- 1二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 21:29:38
- 2二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 21:31:17
初手からダイス神が荒ぶっておられるが
- 3二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 21:31:23
「アンサング・デュエット」を知らない方向けに、簡単な解説を挟むわ。適当に流し読みして頂戴ね。
舞台は「異界」と呼ばれる異世界。心霊現象や超常現象が起きる。これを認識できるのは「シフター」と呼ばれる特別な存在、今回で言うところのグエルだけ。そのままではグエルは異界に連れ去られてしまう。抗うことなんて、できやしない。
__ひとりなら。
けれど、「バインダー」と呼ばれる存在、今回で言うところのラウダがいれば。必ずグエルを現実に変えるという強い意志をもって、諦めずに進むことができる人間さえいれば。もしかしたら、脱出できるかもしれない。逆に言えば、ラウダが諦めてしまえば、グエルが生還することはできない。
ここからは少しメタ的な話をするわね。異界では、何か危機が迫るたび、グエルは1d10、ラウダは2d6で判定を行う。これがこちらの設定した成功値を上回れば晴れて成功。失敗すれば異界に近づいて、大切なものや自分を構成する要素(フラグメント)が変質し、現実のことを忘れてしまう。シナリオの最後に一つでもフラグメントが残っていれば生還、全部忘れてるとロスト。基本はこれさえ覚えておけばOKよ。この他にもいくつかハウスルールを追加したけど、まあ気にしなくていいわ。
他にもラウダがフラグメントに書かれている文章をかっこよくRPすれば六回まで判定に2加算することができる「フラグメント効果」とか、自ら異界を受け容れて変質することでパートナーに様々なメリットが起こる「異界化」とかがあるけど……まあそっちの処理は書いてる人がやるし、見てればわかるわ。
以下にキャラシートを用意したわよ。じゃあ冗長な説明はこれで終わり。さあ、果たして彼等は、どうなるのかしらね?
- 4二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 21:31:34
初手から大惨事で草
- 5二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 21:31:46
まず脅して結婚が強すぎる
- 6二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 21:34:05
結婚おめでとうとご祝儀用意してるからちゃんと帰ってこいよ〜
- 7二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 21:35:13
脅しの内容が気になるぞ
- 8二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 21:36:01
忘れて困るものが多いね
- 9二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 21:36:22
初手からぶっ飛んでて笑ったわ
- 10二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 21:37:55
チャプター1『運命のあかいいと』
「え、えっと……確か兄さんを脅して婚姻届にサインさせて、それを提出しにいこうとしたところだったよね?」
「あ、ああ、非常に不本意だが状況としてはそれであっているな。それで、ラウダが部屋の扉を開けたら、突然……」
「なにここ、これは、花?見たことない品種だ、あまいにおいがする……」
「状況がなにひとつわからない!こ、ここは……」
「……たぶん、異世界、というやつ?」
「なんでそんな簡単に受け容れてるんだ!?」
ちなみに兄さんが脅迫されてるのはdice1d3=3 (3)
1:父さんを殺したんでしょ?じゃあせめて(一人称)に従ってね!と言われた
2:逆らったらスレッタ・マーキュリーを殺すよと言われた
3:両方
- 11二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 21:38:07
こういうのもホットスタートっていうんだっけ
- 12二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 21:39:12
ひどすぎて草
- 13二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 21:39:24
初めから飛ばしすぎだろ
- 14二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 21:39:46
ラウダが止まらない
- 15二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 21:39:50
ラウダさんフルスロットルが過ぎる
- 16二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 21:40:42
ブレーキ踏まれないように壊してアクセル1本にしてませんかラウダさん?
- 17二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 21:44:39
「……昔、母さんから聞いたことがある。現実世界とは別に、異界、というやつがあるって。でもそれに惹かれるのは特別な人だけだって話だったけど……まあ兄さんだし……」
「そんな!簡単に!受け容れるな!!」
「でもここ、きれいな場所だね。お花がいっぱい咲いてるし、温かいし、虫はいないし、日差しがきれい。もっとおどろおどろしい空間だと思ってた」
「……気絶したと思ったら突然こんな場所にいたという時点で、じゅうぶんおどろおどろしいとは思うぞ」
「そうだね。……推測が正しいなら、このまま二人そろってこの空間に取り込まれてしまう」
「あ、ああ、つまり……」
「うん、兄さんの言いたいことはわかるよ」
dice1d2=1 (1)
1:早く現実に帰らなきゃね
2:新居はここに構えようよ
- 18二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 21:49:44
- 19二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 21:56:13
「ひ、こ、れは、……これは……」
「どうしたのにいさ、」
__グエルが咄嗟にラウダの手を握ると、今までただの赤い糸にしか見えなかったそれの姿が、変わる。いや、本当の姿が、見えてしまう。
それは、血で染められた糸だ。
微かに生暖かく、水滴のおちる音がする。意識してみれば、あまい花の香りに混じって、微かに鉄錆めいたにおいがした。真っ赤な、真っ赤な糸が、何重にも絡まって、解かないと自由に動くことすらできそうにない。
「ひどい、ね……これ。気持ち悪い」
「ほ、解こう。早く!」
「別にこのままでも構わないけど」
「どっちにしても探索するのに邪魔だろう!早くやるぞ!お前も手伝え!!」
「……わかった」
判定「『あかいいと』を解く」成功値:5
グエル:dice1d10=10 (10)
ラウダ:dice2d6=1 2 (3)
- 20二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 21:58:39
これだとグエルだけは成功かな?そうなるとラウダの出目やばいな
- 21二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 22:01:19
このままでいいとか思っているからぁ〜
- 22二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 22:05:17
ラウダにフラグメント効果一回使用:出目3→5 成功
使用フラグメント→「冷静で理性的」
「兄さんやっぱり別にこれ解かなくても……」
「ラウダ」
「……わかった。すう、はあ……」
「なんで深呼吸してんだ」
「別に何でもないよ。よし、うまく緩めることができたね」
「ああ。……しかし、どうやってもこの、小指に絡まってる糸だけはほどけないな」
「引きちぎることもできないみたい。このまま進むしかなさそうだね」
「……」
「気にしないで兄さん。行動するぶんにはあまり支障にならないだろうから」
「いや、そういう問題ではなく……」
「とにかく、先に進もうよ」
「……わかった」
(絡まった世界は解かれた。いまのふたりを結ぶのは、運命のあかいいとだけ。あるいは地獄に垂らされた、たった一筋の希望なのか。どちらにしても、二人は現実世界に帰るべく、異界をあるきはじめた。)
グエル:dice1d10=9 (9)
ラウダ:dice1d10=8 (8)
- 23二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 22:10:38
- 24二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 22:15:16
- 25二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 22:27:08
- 26二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 22:35:43
- 27二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 22:43:12
- 28二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 22:45:59
さっきからずっとラウダの出目がおファックすぎる。手 抜いてないですか?
ラウダフラグメント忘却:dice1d6=4 (4)
1:グエルの弟
2:茶色い瞳
3:冷静で理性的
4:兄への心配
5:優しい声
6:兄さんが好き
- 29二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 22:53:57
好きだけど心配がなくなるのやばそうだな
- 30二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 22:54:16
フラグメント「兄への××」異質化 変更先:dice1d4=4 (4)
1:依存「もしあなたまでいなくなったら……」
2:狂気「一緒にいるためならなんでもするよ」
3:猜疑「……絶対に、逃げたりしないよね?」
4:外傷(ラウダの首に青い花が咲きます)
- 31二次元好きの匿名さん23/01/23(月) 23:09:04
『俺たちは気付けばこのお花畑にいた。
東屋にある絵画に指輪をかざせば、異界の外に出ることができる。それは突き止めたが、その指輪を探すうち、ずっとここにいた気になって。
幸せだった。
俺たちは幸せだったんだ。
俺たちは、最初から、お互いのことを、愛していたんだ。
しあわせ。しあわせ。しあわせ。しあわせ。しあわせ。しあわせ。しあわせ。しあわせ。しあわせ。しあわせ。
……俺を置いていなくなってしまうなんて、許せない。』
「……そういえばこんなことあったな」
「何を言ってるんだラウダ!?」
「兄さん昔こんなこと言ってたよね」
「言ってない!あ、……ラウダ、その首、どうなって……」
「え?……あ、なんか花咲いてる。甘いにおいがする」
「甘いにおいがする、じゃねえよ!だ、大丈夫なのか、それ?」
「痛くもかゆくもないから大丈夫。それより兄さん、兄さん(一人称)のこと愛してるでしょう?」
「その日記に影響を受けすぎだ!」
「ええ?好きじゃないの?それじゃ水星女を」
「お前なんか父さんとスレッタ・マーキュリーの話を俺を脅す種としか思ってなくないか!?」
「……そんなことないよ」
「なんだその不自然な間!!」
(獲得したのは、脱出の手がかりか、それとも偽りの記憶か。いずれにしても、二人を繋ぐ血染めの運命は、いまだに切れずにそこにある。ふたりは次の場所へと向かうため、生垣の道をあとにした。)
グエル:dice1d10=3 (3)
ラウダ:dice2d10=4 3 (7)
- 32二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 06:59:08
- 33二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 09:44:58
「安心して、兄さんは絶対現実世界に帰れるよ。(一人称)がついてるんだから、大丈夫」
「……ほんとうか……?」
「もちろんじゃないか。それとも、(一人称)が信じられない?」
「そ、そんなわけない!ラウダのことは信じてる。……いや脅して結婚はさせられたが……」
「ほらえっとそれは兄さんを保護するためだから他意はないよ兄さんのためだもんほんとだよ嘘じゃないって」
「……そうか?」
「と、とにかく次の場所行こうよ!」
「あ、待て、うあ、」
ラウダがさっさと進もうとすると、小指が繋がれているグエルは体勢を崩してしまう。ぐらり、と揺らいで、倒れる。
当然ではあるが、転んだ方向にはラウダがいた。避ける暇も、気づく余裕もない。咄嗟に振り返った、と同時に。
ぎゅ、と。
ラウダはグエルを抱きとめる形で転倒を防ぐ。あたたかい、生きている身体。すまない、と言いながら顔を上げたグエルの眉は、へにゃりとたれてしまっている。ラウダの頭の中で、ぎゅる、と何かが高速でめぐる音がした。おそらくたぶん身を任せてはならない類の衝動だ。ごくりと、息を飲む。
判定「衝動を堪える」成功値:5(これにフラグメント効果は使用できない)
グエル:dice1d10=4 (4)
ラウダ:dice2d6=3 3 (6)
- 34二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 09:51:19
グエルフラグメント忘却:dice1d5=2 (2)
1:ラウダの兄
2:青い瞳
3:荒々しく直情的
4:親殺しの罪悪感
5:MS操縦の腕
- 35二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 10:01:16
フラグメント「×××瞳」異質化 変更先:dice1d4=1 (1)
1:錯視「もしかして俺はラウダのことが好きなのか?」
2:盲目「なんだ?急に、視界が、暗く……」
3:閉眼「……理解することを、諦めるべきだ」
4:外傷(グエルの片目に赤い花が咲きます)
- 36二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 13:25:01
「脅して結婚」が尾を引きすぎてる…
- 37二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 15:07:10
このレスは削除されています
- 38二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 15:08:36
どうやらラウダが何事かをしようとしたらしい。だが、寸でのところで飲み込んで、「先に進もうか」と呟いた。グエルの方は見てくれなかった。
「今、何をやろうとしたんだ?」
「……兄さんには関係のないことだよ」
「そんなわけないだろう。心配だ、教えてく」
「兄さんには関係ない!……ほんとだから」
「そうか、それなら、」
どくり、と。
父によく似た茶色の瞳がこちらに向いた瞬間、グエルの心臓が高鳴った。これは、なんだ。この感覚は? 冷や汗が垂れる。グエルは、俺は、
グエルの錯視の程度:dice1d3=2 (2)
1:俺にはスレッタ・マーキュリーという人が……!
2:まあ後に結婚するなら仲がいい方がいいよな
3:ら、らうだ、すきだ……(錯乱)
- 39二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 15:14:53
「……まあ、これもおそらく異界の影響というやつなのだろう。それに、仲が良くて困ることはないしな。とにかく先に進むぞ」
「突然どうしたの」
「いや、なんでもない。行こうか」
「そうだね。……東屋にある絵画に、指輪をかざす。そうすれば外に出ることができる。ということは、その指輪を探さなければいけないということか」
「ああ、そうなるな。だが、そんなもの見つけることができるのか?」
「できるよ。一人ではできないかもしれないけれど、二人なら。ね、そうでしょ?」
「……ああ、そうだな」
「じゃあ次は……、そうだね、dice1d2=2 (2) に行こうか」
1:小さな池
2:青薔薇の花畑
グエル:dice2d10=9 7 (16)
ラウダ:dice2d10=10 2 (12)
- 40二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 15:30:51
チャプター4「幸せな顛末」
「壮観だな。一面きれいな花でいっぱいだ。これは、薔薇か?」
「花弁も香りも薔薇にそっくりだけど……不思議だね。青い薔薇は野性には存在しないはず」
「だが、どこからどう見ても地面から生えている。自生しているのか? それとも植えたのか」
「それにしたって、一体どんな目的で」
「……確か、……ここを、はなで、いっぱいにしたのは……」
「兄さん?」
「たまに、ピクニックを、するため。おそとでご飯をたべるのはすきだって、……ラウダが……」
「言っていない。……言っていないよ、兄さん。それはこの異界に押し付けられた、偽物の記憶だ。そうに決まってる」
「ほんとう、か?」
「うん、そうに決まってるよ」
dice1d2=2 (2)
1:じゃあ、指輪を探そうか
2:それはそれとして兄さんは食べたいな
- 41二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 16:04:59
急にアクセル踏むラウダ面白すぎる
- 42二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 16:09:09
このラウダあにまんラウダの中でもトップクラスにアクセルベタ踏み
- 43二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 16:45:41
「は?……な、何を言ってるんだ急に!?」
「おなか、すいてきたから……」
「こんな状況で!?こんな状況で!?!?」
「ねえだめかな?兄さんを食べればきっと収まるとおもうんだ、おねがい」
「やめろ!腕を掴むな!!」
「父さんがいなくて寂しいんだ。それに兄さんだって水星女が死ぬのはいやでしょ?」
「そ、……れは……」
「じゃあきまりね」
dice1d3=2 (2)
1:い、……痛いのはいやだ……
2:わかったわかった!帰ったらいくらでも食わせてやるから今はやめろ!!
3:……まあそうだな。俺達は結婚するんだもんな。いいぞ、食え
2以外の場合dice1d3=3 (3)
1:頬や耳をかじるよ
2:首や肩を噛むよ
3:脚や臍を舐めるよ
- 44二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 16:47:33
今のところ兄さんのほうが帰る気持ちとか正気はありそう
- 45二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 16:53:02
いくらでも?今いくらでもって
- 46二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 16:54:43
- 47二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 17:07:04
「……あれ、兄さん。これって、足跡?」
「本当だ、気づかなかった」
「他に手がかりもないし、辿ってみようよ。何かあるかも」
「そうだな。……ところでさっきの話だが……」
「何か問題でも?(一人称)から父さんを奪ったんだから、その埋め合わせくらいしてほしいな。それにこちらとしてはスレッタ・マーキュリーがいなくなっても何ら問題はないけど」
「い、……いやだ、らうだ、俺は、……父さんを殺して……すまない、すみません、ごめんなさい……う、うあ、スレッタを、……殺したら、いやだ。お前まで人殺しにはしたくない……」
「ふうん。あ、足跡はここで途切れ、て……」
そこにあったのは、ふたりの好みの料理ばかり集めたピクニックセットだった。花の香りに混じって、おいしそうなにおいがする。慣れた足取りで座り込み、ふたりでいっる幸せをかみしめながら手をあわせ__
そこで、はっと意識を取り戻す。
「お、俺は、何をして……」
「わからない。これも異界の影響?」
「……だとすれば、これを食べれば何かが起こるのか?」
「どっちにしても、手が、止まらない。……食べるしかない」
判定「食事をとる」成功値:7
グエル:dice1d10=1 (1)
ラウダ:dice2d6=3 6 (9)
- 48二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 17:08:26
グエルフラグメント忘却:dice1d4=3 (3)
1:ラウダの兄
2:荒々しく直情的
3:親殺しの罪悪感
4:MS操縦の腕
- 49二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 17:17:05
フラグメント「親殺しの×××」異質化 変更先:dice1d4=3 (3)
1:逃避「ああ、全部忘れてしまえばいいんだ!」
2:代替「ラウダまでいなくなってしまったらどうしよう」
3:諦観「……もう、うんざりだ。疲れてしまった」
4:外傷(グエルのこめかみに赤い花が咲きます)
- 50二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 17:39:50
あたたかい食事。とてつもなくおいしいというわけではないけれど、安心できる、どこか懐かしい味。ラウダは何てことない様子で食べ進める。これもまた、異界が見せるまぼろしなのだろう。
……だが、グエルは。
グエルは、違った。サンドイッチを食べ、スープをのみ、デザートのいちごをひとつ、食べたところで、突然ぼろぼろと泣き始める。
「兄さん?」
「……らうだ、」
「どうしたの兄さん。いちご苦手だったっけ?」
「違う、……すきだ、いちご、すき……」
「だよね。じゃあどうして泣いているの?」
「こわ、こわい、んだ。食べれば食べるほど、なんだか、幸せな気持ちになっていく。俺は、……幸せになってはいけない人間なのに……」
「そんなことないよ」
「いや、……俺が、俺を、許せないんだ。ラウダ、どうか、俺のことを……」
「それ以上はやめて!……兄さんは(一人称)を人殺しにはしたくないんでしょう。だったら、そんなこと、言わないで……」
「……すまない、ラウダ、どうかしていた……」
dice1d3=2 (2)
1:……いちご、食べよう。甘くておいしいよ
2:食べさせてあげる。口開けて
3:あのね、兄さんが必要なんだ……
- 51二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 21:10:55
「……くち、あけて。いちご食べよう」
「ああ、ああ、……ひっく、ごめん、すまない、すみません、ごめんなさい……」
「謝る必要なんてないよ。兄さんは悪くない。あまくておいしいよ。ほら、あーん」
「う、う、……あまい……」
「うん、あまいね。おいしいね。ほら、もうひとつ」
「あむ、ぐ、……う、ん」
「ああ、くちの端、こぼれてる……ふいてあげるね」
「う、う……あ、すまない、ラウダ……」
「謝らないで。……申し訳ないと思うのなら、笑ってほしいな。そっちの方がうれしいから」
「……ああ、ラウダ、ありがとう」
「うん。……うん、口の中のもの、呑み込んで」
「あう、……んく」
「これで全部、食べれたね」
「……特に何か起こる様子はないな」
「じゃあこのナイフ、持って行っておこう。食事用だけれど、ないよりはましだ。護身に使えるかもしれない」
「ああ、……そうだな?」
dice1d2=1 (1)
1:ナイフをよく見る
2:さっさと先に進む
- 52二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 21:19:40
「あれ、このナイフ、よく見ると何か掘られている?」
「本当だ。これは獅子の意匠か? それに、こっちは文字か。『duAl glue』? 一対の接着剤……二重、ふたつの、……釘付けになるという意味もあったか? 一体どんな意味があるんだろう」
「Aだけ大文字なのはどうしてなんだろう? うーん……まあ、深いことは気にしない方がいいよ」
「……それもそうだな。とにかく先に進もう。指輪は結局見つからなかったし……あと行けるのは、小さな池だけだね」
「ああ。そこに、外に出る手がかりがあればいいが」
「きっと見つかるよ。……見つけるよ。頑張ろう? 兄さん」
「……ありがとう、ラウダ」
グエル:dice3d10=7 10 2 (19)
ラウダ:dice2d10=2 2 (4)
- 53二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 21:21:56
KPの無言謎ダイスほど怖いものはない!
- 54二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 21:26:22
- 55二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 21:28:44
殺人を引きずってる方とめちゃくちゃな脅しをかけてた方だからどっちがまともな反応なのか全然わからないな…
- 56二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 21:33:48
「は、は、……ひゅ……」
「落ち着いた?」
「……ああ、取り乱して、すまなかった」
「ううん、気にしないで。それにしても、突然どうしたの?この池はこんなにきれいなのに」
「あ、……ああ、そうだな。きれいだな。……さっさとその、指輪とやらを探そう」
「うん。それにしても、ほんとうに懐かしい雰囲気だよね。この池で小さい頃、遊んだような……これは、本当に、あったことなのかな。何が本当で、何が偽物なのかな……」
「わ、からない、が……とにかく早くここから帰りたい……」
「そうだね。兄さんがそう言うのなら、(一人称)だって同じ思いだよ」
判定「池?を探索する」成功値:8
グエル:dice1d10=8 (8)
ラウダ:dice2d6=4 3 (7)
- 57二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 21:41:17
ラウダにフラグメント効果使用:出目7→9 成功
使用フラグメント→「ラウダの兄」
グエルはやけに怯えて、池や花に近づこうとしない。しかし池の周辺を探していても、何も見つからないだろう。しばらくあちこち見て回った後、ラウダはふと池の中に目を向ける。
透明な水の中に、きれいな指輪が浮いているのが見えた。
「兄さん、あれ……」
「え、……」
「指輪って、あれのことじゃない?取りに行こうよ」
「え、あ!ら、……ラウダは、近づくな。俺が取りに行く」
「……?どうして」
「なんでもだ!お、俺がとる……俺は、ラウダの、兄だから……こんなこと、なんでもない……」
dice1d3=3 (3)
1:(なんだかやけに怯えているけど……任せようかな)
2:いや、(一人称)がとるよ。兄さんは休んでて
3:……怖いなら、無理しなくてもいいんだよ
- 58二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 21:53:34
「……ラウダ?」
「(一人称)には、兄さんの辛さをわかってあげることはできない。だけども、寄り添って、傍にいてあげることはできる。兄さんが何をどれだけできるのか把握して、そこからはみ出してしまわないように、支えてあげることはできるよ。……それじゃ、だめかな」
「ラウダ、……」
「きっと、あなたには(一人称)には見えないものが見えているんだよね。それが何なのかはわからない。言いたくないなら、聞かない。だけどどうか、無理だけはしないで。どうか……一緒に、背負わせて」
「ラウダ、らうだ、らうだ……俺は、……う、ぅあ、あ、うあああああん……」
「いっぱい泣いて。ほら、抱きしめて、背中を撫でてあげる。目を閉じて、見たくないものは皆位で言い、(一人称)だけを見ていればいいんだから……」
「ひぐ……らうだ、ごめんなさい、ありがとう、ごめんなさい……」
「……兄さん、ほんの少しだけ待っていてね。今、指輪をとってくる」
dice1d2=1 (1)
1:ありがとう、ラウダ……
2:いや、やっぱり俺がとってくる
- 59二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 22:10:41
グエルは震える手を叱咤して、水面に触れる。そうして、一瞬ぎゅっと目を閉じたあと、くちびるをわななかせながら指輪を手にとった。ぱしゃん。微かに飛沫が上がって、グエルの頬を濡らす。ラウダはしばらく考えたのち、繋がれている方の指先をくいと引っ張って、首を傾げる。
「早く東屋に行こう。兄さんはここにいたくないんでしょう」
「あ……ああ」
「……ねえ、本当に大丈夫?」
「ああ、大丈夫、大丈夫、……大丈夫だ……」
「……」
ラウダはしばらく考える素振りをみせたあと、そうっとグエルの頬についた雫を指先で拭った。グエルは目を見開いて、驚いたような顔をしてそれを見つめる。
「無理しないで、と、言ったでしょう」
指輪は古ぼけて、少し錆びついてしまっている。
それなのにどうしてか、鈍い銀色の輝きを放っていた。
グエル:dice3d10=9 2 2 (13)
ラウダ:dice2d10=8 2 (10)
- 60二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 22:25:15
- 61二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 22:38:40
ラウダくん壊れてない理性をまだお持ちであった…?
いや理性下であれこれのムーブしてるのもヤバで味わい深いですが - 62二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 23:28:54
この状況で結婚の話するのは理性的かこれが?
- 63二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 07:13:48
「結婚したあとどうするかの話をしようか」
「なんだ唐突に?」
「子供は何人欲しい?」
「本当になんだ??」
「一人は男の子がいいよね。(一人称)と兄さんの子がジェターク社を継ぐことになると思うから……やっぱりアスティカシアに入れて、パイロットとして育てたいな……」
「どういう未来を描いている!?」
「あっお互い妾とか愛人とかはなしね」
「話を聞けラウダ!!」
「え、でも、こういった価値観は今のうちに擦り合わせておかないと……ここから出たらすぐに結婚するんだし……」
「それ、俺はまだ認めていないからな。兄弟で結婚するなんて」
「……あはは!」
「何故笑う」
dice1d3=1 (1)
1:グエル・ジェタークの戸籍は使わないよ
2:愛し合ってるから結婚する。当然じゃないか
3:いや、堕とさなきゃなあって
- 64二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 08:01:53
「……それは、どういうことだ」
「グエル・ジェタークは死ぬ。父殺しの重圧に耐えきれなくてね。ラウダ・ニールは兄も父も失って、ふさぎこんでしまう。そんな時に出会ったのがあなた、ボブだ。二人は惹かれ合い、なんやかんやあって結婚する。どう?」
「どう?じゃねえよ!サラッと殺そうとしてんじゃねえよ!ボブを悪用するな!なんやかんやに含まれる情報量がおおすぎるだろう!!」
「ええ?兄さんは罪を背負わなくていい、(一人称)はあなたと結婚できる。かなりアリだと思うけど」
「ナシだ!!」
「父さん」
「は、」
「スレッタ・マーキュリー」
「……」
「どう?」
dice1d3=3 (3)
1:わ、わかった、わかったから……
2:い、いや、それでも、流石に
3:……せめてグエルの戸籍を使えよ
- 65二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 08:23:26
「嘘は好かん。正々堂々、グエルの戸籍でやれ」
「ふうん。いいの?取り返しのつかないことになるけど」
「結婚したらどっちみち取り返しがつかないだろう!……俺は逃げん」
「……ふふ、兄さんのそういうところ、好きだよ」
「そうか」
「兄さんは(一人称)のこと、好き?」
「え、」
ラウダがじっとグエルを見つめる。
ちかり、と。脳の奥で何かが瞬く。そうだ、グエルはラウダのことが好きだ。しかしその正体は何だ?正しく、ただしくそのかたちを認識しなければならない。決して迷わぬように。グエルは息を、吸って、吐く。
これは錯覚だ。
あるいは、異界の影響とやらだ。
だから大丈夫。きちんと、抑えられる。
「俺は__」
判定「正気を保つ」成功値:7(これにフラグメント効果は利用できない)
グエル:dice1d10=10 (10)
ラウダ:dice2d6=3 5 (8)
- 66二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 08:35:04
- 67二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 10:14:16
こうやってピュアで普通なお願いもするからグエルも絆されやすくなっていっちゃうんだろうな…
- 68二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 10:32:04
手繋ぎかわいいなあ
- 69二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 10:45:58
ピュアおねだりとよこしまおねだりの絶妙なバランス好き。やはり策士…
脅しの内容は策もクソもないストレート鬼畜だけども - 70二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 12:53:35
「別にそれくらい構わないぞ」
「ありがとう。……ふふ、こうしているとなんだか、小さい頃のこと、思い出すなあ」
「え?」
「昔こうやって、手を繋いでお散歩したよね。あの頃はこんなことになるなんて思いもしなかったけど」
「……そうだったか?」
「うん、そうだったそうだった。ああ、甘いにおいがする。生垣が、花の壁みたい。ここはきれいだね」
「ああ、……そうだな。ずっとたってここにいたいくらいだ」
「それはないけど……あ、」
「ラウダ?」
「兄さん、よく見て。これ、地面……花弁と石畳だと思ってたけど違う。血の足跡だ」
「え、……ッ!?」
「一体どうして、……兄さん?」
「は、は、は、ひ、」
「兄さん、呼吸がおかしくなってる。落ち着いて。大丈夫だよ、傍にいるから」
「らうだ」
「もう、あと少しだ。あと少しで、現実に帰ることができる。安心して、兄さんは絶対に現実に帰すよ」
「……ありがとう、ラウダ」
(どれが真実でどれが嘘か。
どれもが真実で、どれもが嘘か。
二人を繋ぐ運命の糸は、ぽたぽたと赤いしずくを落とし、バージンロードを染め上げる。そうして辿り着いた先は、運命か、あるいは地獄か?)
グエル:dice3d10=6 2 6 (14)
ラウダ:dice2d10=7 1 (8)
- 71二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 13:08:12
章の最後に振られるダイスの数は失ったフラグメントにリンクしてるのかな
意味は分からないから怖いけど - 72二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 18:05:23
- 73二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 18:33:37
チャプター名でビックスマイルした
- 74二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:56:13
「なるほど、正確には聖書を元にした絵本、といったところか」
「受胎告知に、洗礼、奇跡、最後の晩餐……みたところ、取り立てて特別なところはないね」
「絵画とは、これのことか? ……だが、指輪をかざしてみても、特に何も起きないな」
「うーん……なんでだろう。ページを破いてみる?」
「それは最後の手段にしておこう。とにかく、……何か違和感は……」
「違和感、か。……そういえば、これ、最後の晩餐で終わっているな。磔にされるシーンと、復活のシーンはないのか」
「ページが切り取られているのかな? それにしてはあまりに、何の痕跡もないけれど。このかたちで製本されたみたい」
「うーん、……う?」
「兄さん?」
「こ、れは……」
「どうしたの?」
「……、」
「本当にどうしたの、突然。何が、見えるの?」
dice1d2=1 (1)
1:手を握る
2:背を撫でる
- 75二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 21:19:45
小指でつながれた手が、震えている。ラウダはそれをぎゅっと握って、宥めるように指先を撫でた。そうしてふと、本に視線を移す。
__目を、見開く。
最後のページ、だと思っていたページ。それがべっとりと血にまみれている。中央にいるキリスト、横にいるおそらくはユダ、とされる二人以外の人間は、全て首から上が塗り潰されてしまっていた。噎せ返るような甘い花のにおい、微かな紅茶とお菓子の香りに混じり、血と臓物の生臭いにおいがする。
はっと顔を上げる。いつの間にかそこには、大きな十字型の磔台があった。東屋の柱に、文字が浮き上がる。
『最後のページを埋めろ』
「さいごの、……」
「それって」
「たぶん、だけど。ユダの接吻と、イエスの磔刑__だよね」
「つまり、」
「……そういうこと、だ」
二人は視線を交わす。
巨大な十字架が、見下ろす中で。
判定「お前の神にくちづけよ」成功値:13(それぞれ二回ずつ判定し、二人とも全て成功しなければ終わらない)
グエル一回目:dice1d10=1 (1) +5
グエル二回目:dice1d10=4 (4) +5
ラウダ一回目:dice2d6=1 5 (6) +5
ラウダ二回目:dice2d6=4 6 (10) +5
- 76二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 21:24:02
グエルに残るフラグメント(選ばれた以外の二つを忘却します):dice1d3=1 (1)
1:ラウダの兄
2:荒々しく直情的
3:MS操縦の腕
ラウダフラグメント忘却:dice1d5=2 (2)
1:グエルの弟
2:茶色い瞳
3:冷静で理性的
4:優しい声
5:兄さんが好き
- 77二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 21:27:28
グエルがそれ残すのエモエモのエモです
- 78二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 21:36:16
フラグメント「MS操縦の腕」異質化 変更先:外傷(グエルの四肢に赤い花が咲き、以降上手く動かせなくなります)
フラグメント「荒々しく×××」異質化 変更先:dice1d4=4 (4)
1:臆病「ずっと、ずっとこのままがいい」
2:焦燥「このままじゃいけない、何か変えないと」
3:拒絶「いくら帰りたいからって、無理だ……」
4:外傷(グエルの耳に赤い花が咲きます)
フラグメント「×××瞳」異質化 変更先:dice1d4=2 (2)
1:錯乱「あなたに傷を与えたい」
2:盲目「もう、兄さん以外見えない……!」
3:凝視「物理的に兄さん以外見えない!?!?」
4:外傷(ラウダの目に青い花が咲きます)
- 79二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 21:48:57
__何をすればいいのか。
わかる。わかるのだ。ここにきて、わからないほどの愚かものではない。ラウダはナイフを握りしめる。これで、グエルの腕をあの十字架に縫い留めて、くちづけをする。そうすれば、帰ることができる。だが、……後者はできたとて、前者ができる自信がない。グエルの、ラウダの神さまの、なにより大切な腕を、傷つけることなんて、できやしない。
どくり、と心臓が高鳴る。「兄さん、」呟いた声は、普段より低い。ああ、どうしよう。あなた以外見えない。どくどくと心臓が嫌に跳ねる。あなたしか見る必要がない、この空間が。……心地よいといったら、何と返されるだろう?
グエルのくちびるが、戦慄く。無意識に、十字架から遠ざかろうとうする。脚が動かない。ラウダの声が遠い。はっとしてくちびるを引き結ぶ。ふわ、と甘いにおいがする。耳に違和感があって、腕を動かそうとしたところで__腕が、動かない。
「い、……やだ、」
グエルの視界が、滲む。拭おうにも、できない。零れるままにぼろぼろと、花弁と涙が落ちていく。
「いやだ、俺は、……嫌だ、無理だ……」
「何が嫌なの、教えて」
「全部、ぜんぶ、磔にされるなんて怖くていやだ、お前とキスするなんて無理だ、俺は、……俺は、スレッタ・マーキュリーが……」
「水星女が?」
ラウダの顔が、歪む。不快感を隠そうともしない。グエルのくちびるからその名前が出ることを、心の底から嫌っているからだ。それは何故か? それを考えてみたところで、
__グエルは、気づく。
見つけて、しまう。
この場における、最適解を。
- 80二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 21:55:48
それは。
自ら異界を受け容れ、変質すること。
__××を、諦めることだ。
グエル異界化
フラグメント忘却:「スレッタへのこいごころ」
フラグメント「××××への×××××」異質化 変更先:「ラウダへの依存」
フラグメント効果使用回数1増加 - 81二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 22:01:23
うお…この溢れるやばい感じ
- 82二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 22:04:57
あー最後のフラグがずっと除外されてたのここで来るか…
- 83二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 22:06:47
グエルは、すうっと息を吸い、吐き出す。
それから、うまく動かないあしを叱咤して、磔台に向かった。血管の代わりに蔦が這う腕を、輝く皮膚を食い破って咲き誇る花を、もたれかからせるように。磔になる。
「兄さん、……何を、やっているの?」
「やれ、ラウダ」
「兄さん!? どういうこと!?」
「やれラウダ。俺はもう逃げない。それに、」
グエルは少しだけ目を伏せる。はずみで微かに、耳の花が震えた。
「……お前に与えられるのなら、きっと痛みさえ愛おしい」
微かに持ち上げた顔で、青いはずのひとみが、赤く、あかく、輝いている。
ラウダはそれを見つめて、ごくりと唾を飲む。
掌の中で、ナイフがぎらりと輝いた。
判定「お前の神にくちづけよ」成功値:13(それぞれ二回ずつ判定し、二人とも全て成功しなければ終わらない)
グエル一回目:dice1d10=7 (7) +18
グエル二回目:dice1d10=10 (10) +18
ラウダ一回目:dice2d6=4 5 (9) +5
ラウダ二回目:dice2d6=6 2 (8) +5
- 84二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 22:12:39
兄さんのドーピング力凄すぎんか?
- 85二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 22:17:00
ラウダは判定に補正入ったわけでもないのにスッと通してきたのさすラウすぎる
- 86二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 22:21:49
最初よわよわだったのに途中からずっと強いね…
- 87二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 22:28:49
ラウダは息をのんで、そうっと磔台に近づく。
顔を寄せると、甘い匂いがする。花のにおいだ。知らないにおいだ。だけどその奥に、微かに、よく肌になじむにおいがする。近づくと、ほんの少しだけ、睫毛が震えていることがわかった。
腕を、振り上げる。
皮膚を裂き、グエルの両の手のひらをまとめて、十字架を突き刺す感覚。やけに赤い鮮血が一滴、手首を滴って、落ちた。花弁が重たげに傾く。遠目に見れば壁に押し付けるありがちなシチュエーションにすら見えるだろうに、その生暖かさに触れた瞬間、ラウダのこころに、どうしようもない悦びがうまれた。それが、どうしようもなく怖くて、おそろしくて、……心地よかった。
グエルはぎゅっと目を閉じる。痛みは、思ったよりはない。むしろなんだか、すこし、気持ちいい。指先が無意識に痙攣する。肉が引き攣って、ぴりぴりする。違う。痛みを、感じなければならない。刺された部分が熱い。誤魔化すように、は、とくちびるを開けたところで、ラウダの顔が近づいてきていることに、ようやく気付いた。
くちびるが、触れ合う。
冗談みたいに柔らかい感触だ。そのくせ、よく熟れた果実よりも、甘い感触だ。グエルのひとみが、微かに開く。逃げられない。逃げる気すら起きない。唾液が交じり合う。こんなにも愛おしい。こんなにも確かだ。こんなにも。存在を消費するように、貪るように。いつ尽きるともしれぬくちづけは、凪いだ水面のように穏やかで、荒れ狂う嵐よりも激しい。
彼こそが、ラウダの神だ。
だけど決して、誰にも渡してなるものか。
息が、続かない。ゆっくりと、ようやくくちびるが離れた瞬間、ラウダの喉から、無意識に小さな声が漏れた。
「……兄さんに、祝福あれ……」
- 88二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 22:46:13
__開かれた本に、亀裂が入る。
ラウダのくちびるに、グエルの息がかかった。苦しむような、泣くような、微かに震えた、呻き声にも似たそれに__ようやく自分が何をしていたのか思い出してはっとした。慌てて、ナイフを抜く。
「だ、大丈夫!?ごめんね、兄さん。痛くない?」
「あ、ああ、全く……」
「そんなわけないでしょ!傷口、見せて」
そう言って、ラウダは自らがまとめて刺し貫いたてのひらを、そっと手に取る。そうして、気づく。傷が、ない。まるで皮膚が復活したように、こぷりと溢れた血があるだけだ。
「な、……なんだか、不思議なこともあるものだね」
「異界に常識を持ち込む方がおかしいだろう」
「……それもそっか」
じゃあ、帰ろう。
指輪が輝く。最後のページが、埋められる。光が、溢れる。それに覆われた、瞬間__ざらりと、奇妙な感覚を覚えて。数秒、意識を失った。
小指に糸が繋がれた感覚は、消えなかった。
変異への抵抗:dice1d6=1 (1)
変異解除優先度:グエルの外傷>ラウダの外傷>グエルの精神不調>ラウダの精神不調>兄さんの水星女への恋心(ラウダくんならこう選びそうだな というイメージで決めました)
- 89二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 22:47:08
解除する変異はdice1d2=1 (1)
1:グエルの耳の花
2:グエルの腕の花
- 90二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 22:58:08
アフタートーク
「……さん。兄さん、起きて」
「ん、……あ? こ、こは……」
「ジェターク寮の、(一人称)の部屋だ。あ、ああ、よかった! 帰ってきたんだ! よかった、……よかった、本当に!」
ラウダはぎゅうとグエルに抱き着いた。グエルも抱き返そうとしたところで、ふと、気づく。
小指に絡まっていた赤い糸が、解けている。
それがやけに残念に感じて、グエルはふと不思議に思う。今、何故残念に感じたのだろう、と疑問に思った。グエルはこんなにもラウダのことが好きなのに、どうしてそんなことを。そうだ、グエルにはラウダしかいないのだ。そうしてラウダも、グエル以外見えない。それでいい。それでいい、はずだ。
ベッドの上に、あまい花のにおいが立ち込めている。
グエルの四肢は、動かない。だけどもそれでも、構わなかった。ラウダに頬を摺り寄せる。
首筋に、青い花が咲いているのが見えた。
グエル新規フラグメント「運命のあかいいと」獲得
ラウダ新規フラグメント「運命のあかいいと」獲得
「運命のあかいいと」:二人の間をつなぐ、目には見えない糸。これによって二人は繋がれているので、離れることはできないだろう。もしなんらかの理由で引き剥がされた場合、精神的にかなり動揺することになる(他システムで例えるなら5,6時間ごとくらいに1d6/1d10のSANcが入るイメージ)。 - 91二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 23:09:36
「……兄さん、あのときは、ごめんね。いくら帰るためとはいえ……」
ラウダがふと、グエルの手のひらを撫でた。
ナイフで刺された傷跡は、あとすら残さず完治している。「気にするな」そういって笑えば、ラウダは少しだけ眉根を寄せた。
「兄さんがよくて、こっちはよくない」
「そんな律儀な」
「とにかくよくないの! ……ねえ、兄さん」
動かない手のひらをしきりに撫でていた指先が、ふと動く。導くように、あの時と同じように、まとめて、掴んで、押し付けて、縫い留められる。ただし今度は朽ち木の十字にではなく、柔らかな寝台にだ。血のにおいもない。微かな甘いにおいと、ラウダのにおいと、グエルのにおいだけだ。
「ラウダ?」
よく似た顔が、近づいてくる。
「やりなおし、させてよ」
そのくちびるがゆるい弧を描くのを、こくりと唾を飲んで見つめた。
__なにはともあれ。
二人は異界から脱出し、かけがえのない日常に戻ってくることができた。これから先彼らがどうなるかは、まだ、わからないけれど。
まずは彼等に、めいいっぱいの祝福を。
__END
- 92二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 23:11:34
・その異界は人間の脳にあるしあわせ、つまりは快楽物質を喰らう。けれどなかなかそこまで幸福な人間は見つからない。では、どうすればよいか。
__恋する人間の脳は非常に多くの快楽物質に満ちているらしい。
とはいえ誰もが誰も恋をしているわけではない。というわけで異界は変化する。のみこんだ人間に少しずつ快楽物質を与え、しあわせにし、惚れさせる。あとは勝手に、恋に溺れていく。取り込まれた二人は幸福な日々を過ごし、結ばれて__、その脳からあふれた「しあわせ」を取り込み、この異界は成り立っている。
今回も新たな餌を取り込んだ。誰かに恋をしているらしいシフター、グエル。だが彼は幸せではないらしい。ついでについてきた人間、ラウダ。彼もたぶんあれだ広義ではグエルに恋? をしている? っぽい? たぶんそうだ。異界の判定は甘かった。
調査の中で、二人は気付くだろう。
変異が生じるほどに、相手に対する依存が募っていくことに。相手への感情が、かつて自分が抱いていたものとは別のものに変質していくことに。
強制的に恋心を植え付けられながら、彼らは「彼ら」の関係を保ったまま生還することができるのだろうか__
というシナリオの予定でした。
・チャプターの最後の謎ダイスは異界の快楽物質にどれだけ侵食されているかを示します。失ったフラグメントの数+1d10を振り、8以上の目が出たダイスの数だけ依存度(仮称)が増えます。また、チャプター3と6の失敗、ラウダ「兄への心配」グエル「親殺しの罪悪感」の変質は、パートナーの依存度が1加算されます。
・ファイナルチャプターの成功値が異様に高いのは「キスすることへの抵抗感」なので、依存度の分だけ成功値を易しくすることができます。ただし、アフタートーク時点で二人とも依存度が5以上だと、特別な描写が追加され、追加フラグメントが固定されます。
・信じてもらえないかもしれないけど三回やったテストプレイの時は一回も特殊描写入らなかったんです なんなら特殊描写ハードル下げようかな~とか思ってたレベルなんです ここだと 入ったけど チャプター5時点で入ってるけど - 93二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 23:15:46
完走おつかれさまです!
「運命のあかいいと」、ぱっと見成功報酬かと思ったらゴリゴリに呪いだった… - 94二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 23:16:30
そのほかのギミックについて
・今回利用しませんでしたが、ファイナルチャプターでフラグメント効果を使用して通した場合無理矢理くちびるを奪う的な描写になる予定でした。なんか 一切の逡巡なく 通してきたけど
・青薔薇の花畑は罠です。いっても特になんの意味もありません。いわゆる無駄SANチェックというやつ。でもナイフがあると最後のRPが楽しくなるね。ちなみにduAl glueはそれぞれ「lauda」と「guel」のガバグラム
・手を繋ぐと異界の真の姿が見えます。例えば池だと、「無数の死体を食い破って咲いている花」と「ちぎれた腕に嵌められている指輪」が見えました。グエルくんがやけに怯えていたのはこっちが見えていたからですね。ラウダくんはさあ……
・ラウダ「優しい声」は「喋れなくなる」、グエル「MS操縦の腕」は「四肢が動かせなくなる」固定です。探索しづらくなるよ!というペナルティですね
・ラウダくんはグエルくんの忘却フラグメントが五つ以上になると異界化を行います。この際治すフラグメントは「ラウダの兄」固定。
・グエルくんはファイナルチャプターでの判定に失敗すると異界化を行い、フラグメント効果の使用回数を増やします。この際変質するフラグメントは「スレッタへのはつこい」→「ラウダへの依存」固定。また、これを行うとグエルくんの依存度が+13されます。
はい。フレーバーです。
・ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました! - 95二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 23:23:31
- 96二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 23:27:30
完結お疲れ様です
Aが大文字だったのはaがダブってたからかな??
特に操作とかなく「ラウダの兄」が最後まで残ったのエモくてよいですね - 97二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 23:28:23
今回も楽しかったです!
追加される依存度の13てのはやっぱり13番目の弟子とかKP013とかの…?
おいしいあじがする!! - 98二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 23:31:10
成功値が13なのと合わせて絶対成功するんですね
- 99二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 23:36:12
完結おつかれさまです!
今回もいちゃいちゃどろどろ共依存最高でした
花畑とか池とかピクニックとか前の薔薇の玉座のお話を思い出させるような描写があってドキドキハラハラした - 100二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 23:38:57
何の憂いもなく婚姻届提出できそうでよかったねラウダくん!