すみませんここに来れば｜あにまん掲示板

1二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 22:58:17

夏合宿の終わりに去年と違った寸劇を見せてくれるマルゼンさんのショートショートがあると聞いたのですが…

2二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 23:01:59

申し訳ございません
「すみませんここに来れば」というタイトルで建つスレは大抵がセルフサービスの前フリなんですよお客様〜

>>3 >>44

3123/01/15(日) 23:03:19

>>2

仕方ないですねえ…ちょっとお待ちを

4123/01/15(日) 23:05:22

今年こそカウンタックを回避しようと、マルゼンスキーのトレーナーは担当に隠れて皆より先にバスに乗ろうとした。

「あー！」

そして案の定マルゼンスキーに見つかった。

「おっスぺ―、また始まったぞー」

「今行きまーす！」

ゴールドシップとスペシャルウィークはこの寸劇を見ようと近くにいたのだ。

だが残念なことに今年は違った。色んな意味で2人は裏切られることになる。

「あー！！」

「あー！！！」

「あー！！！！」

彼女の詰る声は大きくなる。いつのまにかシンボリルドルフ、エアグルーヴ、マヤノトップガン、カレンチャンのトレーナーが白スーツに着替え、どこからか楽器を取り出した。

※参考動画

The Rubettes - Sugar Baby Love

>>27

5123/01/15(日) 23:06:06

Laaaaaaaaaaaaaa
ああああああああ！

Yuru-Site-Yaaaaaaaaaaaa
許してやあああああああ

Yuru-Site-Yaaaaaaaaaaaa
許してやあああああああ

Uhh-Uh-Uhhhhhhhhhh
た！の！む！

突如としてマルゼンスキーのトレーナーが綺麗だが力強いファルセットで熱唱し、四人のトレーナーはそれに合わせて演奏し、「Bop♪shu♪waddy♪」と軽快なコーラスを添える。

La-haaaaaaaaaaaaa
あああああ！

Yuru-site-yaaaaaaaaaaaa
許してやあああああああ

Uuuuuhhh-Uhhhhhhhhhh
うう…うう…うう…

集まった生徒達やトレーナー、バスの運転手や宿のスタッフは一瞬呆然としたが、新たなトレンディが始まったと理解して各々手拍子したり笑ったり応援しはじめる。
宿は瞬く間にトレンディで陽気な喧噪に包まれる。

6123/01/15(日) 23:06:32

Sugar baby mabu, sugar baby mabu
可愛くてマブい人よ！可愛くてマブい君よ！

I didn't mean to make you blue
悲しませるつもりはなかったんだ！

マルゼンスキーは相変わらずむすっとした顔をしてる。だが足ではしっかりリズムをとっている。
彼女も分かってるのだ。分かってても乙女としては譲れないのである。

Sugar baby mabu, sugar baby mabu
可愛くてマブい恋人よ、可愛くてマブい君よ

I didn't mean to hurt you.
ただバスで帰りたかっただけなんだ！

彼女はツンとした顔をしたままだ。仲間のトレーナー達はまだ「Bop♪shu♪waddy♪」とバックコーラスを謡い続ける。

7123/01/15(日) 23:06:59

All lovers make
恋人達はみんな

Make the same mistakes
同じ間違いを犯す

Yes they do
ああそうさ！

マルゼンスキーは体をゆっさゆっさ揺らしながらリズムに乗り、トレーナー達の演奏もより力が入る。

GIF(Animated) / 2.19MB / 1680ms

8123/01/15(日) 23:07:46

Yes, all lovers make
恋人ならみんなが

Make the same mistakes
同じ間違いをするんだ

As me and you
僕と君みたく！

トレーナーは一般論で畳み掛けると「だからカウンタック乗るのは許して！」との思いを込め、それが彼女に届くように手を合わせした。

だが彼女の答えは無慈悲だった。

9123/01/15(日) 23:09:24

La-haaaaaaaaaaaaa
あああああ！

Yuru-Site-Yaaaaaaaaaaaa
許してやあああああああ

Yuru-Site-Yaaaaaaaaaaaa
許してやあああああああ

Uhh-Uh-Uhhhhhhhhhh
た！の！む！

La-haaaaaaaaaaaaa
あああああ！

Yuru-Site-Yaaaaaaaaaaaa
許してやあああああああ

Uuuuuhhh-Uhhhhhhhhhh
うう…うう…うう…

相変わらずマルゼンスキーは笑顔だ。だがトレーナーの腕を掴み、タッチャンに載せようと力を籠める。
伴奏とコーラスのトレーナー達も生徒達もほぼ全員が「Bop♪shu♪waddy♪Do♪Do♪Do♪」と歌うばかりで助けようとしない。喧噪は先ほどよりも更にトレンディで音量を増している。

10123/01/15(日) 23:10:34

Sugar baby mabu, sugar baby mabu
可愛くてマブい恋人よ、可愛くてマブい君よ

I didn't make to make you blue
悲しませるつもりはなかったんだ！

Sugar baby mabu, sugar baby mabu
可愛くてマブい恋人よ、可愛くてマブい君よ

I didn't mean to hurt you.
ただバスで帰りたかっただけなんだ！

悪酔いするカウンタックだけは…カウンタックだけは勘弁して！
そんな切実な思いも恋する乙女には届かない。答えはいつでもこうだった

11123/01/15(日) 23:11:13

抵抗するもズルズルとカウンタックに引きずられ、運命を悟ったトレーナーは優しい声で語りかける。

People, take my advice
周りの皆さん、どうか僕の意見を聞いてほしい！

If you love somebody
誰かを愛するなら

Don't think twice.
じっくり考えるのはやめてくれ

Love you baby love, sugar baby Mabu
愛してるよ君を！可愛くてマブい君を！

Love you anyway, love you everyday
ただひたすらに、毎日君を！だから！

最後の抵抗とばかりに愛を叫ぶが、彼女の答えは相変わらず無慈悲である。

12123/01/15(日) 23:12:10

La-haaaaaaaaaaaaa
あああああ！

Yuru-Site-Yaaaaaaaaaaaa
許してやあああああああ

Yuru-Site-Yaaaaaaaaaaaa
許してやあああああああ

Uuuuuhhh-Uhhhhhhhhhh
うう…うう…うう…

「な…何ですかあれは…」

先ほど彼女のトレーナーが叫び声を上げながらカウンタックに載せられて終わったパフォーマンスにマルゼンスキーの後輩スペシャルウィークはただ呆気にとられていた。2人に何かあれば曲が流れることは慣れていた。何かトレンディなことが起これば、これ幸いとばかりにゴールドシップらが小田和正の「ラブストーリーは突然に」を流したり、エアグルーヴ、シンボリルドルフ、マヤノトップガン、そしてカレンチャンのトレーナーがいつの間にか演奏してはエアグルーヴからお説教を受けていた。

>>44

13123/01/15(日) 23:13:12

だが、今回ばかりはゴールドシップも目の前のことに呆然としているようだった。

「あれは…イングランドのバンドのザ・ルベッツが1974年にリリースした"シュガー・ベイビー・ラブ"って曲だ。たぶん…マルゼンのご両親の影響か？それともこないだやってたCMか…もう半世紀も前だぜ…」

ゴールドシップは少しひきつった笑みを浮かべながらスペシャルウィークの質問に答えた。ふざける余裕もなさそうだった。

「す…凄い曲でしたね…」
「ああ。というかマルゼンのトレーナーってあんなに高いファルセット出せたのか…。カウンタックの修理も出来てあんなに高い声出せるんじゃトレーナークビになっても食ってけるだろうな」

もっとも2人の反応は少数派のようで、大勢の生徒やトレーナーは手拍子したりコーラスに参加して楽しんでいた。

14123/01/15(日) 23:13:48

「たわけが…何をしているんだ」

エアグルーヴはまるで10歳ぐらい老けたかのようにやつれていた。どうも怒る気にもなれなかったようだ。バスの発車時刻1時間も前の自由時間に起こったことなので、別に学園全体の行動計画に遅れや乱れたわけではなかったし、生徒達もトレーナーも楽しんでいたから怒るに怒れなかった。もっとも生徒達の情緒は大きく乱れたが。帰りのバスの話題はマルゼンスキーとそのトレーナー、そしてその仲間たちによる寸劇というにはあまりに豪華なパフォーマンスで持ちきりだった。そしてマルゼンスキーのトレーナーに加担して演奏したトレーナー四名は学園に帰宅後にエアグルーヴからおしかりを受け、秋川やよい理事長や秘書の駿川たづなから苦笑いで注意を受けたのだった。

15123/01/15(日) 23:14:19

「なんとなくだがよ、スぺ、これで終わりじゃない気がするぜ」
「そ…そうなのですか！？」
「ああ、ゴルシちゃんレーダーがそう反応してる」

スペシャルウィークは少し複雑な思いだった。あれは確かに、事前に連絡されてれば楽しいものだった。だが今回みたいな不意打ちだと心身ともに聞いてる側も消耗するのだ。

「安心しろって。多分今度は不意打ちじゃねえだろうからさ」
「だと良いんですけど…」

16123/01/15(日) 23:14:55

ゴールドシップの言う通り、今度は不意打ちではなかった。マルゼンスキーとそのトレーナーの結婚式に呼ばれた時、そして結婚後にマルゼン夫妻が出演した歌番組、そして、マルゼンスキーのトレーナーに協力した四人のトレーナーの結婚式でも、この歌を歌うのを事前通告されており、今度はちゃんと心から楽しめたからである。

「ふふっ…とっても楽しいですね。今度は私も…！」

スペシャルウィークはそう言いながら、来たる自らの結婚式での余興を思い浮かべながら家路についたのだった。
もちろん相手は彼女のトレーナーである。

完

17123/01/15(日) 23:16:37

これでサンプルとさせてください…

18二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 23:17:39

勢いで笑ってしまったがそれはそれとして