- 1◆1q0GWDTjKA23/01/18(水) 22:58:13
- 2◆1q0GWDTjKA23/01/18(水) 22:59:14
「クッソ~~~~はぐれちまった!!…おいゾロ、ここどこだ?」
「知らねェ」
「ああ~~もう!!あんたたちについて行った私が馬鹿だったわ!!!」
ルフィとゾロ、そしてナミはは気がつけば人気のない路地にいた。どうやら迷子になったらしい。
ぎゅるるるるる
「ああ~~~腹減った~~~~」
ルフィがくたびれてしまったらしい、その時だった。
「にいちゃんだれ?」
気がつけばそばに5、6歳ほどの男の子がいた。
「おれはルフィ、海賊王になる男だ!」
「ちょ、ちょっと!」
慌てて制するナミ。
「か、かいぞく……?」
幸い、この少年はよく分かっていなかったようだ。
「おれたちはな、この町に船で来たんだ。そしたらなんか街の人たちが怒って…」
ゾロが誤魔化して上手く説明する。
「だめだよこっちにきたら」
と少年がぽつんと宣告した。 - 3◆1q0GWDTjKA23/01/18(水) 22:59:50
「「「なんで?」」」
「昔はお水がきれいな町だったんだ、だけど外から人が来たせいで毒がやってきて飲めなくなっちゃった」
そう言って男の子は左腕をあげた。見ると本来手のある箇所がフックのように変形している
「………!!!」
3人が呆然とした表情で表情を浮かべる。もしこの子の言う「毒」が本当なら彼らはそのせいで生まれた奇形児となるのだ。
「なあ、その毒ってのはもう無いのか?」
ルフィが尋ねると
「ううん」
「聞いていいかしら、これ…その毒のせいなの?」
「生まれた時から、ぼくの友達もこんな感じだよ」
もしかして心無い人間がこの島にやって来て毒でも流したのだろうか?
「許せない……!」
ナミが憤怒の表情を浮かべ、ゾロとルフィの2人は何となく察する。
「2人とも!!この町の毒の原因を突き止めるわよ!!!」 - 4◆1q0GWDTjKA23/01/18(水) 23:01:44
- 5◆1q0GWDTjKA23/01/18(水) 23:02:51
- 6二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 23:04:34
ホラーとかなら閲覧注意とかつけた方がいいけどないってことは特にそんなことはないのか?
- 7◆1q0GWDTjKA23/01/18(水) 23:05:00
「これって…」
ナミが呆然とした。
「こんな時チョッパーがいてくれたら…」
ナミがひとり頭を抱えた。
「どうしたんだ?」
ルフィがひょっこり頭を覗かせる。
「分かったかも、毒の原因」
「「ほんとか?」」
「この街の地域新聞の記事を見つけたの」
ナミはそうやって、さっき見つけた記事の切り抜きを2人に見せた。
「これどこで見つけたんだ?」
ルフィが不思議そうに聞いた。
「さっきの男の子の家に一緒についてきたの。その際に家の中からかっぱらってきたわ」 - 8◆1q0GWDTjKA23/01/18(水) 23:05:36
オカルトでは無いです、あくまで今回は犯人探しなので。
- 9◆1q0GWDTjKA23/01/18(水) 23:10:47
「お前なァ…」
ゾロが呆れる。
「これ…地元の新聞の切り抜き…40年くらい前ね、恐らくこの工場の廃液が原因だわ」
「なるほどな…でもよ、これ40年前のなんだろ?だったらもっと前から被害でてもおかしくないよな?」
ゾロが首を傾げた
「しかり!最初から被害が出ていればとっくに工事のは閉鎖しているはずなの!…あんたたちでも毒を食らったら流石に具合悪くなるわよね?」
「前にゾロとワノ国であった時そうだったぞ、おれは毒入りの肉食ってて、ゾロはさっきから腹痛かったって言ってた」
「あんたら馬鹿じゃないの…でも、お腹が痛い時に悪いもの食べたらもっとお腹が痛くなるよね?」
「「ああ」」 - 10◆1q0GWDTjKA23/01/18(水) 23:40:12
「しかり!今回の原因はそれよ!最初はね、毒が効果がそんなに少なかったの、それこそ記事の言うように最初のうちは対策がしっかりしていたんだと思う。それできっと河川に流していたのね。けど微量の毒が入った水を取り込んだ魚を人間が食べて、それをどんどん繰り返すうちに身体に溜まって今になって影響が出てきたんじゃないかなって思うの、私の推論だけどね」
「はえ~~~~よく分かんねェけどすげぇな」
ぎゅるるるるる
ルフィの腹の虫が勢いよく鳴いた。
「私もね、以前サニー号の本で読んだことあるの。工場廃液を未処理したまま流したことで人体に悪影響を及ぼしたり、食用油に入っていた有害物質で身体を壊したという事例が載ってた本があってね、そういうことが二度と起こらないように島によっては徹底的に環境に配慮した事業をやってるところもあるわね」
「腹減った~~」
「へ~そうなんだな」
ナミが長々と説明しても2人にはよく分からなかったようで、ルフィの耳には届いてすらいなかった。 - 11◆1q0GWDTjKA23/01/18(水) 23:40:53
「にいちゃん」
先程の少年がやってきた、腕に何か抱えている。
「これ」
そう言って渡されたのは笹の葉に乗せられた、3つの子供の握りこぶしくらいのおにぎりだった。
「お腹減ってるんでしょ」
少年が呟く
「お~~~!!!」
ルフィが目を輝かした、どうやら少年が作ってくれたらしい。 - 12二次元好きの匿名さん23/01/18(水) 23:44:24
学校で習った水俣病とイタイイタイ病思い出すな……公害は良くない…
- 13◆1q0GWDTjKA23/01/18(水) 23:48:12
「そんでここの人間はなんであんなに怒ってたんだ?」
ルフィが少年に聞いた
「ここに来た悪いやつのせいなんだ、悪いやつがここに毒を流して、それでこんな風になったんだ」
「悪いやつって?」
再びルフィが尋ねる。
「わかんない」
悪いやつ、というのは海賊なのだろうか。いずれにせよ海賊と悪いやつの違いを少年は分かっていないようだった。
「近くの工場のせいだと思うの。私ね、あなたのうちでこんな記事を見つけたの。これ、工場から出る身体に悪い物質が川に流れてるんじゃないかって」
「ふうん、でもお母さんは悪い人のせいだよって」
「工場じゃないの?」
「わかんない」
小さなこどもに聞いても仕方ないので、諦めた。
しかし、町は妙に静かである。まるで、2人に会ったばかりのバギーと戦った時の町ような、あの時と同じくらい静寂に包まれていたのだ。 - 14◆1q0GWDTjKA23/01/18(水) 23:52:51
「なァ、他のみんなはどうしたんだ?」
今度はゾロが聞き出した
「悪い人たちが見つかったって」
(ああ…)
きっとそれは自分たちのことだろうだとゾロとナミが察した。
「悪い人ってなんだ?」
ルフィはよく分かっていなかったのか。
「毒を流した人が見つかったって」
「はァ??」
ゾロが声を出す。仮にその悪い人が自分たちであれば完全なる誤解だ、確かに自分たちは海賊だが民間人にこんな酷いことはしない。それに、この町に来たのはついさっきだ。
「何でそんなことが分かるの?」
「おじちゃんが言ってたから」
「「「おじちゃん???」」」
まだまだ解決には程遠くなりそうだ。 - 15◆1q0GWDTjKA23/01/18(水) 23:54:05
- 16◆1q0GWDTjKA23/01/18(水) 23:56:54
- 17◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 00:00:39
- 18◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 00:06:55
- 19二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 00:11:15
し、新作だと?
- 20二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 00:11:52
テレグラフでインタビューとか資料みたいなのになってるの好き
- 21二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 00:12:18
わぁ!嬉しい!楽しみです!!!!
スレ主さんありがとう! - 22二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 00:15:43
この書き方、もしや…?
何はともあれ楽しみだ! - 23二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 00:15:44
このレスは削除されています
- 24二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 00:16:42
めっちゃ面白い…
- 25二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 00:16:59
海賊が毒流す必要性ないもんなぁ……
- 26二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 00:17:32
- 27◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 00:19:01
「その…おじちゃんって誰なんだ?」
ゾロが恐る恐る聞き出す
「おじちゃんはおじちゃんだよ、昔からいるの」
「そうなんだ…おじちゃんはどんな人なの?」
「工場が嫌いだって言ってた、島を汚したからって」
「さっきの悪い人と工場は一緒なの?」
「しらないな」
ナミと少年はしばらく対話し続けたが特に分かったことはなかった。ひとつ言えばその「おじちゃん」が何か知っているかもしれない。 - 28二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 00:23:00
このレスは削除されています
- 29◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 00:23:16
「なァ、悪いやつはどうなるんだ?」
ゾロが何となく聞いた。
「ころすって」
3人の顔が停止した。まさか、こんな小さな子供がそんなこと言うのかと。
「殺す…」
ナミが呟く
「みんな悪い人が嫌いだからって」
少年はどんなことが起こるのか知らないのだろうか、いくら町の人間と言えど他の仲間が危ない。
それはオレンジの町で住民たちに追いかけられた経験が3人ともあるからこそわかることでもあった。
だが、あの時とは違う。オレンジの町では町長さんに被害を加えたと勘違いして怒ってきたが、今回は紛れもない殺意である。 - 30二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 00:25:11
おお……小さな子が殺すという言葉を簡単に使う闇の深さ
因習村的な閉塞感を感じる - 31◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 00:25:44
しかし、ゾロとナミには分からないことがあった。
今回の被害は間違いなく工場によるものだろう。しかし、海賊はこの件とは関係ないはずだ。それとも実際に海賊に何か過去にやられたのか、あるいは工場は関係なくて、本当にその「悪い人間」が毒を流したのか、考えれば考えるほど分からない。 - 32◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 00:32:51
いつもとは違って頼れる仲間や町の人間もいない、せめて誰かいてくれたらいいのだが。そしてルフィは気がつけば寝ていた。こんな時に何をやっているのだ。
「おーい」
どこからか声が響いてきた。見ると中年の男がこちらに走ってきていた。
「君たちは?見ない顔だね」
男が急に尋ねるので2人は慌てる。
「あ…えっと、ちょっと物資を補充しに来たただの貿易商のものです!!!」
何とかナミが誤魔化す。
「そうなんだね…ってそんなわけないだろう。君たち海賊でしょ?」
男の目は節穴では無かった。 - 33◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 00:35:58
一気に血の気が引く。
「いやなんで君たちが青ざめるんだい?」
しかし男の態度はフランクなもので敵意はなかった。
「あのね、手配書はあるし、新聞でも報道されてるから分かるに決まってるでしょ。君たちお尋ね者なんだよ?」
「お前は一体誰だ?」
ゾロがそう言うと、
「私はね、この街の町長だよ」 - 34◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 00:41:10
「町長?」
「そう、と言っても数年前に父親から世襲したんだけどね、町長2世だよ」
「……」
四皇を目の前にしてもこの人は怯える様子はなかった。
「ああ、それとあまり良くないお知らせだ。君たちの仲間が捕まったよ。船長を差し出せば解放するってことで今はまだ無事だけど」
「嘘だろ!!?」
「こっちもねー、海賊の被害が酷い町だからそう言う対策は凄いんだよ。催涙ガスに能力者対策の海水ボールとかね、それで何とか捕まえたみたい。ウチの島の結構武器すごいんだよ?」
「何がしたいんだテメェは!!!」
ゾロが牙を剥いた。 - 35◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 00:48:08
「まーまー、落ち着いて。私はね、君たちを何も海軍に引渡そうとかそう言う意図ではないんだ」
「…」
ゾロは警戒したままだ。
「今生き残ってるのは君たち3人だけだよ、それに君たち自身何か悩んでるんだろう?例えば工場の話とか」
「どうして知ってるの!?」
今度はナミが驚いた。
「さっきそこの坊やに会って聞いたからね、私も船長を探していたからね」
「ルフィは渡さないわよ」
「分かってるさ、ただ船長を引き渡すか犯人を見つけるかしかこの島からは出られない」
「…犯人?」
ゾロが小さく呟いた
「ああ、知りたいだろう?毒を流した犯人。私も捜している」 - 36二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 00:48:30
四皇の一味に「お前の仲間捕まえたよ」って普通のテンションで話しかけてくるの怖い……
- 37二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 00:57:03
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- 38◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 00:58:18
「だって工場の廃液が原因なんじゃないの!!?新聞にもそう書いてあったわよ!!!」
「廃液はこっちの川には流さない。専用のため池に一定期間貯めて専用の薬で綺麗にする」
「でも工場じゃなかったら一体誰が…!」
「まず、もちろん君たちが毒を流した犯人じゃないのは知っている。だって数時間前に近くの浜辺に停泊するところ見たからね、それに工場の廃液は専用の、契約している所で船で引き取ってもらうんだ」
「え?」
「だから廃液がこっちにくることはないよ」
「何言って…?」
「うん、その毒だって言ってるやつあるでしょ?専用の池に貯めて、タンクにポンプで引き上げて、それを別の外から来た専用の船で引き取ってもらうの。だから町にはそう言う汚染物質は流れないの」 - 39二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 01:02:41
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- 40◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 01:06:44
呆然とした、じゃあ工場は違うのか。いや、もしかしたらこの男が嘘をついているのかもしれないが。こいつはまだ安心できない。
「ウチもねー色々あるんだよ。海賊に工場反対の団体の対処に」
「工場反対?」
「設立前から活動してる人だよ、景観や環境が汚れるからって40年経った今も時々デモやってる」
まあ分かるなとはナミは思った。敵意がないのなら聞いてみるか。
「あの、さっき私たち町の人間に追われてて、私たちが町を汚した犯人だって思われてるし。それに工場の件と海賊のことは何も関係ないでしょ?私たちが悪い人だって認識は分かるけど。」 - 41二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 01:07:32
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- 42二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 01:08:14
面白いし、続きが楽しみです
応援しています - 43◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 01:08:55
「だからおかしいよねって話。何で海賊と工場の件が結びいついてるのかってね、私が町長に就任した時にはそのような風潮だったから。だからさ、」
町長がにやりと笑った
「みんなで工場内潜入してみない?何か分かるかもよ?」 - 44二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 01:09:05
支援
- 45二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 01:15:12
あんまり触れたくもないんだけどさ
こちらはスレ主さんが提供したもので楽しんでる側なんだから変なこと言って圧力かけるのは辞めようね - 46二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 01:16:32
すげぇ楽しみ、閲覧注意ないから逆に安心して見てられる面白い
- 47二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 01:18:11
町長めちゃくちゃ肝座ってんな
- 48二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 01:19:53
このレスは削除されています
- 49◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 01:21:07
「何でこうなるのよ…」
ナミが胃を痛めた。3人と町長で整備業者に扮して工場内を歩いていたのだから。問題なく帰れるはずもなく、げんなりしていた。
「ほら、これが貯蔵池だよ」
見ると濁った液体がこれでもかと溜まっている。こんな所に落ちたら一溜りもないだろう。
「うお~~~~すっげ~~~!!!」
ルフィがまるで遠足か動物園に来た子どものようにはしゃいでいた。
「静かにしなさいよ!!!」
ナミがゲンコツを下す、既にゾロがいなくなってるような気がするが考えないようにした。
「ね?池は工場内にあるし、こうやって柵で囲まれてるから持ち出すことはできないんだ」
「じゃあ仮に工場が犯人じゃなかったら…誰が?」
「さあ…仮に持ち出せるん時って汲み上げる時だと思うから…」
***
「クソ!!ルフィどもどこ行ったんだ!!?」
その頃、ゾロは工場内の何処かを走り回っていた。 - 50二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 01:29:49
まぁた迷子になってるw
- 51二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 01:30:07
ファンタジスタ!!!
- 52二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 01:33:50
本当によくファンタジスタするな…
- 53◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 01:38:19
- 54二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 01:41:11
このテレグラフで証言や記事が読めるシステム本当に好き
- 55二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 01:41:33
川が汚くなったてのは関係ないわけか、池も多分いわゆるため池とかそう言うやつだよなこれ
- 56◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 01:43:28
- 57二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 01:43:31
テレグラフがどんどん更新されるシステム好きすぎる
- 58二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 01:44:51
存在しない海賊を悪者に仕立て上げて、汚染問題の元凶を押し付けているようにしか思えん
- 59◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 01:48:25
- 60二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 01:54:57
ヤガラさん……やばそう
- 61二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 04:49:59
すごい、まだ序章部分だろうにもうすでに面白い…
テレグラフで資料をお出しされるこのシステム好きだし、前と見比べれるから更新部分もわかりやすい
とりあえず、ボケ2人を導くどころかすでに片方はぐれてるとかいう惨状でツッコミ役兼頭脳担当として頑張るナミさんにエールを
続き楽しみに待ってる
スレ主の健康や実生活を損なわないよう、無理はしないでね - 62二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 04:57:16
バッドエンドになったら通報すればいいとか言うやつに負けないで書いて欲しい……犯人探しとか珍しくてすごい楽しみ
- 63二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 07:17:44
町長は二代目っぽいから割と最近出来た町なんだな
- 64◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 09:34:14
***
「よっ、と」
町長が何か取り出した、手桶のようなものだった。そしてなんの躊躇もなく、池に入って中の廃液を手桶のなかにすくって入れる。
「いい?もしこの廃液の物質と患者の体内から検出された物質が一緒だったら間違いなく工場が原因だ、違うのならまた別の原因がある」
(この人いろいろとすごいわね…)
「ウチのところの患者は体内から有機水銀が検出されてる、検査で出たらアウトってところだな」
「ユーキスイギン???」
ルフィが首を傾げる。
「水みたいな金属みたいな物質だね、体温計の中にも入っている。炭素がくっついた水銀を有機水銀、くっついてない水銀を無機水銀というんだけど、工場が排出しているのは水に溶けずらい硫化第二水銀だって言ってた。有機水銀は電池とかに使われる金属水銀とは違って、体内入るとタンパク質と体が誤解して吸収してしまうんだ。これは有機水銀とアミノ酸の「システイン」が合成した結合体が食事からの摂取でしかとる事ができない必須アミノ酸のメチオニンと構造が似てるからであって…」
ぐが~~~~~~~
気がつけばそばでルフィが大きないびきを立てながら立ったまま寝ていた。すかさずナミが頭をべし!と叩く。 - 65◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 09:55:39
「ちょっと!最初に聞いたのはあんたでしょうが!!」
「んえ?あーそうだったな、スイギンが水てェな金属ってことは聞いたぞ」
「それ最初の方やないかい!」
「あはは、まあ難しかったかな?」
町長か笑う。
「あ、でも…すごい詳しいのね」
ナミがフォローも兼ねて感嘆した。 - 66◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 10:00:35
「私たちは医者の家系なんだ。医者と患者として人と触れ合うことによって人の様々な痛みが分かるから、父さんはみんなから好かれて町医者から町長になったんだ。私も父のような人間になりたいよ」
「へえ…」
「漂着した海賊を手当てする父親を見たことがあるからね、海賊もすごく感謝していたし。まだ子供だった私や、他の住民たちにも優しくしていてね、私は海賊だからってみんな悪いやつとは思えないんだ」
そういうことだったのか。私たちを見ても少しも怯えなかったのは。まるで私の時とは真逆な経験だなとナミはしみじみと感じる。だからと言って柵をピッキングして池に侵入したり、なんの躊躇いもなく廃液を桶で掬う度胸はまた別のものだとは思うが。 - 67◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 10:05:01
- 68二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 10:19:00
おじいちゃんが傀儡になってる気配……
- 69◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 10:27:25
「んじゃ、用も済んだし戻ろうか」
「ちょっと待って…またゾロが迷子になってる…」
我ながらこの2人をまとめるのは私しかいないのだとナミは頭を抱えた。
「あらら、海賊狩りがどっか行っちゃったのか…」
町長も苦笑いした、その時。
「おーい!てめぇらどこにいたんだ!」
「こっちのセリフよ!あんたこそどこにいたのよ!!!」
何故かゾロが正面から走ってきた。
「迷子ってレベルじゃないね…まあ、みんな集合できたし良かった」
町長が安堵の声でそう呟いた。 - 70二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 10:34:37
町長の得体が知れない感じも不気味だな…
- 71◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 10:40:20
***
3人は町長の自宅兼診療所にお邪魔していた。ただ招かれたのではなく、もし仮に住民が駆けつけても匿うことができるという理由でもあった。
部屋からして父親は既に鬼籍らしく、町長1人で働いているようである。
「こいつ医者だったのか?」
ゾロが聞く
「え?ああ、あんたいなかったもんね。町長さんは医者の家系なんだって」
「ヘェ」
ナミとゾロが会話してる中、ルフィは色々と部屋の家具やアンティークを見ている。
「ああ、そうだおれがお前らを探していた時に、工場の人間から聞いたんだが…」
ゾロが口を開いたとほぼ同時に町長が勢いよく扉を開け、駆けつけた。
「工場の廃液は硫化第二水銀だ!患者から出た有機水銀じゃない!」 - 72二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 10:41:40
あれ?
- 73二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 11:02:23
ありゃ???
- 74◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 11:11:29
「「「!?」」」
突然出た新事実に3人は耳を疑った。
「え…じゃあ工場は関係ないかもしれないってこと?」
「そういうことになる…」
「嘘でしょ…これじゃ振り出しに戻るじゃない…」
「これでも大きな進歩だよ。まず工場が犯人の可能性は低くなった」
「なあ、思ったんだけどよ」
ゾロが話した。
「そもそもなんで病気の原因が川の水が原因だって分かるんだ?」 - 75二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 11:13:02
迷(子)探偵ゾロ
- 76◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 11:23:52
「そういえば…そうね」
ナミが考える。
「それは河川を調べた結果、有機水銀が検出されたからね、過去の事例を調べて河川が原因なんじゃないかって言われてたから」
町長が答えた。
「そういや工場って海の近くだったよな?流すんだったら海に流せば楽なんじゃないのか?」
今度はルフィが尋ねた、2人ともこういう時には核心を突くのだろうか。ルフィは続けた。
「分かった、その悪いやつが川に毒を流したんだ!理由は知らねぇけどよ!」
「ちょっと待ちなさいよ!私さっき調べたけどここの島は河川の水をそのまま使ってるんじゃなくて水道で殺菌処理した水を使っているのよ!」
「じゃあその水道が犯人だ!」
「それだよ」
町長が発した。 - 77二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 11:33:04
普段はアホなのに…普段はアホなのに…!
- 78◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 11:33:15
「それって水道管が原因ってこと?」
ナミが問う。
「いや、水道管はちゃんと有毒物質が溶け出さないようなものを使っているからね。水道管自体は問題ないんだ。なら簡単だ、その水道に毒を入れたヤツがいるってことは無いかい?」
「あ…」
「最も、ウチの島は海魚や川魚も食べるから最初はそこに入った有機水銀を食べることで発症したんだって思われてたんだ。だけどそれは10年ほど前の事件でね、不法投棄による水銀の流出ってことにはなったけど原因は分からなかった。それに水銀自体もそこまで濃度はなかったんだ。だから処理も比較的早く終わったんだよ」 - 79◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 11:55:34
「いつからこの病気は発生したの?」
「川から水銀が検出された時と同じくらいだよ、だからみんな工場を疑ってる。水銀の処理って結構大変だから利益のために嘘をついてるんじゃないかって、本当は未処理のまま垂れ流しているんじゃないかって」
「そういや、工場のジジイがそんなこと言ってたな」
「え…?」
ルフィとナミ、それに町長の3人がゾロの顔を見る。
「工場って、あんた工場の人と話したの?」
「ああ、お前らがいなくなったから探してたんだ、その時にな」 - 80◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 11:58:07
- 81二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 12:11:59
SIRENみたいでいいかも
- 82二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 12:32:23
謎が謎を呼ぶ…めちゃくちゃ面白いな
- 83◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 13:46:10
「何でそんな重要なこと話さなかったのよ!!!」
ナミがすかさずツッコむ。
「でもこれ怪しくないか?そいつはその水道局ってところにいるんだろ?」
ルフィが首を傾げた。
「じゃあそのヤガラって人が犯人か?」とゾロ。
「いや、私もヤガラさんのことは知っているが、そんなことをするような人ではない…それに彼は自転車整備士だ…水道局に入れる訳はないんだ…」
「その水銀ってやつはどこで手に入れたんだ?」とゾロは続けた。
「そこなんだよね、まあ一味を捕まえてるのはこいつらだから直談判するしかないか」 - 84◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 14:01:25
***
「麦わらのルフィを差し出せ!!!」
ミツカネ、と呼ばれる町の広場に何十人もの武装した人間が集まっていた。その中心と思われる町長と同じくらいの、中年の男性がメガホンを持って叫んでいた。その相手は、向こうからやってきたルフィとゾロとナミ、そして町長の4人である。
「君たちの言っていることは間違っている」
町長もまたメガホンを持って相手に反論した。
「今すぐ一味を解放しなさい」
一瞬静まり返ったあと、どよめき出した。
「町長、町長なのか!?」
「人質か!!?」
まさか海賊の味方として町長がいるのか、いや、そんなわけが無い。人質なのだと騒ぎ出す。 - 85◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 14:01:51
「ルフィ、今は何もしちゃだめだ。ここで仲間を取り返しても町の問題は何も解決しないし、同じことが繰り返されるだけだ」
彼は、いや、彼らはアナーキストだ。その気になれば世界政府の旗を燃やし、天竜人を文字通り尻に敷き、王下七武海の国家を崩壊させるような一味である。しかし、だからこそ悪事ということを自分たちからしないというのは何となく分かっていたのだ。
そして、
「おれはおにぎりのヤツは好きだけど、こいつらは石投げたから嫌いだ!」 - 86◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 14:14:11
おにぎりのヤツ、というのは先程の少年だろう。彼はお腹が空いていた自分におにぎりをくれたから、そんな奴が困っていたからだから協力してるというのもあったのだろう。
「君たちの意見は間違っている、工場の水銀は硫化第二水銀、患者や川から検出された有機水銀ではない!」
「じゃあ別の誰かが水銀を持ち込んで流したって言いたいんですか!!?」
「その通りだ!これは工場の仕業だと見せかけた何者かによる事件だ!10年前の河川の水銀の検出は工場に疑惑を向けさせるための、いわゆるハッタリ!」
「町長、あんたソイツらに洗脳されているんだ!早く目を覚ませ!」
「いいや違うね!それ以来河川から水銀なんて出ていない!本当に汚染されているのは水道水だ!何者かが水道に水銀を投げ込んだのだ!」
「やめろ!!!」 - 87二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 14:20:39
ヤバくない町長さゆ
- 88◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 14:35:05
「海賊と無理やり結びつけているのもそうだ!自分たちで作った事件に海賊や工場を結びつけて、勝手に敵をでっち上げてる!…ああそうだ、この町にはこんな言い伝えもあったな!『カネミツの川や森林を汚すものは呪われる』とな!その呪いというものが海賊や工場だと言いたいのか!」
「だってそうじゃないですか!!!工場が立ってから海賊の襲来だって増えたし、廃液のせいでみんなおかしくなってるんですよ!!!」
「海賊と工場のマッチポンプとは本当だと言いたいのか!!」
「当たり前ですよ!!海賊対策の武器を海賊に横流しにしているって言ってましたから!!!」
「ヤガラさんがそう言ったのか!!」
「違います!!」
「じゃあ誰なんだ!!」
「次期団長のヌカヅキさんだ!!」 - 89二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 14:37:06
新キャラ出たな……
- 90二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 14:38:09
ちょっと民間伝承的要素入ってきたか…?
- 91◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 14:39:37
「ヌカ…ヅキだと?」
「知ってるの?」
ナミが聞く。
「ああ、ヌカヅキは反工場団体のNo.2のような立場でな、過激な演説をすることで色んな意味で有名なんだ…まさか次期団長だとは」
「こいつが犯人なのか?」
ゾロが訝しげに言う。
「分からない。だが、この人はと話さなければ何も分からない…!」
そして町長は再びメガホンを手に取る。
「ヌカヅキさんを呼んできなさい」 - 92◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 16:16:29
「さっきカネミツの自然がどうって言ってたけどミツカネじゃないの?」
ナミが疑問に思い、話しかける。
「昔はカネミツだったんだ、だけど時間が経つうちにミツカネに変化していった。今でもミツカネの森とかで地名が残っている」
そう言う町長の顔は今までには見たことのない、目に光が灯っておらず、顔は人形のように冷たいともとれる険しい顔だった。
そして長身で町長と同じくらいの歳の男が人混みから出てきた、彼もメガホンを持っている。 - 93◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 16:16:55
「おれがヌカヅキだ」
「ヌカヅキさん、貴方はミツカネにある工場の人間が海賊と手を組んでいると仰っていたと聞きましたが」
「ああ、本当だ。おれが工場に侵入して突き止めた」
「おい待て!!おれは工場のヤツと話したがそんな事実は無かったぞ!!」
ゾロが叫んだ。
「それはそいつが知らなかっただけだ、いや、下っ端の連中は知らない、それを知っているのは上層部の人間だけだ」
「なぜそんなことが言える」
「さっき言っただろう、侵入したと。それに水銀を投げ込んだのは麦わらたちなのでは?」 - 94二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 16:35:08
ヌカヅキ…額づき…?
- 95◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 16:38:04
「話を逸らすな!麦わらは今日の午前に来た!!私は船が停泊しているところを見ている!!教えてくれ!海賊と工場が繋がっている証拠を!!水銀を流している証拠を!!」
「そんなに知りたいなら自分で調べろ!!!町長の癖にそんなことすらできんのか!!!」
「…ヌカヅキさん、あなたはウソをついているんじゃないんですか?私たちは今日のうちに工場に潜入してため池にも侵入しました。興奮してるのは本当は何も知らないんでしょう?」
「池に侵入したことが工場から水銀を流した証拠にはならないだろうが!!それに水道局の人間はいるが、建物の構造上水に触れることは出来ない!!仮に水道局の人間が浄水場に毒を投げるとして何処から投げるのだ!!ろ過地か?配水池か?マンホールか?」
「え?」 - 96◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 16:46:06
町長の顔が変わった。
「なぜあなた方はマンホールの存在を知っているんですか?」
「決まっているだろう、こちとら水道局の人間がいるんだぞ、下水だけでなく浄水用のものもあることぐらいも知っている」
「じゃあその浄水用のマンホールが浄水場にしかないこともですか」
「……」 - 97◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 17:02:09
「あなたのおっしゃる通り浄水場というのはそういうのが入らないように厳重に管理されているんです。たとえ、混入しようとしてもできないですし記録によってバレます。ただ下水以外のマンホールもあります、それが浄水用のマンホールです。普通、水道管の水の流れを止めたり、水道管の損傷を防いだりする働きをするんですが、私たちの町は緊急事態に直接そこから水道水を汲み出せる特別なマンホールがあるんですよ。普段はただの水道管なんですがね」
「……」
「唯一水道水に毒を流せるのって言ったらそこしかないんですよ。んでね、さっきナミちゃんに調べてもらうことにしました」
「は?」
そういえばさっきから髪の長い女が見かけないことに気づいた。 - 98二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 17:02:44
バカは見つかったようだな
- 99◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 17:12:04
「はいは~い!見つかったよ~!」
女の声は
「おい!?」
なんとヌカヅキたちの中からだった。彼女は町長との対話に気を取られている隙に、がら空きになった団体の事務所に侵入していたのだ。
「見つかったよ~~水銀を購入した領収書!存在しない工場の名義で大量に購入していたみたいね!!それに侵入も簡単にピッキングでできたらから簡単だったわ!!」
「……!!!」
彼女を追いかけようとしたが逃げ足の速さで捕まえることができない。 - 100二次元好きの匿名さん23/01/19(木) 17:16:18
さすがナミさん!
- 101◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 17:21:02
「ちきしょう!!!」
往生際の悪いヌカヅキはそのまま飛びかかろうとしたが、
「ぐはっ!?」
ルフィによって呆気なく吹っ飛ばされた。
そしてナミは盗んだ情報を3人と共有している。
「整理しよう。10年前、君たちは河川に水銀を流した。しかし、これは工場に疑惑を向けさせるためのブラフであり、水銀自体の量の少ないものだった。その後、水道局や浄水場に務めている人間たちと共謀して浄水場にしかない、非常用マンホールに侵入して水銀を定期的に流しました。そしてあなたたちはそれに怒ってあたかも工場が水銀を流しているというように扇動し、町民を手のひらの上で踊らせたんです。全てはあなた方の自作自演だったんですよ…」 - 102◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 21:44:06
「……」
「どうなんだ?」
「……」
ヌカヅキは何も答えない
「…はは、はははは!!!はははははは!!!」
彼は気でも狂ったかのよう笑いだした。
「な、なんなんだ!?」
ゾロが声をあげる。
「確かに!おれたちは水銀を他の所から買ったことは正解だ!!それは農薬の研究として我々が資料として買ったものだ!存在しない工場だと女は言ったがあれは一種の研究チームの名称!それに浄水用マンホールの存在などわたしたちの団員なら知っている人間など多々おるわ!町長よ、面白い説をありがとう!!だが、わたしたちが水銀を水道に流したという証拠にはならなかったな!!」 - 103◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 22:27:22
「こいつ気持ちわりィな…」
ルフィが嫌悪する。
「そうか、確かに君たちが水道に毒を流したという証拠にはならないな」
「え!?」
ナミが驚きの声をあげた。しかし、町長は続ける。
「しかし、浄水場に水銀が流された以上水道に関わっている君たちを疑わざるを得ないのだ!!」「だーかーらー!浄水場に流した証拠はどこなんだ〜!?証拠はよォ~!?」
その時だった
バシャア!!!
「なに!?」
ゾロがミツカネ工場特性の海水ボールをヌカヅキに投げていた。 - 104◆1q0GWDTjKA23/01/19(木) 22:27:51
「なんだ、能力者じゃねェのか。てっきり水銀生み出すそういう能力者かと思ってたのに」
「だからっていきなり投げる必要ある!?」
ナミとゾロがやり取りしている間、ルフィがじっとヌカヅキを見ている。そして、
びょ~~~~~~~~~ん!!!
ルフィが自慢のゴムの腕を伸ばして彼の足元の何かを拾う。
「何だこれ?鍵か?」
ルフィが手にしていたのは何かの鍵だった。 - 105二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 05:05:00
ダンボールがきーなのか?
- 106二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 11:29:56
面白いとしか言えない……すげぇ……
- 107◆1q0GWDTjKA23/01/20(金) 12:27:37
「これは…この形は…確か浄水場の鍵か!?ルフィ、どこでこれを!?」
「ゾロが何か投げたときにアイツのポケットから落ちた」
「でかしたぞ!…おい君たち!この鍵はなんだ!なぜ浄水場の職員でもないヌカヅキがこの鍵を持っているのだ!!!」
あまりの状況でヌカヅキ以外の人間は黙っている。
その中で一人の男が声を上げだ。
「おい!おれは浄水場で働いているものだ!その鍵を見せてくれ!」
その男は町長のもとへ一人走り、鍵を見つめる。
「これは…配水池の鍵!」
「何だと!?」
「町長さん、おれたちの浄水場は配水池だけじゃなくて、浄水場のあらゆる場所は何か異常がないか直接調べられるようになっているんです。これはそのための鍵の1つ、当然普段は閉まっているんですが、なぜヌカヅキさんがそんな鍵を…!?こういうのはちゃんと厳重に保管してあるはずなのに!」 - 108◆1q0GWDTjKA23/01/20(金) 12:28:17
「なあ、君。鍵はいくつなんだい?」
「えっ?」
「こういう点検用の鍵は本来いくつなんだ?」
「えと…詳しい数はおれも知りませんけど…本来は確か1つだけだったような…マスターキーが一つとスペアキーが1つとも聞きましたけど、そういうのは別の部屋で管理してあるんです」
「そうか…!分かったぞ…!」 - 109◆1q0GWDTjKA23/01/20(金) 12:44:25
「待ってくれ!今もう少し詳しく話す…!」
浄水場職員の男は町長を制止し、3人にこれまでのことや団体のことについて詳しく説明した。
町長は静かに、そして穀然とした態度で再び話した。
まるでこの場にいない誰かに問いかけるように。
「―そう、私たちは勘違いしていました。浄水場にしかない非常用のマンホールに水銀を入れたと思っていたんです。ですが、それは違いました。水道局員から貰った配水池の点検用の鍵を使うことで直接配水池に水銀を流し込んだんです。配水池というとは分かりやすく言うと消毒し終えた水道水を一時的に貯めるところですね。ヤガラさんもヌカヅキさんも、そしてミツカネの工場も犯人ではありません。全て真犯人のスケープゴートにされました」 - 110◆1q0GWDTjKA23/01/20(金) 12:55:37
「最初にヌカヅキさんを犯人だと思ったことを今ここでお詫び申し上げます。ヌカヅキさんは団長という肩書きですが、彼は水道局員でも浄水場の職員でもありません。また、彼に水道局員が何か指図して水銀を投げ込もうとしても後の記録で誰が水銀を投げたか分かりますし、浄水場の薬品検査で異常なものがないか検出するようになっているんです」
- 111◆1q0GWDTjKA23/01/20(金) 12:58:20
「それらをね、かいくぐってまで水銀を投げることは普通の職員では不可能なんですよ、普通の職員ならね。ああ、そういえばこの団体って10年前に『ミツカネの水を守る会』と名称を変えたそうですね、当時は不法投棄による水銀の流出だと言われてたのに、あたかも工場のせいだと言い張ってましたよね。最初に工場の仕業だと言ったのは既に引退していたヤガラさんでもなく、まだこの団体に入っていなかったヌカヅキさんでもありませんでした。
ね?ミツカネ水道局の局長さん?」 - 112◆1q0GWDTjKA23/01/20(金) 13:11:19
「あなたは検査記録を改ざんし、ヌカヅキさんを、ヤガラさんを、そして町民全員を騙して罪を擦り付けようとしましたね?そして、事件の架空の犯人をでっち上げました。一体あなたのしたかったことはなんだったんですか?」
「……!?」
町民はみな、鳩に豆鉄砲を喰らったような表情で固まっていた。それはヌカヅキも、そしてルフィたちもだ。 - 113二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 13:38:59
局長がやったの?工場が邪魔だったとか?
- 114◆1q0GWDTjKA23/01/20(金) 13:45:15
「海賊狩りのゾロが言ったんです、何で川の水が原因だって分かるんだ?ってね、思えば一応理由としては不法投棄による流出なのに、工場の廃液は硫化水銀で河川に流さず、それらを引き取るための船も見ている人が居るというのに、何を根拠にして工場の仕業だと言ったんでしょうかね?」
- 115◆1q0GWDTjKA23/01/20(金) 13:45:29
「有機水銀は定期的に体内に取ることがない限り2、3か月で体外へ排出されます。そして河川から検出された水銀は微量でそれ以来検出されす、海も調べましたが水銀は出ませんでした。」
- 116◆1q0GWDTjKA23/01/20(金) 13:48:41
「水道局と浄水場は一緒の敷地にあってそういう鍵なども共有できるようになっているようですね。配水池は先程話したように幾つもの殺菌処理を終えた水道水があるところでこれから水道管に流す水があるんですが、わたしの町ではここでも次亜塩素酸処理を施すんですよ。それをきっと有機水銀とすり替えたんだと思います。そして、このような鍵を持たせたり、団体を身代わりにして水銀を購入させたりと、自分は手を汚さずに事件の主導を行った。犯人は水道局長、あなたです。逆に検査結果や浄水場のシステムをかいくぐって10年も続けることができるのは、25年近く局長として働いているあなたしかいないのですよ」
- 117二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 13:51:04
話自体はとても面白いんだけど今のところルフィ達の存在意義が感じられない
- 118◆1q0GWDTjKA23/01/20(金) 14:00:55
その後、残りの一味は解放された。海軍に引き渡すべきだと言う声もあったが、事件の解決のきっかけということで見逃すということに決定した。
犯人は水道局長であった。このようなことをした理由は「工場によって、環境が穢されるのが嫌だった。だから、自分たちで事件を起こして工場に擦り付け、撤退させようとしたかった。そこでヤガラが作った団体に目をつけた、海賊はヌカヅキが大の海賊嫌いだったことから適当に工場と海賊が手を組んでると吹聴したらまんまと信じてくれた、馬鹿なヤツだ」ということだった。あまりにも自分勝手で、矛盾と理不尽極まりない理由であった。 - 119◆1q0GWDTjKA23/01/20(金) 14:04:22
2日後、無事にサウザンド・サニー号は無事にミツカネの島から出港することができている。麦わらの一味の冒険はまだまだ続く。
おわり - 120二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 14:12:24
こういう偶々迷い込んだ場所で全く関係のない事件に巻き込まれてるの好き
- 121二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 15:53:52
面白かった、ゾロ&ナミさんナイス
- 122二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 16:02:25
- 123◆1q0GWDTjKA23/01/20(金) 17:06:00
- 124二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 17:06:51
わーーーーい!!
- 125二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 17:07:06
正座待機しときましね……
- 126二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 17:07:34
待ってる
- 127二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 17:08:24
オウゾク煮込んで主さんを待つ!!
- 128二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 17:27:20
ありがとう!面白いものを読ませてもらった
次回も楽しみしてる!! - 129二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 17:31:26
このレスは削除されています
- 130二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 17:36:51
いや充分ワンピでいいだろ、自分でも思ったより活躍しなかった言うてるし期待&支援
- 131二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 17:42:40
確かに一味の出番はすくないけど一味がたまたま巻き込まれたて話なら十分な気がするな
- 132二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 17:49:02
まぁ今回のはオリキャラが強くて麦わらがいる意味あるんだろうかってのはちょっと思った、他のメンバー出なかったし
情報の出し方とか面白かったから次回作期待してます - 133二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 17:55:50
なんかキツイ書き方の人が見受けられるが
別にそこまで過敏にならなくても良くね?
掲示板でも十分良いと思うが - 134二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 18:04:30
このレスは削除されています
- 135二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 18:08:28
- 136二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 18:17:11
初期トリオ良いよな
読んでて主さんこの3人好きなんかなと思った - 137二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 19:48:06
このレスは削除されています
- 138二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 21:40:03
楽しみだわ
釜煮込んで待ってるな - 139二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 21:45:31
このレスは削除されています
- 140二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 21:46:47
オウゾク入れた釜を煮込んで主を待つ!
- 141二次元好きの匿名さん23/01/20(金) 21:51:12
- 142二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 08:55:37
釜煮込んどこ