【CP・SS】寒空の下乱れゆく風紀

  • 1二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 23:35:11

    「シチー?」

    バンブーさんと共にトレーニングをした帰路でした。あそこを改善すべきだった、ここが良かったとトレーニングを振り返りながら歩いており、好敵手とのこの時間は私にとって充実したものだったのです。しかし、道中で正面から歩いて来る影が目に入りました。暗さをものともせず輝くかの如く揺れ存在を示す金色の髪。バンブーさんの同室であるゴールドシチーさんと遭遇したのです。

    「あ、先輩……と、ヤエノさん。トレーニングご苦労様です。」
    「シチーさん、こんばんは。モデルの仕事帰りですか?」
    「今日は仕事お休みだったような?というかシチー、そのレジ袋って…?」
    「あー……その、買い食い、デス。」

    ばつが悪そうに、シチーさんは右手に下げたレジ袋を振る。今日はトレーニングも早く終わって、たまにはいいかと思って、などともごもごと話す姿は普段の堂々とした佇まいとは似ても似つかない。それもそうだろう。風紀委員長であるバンブーさんが買い食いに何も言わない訳が無いからだ。

    「シチー……普段から頑張ってるのは知ってるから言いたくないっスけど」
    「ああ~~~そうそうこれ実はいっぱい買っちゃったんですよ食べませんか」
    「あんまり買い食いとかは風紀的によくもごご」
    「どう?美味しいっしょ。疲れた体にエネルギーって感じで……はい、折角だしヤエノさんも。」
    「こ、これは……ありがとうございます。」
    「もぐもぐ……シチー、やめろとは言わないっスけど買い食いはあんまり…」
    「先輩も今食べたでしょ?同罪。」
    「んなっ……へ、減らず口を……。」
    「バンブーさん、分が悪いです……。それにシチーさんは普段からモデルの仕事も含め精進されている身です。今日くらいは目を瞑られても……。」
    「んん……と、特別っスよ。シチーの頑張りはアタシだってわかってるっスから。」
    「えへへ、ありがと。」
    「なんか乗せられた気がするっス……。」

  • 2二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 23:35:29

    3人で道の脇でフランクフルトを食べていると、気付いたことがある。シチーさんの指が赤くなっている。頬も、まるで長い時間外にいたかのようだ。確かに今日は肌寒いが、それにしてもやけに寒そうだ。それに、よく考えると、一番近いコンビニは学園から見て寮の向こう側だ。この道を通ることは無いはず。
    つまり、シチーさんは帰宅中に寄り道した、のではなく…。

    「シチーさん。」
    「はい?」
    「寒空の下でも余分に歩くことで鍛錬を積むその姿勢、感服します。」
    「……はい?」

    以前よりバンブーさんから聞いていたが、彼女のストイックさには目を見張るものがあるようだ。いつか、私も再び相まみえたいものだ。

    「…あ、シチー。ちょっと待つっス。」
    「なーに?」

    そろそろ食べ終わる、というところでバンブーさんが手を止める。そのままシチーさんに顔を近付け。

    「ん」
    「んー?」
    「……………………………………………………………………………は?」

    頬に、口づけした。

  • 3二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 23:36:36

    「ケチャップ付いてたっスよ。」
    「……え、先輩ちょっと」
    「ななななななななななななななななな……」

    な?なんだ?今のは?シチーさんの頬に、バンブーさんが、まるで、いつものこととでもいわんばかりに、そ、その。

    「何をしているのですかーーー!?」
    「え?だからケチャップが…。」
    「……先輩、外でそれはダメだから。」
    「外で!?????」
    「え、でもいつもはこうやって」
    「いつも!??!?!??!?????????」
    「わっ、どうしたんスかヤエノ…?」
    「あー……ヤエノさん、その、これはヤラシーことじゃなくてデスネ……。」
    「外で、ということは寮ではいつもそうやって……そういう………うまだっちですきぴょいな……!」
    「ヤエノ?だ、大丈夫っスかヤエノ?」
    「ウッ!!!……ふう、落ち着きました。」
    「本当に大丈夫っスか!?」

    一発深呼吸をする。取り乱してしまった。お二人に心配をかけ不甲斐ないばかりだ。そう、二人の間に何かがあったとしてなんだというのか。バンブーさんはシチーさんの努力を認めており、シチーさんもバンブーさんへの感謝を日々忘れていない。ならばそういった関係になってもおかしくはない。許そう、すべてを。

    「ご心配をおかけしました。それで、その……ああいった行為は風紀の乱れを起こすかと。人目に付くところではされない方がよろしいかと存じます。」
    「えっ、本当っスか……。父さんや母さんも昔はそうやってくれたし大丈夫かと思ってたんスけどねえ。」

  • 4二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 23:36:48

    「ヤエノさんの言う通りですよ、先輩。……と、先輩もほっぺにケチャップ付けてんじゃん。」

    言いながら、シチーさんはケチャップを人差し指で掬い、それを。

    「あむ。」
    「お゜っ!???????」
    「や、ヤエノーーーーー!??」

    …シチーさん。他人の頬に付いたものを食べるのも、そういう関係を想起させるかと。
    消えゆく意識の中で、私のツッコミが口から出ることは無かった。

  • 5二次元好きの匿名さん23/01/15(日) 23:37:29

    以上になります
    あんまりべたべたしないけどイチャつく二人が書きたかったけど思ったよりイチャイチャしてしまった

  • 6二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 00:15:31

    よかった

  • 7二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 00:24:41

    もっとイチャイチャしろ(凄く良かったです…)

  • 8二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 01:31:59

    甘い…ありがたい…

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