強制的に電話を切った。
その電話の反応でシリウスシンボリは今回の犯人が、ナカヤマフェスタでないと直感で感じた。 - 4二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 02:33:00
もう一度、クローゼットを開けてみた。相変わらずミラーボールは光っているし、EDMは鳴り響く。
「意外とノれるな」
そう思った自分が嫌で、シリウスシンボリは静かにクローゼットを閉めて、全てを諦めたような溜息を吐いてからベットに入り眠りについた。
翌朝クローゼットを開けると、そこにはいつものように洋服があった。
「全部夢だったんだ」
自分にそう言い聞かせいつものように身支度をして、ふと通話履歴を見るとナカヤマフェスタの名前があり現実だった気がしてきた。
怖くなったシリウスシンボリは、1度クローゼットの扉を閉めて、もう一度開けてみたがいつもと変わらず、自分の洋服があるだけだった。
安心したように一息をつき、今回のことは全て忘れようと心に決めた。 - 5二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 02:33:24
遠征から帰ってきたナカヤマフェスタが、シリウスシンボリのクローゼットを勝手に開けながら
「なんもねぇじゃねぇか」
と、面白くなさそうに呟いて色々と聞いてきたが、シリウスシンボリはそれを全て無視した。
それからは本当にいつも通りの日常だった。
翌々週のシリウスシンボリの遠征の時に、ナカヤマフェスタのクローゼットから、手筒花火のような光と祭囃子が鳴り響くとは2人とも露ほども思っていないのであった。 - 6二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 02:33:38
以上です。
おやすみなさい - 7二次元好きの匿名さん23/01/14(土) 03:07:03
ぐっすり寝ろ