- 1二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 21:43:07
- 2二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 21:43:37
…この2人って辛いの大丈夫だっけ?
- 3二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 21:44:29
そこに行ってはいけない!逃げろ!
- 4二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 21:45:50
- 5二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 21:46:33
も、元ネタの説明をお聞きしても?(小声)
- 6二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 21:49:02
- 7二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 21:49:14
- 8二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 21:51:05
作者もよく分からないで草
- 9二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 21:51:57
激辛麻婆豆腐の辛さにこの世の真理を見て、辛さの求道者となった末にラーメン屋の店主となった
お前は何を言っているんだ - 10二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 21:51:59
言峰綺礼は知ってたけどプリズマイリヤは見たこと無かったわ、麻婆業界に沼った世界線の言峰綺礼ね理解したわ(?)
- 11二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 22:00:27
何がひどいってこれ食いに行ったら強制的に完食させられる上にバカ高いんだよな
千束とたきなのご冥福をお祈りします… - 12二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 22:00:32
「ラーメン屋さんいいですね、ちょうど寒いですし」
「じゃあ決まり!」
「人がいませんね、ラッキーです」
「ん……? できたばかりなのに?」
「メニューが一個しかありませんよ?」
「こだわりメニューってことでしょ! すいませーん これいっこ!」
「! 目、目が……! 開けられません! 湯気だけで無理です! カプサイシンスプレーですか」
「……! これは……無理があるよお」
「」 - 13二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 22:02:34
- 14二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 22:03:48
千束とたきな本編を入れたとしても人生最高レベルの理不尽が振りかかってそう
- 15二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 22:04:25
- 16二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 22:08:11
- 17二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 22:11:39
「ふぇっ? 一杯1600円もするのっ?」
「これは……あの、千束。わたし少し食べようかと思います。食べてないものにお金を払うのは気が進みません」
「バランスがとれねえ〜って感じ?」
「千束、アホみたいな冗談言ったら怒りますよ。さて……改めていただきます……!」
「た、たきなぁ……」 - 18二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 22:29:14
2人の明日はどっちだ…?
- 19二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 22:35:28
- 20二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 22:39:59
1600円払っての罰ゲームだよなこれ…
だがここでガッツを見せれば窮地に陥った時に謎の店主が駆けつけてくれるかもしれない… - 21二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 22:46:00
- 22二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 22:47:01
- 23二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 22:48:38
残念ながら辛くないところなんてないぞ…外道神父にその辺期待しちゃいけない
- 24二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 22:54:47
これでまだ一口食べただけなのか…
- 25二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 22:57:40
時速50kmオーバーで走りながらロケランぶっ放すラーメン屋はNG
- 26二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 23:01:21
- 27二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 23:05:37
この前はSchoolDaysもあったけど最近リコリコとトリッキーなクロスSS発生してるな
- 28二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 23:06:01
唐辛子他辛み成分をあの表記通りに使うなら1600円でも当時価格の原材料費圧迫してんだよな
- 29二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 23:17:52
このラーメンスレを立てたのは俺じゃないが
12から始めた俺がschooldaysの作者だよ〜
意外と複雑な味……?
たきなはそう気づく。
唐辛子の暴力だけかと思ったが
その奥でいくつもの香辛料が息をしている。
「ようやっと3口目やわ……」
箸で摘むと言っても数本ずつ慎重にという具合だ。
ラーメンはながいことスープに浸けていると伸びてしまう。それは辛味の増強に、苦痛の倍加に他ならない……。
兵は拙速を聞くも未だ巧の久しきを見ざるなり。
一気呵成にやってしまうのがよろしいな?
と覚悟を決める。
「……肉も悪くない」
挽き肉もよく油が乗っていて実はそこまで辛くない。いや汁に比べてだが。しかし着実に一歩一歩……進んでゆく。示された逃げ道を選ぶより新しい可能性を目指すべきなのだ。
- 30二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 23:21:03
わしはこのスレのスレ主
思いつきで立てたスレにSS書きが現れるとは思わなんだ
ありがとうございます - 31二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 23:29:45
school daysの面白かった
これも期待 - 32二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 23:30:40
「ちさと……実は、これ、おいひいかもしれませんよ?」
「ひぇったきな! どうしたのっ!」
「痛いです。辛いんじゃなくて痛い。それはじじつれふ、ほれでも、ふふざつなでふね」
「わかんないよ……何言ってるか、たきなが何言っているかわかんないよ……」
たきなのいつもは薄い唇が今はどうだろう? スープに染められたような赤に転じていて
千束は食事中に不謹慎だとは思いながら図らずも目を奪われる。
もし自分に生の心臓があれば「ドキン」としただろうことは想像に難くなかった。
もし、たきなが完食してしまったらだよ? 私はこれから逃げたカッコ悪い先輩になっちゃうわけだよね……。
そもそも一口しか食べてない雑魚ファーストみたいに思われたら生きてけないよね
「いや、たきなが強いだけだろ……」
とぼそりと口に出すが、そんなことを言うのは更に間抜けだ。
最強のリコリスと呼ばれるのはその実あまり嬉しいものではないが、長いこと呼ばれていると
自己認識が嫌でも強い自分になっていってしまう。引っ張られるのだ。それはあらゆる分野に於いても
「最強」と呼ばれることを少しだけ嬉しく思ってしまう。そして、強い自分をたきなに見て欲しい。
「たきな、君だけを放ってはいけないよ。千束さんもがんばる」
重ねてあった取り皿を目の前に置いた。
- 33二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 23:32:50
- 34二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 23:41:35
確かにFateは好き
「たきなの真似をすればいいんだよね……」
いっつもはたきなが私の真似をするのにな、なんて思いながら彼女がやったように
麺を取り皿の上に載せる。ホカホカと立ち上る湯気は確かに目や鼻といった粘膜を
棘を以て突き刺してグリグリと抉るようなもので、幾度もくしゃみが出る。涙だって大安売りだ。
「……いただきます」
麺自体はおいしい。恐らく手製の麺だ。もちもちとしていてよくスープに絡むように
調整されてる。ただ、今回よく絡んでしまうととても具合が良くないのだが。
千束は何処かが痛いと患部に関係なく体中が痒くなってしまうのだが、今回もそれに見舞われる。
全身を走る痒みの信号。身をよじりながらそれに耐える。
「たった一口に何分かけてんだ私……クソ」
手の甲で自分の汗をぬぐう。
ところで、千束は殆ど生活上汗をかくことはない。喫茶店でもそうだし、戦闘上でも相手方と対峙して
汗一つにじませないで取り押さえてきた。
このラーメンは、千束にとって初めての強敵とも言えたのだ。
- 35二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 23:51:55
あっ合法的且つ合理的にたきなを泣かせに来てる
- 36二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 23:52:19
たきなは横の千束もまた食べ始めたのを見て、止めようか迷った。
途轍もない苦痛と脳内麻薬の作用で万が一人工心臓に異常をきたした場合、
こんなことで死なれたら悲しくて、それこそ生きていけないからだ。
でも、千束、身をよじっていますよね。楽勝楽勝って感じですか?
確かに千束は敵と戦うとき、余裕がある時は軽快な動きをしていますし
「ホイ!」とか「オラァ!」とか軽い掛け声だって出します。
多分そういうのでしょう。こんなんじゃウォーミングアップにもならねえぜ、とでも言いたいのでしょうね。
……流石千束です。わたしだって頑張らなきゃ。
麻婆麺は麻婆は従たるものだと多くの人は思うはずだ。
たとえば叉焼麺は叉焼が載っているが、最終的には麺を食べさせたい製品だろう。
しかし、この麻婆麺は趣が違った。
「……これは麺付き麻婆と改名すべきですよね」
鼻から息を吸い、口から吐く呼吸法で肺を労わりながらたきなは考える。
麺は……およそ半分は食べられた。問題はこの麻婆である。
辛い物はとろみがついている方が、苦痛は長く続く。同じスパイスでもスープカレーのほうが、
ドロドロの欧風カレーより食べやすいことがあるだろう。
「……何か秘策は……ないでしょうか」
- 37二次元好きの匿名さん23/01/21(土) 23:55:30
言峰はこの2人が悪戦苦闘してんのをニヤニヤしながら見てんだろうなあ…
- 38二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 00:00:10
激辛麻婆に対してだけ真摯に向き合う神父
- 39二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 00:02:00
合理的なたきなはいくつかの手段が瞬時に浮かぶ。
1.水で薄める
2.よくかき混ぜて均一化させて食べる
3.何か追加で注文してそれでうめる。白いご飯など
4.もっと冷めるまで待つ
まず、1については……あまりとりたくはない。
どんなに苦痛の種であろうと店主が心を込めて作った(はず)の料理にそういうことをするのは心苦しい。
ただ、一番の解決策であろうことは確かである。
2.については直ぐに実践できるから優先順位としては高い。まずはこれをやろう。
3.について。ラーメン屋というのはご飯無料だったりするのが標準だとたきなは千束から聞いていた。
今回使えれば心強い。
4.これは少し時間がかかり過ぎるだろうから優先順位は下の方だ。
注文してから既に十分は経つが、まだまだ湯気が立っている。恐ろしい。
「すみません……白いご飯ってありますか?」
たきなは意を決して店主に問う。
- 40二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 00:02:53
せめて四川だろうが
- 41二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 00:03:23
1選んでたらDEAD ENDだったんだろうなって…
- 42二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 00:03:42
残念ながら激辛は水では薄まらない
- 43二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 00:04:41
誰か彼女たちにめいいっぱいのミルクを!
- 44二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 00:12:14
たきなから見て、店主は非常に不愛想で、よく言えば寡黙であった。
しかしながらどこかで見たことがあるような人間だなという不思議な親近感が覚えられる。
この人も腕の立つ暗殺者だったり……なんて。
などと冗談めいたことを考える余裕が少しだけ出てくるのもその、人柄のお陰だろう。
「ほほう、麻婆丼にして食おうなどという殊勝な者がおったとはな……」
「殊勝な……? いえ、ないならいいです」
「まて、サービスだ。食え」
派手な麻婆とは対照的に、綺麗な白いご飯がこれまた綺麗な椀に入れられて出てくる。
このご飯まで麻婆炒飯だったら正直死んでますね。
とたきなは安堵しそれを丁寧に受け取って、ご飯の上に麻婆を掛けて食することを選んだ。
そう、ラーメンの丼に入れた場合、米の甘みが無効化されてしまうのだ。
いや、しかしご飯の上に掛けるのであれば一向に具は減っていかない。
さてどうするか……。
「こんな器の為に頭を悩ますなんてバカじゃないですかね……」
- 45二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 00:14:15
ねえそれどっかの戦場で出くわしたとかじゃないよね…?
- 46二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 00:19:05
激辛でご飯を食べるとな……ウヒ
柏ボンベイのカレー懐かし - 47二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 00:21:28
- 48二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 00:24:48
頑張るなあ…まあ辛いけどちゃんとうまいらしいから慣れてくるといけるのか…?
- 49二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 00:32:13
千束は正直もう帰りたかった。
辛くてたまらんし、身体も痒くてたまらない。
でも、たきなが真剣に取り組んでる様子を見て、私だけ先帰るわ! とは切り出しにくい。
勿論たきなは「了解です! すぐに片づけてきます!」と言って解放してくれるとは思うけれど。
そもそも千束は毎回の食事は楽しく幸せであることを望んでいた。
人工心臓の寿命は延びたけれど、人間自体に寿命があり、食事の回数が決まっていること自体は
事実として動かない。
食事に対して「耐える」とか「頑張る」とか「克服する」みたいなことを持ち込みたくなかった。
本当ならたきなを誘ってお金を払って出て、他のお店で口直しをしたかったが、
なんか知らんけどたきなスイッチが入ってしまいここに至る。
「……クソ! まあ私も最終的にカッコつけちゃったけどさぁ!」
相棒にカッコつけたくなるとか、相棒を守りたくなるのは当然の感情じゃん、
たきなは可愛いんだからそんなことで戦っちゃだめだよ。私が全部……助けてやんよ!
たきなが食えなかった分が出たら私が食べてやる! そのためには自分のをまず平らげなきゃ!
食事の内容自体は楽しく幸せでもないが、ここで相棒を助けるとか、見直してもらうことによって
遠回りながら願いに辿り着くことを祈って箸を進める。
- 50二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 00:39:16
僧侶の荒行……
- 51二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 00:42:53
「ごはんおかわりください」
たきなは完全にハイになっていた。自己節制を旨とする彼女が炭水化物である麺の食事の際に
更にもう一杯ご飯を食べるのだから。普段の彼女であればそんなことはしない。
むしろそれは千束の役割で、いつもはそれに対して、「炭水化物の摂り過ぎは体に良くないですよ」
と諫める係だったのだ。
それなのに目標に近づける、徐々に達成しつつある状態だと彼女はその目標以外を視界から外して
その見えている道を驀進してしまうのだ。
今回の場合は、この皿の完食。そして、千束が食べられなければ自分が代わりに食べること。
たきなは学習した。このラーメンは器は大きいが、麺は殆ど少なく、大半は麻婆であること。
そして麻婆はご飯に掛ければ意外と滋味豊かであることを感じられること。
麺を満腹中枢が働く前に早食いして、その後ご飯につけて食べれば攻略可能だと。
待っててください千束! わたしは最適解を見つけました!
- 52二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 00:50:16
たきながあまりの辛さにおかしくなってる…
- 53二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 01:01:52
- 54二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 01:03:16
「……たべ……たね」
「ふぁい……」
ラーメン一人前を完食することに就いて、こんなに疲れたことなんてなかった。
腹が一杯でマジで動けない。暫くはここにいたい。もしくは瞬間移動で家に帰れればいいのに。
なんて薄らぼんやりとした頭で考えるともなしに考えていた。
「千束、無理してたでしょ」
「そういうたきなこそ、無理しちゃって」
つん、と千束は肘でたきなの脇腹を突くが、苦しそうな表情を見て謝って止める。
「……まあ、見られてたので」
小さい子に。ああ、もう行っちゃったか。それにしても仲良さそうだったなあの金髪と黒髪の子は。
「えー気になった?」
私のこと気になっちゃった? そんなに千束さんのこと気になる?
「……まあ」
どことなく、わたしたちと似ていたので。
「こいつー!」
「よく食べてくれた」
と店主は礼を言う。今まで食べさせたことはあったが、食べてくれた人はほとんどいなかったからこその感謝だろう。カウンター内で丁寧に礼をする。
「い、いえ……お礼なんか言われるようなことじゃ……」
「ま、あそうだよね……私たちは注文したのを食べただけだから」
「そこでだ、君たちにこれをあげよう」
麻婆大盛り無料券
二人は酷く眩暈がした。
- 55二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 01:06:36
オチで笑ったわ
言峰はそういうことする、おそらく善意で - 56二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 01:10:50
アーネンエルベと共に消え去って無料券はもう使えないんじゃないか?
- 57二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 01:15:59
「いらねっちゅーに」
帰る道すがら千束は手に入れた無料券をヒラヒラさせ、悪態をつきながら、バナナシェークをストローで吸う。
ミルクを飲んで漸く口が収まる。たきなはイチゴオーレを選んだ。
コンビニで買った500mLのパックにストローを挿して飲むのは千束の言うJK仕草なのだが
たきなは今この合理性に納得している。
安くて、迅速に胃の粘膜を守れると。
「千束はもう行きませんか?」
「えっ……うーん、いかないな。旨味を知らないあの店には、もう二度と帰ってくることはないだろうね……」
「……そうですか、まあわたしもですね……」
ある日、二人がばったり店内で出会い、よそよそしく椅子を二つほど開けたところに座って麺を啜っていたのは
また別の話にしましょう。
「千束! 冷蔵庫に貼ってあった無料券二枚とも自分一人で使ったでしょ!」
「たきなだってもう来ないって言ってたじゃんか!」
「わ、わたしはこう、近くをたまたま寄ったからしょうがなく来ただけです!」
「しょうがなくって言うな! 言峰さんに失礼だろうが! あっ!」
「顔なじみになるぐらい通い詰めてるんじゃないですか!」
「くっそぉぉぉぉ!」
おしまい
- 58二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 01:29:55
ちょっとハマってんじゃねえ!
- 59二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 01:32:52
トイレ大変そう
- 60二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 01:38:01
涙も鼻水も無いなんて何て綺麗なSSだ
- 61二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 06:25:11
- 62二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 08:17:39
- 63二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 13:06:48
- 64スレ主であり13であり1623/01/22(日) 13:08:16
全然オッケーですよ
- 65二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 19:29:43
この世界線だとあのノーパン保険医も元リコリスだったりすんのかな…
- 66二次元好きの匿名さん23/01/22(日) 20:30:28
冬木の大災害で聖杯になった子供、リコリスになった子供……がいるんだ
- 67二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 00:10:06
- 68二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 00:52:00
「なんか、子供が泣いてるよっ!」
千束は言うが早いが、そっちの方に駆けていく。
わたしたちは珈琲の配達の帰りに、公園の前を通ったときにその子が泣いているのを見つけた。
五歳ぐらいの子供だろう。男の子だ。余程痛かったらしく、千束に頭を撫でられても泣き止む様子はない。
保護者はいないのだろうか? ざっと見まわしてみるが、その子を介抱しようとする人は現れない。
まあ、現れてたら千束はそれに任せるだろうけど。
「よしよし、大丈夫? 膝ちょっと見せてね~」
千束は手慣れた様子でその子のけがを診る。確かにざっくりと擦り剝けていて痛そうだ。
「開けてないミネラルウォーターがあります。これで洗いましょう」
「ん、そうだねたきな。ありがとう」
わたしたちがその子の傷口を洗っていると、銀色の髪の女性が現れた。
すらっとした体躯で、切れ長の目。わたしたちの手元とこの子の傷を交互に見比べる。
「……子供が泣いているからと来てみたけれど、もう治療されているようね。私は退散いたしましょう」
「あ! あの! 絆創膏持ってませんか? 私のじゃ足りなくて、えへへ」
千束は二枚持っていた絆創膏を使い切ってしまったようでその女性に訊く。
「持っているわ、包帯でいいかしら? こう見えて近くの小学校の保険医なの」
女性はポケットから布をびゅんっっ! とすごい勢いで取り出してその傷口を一瞬にして巻き取るように縛る。
早い! これがプロの技……。
「へぇー! よかったね! きみぃ! 運よくお医者さんが来たなんて!」
「残念ね、少年。こんなにいっぱい遊んでいる人が居るのに誰も助けてくれなかった」
女性はチクッと刺した。
確かにたくさん遊んでいる人がいるし、その保護者もいるのに千束が来るまでみんなその子を遠巻きに見ているだけだった。
「porcamiseria、公園はこういう泣き顔をよく見られるからよく来るのよ」
……? イタリア人なのだろうか? - 69二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 00:55:02
またなんかはじまた
- 70二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 02:04:15
良SSの気配……
- 71二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 06:32:01
fateとリコリコのクロスは殺伐もいけるで……!
- 72二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 12:43:22
たきな「その心臓を貰い受けるぅぅぅ!―――!!」
- 73二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 22:10:21
どう着地すんだこれ
- 74二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 07:35:40
- 75二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 09:00:42
泣き顔をよく見られる、ねぇ……
- 76二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 12:45:14
魔法や魔術のある世界のDA,ヤバそう
- 77二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 22:35:42
- 78二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 01:09:07
- 79二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 08:41:59
無意識たきちさを眺める会はここか?
- 80二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 12:59:30
ちょいちょい歌詞からの改変ある
- 81二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 13:05:07
仮にやりあっても銃撃すら防ぎかねない神父相手だと…
- 82二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 13:15:16
千束さんも才能全開だと魔眼持ち並みに'殺し'にくる可能性あるからどうなるか
- 83二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 15:22:25
中身はミズキだからなあ…
- 84二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 00:00:26
「なんかDAから変な依頼が来てるぞ~。人が続々行方不明になるとかならないとか。これボクも興味あるな」
リコリコに帰るなり珍しくこちらにトコトコ歩いてきてわたしたちを出迎える。
あっちから来るなんて余程興味があるのだろう。
「ありがとうございます、クルミ」
クルミに飴をあげる。最近、クルミはこの雨がお気に入りでよくねだってくるんですよね。自分で買えばいいのに。
ウォールナットの経済力だったらトン単位で買えるでしょうに。
「奇妙なんだよな、ホラ」
タブレットを差し出してくる。
人が歩いていて……いきなり消える。え? いきなり?
もう一度戻して、再生。でもその秒数になったら映っていたニット帽の男性がヒュンと消えてしまう。
「何これ……」
隣の千束も目を細めて唸る。シークバーを何度も行ったり来たりさせて、そのニット帽の男性を
出したり消したりする。
「ラジアータがハッキングされたのかもしれない。ただ、その形跡は……ないわけだ。周辺の調査に行って欲しいんだとさ」
ラジアータをハックできるのは基本的にクルミと、あと一方はあのふざけたロボ太とかいう奴だけだろう。
「あの真島の連中がまだ生き残ってんじゃ……」
わたしの予想はそうだ。いや? あんなところから落ちて生き残ってるわけないでしょ?
魔法使いじゃあるまいし……。
- 85二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 07:03:33
たきクルじゃん!
- 86二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 12:53:31
たきクルはいいぞ
- 87二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 23:14:37
この世界だと軽率にラジアータハックとも言い切れないのか?
- 88二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 23:17:21
たきクルは界隈で根強い人気がある
- 89二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 07:48:55
たきクルは安定感しかない
- 90二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 12:40:03
魔法使い…ねえ
- 91二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 23:29:49
イリヤたちに向かって「子供は戦っちゃだめなんだよ!」って説教はいがいとしないリコリス
- 92二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 08:28:01
まあ本人たちも戦う子供だったから
そういうのに抵抗はなさそう - 93二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 08:45:16
たきクル人気だな
- 94二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 13:09:14
「あ、でもロボ太は捕まったって聞いた。脱獄した?」
「わかんないですね……。クルミ。この映像しかないんですか?」
「他にもいろいろあるが……」
あるが、と言っているってことはただの覗き見ですね……。
「どれも瞬間的に消えてる。行方不明者として登録されている人もいるみたいだな」
ってことは出てきてない?
監視カメラの技術的トラブルなら、消えたように見えても実際はいるのだから
行方不明者にはならない。
「行方不明者の――」
「共通点だろ? ないんだよ。フリーター、学生、会社員、主婦……犯罪歴はないし、あったとしても駐車違反みたいなそんな可愛いもんさ」
わたしの考えを先読みして話してくれる。助かります。
- 95二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 00:59:39
続くかな
- 96二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 01:32:48
期待
- 97二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 06:44:07
あくまでもたきクルで進んでワロタ
- 98二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 18:17:31
「千束、行きますよね? 今日にしますか?」
「んー。私はいつでもおっけ! でもほんと不思議だよね。ラジアータハックでもないし、普通に行方不明になるし、なんか魔法みたいだよね。そのまま消えてしまうなんて」
「まあバカバカしいとは思いますけど、そう表現するしかないですよね」
「フフ、このような人体消失現象って古今東西報告されてるんだが、いったん消えた後に、未来や過去に行ってる場合もあるらしいんだよな」
クルミはドヤ顔でいろいろな資料を出してくる。1950年のタイムズスクエアにいきなり男の人が出現して、そのままパニックになって走り出したところ、事故に遭って死んだそうだ。
その人の着ていた服は当時からしても古めかしいものだったらしく、所持品の財布からは古いお金が入っていて、持っていたハガキから出た名前を調べると1876年に「少したばこを吸ってくる」と言って行方不明になった人物と同じだったという。
「タイムスリップかぁ、映画っぽくていいね! なんジゴワットで走ったんだみんな」
「まあ、そんなことはないとは思いますが……」
「お、どうしたたきな、いつもは千束を『くだらないことを言ってないで仕事してください』ってシバくのにな」
もぐ、とさっきの飴をかみ砕いているクルミ。
「そんなわたしシバいているイメージ有ります? いえ 魔法自体がない、とまで言いません。わたしたちの科学が全部を説明しているとは思えないからです。未知の科学的現象が「魔法」って便宜上言われているだけなんだろうと、わたしは個人的に思っていますね」
「……へえ、そうか。たきなにも哲学が分かるようになったか」
どこか嬉しそうなクルミ。どうしたんでしょう?
行方不明者が多く出る場所にとりあえず張り込むことにした。
ドローンが周回しているし、監視カメラも抑えられている。ここで何かが起きればきっとわかるでしょう。
- 99二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 18:56:44
たきクル〜クルたき〜
- 100二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 00:50:00
クルたき、なんでこんなに良さげなんだろう
- 101二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 07:01:56
湿っぽくないから?
- 102二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 12:11:50
湿っぽくないんはそう
- 103二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 14:58:43
独特の信頼関係がある感じがいい
- 104二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 23:09:28
思考タイプが似てそうだよね
- 105二次元好きの匿名さん23/01/31(火) 07:33:10
続くんかな、保守
- 106二次元好きの匿名さん23/01/31(火) 12:52:35
もしも用保守
- 107二次元好きの匿名さん23/01/31(火) 23:23:15
保守されてて草
「はぁ……」
「気を抜かないでください」
「……ごくっ」
「何本牛乳飲んでんですか、千束は」
「張り込みと言ったら牛乳とアンパンでしょ?」
「だからといって食べ過ぎですよ」
そうです、千束は最近牛乳とアンパンを食べるのにハマっていて、
布のトートバックに大量のアンパンとパックの牛乳を入れて
現場に持参しています。カサカサ音を出さないように配慮する……面は不思議な几帳面さがあるのですよね。
「たきなも食べるっしょ?」
「いえ、アンパンと牛乳は甘すぎます。お茶にさせてください」
口の中がずっと甘くて、しかも塩味になるようなものがないのはちょっと辛い。
「あーあんこに緑茶は鉄板だよね~」
「あと、どちらかというとですね、粒あんではなくてこしあんの方が好きで……」
かれこれ二時間は待っています。人っ子一人通らないとは言いすぎだけど
たまにある通行人は特にいきなり消えることもないし、いつも通りの道だなあ、
という感慨しかない。
学生服は都会の迷彩服とはいえ、夜遅く過ぎると逆に目立ってしまいます。
補導されかけた同僚の話をぼーっと思い出している。
「あ、人だよ。やっと来た」
五人目とか……それぐらいですね。
- 108二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 08:26:43
保守
- 109二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 12:38:35
待機
- 110二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 23:09:02
落すな
- 111二次元好きの匿名さん23/02/02(木) 07:43:09
待機
- 112二次元好きの匿名さん23/02/02(木) 12:37:12
あとで書くわ
- 113二次元好きの匿名さん23/02/02(木) 23:45:00
ごめん、プリヤ分吸収してくる
- 114二次元好きの匿名さん23/02/03(金) 07:50:24
待機や
- 115二次元好きの匿名さん23/02/03(金) 12:43:17
ワクワク
- 116二次元好きの匿名さん23/02/03(金) 13:03:00
この麻婆ラーメンって麻婆乗ったラーメンじゃなくて麻婆豆腐にラーメン入ってる程度の割合なんだっけ?
普通の麻婆ラーメンを麻婆2:ラーメン8とするなら麻婆9.5:ラーメン0.5くらいとか聞いた - 117二次元好きの匿名さん23/02/03(金) 22:15:10
- 118二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 08:07:11
麻婆でいいじゃん(面がなくても)
- 119二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 19:18:07
するとたきなはほぼ麻婆丼を食ったことになる
- 120二次元好きの匿名さん23/02/05(日) 00:15:18
ぼちぼち書くわ、保守ってくれてありがとう
背広を着た……女性でしょうか? 歩き方からして非常に訓練されているような、
軍人のような雰囲気が出ています。
いえ、こんなところで女性自衛官がいるのでしょうか? 私服警官でしょうか?
すると結構まずいことになるかもしれません。
「千束、あの女の人、まずいです」
ちらっと小声で千束に耳打ちをします。
「どったの? 普通の人に見えるけど?」
「あの人、警察官かもしれません、そしたらこの制服だと……」
「補導されちゃうか。こういうとき不便だよね」
リコリス制服は女子高生の制服を模しているから、夜は結構そういうトラブルがある。
現場レベルの警察官はリコリスの存在を知らないから。
「一旦隠れましょう」
「よし……」
- 121二次元好きの匿名さん23/02/05(日) 06:47:16
ほ
- 122二次元好きの匿名さん23/02/05(日) 18:01:09
バゼットさん?!
- 123二次元好きの匿名さん23/02/05(日) 18:55:56
ダメットさん!ダメットさんじゃないか!
また路頭に迷ってない?大丈夫? - 124二次元好きの匿名さん23/02/05(日) 23:20:18
ダメットさんの闇バイトでは
- 125二次元好きの匿名さん23/02/06(月) 07:52:43
するとイリヤとかも出る?
- 126二次元好きの匿名さん23/02/06(月) 12:35:30
待機
- 127二次元好きの匿名さん23/02/06(月) 20:43:10
「なにをしているのです!」
わたしたちがさっと逃げようとしたところで、その背広の女性の声が凛と、そして力強く響く。
「どうします!? 千束!」
「やばいって、たしかにたきなの言う通りこの距離でわかるなんてただ物じゃないよ!」
この距離、というのは別に距離のことばかりに驚いているわけではなく、
二十メートル以上離れた場所の曲がり角の先にいる自分たちを捕捉できて、
なおかつそこまで届くような発声が咄嗟にできるような人間。
只者じゃない。
「一旦離脱しよ! たなき! クルミ!」
「はい!」
千束ですら一旦仕切り直しを図ることを瞬時に選ばざるを得ない殺気。
「わ、わが……ザッザッ……!」
クルミからの応答が砂嵐に掻き消されていく。インカムから聞こえるのはもう何もない。
わたしたちが必死に呼びかけても何も返ってこない。
ガシャン、という酷い音がしてクルミのドローンが落ちる音がする。
「ジャマーでしょうか?! 一旦この女の足止めをします!」
ジャマーを使ってあのクルミの通信を遮断できるような相手、完璧に一般人じゃない。
曲がり角から銃口だけを覗かせ空気の絞れる音がして――居ない!
- 128二次元好きの匿名さん23/02/07(火) 07:46:25
ほしゅ
- 129二次元好きの匿名さん23/02/07(火) 12:37:57
ほ
- 130二次元好きの匿名さん23/02/07(火) 23:13:28
「この国は銃の所持は禁止されている筈では」
さっきの声がわたしのすぐ横で聞こえる。
曲がり角から顔を出して向こうを監視していたのに、その声の主がわたしの右側に立ってるなんて
どう考えてもおかしい。
しかも息切れも何もない、余裕のある声。いいや、いつも通りの声のようなものだ。
単に軽く声を掛けてみた、程度の軽さしかない。
「何者!」
それでもわたしは咄嗟にその影に向かって銃口を向けて、これ以上ないタイミングで引き金を引く。
背広の女の正中線を捉え、その両肩を目掛けて一発、そして二発。
しかし、信じられない。わたしが引き金を引いたのをこの女は目を動かして「確認」した。
女は軽く息を吐くとその場でしゃがんで銃弾を避けた。
――避けた。
千束?!
銃弾を避けられるのは千束ぐらいしかないはず。この女もまたそれができるというのか?
ならば全部つながる。驚異的な身体能力も、冷静な態度も。クルミのドローンが妨害されたのも。
そして、この女がここに来たということも
アランの差し金――!
- 131二次元好きの匿名さん23/02/08(水) 08:16:50
盛大な勘違いで草
- 132二次元好きの匿名さん23/02/08(水) 12:05:42
外国からの刺客には見えるしな
- 133二次元好きの匿名さん23/02/08(水) 23:48:04
「千束! やっぱり退却します!」
わたしだって少しは恐怖を感じることはあるのだ。
重武装をしているようには見えない、ただの背広姿の女性が
わたしの、決して下手ではないだろう射撃を「見て」から避けて
しかもそれに対して気負うところがない、ということに。
まるでわたしの攻撃なんかないのと同じようにされる。
千束と敵対した相手はこのように思うものなのでしょうか?
千束はまるっきりわたしから離れて走っているとかではなくて、ちゃんと奥の方でわたしが来るのを
待っていてくれます。が、その表情ですよ、千束ですらあの女の動きに文字通り目を剥いています。
「たきな!」
いつも戦闘時には冷静な千束が焦って手を伸ばしてきます。
わたしはその手を思わず取ってしまう。こんなことなかったのに。
千束の手を取った瞬間、強い力で引かれ、走る速度が上がる。
- 134二次元好きの匿名さん23/02/09(木) 08:47:32
待機
- 135二次元好きの匿名さん23/02/09(木) 12:38:59
- 136二次元好きの匿名さん23/02/09(木) 21:25:05
保守する
- 137二次元好きの匿名さん23/02/09(木) 23:46:16
弾除けはみんな出来そう
- 138二次元好きの匿名さん23/02/10(金) 08:15:02
ほ
- 139二次元好きの匿名さん23/02/10(金) 10:11:40
ふ、封印指定の執行者って怖いんだな......
- 140二次元好きの匿名さん23/02/10(金) 11:59:53
- 141二次元好きの匿名さん23/02/10(金) 22:56:38
こっからどうなるかね
- 142二次元好きの匿名さん23/02/11(土) 08:53:34
「ねえ、たきな、なんか街の様子が変だよ!」
千束と走り回っている時に違和感に気づく。それはわたしの勘違いかと思ったけど
やはりそうではないようだ。千束もそれを共有しているんだから。
「……灯りがない。誰もいないみたいだ」
千束ですら息が上がっている。これは単に疲れとかではなくて脳の混乱。
「リコリコに一旦避難しよ!」
普段の千束なら言わない台詞。敵を放置してまでは逃げない。
敵意や害意を持った人間をリコリコに導くような行為だから。
でも、今のわたしにはそれ以上の選択肢は見つけられない……。
周囲を見回しても灯りの消えた家やビルだけ。
「千束! 電波塔が……」
そして何より驚いたのは、見慣れたそれが見られないから。
折れた塔がきらびやかに飾られ、平和の象徴となっていたそれは。
今や360°見回しても見当たらない。
- 143二次元好きの匿名さん23/02/11(土) 12:58:54
平行世界行きかよ
- 144二次元好きの匿名さん23/02/11(土) 23:53:24
切嗣じゃないと銃では生き残れねえよな
- 145二次元好きの匿名さん23/02/12(日) 05:49:42
ほ
- 146二次元好きの匿名さん23/02/12(日) 14:13:14
「どういう……こと?」
わたしは呆然と棒立ち、千束は地面に膝をつく。
無理もない。だって、喫茶リコリコがまっさらの更地になっているのだから。
建っていた建物は綺麗にごっそり抜けたように土の地面が露わになっている。
いや、あり得ないでしょ? さっき出て行ったばかりですよ?
さっき任務開始して、少し張り込んで、それで……それだけで、こんなふうになるなんてありえない。
「とにかく、店長やミズキさん、クルミに連絡しないと!」
とスマホの呼び出しボタンを押すが誰一人出てくれない。
いや、繋がってないのか? クルミの通信にも障害があった。更地になったことと関係があるはず。
その前にしなければならないことがあります。
「千束、どこかへ隠れましょう。ここでは身を隠す遮蔽物もありません、リコリコが襲撃……と言っていいのか分かりませんが、酷い状態になっています。敵襲と考えてもいいでしょう。どこかでまだ誰かがわたしたちを狙っててもおかしくありません」
膝立ちから、もはやあぐらをかいて呆然自失している千束の肩を抱いて、努めて優しく、冷静に話しかける。
- 147二次元好きの匿名さん23/02/12(日) 22:49:38
冷静やな、さすたき
- 148二次元好きの匿名さん23/02/13(月) 08:14:01
どうなる
- 149二次元好きの匿名さん23/02/13(月) 12:25:23
Dreiの世界だ
- 150二次元好きの匿名さん23/02/13(月) 19:50:16
保守
- 151二次元好きの匿名さん23/02/14(火) 00:28:51
保守しとくか バゼットは味方かな
- 152二次元好きの匿名さん23/02/14(火) 06:38:46
待機
- 153二次元好きの匿名さん23/02/14(火) 12:28:35
待ち
- 154二次元好きの匿名さん23/02/14(火) 21:53:49
保守
- 155二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 01:12:19
保守
- 156二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 07:50:25
ほ
- 157二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 12:30:02
し
- 158二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 22:56:03
「あなた方は……ここに住んでいたのですか?」
聞き覚えのある声。わたしは銃を向けながらそちらを振り返る。
そして一発、二発と弾を叩きこむが、びっくりするほど無駄だった。
「弾の無駄です、やめておいた方がいいですよ」
その女は、千束の方に気を取られていそうなのに
わたしの銃撃を五回も避けた。しかも、必要最小限の動きで。
「敵意はありません。この通り」
女は両手を挙げてこちらに悠然と歩いてくる。
その言葉を信じよう。というか、そうでなければ、今はわたしたちはどうにもできない。
少なくとも、千束が腑抜けているので……。
「私は、バゼット・フラガ・マクレミッツといいます」
非常に丁寧な礼であった
- 159二次元好きの匿名さん23/02/16(木) 07:40:43
お、ダメットさん!ダメットさんじゃないか!
- 160二次元好きの匿名さん23/02/16(木) 12:20:57
ダメットさんがカッコいい…
- 161二次元好きの匿名さん23/02/16(木) 22:10:35
保守
- 162二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 08:26:45
保守
- 163二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 12:31:48
ミズキと話は合いそうだけどここの世界にはいなんだっけな
- 164二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 21:44:21
>>160キメる時はキメる人だからね
- 165二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 23:40:43
わかる
- 166二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 09:21:40
まあ待機
- 167二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 15:16:50
保守
- 168二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 15:17:53
しぶといねえ
- 169二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 20:00:12
語りたいがSSも待ちたいこのジレンマ…
- 170二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 23:37:42
みんなありがとう
「……一旦敵ではないと考えます」
わたしは銃を降ろして、それでも安全装置は掛けないままで千束を守るように立ちはだかる。
「ええ、あなた方は……見たところ敵ではないようですし」
見たところ、という返答に困る。敵味方を識別する何かがあるのか?
DAを敵対組織として見ていないのだろうか?
そもそも、この人にも敵味方の区別があるんだろうか?
「お察しの通り、ここにあった喫茶リコリコという建物の従業員です」
DAとかそういう単語を混ぜないで喋る。
といっても、最早無駄だろう。銃を向けて実弾を放った後だ。
どんな言い訳をしてもただの喫茶店の店員とは言えまい。
いや、この人は日本人ではない。日本では銃は持てないという法律をどこまで知っているのか?
知らないかもしれない。ああ、許可があれば持てるという風に理解してもらえればいいのです。
実際、わたしたちは免許を持って銃を携帯運用しているのだから嘘ではない。
「分かりました、そこに座っている方も?」
「はい。ちょっとショックが大きいようで」
千束は涙すら流していないが、ずっとリコリコの空き地をぼーっと見ている。
これは大変危ない状況だ。今すぐにでも千束のセーフハウスに戻して何か飲ませなければ。
- 171二次元好きの匿名さん23/02/19(日) 08:06:39
保守
- 172二次元好きの匿名さん23/02/19(日) 14:17:37
続き来てる
- 173二次元好きの匿名さん23/02/19(日) 20:41:48
>>169語るも待つも各人の自由よ
- 174二次元好きの匿名さん23/02/19(日) 23:58:11
イリヤとかいるのかな、
いるなら魔術的な戦いだもんなぁ - 175二次元好きの匿名さん23/02/20(月) 08:28:56
保守
- 176二次元好きの匿名さん23/02/20(月) 12:48:45
ほ
- 177二次元好きの匿名さん23/02/20(月) 22:33:24
- 178二次元好きの匿名さん23/02/21(火) 07:58:18
- 179二次元好きの匿名さん23/02/21(火) 12:49:27
- 180二次元好きの匿名さん23/02/21(火) 21:15:09
>>179エッッ…
- 181二次元好きの匿名さん23/02/22(水) 08:03:30
>>178見てぇわなぁ?
- 182二次元好きの匿名さん23/02/22(水) 08:22:34
保守ありがと
書く by作者 - 183二次元好きの匿名さん23/02/22(水) 12:15:48
待機
- 184二次元好きの匿名さん23/02/22(水) 22:06:39
>>182ありがてぇ
- 185二次元好きの匿名さん23/02/22(水) 22:21:11
「一旦離れましょう、ここはもう人は住んでいないのです」
ここは、という言葉を言う際にバゼットという人は周囲を見回す。
ああ、そうだ。この辺りは、という意味なんだろう。
周囲に灯りは見ての通りないし、人通りもない。意味が分からない。
わたしたちが少し外出している間に、全員が誘拐されたかのよう。
……すると、この女は何故一人で歩いている? 怪しすぎる。
ただ、ここで彼女を撃ったとしても、当たらないことは分かってしまった。
これ以上銃弾が供給できない今、無駄弾を使う余裕はない。
(リコリコがないなら、千束の銃弾だって貴重だ)
彼女が今回の犯人なら、絶対に仕留めなければ……いや、話を聞かなければならないのだ。
ここで戦っても勝ち目がないことが分かってしまった以上、彼女がわたしたちに危害を加えないのなら……。
少しは話ぐらい聞いてやってもいいでしょう。
「千束、行きますよ。立てますか?」
わたしより体格のいい千束を担ぐのは一苦労だ。肩に彼女の腕を……と思ったが、バゼットなる者が
手を貸してくれる。ああ……あんなに細いのに力が強い。ただの民間人ではないな? 今更か。
千束みたいな弾避けが出来る民間人なんかいっぱいいて堪るか。
- 186二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 01:16:01
- 187二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 08:33:03
むしろ標準装備レベル
- 188二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 13:06:16
「どこか行く宛があるのですか」
……千束のセーフハウスにとりあえず避難しようとは思っていたが……。
この様子だと千束の家も割れているかもしれない。それは中々困るんですよね。
「あります」
あります、とは言ったものの……。この人もついてこさせて良いものだろうか?
しかし、事情を知っていそうですし、ここで有益な情報を聞くのもいいかもしれません。
「たきな、ごめんね、歩けるから。お姉さんもありがとう」
わたしの声に反応したのか、千束はわたしとバゼットとかいう怪しい奴から自立してしまった。
「えっと、バゼットさんでいいのかな? 私は錦木千束です。あそこのカフェで働いてて……」
千束は不用心なのか、もう心身が疲弊しているのか分からないけれど、自己紹介までしてしまいました。
ニシキギチサトの名前はテロリストたちの狙うところになっているのだからもう少し警戒してほしいのですが……
まあそれは望めないですよね、千束ですし。
「はい、バゼットです。お二人とも日本の高校生……でしょうか?」
チラとわたしを横目で見遣る。「銃乱射してくる高校生なんかおらんやろ? 白状せえ」みたいな目ではある。
「はい。そうです、バイト先と……仲間や家族が一瞬にしていなくなってしまって混乱しています。あと、街の様子がおかしい」
漸く表情を取り戻した千束はその赤い瞳を膨らませて、しかしそれは零さずに、バゼットなる者の正面に立って
訴える。
「まるで魔法みたいに」
千束の台詞は嘲笑を含んでいたけれど、バゼットという人はそれを笑わない。
「……私もそう思います」
と、真剣に受け止める。
まるで魔法なんてものが存在しているかのように、それを確信しているかのように。
- 189二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 23:30:37
このレスは削除されています
- 190二次元好きの匿名さん23/02/24(金) 00:48:11
セーフハウスにはたどり着けた。
バゼットという人を千束が嫌わない以上わたしも千束の意思に従うことにしました。
わたしが部屋に最初に入って索敵をして、安全を確かめてから千束を呼びます。
僭越な行為だとは思っていますけど、今の千束は……涙をこらえているのが良くわかりますので。
それに手に持ったスマホで何度も何度も店長、ミズキさん、そしてクルミに掛けているの、そして
そのどれもが繋がらないことも、わかっています。
わたしが最初に梯子を下りて千束を受け止めようとしましたが、彼女は腐っても強い人です。
ちゃんと降りてこられました。それに来客――バゼットという人。に珈琲まで振舞っています。
その姿を見ると余計に、痛々しく思えてきてしまいます。
「私……あんまり珈琲淹れるの上手くなくて、先生なら……もっと」
「千束、あの人のことが心配なので、彼女の隣に居てくれませんか?」
台所で来客向けの珈琲を沸かす千束が辛そうで、思わずその場から離してしまう。
今はこの香りだって毒だろう。
わたしの方がきっと下手だろうけど、それでも、千束には泣いてほしくはなかった。
少なくとも、敵味方か分からない人が居るときは。
- 191二次元好きの匿名さん23/02/24(金) 08:18:01
魔法少女出てくる前にスレ終わるくない?
- 192二次元好きの匿名さん23/02/24(金) 11:27:02
次スレに続いても構わんよ
- 193二次元好きの匿名さん23/02/24(金) 21:14:54
とりあえず書き手の判断に委ねよう
- 194二次元好きの匿名さん23/02/25(土) 00:03:02
保守ッとく
- 195二次元好きの匿名さん23/02/25(土) 10:16:41
保守速
- 196二次元好きの匿名さん23/02/25(土) 11:11:34
このレスは削除されています
- 197二次元好きの匿名さん23/02/25(土) 21:19:19
さて、どうなる?(色んな意味で)
- 198二次元好きの匿名さん23/02/25(土) 21:50:34
あ、ごめんじゃあ次スレに続けるかも
「……あなたは何を知ってるんですか?」
わたしの声にはきっと棘があったんだろう。千束が心配したような様子でわたしを見る。
きっと「お客さんにそんな態度とっちゃだめだよ!」と言いたいんだろう。
でも、この人は情況的に最も怪しく、そして……唯一の手掛かりだ。
少しばかり気がせいてしまうのは少し許してほしい。それに……この人もあまり気にしていないようだから。
彼女は千束からマグカップを受け取ると丁寧に礼をして口をつける。
所作は美しく、犯罪グループに関与していそうな人間特有の「育ちの悪さ」みたいなものも見受けられない。
そして、彼女は何の警戒心もなく、それを口にするということは、こちらのことも敵とは認識していない
ということ。無論――それもポーズかもしれないけれど。
「あなたがたは、魔法というものを信じますか?」
珈琲を飲んで、彼女はそのように言った。
ふざけているのか? なんてわたしの頭には血が上りそうになる。
「普段なら信じてはいないです」
わたしの言葉を制したのは千束。
「でもあれは……そうだって言われたらそうかも、とは信じさせてくれる気がするんですよ。でもそんなわけないじゃないですか。爆薬なら特有の香りがします。瓦礫も片付ける必要がありますよね、でも近所にはそんなトラックもなかった。そして……何よりおかしいのは、更地になった地面に雑草が少し生えていたことです。……仮に私たちが任務に出かけてから大急ぎで解体したとしてもですよ? 空き地の真ん中の方に草は……生えないでしょう」
今までずっと千束がただ呆けて更地となったリコリコを見ていたのだと思っていたわたしは……自分を恥じる。
千束を支えないとと思っていた自分の視野が、ショックを受けていた千束よりも狭かったことに、思い上がりに赤面した。こんなんじゃ赤くなれるのは顔だけ。その服の色の違いは能力として厳然としてあるのだな。
「……私は出来る限り知っていることをその通りに話します。あなた方に関係する話です」
バゼットという人は、それだけを言って真っすぐ千束を、わたしを見据えた。
- 199二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 09:37:04
次スレ、待ってます
- 200二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 11:14:52