【オリキャラ注意】「ドジって前世を思い出しちまったぜ」外伝その7

  • 1123/01/16(月) 02:50:36

    ナギナギの実を食べてすっ転んだら前世の記憶を思い出しちゃったコラさんの話、の続編。


    SS+ダイス+安価スレになると思います。ただしダイスと安価は要所要所。

    思いついちゃったボスがボスなのでボリュームが広がっていくかもしれない。

    書き溜めゼロなのでライブ感で行くのをご了承ください。

    転載は禁止とさせていただきます。


    【注意事項】

    ・このスレの時系列はごちゃごちゃです。劇場版時系列と思ってください。

    ・ワノ国後っぽい雰囲気が見られたりするかも知れませんが、時系列はパラレル。

    ・ローはK・ROOM、R・ROOM使えるローなのか現状定めていませんが、『凪(サイレント)』は使う事はないと思います。


    前スレ

    【オリキャラ注意】「ドジって前世を思い出しちまったぜ」外伝その6|あにまん掲示板ナギナギの実を食べてすっ転んだら前世の記憶を思い出しちゃったコラさんの話、の続編。SS+ダイス+安価スレになると思います。ただしダイスと安価は要所要所。思いついちゃったボスがボスなのでボリュームが広が…bbs.animanch.com

    最初のスレ

    【オリキャラ注意】「ドジって前世を思い出しちまったぜ」外伝|あにまん掲示板前スレhttps://bbs.animanch.com/board/1079485/の続編です。ナギナギの実を食べてすっ転んだら前世の記憶を思い出しちゃったコラさんの話。SS+ダイス+安価スレになると…bbs.animanch.com

    前作

    「ドジって前世を思い出しちまったぜ」|あにまん掲示板ひっくり返って呆然と青空を仰ぎながら、おれは手に持った一口分齧られた跡があるその実をまじまじと見つめていた。一気に頭の中に起こった記憶の濁流はひどい頭痛と吐き気と倦怠感と悪寒と等々重たい風邪症状をタイ…bbs.animanch.com
  • 2123/01/16(月) 02:51:14

    【このスレだけのオリジナル設定・オリジナルキャラ】

    ・コラさん
    一応色々あって今世の名前をロシーと自称しているが、ローもとい他の船員からはコラさん呼びされています。
    身長166㎝の伸び盛り。将来的には288㎝(ダイスで決定)
    治安悪めのスラムみたいなとこ生まれだけど特別な血統とか病気とかはないまま育った(安価で決定)
    現在悪夢からなんとか脱出!

    ・クオル
    オリキャラ
    安価で悪い医者と出たせいで徹底的にローと対比を取られつつ、神絵師のネコチャンイラストによって野良猫要素が継ぎ足された属性過多男。悪魔の実の能力者。
    不治の病の治療法を見つけるために勉強中の医者。
    ハートの海賊団に居候中。
    ホーキンスと馬が合っているかもしれない。
    現在ペンギンの看病で船に残っている。

  • 3123/01/16(月) 02:51:39

    このスレからの新オリキャラ

    ・マリー
    色付き眼鏡、腕には入れ墨、屋台で威勢のいい掛け声をするファンキーなシスター。
    面倒見のいい姐さんタイプ。
    過去神様にあったことがあるらしい……?
    現在失踪中。

    ・クリストファー
    ギャンブル好きの生臭神父。人当たりはいいけれど結構適当でろくでなし。
    マリーのお父さん。
    右腕は義手。
    元兵士。
    現在悪夢に飲み込まれている。

    ・レミ
    本名レミリオ。優しそうな丸眼鏡のお兄さん。
    頬から首を渡って大きな傷がある。死んだ兄がいるらしい。
    過去失踪したことがあるらしい……?
    現在何かに乗っ取られている可能性有。

    ・ラミ
    レミのお兄さん。すでに故人。元神父。
    レミ曰く、『海賊に殺された』。
    コクレア様を蘇らせようとしていた?
    そのためにクリスたちを島に呼びよせた?
    豹変した姿で登場。何かに乗っ取られている……?

  • 4二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 02:59:18

    スレ立てお疲れ様です
    いよいよ次は我らがキャプテンの夢ですね〜
    ワクワクするぜ

  • 5123/01/16(月) 03:00:46



    歩く。
    歩く。
    歩く。

    息が白い。寒い。冷たい。まるで内臓が凍ったようだ。
    辺りには、白い肌をした人間が、幾人も、幾人も、倒れている。
    ……大丈夫。大丈夫。大丈夫。
    まだ、大丈夫だ。

    何度も繰り返される悪夢の中。
    ぎりぎりで留めて置ける理性。
    壊れるぎりぎりで、堰き止め続けている。
    それでも限界が近い――のを、無視する。大丈夫だ、耐えれる。最早単純な思考しか出来なくなっていても、おれは、おれだということを知っている。

    島に来た、そこで、事件に巻き込まれた。ペンギンが意識不明。コクレア様という神。豊穣神と呼ばれる何か。クリストファーという神父。マリーというシスター。レミという古本屋。ラミという、レミの兄で、既に故人である神父。シャチがいる。ベポがいる。コラさんが、いる。
    ――まだ、思考できている。繰り返し続く悪夢の中で。

    まだ、まだ、まだ、おれは正気だ。


    ばぁん、と鳴る。拳銃。おれの前で倒れる、124回死んだコラさん。
    ――――だいじょう、ぶだ。コラさんは、おれの船にいる。
    いるのだ。目の前で、死んだのは、夢で―――でも、たしかに、過去は、本当で、

    「……ちく、しょう」

    悪夢だ。

  • 6123/01/16(月) 03:08:14

    「まだくたばらないの? お兄様」

    軽やかな声が聞こえる。は、としながら、おれは振り返る。
    そこにいたのは、おれの妹である、ラミだ。
    おれの足はふらつく。ふらつきながら、近づこうとして、ハッとする。
    ―――夢だ。これは。そう、悪夢だからこそ、本物ではない。

    「……あーあ。なるほど、実際起こったことを繰り返すだけなら、壊れないんだ。すごいね、お兄様。頑張り屋だね」

    これまでの人間は簡単に発狂したけれど。そう無邪気に残酷なことを告げる姿は、ラミではない。それはありえない。

    「結構弱ってるけれど、ぎりぎりのところで保ってる。他の人は悪夢に飲み込まれたのに。快挙だよ、お兄様」
    「……てめェが、お兄様、と呼ぶな……!」
    「―――じゃあ、なんだろう。ありえないことでも見せればいいのかな」

    妹の姿をした悪夢は、首を傾げる。それから、ああ、そうか、と愉し気に笑った。

    「ありえたはずの世界の方が、面白いかな」

    人間の心って難しいなあ、と言いながら、悪夢は、ぱちり、と手を叩く。
    それが合図とでも言うかのように、一気に世界は転換する。

    「こういう趣向はどうかな、お兄様。どうぞ楽しんで」

  • 7123/01/16(月) 03:16:22

    そう言って。
    転換された世界は、おれの前で彩られる。

    暖かい、太陽が差し込む中。
    父様が、医者をしている。母様がそれを支えている。
    ――成長したラミが、看護師として動き回っている。

    「ぁ、」

    そこに入ってきたのは、コラさんだ。
    海軍の服を着ている。背中に正義の文字が刻まれているコートを、着ている。
    ドジったのか、怪我の治療を受けていた。
    そんなコラさんのことを、誰かが中将、という敬称で、呼んでいる。
    そんな風に呼ばれ、照れ臭そうに笑うコラさんに、誰かが近づく―――センゴクだ。

    「お前は、私の誇りだ」

    コラさんの肩に手を置いて、本当に誇らしそうに、嬉しそうに言って、

    ――――その光景は、ありえないものだと悟る。

    「あ、ああ、あ」

    ありえたはずの世界。奪われた世界。
    ――――おれが、奪ってしまった、世界。

    「ああああああああ」

    あはは、と悪夢が笑う。
    がしゃん、と。何かが閉じる音が聞こえた。

  • 8123/01/16(月) 03:18:02

    世界が閉じる。
    ずっと、閉じる。
    閉じこもる。

    魔法を解くものは、もういない。


  • 9123/01/16(月) 03:18:47

    というところで今日はここまでで。
    また保守のご協力をどうかよろしくお願いします!

  • 10二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 03:31:15

    悪夢のバリエーションを充実させなくていいんですよ!!!(泣)
    いや124回もループして精神壊れきれてないキャプテンの凄さもわかるけども!!!!!

  • 11二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 03:45:18

    このレスは削除されています

  • 12二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 03:47:08

    ループ回数が3桁行っても折れてないキャプテンの心が強い…と思ったけどコラさんからもらった心なわけだから弱いわけがなかった

  • 13二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 09:46:03

    さっすがキャプテンメンタル強っ‼︎過去見せられても愛された記憶も大切な仲間もいるから折れんわなって思ってたけど、自分のせいで失った、あったかもしれない未来見せられるほうがキツイわな。

    悪夢のバリエーション増やすなよ‼︎この悪魔‼︎

  • 14二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 17:04:48

    立て乙です
    前スレのざっとした説明
    ・自責の念に駆られたコラさんを慰めるロー
    ・ラミの姿をした悪魔とエンカウントした時の言葉から悪魔の実の能力者ではないかと推測
    ・ピラミッドの神殿探索、ホーキンスから昔に大火災があったことを聞く
    ・目星の成功、怪しい花による強制催眠発動
    ・ループする悪夢によりコラさん、ロー、ベポ、クリスが戦闘不能
    ・サングラスによる目隠しで免れたホーキンスとシャチが共闘
    ・シャチしか観測できなかった本来のラミさんらしき幽霊?が手帳を読めるようにしてくれた
    ・ホーキンスの能力でシャチが悪夢に飛び込むことに
    ( 主 人 公 交 代 )
    ・親しい人の死体が降って来る中小舟にいるベポの悪夢にてラミさんの助言
    ・ポーラータングを召喚、直感でステンドグラスが出口?になると推測
    ・ベポを悪夢から逃がして次の夢へ
    ・炎の中自殺しようとする子どものコラさんの悪夢の中でメンタルケアするシャチ
    ・ドフラミンゴの言葉がきっかけで自我を取り戻したコラさん、説明を受けて心配しながらも先に悪夢から抜ける
    ・シャチの悪夢への旅はいよいよローへ

  • 15二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 17:14:01

    ローの悪夢の「世界が閉じる」って書き方が不穏だな…
    いやシャチならキャプテンを救おうと頑張ってくれる筈だ
    頑張れシャチ!!

  • 16二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 18:36:46

    前スレのイメージbgmで夢と希望出てたけど、逆に悪夢の中のイメージbgmはこれかな 丁度クソ花繋がりあるしな!

    Undertale Ost: 079 - Your Best Nightmare


  • 17二次元好きの匿名さん23/01/16(月) 19:07:24

    アンテ繋がりで(≠16)

    SAVE the World

    シャチがみんな悪夢から助けてるシーンこれまた合うのよ…

    うん誰も死なない優しいRPGだこれ()

  • 18二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 01:34:41

    このレスは削除されています

  • 19123/01/17(火) 02:04:26

    保守と感想ありがとうございます! スレ主はCOCしてました。


    >>14

    いつもあらすじを書いてくださりありがとうございます!

    箇条書きにしてくれるからとても分かりやすい……!


    >>16

    ひええトラウマBGM……。

    けどまあクソ花なのは確か。聞いているとぞくぞくするので、なんとか邪悪さを深めたい。

    ありがとうございます!


    >>17

    大好きなBGMです! いつも泣きそうになる神曲。

    シャチ大活躍だな……。脳内でシャチをきらびやかにさせます。イカ釣り漁船出来るくらいに。

    活力にします! たすかる!!

  • 20123/01/17(火) 02:12:17

    扉を開けると、真っ白だった。
    しんしん、と雪が降りしきる世界。
    音はなく、誰かが生きている気配もしない。
    踏み出せばさくり、と雪が軋む音を立てた。――身体が一気に冷える。
    まるで身体が凍ったように動きづらい。踏み出そうと歩けば歩くほど、ぎしり、ぎしり、と身体が悲鳴をあげた。

    「……寒い……」

    スワロー島の長い冬を思い出す。寒くて寒くて、ペンギンと身を寄せ合って暖を取っていたことだってあった。だって、あいつらはおれたちに毛布一つすらケチるのだ。
    でも、スワロー島の寒さとは違う。こっちはまるで心すら冷え切っていくような、嫌な寒さだ。
    ……悪夢だから。きっと、心にすら影響する。ここまでの短いような長いような旅路で学んだ。

    深呼吸をしたら肺すら凍ってしまいそうで、密やかに息をしながら、おれは前へ前へと歩いていく。
    白が浸食した世界は、ただただ寂しい。ベポの悪夢とはまた違う寂しさだ。どこか、虚無すら感じるほどの。

    「……キャプテン、のかな」

    なんとなくだけれど、そう思う。
    直感でしかないけれど――あまりに寒くて、白くて、悲しくて。なんだかここにいたら、涙か出てきそうになるから。
    気分が沈む。そんな自分を叱咤するけれど、なかなかに一歩踏み出せば踏み出すほど、心が重くなっていくのだ。

    「……ええい、おれはシャチだぞ。ハートの海賊団のシャチ。誇り高い海のギャングだ」

    そう自分を励ます。船に戻ったら熱い鍋でも作ってもらうんだ。
    は~~~~~!! 気を滅入らせるな! 心まで冷え切ったら、誰がみんなを助け出すんだっての!
    体温を上げろ、熱を高めろ! こういうのは気力だ。病は気から!!

  • 21123/01/17(火) 02:28:17

    この世界は、まるで歩くだけで身体も心も削っていく。
    それが辛いのはそうだけれども、そんな悪夢を見ているだろうキャプテンが心配だ。
    ベポも、コラさんも、小さい子どもの姿になっていた。恐らく一番辛い時期だったからだろう。もしくは、その時その出来事が一番辛く感じる年齢に合わせてるのか。……後者だったら悪趣味だな。

    代わり映えのない雪景色。
    歩くだけで精神が削り取られていく。
    ……いや、広いなここ。結構歩き回っている気がするのに、一向にどこにもつかない。
    どこにも、キャプテンがいない。
    まさか空っぽってことはあるまい。一面雪の白ばかり、マジで頭おかしくなりそうだ。……そんな時は、ひたすら頭の中で楽しいことを考える。そんで自分を奮い立たせる。

    そうこうしながら、なんとか足を動かすのを止めずに進んでいたら。
    遠くに建造物のようなものが見えてきた―――、雪みたいな、白い町だ。

    「……いや、白い町って」

    それは、キャプテンの故郷の……。
    ぐ、と唇を噛みながら、そこに向かう。
    そこにはいるのだろうか、キャプテンが。……ローさんが。

  • 22123/01/17(火) 02:42:39

    走ることは出来なかった。身体がとにかく重い。だから、ひいこらと歩き続けて――なんとか到着したその場所も、命みたいなものがこれっぽっちも感じられない、寂しい場所だった。
    誰もいない。死体すらもない。そこには、ただ終わった街がある。
    雪が降り積もるその町は、悲しいくらいに綺麗だ。建物や装飾品すべてが白くできていて、雪とまじりあって、溶け込んでいる。

    音がない。無音じゃないけれど、感じられない。
    ――何故かボロッと涙が出て、おれは慌ててそれを拭った。だから、泣いている場合じゃないってのに!

    「……ローさん! どこだー!」

    大きな声で叫ぶ。声が反響するけれど、どこにも届かない。それがむしろ物悲しい。
    ……あー! もう! なんでこんなに悲しくなってばかりなんだよ!!

    そう思って、はた、と気づく。

    「……キャプテン、今悲しいのかな」

    悲しくて、悲しくて、たまらないのだろうか。
    だっておれがこんなにも悲しい。ローさんの境遇を味わっていないのに、こんなに心が砕けそうなくらい悲しい。

    最初は、世界を滅茶苦茶にしたかった、と言っていた。怒りを抱いていた。憎しみを抱いていた。
    悪夢は、色んな触れられたくないものを引きずり出させて直視させる。――この世界が、引きずり出されたものの結果なら。
    ……ローさんの寝底になったものは、怒りとか、復讐心じゃなくて、こんなにも寂しい悲しみだったのだろうか。
    生命を感じさせない美しい町は、どこまでも寂しい。だから、おれは泣いてしまうんだ。ローさんが今、寂しいところにいるだろうから。

  • 23123/01/17(火) 03:00:09

    ああくそ、本当にここに一人でいるのはマジで精神が参っちまう!
    頬を両手でぱちんと叩く。
    根性見せろ! へこたれてたら誰も助けられねェだろ!
    おれがどうにかしないでどうする。今、ローさんを助けられるのはおれだけなんだ。
    だから、歯を食いしばってでも、歩かないと、

    ――――そう思っていたら。

    背後から、どしゃ、と何かが落ちる音が聞こえた。
    すぐさま振りかえる。
    こういう時、碌なものがない。死体か何か、それとも――フレバンスの国民だったりしたら、
    ……いろいろと想像を膨らませ、覚悟して、構えて、……でも、その想像はすべて裏切られた。

    雪の中に埋まる子ども。もぞもぞとしながら、なんとか身体をぼふっと抜く。
    ……あれ?
    明らかに見覚えがある姿――先ほどよりも歳を重ね、おれがよく知っている姿になったその子どもは、

    「―――コラさん!? なんで!?」
    「耐え切れずに来ちまった! 悪い!」
    「あ、あ、あ~~~~~~~!! まぁホーキンスがいれば出来るよな~~~~~~!!!!!」

    来ちゃったか~~~~!!! そりゃ来るよな~~~~~~!!
    何せ、コラさんはローさんの恩人兼兄弟兼親子みたいな感じのなんかこう、すごい複雑な立ち位置だ。少なくともおれから見てそう。……親子は怒られるかな。
    ともかく! さっきおれが来たらダメだって断ったって、やっぱり放っておけねェ~~!!!ってなったら、そりゃ来ちゃうだろ!!
    コラさんたまにアホで考え無しで向こう見ずのすっとこどっこいなんだから!!!

  • 24二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 03:08:28

    ですよねーー(これで勝つる!とか思っちゃった)(ペンラとうちわ装備)

  • 25123/01/17(火) 03:24:25

    「こ、コラさん。あんたさっきまで自分の悪夢の中にいただろ!」
    「おう! そんでちゃんとさっき起きることが出来たぜ! シャチすごいな、ベポも助けたんだろ?」
    「あ、あざす、じゃなくて! そうじゃなくてさ!」
    「……わかってる」

    おれがなんて言えばいいのかわからず、ただただ捲し立てるしか出来ずにもどかしさでぐるぐるしていると、コラさんは困ったように笑いかけながら、おれの腕を掴む。

    「わかってる、シャチ。さっき思い知ってる。今おれたちが対峙してる悪魔とか、悪夢とか。とんでもねェよな。おれもすっげェ辛い思いしたし、シャチが助けてくれなかったら絶対抜け出せなかった。マジで」
    「だったら!」
    「でも、おれ、ダメなんだ。ローを放っておけない。シャチがいるから大丈夫だってわかってる。ロー自身だって強いから、きっと目覚めることが出来る。きっとおれはこの場所に必要ない」

    い、いやそんなことまで言ってねェけど!?
    どんどんと後ろ向きなことを堂々と言ってのける様にぽかんとする。
    一見卑屈なことを言っているように思えるのに、けれどもその目だけは真っすぐだ。

    「でも、どうしても身体が動くんだ。耐えられないんだ。もしかしたら、おれが置いて行っちまった小さな子どもが、ずっとまだ独りで苦しんでいるんだと思うと」

    おれが、大丈夫じゃない。
    ――それは、もう、いっそ立派なほどの子どもの癇癪というやつ、なのだろう。
    なんかもう、感心する勢いで、コラさんは、堂々とそう言っちまう。
    なるほど、我が強い。おれは思わず笑っちまった。
    少しばかり気分も明るくなった。そんな気がする。

  • 26123/01/17(火) 03:27:05

    というところで今日はここまでにさせていただきます。
    一応明言しておくと、コラさんが来なくともシャチだけで十分ローを呼び戻せると思います。ローにとってシャチは大事で信頼できる仲間に違いないので。
    またどうか、保守のご協力よろしくお願いします。

  • 27二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 04:40:43

    前スレからたった今、一気読みし終えました。アフロミンゴの名前出た時に爆笑して、狂気に戦慄して、バトルシーンで強さにビックリしました!
    前スレ今スレのキャラの魅力や話の展開とか、とにかく引き出しが凄い!体調にお気をつけながら頑張って下さい!

    フラムちゃん可愛い!

  • 28二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 06:56:33

    コラさん来ちゃったか…!そうだよなローを放っておくのも苦しいし悪夢を見るのも苦しいなら飛び込んじゃうのがコラさんだろうな……
    シャチだけでローを呼び戻せるという事だけれど、コラさん自身もそれは承知で……なんかこの胸の内が言語化出来ない!けど見守り応援するしかないな…!

  • 29二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 11:05:25

    シャチだけでもちゃんと呼び戻せるけど、それはそれとしてコラさんが来ない理由にはならない〜最高です!!
    悪夢で音がないって、もしかして『凪』かけられてたあの時のローの状態を反映しているのかな??

  • 30二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 19:16:17

    >>29

    天才か

  • 31二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 20:09:50

    キャラが生き生きしてて躍動感あふれる主様の文章が大好きです!

    ずっとROM専でしたがコラさん再登場で脳内BGMが鳴り響いてしまったので書き込みさせてください

    「Fate/Grand Order」第2部後期オープニングムービー

    走り出すその理由がたとえどんなにくだらなくても〜


    前スレから通してここの転生コラさんのイメージが個人的にこの曲(特にサビ)です

    シャチもローも信じてるけどそれはそれとしてじっとしてないのがコラさんだよなあと納得しつつ、でも自分をもっと大事にしてと言いたくなるもどかしさが…(この人約束通り船から降ろして次に合流するまでの間無事でいられる?知らないとこで誰かのために命かけない?大丈夫?)

    とりあえず全部終わったらクルーに説教とガルチューされてオリキャラたちもホーちゃんもまとめてみんなで美味しいご飯食べて…

  • 32二次元好きの匿名さん23/01/17(火) 23:48:45

    このレスは削除されています

  • 33二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 00:27:39

    やっぱり今回のこともお説教案件なのかな~なんだろうな~…でもまずは誰も欠けずに元気に元の船や家に戻って来ないとな!がんばえ~!

  • 34二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 02:06:12

    今さっきこのスレを見つけ全部読んで来ました…!
    スレ主さんのキャラエミュや心理描写がとても上手くてこの物語にどんどん引き込まれちゃいました!!!
    今日の仕事に支障をきたすレベルで続きがとても気になる…!!!

  • 35123/01/18(水) 02:33:09

    保守ありがとうございました!!最近連日連夜CoCやっているので来るのが遅くなる

    今日も少しだけ書いていきます。


    >>27

    前スレたくさんpartあるのに読んでくれてありがとうございます!たくさん褒めてくれて嬉しい!

    フラムちゃんは可愛いです。


    >>31

    大好きな曲だ~~~!! コラさんはもう自分の鼓動とかに従って生きているのでね。

    聞いていたら滅茶苦茶熱くなりました。いい感じに活躍させたい。

  • 36123/01/18(水) 02:46:40

    ここで放り出すわけにもいかないので、おれはコラさんを引き連れてこの悪夢の世界を歩き回ることにする。
    なんだかんだ言ったけれど、孤独じゃないってのは結構力になる。
    一人だとあんなにも凍えそうだった心が浮上してくる。
    それに、コラさんがいると場の雰囲気が明るくなる気がするのだ。真剣な顔して一歩踏み出そうとした瞬間こけてるし。
    ……夢の中でもドジってあるんだな。

    「……にしても、ローのやついねェな」
    「コラさん、鼻の頭に雪がついてる」
    「マジか。どうりで冷たいと思った」

    ベポの時も、コラさんの時も。比較的あっさりと見つかった気がする。
    なのに、ここには誰もいない。ただただ静かで静謐さを感じる死のような気配だけ、肌の周りをざわざわと撫でながらしんしんと積もっていく。
    立ち止まれば氷漬けになって、一歩も動けなくなるような気の重さ。
    二人分の呼吸と足音ばかりが聞こえる、無音ばかりの世界。

    「……凪いでるなァ」

    コラさんが、遠くを見ながらそんなことをぼやく。
    確かに、ここでは風も感じない。雪は降り続けているから、厳密には違うかもしれないけれど、すべてが静止しているように思える。

    「ローさん、どこにいるんだろ……」
    「ん~……わからねェけど、でも、身体冷やしているだろな。暖めてやりてェよ。おれさっき燃えてたしちょうどよくねェ?」
    「あんた今そのジョーク笑えないですからね」
    「え、滑った!?」

  • 37123/01/18(水) 03:10:09

    軽口を叩きながら、二人で各々色んな方向に視線を向ける。
    もし雪に埋まってたりしたらどうしようかと気を配りつつ。逸れないように隣同士しっかりお互いを確認しあいながら、誰もいない街をそのまま通り過ぎていく。
    一応街にある家々の中を覗いたりしたけれど、誰もいなかった。ローさんだけじゃなく、町の住民も。

    ――まだ、世界は続いている。どこまで続いているのかわからないけれど、それでも諦める選択肢は最初からない。
    コラさんもさっきから何度も大きな声を出している。
    おれも負けじと大声を出すけれど……返答はない。
    ま、ベポもコラさんもまともに返事を返すことも出来なかったし、予想はしていたけれど……それでも、なんか反応があったらいいと思うじゃん。

    こんなに呼びかけて呼びかけても、帰ってくるのは静寂ばかり。
    なんだよ、もうどこに隠れてんだよローさん……とため息を吐いて、

    そして、顔を上げた。

    「……あの、コラさん」
    「ん、なんだよシャチ。なんか見つけたか?」
    「カーム、かけれますか?」
    「え? あ、おう。わかんねェけど。夢のなかだし」
    「やってみてください」
    「おお?」

    何言ってるんだ?と首を傾げながらも、コラさんは自分とおれの身体に触れる。
    ここは現実の世界ではないけれど、それでもポーラータング号を出せたみたいに、ある程度の影響を夢の中に齎すことは出来るようで、おれとコラさんの音は消えた。

  • 38123/01/18(水) 03:38:38

    おれたちの音が消える。消えてしまえば、辺りは本当に静寂に包まれる。
    コラさんがいったいどうすればいいんだ、と眉を下げながらおれを見てくるけれど、おれは人差し指を口に当てて静かに、のポーズをとる。コラさんは納得いってなさそうな顔をしているけれど、それでもおれに従うつもりのようでこくり、と頷いた。
    そのままおれたちはじっとその場に立ち止まる。

    ――もしかしたら、と思ったのだ。
    別に違ったら違ったでもいい。そしたら別の方法を試すだけだし、そこまで重要視してない。
    でも、ただ。

    ローさんが、キャプテンがもし、

    本気で隠れていたら。
    いや、違う。
    “隠されて”いたのなら。

    ふと思ったのはそんなこと。
    ただのもしかしたらという可能性。
    隣にコラさんがいたかた思いついたことで、他に出来ることがあったかも知れないけれど。
    ただ、こんなに騒いでいたら、逆に見つからないんじゃないかと思ったのだ。
    ほら、あの人結構素直じゃないから。

    そう思って。
    おれたちは沈黙を続けて。
    ただただ雪が降りしきる、一面が白く染まる世界に。

    ―――不意に、五発の銃声が鳴り響いた。

  • 39123/01/18(水) 03:44:48

    おれは振り返る。
    ただ、音が聞こえただけだ。どこか、とも言えない。この世界全体に響きわたった、白が続く静かな場所に不釣り合いの物騒な音。
    撃たれたわけじゃない。
    本当の意味で、銃声が聞こえただけ。

    「ッ……」

    ――それなのに、おれの心臓に酷い衝撃が走った。
    恐怖と痛みと悲しみと悲鳴が、不協和音を奏でながら丁寧に一つずつ指で潰して悲鳴を上げさせられる。
    見ればコラさんも混乱した顔で心臓を押さえていた。
    この痛みは。衝撃は、おれたちのものじゃない。
    ならなんだと言えば、答えは一つ。――ローさんの、だ。

    そして。
    気付いたら、道の真ん中に“それ”はあった。

    「あ……」

    コラさんの呆然とした声が聞こえる。カームが解かれたのだろう。
    おれは、それに返答する余裕もなく。ただそれをじっと真っすぐ見つめた。


    固く閉ざされた傷だらけの宝箱。
    この場所には不釣り合いで、けれど何よりも馴染んだそれが、息を潜めている。

  • 40123/01/18(水) 03:46:51

    というところで今日はここまででお願いします。

    また保守のご協力をお願いします!


    >>34

    長いのに読んでくれて嬉しいです!

    活力になる……

  • 41二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 07:31:57

    ウワー宝箱!!!
    今回もめちゃくちゃハラハラしました
    続きが気になります…!!

  • 42二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 13:18:08

    コラさんあけてくれ…
    あの時は閉じたまま送り出した宝箱をもう大丈夫だぞって開けてやってくれ…

  • 43123/01/18(水) 15:50:09

    早めに帰れたので少し書く!
    感想保守ありがとうございました……!
    あと意見聞きたいんだけれど、トリップとかつけた方がいいのだろうか??

  • 44二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 15:59:31

    よその保守多めのssスレとかだと悪ふざけのスレ主なりすましがあったと聞くのでつけたほうがいいかもです
    まあスレ主の文章カッコいいからそう簡単になりすましなんてできそうにないですけどね!

  • 45123/01/18(水) 16:08:10

    急に現れた宝箱。この白の世界で、やけに鮮明にそれだけが妙なリアルさを伴ってそこに鎮座している。
    非現実と空虚が伴う、静謐さが肌を焼くような廃墟の町を背に、ようやくと言った風に暴き出された宝箱は、表面に古く乾いた赤い血の跡をつけていて、その落差に戸惑う。
    木の質感や金属の鈍い光沢、経年によって増えてきた傷、どれもが現実的に存在して、――だから、触れるのを躊躇してしまいそうになる。

    おれの隣にいるコラさんは、目を見開いたまま黙り込んでいる。見覚えがあるのだろうか、と思いながらも、おれは覚悟を決めて、その宝箱に近寄る。
    軽く表面を撫でる。――ひどく冷たい。そして触れた瞬間、拒絶感のような感情が心にさざ波を立てる。

    「………」

    この蓋を、開けるのは。
    ……かなりの覚悟が必要なのだと、そう思った。

    「……ええい、躊躇してる暇はねェだろ」

    おれはその宝箱を開けようと、蓋に手をかける。
    そして、そのまま持ち上げようとした瞬間――――爆発的な感情の流出が、おれの内側で起こる。

    “いやだ”
    “いやだ いやだ いやだ いやだ”
    “あけてあけてあけてあけてあけてあけて”

    “あけてあけてあけてあけてあけてあけてあけてあけてあけてあけてあけて!!!!!!!”

    「……っグ、う、――――ゥう……!」

    がくり、と膝をついた。背後で慌てたような気配を感じたが、それどころじゃない。
    勝手に目から涙がボロボロと零れた。
    大きく見開いた目から、ただただぼたりと大粒の涙がこぼれていく。サングラスを外して乱暴に拭った。
    悲痛な叫びがおれの耳でずっと響いている。
    幼い子どもの叫びが、聞こえるのだ。

  • 461◆zMLTtg.3fA23/01/18(水) 16:23:00

    >>44

    なりすましとかあるんだ……!?

    あと不意打ちのように誉め言葉もくれてありがとう。すごく嬉しい。

    トリップつけるか。これで出来たかな。

  • 471◆zMLTtg.3fA23/01/18(水) 17:19:44

    「シャ、シャチ、大丈夫か?」
    「大丈夫じゃ、ねェ……」

    息が荒くなる。勝手に漏れる嗚咽が憎たらしい。
    開けようとしただけだった。けれど、この悪夢の中では、人の感情がダイレクトに刺さる。
    例えるならばそう、――もう、絶対届かないようなものに、それでもと手を伸ばすような、夢の中に描いた宝石を欲しがるような、もどかしさとか、狂おしさみたいな。
    開けて、と叫んでいる声。開けようとするおれは、その意識に同調してしまった。――まるで、おれこそ箱の中に閉じ込められちまったかのように。

    「ふっ、う゛……! くそ、涙が止まらねェ……! あー、くそ!」

    袖で拭っても、後から後から溢れてくる。これでもかってくらい、乱暴に叩きつけられた新鮮な感情とやらは、こんなにも苦しいものなのか。
    くそ、でもおれが開けないと。開けないと、ずっと、宝箱は閉じられたままだ。
    こうなったら無理やりにでも開くまでだ……!と、半ば飛びつくように宝箱を開けようとする。

    ……けれど、次の瞬間には頭は真っ白になって、その場に蹲っていた。

    「ぐ、ううう゛ッ……! う゛ぁあ……!!」

    目からだけじゃなくて、鼻水すらぼたぼた零れる。
    心臓をめった刺しにされる。辛くて辛くて悲しくて。死にたくなって。
    冷たい雪に顔を埋めて、馬鹿みたいに泣いた。
    背後でコラさんが息を呑む音が聞こえる。……くそ、情けない姿しか見せてねェ!

  • 48二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 17:26:44

    >>46

    たぶん僕がよく見てるスレなんですけど、なりすましは真似する気なんてさらさらないので、トラップは本当にありがたいです

    感動的なシーンに、ただただ不快になる文章を放り込まれたので……

    素敵なSSなので、何事も無いことを祈りつつ完結まで追いかけます!

  • 491◆zMLTtg.3fA23/01/18(水) 17:37:43

    「………」

    ああくそ、触るだけでこんなに搔き乱されるなんて。
    一発腕にナイフでも刺してからの方がまだ正気を保ってられるかもしれない。……かといってそんなものはないけれど。
    腕を噛みちぎるか? どうせ夢の中だ。しかも痛みだけは妙に感じるよくわからん設定の夢だ。骨の二、三本折ってもノーカンだろう。
    息を荒げながら、自分の腕を掴む。噛み千切るか、折るか。……折ったら動きづらくなるから、皮膚を噛み千切る方が、いいかもしれない。
    ぼんやりとした頭でそう思う。だからおれは、袖を捲って、腕を剥きだしにして、その肌に歯を立てようと、

    ―――した瞬間、ぽん、と頭に“大きな”手が乗る。


    「ダメだろ。宝箱ってのは、大事なものを仕舞っておくための箱なんだから、そんな乱暴に開けるもんじゃないぜ」


    知らない、声だった。
    低くて、落ち着いてて、温かみがあって、妙にとぼけていて、不思議と安心感をもたらすような。
    その人は、おれの前に一歩進み出る。
    黒い羽根がついたコートを着て、赤いコイフをつけた大男は。気取らない様子で、宝箱の前に立っている。

    「………ぁ」

    誰かなんてすぐにわかった。おれの知っている姿から随分様変わりしたのに、一目でわかった。
    一目でわかっちまったものだから。おれは、泣き止むために必死に止めようとしていた涙が、さらに零れる羽目になってしまった。

  • 50二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 17:41:04

    コ、コラさん…!
    アンタならローの閉じた世界に入れるって信じてる…!
    こんなところで変に介入してくるなよ豊穣の怖いの

  • 511◆zMLTtg.3fA23/01/18(水) 18:05:32

    その人は、膝をついて。乾いた血を手でなぞった。

    「……ごめんな」

    優しく、優しく宝箱を撫でる。撫でながら、穏やかな声で語り掛ける。

    「ごめんな、ロー。コラさん、魔法をかけたまま死んじまって、解くの忘れてたんだな」

    こつん、と音が鳴った。
    その人の額が、宝箱に押し当てられている。

    「ごめんな、嘘つきで。……お前の心は、まだ、宝箱の中に入っていたんだなあ」

    開けるぞ、と。声をかける。
    おれは止めることも出来ず、その人が宝箱の蓋に手をかけるのを見ているだけだった。
    一瞬だけ手の動きが止まったけれど、その人はおれのように泣きだしたり、崩れ落ちたりすることなく、どこか困ったように宝箱を撫でる。そうしているだけで、この人が、よほどローさんのことが大事なんだってわかる。

    コラさん。
    声に出さず、口の動きだけで名前を呼ぶ。

    ……あんた、そんなにでっかかったんだなあ。

  • 52二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 18:55:11

    泣いた

  • 53二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 19:16:46

    くらしゃ……!!!!(号泣)

  • 54二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 19:36:31

    このレスは削除されています

  • 55二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 19:37:53

    コ゛ラ゛さ゛ん゛!!!!

  • 56二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 20:03:26

    コラさんんンンンんんんんんんん!!!!(号泣)

  • 57二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 21:32:55

    やっと、やっと迎えに……ヴッ
    スレ主様ありがとうございます貴方が神です

  • 58二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 22:17:24

    「そんなにでっかかったんだなあ」ってこれ、体格だけ言ってるんじゃないんだろうなて言うかコラさんの台詞が本当に優しくてコラさンンンんんんんんんん!!!!(泣

  • 59二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 22:31:23

    シャチだけでも宝箱を開ける事はできたんだろうけどその場合シャチは有言実行で骨の二三本折るくらいの事態になってたんだろうな…(夢の中だけど)

  • 601◆zMLTtg.3fA23/01/19(木) 01:56:54

    大きな手が、蓋を持ち上げる。
    おれみたいに泣いたりすることもなく、その人の動きは静かなもんで、宝箱はぎい、と軋んだ音を立てながら開いていく。
    鍵なんてついていない。
    誰でも開けられる箱だ。
    ―――でも、きっと、ローさんが一番待ちわびていた相手だ。

    おれはゆっくりと立ち上がって、その人の後ろに立つ。
    既に開いた宝箱。
    その中で、膝を抱えるように丸まりながら、横になって小さく収まっている子どもがいる。
    ボロボロの布を身にまとった、顔や腕に白いまだらがついた――おれが初めて会ったぐらいの、腕も足も細い子どもが。

    「ロー。……遅くなってごめんな」

    まるで、親が子どもに聞かせるような、深い暖かみのある声。
    ふるりとローさんの身体が震える。丸まっているせいで、顔は見えない。けれど……恐らく、泣いていう。
    その人は宝箱の中に腕を差し込むと、本物の宝を扱う以上に丁寧に、ローさんを抱き上げる。

    「待たせたな、ロー。……今度は、約束通り一緒に旅をしよう」
    「―――――」

    小さな手が、その人の黒い羽根がついたコートをぎゅう、と握った。

    「……13年、開けてくれるのを待ってたよ」

  • 611◆zMLTtg.3fA23/01/19(木) 02:30:09

    「―――――」

    おれはその光景を見ながら、ずっと零れ続けていた涙を拭う。
    拭えば、もう出てこなかった。
    むにむに…と頬を揉みつつ。おれは二人の姿を見つめる。

    本当は、ローさんはその姿の人に……本当のコラさんと会いたかったんだろう。宝箱を開けてほしかったんだろう。
    けれど実際そんなことはなかった。
    この後ローさんは一人で宝箱を開けて、一人でこの島を出て、一人でスワロー島に向かうことになる。
    いったい、一人で歩いている時、どんな気分だったのだろう。
    想像するだけでも胸が重く沈む。――だからこそ、この光景が見れてよかった。本心から思えるのだ。

    コラさんは、なるほど。おれの知っているコラさんが成長したらこんな感じの顔になるんだなあって顔つきだ。
    ちょっと目つきが悪い気もするけど、おどけたピエロのメイクがそれをちょっと覆い隠してくれる。でもあんなにでかいピエロって少々怖くねえか? なんて失礼なことを感じつつ。

    「……おれが、」
    「うん?」
    「おれがいなければ、ドンキホーテファミリーの情報を持って海軍に帰って――それこそ、昇進したり、センゴクと共に働くことが出来ただろ。きっとセンゴクもあんたを誇りに思うだろう」
    「おお?」
    「それを選ばなかったことを後悔しないのか」
    「なァに言ってんだ、ロー」

    お前はおかしなことを言うなあ、とコラさんは笑う。

    「おれは今のおれだって誇りに思ってるんだぜ」

    『―――おれの、誇りだ。すべて、何もかも』
    コラさんの悪夢の中で、同じように言っていたことを思い出す。
    ローさんが吐き出した言葉は、コラさんの言葉によってすべて溶かされていく。

  • 621◆zMLTtg.3fA23/01/19(木) 02:45:55

    「そりゃ、おれだけ信じまったせいでローを悲しませたことはその、申し訳ないと思ってるけど、でも、おれはさ、おれが助けたいって思って、守りたいって思って、生きていてほしいって思った子どもが、おれが頑張ったからこんなに大きくなりました! って答え見せられて。まあ、おれだけの手柄じゃないけど、嬉しくないわけねェよ。海兵になってよかったなあって思ったぜ!」
    「………」
    「だからロー。おれにそういう誇りを与えてくれてありがとうな。後悔も何もねェよ。……あ、でもローが海賊になっちまったのはまあ……うーん、でも略奪とかしてねェし……あっそうだ! 腕! お前ドレスローザの時腕切っただろ! お前平然とした顔で嘘つきやがって! これは説教だぞ!?」
    「………はは」

    喋りすぎだろ、と笑うローさん。
    ……多分、記憶が戻ってる。そんな気がする。
    ローさんは今は笑っているけど、目はかなり腫れぼったい。恐らくすごく泣いたのだろう。おれと同じように。……違う、ローさんが泣いたから、おれも泣いちまったのかな。
    目の前にあるのは、こんな悪夢の中だけれども、それでもローさんが望んだ一つの形で、叶わないはずだった夢。
    ……よかった。心の底から、そう思う。

    だから。


    おれはローさんを抱き上げているコラさんを、思いっきり突き飛ばす。
    『うわァっ!?』と叫んで後ろに飛ばされる先には――ステンドグラス。
    多分、悪夢の中の人間の記憶が戻った状態で、ステンドグラスは出現するのだと思う。これまでの様子を見ていると。
    だからおれは、一足先に言ってもらおうと不意打ちに出たわけだ。コラさんが油断している時でよかった!

    「お、おいシャ、」
    「あとは任せてください。あとはクリスだけだし、それに!」

    もう、二人を悪夢の世界になんで、置いておきたくない。
    また――見せたくないものを、見せてしまうかも知れないのに。

  • 631◆zMLTtg.3fA23/01/19(木) 03:04:01

    「……おれは大丈夫なんで、だから外、頼みましたよ!」

    そう言って、強引にステンドグラスへと突き飛ばして――そのまま二人は、ステンドグラスを割って、の向こう側へと行ってしまった。
    おれに向かって手を伸ばしていたけれど、今はその手を取れない。
    あと一人。そいつを救出すれば、あとはこの悪夢を出るだけ。

    ……ではあるけれど、結構、きついなあ。

    「……人の悪夢の中に入るもんじゃねェな。精神がガタガタになるわ」

    今思うと、肌を噛み千切るとか、骨を折るとか、そういうことを考えていたこと自体ちょっとやばい。
    その時はまるで当たり前のように考えていたわけだけれど、落ち着くとやべェわ。
    ――――人の悪夢に触れすぎて、おれの方がおかしくなっているかも知れない。

    「あー……大丈夫、大丈夫。おれは正気」

    もうひと踏ん張りだ、と次の扉を探す。
    ……さて、いろいろと何かしらありそうなクリスだけれど、やつの見る悪夢ってのはどんなものなのか。
    出来れば、すぐクリスが見つかればいいのだけれど。

  • 641◆zMLTtg.3fA23/01/19(木) 03:09:19

    というところで今日はここまでです。
    また保守の方をお願いします。
    大人コラさんのくだり、書きたいところだったので書けてよかった。
    ちなみに小ネタですが、
    ベポの悪夢は、遭難と死体遺棄場
    コラさんの悪夢は火刑と瓦礫
    ローの悪夢は雪と廃墟イメージです

  • 65二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 11:55:52

    シャチ…コラさん…泣いてしまう…

  • 66二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 19:29:49

    コラさんとローの再会はほんと涙なしで見れない…
    そしてシャチの覚悟ガンギマリはかっこいいんだけどホントに大丈夫…?

  • 67二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 00:39:32

    シャチ…無理はしないでくれよ…
    心配だ

  • 681◆zMLTtg.3fA23/01/20(金) 01:01:18

    感想兼保守ありがとうございました!
    今日の更新分も少なめになると思います
    そしてシャチは無理します!

  • 69二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 01:06:34

    >>68

    オゥ・・・・・()

  • 70二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 01:10:43

    不穏!
    もうこれシャチもコラさんの無茶のことを叱れないんじゃないのか…?

  • 711◆zMLTtg.3fA23/01/20(金) 01:10:54

    次の扉はあっさりと見つかった。
    というか少し歩いた先の道の真ん中に扉がある。
    思えばこれも結構シュールだよな。唐突に立っているし。

    「……今度は、熱くも冷たくもない、と」

    ドアノブに触れるが、焼かれることも凍えることもなかったことにほっとする。
    毎回似たような思いをしたいわけではないし、何もないならそれがいい。
    ……まあだとしても、扉の向こうで大概酷い思いをするんだけど。
    でも、今回みたいに、夢の特性を利用して、生まれ変わる前のコラさんと、幼いローさんが出会うことが出来た。
    だから次だって乗り越えられる。救われた人間を目の前で見たのだから、救いようのない光景がいくら広がったとしても、それが支えになる。

    「――よし」

    おれはドアノブを掴む。
    そしてそのまま開けようとして、ばっと振り返った。

    そこにいたのは、小さな少女だ。
    誰かに面影があるような、まったく似ていないような、そんな少女がおれの背後に立っている。
    そしておれは――、その少女を見た瞬間、恐ろしいほどの悪寒が身体を駆け巡った。
    少女は弧を描くように目を歪ませながら、無邪気に口を開く。

    「じゃまだなあ」

    可愛らしい声なのに、ぞっとするほどの悪意のようなものを感じる。

    「おま、」
    「ね、お兄さん。お兄様を救うことが出来てよかったね」

  • 72二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 01:11:41

    ラミちゃんの姿を使うんじゃねえよ!!

  • 73二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 01:11:59

    ラミちゃんの皮を被った何かか……?

  • 74二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 01:18:33

    推定花の精的な存在がなんでラミちゃんの姿を取るんだろうな
    以前キャプテンが捕まってた時に情報を抜いただけなのかそれともキャプテンに執着するなにかがあるのか

  • 751◆zMLTtg.3fA23/01/20(金) 01:18:51

    にこにこ笑いながら一歩近づいてきたそれに、おれは一歩下がる。
    背中が壁にぶつかる――いや、扉にぶつかる。
    それだけなのに、まるで逃げ道がすべてなくなったような閉塞感に陥る。

    お兄様ってなんだ。コラさんとかローさんのことか? 救えてよかったって言ってるなら……ローさん?

    「お前、なんだよ」
    「私はね、人間が好きだよ。おいしいもの。でも、邪魔なやつはきらい」

    そう言いながら、その少女の身体が――一気に潰れる。
    肉片が飛び散り、赤い血が辺り一面に巻き散らかされる。事前動作も何もない。目の前で小さな子どもが物言わぬ躯になり――おれは、悲鳴さえも上げる暇もないまま、それを呆然と見つめる。
    生理的嫌悪感が湧き起こる。それが嘔吐に繋がる前に、何事もなかったように、別の人物がそこに立っている。

    そこにいたのは、神父服を着た青年――ラミだ。
    先ほどまでおれのことを幾度か助けてくれた姿。でも、その目の奥に宿る、まるで小さな虫で遊ぶような残虐さが隠されていない。

    「な、なにが、」
    「ああ、面白いな。人が恐怖する顔は愉快だ。心躍るってのはこのことなんだろうね」

    恐怖か何かわからない。ただ、得体の知れない重圧が身体にのしかかって、身動きが取れない。身体が動かない。一歩一歩近づいてくる、ラミの姿をしたもの――それが、手を伸ばす。

  • 761◆zMLTtg.3fA23/01/20(金) 01:19:48

    同じ名前にした弊害かちょっとラミラミでややこしくなって笑ってることをお前に教える

  • 771◆zMLTtg.3fA23/01/20(金) 01:30:47

    その手がおれの頬を撫でながらサングラスを外して、手の中で砕く。

    「忌々しいな。こんなもので容易く解かれるなんて。別の方法を考えないといけないのかな」

    もっと“情報”を得ないと。そう言いながら、ラミは笑う。ずっと、笑っている。
    ラミの目がおれをのぞき込む―――その目は、金色に輝いている。黒目の周りに幾重にも丸い線が浮かび上がっている。
    おれの全てを、腹の奥底までのぞき込むように、笑みの形に歪んだ目がおれの目をじっと見る。

    「君も、絶望の底に沈めて、甘く甘くしてから……磨り潰して融かして、全部、食べてあげるからね」

    そう嗤う顔が―――次の瞬間、ペンギンの姿に置き換わる。
    おれは目を見開き、悲鳴を上げかけて、


    背後の扉が開き、おれは落ちるようにそこに引き込まれた。


    「な、ァ――――!?」

    見れば、ペンギンの姿をした醜悪なそれも驚いたように目を丸くしている。
    ドアノブに触れなかった。なのになんで。

    そして、気付く。――おれの身体を、必死に掴んでいる腕に。

    振り返る。そうすると――半透明で、神父服をきっちり着た男が、これまた必死な顔で、おれにしがみついていた。
    それは、恐らく本物の―――

    「ッ、ら、み……!」

    お前、おれのこと、まさか助けて、

  • 781◆zMLTtg.3fA23/01/20(金) 01:40:58

    「お前、お前さあ!」

    おれの身体にしがみついて――、恐らく、扉を開けて、おれを中へと引っ張り込んだのだろう。
    半透明なのに干渉出来るのかとかわからない。わからないけれど、必死な顔をしているのを見るに、かなりの無理をしていたに違いない。
    ラミの身体をした、醜悪な何か。
    そして、ラミの姿をした――紛れもない、ラミ。
    その意味がいったいなんなのか。こうなってしまえば、わからないはずがない。

    「なあ、ラミ、お前、お前さ、あいつに食われたんだろ」

    ラミは答えない。ベポの時は言葉で伝えてくれたはずだけれど、今のラミからは言葉を返せるような余裕が感じられない。
    けれど、構わずおれは続ける。

    「10年前、お前は化け物に食われた。それで、あいつにお前の身体を利用された! その間、お前、あいつの傍にいたのか? 10年間あいつが何をしていたのかなんてわからねェけど、多分何かしていた。最悪なことをだ。それをお前、傍で見ていたのか? 見ていることしか出来なかったのか?」

    涙が出る。ローさんの悪夢に居たときに散々出たのに。
    感情の高ぶりが止められない。ボロボロ零れた涙が、落ちる身体に反して、上空へと昇っていく。

    「んなの、辛くないわけ、ないよなァ……!」

    なのに、なのに。
    お前、死んでも、助けようとしているのか。あいつの邪魔をしようとしているのか。

    見ていればわかる。ずっと助けてくれていた。助けようとしてくれていた。紛れもない味方だ。優しいやつだ。
    そんな優しいやつが、あんな化け物に喰い殺された!
    それが、悔しくてたまらない。

  • 791◆zMLTtg.3fA23/01/20(金) 01:50:12

    「くそっ……! 本当、お前みたいないいやつの姿を使うなんて、マジであいつ、悪趣味だ……!」

    ボロボロ零れる涙をそのままに、感情のままに叫ぶ。
    悪夢の中で色んなことに苛まれたせいだろうか、感情の制御が効かない。
    嗚咽を零しながらも、おれは必死にラミに伝える。

    「――お前、すげェよ。ラミ。あんな怖いものに、立ち向かおうとしてたんだろ」

    正直に言えば、あいつが怖い。恐ろしくてたまらない。近づいてきた得体の知れない圧迫感に、心臓が軋むほどの恐怖を感じてしまう。
    けれど、それがなんだ。だから何だって言うんだ。
    許せるわけ、ないだろ。
    許せねぇだろ……!

    「……絶対、絶対あいつ倒してやるからな! お前がしたかったこと、代わりにしてやるからな!」

    誓いを立てるように叫ぶ。ぴくり、とおれにしがみつく腕が震えて――そして、思わず零れた、とでも言うかのような吐息が、微かな笑い声のような形でおれに届いた。

    うん、と。
    ラミの声が聞こえたような気がして――――、


    ―――気付いたらおれは、戦場の真ん中に座り込んでいた。

  • 801◆zMLTtg.3fA23/01/20(金) 01:51:30

    というところで今日はここまで!
    シャチ主人公にさせるの新鮮だから楽しい
    また明日投稿するので保守のご協力をよろしくお願いします

  • 81二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 09:40:43

    不覚にも読んでて泣いてしまった…

  • 82二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 13:47:33

    うおーーーーシャチ頑張れーーーー(ライトとうちわを振り回しながら)

  • 83二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 22:07:25

    ラミさん少しだけど扉とかコクレア様由来らしき力使えるっぽい?
    そしてシャチ無理カッコイイ(うちわを掲げながら)

  • 841◆zMLTtg.3fA23/01/21(土) 02:36:02

    保守と感想ありがとうございました!
    今日も少しだけだけど書いていきます。

  • 851◆zMLTtg.3fA23/01/21(土) 02:51:09

    目の前では兵士たちが銃やらなにやら持ってドンパチしている物騒な光景。
    辺りには死体も散らばっている。死体を散らばると表現していいのかわからないけれど、ちぎれた腕や足も散見しているところを見ちまうと、そう言ってしまうのも仕方ないと思う。

    おれはその光景を呆然とした状態で見つめてから、……慌てて物陰に隠れる。流石に夢の中だけれども、ここはあいつが作りだした悪夢。痛みとか現実みたいに感じさせられるクソ仕様だ。
    だから下手に撃たれたらそれ相応の激痛というものが降りかかるだろう。流石に痛いのは好きでもなんでもない。必要に応じてそれを浴びせられるのもやむなしってだけで、好き好んでいたい思いをしたいものか。

    ――まだ、さっきの余韻みたいな感情が胸の中で波紋みたいにじんわりと広がっている。
    悪夢をたくさん見てきたからだろうか、感情の制御が効かなくなってきている気がする。

    「はあ……下手なことになる前に、まずクリスを見つけねェと」
    「あれ、シャチさん? なぜここに?」
    「なんでってそりゃクリスを見つけるためにおい待て」

    ため息交じりに呟いた一言。それに対してごく自然のように割り込んできた存在。

    顔を上げると、クリスがいる。――おれが知っている姿のままで。

    「は……」

    これまで通ってきた悪夢の中で、みんな子どもの姿を取っていた。
    多分だけれど、その時一番辛い思いをした姿じゃないか、とおれは考察する。
    だからみんな子どもの姿をしていたし、精神状態も一番辛いときの年齢に戻っていた。
    とするなら、クリスは……なんだ? 何も変わらない。まさか今が一番辛いというわけじゃあるまいし、変化がないのが気にかかる。
    まさか偽物か?と身構えるが……クリスは途方に暮れたような顔でおれに声をかける。

    「いや、目の前にいるシャチさんも幻覚なのかな。さっきから変なステンドグラスも見えるし。こわ……」
    「おい待て!!!!!!!!」

    お前もう出られるじゃねェか!!!!!!!!!!

  • 86二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 03:02:48

    クリスさん!?自力で脱出したのかい

  • 871◆zMLTtg.3fA23/01/21(土) 03:06:45

    「お、おい、クリス、大丈夫なのか……?」
    「何がですか? というか普通に会話できる……。さっきからずっとよくわからないこと続きなんですけど」
    「え、ええとだな、説明すると……」

    ……ここが悪夢である限り、クリスも例外なく悪夢を見ることになる。
    話の中でクリスの経歴はなかなか重いものだったように思える。だから、この悪夢の中もひどいものになるんじゃないか、と覚悟していた。していたけれど、当の本人が呑気にしているってどういうことだ?
    並外れて高い精神力を持っているとか?
    ……いや、それでもやつが考えることだ。最悪なことを考えれば、クリスが何よりも大切にしているマリーを延々と、その、殺すような光景を見せつけるかもしれない。マリーがいなくなったと知った時、拳銃をこめかみに突き付けて、そのとんでもない覚悟を示した男だ。ちゃらんぽらんに見せかけて、その愛情は何よりも深い。

    じゃあ、なんで今クリスはこんなにも平然としていられるのだろう。
    とりあえず、おれは他の夢を、それぞれの過去を濁しつつ答えた。
    クリスはひええ、と慄く様子を見せるが……、それでも、腑に落ちないように首を傾げる。

    「いや、一応……それっぽいのは見せられたんですけど、こう…なんていうか、一枚ガラスに隔てられているような感覚、と言えばいいのか。他の方と同じように実感として繰り返す感じでもなく……、なんだろう、うーん……」
    「辛かったり苦しかったり…そういうの感じなかったのか?」
    「当時の状況が再現されたのなら、私も多少なりともしんどかったと思いますよ。でも、こう、……例える、としたら、“他人事”? 自分のことなのに、そういう…第三者でいられたというか」
    「……わけわかんねェなあ」

    クリスだけ何かが違ったんだろうか。
    うーん、と考えてみるけれど……、答えが出てくることもなく。なんかもにゃった気持ちのまますっきり出来ない。
    いや、おれ別にこういう状況の専門家でもないしな! わかんねェに決まってるっての!

  • 881◆zMLTtg.3fA23/01/21(土) 03:26:51

    「ただ、ほら」

    天運が私にはついてますから。
    そう笑うクリスの顔には強がりなんて見られない。

    クリスの向こうには、戦場が広がる。
    火薬の臭い。鉄の臭い。硝煙の臭い。濃く広がる――死の臭い。
    恐らく、経験してきた戦場なのだろう。赤い血が散らばって、地面に吸い込まれているせいで、戦場の土全体が赤っぽく見える。

    「……本当に、大丈夫なのか?」

    トラウマとか刺激されたりしないのだろうか。心配になって問いかけると、クリスは苦笑で返してくる。

    「……まあ、嫌な思い出はたくさんありますよ。うん、山ほど」
    「………」
    「そんな心配そうな顔しないでください。いや、本当海賊っぽくないですよね。といっても海賊なんて数えるほど見たことしかありませんが、」

    なんといえばいいのか。クリスは、やっぱり困ったような顔をしている。

    「……結構貧しい村でしてね。まあ、その中でも私、割と出来損ないだったものですから、飯も貰えず、いじめられてばかり。あまつさえ人買いに売られ、気付けば少年兵。そのうち死ぬかと思っていたら、いやはや、悪運が強いのか死ぬに死 ねず、見送るばかり」
    「クリス、」
    「人間性なんてすぐに捨てた方がいっそ楽で、物事を真面目に考えたりするのも億劫で、適当にコインを使って、天運に任せる人生でした」

    けれど、と。クリスは続ける。

    「けれどもね、私、天使に出会っちゃって」

  • 891◆zMLTtg.3fA23/01/21(土) 03:27:40



    その子どもが、そんな場所で蹲っていたから、哀れに思ったのだ。
    ボロボロの服を着て、擦り傷切り傷だらけ。逃げてきたのかなんなのか、恐らく食べ物も食べていないのだろう、やせ細っていた。
    哀れだな、と思いながらも。
    ――自分に拾われるのも、また哀れだろう、とも。

    何故なら、自分はこれ以上なく天運に見放されている。
    それならば、自分に見つかったこの子もまた、自分と同じく見放された人間なのだろう。
    うつろな目がこちらに向く。ああ、いやだいやだ。哀れすぎて泣いてしまいそうだ。

    このまま苦しむくらいなら、楽にしてやるのもまた、慈悲というものだろうか。
    そう手を伸ばしかけ――自分の判断で運命が決まるのも、おかしな話だろうな、と思い直した。

    だから、決めるのは――そうだ、それこそ天運に決めてもらおう。
    手持ちのコインを手に取る。

    表が出たら、ここで殺す。
    裏が出たら、このまま放っておく。
    どちらがこの子どもにとっていいのかわからないけれど、でも、いずれこのまま死に行く命だ。苦も楽も、決めるのは早い方がいい。

    金色のコインを弾く。
    それは、宙に向かってくるくると回った。

  • 901◆zMLTtg.3fA23/01/21(土) 03:33:59

    そしてそのコインが自分の手に収まる、―――前に。
    突き出された、小さな手が、そのコインを掴んだ。

    「―――――」

    ボロボロの服を着て、擦り傷切り傷だらけ。やせ細って、うつろな目をした子ども。
    それがどうにも昔の自分を思い出した。誰も自分のことを殺してくれなかったことを思い出した。だから、この子どもも、もしかしたらそう思ってるかもしれない。親切な気持ちですらあった。

    けれど、その子どもは、怒りに燃えるような目で、自分を見ている。

    「あ、んたに、殺されるのなら、まァ、しかたない、とおもった。何せ、兵士サマ、だ。邪魔なもの、ころす、くらい、すんだろ……」

    まともにものを食べることが出来ていないからか、声を出すだけでも体力を使っているようだった。
    今にも倒れそうなのに、それでも。うつろな目には怒りをぎらぎらと燃やし、自分が弾いたコインを、ずっと握りしめている。

    「でも、ふざ、けるなよ。なんで、アタシの運命が、コインひとつで決められないといけない。アタシを、ころすなら、あんたの意志で、決めろ……!」
    「―――」
    「っは、はは、それどころか、あんたは、あれかい。意志を持たない、人形か、なにか、なのかい」

    だったら、と。子どもが、自分の顔を見つめる。
    目を反らすことなく、真っすぐと。

  • 911◆zMLTtg.3fA23/01/21(土) 03:47:18

    「コイン、は、表でも、裏でも、ない」
    「……?」

    そう言うや否や、その子どもは手に持っていたコインを飲み込んだ。
    いったい何をしたのか、目を見開いて呆然と見つめる自分を、その子どもは鼻で笑う。

    「ハッ……、これで、どうだい。腹ァ掻っ捌かないと見れなくなっちまった」
    「……どういう?」
    「表でも、裏でも、ないってことは……どっちでもないって、ことサ」

    表が出たら、ここで殺す。
    裏が出たら、このまま放っておく。
    ――その、どちらでも、なく。

    「あんたは、アタシを、助けるんだ」
    「……!」
    「それが、あんたの天運だ。あんたが選べないんなら、アタシが選んでやる」

    コイントスで運命を決めるくらいなら、アタシが決める。この薄汚い子ども連れていけ。アタシを生かせ。
    強い視線で、堂々と。ただうつろに死を迎えるはずだった子どもは、――自分の行為が気に入らない、それだけできらめくほどの強い光を見せた。
    それに灼かれた。ただ、天運に任せるだけの、自分の意志を持たなかった自分が。

    「そ、それは、」
    「やっとまともに喋れるのかい」
    「……私が、パパになる、ということでしょうか」
    「………は?」

    これが、始まりで。
    これが、自分の全てになって。
    天運が彼女になった、そんな日だった。

  • 921◆zMLTtg.3fA23/01/21(土) 03:58:30

    だから、自分は、死ぬわけがない。
    何故なら、自分の天運はあの子だ。
    可愛い可愛い、自分の娘だ。

    あの子を助けるためならば、天運は必ず自分の味方をする。
    かつて、ボロボロの子どもを殺そうとした自分が弾いたコイントスを、掴んで見せたあの子ならば。
    自分の運命は、既にあの子のためにある。
    最早、それに疑いなどない。

  • 931◆zMLTtg.3fA23/01/21(土) 03:59:46

    というところで今日はここまで。
    駄目なパパと強い娘結成です。
    あと、クリスが悪夢の中で無事だったのは別の要因があったりします。
    また明日も投稿すると思うので、保守のご協力をお願いします!

  • 94二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 09:58:40

    か……かぁっこいい〜!!

  • 95二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 10:27:06

    父娘のコイントスエピソード好きすぎるゥ……
    腹掻っ捌かなきゃいけなくなったしそれをしてももう裏も表もないしクリスさんの運命はマリーさんそのものになったんだなみたいな…
    思考停止の兵士の二択を鮮やかに自分のものにしてしまったんだマリーさんは…おもしれー親子……好き

  • 96二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 12:29:03

    カッコよすぎるよクリスさん…!
    大丈夫だったのに別の理由があるのが不穏だなぁ…

  • 97二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 20:49:11

    大丈夫だったのはラミ(推定メモメモの能力者)が生前になんかしてたのかなぁ
    トラウマに苦しめられないようにその部分だけ隔離しておくとか、そんな感じで

  • 98二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 02:22:07

    どうなるんだろう

  • 991◆zMLTtg.3fA23/01/22(日) 03:08:06

    気付いたらこんな時間だった
    少しだけ投稿させていただきます!
    保守ありがとうございました!

  • 1001◆zMLTtg.3fA23/01/22(日) 03:37:49

    「私はね、マリーに守られているんです。こんなダメダメなパパですけど、それでもあの子がいてくれたから今の私がいるし、どこまでも強くなれる」
    「………」
    「賭け事と酒はやめられないですけど……」
    「そこはやめとけよ」

    いまいちしまらねェなあ。
    けれど、クリスがそれほどまでにマリーのことを愛していて、誰よりも、何よりも大事なのだということがわかる。
    クリスの根幹に、マリーがいる。
    意志薄弱でコイントスなぞで人の生死を決めていた男が、娘がいることで誰よりも強くなれる。
    過去だって、振り切れる。
    それは……すごく、いいことだって、思った。

    「……でも、あんなにあの悪夢って悪質なのに。そりゃクリスにはマリーがいたけど…だったら他の奴らにクリスにとってのマリーみたいな人がいないといったら嘘だし」
    「うーん……確かに、繰り返し昔の嫌なこと見せられたんですよね? 私も見たには見たけど、そんなに苦しむほどでも、……ともかく、シャチさんの言うことが本当ならステンドグラスから出られるんですよね。ならさっさと出ましょう」
    「うん。ま、そだよな」

    早くマリーを探しに行きたいだろうし。
    クリスがどうして平気だったかわからないけれど……ほら、なんか催眠とかがあんまり効かない体質とか、そういうのじゃないか?
    なんにせよ、こんな悪夢から早く目覚めた方がいい。

    一応、おれもステンドグラスを通れば起きられると思う。さっきローさんの夢の中に突入してきたコラさんも、ローさんと一緒に帰ったわけだし。
    ……おれも、早く出たいよ。悪夢を見るのは、きつい。

  • 1011◆zMLTtg.3fA23/01/22(日) 03:45:16

    クリスの案内する方に向かえば、ステンドグラスがそこにある。
    そこには、銀の――ドラゴンだから、魚だかよくわからない生き物、コクレア様が象られている。
    ……あれ?
    なんだかんだ、これまでのステンドグラスはその当人のイメージみたいなモチーフになっていたけれど、クリスは神父だからか、コクレア様そのものなのか?
    やけに気にかかる――けれど、まあ、今はどうでもいいことだ。

    「あそこに飛び込めば…? ガラス突き刺さりません?」
    「割ることになるけど、ガラスが突き刺さった様子はなかったぜ。さっさと出よう」
    「ええ。……にしても、シャチさん。どこか顔色が悪いように見えますが、」
    「………」
    「うん、悪夢のせいなんですね。さっさかとっとと出ちゃいましょう!」

    滅茶苦茶気遣われてしまった。
    うん、でも、まあ。ありがたい話なので、クリスに続く。

    背後には戦場が続いている。
    例え今のクリスに響かなくとも――それでも、クリスの悪夢には違いはない、のだろう。この世界も。
    感情が見られない瞳で冷酷に銃を撃っていた姿。ちゃらんぽらんな態度を崩さないお茶らけた姿。マリーに対する、愛情深い父親の姿。
    どれだ本当なんだろうか。……どれも本当だって思うべきか、これは。でもギャップとんでもなくて風邪ひくわ。

    「行きます」

    ―――クリスが一気にステンドグラスに飛び込む。飛び込みながらおれの方を向いた。
    ……おれも!

    地面を蹴って、そのままクリスに続いてステンドグラスに飛び込む。
    こんな悪夢ともおさらばだ! さっさと起きるに限るぜ!

  • 1021◆zMLTtg.3fA23/01/22(日) 04:20:38

    そう思って、―――思った、けれど。

    「だめだよ」

    冷たい声。腕と、足と、腰と、頭と。
    何本ものつるが、おれの身体に巻き付く。
    おれの様子を伺っていたクリスが、ステンドグラスの向こうで大きく目を見開くのがわかった。
    そんなおれの視界も、つるに―――、ではなくて。

    冷たい、冷たい手で、覆われる。

    「あいつは、まあいい。でも、お前はだめ」
    「は、」
    「散々おれの邪魔をしたのだから、お前は悪夢から出してやらない」

    身体中につるが巻き付く。つるによって拘束された身体はびくともしない。
    くつくつ、と嗤う声。
    クリスの悪夢に入る直前、……さっきと体勢が同じなのに、何もかも逆だ。

    ラミの姿をした、別のものに。
    扉ではない違う場所から、深く、深くへ、―――おとされて、

    「もっと、もっと、絶望の底へ」

    「底へ、底へ、底へ―――沈んで、」

    「もう二度と、浮上出来ないように」

    ああ、だめだ。
    落ちていく。

  • 1031◆zMLTtg.3fA23/01/22(日) 04:21:54

    短いですが今日はここまで!
    ネタバレ:シャチが酷い目に合う
    まあ相手のやろうとしていたことをことごとく邪魔してきたのでさもありなんな感じ
    また保守の方をよろしくお願いします
    いつも感想書いてくれる方ありがとうございます! 活力!

  • 104二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 13:08:00

    シャチの悪夢安価安価ありましたもんねぇ…シャチも悪夢に突き落とされますよねぇ…
    が、頑張れシャチ!

  • 105二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 20:06:30

    クリスは教会の神父だからコクレア様の加護が殊更に厚いとか?
    シャチ頑張れ!ペンギンと一緒に皆とまた出航しような!

  • 1061◆zMLTtg.3fA23/01/23(月) 01:17:10

    保守と感想ありがとうございました!
    続きを書いていきます。

  • 1071◆zMLTtg.3fA23/01/23(月) 01:26:12



    「ラミくんお金貸してもらえません?」
    「君さあ」
    「ちゃんと返すので! ちょっとだけ! 1万ベリーほど! 大丈夫ですって、二倍にして返すので!」
    「ぶん殴ってもいい気がしてきたなあ」

    それと、一週間ほど前に同じ台詞を聞いたのだけれど、まだ二倍にして返してもらってないぞ。
    おれは呆れつつも、まあいいか、と1万ベリー手渡す。
    自分の計画に協力させてる負い目と、友情。そういったものから渡しているわけだけど、あげるわけではないのでいつか必ず払わせるからな。
    正直もっとしっかりした人間だと思っていたけれど、この島に賭場があると知るや否やお金を注ぎ込んでいる。
    一応マリーちゃんが管理しているけれど、こんな子どもに管理させるなんて正気か? どんだけだらしないんだ?といつも思っている。

    「そのうちマリーちゃんに告げ口するよ」
    「え、やめてくださいよ、マリーちゃん私のこと嫌いになっちゃうかもしれないじゃないですか」
    「嫌いにはならないと思うけど、説教された方がいいと思うなあ」
    「……ラミくんって辛辣なの隠さなくなってきましたね? 素を見せてくれるのは友情を感じていいと思います。土下座しましょうか?」
    「急転直下なんだよ」

    おもしれー男……と呆れつつ。
    相変わらず娘を溺愛しているようで、とまあ、そこらへんに関しては微笑ましく思える。

  • 1081◆zMLTtg.3fA23/01/23(月) 01:35:55

    元々、兵士なのだと教えてくれた。
    割と人でなしとして生きてきて、抜け殻同然の人生だったと。
    そこに息を吹き込んでくれたのがマリーちゃんなのだと。
    なので、マリーちゃんこそクリスの宝で、愛すべき娘らしい。
    そう思うんだったらもっと父親としてしっかりしな? と思わないでもないけれど、ここまで付き合ってくると、この……ちゃらんぽらさ、というべきだろうか。それもクリスの持ち味だ、と思うようになってきた。
    ……いや、思っちゃだめだな。普通にギャンブル止めるのが一番いいよな。

    「ラミくんは、レミくんと仲がいいんですよね」
    「うん? 仲がいいよ。これまで喧嘩もしたことないな」
    「おお……私はいつもマリーちゃんに怒られてます」
    「そりゃそうでしょ。というか、クリスの場合、愛想つかされてないだけマシってものだよ」
    「ど辛辣すぎて草」

    でも、マリーちゃんはマリーちゃんでそこはかとなくクリスに対する愛が重い気がする。
    気がするってだけだけど。あんなにさっぱりした気のいい女の子見たことないし。

    「んで、どうしてレミの話になったの?」
    「いや、疑問で。聖職者の家系なんですよね。どうしてレミくんは神父じゃなくて古本屋やってるんですか?」
    「ああ……まあ、元は両親が、どちらかが受け継ぐか決めろって言われたから」
    「受け継ぐか? 一人しか受け継ぐことが出来ないんですか?」
    「んー……」

    なんというべきか。理由まで、話すようなことじゃ、ないし。

    「それに、レミは昔から本屋をやるのが夢だったからね」
    「………」

    話をそらしたの、あからさまだったな。クリスが聞いてはいけないことを聞いてしまっただろうか、という顔をしている。

  • 1091◆zMLTtg.3fA23/01/23(月) 02:11:00

    「まあ……つまり、」
    「うん?」
    「私がマリーちゃんを宝物で超絶プリティーハッピーガールと思っているように、ラミくんはレミくんを大切に思ってるってことですよね」
    「その呼称と……一緒にしたくはないかな……」

    急に滅茶苦茶頭の悪そうなこと言い出したぞ。話を逸らそうと、気を使ってくれたのだろうか。こんな気の使われ方嫌だな。

    「うん、でもまあ……自分より、ずっと大切ってことに変わりはないよ」

    別に超絶プリティーハッピーボーイとか思っては無いけど。

    「おれは、あの子のお兄ちゃんだからね」
    「……双子でもお兄ちゃんなんですか?」
    「おれが先に生まれたからおれがお兄ちゃんに決まってるだろ」
    「おお……結構我が強い……」

    だったら、とクリスは首を傾げる。

    「なんで私神父やってるんですか? マリーちゃんがシスターやってるのはともかく、私みたいなのがやってていいものかとふと我に返るんですけど」
    「そりゃ、おれに金を借りに来るしね」

  • 1101◆zMLTtg.3fA23/01/23(月) 02:24:37

    まあ、それは。
    それは以前、理由を話して――そして、その記憶を“抜き取って”破棄してしまったから、覚えてやしないだろうけれど。
    気になるのも仕方ないだろう。
    今のクリスはその理由を知らない。

    「……そうだね」

    本当のことを、今は言うつもりはない。
    おれが言いよどんだことを察してか、クリスが口を開こうとする。
    恐らく話を変えようとしているのだろう。先ほどと同じように。

    「クリス、それは君のことがいいやつだって思ったからだよ」
    「……え?」
    「例え君が、君のこれまでの人生を誇れないとしても、それでも今も君は、マリーちゃんに出会えたこともあってか、おれにとっていいやつに思えた。だから、この島に来てほしいって思ったんだ」

    それを、利用しているって言われたら、―――何も、言い返せないけれど。
    クリスはそんな後ろめたく思うおれの内心に気付かず、ぽかんとした顔をしている。

    「………あの、そんな真正面から言われるとドギマギするんですけど」

    ぽっと顔を赤らめて両手を頬に当てる。
    妙な乙女仕草やめてほしい。ジト目でスルーすれば、何事もなかったように元に戻った。

  • 1111◆zMLTtg.3fA23/01/23(月) 02:31:26

    「いいやつは、好きだよ。いいやつになりたいって、おれも思う」
    「……ラミくんは既にいいやつでは?」
    「ありがとう。でも、そうじゃなくてさ」

    そうなりたいって、思うことが重要なのだと思う。
    空を見上げる。太陽が眩しかったので、手のひらをかざした。

    「うん、だから。おれは善いことだと思うことをしたい。そうある自分でいたい」
    「……立派ですねえ」
    「しみじみ言わないでよ。別に今のおれが、何かを為せたわけじゃないし」

    でも、だから。
    こんなおれが、善いことを為せたなら―――――、






    だからおれは
    擦り切れながらも、手を伸ばすのだ。



  • 1121◆zMLTtg.3fA23/01/23(月) 02:50:51

    がしゃん、と踏みつけられたオルゴール。
    おれのものだった――確か、父親に買ってもらったものだった。
    それを、叔父であるあいつは、嗤いながら踏みつけた。そのせいで、ずっと歪んだ音楽が流れている。
    不協和音、乱れたリズム、途切れる音。
    そんなものをずっと耳にしながら、太い筆に押さえつけられ、ずっと殴られている。

    (なんで、殴られてるんだっけ)

    そりゃ、悪事に失敗したからだ。
    おれ“一人”しかいないのに、無茶な命令をされたおれは、見事に失敗して追われて、命からがら逃げかえってきたこの家で、この男に憂さ晴らしにと暴力を振るわれている。
    身体を丸めて身を守ろうとするけれど、大人の暴力にガキが勝てっこない。
    拳が頭に叩きつけられ、その勢いのせいで床に思いっきり額がぶつかる。

    オルゴールが鳴っている。がなるように音を奏でている。耳元で大音量で響くそれは、いくら耳を押さえようともずっと響き続けている。

    「ぐッ、あ、が……!」

    思いっきり腹につま先がめり込む。身体が吹っ飛び、地面をごろごろと転がる。
    腹を守るように身体を丸めながら、胃液を吐き出す。
    鮮烈な痛みに気が遠のくのに、次いで前髪を掴まれ持ち上げられ、頬を殴られる。

    目の前に見える叔父の顔が、まるで悪魔のようだ。

  • 1131◆zMLTtg.3fA23/01/23(月) 03:01:24

    (おれ、なんで、こんなことになったんだっけ)

    そう、そうだ。家族が、海の飲み込まれた。高い、波だった。――事故だった。
    それで、おれは――おれ“だけ”生き残ったから、叔父に引き取られて、奴隷みたいに扱われている。
    父さんはいい人なのに、この男はクソみたいな悪人だった。そんなところに引き取られちゃ、そりゃクソみたいな生活になるに決まっている。
    おれが抵抗できないくらい弱っちいのをいいことに、散々甚振って――、

    ……あれ、
    おれって、一人だったっけ。

    (ちが、そう、……ぺんぎんが、)

    いるはず、と、視線を向ければ。
    そこには、血だまりの中に沈むペンギンがいる。
    片腕がない。
    ぴくりとも動かないペンギンから、どんどん血があふれ出し、広がっていく。
    ヒュ、と喉から音が鳴った。次の瞬間叔父に吹っ飛ばされる。

    冷たい地面に横になりながら、耳の奥でずっと鳴っているオルゴールの音がずっと、聞こえているから、
    止まない
    ずっと、ずっと、聞こえてるから、
    止まない
    延々と止まることなくなり続けているから
    止まない、

  • 1141◆zMLTtg.3fA23/01/23(月) 03:01:54

    今日はここまでで。
    また保守のご協力お願いします。

  • 115二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 03:33:09

    おわぁぁぁ…シャチ、シャチがんばれ…

  • 116二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 07:13:02

    シャチは悪夢巡りの中でかなり消耗してたっぽいし心配だな どうか無事でいてほしい

  • 117二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 18:05:48

    おもしれー男で笑い堪えてたのに超絶プリティーハッピーボーイ(ガール)で韻踏んでてダメだった…
    何食べたらそんな言葉選びできるんです?
    いい人でありたい、善いことを成したいって気持ち自体が素敵なことだと思う
    そして急転直下のシャチの悪夢で無事死亡しました、二人の旅はそこで終わらないんだよ…!

  • 118二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 18:24:57

    う~~んラミさん…いいキャラだ…ラミさんの事もっと知りたい…クリスさんは随所で空気が読めるというか人の気持ちを慮る事ができる描写があっていいな
    隠したままの事もお互いあったかもしれないけど相性的には良いコンビだったんだろうな年も近いし…
    とか思ってたら年の近い幼なじみ達の方が大変な事になっていて情緒が、

  • 119二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 00:40:53

    シャチの悪夢つらい…

  • 1201◆zMLTtg.3fA23/01/24(火) 02:02:16

    今日もちょっとだけ投稿します。
    保守と感想ありがとうございました!

  • 1211◆zMLTtg.3fA23/01/24(火) 02:07:52

    「だめだよ、お前は。だっておれの邪魔をしたもの」

    ラミの姿をしたそれは、地に伏せたおれの顎をつま先で軽く持ち上げる。
    小さく弱いガキのおれには、到底反撃することも出来ない。
    血まみれで、多分骨が折れてる。内臓もやられてる。口からはひたすら血の味がした。

    「お前は、出さない。出来るだけ長く生かして、その分たっぷり悪夢を見せてあげる」

    人の意識の中は、どこまでも自由だから。

    「愉しいなあ。――その顔。お前、強がっているけど、怖がってるの隠せてないよ」

    そいつの背後で、何かがどさりと落ちる。
    それは、ペンギンの死体だ。
    子どもの頃のペンギンの死体が、そう、まるでベポの悪夢のように――何体も、降り注がれる。

    どさ。どさ。どさ。
    オルゴールが、大音量で響いているのに。
    他の音も鮮明に聞こえるから、おれの頭は、おかしくなりそうだった。

    幾つも落ちてくる死体――そのうち、おれの目の前に落ちてきたペンギンの死体。それは、それだけは生きていて、頭を血まみれにしながら、呆然と見開いた目で、おれを見ていた。
    その口が、震えながら、小さく開く。

    おまえの、せいだ

    「――――――」

    それは。
    だって、確かに。
    叔父は――おれの、親類で。だから、ペンギンまで巻き込まれて。

  • 1221◆zMLTtg.3fA23/01/24(火) 02:14:52

    「人の不幸は蜜の味、だっけ。そうだとも、絶望は甘露だよ」

    ――次の瞬間、おれの周りには火が溢れている。
    おれの腕はしっかり縄で縛りつけられていて、この場から逃げ出せる手段がない。
    火が肌を舐めるように伝ってくる。熱くて、熱くて、熱くて。喉が張り裂けるくらいの悲鳴が漏れる。
    それを聞きながら、それはずっとけらけら笑っているのだ。

    「もう、閉じた。力技で夢を渡ってきたんだろうけれど、ここはおれの世界だから、やろうと思えばそういうことも出来るんだよ。苦労したけど、もう誰もここには来ない」
    「あつ、ぃ」
    「熱いね。おれも火は嫌いだよ。でもまあ、散々邪魔してくれたから、しょうがないよね」

    おれは神父もシスターも嫌いだけれど、お前が殊更に嫌い。
    嗤いながら、燃えるおれを見ている。
    燃える――ああ、そうだ。確か、コラさんの時と同じ、だ。
    あの時は耐えられたけど、今は耐えるのが、難しい。
    床を転がるけれど、縛られた腕のせいで途中で引っかかる。

    熱くて熱くて助けを求めるように手を伸ばした先―――そこに、同じく、燃える、ペンギンが。

    「あ、」

    ペンギンが、燃えて、
    ―――オルゴールが、鳴りやまない。
    呆然としていたおれの目からは、いつの間にか涙がこぼれていた。

  • 1231◆zMLTtg.3fA23/01/24(火) 02:17:50

    気が付いたら、雪の上を歩いている。
    どこまでも、どこまでも続く。
    傍らには誰もいない。
    独りだ。

    骨が折れて、内臓が破裂して、どこもかしこも傷だらけで、火傷まみれで。
    今のおれはちゃんと人の身体をしているのだろうか。
    不安になる。
    孤独感で頭がおかしくなりそうになる。

    いったい、どれくらいの時間が経っただろう。
    この拷問染みた時間の中で、ずっと、ただただ苦しめられるだけ。
    ホーキンスに啖呵を切ったことが随分遠い記憶になりそうだ。――そうじゃないかもしれないけれど、今のおれには、この場所で起こったことが色濃すぎて。

    なんでこんな目に、あってるんだっけ。
    幼いおれが顔をだす。
    おれって、そんなに悪いことしたっけ。
    なんのために、誰のために、こんなことを。

    くるしい、よ。
    誰か、たすけ、

  • 1241◆zMLTtg.3fA23/01/24(火) 02:20:16

    殴りつけられる。オルゴールが鳴り響く。
    蹴り飛ばされる。オルゴールが鳴り響く。
    ペンギンが殺される。オルゴールが鳴り響く。
    たくさんのペンギンが落ちてくる。オルゴールが鳴り響く。
    燃やされる。オルゴールが鳴り響く。
    誰もいない。オルゴールが鳴り響く。
    誰も来ない。オルゴールが鳴り響く。
    頭が痛い。オルゴールが鳴り響く。
    腕が痛い。オルゴールが鳴り響く。
    足が痛い。オルゴールが鳴り響く。
    身体が熱い。オルゴールが鳴り響く。
    喉が焼ける。オルゴールが鳴り響く。
    こわい。オルゴールが鳴り響く。
    こわい。こわい。こわい。オルゴールが鳴り響く。
    いたい。くるしい。オルゴールが鳴り響く。
    さみしい。つらい。オルゴールが鳴り響く。
    だれか。オルゴールが鳴り響く。

  • 1251◆zMLTtg.3fA23/01/24(火) 02:20:52

    殴りつけられる。オルゴールが鳴り響く。蹴り飛ばされる。オルゴールが鳴り響く。
    ペンギンが殺される。オルゴールが鳴り響く。たくさんのペンギンが落ちてくる。オルゴールが鳴り響く。
    燃やされる。オルゴールが鳴り響く。誰もいない。オルゴールが鳴り響く。
    誰も来ない。オルゴールが鳴り響く。頭が痛い。オルゴールが鳴り響く。
    腕が痛い。オルゴールが鳴り響く。足が痛い。オルゴールが鳴り響く。
    身体が熱い。オルゴールが鳴り響く。喉が焼ける。オルゴールが鳴り響く。
    こわい。オルゴールが鳴り響く。こわい。こわい。こわい。オルゴールが鳴り響く。
    いたい。くるしい。オルゴールが鳴り響く。さみしい。つらい。オルゴールが鳴り響く。
    だれか。オルゴールが鳴り響く。
    殴りつけられる。オルゴールが鳴り響く。蹴り飛ばされる。オルゴールが鳴り響く。
    ペンギンが殺される。オルゴールが鳴り響く。たくさんのペンギンが落ちてくる。オルゴールが鳴り響く。
    燃やされる。オルゴールが鳴り響く。誰もいない。オルゴールが鳴り響く。
    誰も来ない。オルゴールが鳴り響く。頭が痛い。オルゴールが鳴り響く。
    腕が痛い。オルゴールが鳴り響く。足が痛い。オルゴールが鳴り響く。
    身体が熱い。オルゴールが鳴り響く。喉が焼ける。オルゴールが鳴り響く。
    こわい。オルゴールが鳴り響く。こわい。こわい。こわい。オルゴールが鳴り響く。
    いたい。くるしい。オルゴールが鳴り響く。さみしい。つらい。オルゴールが鳴り響く。
    だれか。オルゴールが鳴り響く。
    殴りつけられる。オルゴールが鳴り響く。蹴り飛ばされる。オルゴールが鳴り響く。
    ペンギンが殺される。オルゴールが鳴り響く。たくさんのペンギンが落ちてくる。オルゴールが鳴り響く。
    燃やされる。オルゴールが鳴り響く。誰もいない。オルゴールが鳴り響く。
    誰も来ない。オルゴールが鳴り響く。頭が痛い。オルゴールが鳴り響く。
    腕が痛い。オルゴールが鳴り響く。足が痛い。オルゴールが鳴り響く。
    身体が熱い。オルゴールが鳴り響く。喉が焼ける。オルゴールが鳴り響く。
    こわい。オルゴールが鳴り響く。こわい。こわい。こわい。オルゴールが鳴り響く。
    いたい。くるしい。オルゴールが鳴り響く。さみしい。つらい。オルゴールが鳴り響く。
    だれか。オルゴールが鳴り響く。

  • 1261◆zMLTtg.3fA23/01/24(火) 02:27:09

    「なあ、シャチ。お前のせいだぜ」

    おれの頭を掴む、大きな手が。おれの髪の毛を掴んで、引っ張って、持ち上げる。
    そこにいるのはペンギンだ。そう、ペンギンの姿をしている。
    ボロボロになったおれに構わず、むしろ、愉快そうに笑いながら、おれの顔を覗き込む。

    「お前が、お前の存在がおれを不愉快にさせるんだ」

    そうか、そうなのか。だったらしょうがないよな。
    ペンギンに殺される。さっきも殺されたっけ。あれ、殺されたんだっけ?
    何もわからなくなって、おれはただ茫然と笑うだけ。それが気に喰わないのか顔を殴られる。鼻から血が出た。痛い。痛い気がする。痛いってなんだっけ。

    「思えば、“らせん”も大概不愉快なやつだけど。ああ、やだやだ。この世界から消してもまだおれの邪魔をしてくる。気配すらも毒になるとは、最悪なやつだ」
    「――――ぁ、」
    「あ、お前に返答を求めてねェ。黙ってろ」

    また、殴られる。
    いた、い。

    「今度はどうやって殺してやろうかな。心臓を一突きにするのはどうだ」
    「………」
    「返事をしろよ。面白くないやつだな」

    面白くない。そっか、ごめん、なさい。
    なんで謝ってるんだ?
    あはは、もう、わかんねェや。

    「まあいいや。通算何回目? とりあえず、死 ね」

  • 1271◆zMLTtg.3fA23/01/24(火) 02:31:58

    そう言いながらペンギンがおれに向かってナイフで心臓を刺そうとして。

    そうしようと、していた――みたい、だけれど。

    でも、いつまでたっても痛みが来ないから、おれはぼんやりと――何故か、固まったペンギンを見つめる。

    驚愕の表情を顔に貼りつけながら、何故か呆然としている。
    口から何故、という形の吐息が漏れた。
    そして―――おれは、気付く。

    心臓から、刃が出ている。
    おれじゃない。目の前のペンギンから。

    「? ぺ、んぎ、」
    「―――――――おれの」

    怒りを押し殺したような声が漏れる。それは、目の前の男から聞こえたものじゃなかった。
    低く、底知れないほどの煮えたぎる怒りを秘めた声は、聞き覚えがある――ありすぎる、響きを持っていた。


    「おれの、」

    「おれの、相棒に何してんだ、このクソ野郎……!」


    目の前のペンギンと、同じ顔をした、男が、手に持った槍で、自分と同じ顔をした男の心臓を、一突きにしていたのだ。
    ………ああ、そっか、と笑う。

    いつも助けてくれるの、お前だもんなあ。

  • 128二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 02:33:06

    ペンギンーーーーーーーーーーニコイチーーーーーーーーー!!!!!!
    (ペンラブンブン)

  • 1291◆zMLTtg.3fA23/01/24(火) 02:33:42

    というところで今日はここまで【勝ち確BGM】
    今更だけど、これって閲覧注意が必要だろうか。ボロボロになりすぎてる気配がするけど……。
    ライブ感で書くものだから……。

  • 1301◆zMLTtg.3fA23/01/24(火) 02:35:02

    一度何かに前作含めて保存して、ピクシブかハーメルンかに投稿したい気になってきたけれど、それだけの量があるんだ……?と戦々恐々している。
    また保守のご協力お願いします!
    それから感想もいつもありがとうございます!!

  • 131二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 02:50:22

    そう言えば、シャチが夢の世界に入る前に言っていたな
    ペンギンと仲がとてmp良いけど双子じゃないから、繋がれないって
    でも、結果はこのように繋がった
    シャチとペンギンの絆は、邪悪な花の思惑もあの本の著者の考えも高く飛び越して行ったんだね

  • 132二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 10:36:45

    安価やらダイスやらあるとはいえここだといつか消えるかもしれんしなぁ
    纏めるのも大変そうだけど頑張れスレ主…

  • 133二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 18:00:58

    ペンギンキターーーーーー!

    勝利確定bgm置いておきますね。

    ジョジョ 三部 処刑用BGM


  • 134二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 21:47:17

    うおーーーーーペンギンーーーーー!!!!!
    (うちわぶん回し)

  • 135二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 22:03:47

    「あ、お前に返答を求めてねェ。黙ってろ」からの「返事をしろよ。面白くないやつだな」
    が典型的なダブルバインドでつくづく鬼畜だなこの花ってなったのでペンギンが助けに来てくれて本当に良かった
    二人で無事に帰還してくれ

  • 136二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 23:16:45

    このレスは削除されています

  • 1371◆zMLTtg.3fA23/01/25(水) 01:34:47

    今日は更新できないと思います。
    なので明日また更新させていただきます。
    どうか保守のご協力をお願いします!

  • 138二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 01:47:53

    グンッと寒いのでお体に気をつけてくだされー!

  • 139二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 12:10:41

    そういやペンギンどうしてるんだろう?って考えてたからこれは胸熱…!
    でも精神は悪魔に囚われてたんだとしたらそれはそれで心配…

  • 140二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:53:21

    花に元々幻覚作用のある何かしらの毒があって神格を得て悪用するようになったのか
    ただの花だったものが崇められて、そういうこともできるようになったのかでだいぶ恐怖度違うな
    何はともあれペンギンも揃ったんだったら向かうところ敵なしだ!やったれ!

  • 1411◆zMLTtg.3fA23/01/26(木) 02:28:33

    すみません、今日も投稿できそうにないです。

    また保守のご協力をお願いします。


    >>133

    ・特徴的な帽子を被ってる

    ・いつも同じ服を着ている

    ・相棒とニコイチ

    つまり実質承.太郎

  • 142二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 09:48:58

    このレスは削除されています

  • 143二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 10:40:07

    >>141

    そうかな…そうかも…そうかなあ?

  • 144二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 12:12:46

    ペ、ペンギーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!!!!
    おまっお前そんなイケメンヒーロームーブされたら惚れちゃうだろお前お前お前〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

  • 145二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 21:22:12

    むしろなんでこんなやべー花を崇めちゃったんだ昔の島民たちは
    皆に見せ場あってペンライトとうちわが追いつかないな!

  • 1461◆zMLTtg.3fA23/01/27(金) 01:18:41

    保守と感想ありがとうございました!
    ペンギンの評判良くて嬉しい。ずっとこれやりたかった。
    今日も少しずつ書いていきます!

  • 1471◆zMLTtg.3fA23/01/27(金) 01:32:31

    ペンギンの槍がペンギンの姿を模していたそれから抜かれる。
    心臓の部分から一気に血を吐き出して――そのまま、舌打ちをしたような憎々し気な表情をしてから残像のように揺らめいて消える。
    その瞬間髪の毛を引っ張られて持ち上げられていたから、支えを無くしたおれは一気に地面に落ちる―――瞬間に、ペンギンに受け止められた。

    子どもの体格のおれはひょろっちくて、自分でも面白いくらいに軽々と抱えられてしまう。
    そのまま、ペンギンにしては優しく地面に横たえてくれた。
    おれは、今見えるペンギンが、本物なのか、幻覚なのか、わからないあやふやのまま、手を伸ばす。
    あれ、おれの手が真っ黒だ。まるで、影みたいに。
    何度も折られてひしゃげていたり、曲がり方が変になっていたり、火傷とか打撲の跡とか切られた傷とか、見るに堪えないくらいあったはずなのに。
    ……でも、そんな見苦しいもの見られたらまた殴られるし、黒くてよかったかな。あれ、ペンギンはおれのこと殴らねえじゃん。だから、見られててもいいのか? ……も、わかんね。

    「……シャチ」

    ―――ああ、泣きたくなるくらい、優しい響きだ。
    さっきまでペンギンの姿を模していたものの、嘲笑の響きを持った軽薄な声とは違う。
    おれの幼馴染で、兄弟分で、相棒の声だ。
    幻聴でも幻覚でも構わない。この悪夢の中で、救いがあるとするならこれだ。
    おれがおれじゃなくなる前に、ぶち壊れる前に、悪夢の中でまた夢を見ることが出来たのだろうか。

    腕も、足も、身体も、多分顔ももう真っ黒だ。
    おれ、死ぬのだろうか。
    粉々に心が砕けて、おれがおれじゃなくなって、ペンギンや、キャプテンや、ベポのことも、忘れ、

  • 1481◆zMLTtg.3fA23/01/27(金) 01:40:36

    「――――正気に戻れ! この馬鹿!!」

    ただでさえ全身痛いのにぱしん!と両頬を挟むように手のひらで叩かれて目の前に火花が散る。

    「い、てェ!?」

    全身が焼けるように痛いのに、さらに痛みが――、にしては、やけに現実感を伴う鮮烈な衝撃に、ぱりん、と何かが割れる音がする。
    見れば黒い部分は消えている。……代わりに痛々しい子どもの腕や足が見えた。うわ、グロっ……。

    「え、あ? えと、」
    「……急に叩いて悪かった。でも、正気に戻れ。でないと多分、戻れなくなるぞ」
    「??? ……ぺ、ペンギン、本物……?」
    「少なくとも偽物になった覚えはねェよ」
    「夢……?」
    「それもわからん。おれにわかると思うなよ」
    「………?」

    無茶苦茶なことを言いやがる。でもおれは拷問染みた悪夢のせいで、上手く喋ることすら出来なくて、ちゃんと聞きだすことが出来ない。
    大人の記憶があるのに、それが遠くに行っちまって、おれのすぐ近くには子どもの精神と記憶がある、ような感じ。
    だからずっと戸惑いっぱなしで、平常を保つことが出来ない。

    「お、おれ……ペンギン、おれ、もうだめだ」
    「何が駄目なんだよ」
    「おるごーるが、なりやまなくて」

    今も耳にガンガンと響き続ける歪んだオルゴール。
    壊れたそれが、視界の端にずっと存在する。
    それがさらに、精神を削ってくる。

  • 1491◆zMLTtg.3fA23/01/27(金) 01:58:22

    「……何言ってるかよくわからねェけど」

    ペンギンはおれの視線を先を見て、ずっと鳴り響き続ける、止め方を知らないオルゴールを目にする。
    待ってろ、と言ってから、ペンギンは迷わずそれに近づき――躊躇もなく、足を振り下ろしてぶっ壊した。

    「え、」
    「ぶっ壊れて鳴り続けちまうんなら壊すしかねェだろ。でも弁償は勘弁しろよ」

    弁償って、夢の中で弁償もくそもないが。
    ――けれど、ペンギンに踏み壊されたオルゴールは、その瞬間ぴたりと音を止めた。
    耳の奥で鳴り続ける音も、聞こえない。
    こんな簡単に、とおれは呆然とする。
    こんな簡単なことすらも出来なかったのか、と納得する。
    ……ずっと、鳴り響き続けていた歪んだオルゴールが聞こえなくなってから、少しだけ頭がクリアになった気がする。

    「よし、これでうるさくなくなったな。さて、んでここはどこなんだ?」
    「ぺ、ペンギン、知らねえ、の?」
    「知らない。なんか、……滅茶苦茶寝てた気がするんだけど、気が付いたら目の前になんか……ドラゴンだか、よくわからないものが通って」
    「は?」
    「なんか……着いてきたらここにいた」
    「はあ?」

    それってコクレア様じゃねェかとか、それが意識が混濁しているペンギンの目の前とやらを通るってどういうことだよ、とか、そのよくわからないものが目に通ってなんで着いてきちまうんだ、とか。
    それらひっくるめて、おれは間抜けな返事をすることしか出来なかった。

  • 1501◆zMLTtg.3fA23/01/27(金) 02:35:45

    「……ってことはさ、お前まだ船で寝てんの?」
    「おれはおれがどうなってるのかはわからねェよ。なんか……なんかあったことはわかるけど」
    「なんだそのもにゃった言い分は」
    「しょうがねェだろ、気付いたらよくわかんねェ事態になって、よくわかんねェうちにお前がズタボロになってんのを見たおれの気持ちにもなれよ!」
    「気が付いたら昏睡しているお前が急に助けに来てくれたおれの気持ちにもなれ!」

    嬉しかったけど、嬉しかったけど! 悔しいから言いづらいけど!
    でも、おれはようやく実感としてわかってきた。
    多分、このペンギンは本物で、本当に、本当におれを助けに来たんだってことを。

    ……。
    マジかよ、そんなことがあんのかよ。
    ていうかコクレア様なんなんだよ。なんでこう……こんなよくわかんないことが出来るんだ。
    何かしらの繋がりがないと他人の悪夢に入り込むことが出来ないんじゃなかったのかよ。
    そんな力がコクレア様にあるっていうのかよ。
    ……わかんねえ。頭の中がぐちゃぐちゃだ。

    「……おいシャチ、泣くなよ」
    「は? ……泣いてねえ」
    「あー、うん。わかった。ていうか動けないだろ。背負ってやるよ、ほら」
    「いい……」
    「拗ねるな。お前泣くと大概拗ねるよな。見た目そのままに中身もガキになったか?」
    「うるせェ。ペンギンお兄ちゃん♡って呼んでやろうか」
    「海賊女帝並みの美少女になってから言えよんなの」
    「お前っ、それハードル高すぎ……!」

    ぶは、と笑う。笑ってから、だいぶ気が楽になったのを感じた。

  • 1511◆zMLTtg.3fA23/01/27(金) 03:08:08

    本当にペンギンに背負ってもらったおれは、そのままペンギンの背中に寄りかかりながら足をぶらぶらとさせる。
    今のおれは子どもの体格だからというのもあるのだけれど、ペンギンの背中がでかい。かなりでかい。
    大人のおれと、大人のペンギンの体格はそんなすげェ変わりはないと思うから、おれらってこんなにでかくなったんだな、となんか、感慨深い気持ちになった。

    ステンドグラスを見つけるまでの道中。暗闇だったり、叔父に折檻を受けていた場所だったり、スワロー島だったり、夢ならではの一瞬で視界に移るものが変わったりする、目が回りそうな世界の中で、おれはペンギンが昏睡してからのことを説明した。
    それからペンギンの話も聞いた。

    「……レミが荷物ばらまいていて困っていたから助けてやって古本屋まで行っただァ? 仮にも海賊がなに滅茶苦茶いいことしてんの?」
    「いや、見てて可哀想になるくらいのあたふたぶりだったんだって」
    「でもお前も荷物持ってただろ」
    「おれは力持ちだから」
    「は? おれの方が力持ちだっての」
    「この前の腕相撲大会おれが勝っただろ」
    「その前はおれが勝ちました~」

    ……と、不毛な言い合いを軽く挟みつつ。

    「んで、まあ。古本屋まで運んでやったら、急にその店員が倒れて」
    「倒れた?」
    「そう。大丈夫か~って様子を見に行ったあとからの記憶がない」
    「……なるほど」
    「おれとしては神とかコクレア様とやらとかこう……よくわからない話ばっかりで超困惑」
    「ま、急に知ったらそうなるだろな」

  • 1521◆zMLTtg.3fA23/01/27(金) 03:09:32

    というところで今日はここまでにします。
    SAN回復ポイント。
    また保守のご協力お願いします!

  • 153二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 10:41:04

    シャチ救出成功!やったぜ!
    後はステンドグラスに飛び込むだけだね

  • 154二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 20:53:32

    シャチがSAN値回復出来て本当に良かった…
    ペンギンの催眠が死亡率跳ね上がった要因になったの助けようとして悪魔に囚われる確率が高いからでいいのかな?
    でもそれだけだと島にいる全員が死亡になるには弱いか…?
    悪魔も何らかの計画を立てている…?

  • 1551◆zMLTtg.3fA23/01/28(土) 03:14:58

    保守と感想ありがとうございます。
    こんな時間になっちゃったけど少しだけ書いていきます。

  • 1561◆zMLTtg.3fA23/01/28(土) 04:10:37

    「それで、お前たちは森に入ってるってことなんだよな」
    「ああ。そうしたらお前のこと助けられると思ってたんだけど……、ま、なんかどうにかなりそうでよかったよ。なんか逆に助けられちまったし……」
    「マジか。心配かけたなあ」
    「ひとまず、あいつにはおれたちをコケにした報いを受けてもらわねェと我慢できねェよ。あ~~! 腹立ってきた!」
    「おう、そうだそうだ! おれも催眠?ってのかけられたし。キャプテンたちをひどい目に合わせたとなっちゃ報復しないわけにはいかねえよなあ!」

    おれの言葉にペンギンが乗っかる。ああ、これこれ。こういうやり取り。
    時間にしてみれば左程、かもしれないが、何せ散々色濃いことが起こりすぎたのだ、やっと、という気持ちでいっぱいになる。
    ずず、とペンギンに気付かれないように鼻を啜った。
    ……この悪夢の中で、一生分の絶望体験をした気がするのだ。
    まだ振り切れちゃいないが、それでも相棒の背中というのは、ちょっとした安心感を感じてしまうから腹立つ。
    まだ身体のそこら中が痛いが、ひとまず折れて変形していた腕がなんかいつの間にか戻ってた。夢だから、精神の回復で身体のダメージも回復すんだろか。原理がわかんねェな、コレ。

    「……な、ペンギン。おれとお前の家族が死んだあと、おれのあのクソ叔父……に、引き取られちまったけどさ」
    「? ……おう」
    「おれのこと、恨んでたりしねェ? ……おれの親類に、あんなやつがいたもんだから」
    「なにアホなこと言ってるんだお前」

    頭マジでおかしくしたか…?とわりとガチの心配した声で話してくるから、おれは思わずペンギンの頭をひっぱたいた。
    抗議の声が上がるが、おれは割と深刻な話だったのだ!
    ……今更恥ずかしいし、そうぱっと言える話じゃないが、おれはペンギンを信用しているし、相棒だと思ってる。小さい頃から兄弟みたいな近さで育ってきたのだから、そこはそういうものなのだ。
    だからお互いそんなに隠し事とかしないし、秘密を共有するとき一番に話をするのはこいつだ。
    それでいて、ペンギンもおれに対してそういう扱いだってのもわかってる。
    わかってるけれど、それでも、それだけは――ずっと、後ろめたく思っていたのだ。

  • 157二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 11:44:14

    不安になっちゃう気持ちわからんでもない
    ちゃんと精神回復してるのは安心する

  • 1581◆zMLTtg.3fA23/01/28(土) 16:49:38

    昨日はそのまま寝てしまった。
    保守ありがとうございました、今日も少しずつ書いてく。

  • 1591◆zMLTtg.3fA23/01/28(土) 16:52:35

    だから悪夢として出てきちまったんだろうか。

    もしおれたちを引き取ってくれた親類がまともなら。そうしたら、あんな辛い目には合わなくて済んだ。

    結果的に今のおれらがローさん、キャプテンのもとで過ごしている今が現状滅茶苦茶満足溢れる未来ではあるわけだけど、でもそれはそれ、これはこれ。

    酷い目に合った過去ってのは、過去のままちゃんと残っている。


    そんなおれの中にずっと残っていた後ろめたさ。

    悪夢の中で見せつけられる羽目になった、自分の中でへばりついたそれを直視してしまって、だから、ダメだった。聞かずにはいられなかった。

    黙り込んでしまったおれに、ペンギンは仕方なさそうな声をあげる。

    それは少しだけ、兄貴分みたいな許容深さがある声だ。


    「恨んでねェよ」

    「………」

    「そりゃあいつには並々ならぬものがないわけでもねェ。でもそれでお前を恨むのは違うだろ」


    あの頃からお前は仲間で、相棒で。恨むこととか何もなかったよ。

    そう言われて、今までずっと引っかかっていたものが、胸の奥底から零れた気がした。

    くそ、と思いながら、額をペンギンの背中に押し当てる。

    泣くなよ、と笑い交じりの声が聞こえて、泣かねェよ!と叫んだ。



    トラブルダイス 50以下ならトラブルが起きる。

    dice1d100=80 (80)

  • 1601◆zMLTtg.3fA23/01/28(土) 17:00:19

    にしても、まだステンドグラスは見つからないのだろうか。
    これでもしあの悪魔の策略で出られなくなっていたとしたら……と嫌な想像が浮かぶ。
    なんか、コクレア様の何かしら手助けがあったみたいだし……、出られるよな……?と思うけれど、それでも嫌な予感は消えてくれないものだ。

    「……!」

    そんなことを考えていたら、ペンギンの足が止まる。
    どうしたんだ?と肩から顔を覗かせれば、そこには――かっちりと首元まで閉めた神父服を着た、ラミが、いた。

    ――――どこもかしこも血まみれで、ズタボロの姿で。

    「え、あ、おい、ラミ!? お前、なんで……」

    ここは悪夢の世界だ。それでいて、ラミってのはもうすでに死んでいて、本当に生きているものではない、と思う。
    なのになんでそんなダメージを受けた姿なんだ?とおれは目を白黒させていると、ラミはおれの姿を見て、安心したように笑う。
    その親しみを感じさせる笑みに、なんとなく嫌なものを感じた。

    これまで、ラミはおれの手助けをしてくれていた。おれらのために動いてくれていた。
    だから、さっきまで、おれがかなりやばい状況だったのを見て、何か――無理をしたんじゃないかと。
    例えばそう、都合よく、ペンギンが助けに来てくれたことも……。

    「ラミ、ラミ、お前、お前が何かしたのか?」
    「おい、シャチ?」
    「お前が助けてくれたのかよ。それで、そんなにボロボロになったのか?」

    ラミは答えない。ただおれたちに向かって手招きをしながら、こっちだよ、と言うかのように歩きだす。
    ぽかんと止まったままのペンギンの頭をひっ叩いて、追いかけろ!と叫ぶ。ペンギンはよくわかっていない状態だったが、言われるがまま小走りで追いかける。

  • 1611◆zMLTtg.3fA23/01/28(土) 17:16:14

    ペンギンの方が早いはずなのに、ラミには追い付けない。
    常に一定の距離を保ちながら、ラミは薄暗い悪夢の道を歩き続ける。
    その間おれがどれだけ呼びかけてもあいつは振り返らない。

    「おい、シャチ。あいつ、ええと……助けてくれたやつなんだよな?」
    「ああ。そんでラミと同じ姿をした偽物もいるから気をつけて見分けろよ」
    「見分けろっておれ初対面」

    ラミの背中を追い続ける。
    その状態のまましばらく歩いている内に――ぼろ、と、ラミの身体が小さく崩壊して、片腕がぽろりと取れ、消滅する。
    それを見ていたおれは悲鳴交じりに名前を呼んだ。それでも振り返らない――それが、まるでラミの強がりのように見えて、おれは苦しくてたまらなかった。

    やがて、ラミの身体は崩壊を見せながらも、そこに辿り着く。
    そこにあったのは、今にも割れてしまいそうなステンドグラスだ。
    シャチと、ペンギンの動物で象られているそれは、ぴしり、ぴしり、と軋む音を立てていて、飛び込むまでの時間がないことがわかる。
    その横にたったラミはようやく振り返った。
    その顔は――やっぱり、優しい顔をしていて。

    「ペンギン、あのステンドグラスに飛び込んでくれ」

    歯を喰いしばって、喉を酷使するように引き絞った声を上げる。
    いいのか、と確認するようにペンギンが振り返る。
    いいのか、じゃない。行くしかないんだ。そうまでして――ラミが、連れてきてくれた。
    けれど、と。おれはラミに顔を向ける。ペンギンの背中の上だし今のおれは子どもというちょっと格好つかない姿ではあるが。

  • 1621◆zMLTtg.3fA23/01/28(土) 17:29:34

    「助けに行く」


    おれは、誓いを立てるようにラミに告げる。


    「必ず助けに行くからな」


    助けてくれたから、助けるんじゃない。

    そうしたいって思えるくらい、ラミがいいやつだから、助けたいって思えた。

    真っすぐおれが告げれば、ラミの顔が歪み――泣きそうな顔をする。

    しゃちくん、と。ラミの口が動いた気がして、おれは苦笑した。


    「シャチでいいぜ。――待っててくれよな」


    ペンギン、と呼びかける。おう、とずっと様子を見ていてくれたペンギンは、おれの声に合わせてそのままステンドグラスに突っ込む。

    その直前、おれはラミに拳を突き出した。

    ラミは驚いた顔をしてから、同じように拳を突き出した。

    そして笑った。

    だから――それで、十分だった。



    >>163

    外の様子

  • 163二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 18:03:06

    接戦

  • 164二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 20:08:27

    物語的に一番盛り上がる選択になったね

  • 1651◆zMLTtg.3fA23/01/28(土) 21:26:07

    バリン、とステンドグラスが割れる。
    その瞬間、一気に意識がぐるんと回る。
    視界が回転しながら、こんがらがって、――そして、浮上する妙な感覚。
    ペンギンの背負われていたはずだったけど、気付いたらまるで投げ出されたように自分だけ宙に浮いていて。

    それから、妙に目の前が眩しい気がして。
    目を、開けた。

    「あ、」

    目を開けたら、鼻水を出しながら泣いているコラさんがいた。
    夢の中で見た大人のコラさんではなくて、おれらのよく知っている子どものコラさんだ。

    「シャ、シャチ~~~~!! 生゛き゛返゛っ゛た゛~~~~~!!」
    「……しんでませんて」
    「あ、あんなに苦しそうな声をあげてどったんばったんしてたと思ったら急に静かになったんだぞ!? よ、よかった~~~~……!!!!」
    「おれどんな風になってたんだ……?」

    まるで魚のようにびちびち跳ねる自分を想像する。……それはやだな。
    手を握って、離す。現実感がある感触。久々に思い出した気がする――、いったいどのくらい寝てたのだろうか。
    起きて周りを見れば、襲撃は続いているようだ。じゃあ、なんだ。おれも参戦しなくちゃならねェ。
    跳び起きて、自分の武器を手に取る。
    それから駆け出した。

    おれには、おれのやらなくちゃならねェことがある。――やりてェことがあるんでな。
    待ってろよ、ラミ。
    ……絶対おれが助けてやるからな!

  • 1661◆zMLTtg.3fA23/01/28(土) 21:27:10

    というわけで主人公がコラさんに戻ります。
    考えてた数倍シャチにはひどい目にあってもらった気がする……。

  • 1671◆zMLTtg.3fA23/01/28(土) 23:43:53

    おれとローはほぼ同時に起きた。起きたらベポとホーキンスが迫りくる木のつるや昆虫や動物を模した植物と戦っていて、ローはそこに加勢することになった。
    けれども悪夢の状態は深刻で、いつもより精彩を欠いた動きをしている…気がする。
    ベポも得意のカンフーで応援しているが、動きがいつもより鈍い。
    そりゃ、そうだろな。おれだって身体が固くなっている気がする。何度も何度も繰り返し悪夢を見させられちゃそうなるだろう。今思い出しても、背筋が凍る。とんでもねェ嫌がらせだ!

    おれは今だ寝ているシャチを見つめる。あの時おれたちを押し出して、一人残ったわけだけれども、大丈夫なのだろうか。
    悪夢の中で見たシャチの顔はどこか青かった。そして今寝ているシャチの顔も青い。
    ――人の悪夢の中を渡り歩くのだ。精神に負担がないわけがない。

    「……シャチ」

    おれはシャチのすぐ傍で待機する。
    ここで戦いに出られるほどおれ自身は強くないし、それに今おれはシャチの傍にいてやりたかったのだ。



    シャチの異変が始まったのは、クリスが起きだしてからすぐだった。
    起きたクリスは現状の把握をすると、シャチさん!と悲鳴みたいにシャチの名前を呼びかけた。その瞬間、シャチが苦しそうに魘されだしたのだ。
    ひっ、ひっ、と過呼吸みたいに息がおかしくなる。口からよだれが溢れ出して、身体が痙攣しだして。
    応戦していたローもこの事態に急いで戻ってきて、シャチの容態を見る。
    ――けれど、身体に異常はない。
    異常はないけれど、多分、夢の中で何かが起こっていて――それが、シャチを苦しめているのだ。

  • 1681◆zMLTtg.3fA23/01/28(土) 23:53:21

    「ヒッ、ぅ、あ゛あ゛……!」

    びくん!と身体が跳ねる。シャチが身体を仰け反らせながら、目を大きく見開き虚空を見つめている。
    目が開いたものだからおれは起きたものかとシャチの身体を揺さぶる。けれど反応はなく、目線が合うことはなく―――依然意識がないのに変わりはなかった。
    クリス曰く、悪夢の中から出る際に、シャチの背後にラミがいた、らしい。
    ラミの背中から幾本もの木のつるが生えたかと思えば、それらがシャチを絡めとり、深く暗い方へと落ちていったと聞かされて、おれは悲鳴を上げちまうところだった。

    悪夢の中でラミ――悪魔が自由に行動していたのか?
    それでシャチをもっとひどい目に合わせようと……?
    おれはまた催眠に掛かろうとした、けれど。
    催眠をかけてくるはずの花はいなかったし、クリスに止められた。
    でも!とおれは苦しんでいるシャチを見つめる。―――嫌だよ、こんなに苦しんでるってのに!

    何も出来ないおれがもどかしくて。ただ待っていることしか出来なくて。呼びかけて、呼びかけて。どうか戻ってきてくれと。

    ――だから、目を覚ました時にボロ泣きしたのは仕方ないことなのだ。
    泣くだろこんなの。

  • 1691◆zMLTtg.3fA23/01/28(土) 23:54:33

    敵の数


    木のつる dice1d500=1 (1)

    動物の模した植物 dice1d100=32 (32)

    昆虫を模した植物 dice1d100=33 (33)

  • 1701◆zMLTtg.3fA23/01/28(土) 23:55:33

    接戦って出たのにほぼ倒してんじゃん!!!!!!!!!!


    接戦の理由

    >>172

  • 171二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 00:03:04

    とてつもなく頑丈な植物だったか寝起きで体動かしにくかったのかな(すっとぼけ)

  • 172二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 00:41:06

    『本物のラミ』がめちゃくちゃ頑張った

  • 173>>17223/01/29(日) 00:54:52

    この形式でコメントするの初めてだから、あまり自信ないけれど間違った風に書いちゃったかな…?
    だとしたらごめんなさい

  • 174二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 01:07:12

    接戦ってのは互いの力が均衡して勝敗が中々決まらないことを指すぞ
    一本だけなのに接戦となると…蔓がヤバいくらい強かったとか?
    もしくは何か搦手を使ってくるとか

  • 175二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 01:14:40

    意識がないシャチを執拗に狙ってきたので防戦になった、とかはどうだろう

  • 1761◆zMLTtg.3fA23/01/29(日) 01:19:45

    >>173

    うおおおすまねえ、本物のラミくんはこう…もにゃった事態になっているので、なんともしづらい!

    ……ので、出た案全部ダイスにします

    それでもラミくんの案が出たらラミくんを絡めて行きます

    駄目なスレ主ですまない……


    1.とてつもなく頑丈な植物だったか寝起きで体動かしにくかった

    2.『本物のラミ』がめちゃくちゃ頑張った

    3.蔓がヤバいくらい強かった、もしくは何か搦手を使ってきた

    4.意識がないシャチを執拗に狙ってきたので防戦になった


    dice1d4=3 (3)

  • 1771◆zMLTtg.3fA23/01/29(日) 02:13:48

    跳び起きたシャチはぐっちゃぐちゃにボロ泣きするおれを心配してくれた(心配させちまってすまねェ、お前の方が大変だったのに!)あと、そのまま戦いに飛び出していった。
    蜘蛛を模した植物がその螺子くれた木でできた鋭く長い足をシャチに向けて突き立てようとするが、その前にシャチが避けるとハルバードで叩ッ切る。
    そして上空からベポがその蜘蛛の胴体に勢いよく踵落としを叩き込んだ。
    ぐしゃっと潰れたそれは動きを止め、何の変哲もない植物に戻っていく。

    そんなベポの背後から襲い掛かってきた植物の鳥を、くちばしの先から後頭部まで貫通するという正確な射撃でクリスが迎え撃つ。
    さらにどん、どん、と二発。どちらも羽根の付け根に当てると、飛べなくなった鳥は地に落ち、それをシャチとベポが追い打ちをかけた。

    「“シャンブルズ”」

    ローの能力によって青い膜が広がる。そしてオペオペの実の能力の発動によって、植物の身体が一斉に“かき混ぜられる”。
    瞬間、自身を構成する植物の配置がバラバラになったそれらは一斉に地に落ち、動かなくなる。
    一帯どういう原理で動いているのか不明だが、ローの能力は効果的だ。
    ――だんだん攻勢になってきている。そう思えた、けれど。

    ふと、大きな影が森に落ちる。
    太陽が雲に隠れたのだろうか、と思って、上空を見て、――目を見開く。

    「は……」

    離れていてもわかる。
    超巨大なつるが――――おれたちに向かって、倒れてきているのだ。

  • 1781◆zMLTtg.3fA23/01/29(日) 02:14:31

    (空島のアレを思い出してもらえると想像しやすいとスレ主は思った)

  • 1791◆zMLTtg.3fA23/01/29(日) 03:01:57

    「わ…わばー!!!」


    何アレ!?何アレ!?

    おれは目を見開いてびっくりして固まってたが、次の瞬間いつの間にか元居た場所から移動して、ローに担がれていた。ローが能力を行使してくれたのだ。


    見ればそれぞれ倒れてくるつるから逃れる位置に移動している――が、シャチだけは身体にワラが巻き付いた状態でホーキンスに助けられてた。


    「てめェ……」

    「出遅れてたから拾ったまでだ。悪夢のせいで身体の動きが鈍ったか?」

    「チクショウありがとよ!! さっさと離せ!!!」


    ……なんか仲良くなってないか? 気のせい?

    おれはローに礼を言ってから降りる。

    でかい図体のせいで倒れるまでの猶予があったから全員無事に避けることが出来た。全員逃げた瞬間に、ズドォン!とどでかい音を立てて、色んな木々をなぎ倒しながらぶっ倒れる。これ森への被害もでかくねェ?


    そして。

    次の瞬間、その木のつるから何かが溢れ出した。



    溢れ出したもの

    >>180 >>181

  • 180二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 03:18:01

    樹液

    つるだけど樹液でいいのかな
    でも元は木だから樹液でも大丈夫?

  • 181二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 03:49:07

    無数の細い蔦
    …がダメそうなら異臭で

  • 1821◆zMLTtg.3fA23/01/29(日) 04:32:26

    溢れ出したのは、樹液だ。
    どろりとしたそれらがわずかに表皮を濡らす程度に出たかと思えば、次の瞬間どぷり、と粘性のある液体を表面に玉のようにいくつも溢れさせたかと思ったら、次の瞬間決壊したように大量に溢れ出してきた。
    それらはまるで洪水のように地面を通り過ぎていく。

    「な、なんだあれ」
    「……落ちるなよ、コラさん」
    「落ちねェよ! 多分!」

    でも出来ればちょっと支えといてくれるとコラさん嬉しいかな!!!
    足元を大量に流れる樹液に慄く。あんなところ落ちたら、カナヅチとか能力者とか関係なく身動きが取れなくなるだろ。
    ――そして、つるの動きはそれどころじゃない。
    木のつるから、細い何かが飛び出てくる。
    何かと思えば、それは細い蔦のようなものだ。それらが木のつるから生えてきたかと思うと―――凄まじい勢いでこちらへと向かってくる!

    「……!」

    しかもその蔦の上を例の植物の動物昆虫諸々が駆け抜けてこちらへと来やがった。
    攻撃手段っぽいし移動手段でもあるのかよ! 便利だな!

  • 1831◆zMLTtg.3fA23/01/29(日) 04:33:38

    というところで今日はここまでで

    明日新スレ立てます


    >>168

    これ呻き声として書いてたけど、再度読み返したら喘ぎ声に見えてきちゃった

    もし喘ぎ声に見えたらごめんね。呻き声です。

  • 184>>17223/01/29(日) 11:57:11

    >>176

    いえいえ、こちら側が深く考えずに書き込んで困らせてしまったので…

    もし今度書き込む時は気を付けます

    続き、いつも楽しみにしています

  • 1851◆zMLTtg.3fA23/01/29(日) 14:55:41

    >>184

    気を付けなくても大丈夫ですよ!

    今回はスレ主がどうしようも…どうにもできず…こう…力不足で申し訳なかったアレなので!

    また参加してもらえると嬉しいです! 書き込んでくれるの嬉しい

  • 1861◆zMLTtg.3fA23/01/29(日) 15:20:31
  • 187二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 16:11:01

    新スレ了解
    もう既にどこかで出ていたら申し訳ないが、読者側からのアイデアがあるとは言え、なんでこう毎回すらすらと速攻で文を書けるんだ?
    コツとかあったりするのか?

  • 1881◆zMLTtg.3fA23/01/29(日) 16:22:26

    >>187

    これはもしや褒められている…?

    すらすらと書けているのかわからないけど、あえて言うと先のことまったく考えてないからかな……

    ある程度こうしたいってのはあるけれど、ライブ感を楽しみたいから今できることのほんの数センチ先だけ考えて、今こうしてるからこう行動したら楽しい!という心境で書いています

    悪夢について例を出すと、こういう能力を持たせようとは思っていたけど、ほぼほぼ苦しめるか…という感情だけだったし、ライブ感諸々のせいでシャチは必要以上にひどい目に合ってる気がするし

    文章についてはリズム感で書いている。テンポよく書きたいという個人的心持ち

  • 189二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 16:53:19

    >>188

    正直に思った事言っているだけだし、褒めてもいる

    元物書きだけど、熟考して書いていったからなかなか終わらず、その内飽きてしまって…

    かと言って、思いついたまま書いていったら自分で納得できない出来になると言う

    質問に答えてくれてありがとう

    ライブ感でここまで面白い物語を書ける1さんはすげえよ

  • 190二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 16:55:14

    作者様の書くコラさんやロー、そしてオリキャラたちが本当に魅力的で素晴らしい
    話の展開も過去回想も面白いし、毎日このスレを覗くのが生き甲斐になっている

  • 1911◆zMLTtg.3fA23/01/29(日) 17:35:57

    >>189

    ありがとう!褒められるの単純に滅茶苦茶嬉しい!

    たまに読み返してギャー!となることもあるけどそこはご愛嬌で

    自分もそこそこ飽きっぽいけど、多分スレだからこそ続いている理由かも


    >>190

    毎日読んでくれるの嬉しい、ありがとう!

    オリキャラ深堀りするのアレかな…と思いつつ、劇場版時空!!という気持ちで書いているから、面白いと言ってもらえてうれしいです!

  • 1921◆zMLTtg.3fA23/01/29(日) 18:59:23

    【小ネタ】
    クリスの初期設定案はもっとハードボイルドでコイントスで敵か味方か決める感じにしようかと思ってました
    マジです。射撃設定はそこからです。安価する前に、オリキャラ入れるならそういう感じのにしようかな~、というぼんやりで、コイントス(安価)よって敵対するかどうか決めようかと
    でも、キャラ設定安価によって、神父要素パパ要素牧歌的、穏やか要素(これはレミも)を入れました
    娘溺愛ちゃらんぽらん闇深生臭神父になりました

  • 193二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 19:12:32

    質問すみません
    ローのステンドグラスのモチーフって決まってますか?

  • 1941◆zMLTtg.3fA23/01/29(日) 21:17:35

    >>193

    ローのステンドグラス出してなかった

    恐らく医者か白い町だと思います

  • 1951◆zMLTtg.3fA23/01/29(日) 23:14:12

    【クオルの小ネタ】
    普通に戦ったらクオルよりローのが強いし、クオルもそれを自覚していますが、どっちが強い、と聞かれるとクオルは嫌な顔をします
    ローの方が強い または 自分の方が弱い、と言うのが気に喰わないです

    ちなみにロシェが生きていたら今頃前よりももう少し大きくなった病院で医者として働いていたし、その頃には看護師とか医者見習いとか増えて、ちょっとだけお兄さん属性が芽生えていたかもしれません。人当たりも多少よくなっていたかも
    そういう機会がなかったので弟属性甘ったれ野郎のままです

    ハートの海賊団には兄(姉)属性が多いので居候ながらに上手くやれてますが、ベポとは弟属性でちょっと衝突したりします。でもベポに関してだけ若干当たりが甘いです

  • 1961◆zMLTtg.3fA23/01/29(日) 23:31:38

    【コザーの小ネタ】

    多分スモーカーのことを一方的に面識があって、多分滅茶苦茶苦手だと思ってるし、たしぎについてもやり方によっちゃ扱いやすそうだと思いつつも、多分苦手
    アフロミンゴに関しては友情を感じてますが、普通にインペルダウンに落ちても『なるほど……』となります。悲しみはしない
    恐らく結婚はしない。でも多分押せ押せで来る年下の女子とか居たら押し流されるかもしれない

    センゴクさんへの尊敬は本物。もし仮にサインとかもらえたら、額縁に入れて飾る程度

  • 1971◆zMLTtg.3fA23/01/29(日) 23:42:52

    【アフロミンゴの小ネタ】

    旅一座含めたアフロミンゴ一派、そこら中の島で大活躍
    さらにはアフロミンゴに憧れたものたちが入船希望して着々と勢力を深めている
    アフロミンゴ専用の椅子はだんだんグレードアップして、今はぴかぴか光るように
    多分船主にはアフロがついてる


    ???「フッフッフ……新しい新聞が回ってきたがなんだこれ」

  • 1981◆zMLTtg.3fA23/01/30(月) 00:52:34

    【小ネタ】

    クオルはコラさんと同じ大きい港町で降ろす約束なので、その間補給のための小さな島に寄るときは基本船で寝てます
    たまにペンシャチに連れていかれます
    コラさんもついていきます
    クオルは半ギレの顔をしています

  • 1991◆zMLTtg.3fA23/01/30(月) 01:17:37

    【小ネタ】
    生前のラミは普通に穏やかで人のいい神父でしたが、レミほど優しくないのでギャンブルに大負けしてむせび泣くクリスを背後から蹴っ飛ばすことも普通にしてました
    でも往来でやっても優しい神父さんがそんなことをしているとは街の人たちもそうそう思わないので、なんだ夢か、と納得して穏やかで人のいい神父さんの評価は変わりませんでした

  • 2001◆zMLTtg.3fA23/01/30(月) 01:20:54

    ちなみにもしシャチがあのまま目覚めなかったら、悪夢のせいで心臓がショックで止まることもありえました
    そのまま死んだら悪魔は『生かして長く苦しめるつもりだったのに、加減間違ったなあ』とドジった気分になってた

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