- 1スレ主23/01/24(火) 19:50:16
と見せかけてssスレだ!
dice1d7でダイスを振って担当ウマ娘と福引に挑戦し、そして引いたシーンのssを書くこと!
時期はURA終了後のシニア二年目
前年の福引で何を引いたかはお好きなように…
【導入】
夕暮れ時の商店街は皆が寒さに追われているのかどこか忙しない。
雑踏に飲まれないよう隣のトレーナーの存在を確かめながら少しゆっくり気味に歩く自分とは対照的だ。
トレーナーがいるのはちょっとした備品の買い出しというだけでそのことに決して他意はないがその時間が不快とも言っていない。帰宅するまでの僅かな時間を内心で密かに楽しんでもいた。
「ただいまセール中! 商店街で買い物をすると豪華賞品の当たる福引に挑戦できるよ~!!」
そんな中耳に飛び込んできたのは盛大な売り文句。そうか、今年もやっていたのかと去年の出来事が思い出される。
隣のトレーナーを見ると目線が合って、恐らく同じ事を考えていたのだろう。にっと笑った後買い物袋から福引券を取りだしてきた。
「お二人様挑戦で~す! 今年は何と賞品も豪華リニューアル! 当たりも大量追加だよ!」
並んで係員の元へ向かうと券を受け取りながら宣伝の口上を語り始めたがそれを無視して会場の目立つ部分に掲示された賞品を一つ一つ確認していく。
dice1d7=3 (3)
(1)特賞:ホテルディナーペアチケット
(2)一等:高級和牛すき焼きセット
(3)二等:遊園地ペアチケット
(4)三等:はちみーフリーサイズ全トッピング無料券
(5)四等:ロイヤルビタージュース
(6)五等:ティッシュ×10
(7)外れ:ティッシュ
なるほど。特賞のランクが少し落ちた代わりに全体的に質を上げたらしい。外れが相変わらずティッシュなのはご愛敬か。
今年の結果はどうなるか、気合と共にハンドルを回した。
- 2スレ主23/01/24(火) 19:51:17
という訳で遊園地ペアチケット引いたので今から書いてきます!
その間に挑戦者求む - 3二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 19:53:38
先に回しとくか dice1d7=5 (5)
- 4二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 20:04:07
回します dice1d7=7 (7)
- 5二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 20:05:18
- 6二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 20:08:58
dice1d7=4 (4)
- 7二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 20:31:02
「ふふ。トレーナーさんが飲んでみますか?」「え゛」
……と、横にいる担当ウマ娘―サイレンススズカは、悪戯っぽくくすくす笑った。
「いや、俺が飲んでもしょうがないって言うか」「でも、トレーナーさんが当てた福引ですから」
「え、それズルくない?」「ふふふ」
ハンドルを握った時は、「二人で一緒に回しましょう」と言っていたじゃないか。
あまりにも奇麗なカウンターパンチに動揺した手が震えて、カップの中のロイヤルビタージュースが怪しく揺れる。
「じゃあ、半分にしよう。二人で回した福引だし、さ」「むぅ……」
……やや不服そうだが、スズカはゆっくりと手を差し出した。どうにも交渉が成立したらしい。
とはいえ同じカップのジュースを回し飲みというのも良くない。商店街の端にあったウォーターサーバーの紙コップを拝借する。
コップに半分ずつ分け合うと、おそらく一口とちょっとくらいの量だ。一口で一気に飲み干した。
「おえ」「ん……」
……すごい味だ。エナジードリンクや栄養剤を飲むことがあるが、あの味は企業努力の成果なんだろうな…と関心した。
一方のスズカは何度か飲んだことがあるはずだが、それでもやや苦しそうだった。
「……トレーナーさん」「うん、何?」
飲み切った紙コップを持ったままのスズカは、やや上目遣いでこっちを見つめている。何かお願いするときは、いつもこの顔だ。
「私がこれを飲んだ後、いつもケーキをくれていましたよね」「うん、そうだね」
これまで何度かスズカにこれを飲んでもらったことがある。とはいえ無理なトレーニングのためではなく、トレーニング後の栄養補給のためだが。
そのたび、口直しとしてケーキを用意していた。
「それで、えっと……トレーナーさんも、今、甘いものが欲しくないですか?」「えっと、それはそうだけど……あ」
もじもじと口ごもって、普段ははっきりと何かを訴えてくるスズカにしては珍しく歯切れが悪い。
しかし今ケーキの用意はないし……いや、そうか。何が言いたいか、ようやく理解した。
「もう少しだけ、付き合ってもらえませんか?」
チラチラと動くスズカの視線の先には、洒脱で、およそ男性一人では入りにくいような空気の喫茶店があった。 - 8二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 20:32:09
- 9二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 20:32:34
よくわからんが回すぞ!
dice1d7=3 (3)
- 10二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 20:40:06
とりあえず回そう
dice1d7=6 (6)
(1)特賞:ホテルディナーペアチケット
(2)一等:高級和牛すき焼きセット
(3)二等:遊園地ペアチケット
(4)三等:はちみーフリーサイズ全トッピング無料券
(5)四等:ロイヤルビタージュース
(6)五等:ティッシュ×10
(7)外れ:ティッシュ
- 11スレ主:タマ編23/01/24(火) 20:41:44
今年もやっていた商店街の福引は去年とは賞品が随分様変わりしていた。それでもタダでもらえるならどれでもありがたいくらいの魅力的な品ばかりで、つい目付きがセールで獲物を狙う時のそれになっていたのか隣の相方が肘でこづいてきた。
「タマモ、顔。……何狙いで行く?」
「せやなぁ、ここは大きくすき焼きセットやな!」
「特賞じゃないんだ」
「あーゆーのは早々当たるもんやないで。まぁ贅沢は言わんからティッシュだけは勘弁してほしいとこやな」
「ああ……去年結構凹んでたからね…」
もらえるだけありがたいとは言っても流石に限度はあった。今年はそうならないよう、ろくに信じてもいない神に祈りつつ勢いをつけてハンドルを回す。零れ出た玉の色は随分鮮やかな色をしていた。
「おめでとうございます! 二等の遊園地ペアチケットです!」
「お、おぉ!? ににに二等やてぇ~!??」
「やったなタマモ!」
「ではこちらをどうぞ! 期限は一ヶ月です」
すぐには現実を理解出来ず呆然としている間に横ではてきぱきと手続きと受け取りが進められていき、正気に戻った時には既に事が終わっていた。
「よかったなぁタマモ。去年のリベンジ成功だ」
「……せやな! 遊園地とか久し振りやしえぇもんもろたな」
「じゃあこれはタマモにあげるから好きに使うといいよ」
「なんでやねん! そこは一緒に行くとこやろ!」
長い付き合い、当然一緒に出掛けるつもりでいたところに梯子を外された。だというのにきょとんとした顔をしていたからボケたつもりはなかったらしい。
「こういう時っていつも家族に、って言ってたから今回もそうかなって」
つまりは過去の己の言動が原因だった。確かに家族に贈り物をすることは多いのだがそれでもたまには。今回くらいは。
「じゃあ好きに使わせてもらうわ……ウチと一緒に行ってください」 - 12スレ主23/01/24(火) 20:43:07
- 13423/01/24(火) 21:52:17
「あちゃ〜〜〜……。」
気合を入れて回したのはいいが、結果はポケットティッシュ1つ。この結果に俺はがっくりと肩を落とした。さすがに申し訳ないと思い、横目で担当ウマ娘、ダイイチルビーの表情を確認すると、
「ふふっ……。」
意外にも、笑っていた。俺は思わず目を丸くする。ダイイチルビーを担当してもう3年になるだろうか。一族の使命を果たすため、常に自分を律していた彼女は、まるで氷の女王のようだった。触れるものすべてを拒絶するような、冷たい態度。「塩い」とあるウマ娘に評されるぐらい硬かった表情は、重圧から解放された今はとても柔らかく見える。それでも、このように笑顔を見せるのは珍しいのだが。
「私の表情が、そんなに可笑しいですか、トレーナーさん。」
すんっ、といつもの表情に戻ってしまった。これはまずい、と思い慌てて訂正する。
「いやっ!そうじゃなくて、やっぱり珍しいと思ったからさ。」
「私にだって、笑うときぐらいあります……。もう。」
そういってくすくす笑う彼女を、まるで珍しい宝石を見たかのように見つめてしまう。感情を表に出すことが少なかった彼女が、今こうして笑えることがこんなにも嬉しいことだと実感する。そう思えば、引いたティッシュにも感謝できそうだ。
「さて……、夕食の時間に間に合わなくなってしまいます。そろそろ帰りましょう。トレーナーさん。」
いつもの表情に戻りながら、ルビーはこちらを見つめて言う。しかし、言葉は急いでいることを示しているものの、俺を置いて行ったりはせず、待ってくれている。隣で歩くことを許してくれているかのように。以前だったらスタスタと前を歩いてしまっているだろうから、なんだか嬉しくなってしまう。 - 14423/01/24(火) 21:53:17
「ああ、今いくよ、ルビー。」
買った備品がたくさん入っている袋を持ち直し、ルビーと一緒に歩き出す。帰り道の間に、他愛の無い話をたくさんした。今日の夕食のこと。ライバルのこと。明日のトレーニングのこと……。担当して間もない頃はこうして交流を図ることも難しかったのだと思うと、過ごしてきた3年間は俺にとっても、もしかしたらルビーにとっても実りのあるものだったのだろう。
「トレーナーさん、送ってくださりありがとうございました。」
「ああ、また明日な。」
そんな他愛の無い話をしていると、いつの間にか寮の入り口に着いていた。俺は少し名残惜しかったが、引き止めるのも悪いと思い、さっさとトレーナー寮へ帰ろうとした。すると───
「トレーナーさん。」
「なっ、なんだ!?」
ルビーに呼び止められた。自分の心の中を読まれてしまったと思い、思わず声が裏返ってしまった。恥ずかしい。
「先程のポケットティッシュ、私にくださいませんか。」
「えっ、これはただのポケットティッシュだぞ?いいのか?」
特賞や1等ならまだしも、明確なはずれであるポケットティッシュをわざわざ欲しがるだろうか。純粋に疑問に思いルビーの顔を見つめていると、少しムッとした表情を見せたあと、俺の手からティッシュを奪い取り、こう言った。
「今日の思い出……です。それでは。」
そうやっていたずらっぽく笑ったルビーの顔を、俺は忘れることはできないだろう。寮のドアが閉まり、備品の入った袋が肩からずり落ちても、俺はそこに立ち尽くしてしまっていた。
「はは……。1本取られたなぁ……。」
- 15423/01/24(火) 21:54:25
- 16二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 21:56:13
とりあえず回してみましょうか
dice1d7=2 (2)
(1)特賞:ホテルディナーペアチケット
(2)一等:高級和牛すき焼きセット
(3)二等:遊園地ペアチケット
(4)三等:はちみーフリーサイズ全トッピング無料券
(5)四等:ロイヤルビタージュース
(6)五等:ティッシュ×10
(7)外れ:ティッシュ
- 17二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 22:08:54
出してぇぇぇえ!(形式美)
dice1d7=1 (1)
(1)特賞:ホテルディナーペアチケット
(2)一等:高級和牛すき焼きセット
(3)二等:遊園地ペアチケット
(4)三等:はちみーフリーサイズ全トッピング無料券
(5)四等:ロイヤルビタージュース
(6)五等:ティッシュ×10
(7)外れ:ティッシュ
- 18スレ主23/01/24(火) 22:17:03
- 19二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 22:39:52
いい題材来いっ
dice1d8=2 (2)
(1)特賞:ホテルディナーペアチケット
(2)副賞:高級和牛すき焼きセット
(3)一等:遊園地ペアチケット
(4) 二等:サポートカードガチャチケット
(5)三等:はちみーフリーサイズ全トッピング無料券
(6)四等:ロイヤルビタージュース
(7)五等:ティッシュ×10
(8)外れ:ティッシュ
- 20二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 22:42:09
- 21>>10(1/2)23/01/24(火) 22:43:35
「ごめんグラス…」
「いえ、トレーナーさんが謝ることでは…」
「いやー、あれだけの啖呵を切ったのにこんな結果になるとは思いもしなかったから…」
ついさっきのことだ。グラスと買い出しに出かけたら商店街で福引をやっていたので1回だけ引くことになった。本来であればグラスに引いてもらおうと思っていたのだが、今年は俺に引いてほしい、とグラスから希望があったので福引を引かせてもらった。結果はティッシュ10個というなんともコメントに困る結果だったが…
「良いものを当ててグラスに羽を伸ばしてもらいたいと思ったんだけど…」
「その気持ちだけで十分ですよ、トレーナーさん」
「でもなあ……あ、そうだ。なんかお願いとかあったりしない?」
「お願い、ですか。そうですね…」
たくさんのティッシュを落とさないようにしながら、考え込むグラスの方を眺める。その横顔は最初に出会った頃に比べると随分と大人びたように感じる。
「…でしたら約束をする、というのはいかがでしょうか」
「約束?」
「はい。来年もここに来て一緒に福引を引く…こんな約束でどうでしょうか?」
「…わかった、約束するよ。来年もグラスと一緒にここに来よう」
「快諾してもらえてよかったです♪……それで後もう1つお願いがあるのですが…」
「良いぞ。どんどんお願いしてくれ」
「ふふっ、嬉しそうですねトレーナーさん。えっと、お願いなのですが……先程の約束のための指切りをしてもらいたいです」
「これまた随分懐かしい…うん、それぐらいならお安い御用だよ」
「では、手を差し出してもらっても?」
「はい」 - 22>>10(2/2)23/01/24(火) 22:44:10
差し出された小指にこちらの小指を絡める。なんだか子供時代に逆戻りしたようで恥ずかしいような、懐かしいような不思議な気持ちだ。
「……ゆーびきりげんまん♪うそつーいたら…」
寒空の下でグラスの歌う声が響き渡る。冬の寒さに負けない、心に直接語りかけるような歌声だ。
「ゆーびきった…」
最後の一言ともにグラスの手が離れていく。なんとなく寂しい気がしたのは、冬特有の物悲しさのせいだろうか。
「約束、しっかり守ってくださいね?」
「もちろん。グラスとの約束、絶対に忘れないよ」
「!……そういうところですよ、トレーナーさん」
「うん、何が?」
「いえ、お気になさらず。それより少しお茶でも飲みに行きませんか?この先におすすめの店があるのですが…」
「そうだな。少しあったまっていこうか」
「はい♪ではご案内しますね」
そうしてグラスの横を歩いていると、ふと思い立った。来年の自分達はどこに向かっているのだろう。
今と変わらず、レースの道を進んでいるのだろうか。それとも、それとは違う別の可能性に向かって道を進めているのだろうか。
…どちらにせよ、グラスがこれからも輝いていけるようにトレーナーとして彼女を導く星であり続けたい、そう心の中で決心するのであった。
ティッシュの難易度だけ異様に高い気がする… - 23423/01/24(火) 22:48:12
- 24923/01/24(火) 22:51:01
「じゃじゃーん!今年も福引き券もらっちゃったの!」
福引き会場を見たマルゼンスキーが、嬉しそうに券を見せびらかしてきた。
「どう?今年もチャレンジしてみない?」
「そうだな、今年はいいものが当たるといいな。」
確か去年はティッシュだったなあ…
「もう、去年のことはいいっこ無しよ!」
頬を膨らませながら彼女が怒っている。可愛くて突っつきたくなったが我慢だ。
「ではでは、今年こそはマルゼンちゃんの幸運を、見せてしんぜましょー!」
そういって彼女は鼻歌交じりにガラガラを回した。
「おめでとうございます!二等の遊園地ペアチケットです!」
「やったぁ!トレーナー君、二等ですって!」
「去年より良くなったな!」
「でしょでしょ?リベンジできて、とっても嬉しいわ!」
満足げな顔で彼女は2枚のチケットをひらひらさせている。
「…ペアチケットみたいなんだけど、トレーナー君、私と一緒に行かない?」
「チヨノオーとかじゃなくて、俺でいいのか?」
「私はトレーナー君と行きたいの。それとも…君は、イヤ…なの?」
彼女が不安そうな顔でこちらを見上げてくる。こんな顔をされて断れるはずもない。それに。
「いや、俺も君と一緒に行きたいと思ってた。今度の土曜日とかどう?」
「やったあ、それじゃ今週末もデートね!楽しみだわ!」
彼女は嬉しそうに俺の腕に抱きついた。周りの目線がちょっと痛い。
「…ほら、福引も引いたし帰ろう。お腹すいちゃった。」
「そうね、今日はシチューにするわ。楽しみにしててね。」
「ところで、遊園地には電車で移動?駅も近いみたいだし。」
「ダメダメ、もちろんタッちゃんで移動よ!移動も楽しまなきゃ!」
「ええ…絶叫系はアトラクションだけでいいよ…」
「もう、そういう冗談はよしこちゃんよ!」
そんなたわいもない会話に幸せを感じながら、俺達は家路へついた。 - 251623/01/24(火) 22:59:05
パチパチと乾いた音とともに、牛脂が香ばしい香りを立てて溶けていく。それを合図に一枚の薄い──花弁のような肉を鍋の中へ。色が変わった頃にさっと割下を回しかけると、脂と柔らかな出汁が渾然となって、えも言われぬ香りが部屋に立ち昇った。やっぱりこの方法で正解だったな…と思いながら、すき焼きの食べ方を伝授してくれたライスシャワーのトレーナーの顔を思い浮かべる。そうしてできた淡い茶色の牛肉を、俺の真正面で待ち伏せていた担当ウマ娘のとんすいへ入れた。
「ありがとうお兄ちゃん♪…んー、やっぱり美味しいっ」
「はは…カレンが喜んでくれたなら、何よりだよ」
この肉は奮発して買ったものではなく、商店街の福引で手に入れたものなのだが…まさか自分が一等を引くとは。隣にいたカレンチャンが「お兄ちゃんとホテルデートもしたかったなぁ〜」とか何とか言っていた気もするが、これはこれで嬉しかったらしい。
「それにしてもさ」
「ん?なあに?」
「今日はウマスタ、更新しなくていいのか?」
「え」
普段なかなか食べられない、A5ランクの国産和牛のすき焼き。バズり間違いなしの恰好のネタだと思うのだが…当のカレンは、鳩が豆鉄砲を喰らったように目をまん丸にしていた。生卵を割ろうとする手まで止まっている。彼女にしては珍しいなと眺めていると、
「…うん、今日はね、」
少し俯きながら言葉を紡ぎ出した。
「今日この時間は、誰にも邪魔されたくないの。お兄ちゃんと二人きりの時間にしたくて」
「……そっか」
「嫌だった?」
「そんなこと」
「ふふっ、知ってる♪」
ほらほらと急かされ、用意していた野菜や焼き豆腐をどさどさと入れる。すっかりいつもの調子に戻ったカレンと囲む笑顔の食卓。またこんな風に、二人きりの時間を過ごせたら。甘い香りに鼻腔を擽られながら、淡い想いを抱いたのだった。 - 26二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 23:03:50
「おめでとうございます!4等のロイヤルビタージュースパック詰め合わせでーす!」
思わず笑ってしまった。まさか彼女が喜ばない景品としてこれ以上のものがあるだろうか、いやない、とまで言えるものを引き当ててしまった。
「チッ。......やる。」
「え〜?せっかくブライアンが当てたものだし俺が受け取るのは忍びないよ〜。」
「クソッ。何でよりによってこれなんだ。これならまだティッシュをもらった方が有意義だ。」
「いやいや、普段から食べてない分の栄養をこれで補えるんだから使いなよ。これちゃんと飲んでたら当面の間野菜食べてって言わないから。」
「何だと......。くっ、野菜を食べるよりマシか...?」
「そうそう。食感が無い分野菜食べるよりも嫌なこと少ないよきっと。むしろジュースって言ってるし福引で当たるような良いやつだから飲みやすいように多少は味付けされてるよきっと。」
「何だか乗せられてるような気がするが......まぁいい。飲んでる間は野菜は食わんからな。約束だぞ。」
「どれだけ嫌なんだよ...ま、約束だからね。気に入ったらこれ続けてもいいかもね。」
トレーナーは知っていた。そのジュースは栄養の面ではアスリートを始めとした著名人が愛飲している優れ物だが、良薬口に苦しと味の方はあまり評判が良くないものであることを。しかし、福引を引き当てた瞬間、トレーナーに電流が走った。ブライアンの栄養管理と野菜克服への妙案を思いついたのだ。
- 27スレ主23/01/24(火) 23:12:03
すいませんへんな枠作って…
育成で1個でがっかりなら10個もあればまぁマシだろ!の精神で入れてみました
二回目の福引だからまた次もと約束を取り付けるのがエモい
あと指の離れるシーンの描写が好きです
頬がちょっと赤いのは寒さのせいですかね…育成後にはこういう笑顔が見られる関係でありたい
熟成されたカップルのやり取りが本家のようだ…
流れるようなデートの誘いにちょっと笑ってしまいます
まだホテルデートは早いというダイス神からの思し召し
でもお家デートは当然の如くこなすイチャイチャっぷり
いじらしい子ですわ本当に
これはひどい
飲んだ後のブライアンのご機嫌取りが大変そうだなぁとシンプルに後日談想像して笑っちゃいます
一度は飲んでも次は飲んでくれるのか…?
- 28二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 23:27:00
「な、何だこれは......この世のものとは思えん苦味だ......。うっ」
涙目になりながら、一口目を飲み込むブライアン。
「話が違うぞ!味がマシなんじゃなかったのか!」
「俺はマシかもしれないと言っただけでそうとは言ってないよ。約束は覚えてるよな、ブライアン?」
「ぐっ...あんた、覚えておけよ。......というかこれ飲んでみろ。飲み続けろなんて言えなくなるぞ。」
「ふむ、じゃあ一口。...うお、こりゃすごいな。めちゃめちゃ身体に良さそう。」
不味いことは知ってたが、体験するのはトレーナーも初めてだった。子供の時嫌いな野菜をどうにかこうにか飲み込んだ時の"苦い"記憶が蘇る。だが、自分も本気で嫌がる所を見せれば、作戦はより確実なものとなる。
「こんなもの飲んでたら身体は良くても走る気にならん。」
「うーん、流石にこれはブライアンの言うことにも一理あるなぁ。仕方ない、じゃあ、はいこれ。」
「ん、またジュースか?私の言い分に理があると言っただろう。」
「さっきのやつとは別のやつだから。一回飲んでみて。」
市販の野菜・果物ジュースを渡す。と言っても、砂糖が多く入ってるものが殆どなので適切なものを見つけるのはかなり苦労したが。
「!......うま、いや、不味くは、ない。」
言葉は濁してるが、間違いなく手応えありだ。
「良かった。これなら飲み続けられそう?」
「.....まぁ、約束を守ってやらんこともない。」
「うんうん。ちゃんとこのセット飲み続けられたら、焼肉行こうな。」
「......!任せておけ。この程度造作もない。」
(今、明らかに目が光ったな。可愛すぎだろこやつめ。)
ドアインザフェイス大作戦成功である。最初に大人でも嫌がるようなジュースを飲ませて、その後にブライアンの舌に合わせたものを飲ませれば頑固なブライアンでも落とせるだろうというトレーナーの考えは見事に的中。その後も、アマさんの弁当やハヤヒデの料理の野菜だけじゃなく、寮やカフェテラスの食事でも食べることが増えたそうな。
- 291923/01/25(水) 07:39:40
「おお! 高級和牛すき焼きセットだって!」
勢いよく卓上を跳ねた赤色の球を見るや否や、担当ウマ娘のセイウンスカイが歓喜の声を上げた。
カランカランと高らかに鳴り響くベルの音すら掻き消すほどに、彼女は珍しく燥いでいる。
「あれ? トレーナーさんは嬉しくないんですか?」
スカイが私の顔を覗き込みながら不思議そうに問う。
心配されるほどの表情をしていただろうか? そう思いつつも、若干苦い思い出を想起していた事実はある。
とはいっても大したことでもないので、あれは去年のこと……といった切り口でスカイにも話すことにした。
「……ぷっ、あはははははは!!」
「え、笑うなんて酷い」
私の話が終わるより早く、スカイは堪え切れない、と言うが如く笑い始めた。
「ごめんごめん、だって……ふふっ、何事かと思ったんですもん」
「私にとっては深刻な問題なの」
そうは言うものの、彼女がつい笑ってしまうのも仕方ないことではある。
ちょうど1年前の福引の日、惜しくも温泉を逃して当てた1等の特上にんじんハンバーグを2人で分けて食べたあの日……。
他のウマ娘と比べてもそこまで大食いな方ではないスカイは、自分のためにハンバーグを多く切り分けてくれた。
無論、福引の景品を当てたのはトレーナーさんだから、という彼女の善意であることは言うまでもない。
だからこそ、その時は言い出すことができなかった。
最近太ってきた、と - 3019-223/01/25(水) 07:41:18
思い返してみれば、正月明けからトレーナーさんの食生活が変わっていたような……そんな気がする。
カップ麺やエナドリばかり積まれてたトレーナー室の棚はいつの間にか空になり、トレーナーさんはお弁当を持参するようになった。
たまに摘んで食べさせてもらうこともあったけど、その時も嫌な顔せずむしろ嬉しそうにしてたっけ。
「なるほど、そういうことでしたか~」
「うぅ、恥ずかしい……」
ただ、私にはトレーナーさんの体つきの変化は気づけなかった。いや、私に限らず、他の誰もが気づいていなかったんじゃないかと思う。
いつも真っ直ぐなだけに、こういう所にもストイックさが表れているなと感じた。
「トレーナーさん……セイちゃんが無断欠席した日、覚えてます?」
「……? もちろん。忘れるわけないよ」
「怖くてもぶつかれば何かが変わるって、それを伝えるためだけに海に飛び込んで……」
「ふふ、印象に残るかなって」
「あの時の光景は鮮明に記憶に残ってるんですけど……ずぶ濡れのトレーナーさん、凄く綺麗でしたよ」
「へっ!?」
トレーナーさんの顔が一瞬のうちに紅潮する。
少しだけ、私の中で悪戯心が芽生えた。
「夏も終わりかけとはいえ暑い日だったからYシャツ姿だったじゃないですか。だから……その、張り付いて……出てたんですよ。身体のラインが……」
「あ、あ…」
「でも、その時のトレーナーさん……スタイル良かったですよ。全然太ってなんかいませんでした」
「うぇっ!? ちょ……」
どこかで見覚えのある反応でトレーナーさんが顔を覆い隠す。ここまで余裕のないトレーナーさんを見るのは初めてのことで、相当気にしていたことが窺えた。 - 3119-323/01/25(水) 07:43:45
- 32二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 13:37:55
- 33二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 13:45:38
ふむ
dice1d7=3 (3)
- 34二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 16:13:51
- 35二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 16:23:48
ロブロイ、よーし、運試しだ!
dice1d7=2 (2)
- 36二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 16:31:24
dice1d7=5 (5)
いくぞオグリ!!
- 37二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 22:05:46
保守
- 38二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 07:29:56
作品が来るまでこのスレを守る
- 39二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 11:16:48
しばらく忙しいので書けないかもしれせん…
時間置いて別スレ建てて披露するので気長にお待ちください!!ホント無理に保守する必要はないですm(_ _)m - 40二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 11:55:44
- 41スレ主23/01/26(木) 18:08:58
何だかカテゴリ全体で荒れ模様なのでこのスレも無理に延命させずにいた方がいいですね
このスレが創作のネタになったなら幸いです
どこかでお目に掛かるのを待ってます - 42二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 18:59:50
dice1d7=3 (3)
せめて福引でもさせて…
- 43二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 22:16:22
荒らし去ったっぽいしこのままでも大丈夫なんじゃないかな?
- 44二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 23:36:37
書きたい人は書けばいいのだ
dice1d7=6 (6)
- 45二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 00:50:13
ほしゅなのだ
- 46二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 01:13:27
このレスは削除されています
- 47二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 04:20:27
回してみます
dice1d7=3 (3)
- 484723/01/27(金) 06:51:23
「トレーナーさん!福引やってますよ!」
「そういえば福引券貰ったな。去年は大当たりだったよな。」
「はい、あのときはおじさんのご厚意で回せたんですよね…。」
トレーナーさんと買い物を終えて学園に戻ろうとしたとき、ふと見かけた福引に胸を踊らせてしまう。トレーナーさんが言う通り去年は温泉が当たってすごく楽しかった。でもブレーキ効かなかったからはしゃぎすぎちゃったんだよね…。
「あはは…あのときは羽目を外しすぎました…。」
「あんなキタサン見るのはなかなかないから、見ることが出来て良かったけどなぁ。」
「もう!からかわないでくださいよぉ!」
あのときのことを言われると照れてしまうからやめてほしいのに…。赤くなってしまう顔をなんとかトレーナーさんに見られないようにしながら商品を見てみる。今年の福引は去年のものとは大きく商品が変わっていて、ティッシュ以外はどれも魅力的だ。いや、ロイヤルビタージュースどうかな…。あたしは少し苦手だからなるべく当てたくはないかも…。うん、何があるかはよくわかった。よ~し、気合い入れて頑張ろう!福引はお祭り!
「いいの当てますよ!今回も一緒に回しましょうトレーナーさん!」
「あぁ行こう!」
福引券をいざ尋常に勝負!気合を入れて回したら出てきた玉は金ではなかったけど白でもない。いいのでありますように!
「おめでとうございます!二等の遊園地ペアチケットです!」
「やりました!二等ですよ、二等!」
「おめでとうキタサン。」
「えへへ、すごく嬉しいです!」
手渡されたチケットはあたしの手の中に収められた。でもペアチケットかぁ。誘いたい人は決まっている。でもそういうのは少し照れくさいのだ。
「誰と行くんだ?やっぱりダイヤモンドと行くのか?それともテイオーとか?」
「あはは…そうですね…。えっと…。」 - 4947 終わり23/01/27(金) 06:52:43
うう…誘うとなるとだいぶ緊張するよぉ…。手に持っているチケットがまるで縛り付けられてるみたいに離れてくれない…。頑張れあたし!なかなか離れてくれないチケットをトレーナーさんの前に差し出した。
「と、トレーナーさん!あたしと一緒に遊園地に行きませんか!」
「俺とか?ありがたいけどいいのか?」
「もちろんです!これはあたしとトレーナーさんで手に入れたものです!一緒に楽しみたいです!」
少し考える様子だったけどすぐに考えが決まったみたいで差し出したチケットを取ってくれた。あれだけ離れないチケットは嘘みたいにあっさりとトレーナーさんの手に渡った。受け取ってくれたことが嬉しくて思わず歌いだしたい気分になるけど我慢しなきゃ!
「わかった。いつぐらいがいいかな?」
「ありがとうございますトレーナーさん!えっと確か来週は何も予定がなかったですよね…。」
すぐに予定を確認するトレーナーさんを横目に見ながら考えを巡らせる。ジェットコースターとかもいいよね。メリーゴーランドはちょっと恥ずかしいかも。最後は観覧車に乗っちゃったり!?どんどん膨らんでくる楽しい気持ち。予定が大丈夫なのを確認したのかこちらに顔を向けてくれていた。
「うん、来週ぐらいに一緒に行こう。改めてよろしくなキタサン。」
「はい!よろしくお願いしますトレーナーさん!また羽目を外しちゃうかもしれませんけど、その時はお願いしますね!」
「お手柔らかに頼むな。」
少しスキップしながら歩きだすあたしとそれを横目に微笑ましそうに隣を歩くトレーナーさん。早く来週にならないかな!そう思いながら帰路につくのだった - 50二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 13:21:36
保守
- 51二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 17:38:27
dice1d7=7 (7)
(1)特賞:ホテルディナーペアチケット
(2)一等:高級和牛すき焼きセット
(3)二等:遊園地ペアチケット
(4)三等:はちみーフリーサイズ全トッピング無料券
(5)四等:ロイヤルビタージュース
(6)五等:ティッシュ×10
(7)外れ:ティッシュ
引いてから考える