閲覧注意 エリアゼロが全裸必須地帯だったら完結編 オモダカさん同行編

  • 1二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 22:34:22

    いよいよここまで来れました。完結編です。

    スレ絵は絵師さんが描いてくれました。

     

    ①本編1

    閲覧注意 エリアゼロが全裸必須地帯だったら|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/board/1402299/しょうがないよね、こんな見ちゃったら、書いちゃうよねbbs.animanch.com

    ②本編2

    閲覧注意 エリアゼロが全裸必須地帯だったら part 2|あにまん掲示板前スレhttps://bbs.animanch.com/board/1410158/?res=184スレ絵は絵師さんが描いてくれました。あらすじペパーはサワロ・タイム・クラベルの3人の師の教えとともに…bbs.animanch.com

    ③ペパーヌードモデル編

    閲覧注意 エリアゼロが全裸必須地帯だったら ぺパーヌードモデル編|あにまん掲示板あけおめこの前書いたやつ①https://bbs.animanch.com/board/1410158/②https://bbs.animanch.com/board/1421007/時系列的には続き…bbs.animanch.com

    ④チリちゃん引率編1

    閲覧注意 エリアゼロが全裸必須地帯だったら チリちゃん引率編|あにまん掲示板前書いたやつ数々の絵師さんたちの協力もあって楽しいスレになりました。①https://bbs.animanch.com/board/1410158/②https://bbs.animanch.com/…bbs.animanch.com

    ⑤チリちゃん引率編2

    閲覧注意 エリアゼロが全裸必須地帯だったら チリちゃん引率編|あにまん掲示板いたって真面目な冒険ssです。誓って真面目です。あらすじパルデアの生物調査機関からのパラドックスポケモンの調査依頼を受けたオモダカ。アオイとネモはオモダカからの話を快諾する。が、チリは子どもだけで危険…bbs.animanch.com

    ⑥ナンジャモ不審者遭遇編

    閲覧注意 エリアゼロが全裸必須地帯だったら ナンジャモ不審者遭遇編|あにまん掲示板ハロー、あにまん民前回書いたssが少々物騒な話だったから今回は平和にいきたいスレ絵は前スレで絵師さんが描いてくれたヤツbbs.animanch.com
  • 2二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 22:35:10

    雲海を眺めるアオイの表情は硬い。幼い顔立ちに不釣り合いな眉間の皺は、彼女の緊張と恐怖、そしてそれを乗り越える強い意志を示している。これからの戦いは、あのときと同じ、守るための戦いである。それもパルデア全土を守るための命がけの戦いである。
    大穴に入る前からでも分かる、駆け巡るような緊張感。この奥底にアイツがいる。

    チリと共に戦ったあの冒険からひと月、ポケモンリーグ本部は騒然としていた。

    ツバサノオウと四天王の戦い、その顛末が職員たちにも伝わったからである。結果として、四天王は全員無事であり、損害なく敵を追い返した形となり、四天王側の勝利と言える。しかし、実際には四天王たちの力ももってしても仕留めること叶わず、それどころか深手を与えることもできず、ツバサノオウは気まぐれのように巣穴に帰っていったとのこと。

    パルデア最強の4人が仕留めきれないポケモンが、大穴にはいる。その事実は、多くの者にとって恐怖を伴うニュースであった。

    ところ代わってテーブルシティのアカデミーにも、このニュースを独自に掴み、危機感を覚えている者たちがいた。

    アオイ、ネモ、ボタン、ペパーの4人は、ボタンの部屋に集まって、リーグ職員たちに極秘に配布された資料に目を通していた。

    一同の胸に去来した思いは実に複雑である。
    チリをはじめとする四天王たちが無事でいたのは喜ばしい。だが、彼らでも仕留め切れなかったということ、つまり、ヤツがまだ野放しでいるということは、看過できることではない。

    そして、もう一つ見過ごせない報告。
    エリアゼロのバリアを突破するポケモンが出てきたという一報である。パラドックスポケモンでもない、エリアゼロの通常種たちが突破できるほどにバリアの効力が弱まっているということの証左であった。

    エリアゼロの性質上、大部隊を組んで突入することはできない。そして自分たち以上にあの死地について詳しい者たちもいない。

    4人は決意した。今度こそ、全てを終わらせに行くと。
    他の誰でもない、自分たちの手で終わらせなくてはならないと。

    ボタンの部屋の中、力強く意気込む彼らは、今、服を着ていない。

  • 3二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 22:35:34

    リーグ本部、オモダカの私室に集まっていた四天王の面々。その表情は暗い。普段感情の機微を見せないアオキですら、額を歪ませて口を真一文字に結んでいる。
    チリやハッサク、年少のポピーですら同様であった。

    トップは彼らの気持ちをよく分かっていた。同時に悔しくもあった。彼らは自身が腕づくで集めた最強の戦士たちである。戦いに対する彼らの心意気、備え、誇りは十二分に承知している。全力を出しただろう。全力で戦っただろう。それでも敵を逃したということ。その事実が彼ら自身をどれほど責めているだろうか。
    失態などではない。誇り高い彼らにかけるべき言葉は感謝と激励のはずである。

    いまこうしている間にも、バリアを突き破って無数の凶暴なポケモンたちが抜け出してくるかもしれない。そうなれば、パルデアの美しい自然と豊かな文化は踏みにじられ、力と殺意だけが渦巻く修羅の巷となるは必定である。

    オモダカは長い沈黙の末、静かに口を開いた。それは奇しくもボタンの部屋でアオイが口を開いたタイミングと同じだった。

    「かの暴威は、必ずや止めねばなりません」
    「アイツはぜったい止めなきゃいけない」

    「パルデアの未来のため」
    「みんなを守るため」


    「私が行きます」
    「私がやる」


    希望を騙り人為を呑み込む絶望の淵、人外魔境のパルデアの大穴エリアゼロ。その死地は2度の冒険を経てもなお、魔物を擁する試練の宮である。

    古代から続く因縁を断ち切り、輝かしい未来へとつなげるため
    冒険者たちは、再び死地を踏む。
    決意から数日、オモダカはチリを伴ってゼロゲートへと訪れていたが、そこにいたのは、4人の学生たち。その姿を見たオモダカは、彼女の人生としては片手で数えられる程に珍しく、驚愕して声を失っていた。

    ネモ・アオイ・ボタンは全裸となっていたのだから。

  • 4二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 22:36:01

    「一体・・・ここで何を・・・?」困惑はしているがオモダカはあくまで穏やかに、アオイたちにその意図を確認した。この質問は、なぜここに居るのかという意味も含んでいるはずだが、オモダカの関心は完全に3人が全裸になって着衣のペパーを囲んでいる理由に集中していた。

    アオイは迷っていた。正直に言えばきっと子どもは帰れと言われるのだろうということは分かる。しかし、このオモダカを相手に嘘をつき通せる自信が全くないのも、また確信的。質問の答えを待つオモダカになんと返すべきだろうか。

    アオイが選択したのは、偽らないことであった。

    「オモダカさん、私たち、大穴に行きます。」目を据えてオモダカの顔をじっと見るアオイ。
    「 ・ ・ ・ 」オモダカは何も言わない。

    「ツバサノオウは、あのポケモンは、コライドンと同じ種類です。コライドンをいじめて縄張りから追い出した。
    それだけなら自然のことだからいいけど、ツバサノオウがあそこに居続ける限り、大穴のポケモンたちは安心して暮らせない。

    でも、あのポケモンだってもともとは古代の世界に暮らしてたのを急に連れてこられて、マスターボールで操られて、傷ついた被害者です。
    だから私が、コライドンのトレーナーの私が止めてあげなきゃ・・・。」

    アオイは最後まで言うことができなかった。思いがあふれて来たからである。オーリム博士がどんな想いを託していったか、コライドンがどんな思いで大穴から抜け出たか、ペパーがどんな思いで博士AIを見送ったか。

    この大穴は、食らってきた想いが多すぎる。その大きすぎる想いは、他人に任せきりにはできない。

    「オモダカさん・・・」アオイは少し泣きそうな目になってしまった。
    「 ・ ・ ・ 」オモダカはそれでも何も言わない。

    「トップ」アオイの隣にいたネモが一歩前に出て、スッと頭を下げた。

  • 5二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 22:36:23

    「トップ、お願いします。私たちをこのまま行かせてください。」このときのネモの心の中には、強敵の勝負に踊る気持ちなど微塵もなかった。ただ純粋にパルデアを守る戦士として、そしてアオイの親友として、大穴に臨む気構えであった。

    「お願いします、オモダカさん」ボタンも頭を下げる。彼女はオモダカには大恩があり、逆らう気など毛頭ない。だからこそ、誠心誠意を込めて頭を下げるのみであった。

    「・・・お願いします。」ペパーも多くは語らない。一人だけ着衣の状態だったが、それでもその心は3人と寸毫も変わらない。

    アオイも改めて頭を下げた。良識ある大人に子どもが死地に赴くのを止めるなと言っているのだと、アオイたちには分かっていた。それ故に、ただただ、頭を下げる4人。

    その心は、パルデアを守るため。その一念である。

  • 6二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 22:36:48

    「・・・みなさん」少しの沈黙の後、オモダカは静かに、それでいてよく通る声で話始めた。

    「みなさんは、少々勘違いをしてしまっています。私は皆さんを止めるためにここに来たのではありません。かの暴威、ツバサノオウを止めに来たのです。」その言葉に4人は頭を上げた。

    「トップ・・・!それって!」ネモの顔が明るくなる。
    オモダカの後ろで目を細めて微笑むチリ。すでに上半身の上着は脱いでいる。

    「ええ、ご一緒しましょう。あなたたちが来てくれるのなら、私もチリも心強いです。」にこりと微笑むオモダカ。

    実際は、この場で直談判されている時点でオモダカの負けであった。この4人は帰れと言われて帰るような者たちではない。戦闘力最強の二人に加えて、技術力においても無比の天才ボタンを擁し、大穴の滞在経験の長いペパーがいる最強チームを抑えておける人材など、パルデアどころか世界中を探してもそう簡単には見つからないだろう。結局、自分と共に行動してもらい、必要なら命を賭して守るしかないと判断したオモダカは、決して間違ってはいない。

    彼女はまだネモやアオイの戦闘力とボタンの技術力しか知らず、ペパーたちの冒険家としての練度を知らないため、守るべき子どもと捉えるのは当然である。その認識も数刻後には改められることになるのだが。

  • 7二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 22:37:20

    「やった!トップと一緒に冒険!チリさんも!夢みたい!」ネモは心の底からオモダカを尊敬している。その憧れの人とともに冒険できるワクワク感に、ネモの目は燦然と輝いた。

    「さて、それともう一つ聞きたいことが。」

    「…?なんですか?」きょとんとした表情でアオイが問う。
    「なぜ裸に?」オモダカは穏やかに笑ってはいるものの、その常識を超えた自体に少々困惑していた。

    「あれ?トップ、報告書上げましたけども・・・あ~、書記さんが誤字や思て修正してもうたんやな・・・」と、気まずそうに言うチリはすでに上下ともに下着姿になっている。

    「オモダカさん、エリアゼロでは布類は危険です。せいぜい靴とか手袋くらいで、大きい布類はテラスタル粒子の急成長で肌を傷つけるかもしれないんです。」アオイが眉を八の字にして困ったように言う。

    「そんな性質が・・・?」にわかには信じがたい話を聞いているはずだが、オモダカの余裕をたたえた姿勢は変わらない。

    「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・////・・・・・分かりました。」

    返答と同時にがばっと上着を脱ぐオモダカ。思い切りのいい動きはその生きざまを表しているかのようである。みるみるうちに肌面積を増していくその姿。すらりと伸びた脚とくっきりとした腰のくびれは、隣に立つチリと共に、アオイたちに大人の女性の魅力とは何たるものかを教えてくれる。

    トップチャンピオン オモダカ

    その全裸の降臨である。

  • 8二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 22:37:51

    「人前で肌を晒すなど随分久しぶりに感じます。少々照れますね。ふふ」ほんのりと微笑むオモダカの表情に羞恥心のかけらなどは見て取れない。

    実際、アオイたちは女性の肉体を見ている気分ではなく、一種の宗教画を見るような心持ちであった。

    ゼロゲートの標高は高い。パルデアを照らす太陽は平地よりも少し側面から、その光を届けてくれる。結果、ほのかに後光が差しているかのように見えている。傍らに立つチリも今や全裸であり、彼女の美肢もまた極上。至高の芸術が放つ眩しさすら感じさせる、二人の立ち姿はまるで一枚絵のようにアオイたちの心を打つものであった。

    「ふふ、それでは出発、といきたいところですが、もう一つ問題がありますね。」

    「こうして脱衣を終え、出発の準備を整えましたが、」

    「ペパーさんは、なぜ着衣のままなのですか?」

    「せやなぁ、こんだけ女子たちに脱がせといて、そらアカンわな」

    「そうだよ・・・おかしいよ・・・ずっと待ってたのに・・・ペパーが脱ぐの待ってたのに・・・」

    「ペパーも脱ごー!」「まぁ脱いだ方がいいじゃん?」


    「さ、皆さん。ペパーさんの脱衣を手伝ってあげましょう。」

  • 9二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 22:38:28

    オモダカは多少はしゃいでいた。普段あらゆる重責を一身に担っているオモダカだが、そんな彼女も一人の人間。無理をすればひずみも生じる。衣服からの解放はほんの少しではあるが、オモダカのリフレッシュへとつながっていた。

    群がる女子たちに衣服をはぎ取られるペパー。アオイの手が多少荒っぽくなっていたが、逸る心がさせたものとして許してやるべきだろう。あっという間に下半身の下着一枚というところまで剥かれてしまった。

    ノータイムでその下着に手をかけるアオイ。ペパーの抵抗が入る前に、両手に力を込めて思い切り引き下ろす、かと思いきや、その手はオモダカに止められていた。

    「チャンピオンアオイ、少々拙速が過ぎますよ」アオイの手を柔らかく制止し、にこりと微笑むオモダカ。

    「下着というのは大切なものです。それを他者が乱暴に扱ってはいけません。最後は本人にお願いするのがよいでしょう。」

    「せやな」
    「賛成!」
    「たしかに」
      


    「「「「「 さ 、 早 く 自 分 で パ ン ツ 下 ろ し て ?」」」」

  • 10二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 22:40:10

    >>9

    もはやお約束のシーン

  • 11二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 22:41:45

    本当にありがとう。女子に脱がされるペパーからしか得られない栄養があるんだ
    でもそれももうこれで終わりか……寂しくなるな

  • 12二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 22:41:54

    伝統芸能

  • 13二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 22:44:02

    もはや5回目ともなればお約束である

  • 14二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 23:27:30

    “下着というのは大切なものです。それを他者が乱暴に扱ってはいけません”
    下着に限った話じゃないと思うんですけど

  • 15二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 23:35:03

    さあ…そのまま見せてくれ…キミのエクスカリバー…

  • 16二次元好きの匿名さん23/01/24(火) 23:36:58

    アオイちゃんがだんだん露骨になってきてるな、いい傾向だ

  • 17二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 07:20:20

    >>16

    今回で番外編も最後だからぜひとも頑張って欲しいですね

  • 18二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 10:45:16

    互いに見知った女子たちに見られながら、自ら下着を下ろす。

    その羞恥の宴も、これで5回目である。ペパーは予感していた。これが最後になるだろうと。

    いかに回数を重ねたところでその燃え盛るような羞恥心をなだめられるわけでもない。結局は顔に火がともるような恥ずかしさを感じながら、どうにかバランスをとりつつ、なけなしの尊厳を守るしかない。それがペパーに課せられた運命であり、また、使命でもあった。

    アオイはそんな羞恥に歪むペパーの顔を見て心がざわつくのを感じていた。

    ペパーが顔を紅くしている。ペパーが恥ずかしがっている。ペパーが頑張っている。ペパーが我慢している。

    アオイの中に渦巻く感情は数あれど、その大元はただ一念。
    「ペパーだいすき」この一念のみである。

    ペパーの服をはぎ取っていくときには天にも昇らんばかりの幸福感を感じていた。下着に手をかけたときには心と体が一つになるような統一感を感じていた。雑念がなかった。煩悩もなかった。そこにあるのは、まさしく純粋な愛であった。

    オモダカによってその手を止められたとき、アオイの目には傍らで微笑みながら佇むオモダカが邪知暴虐の王のように感じられた。だが、自分で脱いでもらおうという提案を聞いたときには、やはりトップは一味違う、と尊敬を強めたアオイだった。

    いずれにしても、いま、アオイの目の前には、顔を真っ赤にしていざパンツを下ろさんとするペパーがいる。アオイにはそれだけで良かった。それだけで幸せだった。ただ彼女にも予感があった。この至福の時も、もうこれでおしまいになるだろうという予感が。

  • 19二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 10:45:39

    時刻はまだ早い。太陽はその光に優しさを含んだまま、ペパーを正面から照らしている。燦燦とではなく、煌煌とではなく、あくまで優しく、背中を押すように照らしている。このパルデアの大地は、偉大なる母オーリムが愛した地である。自らの狂気から守ることを託してくれた大地である。オーリムAIが古代の世界を旅した大地である。

    その大いなる地の上で、ペパーはいま全裸になる。

    下へ下へ。万物はなにも上ることだけ吉業ではない。樹木が大地に根を張るように、足が地を踏みしめるように、人が血脈を繋げていくように、下りゆく様にも吉兆は宿る。下へ下へと降りていくペパーの両手とその中の下着は、大いなる戦いへと臨む戦士たちの重厚な心構えを暗示しているかのようだった。

    古今東西、封印を解かれた龍が真っ先にすることは、猛き咆哮と決まっている。ペパーの龍も窮屈な布地の封印から顔をのぞかせた途端に荒れ狂い、その身をペパーの腹に打ち付けた。エリアゼロの静寂の中に「べちん」という音がかすかに響いたとき、ペパーは人が魔道に堕ちるときはこんな気持ちなのかと見識を深めたのだった。また、アオイにとってはその音は多少の恐怖を伴いつつも雄々しい、戦太鼓のような響きとして受け入れられた。

    現れた龍を前に、オモダカは一言、つぶやく。

    「パルデアの未来は実に明るい」

  • 20二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 11:37:55

    大丈夫?オモダカさんもうすでに頭のネジどころか基盤外れかかってない?

  • 21二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 13:54:54

    穏やかに言ってそう

  • 22二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 14:22:59

    クラベル編が無いまま最終章になってる……

  • 23二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 14:39:47

    >>22

    レホール先生エリアゼロ不法侵入もないなんて…

  • 24二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 14:46:34

    >>22

    やましい事が無くても流石に校長が自校の女生徒の前で裸になったり裸見たりするのはちょっと洒落にならなくなっちゃうから……

  • 25二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 15:41:46

    >>23

    スレ主です。この話が完結したらちょっとその辺り詳しく聞きたいんですけども。主にレホール先生のしなやかなお腹周りについて考察をまとめておいてもらえると助かります。今回の章はすぐには終わらないので十分に時間をかけて考えを深めておいてください。よろしくお願いいたします。

  • 26二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 17:41:43

    >>1

    このトップめちゃくちゃ好み♡

  • 27二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 17:43:22

    >>25

    いつでも待ってます

  • 28二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 17:52:03

    >>24

    成人男性の全裸は流石にアウトなのでしょうなァ…

    そもそも成人女性の全裸の時点で大概だけど!

  • 29二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 18:43:03

    >>28

    成人じゃなくてもアウトでは・・・

  • 30二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:04:43

    全裸になったぺパーを伍に加え、いよいよ大穴へと臨む。一列に並んで太陽の光を浴びる6人。

    腕を組んで不敵に笑うネモ。

    眼鏡の奥に確かな意力を宿らせるボタン

    逆八の字に眉をひそめて闘志をたぎらせるアオイ

    健康が疑われる程赤面しているが、カラダを隠すことを諦めたペパー

    胸と下半身を隠してほんのりと頬を染めるチリ

    同じく胸と下半身を隠してはいるが、穏やかな微笑みの中に確かな意志の力を感じさせるオモダカ

    一行は覚悟を新たに、死地への一歩を全裸で踏み出す。

    「いざ、大穴へ・・・といきたいところですが、この施設には下降装置がないのでしょうか。このワープ装置のような機械も壊れていますね・・・。」

    前回の冒険の際にツバサノオウの追跡してくるのを防ぐため破壊したワープ装置。もし機能が生きていればボタンの技術力で復旧させることもできたかもしれないが、機械は動きを止めたまま、何も起こりはしなかった。

    全裸で飛ぶしかない。

    元よりアオイたちはそのつもりだった。ワープ装置は一人ずつしか使えない。もしワープしたその先に、ツバサノオウが居たら・・・。いや、ツバサノオウでなくともポケモンを繰り出す隙もなく襲われれば通常種でさえ命取りになるのが、ここエリアゼロである。ワープ装置が生きていたとしても、コライドンの背に乗って降りる方が戦略的に安全な手段かもしれない。

    今回は裸6人であるため、さすがにコライドンの背に乗りきらない。重量的にはなんの問題もないし、実際にはコライドンの大きな背は6人を運ぶこともできるだろう。だが、さすがに密集状態になるためトレーナーたちの動きは大きく制限される。

    そのため、今回はアオイのチルタリスに裸のネモとボタンが、コライドンの背に裸のチリとオモダカ、アオイとペパーが乗ることにした。この状態ならある程度スピードと動作性を確保できる。さすがに全裸を4人乗せて疾走形態になるのは無理があるが、滑空だけだなら問題ない。

  • 31二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:04:55

    助走を始めるコライドンとチルタリス。ペパーはアオイの腰を両手でしっかりと掴んでいる。アオイはペパーの手の感触を受け、まるで電撃を浴びたのような感覚になっていたが、当のペパーは背中に当たるオモダカの上半身、チリにはなかった2つの何かに宇宙を感じていた。

    そんなペパーだったが、いざ滑空が始まるとさすがに気を引き締めざるを得なかった。なにせ前回の冒険のときは滑空中に襲撃されたのだから。ジバコイル・ガブリアスとの空戦、そして着地直後を狙ってきたアーマーガアとの戦い。

    最初の冒険のときより明らかに強く、かつ凶暴になっていた。もしその傾向が続いているのだとしたら、今回の冒険でも苛烈な戦いが繰り広げられるに違いない。血で血を洗い、裸で裸を削る、苛烈な戦いが。

  • 32二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:06:07

    >>30

    ワンピースのエニエスロビーみたいに並んでる絵が浮かんだけど、全裸なんだよね

  • 332323/01/25(水) 19:46:11

    >>25

    あなたは神か?

    ありがてぇありがてぇ…

  • 34二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 22:22:11

    ネモとボタンの乗ったチルタリスは、本来なら高らかに歌って戦意を高揚させてくれただろう。だが、残念ながらそうはいかなかった。

    分厚い雲のバリアを抜けた一行の前に現れたのは、前回の冒険でも戦った難敵ワタッコの大群だった。あのときは、事故だったとはいえ結果的には、アオイのファイアローが粉塵爆発を起こし、チリが驚異の早業で塹壕と防壁を作って難を切り抜けた。しかし、今回はまだ空中を滑空している段階での会敵であるため、チリの防御が期待できず、大規模な爆発を起こすわけにはいかない。

    ワタッコたちは、今はまだ毒粉をまき散らしてはいないようだが、そもそもの数が多すぎる。それに「アクロバット」などの厄介な近接技も使ってくる。裸で攻撃を食らうわけにはいかないのはいつも通り。一瞬の油断も許されない緊張した状況である。

    「チャンピオンアオイ、チルタリスの「しんぴのまもり」を使ってください。」オモダカはコライドンを駆るアオイの集中力を散らすことがないように、はっきり、かつゆっくりと伝えた。アオイはオモダカの意図はまだ分からないものの、その指示に従う。柔らかなベールのような膜がアオイたちとネモたちを覆う。

  • 35二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 22:22:27

    「頼みましたよ、キラフロル」ワタッコの大群の中に相棒を放つ全裸のオモダカ。ワタッコたちは近寄ってきたキラフロルに対して「アクロバット」を叩きこむも、タイプ相性と元々の防御力によってほとんど手傷を与えられない。

    それよりも問題は、キラフロルに近接技を叩きこんだということ自体にあった。辺りに散らばる毒の礫。キラフロル自身には飛行能力はないため、すぐに落下していく。オモダカが回収したときには、すでに半数以上のワタッコが毒に侵されて落ち、残りも逃げ惑っていた。

    わざとキラフロルを攻撃させ毒を巻いてワタッコたちを沈める。自分たちは「しんぴのまもり」で身を守る。毒に侵されたワタッコたちは大群を維持できず瓦解する。オモダカの作戦通りである。技すら使わず勝利をもぎ取る手腕はさすがと言わざるを得ない。

    明らかに「群れ」を意識した戦い方である。ネモは前回の冒険でチリの技を見てトレーナーとの勝負以外にもポケモンの力を引き出すことができることを知ったが、さすがに大群を殲滅するような発想はなかった。最小限の挙動で確実な成果をもたらすオモダカの技に、一層尊敬が深まるのを自覚するネモだった。

    パルデアのトップは、全裸であろうと凛としている。

    チリは、滑空中、オモダカのたなびく後ろ髪で顔は埋もれるのを無言で我慢していた。

  • 36二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 22:23:10

    チリちゃんwww上司だもんねwww

  • 37二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 22:29:25

    どうして乗ってる順番を逆にしなかったんだ…
    予想出たことなのに…

  • 38二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 00:46:20

    いい匂いしそうではある

  • 39二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 03:26:00

    海入ってるときみたいな匂いしそう

  • 40二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 06:36:13

    そういえばエリアゼロって衣類が駄目だけど髪の毛は大丈夫なのかな?
    オモダカさん髪の毛凄ぇけど、結晶まとわり付いたりしないのかな…?

  • 41二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 08:23:33

    >>40

    生体内では不活性って言ってたから生物の体毛でも不活性なのかもしれない

  • 42二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 14:00:41

    滑空を終え、地に降り立つ一行。その表情には驚きと緊張がにじんでいる。大まかな地形こそ記憶の通りだが、明らかに何かの手が加えられている。そしてそれは凶暴なポケモンが暴れまわったのだということは明白だった。

    ボタンやチリは一層緊張感を高めていったが、アオイの心境は彼女らと同じではなかった。
    心中が穏やかでないという点では皆と同じだが、その理由が決定的に異なっている。

    アオイの心がざわついている原因となっているもの、いや人物は、彼女の視線の先にいる。

    ペパーである。彼の頬はほんのり紅く染まっている。それが羞恥心によるものでないことに、アオイは気づいていた。ペパーの視線の先には、チリとオモダカがいた。明確な大人の女性の魅力。得られなかった母との団欒、母性への渇望がペパーにとってどれほどの一撃となるか、アオイにはペパー本人以上に理解できていた。

    ペパーの隣で、ぴょんぴょこぴょんぴょこ飛び跳ねて彼の気を引こうとするが、アオイとペパーの身長差のせいか、なかなか彼の視界の中に入ることができない。

    チリとオモダカが素敵な女性であることは認めるが、自分だって努力している。いまは裸だがハッコウシティで素敵な服を買ったし、おしゃれなカフェだって行った。苦いコーヒーだって飲めるし、好き嫌いだってだいぶ少なくなった。全てはペパーに好かれるため。彼に可愛いと、綺麗だと言ってもらうため。

    それなのに、当のペパーは大人の女性にデレデレしている。自分のことなど眼中にもないかのように。アオイの怒りは相当なものである。頬いっぱいに空気をため込んで、ぷいっと遠くを見るアオイ。それでも彼のすぐそばからは離れない。いつの世も女は身勝手な男に振り回されるものなのだ。自分は「イイ女」だから許してあげる。

    そんなアオイの健気な気持ちなで、つゆも知らず、ペパーはオモダカがこちらに気づかないのをいいことに、乳房という宇宙の神秘について思いを馳せていた。

    不思議なことに彼のイダイナキバは、いまやウミディグダ程度になっていた。オモダカの裸身は宗教画のような厳かをたたえているからだろうか。それとも大穴の緊張感に縮み上がっているのだろうか。

    いずれにせよ、いよいよ、本格的な全裸大穴探検が始まる。目指すはツバサノオウ。全裸6人の冒険のスタートである。

  • 43二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 14:43:20

    やることは変わらない。各ユニットを中継地点とし、最下層を目指す。ポケモンにライドしていけば移動はかなり速めることはできるだろうが、道中の凶暴化したポケモンたちは易々と道を開けてはくれない。ましてや全裸の人間が縄張りに侵入してきたともなれば、そこに住む野生のポケモンたちを刺激してしまうことは避けられない。

    必然的に速度を犠牲にしてでも隙を無くして慎重に進むことが求められる。それぞれの観測ユニットのワープ装置を破壊していくことも必要だろう。前回の冒険でツバサノオウは第3観測ユニットまで入り込んできていた。下手とするとユニット内で休息中にワープしてきたツバサノオウの襲撃を受けたり、バックアタックや逃亡の可能性もある。大事を取ってワープ装置は破壊する方がいいだろう。

    これらの提案をしたのは、ボタンだった。彼女はいつも的確な提案をしてくれる。今回の提案も満場一致で採用された。

    道中のフォーメーションは、オモダカとチリが殿を務め、ネモが右を、ボタンが左の警戒をし、アオイが先頭に立って進んでいく形となった。そしてなぜかペパーは中心で前後左右に気を配るように言われている。結果的に、前も全裸、後ろも全裸、左右も全裸という、全裸の女体に囲まれた状態でペパーは大穴を進むことになった。

    もしこの事実をアカデミーの男子生徒たちが知れば憤死するか、ペパーへ怒りをぶつけることになるだろう。そして彼の実力に叩き伏された後、彼の人格に絆され強者ペパーへの忠誠を誓う者たちが続出することになるだろう。その話に言及するのは今回は控えておこう。

    もちろんペパーのイダイナキバは隆起しているが、その主な理由はアオイの小さな背中と尻が目の前にあることであった。もしアオイ本人が、愛しのペパーが自分に夢中になっていることを知ったら勝利の雄たけびを上げることは間違いないが、残念ながら今彼女は鈍感なペパーに腹を立てて頬を膨らませている。ままならないのはこの世の常である。

    大穴を吹き抜ける風を受けて紙をたなびかせながら、微笑ましい若人たちを見てオモダカは優しく微笑む。

    「本当に、明るい未来でしょうね・・・」警戒を続けなければならない局面だが、思わず目を細めてしまう彼女を責めるのは非道というものだろう。

    微笑むオモダカの隣でチリは、風を受けて暴れる上司の髪がべちべちと顔に当たるのを無言で耐えていた。

  • 44二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 14:44:42

    チリさん・・・がんばれ

  • 45二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 14:57:29

    ほっぺ膨らんでるアオイちゃん可愛すぎんか?

  • 46二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 15:17:51

    おそらく隆起するイダイナキバと視線の先のむくれてる子を把握して微笑んでるオモダカさん強い
    その察知能力を髪の毛にも向けてやってほしい

  • 47二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 15:18:57

    そういやペパーの隆起したイダイナキバへのアオイ以外の各メンバーの所感ってどんなもんなんだろうか

  • 48二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 16:45:14

    規制されていたけど心当たりがありすぎてなんとも言えない

  • 49二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 16:49:05

    >>48

    お疲れ様です

  • 50二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 16:50:19

    >>48

    乙です

    で…デカい…(何がとは言わないけど)

    そしてチリちゃんの表情がかわいい

  • 51二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 17:44:35

    全裸を恥じらうどころではないチリちゃん好き

  • 52二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 17:51:19

    >>48

    絶対一連のFAだwww

    そして規制をすり抜けるスレ主さんの巧妙さよ・・・

  • 53二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 19:48:05

    警戒しながらの移動はどうしても若干の前傾姿勢になりがちである。頭をすることと足の可動域を確保することを両立させていれば、自然と中腰に近い前傾姿勢となっていく。ペパーにとっては願ったりである。音を鳴らすほどに勢いよく暴れまわった猛龍が未だその恐るべき暴威を振りまいている以上、できる限り目立たない姿勢を取りたいと願うのは、読者諸賢にもよく分かるだろうと思われる。

    ふとペパーの下半身を目の端で捉えてしまったボタン。彼女は、腰の獣が如何なる時に牙を剥き、如何なる時に寝静まるのか、ぼんやりとした知識を持っていた。そのためボタンは、ペパーがエリアゼロの緊張感の中でも己をうち震わせるだけの胆力を持った男なのだと思った。親友であり恩人であるアオイが懸想するのも無理はないと感じ、ふわりと笑う。彼女の視線を何となく感じていたペパー。彼は、ボタンの微笑みは、自分の下半身を見た感想としての嘲笑なのかもしれないと思い、独りで言いようのないショックを受けていた。

    左右の警戒を担うボタンとネモ。ボタンがペパーの獣に気が付いたのなら、ネモも同様に気づくことは自明の理である。ネモもボタンのように、最初は目の端でペパーの腰の獣を見とめたが、思わず二度見してしまった。ペパーの腰にウミディグダが住まっていることは、これまで何度も見て分かっている。何ならスケッチまでしている。その姿が時と場合によって変わることも分かっている。ポケモンたちもリージョンや真昼・真夜中のように同じ種族が別の姿になるのだから、それと同様の現象だろうと考えていた。だが、その変貌の割合が明らかに前よりも大きい。特に先端部の形状変化は目を見張るものがある。

    思えば、ペパーはパルシェンを相棒として連れている。今回の冒険にも連れてきているだろう。パルシェンの使う技の中に「からをやぶる」というものがある。ペパーも同様に殻を破ったのだろうとネモは考えた。以前とは色も形状も違う。裸だからこその技だろうか。だとしたら、自分が会得した全裸技、いわゆるZ技と同じ流れのものかもしれない。

    ペパーも強くなっている。ネモは親友たちが強くなっていることを、心から喜んだ。口にこそ出さなかったが、その喜びは相当なものであった。

  • 54二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 19:48:32

    そうして若干心が浮かれてしまった。アオイたちとネモの間に少し距離が空いた。崖の斜面が近い。

    一瞬の隙を、大穴という魔物は見逃さなかった。

    ここは人外魔境エリアゼロ。敵は凶暴化したポケモンたちだけではない。

    「アカン!地崩れや!」チリが叫んだ。普段ならその叫びを聞いて、十分な余裕を持って安全を確保することもできただろう。しかし、一瞬の隙によってネモは地崩れに巻き込まれてしまった。

    「ネモ!」アオイの悲痛な叫びが響く。

    ポケモンを繰り出して救出するために走り出したオモダカとチリのすぐ前で、躊躇なく跳んだ一人の姿。

    ペパーはネモを独りにしないため、二人で落ちていった。落ちる直前に彼とアイコンタクトを取ったアオイとボタン。即座に自分たちは慌てず安全に下に降りる方法を探そうと提案する。何せ最強戦力のネモとサバイバルの達人ペパーである。絶対に無事だろう。

    オモダカはこのときになって初めて認識を改めた。この子たちは一流の冒険者なのだと。

  • 55二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 19:50:10

    >>47

    >ぺパーのイダイナキバの所感


    オモダカさんは、「パルデアの未来は明るい」って言ってた

  • 56二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 22:32:35

    へなちょこペパーもかっこいいペパーも味わえるなんて最高のSSだな…

  • 57二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 23:06:48

    トップ

  • 58二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 23:18:02

    >>57

    これはアオイちゃんブチギレですわ

  • 59二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 23:29:26

    >>57

    美しい……

  • 60二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 23:34:02

    アオイちゃんwwポケモンみたいになってるwww

  • 61二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 23:39:45

    これで股間見たら萎え萎えのウミディグダなの逆に怖くないですか

  • 62二次元好きの匿名さん23/01/26(木) 23:43:19

    >>61

    アオイにはこう見えてるっていうイメージ画像で多分ペパー本人はこんな顔してないんだろう

  • 63二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 07:30:30

    ヤキモチ焼きのアオイ可愛い

  • 64二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 07:55:48

    >>57

    これは理想の上司

  • 65二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 09:48:12

    崖下に堕ちたネモとぺパーは落下中からすでに防御行動を取っていたため、二人とも何らケガはない。だが、上は優に数10mはあるだろうか、登って合流することは難しい。コライドンの滑空で降りていくのは容易いだろうが、それにも問題があった。いや、正しくは「あった」ではなく「いる」である。

    崖の周囲に飛び回るのは飛行ポケモンたち。ファイアローとウォーグルそしてアーマーガアの姿が見える。それもかなりのサイズである。さすがにヌシのような巨体ではないが、おそらくは最大個体クラス。それが数体飛び回っている。今にも襲い掛かってくるという訳ではなさそうだが、隙を伺っているような雰囲気がある。

    それはつまり、戦況を判断し、機を待つ狡猾さがあるということでもある。

    アオイたちは、ろくに身動きの取れない空中戦で、これらの強敵と戦うような愚を犯すことはしないだろう。それにオモダカやチリもいる。ここは冷静に、待機か潜伏かの二択である。先行はありえない。全裸2人だけで踏破できるような、生易しい領域ではないことは、2人が一番よくわかっている。

    チリのようにはいかないが、ミミズズとリククラゲの力を借りて簡単な塹壕のようなものを作っておく。地面の専門家ではない彼らの手では2分のスペースを確保するのが精いっぱいだが、もしもの時はこの中に逃げ込んでやり過ごすこともできる。

    ペパーとネモは、落下地点からあまり動かず、ここを拠点にして、周囲を探索することにした。この探索の目的は敵の有無を確認ことである。敵に気づかれずに敵を察知する、これが理想だがそれができないとしても可能な限り先手を取って安全を確保する。トレーナーの勝負ではない、命の取り合いに、正々堂々・正面勝負はむしろルール違反である。

    探索ともなればより姿勢は低くなる。体躯の小さいネモが前を行くのは必定。ともなればペパーの眼前にネモの尻が揺れるのも、また自然の摂理。ペパーはまたしても己の中の獣性が昂るのを感じたが、同時にそれは違和感をももたらした。アオイの尻を見ていたときよりも、己の昂ぶりが少ないと感じているのだ。

  • 66二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 09:48:31

    無論、ネモが魅力的な女性であることは疑いようのないことであり、ペパーが健康な男子であることもまた厳然たる事実である。よって、ネモの尻が、ペパーのウミディグダをテラスタルさせることに関しては疑念の余地はない。事実、ウミディグダは首をもたげ臨戦態勢に入ろうとしている。ただペパーが感じているのは、その度合いの差であった。

    アオイの尻を見ていたときは、ウミディグダはハクリューでありギャラドスであった。この差をもたらしているものが何なのか、うら若いペパー青年が知るにはまだ早い。

    彼はまだ恋を知らないのだから。

    幸運が彼女を味方したのか、ネモが敵影を見つけたとき、敵はまだこちらに気づいていなかった。本来ならば、ここで奇襲を仕掛け、神速をもって制するのが定石だろう。しかし、そう簡単にことが運ぶはずもない。

    今回二人に奇襲を躊躇させたもの、それは、数であった。

    また、シンプルな数の暴力なら実力をもって平定することもできるが、今回の群れは厄介である。

    アラブルタケとサケブシッポ、そしてスナノケガワの全裸混成群

    それぞれ最大個体というほどではないが、大き目の個体がそろっている。一匹ずつという訳もない。6~7匹だろうか。それも目に見える限りではそうというだけで、まだほかに隠れているかもしれない。当然みな全裸である。

    またタイプの相性が厄介である。アラブルタケの悪タイプに有利な格闘タイプではサケブシッポに負けてしまうし、かと言って草タイプに有利な炎技で仕留めようにもスナノケガワに邪魔されると押し負けてしまう。結局はこちらも力押しをしなければならない。

    ぺパーが囲攻撃のできるヨクバリスをスナノケガワにぶつけ抑えている間に、ネモがミミズズでサケブシッポを倒すと同時にパーモットがアラブルタケを仕留める。この作戦を取ることにした。

    ペパーは予感している。この戦いは偶発的なものだが、決して生易しいものにはならないだろうことを。そして、苛烈な戦いによって、親友ネモはまたしても修羅に入るだろうことを。

    また、戦いが激化すれば、自然と腰の荒ぶるハクリューも落ち着いていくだろうと。

    ペパーとネモはそれぞれ緊張を抑えるように胸に手を当てて深呼吸をする。

    開戦である。

  • 67二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 10:40:07

    良かった。
    ペパーが最低なきっかけで恋を自覚するところだった。
    (ネモよりアオイの方が捗るなぁ・・・好き)なんて最低すぎるw

  • 68二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 15:21:09

    このレスは削除されています

  • 69二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 16:44:04

    メロコ
    何回もアオイ描いてるはずが服装を全く覚えられない

  • 70二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 17:09:37

    メロちゃんが意味深なこと言ったせいで回りまわってペパーに在らぬ疑いがw

  • 71二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 21:18:28

    アオイの勘違いによって在らぬ疑いをかけられているペパーだが、当の本人はそれどころではない。タイプ相性を考慮しているとはいえ、作戦としてはか細い綱を渡るかのような不安定さである。四方八方から襲い来る敵を前に、ペパーはリククラゲとスコヴィランで対応するが、徐々に押されていく。

    だが、ペパーの隣にいるのはパルデア最強の一角。最強生徒会長にかかれば劣勢は長くすぐに覆される。

    確実に敵を処理していくネモ。インファイトやアイアンヘッドが飛び交う中、優雅に戦場を歩いていく姿には神秘的な美しさがある。ゆったりと歩いたかと思えば、猛然と走りだし、勇敢に跳び、しゃがみ、転がる。あらゆる動作をもって全裸力を高めていくネモの動きは、戦いの激化と共に冴えわたっていく。

    ペパーにとっての問題は、ネモがなんの躊躇もなく両手を開いて胸を突き出したり、脚を大きく広げて飛び跳ねたりしていることだった。

    アオイの心配はペパーが物理的にネモを捕食してしまうことであり、それは当然幼い彼女の勘違いであるが、別の意味で食べられてしまうというのは、ここにいるのが紳士のペパーでなければ大いに現実味を帯びていただろう。もっとも、ネモに敵意を向けられて生き延びられる男がこの世界に何人いるのかは分からないが・・・。
    そして、ここにいるのは野卑な凶漢ではなく、紳士のペパー青年である。彼が獣欲に呑まれることなど、天変地異よりもあり得ない。

  • 72二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 21:22:46

    崖下でペパーがネモの全裸技で揺さぶられている間、アオイたちは崖下への道を急いでいた。

    道と言えるほどしっかりしているわけではないが、地面使いのチリがいる以上、彼女の近くにいれば地すべりなどには対処できる。さすがに距離があいてしまえばネモとペパーの二の舞になりかねないが、そんな愚を犯す者たちではない。

    道には問題がないため、本来なら4人をコライドンとチルタリスで分けて移動することもできるはずだが、大穴のポケモンたちは裸の彼女らを見逃しはしない。

    樹上から襲い掛かる大量のアサナンとチャーレム。エスパーと格闘の組み合わせは実に厄介である。

    「もー!!どいてよ!!ヤヤ君!ちーちゃん!」

    ペパーが見ているところでは決してできない怒りの形相で飛行タイプの仲間たちを繰り出すアオイ。
    といっても幼い顔立ちではいかに怒っても可愛らしさが残ってしまう。そんなアオイと共にボタンはニンフィアを、チリはバクーダとドンファンを、オモダカはミガルーサとゴーゴートを繰り出して戦う。

    弱点技を大量に叩き込んで眼前の敵を吹き飛ばしていくアオイの姿はまさに英雄然としている。

    恋する乙女が裸で彼の下へ行くのを邪魔すれば、激烈な制裁が待っているのは言うまでもない。

    オモダカとチリは、不謹慎ながら目を見合って、ほんの少しだけ笑ってしまった。

  • 73二次元好きの匿名さん23/01/27(金) 23:52:06

    全裸技・・・?(宇宙ペパー)

  • 74二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 04:07:13

    保守

  • 75二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 08:49:10

    ネモは体力がないというのは、少々乱暴な言い方である。正しく言うならば、体力がバイタリティに追い付いていない、だろうか。ネモの活動量を支えるだけの体力を彼女自身が待ち合わせていないのは不運なことだった。

    ことに戦いの場ともなればその不運はときとして牙を剥いて襲い掛かることもある。飛び交う技の数々によってえぐられ隆起した地面はネモの足をもつれさせる。

    裸になることで皮膚感覚を研ぎ澄まし、戦いの中で最適な指示を出していく。それが彼女のつかんだ全裸戦闘の精髄であった。戦場で立ち止まることなど許されない。不安定になった地面を歩き回れば、いずれ足がもたれて転ぶのは自明の理。

    ペパーは咄嗟に目をつむった。

    自分の目の前でネモが足を開く形になってしまいそうだったからである。幸いにして乱戦はほとんど落ち着き、一瞬目をつむったくらいでは相棒たちは負けないところまで押し込むことができていた。

    転んで尻もちをつき、はあ、はあと息を荒げるネモ。

    転んだ彼女を立たせるため、覆いかぶさるようにして手を差し伸べるペパー。失礼な視線にならないように、その目がネモの顔から離れないように気をつかう。
    彼が顔を紅くしていることは当然。

    あるのは純粋な友情。倒れた友を立て起こそうという純粋な気持ち。そこに邪悪な意志が入り込む余地などない。淫蕩が友情を濁す隙間などない。

    そのはずだが、すべてはタイミング。

    必死の疾走を経て、やっとの思いで駆けつけたアオイが目にしたのは、息を荒げるネモと覆いかぶさるようになっているペパーだった。両者の顔が紅く染まっていることもアオイの怒りをかき立てる。

    「ペ!パ!!アア!!!」アオイがペパーの名を呼ぶ声に激怒の色がにじんでいるのは言うまでもない。

    「ペパー!ダメだよ!うわきだよ、こんなの!」頬いっぱいに空気をため込んでペパーに詰め寄るアオイ。プンスカと音を立てそうな勢いでペパーをポコポコと叩く。ちなみに、アオイは「うわき」という言葉の意味をあまり理解していないし、ペパーがネモとどうなろうと浮気ではないことは、付け加えておきたい。

  • 76二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 10:33:57

    どうしよう、登場人物みんな全裸だし緊迫した状況なのに…
    か、可愛い…みんな可愛いな……

  • 77二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 11:10:27

    オモダカさんとチリちゃん、ニッコニコになってそう

  • 78二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 17:04:42

    急な崖を下るという行為はアオイたち一行にとってはイレギュラーな事態ではあったが、結果的に大きなショートカットとなった。本来第1観測ユニットまで十数時間かかる予定だったが、この分ならほんの数時間で到着できるだろう。

    オモダカとチリは、不測の事態に素早く対応できなかった自身の未熟を恥じながらも、学生たちの練達ぶりに心を打たれてもいた。パルデア全土から凄腕たちを探し集めた経験のあるオモダカは、ほんの数年のうちに若い才能が芽生え出てくれたことを、とても嬉しく思っている。まだ幼いポピーも合わせれば、パルデアの未来は繁栄が約束されているようなものである。

    チリは、オモダカがパルデアの輝かしい未来に思いを馳せている隣で、この状況について分析していた。その思考はあくまで冷静である。そして、冷静であるが故に、彼女は、みなが見過ごしてきた重要な一点を見つめざるを得なかった。
    彼女の思考はいたってシンプルである。

    (恥ずかしいわ!!!)

    チリは、前回の冒険でもかなり羞恥心を感じていた。成人女性が屋外を全裸で歩くなどもってのほかである。完全な単独ならまだしも学生たちを含めた集団行動である。それもペパーという異性まで含んでいる。幸いペパーが獣欲に駆られることはなかったが、それでも心を焦がすような羞恥心で、その身をいっぱいにしていた。

    今回の冒険はそれに足して、ついに大人、それも職場の上司であるオモダカが同行している。相手も同じ状況とはいえ、いい歳の大人が屋外を全裸で闊歩しているところを見られるなど、羞恥の極みとすら言える。ここが衆人環視の状況でないだけマシかもしれないが、それでも恥ずかしいものは恥ずかしい。

    両の眉にキッと力を込めて凛々しい表情を作りつつ、顔は真っ赤に染まっているチリ。彼女は立派な成人女性ではあるが、フェティシズムの世界にはさすがに疎い。恥じらいに染まる女性が醸し出す魅力というものを知らない彼女が、無意識にペパーを揺さぶってしまったとしても、それを罪と呼ぶことはできない。

  • 79二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 17:21:47

    第1観測ユニットに到着するまでに何度か小規模な戦闘があったが、全てオモダカとチリ、そしてネモがあっという間に処理してしまった。実際の戦闘は彼女たちが行ったが、敵の接近を事前に察知して警戒を促したのはボタンだった。第1観測ユニットに着くまでボタンは、ただの一つの見落としもなく、敵影の存在を感知した。ネモのずば抜けた戦闘力やアオイの育成能力に埋もれがちだが、ボタンの警戒能力は、もともと一流の冒険者たちであり警戒能力の優れた一行の中でも、群を抜いて研ぎ澄まされている。

    オモダカは第1観測ユニットに到着したとき、ミガルーサの一撃でワープ装置を破壊して予期せぬ奇襲を予防した後、にこやかにボタンに近づいていった。

    「ボタンさんは優秀ですね。素晴らしいことです。」にこにこと微笑みながらボタンの頭をなでるオモダカ。
    チリもそばに立ってオモダカと共にボタンを褒めちぎる。ふだん褒められ慣れていないボタンは顔が真っ赤になっている。その口からは狼狽えを表す、言葉にならない声が漏れるだけである。

    ボタンが大人二人によしよしと甘やかされているようすを見ていたペパーは、軽く微笑んで食事の準備に取り掛かろうとする。そんなペパーを見ていたアオイはネモにアイコンタクトを取り、ペパーの両側に立ってオモダカたちのように彼の頭を撫で始めた。

    「ペパーはいい子だね!」「美味しい食事ありがとう!」アオイにはストレートに褒められ、ネモからはまだ食べてもいない食事の味を確定的に褒められる。ペパーは照れくさくて仕方ない。だが、それ以上に彼を揺さぶっているのは、アオイとの身長差だった。

    まだまだ小柄なアオイが、がっしりとした体格のいいペパーを撫でようとすれば必然的に、腕を高く伸ばして、体も背伸びをして、ようやく届くものである。つまりペパーの目の前、正確には顔の少し下には脇をがら空きにしたアオイの胴体が見えることになる。

    急速に立ち上がる龍。遥か高みを目指して雲を登る龍は、今回もペパーの腹をしたたかに叩いて「べちん」という音を立てた。

    両サイドでよしよし合戦が始まった第1観測ユニット内の喧騒でかき消されはしたが、ペパーは後にこの時の気持ちを「恥ずかしかったけど、アオイたちに頭を撫でられるのは、案外悪くなかった」と述懐している。

  • 80二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 17:42:35

    ペパーの拵えた食事は皆の疲れを癒すのに、実にいい働きをしてくれた。普段から一流の食事に舌を慣らしているオモダカも、野戦料理はあまり経験がなく、そのワイルドな滋味に目を輝かせた。尊敬するトップが自分の大切な親友の料理を美味しそうに食べている姿を見て、ネモは自分のことのように喜んだ。そのネモを見てアオイも喜びボタンも喜ぶ。学生たちの朗らかな笑顔でオモダカとチリも喜ぶ。

    ペパーは、自分の作った料理を、裸の美女たちが笑顔で褒めてくれるこの状況は、まるで何かの力が働いて自分にご褒美をくれているかのように感じられた。彼は心の中で、今は亡き偉大なる両親と、古代の大地を冒険しているであろうもう一人の母に、深く感謝した。

    腹もある程度膨れたところで、翌日の作戦を考える。フォーメーションは今回と同様に取るとして、今回の反省を生かし、過剰に距離が離れることがないように、各人が注意を高める。無理をせず、かつ迅速に第2観測ユニットを目指し、たとえ早い時間に到着しようと、そこで一泊して万全の態勢で出発することが決まった。

    話し合いが済めば、後はもう寝るだけである。

    観測ユニットでの就寝。それはペパーにとっては試練以外の何ものでもない。

    アオイはもじもじとして言い出せないでいたが、隣にいたネモとボタンが言ってくれた。

    「アオイはペパーの上」「でしょ?」ニヤニヤとしている二人。
    ボタンとネモの言わんとすることが伝わり顔が紅くなるアオイ。そんな学生たちを微笑ましく眺めるチリ。

    一方オモダカは考えていた。
    「いくら学生の身といえど、男女が裸で、それも身を重ねて眠るなど・・・いや、しかし、ここは大穴、常識は命取り・・・とはいえ・・・いや・・・」
    堂々巡りの思考だったが、それを制したのはネモの一言だった。

    「トップ!トップも一緒に寝ましょう!」ニコニコと笑うネモの表情を見たオモダカはほぼノータイムで「ええ、いいですよ」と笑顔で返してしまっていた。

    ペパーを中心に女体で挟み込むお馴染みの陣形だが、今回はチリが右を、オモダカが左を守り、ペパーとチリの上にはボタンが、オモダカとぺパーの上にはネモが乗ることになった。そしてアオイは特等席であるペパーの真上である。好きな男の子の胸板に顔を沈め、首筋の匂いに埋もれて眠ったアオイは、実に安らかな表情で寝入っている。

  • 81二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 17:48:32

    なかなか書く時間が取れなくて、亀進行ですみません。プロットは全部できてるんですが・・・










    ネタバレ:全員脱ぎます

  • 82二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 18:05:09

    まじかよとんでもないネタバレじゃねーか!

  • 83二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 18:10:17

    うわっネタバレくらったやんけ最悪や

  • 84二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 18:54:06

    断れないオモダカさんかわいい

  • 85二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 19:04:44

    登場人物すでに脱いでるのに全員脱ぐ……
    ハッ、校長も教師もジムリもスター団も全員脱ぐのか!

  • 86二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 19:28:36

    テラスタル粒子が大穴から噴出してパルデア全土が裸になる…これだ!

  • 87二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 20:06:44

    アオイはペパーの胸の上でペパーの体温を感じながら、ペパーの匂いに包まれて夢の世界で落ちていった。当然、彼女が行きついた先は、右も左もペパーでいっぱいのワンダーランドである。

    「はあああああ♡ぺぱー!ぺぱーがいっぱいいる!」

    「アオイのためなら何だってやるちゃんだぜ」「アオイ、大好きちゃんだぜ」「アオイかわいい」「アオイ」「好きちゃんだぜ、アオイ」「アオイがいないと生きていけない」「全裸ちゃんだぜ」「アオイが一番カワイイ」「アオイ」「アオイと結婚したいちゃんだぜ」「デートしたい、アオイ」「彼氏にしてくれ」

    四方八方からペパーに愛を囁かれるアオイ。夢の中である自覚のない彼女は、ここが天国かと思っている。自分を口説くペパーの一人ひとりに返事をするのは、生来律儀で他人を蔑ろにしない彼女の性格によるものだろう。

    「アオイ♡」「ぺぱー♡」
    「アオイ♡」「ぺぱー♡」
    「アオイ♡」「ぺぱー♡」

    チリか、ボタンが居れば華麗なツッコミを見せてくれるだろう場面が、延々と続けられていく。常人であればとっくに精神崩壊しているほどの猛愛を空想上のペパーに受けながらもその全てにカウンターを打ち込んでいるアオイは、パルデア最強のチャンピオンの一角である。

    「あっ、にゃおちゃん!コライドンも!ヤヤ君とマー君!」ペパーの森を超えた所、ペパーの丘ではアオイの相棒たちがピクニックをしていた。
    「ちーちゃんもいるね!」チルタリスの美しい歌声がペパーの丘に清らかに響く。

    「あれ?ちみちゃん?どうしたの、そんな何かにドン引きしたような顔して・・・」アオイの相棒の一人であるゲンガーだけはピクニックの中心から少し離れたところにいた。その顔はいつもの笑顔だったが、明らかに苦笑いに近いニュアンスを含んでいる。

    「ほら!ちみちゃん見て!ここって地面もペパーなんだよ!」「アオイ、好きちゃんだぜ」地面ぺパーに愛を伝えられ、身を悶えて照れるアオイ。

    ゲンガーは何か恐ろしいものを見ているかのような表情だったが、アオイの夢の中でその心中をうかがい知ることはできない。

    「空もペパー!風もペパー!花もペパー!ペパーがいっぱい!大好きなペパーがいっぱいいる!ふふふふふふふふ!あはははは!!」アオイはこの悪夢に近い夢を心から堪能している。

  • 88二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 20:20:29

    「・・・う・・・ん・・・」


    ペパーが目を覚ましたとき、まだ誰も起きてはいなかった。つまり、彼は女体に囲まれた状態でまたしても朝を迎えたことになる。チリの白い肌が右の肩に触れている。オモダカの豊かな双丘が左の肩を挟んでいる。ネモの健やかな肢体が左手をおさえている。ボタンの細い腰が右手をおさえている。

    そしてアオイがちょこんと胸の上で寝息を立てている。

    その表情を見ると彼は穏やかな気持ちになった。いや、意識的に自分を穏やかな気持ちに寄せていった。そうしないと、大いなる龍の封印が解かれ、彼に厄災をもたらすからである。

    「う~ん、むにゃむにゃ、ぺぱー・・・ぺぱーは地面・・・」

    意味深なアオイの寝言が気になるところだが、この状態では起きることもできない。誰かが起きる待とうと思って視線を適当に動かしていると、

    「おはようございます。ペパーさん」

    オモダカの静かな声が聞こえた。みんなを起こさないように配慮された優しい声色であった。ぺパーも同じように声を抑えて「おはようございます」と挨拶を返す。

    にっこりと笑顔でペパーを見るオモダカ。ペパーはその表情の中にどこか母性に近いものを感じた。

    「うーん、むにゃむにゃ、ペパーは森・・・」

    あまりに素っ頓狂なアオイの寝言に、二人してプッと噴き出してしまう。クスクスと笑っている内にアオイが目を覚ました。

    「おはよう、アオイ」にこやかに笑顔で胸の上のアオイに挨拶するペパー。
    「あ・・・おはよ、ペパー・・・///」少し恥ずかし気に挨拶を返すアオイ。

    二人のやりとりを見守るオモダカの表情は、とても柔らかで温かかった。

  • 89二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 22:41:42

    ぐっすりと安眠を愉しんだアオイは、すがすがしい気分で出発の準備をする。他の一行も同様に前日の疲労感がすっかり回復したようで、オモダカとチリの持ってきた携帯食料を食べて朝食を済ましていく。もともと二人だけで突入するつもりだったので、量はそう多くないが、代わりにペパーが十分な食料を持参してきているため、兵糧という点では心配はない。

    女性陣が食事をしている間、ペパーには極めて重要な作業が課されている。女性陣に見られる訳にはいかない機密性の高い作業である。己が獣性を手綱にかけるため、その牙を一度抜き取っておかなくてはならない。無論、健康なペパー青年にかかれば、その獣はあっという間に回復し再び彼自身の理性を揺さぶることになるのは、火を見るよりも明らかなことではあるが、かといって何もせずに居られるほどペパーの獣はおとなしくはない。

    数分後、女性陣の前に戻ってきたペパー青年の目は愁いをたたえているようでもあり、慈しみを呑んでいるようでもあった。色気すら漂う穏やかな様に、学生たちは何か不思議な心持ちになった。
    「・・・」
    「・・・」
    何も語らない優しさを持つ二人の成人女性。彼女らもここでそれを言うほど鬼畜ではない。


    第1観測ユニットを出発した一行の足取りは軽い。やはり体力の回復は多少時間をかけてでも確保すべき重要事項である。一行のフォーメーションは変わらないが、先頭を行くアオイは上機嫌であった。夢の内容の細部までは流石に覚えていないものの、ペパーと楽しい時間を過ごした夢だったことは何となく覚えている。そのうえ、彼の胸板の上で目を覚ますことができたのだから、これ以上を望むのは欲張りというものだろう、とアオイは考えていた。

  • 90二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 22:42:04

    第2観測ユニットは長大な坂の途中にあるため、目指して歩けば必然的に坂道を下っていかなくてはならない。坂道は、登っていくのも大変だが、下っていくのも体力を消費する。ペース配分に気をつけて、適宜休憩を取りつつ進んでいく一行。

    今のところ、途中戦闘は起こっていないが、遠巻きにこちらを見ている飛行ポケモンや岩陰から様子を伺うフラエッテなどの姿が散見される。隙を見せれば襲い掛かってくるだろう。ボタンは、彼らの野生の殺気を感じ取っていたが、それだけの殺気を放ちつつ隙が生じるまで、虎視眈々と狙い続けるだけの知性と忍耐力を野生のポケモンが備えていること自体が脅威であるとも感じていた。

    歩きつつ、話しつつ、警戒しつつ、休みつつ。

    一行の旅路は比較的安定している。

    ペパーは自分のすぐ後ろでオモダカの何かがふるふると揺れている気配を背中で感じていた。ゆさゆさと音がなるほどの大きさではないものの、確実に存在を主張する双丘は、ペパーの脳裏から消えることはなかった。

    この様子をアオイが見ていれば、また微笑ましいやきもちを焼くことになるだろうが、彼女はいま上機嫌で先頭を歩いている。

    一方、オモダカの思考は、全裸で冒険をしているという、この状況の根本的な部分に行きついていた。
    (生体内部では不活性になるテラスタル結晶粒子・・・衣類に付着して急成長をされては、運が良くても体を傷つけられ、下手をすれば重症や命にもかかわる・・・結晶の中に拘束されてしまうこともある・・・難しい。生体由来の糸でクリアできる?分からない・・・・もし結晶粒子が大穴から漏れ出た場合・・・・周囲の街や街道が衣服着用不可に?・・・リーグも?・・・・)

    オモダカとて妙齢の女性である。屋外で全裸でいることは本意ではない。ただ、案外、彼女は恥ずかしいとは思っていなかった。自らの肉体において恥じる部分など一切ないとすら考えていた。

    (いっそ全裸リーグトーナメント開催というのも面白いですね・・・)オモダカの隣で、チリはなぜか寒気を感じていた。

  • 91二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 22:53:37

    と、トップ……お気を確かに……

  • 92二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 23:04:44

    オモダカ嬢…、せめて水着を着用してはどうかと小生は進言致しますぞ…。

  • 93二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 23:06:58

    そういやオリンピックって元々は不正防止のために全裸参加だったらしいな…とか一瞬思っちゃった
    トップ、全裸エリアゼロの狂気への順応が早すぎる

  • 94二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 23:31:51

    下手したらテラレイドバトルの時は全裸になる事が義務付けられそう

  • 95二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 23:34:38

    寒気がしたのは服着てないからでは・・・?

  • 96二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 23:41:35

    待ってくれ。一番狂気に囚われてるのはアオイじゃないか?
    丘ペパー?地面ペバー?

  • 97二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 23:44:02

    >>96

    海ペパーが出ていないからまだ正気よ

  • 98二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 00:49:12
  • 99二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 00:58:05

    >>98

    人間の欲望とはなんと恐ろしいことか

  • 100二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 01:02:04

    >>92

    「いいえ、全員で裸になりましょう。いいですね?ハッサク、アオキ」

  • 101二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 02:15:25

    >>98

    本人が喜んでること以外どう見てもインフルエンザの時に見る夢

  • 102二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 05:39:33

    >>98

    座ってる岩に気付いて噴き出した。

    そりゃゲンガーもこんな顔になるわ…

  • 103二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 08:22:32

    >>98

    ピカソのゲルニカかな?

  • 104二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 08:24:44

    ゲンガーだけは本物なのかな?ゴーストタイプにすらドン引きされる悪夢とは・・・

  • 105二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 08:25:58

    >>98

    よく見たら丘ペパーと花ペパーもいるwww

  • 106二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 09:24:00

    第2観測ユニットへと歩いていく一行の進みは決して悪くなかったが、オモダカは違和感を感じ始めてもいた。エリアゼロのポケモンたちが凶暴化していることは報告書にもあったし、自身の体感でも認識している。そのはずが、どうもおかしい。

    遠巻きに一行を監視するような気配が少しずつ、だが明らかに、その数を増してきている。凶暴化しているなら襲い掛かってきてもいいはずが、挙動が野生の性質と合致しない。隙を伺っているようにも見えるが、オモダカの主観ではどこか組織めいているようにも感じられていた。

    野生の群れが組織的に行動する。

    それは社会性を持つポケモンなら決しておかしいことではない。だが、混成群となれば話は別である。異なる種のポケモン同士が協力し合うのはせいぜい2種か3種程度。今感じている気配は空にも陸にもある。2,3種ではきかない。

    全く種族の異なる荒々しい野生を一つの群れとしてまとめあげる力。それは強力な暴にほかならない。そして、いま、こうしてオモダカたちが群れに監視されている状況は、これだけの数の暴力を制する、圧倒的な支配者の存在を示唆している。

    オモダカは口にはしなかったが、その懸念は他の面々にも伝わっていた。

    ツバサノオウは大穴全体を支配しているかもしれない。

    人間にとって科学力は他のあらゆる存在を凌駕する最重要戦力である。その科学力の最も基礎的な部分が、脆弱なその身を守る鎧であり、衣服である。大穴に陣取る限り、人間からその衣服を奪い取ることができる。ツバサノオウがそれを意図しているのだとしたら、敵は単なる暴威ではなく、知性をもった災害とすら言える。

    第2観測ユニットが目前まで迫ってきても、野生のポケモンたちはオモダカたちに攻撃を加えようとはしなかった。ただ、その数だけが増えていく。無数の敵意に囲まれていく。それでも戦いは起こらない。

    アオイたちは裸のその身に不気味な雰囲気を感じつつ第2観測ユニットへの道を進む。ユニット施設はもう視界に入っている。

    が、緊張感に包まれた静寂を打ち破る存在が現れた。ハバタクカミ数体と巨大なイダイナキバが観測ユニットへの道を塞いで立ちはだかる。

  • 107二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 10:47:41

    「ミミズズ!」「にゃおちゃん!」ネモとアオイが間髪入れずに相棒たちを繰り出す。ボタンとチリはバックアタックを警戒して背後と側面に、ニンフィアとドオーをそれぞれ繰り出す。

    ペパーとオモダカも遠距離攻撃用としてスコヴィランとクエスパトラを繰り出して布陣を強化する。

    地力で押し勝っている以上、正面戦闘ではもはや負けることはない。油断せずに淡々と詰めていけば問題なく勝てる。

    戦闘そのものが恐ろしいのではなく、戦闘によって疲弊したり、消耗したりした状態になることこそが警戒すべき事項である。なにせアオイたち全裸探検隊の最終目標はあのツバサノオウを討伐し、捕獲することにあるからである。かの強敵は地力ですらこちらを上回っている。わずかな消耗も避けるべきである。

    観測ユニットでの休憩があるとはいえ、無用な戦闘は可能な限り避けたいというのが、一行の統一見解であった。

    ハバタクカミの「マジカルフレイム」はスコヴィランが炎技で相殺し、ミミズズが鋼技を叩きこんで一体ずつ仕留めていく。密集した陣形を取って攻撃の密度を高めていくハバタクカミだったが、ネモのミミズズはペパーのスコヴィランと共に着実に敵勢を削っていく。

  • 108二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 10:47:52

    イダイナキバとマスカーニャの戦いもアオイたちはかなり有利に進めることができていた。トリックフラワーを遠距離から打ち込み、イダイナキバが距離を詰めて格闘技を使ってきたらクエスパトラがエスパー技で牽制する。アオイとオモダカが危なげなく相手の体力を削り切ったときには、すでにハバタクカミも皆倒していた。

    しかし、ネモとアオイはこの順調な勝利についても一つの疑念が生じていた。

    (順調すぎる・・・相手の強さも丁度いい・・・都合が良すぎる・・・)

    敵は決して弱くはない。油断できる相手ではない。だが、それでも今までの冒険であったような背中がちりちりと焼けつくような危機感や緊張感がない。何よりネモの身の内に滾るような熱が生まれてこない。そこに違和感を感じていた。イダイナキバもハバタクカミも、前回の冒険では命の危険を感じるほどの強敵だった。少なくとも、数体を一度に相手して有利に戦えるほど甘い敵ではなかった。

    自分たちが強くなっているのは間違いない。だが、その成長の実感をもってしても、この違和感はぬぐえなかった。アオイとネモ、そしてぺパーとボタンも、まるで獲物が逃げ帰ってしまわないように、奥へ奥へと誘いこんでいるような、大穴の悪意を感じていた。

  • 109二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 20:04:05

    第2観測ユニットへの到着は想定より早い時間帯だった。とはいえ、当初の予定通り、いかに時間的な余裕があっても無理攻めはせず、ペパーたちは、このまま第2観測ユニット内で体勢を整える。第4観測ユニットが結晶洞内部にあったことを鑑みると、実際の主戦場になるのは、第3観測ユニット周辺だろうというのが、チリとオモダカの予測だった。

    第3観測ユニットはすで前の冒険で、ツバサノオウがその扉を突破した場面にアオイが遭遇している。激しい戦いが始まるその前のチェックポイントとして、安定した休息が取れるのは、ここ第2観測ユニットが最後となる。

    食事を取って今後の立ち回りを確認し、覚悟を改めて戦備を整えていく。各々の相棒たちを労わり、最後まで共に戦ってくれることに深い感謝を伝える。ポケモンたちはその多くが人の言葉を解する。複雑な人間社会の事情などは関知しないまでも、主人の言っていることをかなり高い次元で理解することができる。

    一方、人間は彼らの言葉が分からない。表情や身振りからだいたいの感情は把握できるし、強い絆で結ばれたトレーナーとポケモンは、ときに言葉すら介さずに心を通い合わせる。とはいえ、多くの場合、ポケモンとトレーナー間の意思疎通は、一方通行なニュアンスを含んでいる。

    だからこそ、彼らは感謝を伝える。共にいる喜びを伝え、共に戦う勇気を手渡す。それが彼らポケモントレーナーなのである。

  • 110二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 20:04:30

    準備も整ってきたところで、親しい友が集まれば歓談となるもの。それも女子が集まれば、多少騒がしくもなるのが世の定めというものである。ぺパーは突如始まったガールズトークの圧に押され、傍らにあったベッドに一人寝そべった。

    もはや彼は、彼自身の芯を隠しもしていない。
    決して羞恥心は捨てていない。その恥ずかしさを忘れるほどに疲れているわけでもない。食事も済んでいるため、空腹感が彼の思考を鈍らせているわけでもない。

    これまでの全裸冒険はペパーの性癖の扉、叡痴の扉をいくつも開けてきた。ときには捻じ曲げ、ときには正し、彼の性癖を導いてきたのは、この冒険に共に挑む仲間たちの姿だった。ぺパーは今まで彼女らの肉体が目に入ることで、自身の龍に熱を与え、その身に望まぬ興奮を宿してきたが、今回は違う。

    彼は、青年は、ペパーは今、はじめて自分の意志で自身の猛龍を彼女らの前にさらしているのだ。女性陣は歓談に励んでいる。その視線が自分に集中することはない。だからこそ、ひっそりと自らの芯を晒す。どこか背徳的な、甘い痺れが背中を駆けて脳天でくすぶっているのを、自覚する。

    ペパーは今、隠さない喜びというものを知ったのかもしれない。

  • 111二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 20:22:18

    ペパー!?露出に目覚め・・・!?

  • 112二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 20:22:36

    ぺパーが背徳的なスリルの甘みを噛みしめている間、女性陣はきゃっきゃと姦しく騒ぎ合っている。女子が集まれば当然、話は恋の話にも飛ぶのが人情。アオイはネモとボタンに挟まれて、顔を真っ赤にしてる。決定的な名前こそ口にしないが、アオイの思い人がペパーであることは、チリもオモダカも何となく把握していた。

    その思い人ペパーは、女子たちに見えない角度で自らの手で龍を弄んでいる。無意識の行動であったが、その行為を自覚したとき、ペパーの顔は青ざめ、次いで女子たちにバレていないことに心から安堵した。無意識のうちに手がおのずと動くほどに、彼の肉体はテラバーストを求めていた。とはいえ、もちろんこの場を栗の花の香りで満たすのも、少々無粋である。

    水場に行くと偽って女子たちの目を避けられればいいのだが、極力単独での行動を避けるべきだと、オモダカから念を押されたばかりなので、一人でこの場を離れるわけにはいかない。結果的に、ペパーはこの場では我慢を強いられることになった。

    ベッドの上で独り悶々とするペパーのそばにアオイがやってきた。ネモやボタンに玩具にされて顔がすっかり火照ってしまっている。他の女子たちは相変わらず歓談を続けているので、アオイは途中離脱したようだ。

    「・・・」
    「・・・」

    何故か緊張して何も言えない二人。確かに今、二人は全裸でベッドに腰かけている。それも二人きりで。腰かけていると言っても、ペパーは身を横たえているので、座っているのはアオイだけだが。そのアオイも体を倒して、何も言わずに横になった。問題はその場所である。

    アオイは条件反射的にペパーの上に乗り、ふわりとその胸板に額を沈めた。これだけなら前の晩と同じだが、今はまだ他の女性陣は歓談中なので、ベッドの上には空きがある。アオイが横になるだけの十分なスペースがある。にもかかわらず、アオイはペパーの上で横になった。

    それはまるで恋人のようで。

    「・・・・!?////」
    「・・・・!・・・////」
    ただただ驚くペパーと、彼の上で自分の行動を後から自覚したアオイ。お互いに赤面して何も言えないが、二人の間にはどこか甘く優しい雰囲気が漂っている。ネモもボタンも、チリもオモダカもその様をにっこりと眺めるのだった。

  • 113二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 20:52:38

    第3観測ユニットが主戦場ってことは、もうクライマックスが近いんか!?
    この少女漫画シーンはその前の箸休め的なやつ!?

  • 114二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 20:59:07

    後半のドキドキシーンで前半のヤバさを中和しようとすな

  • 115二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 23:05:52

    …言うほど中和出来てるか?

  • 116二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 23:25:28

    叡痴?!待って!?

  • 117二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 07:55:55

    >>116

    さりげない言葉遊び、正直すき

  • 118二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 08:59:40

    エコノミー症候群になりそう

  • 119二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 10:17:42

    この寝姿ももう終わりと思うと・・・

  • 120二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 10:17:54

    大穴の中は分厚い雲のバリアによって隔離されているため、昼も夜もなく天候の荒れもない。ペパーたちは便宜上、一晩二晩と数えてはいるが、それも正確ではない。

    大穴の外では、既に傾いた太陽が夕日となって、紅の光をテーブルシティに届けていた。朱に交われば赤くなるとは、実に原始的な真理である。テーブルシティは紅い日を受けて、その姿を荘厳な赤に染めている。

    そしてそれは、アカデミーも例外ではない。普段は知性の権威と威厳を感じさせつつ、学生たちを温かく包み込む腕のように左右に大きく開かれた校舎は、紅い夕日を斜めから受けて、どこか不吉な雰囲気を醸し出している。

    紅に染まった空と、赤く煌めく校舎の間には、パルデアの大穴を擁する黒い山肌が横たわっている。まるで人の世界と魔の世界を隔てているように。

    アカデミーの校長室、クラベルは窓辺に立って、外に見えるパルデア山脈を睨みつけていた。アカデミーは山の麓に隣接して作られている。校長室から山の頂までは決して遠くはない。もう若くはないクラベルの目でも十分に視認できる距離である。

    クラベルの傍らには数学科の教師タイムが立っている。赴任時期は同じであるためほかの教師たちと同様の経験年数のはずだが、その物腰は落ち着いている。普段から笑顔を絶やさないタイムのはずだが、クラベルと同様に、厳しい目でパルデア山脈を見つめている。

    「タイム先生」
    「はい、先生たちを職員室に集めます。」

    「ありがとうございます。」

    洗練された達人の行動は一つに収斂されていく。教師として達人の域にいる二人の思考は収斂され、こと教育に関してなら、多くを語らずとも通じ合うことができる。タイムはクラベルが何を求めているか、聞かずとも分かっていた。クラベルもまた、その恐ろしい予感を口にする必要がないことに安堵し、同僚の熟達ぶりに感謝した。
    学園の教師たちには注意を喚起しておかなくてはならない。覚悟を新たにしておいてもらわなくてはならない。学生たちを命に代えてでも守らなくてはならない。



    学校が戦場になるかもしれない、など、言葉だけでも背筋が凍る思いである。

  • 121二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 11:39:35

    まさか学校がツバサノオウによってテラスタルしてなんやかんや全員脱ぐってコト…?

  • 122二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 14:30:22

    全員脱ぐってネタバレ、正直言って俺らを笑わせるための主の冗談だと思ってたんだ
    可能性が見えてきて戦慄してるよ……

  • 123二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 15:02:25

    >>122

    スレ主です

    やだな、冗談に決まってるじゃないですか、冗談ですよ、うん、冗談冗談。


    ・・・・・・・・・・フフ

  • 124二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 15:07:50

    全パルデア人が脱いで獣性を制御できない人による何かしらの犯罪が起こるのも嫌だが全パルデア人が圧倒的な男前さで誇り高き全裸になり裸で立ち向かうのもそれはそれで嫌
    どうしよう詰んでる

  • 125二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 15:17:26

    いや、待て、過去のスレによると、「イイ思いをするのはペパーだけ、苦しむのもペパーだけ」とある。これはつまり、パルデア総全裸化とは違う何か恐ろしい全裸が・・・?

  • 126二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 16:39:39

    博士のモニタを通じてペパーのペパーがパルデア全土に配信されるってコト!?

  • 127二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 19:21:24

    職員室に集合した教員たちに、クラベルから重要な懸念が通知される。話を聞く彼らの表情は、普段の和やかな笑顔から一転、険しい戦いの予兆を感じている戦士の貌へと変わっていった。未知の戦いが起こるかもしれない。

    その戦いから、生徒たちを守らなくてはならない。そのためなら死力を尽くそう。

    気の抜けたような笑顔のジニアも顔を引き締める。隆々としたサワロの筋肉にシャツの上からでも分かる血管が見える。笑顔を絶やさないセージが拳を握りしめる。腕を組んで深く息を吸い込むキハダの目に闘志が宿る。破壊の予感にレホールは怒る。ミモザは両手を胸の前で組んで祈るような姿勢を取る。タイムも同様である。

    「この話は生徒たちにはできるだけ言わないでください。彼には戦いの匂いなど感じさせもしたくない。場合によっては緊急帰省も検討に入れましょう。保護者の方々には私からお話しておきます。」

    学び舎に戦いの匂いを持ち込みたくないというクラベルの指示を教員たちは指示した。彼らとて、心持ちは同じである。

    職員室は気合いに満ちている。だからこそ、気づかなかった。

    職員室の壁に貼りついていたスター団の生徒とその後輩が、こっそりと走り去っていく、その足音に・・・。

  • 128二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 20:14:04

    所は大穴に戻り、アオイたちは第2観測ユニットを出発する準備をしていた。
    室内に居ながらでも分かる。上層に集まってきているポケモンの数が明らかに増えている。

    ざわざわと音を立てつつ、その密度を上げていく野生のポケモンたち。一挙に戦うとなれば苦戦は必至。襲い掛かってくる気配がないのが幸いか。

    そんな中を出発することになった全裸探検隊。
    パルデア最高峰の達人集団である彼らだが、さすがにその表情には緊張が色濃く出ている。特にテラバーストできなかったペパーは、その身に巣くう悶々とした淀みが緊張感によって刺激され、どこかイラつきはじめていた。

    アオイは先頭を歩いているためペパーの表情が見えないが、何となく感じるペパーの気配に、どこかワイルドな雰囲気が足されている感じがして胸が高鳴っていた。

    道中、チリとオモダカは小声で何かを話合っていたが、その小さな声は聞こえない。警戒能力の優れたボタンの耳でもその全容は聞き取れず、「陣」というわずかな単語だけが耳に残った。チリとオモダカの会話は長くはならず、簡潔に終わったが、二人の表情には悲壮な覚悟さえ滲んで見える。

    長い長い下り坂を終え、水場に行きついた一行。ペパーたちがこの水場に来るのは3回目である。ペパーはこの水場での戦いを思い出し、女子たちの濡れた肌や、髪紐を加えて髪を結いなおす仕草、肌を拭き清めていく仕草を思い出し、下腹部に熱がこもっていくのを感じたが、今の彼にはそれを自制する手段はない。

  • 129二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 20:14:16

    ここまで来れば、第3観測ユニットは遠くない。慎重に歩いても、あと数時間で到着できるだろう。

    ボタンとネモは同時に違和感を感じた。そしてそれを口に出すのも同時だった。

    「「なんか・・・野生のポケモン少なくない・・・?」」

    前回はここでアラブルタケの大群と戦い、前々回はここでウルガモスや水場のポケモンたちと戦った。ここは戦闘多発エリアと言える。にもかかわらず第2観測ユニットを出てから、ここまで一度の戦闘も起こっていない。野生のポケモンはちらほらと見えたが、皆上層に向かって登っていった。その中には凶暴なパラドックスポケモンの姿もあった。明らかに異常である。

    「丁度ええ。チリちゃんはここで別行動や。」チリは唐突に告げた。オモダカが驚いていない辺り、これを先ほど話合っていたのだろう。周囲の地形を把握して戦闘に備えるため、ここで別行動をとるとう。単独行動は危険だが、アオイたちはチリの目に宿った気迫を前に、反対意見を出せなかった。

  • 130二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 21:33:23

    第3観測ユニットへ着いたアオイたちだったが、ユニットの建物はアオイの報告通り請われてしまっていた。大破したとまでは言えないが、前回の冒険でツバサノオウが観測ユニットの扉を破壊した爪痕が、そのまま残っている。凄まじい破壊力を想像させる残骸。唾を呑み込む音がこだまするように感じられるほど、途方もない緊張感が漂っている。

    そして、周囲にポケモンの気配が全くない。

    「おそらく・・・」オモダカは観測ユニットの外壁に刻み付けられた爪痕を眺めながら、つぶやくように言い始めた。

    「おそらく、今、ここパルデアの大穴は、ツバサノオウが、秩序の中心と、なっているのでしょう」

    聞く者を落ち着かせるためだろうか、その口調はどこか途切れ気味で、普段のすらすらとした話しぶりではなかった。

    「他の野生のポケモンたちは、ほとんどが上層に集まっていました。ツバサノオウから逃げるためでしょう。とすれば、今後は戦闘の機会はかなり減るでしょうが、その代わり、戦闘になるとしたらそれはツバサノオウと従属関係にいる存在、いわば群れの幹部クラスとの戦いかと思います。」

    野生の世界は弱肉強食こそが唯一絶対の掟のはずである。そんな野生のポケモンたちと戦うのに、どこか組織だった相手と戦っているような錯覚を感じる。

    アオイはふとボタンに視線を送った。彼女の表情は暗い。ボタンも元々バラバラだった者たちをまとめ上げ組織として機能させたことのある、いわばボスの経験者である。そんな彼女だからこそ、よく分かっていた。暴力によって秩序を手に入れたところで、先は見えているということを。

  • 131二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 21:33:46

    「考えてみれば、ツバサノオウも被害者かも。突然故郷から連れて来らてさ。みんなに怖がられてさ。それでも力で従わせるしかできないんだ。古代ではそうだったんだろうし・・・」

    アオイはツバサノオウに同情的な発言をした。確かにこの一行は、別にツバサノオウに恨みがあってそれを晴らしに行く訳ではない。
    コライドンがいじめられたというのも、コライドン自身がその仇を討っている。大人しく環境に順応してくれさえすれば、こうして互いに命をかけて戦うことにもならなかっただろう。

    「でもよ・・・」アオイの言葉をつないだのはペパーだった。

    「これも母ちゃんのやったことの結果ちゃんなんだ。俺にとっちゃケジメってやつかもな。」ふわりとアオイの頭を撫でるペパー。彼の腰の芯は、今までにないほどに力強くテラスタルしている。

  • 132二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 21:45:15

    チリちゃんに死亡フラグ勃ってる・・・

  • 133二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 21:45:54

    いやカッコイイこと言いながらテラスタルすな

  • 134二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 23:30:28

    ペパーはテラスタルしてるけど、いまメチャクチャ緊張してるとこだよな

  • 135二次元好きの匿名さん23/01/31(火) 07:59:00

    なんかもう全裸で脳内再生しても違和感なくなった

  • 136二次元好きの匿名さん23/01/31(火) 10:37:37

    アオイの報告によれば、ツバサノオウはオーリム博士のAIが、楽園の守護竜として使役していたとの情報を、オモダカはかなり重要な点として捉えていた。量産が難しいため集団戦では使えないが、一対一であればポケモンである以上、マスターボールによる捕獲で戦闘を安全に終えられる。

    だが、ツバサノオウをはじめとするパラドックスポケモンたちはすでに一度マスターボールによって捕らえられている。ならばマスターボールでも作用しないだろう。トレーナーがすでにいない以上、マスターボールによる拘束だけがない状態であり、次のトレーナーの手に渡るかどうかは、ポケモン次第。

    つまり、問答無用で捕まえようとしてもマスターボールは利かず、戦って実力を認めさせて通常の手段で捕獲しなければならない。

    未曾有の強敵を前に、それはあまりにも至難であった。

    第3観測ユニットでの休息は今までとは違って警戒を続けなくてはならない。周囲にポケモンの気配が全くないため一瞬の油断が命取りになるほどではないが、一度破られた防壁の中で休むのはリラックスからは程遠い。

    ここでの休憩は、洞窟に入るための足休め程度。

    少し立ち止まって態勢を整えたら、すぐにあの結晶洞に向かう。洞窟は目と鼻の先である。そう時間はかからない。

    激しい戦闘までの猶予は、刻一刻と削られていく。

    一行は休息もそこそこに洞窟へと向かった。それぞれのコンディションは悪くない。少なくとも休憩を長引かせる理由にはならない程度には、各自の調子は整っていた。

    洞窟の入り口に立つ一行。チリはまだ合流していない。

    全裸で入っていくには少し肌寒い空気だが、戦いの熱が彼らを昂らせる。

    「行きましょう。」

    オモダカの声は短く、それでいて意志の力を感じせるものだった。

  • 137二次元好きの匿名さん23/01/31(火) 17:55:07

    洞窟内を歩くアオイたちの足取りは決して重くはなかったが、敵のテリトリーで意気揚々と歩き出せるほどの蛮勇を持った者は、この中にいない。徹底した警戒を強いられ、自然と進みは遅くなっていく。
    それでも、その警戒状態だからこそ5人は、洞窟内の一切を観測することができていた。

    それこそ、地面の下、地中からの襲撃すら未然に察知するほどに研ぎ澄まされている。ディグダとダグトリオが現れたその瞬間、オモダカはすでにボールを投げ終わっていた。

    「ミガルーサ」
    突進のスピードにおいて右に出るものなどいない。それほどの神速をもってミガルーサが敵を討つが、オモダカの投擲も正確無比だったからこその、瞬殺劇である。

    あまりの早業に、アオイたちは敵地ながら、深く感心してしまった。

    本来なら、撃破されたポケモンはその身をくらまして退散するものだが、目の前にはオモダカの一撃を受けてぐったりとしつつも、未だ逃げ出さないディグダがいた。その様はまるで・・・。しばらく様子を見ていたが、そのディグダはなかなか退散しなかったが、戦闘を継続しようという訳でもないようで、アオイたちは一応隙を見せないようにしながら、放置して洞窟の奥へと進んでいった。

    ペパーは、今まで戦闘がなかったが小さな地中ポケモンだけが居るのはなぜだろうかと思索していた。
    アオイは、ぐったりと全身で俯いているディグダの姿を見て、なぜかペパーを思い出していた。
    ネモは、ディグダの姿とよく似たモノをどこかで見ているはずだが、それが何かは思い出せなかった。
    ボタンは、何と断じることはできないものの、どこか淫猥なフォルムだと感じていた。
    オモダカは、まるで男性器のようなフォルムだと思ったが、不要なことは一切口にしなかった。

    洞窟を進んでいき結晶洞に出た一行。その美しさは何度見ても目が奪われる。アオイたちはすでに3度目になるが、それでも心がときめくような感触があった。オモダカも、普段気丈に振舞っているがやはり美しい宝石のような光景には、どこか目を輝かせているように見える。

    ペパーは、オモダカのような女性でも、やはり宝石は好きなものなのだろうかと純粋に感じていた。今後誰か女性に贈り物をするとしたら、頑張って宝石を送ってみようかと考えていた。その誰かというのはこの場に居るし、その日はそう遠くないのだが、もちろん今の彼がそれを知ることはできない。

  • 138二次元好きの匿名さん23/01/31(火) 18:58:50

    結晶洞の大小さまざまなテラスタル結晶の表面には、アオイたちの姿が拡大されて反射していた。

    四方八方に映る女体は、ペパーの理性を容赦なく責め立てる。さすがのオモダカも、自分の裸身が拡大されて反射している場面には、赤面を禁じ得ない。もちろん、気丈な彼女の心は揺れはしないが、ほんの少しだけ赤面したオモダカの姿は、ペパーの理性にアイアンヘッドを叩きこむほどの威力があった。

    そんなペパーを見て、アオイの機嫌が悪くなるのは、もはや見えていた流れだったが、さすがにこの敵地の只中で大声でペパーに抗議するほど、アオイは愚鈍ではない。また、ペパー自身は絶対に口にはしないが、結晶に映って彩られた女体の数々の中で、彼が最も目を奪われたのは、アオイの姿である。

    結晶洞を進んでいきながら、三叉路のような地形に出会った。前回の冒険では遭遇しなかった地形であり、周囲の岩肌との色の違いから、おそらくポケモンが掘り進んで作り上げた横道なのだろうと推測できる。

    地形そのものは問題ではない。重要なのは、その奥から明らかな殺気が漏れ出ていることだった。この三叉路のうち、最下層に続く道は中央の道であることは、前回の調査からも分かっている。だが、もしこのまま中央の道を進めば、三叉路の左右の道の奥にいるであろう殺気の主からバックアタックを食らう可能性が高い。

    つまり、アオイたちに求められる行動は、手分けして三叉路の右の道と、左の道を同時に攻略していくことである。そして奥に佇むであろう敵を倒して後顧の憂いを断った上で、ツバサノオウの待つ最下層へと進む。これが概ねの作戦内容だが、当然そこには戦力の分散という致命的な悪手が伴うが、それは呑むべきなのかもしれない。

    下手をすればツバサノオウとパラドックスポケモンに挟み撃ちにされかなないのだから。

    ぺパーとアオイが右を、ボタンとネモは左を進んでその奥にいる敵を倒して、進むことになった。

    オモダカは中央の道を先行して進んでおき、安全を確保しておく役割を担う。

    緊迫した状況だが、アオイは、結晶によって美しく照らされた洞窟内を、ペパーと二人きりでゆっくりと歩いているこの瞬間を、まるでデートのような気分でとらえていた。一方のペパーは、アオイの白い肌が結晶の光で妖しく照らされるこの空間に、言いようのない色気のようなものを感じていた。


    テラバーストの限界は、近い。

  • 139二次元好きの匿名さん23/01/31(火) 19:02:03

    まさか…やるのか!?ペパーのテラバーストで戦況の打開を!?

  • 140二次元好きの匿名さん23/01/31(火) 19:15:40

    全裸で歩くのってもしかしてすごくエッチなことなのか?

  • 141二次元好きの匿名さん23/01/31(火) 19:21:24

    まさかアオイちゃんの前でテラバーストを!?

  • 142二次元好きの匿名さん23/01/31(火) 20:35:38

    いつの世も、堅固な防壁を打ち破るのは、豪傑ひとりではない。数の力である。戦いの趨勢を決めるのも、軍師の策略ではなく数の力である。他を圧倒する絶対的な個など存在しない。数の暴力の前には、豪傑も、猛将も、英雄も無力に踏み荒らされるのみ。

    パルデアの大穴の上空には、オーリム博士が生前に築いたバリアが展開されている。だが、そのバリアもすでにイダイナキバの脱走によって綻びが作られている。いま、大穴の上層には多数のポケモンたちが集まっている。外の世界で抜け出すために。最下層の暴王から逃げるために。

    すでにかなりの数の野生のポケモンたちが抜け出し始めていた。

    命は、生き延びるために他の命を求めるもの。抜け出した猛獣たちの視線がすぐそばにある巨大な餌場に集中するのは自然なことであった。

    テーブルシティ、その北辺に座すアカデミーめがけて、多数のポケモンたちが走る。その中にはパラドックスポケモンの姿もあった。
    猛る突進のように走る群れ。その群れを止めるものがいた。

    「ゾロアーク、ナイトバースト」群れの先頭に打ち込まれる強撃。

    「古いモノというのは素敵だが、何事も「今」の積み重ねがなくては古くなれないものだ。大事な「今」を滅ぼさせはしないよ。」
    レホールはパルデア山脈の山肌に立ち、ポケモンの大群と対峙する。情熱が滾る。油断も慢心も、つゆと見えない。

    だが、群れは一つの塊ではない。レホールが立っている場所を迂回するように、別の群れがアカデミーへと迫る。

    「ペルシアン、つばめがえし!」

    セイジのペルシアンが群れの先頭に攻撃を打ち込む。
    「抜け駆けはNGネ!レホール先生!」セイジの声にニヤリと笑うレホール。

    焦れたように襲い掛かってくる野生の群れ。黒い山肌に、2人の教師の闘志の叫びが轟く。

  • 143二次元好きの匿名さん23/01/31(火) 20:41:32

    テラバーストの限界がシャリタツなのかみずでっぽうなのかわからない

  • 144二次元好きの匿名さん23/01/31(火) 21:03:29

    サワロをはじめとする他の教師たちが合流しアカデミー防衛戦は白熱している。

    教師たちはみな選りすぐりの達人たちである。野生のポケモンたちではとても相手にならないレベルである。高い育成能力によって磨き上げられた個の力、日夜ともに過ごし紡がれた絆の力、教師同士の信頼の力が、防衛線の突破を未然に防いでいた。

    だが、戦いの趨勢を決めるのは、数の力である。

    いかに達人たちと言えど、多勢に無勢では限界もある。荒い岩肌でゴリゴリと削られるように、体力も気力も疲弊していく。群れの終わりはまだまだ見える気配がない。

    「「「「せんせーたちーーーーーーー!!!!!!!」」」」

    どこからともなく響いてくる生徒たちの声。

    「いったい誰が・・・今は学生たちは寮内にいるはず・・・」サワロは息を切らしながらつぶやいた。

    遠距離から敵の群れを焼く豪炎が飛んできた。山肌から見えたのは、赤・黒・ピンク・紫・オレンジの大旗。

    そして、リーゼント頭の謎の男。

    「ス、スター団の生徒たち!?」
    彼らは不良である。不良とは、押し付けられる秩序への反逆者である。そんな彼らが、寮内でおとなしくしているように、などと言われても従う道理はなかった。

    本来なら𠮟りつけて早く逃げろと叫ぶべきはずだったが、教師たちは目の前の光景の力強さに、どこか口角が上がるのを感じた。決して傍らのリーゼント男を笑った訳ではない。断じてない。

    気力を振り絞り再度立ち上がる教師たち。多数の群れを取り囲む、さらに多数のスター団。

    改めて言おう。

    戦いの趨勢を決めるのは、数である。

  • 145二次元好きの匿名さん23/01/31(火) 21:11:17

    戦いは数だよ兄貴!

  • 146二次元好きの匿名さん23/01/31(火) 21:19:27

    圧倒的な個などいない。戦いは数の力。

    それは不変の真理である。個の力が際立つのは戦況が混乱しているときだけである。

    事実、スター団の参戦によって、群れの勢いはかなり抑えられていた。確かに群れは大きく、ポケモンの数も膨大である。だが、それはスター団も同じこと。しかも、彼らはSTCで日夜鍛錬に励んでいる。乱戦混戦はむしろ得意分野と言えよう。

    メロコ率いる炎組は遠距離から的確に炎を打ち込む。猛火に彩られた闘志は見る者、共に戦う者をも昂らせる。

    シュウメイ率いる毒組は縦横無尽に駆け巡りながら、敵の群れを裂き、分断して翻弄している。

    ピーニャ率いる悪組は実に統率の取れた的確な戦線操作によって、ときには敵を引き込み、ときには敵陣を押し込んで戦況を操っている。

    オルティガ率いるフェアリー組は要所要所で重要な立ち回りをしている。討ちもらしを刈り取り、仲間の背後を守り、戦線維持と回復のための隙を作る。巧みな戦巧者である。

    そして、ビワ率いる格闘組は、純粋なパワーによる押し込みで雑多な抵抗を蹴散らしていく。それぞれが十分な力量を持っている上、団員たちの練度も高い。

    だが、敵の群れも途切れず混戦乱戦が続いていく。そして、戦況はいわば「動の膠着状態」へとなっていた。

    そのとき、教師たちとスター団の面々の前に、ひらひらと揺蕩う黒い布が現れた。

    パラドックスポケモン ハバタクカミである。

    いよいよ、パラドックスポケモンとの戦いが始まる。

  • 147二次元好きの匿名さん23/01/31(火) 21:20:17

    何が凄いって、まだ大穴入ってないから、こいつら全員服着てるんだよな。着衣でこんなに戦えるなんてすげえよ。

  • 148二次元好きの匿名さん23/01/31(火) 22:10:18

    ネルケ来てて草

  • 149二次元好きの匿名さん23/01/31(火) 23:24:17

    なんか普通のスター団のfaになってしまった
    普通って何なんだろう

  • 150二次元好きの匿名さん23/01/31(火) 23:25:18

    >>149

    普通に服着てて異常事態

  • 151二次元好きの匿名さん23/01/31(火) 23:31:52

    どうせなら全裸バージョンも描いてくれ

  • 152二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 07:19:19

    >>149

    コータスえっち!

  • 153二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 09:58:13

    洞窟内ではアオイとペパーが順調に三叉路の一つを進んでいた。

    今のところ、敵襲はない。だが、明らかに殺気が向けられている。奥に佇むであろう強敵を目指して進んでいく二人。警戒は怠っていないが、ずんずんと歩み進むアオイには自信と意力が満ちているように見える。

    一歩一歩、力強く地を踏みしめるごとに、ふるりと揺れるアオイの白い尻。結晶に照らされて、七色の光をほのかにまといながら、ふるふると揺れるアオイの尻。ペパーの中では「理性」と書かれた巨岩を無数の小さなアオイたちがハンマーで少しずつ砕いているようなビジョンが見えていた。

    歩いているうちに洞窟が急に開けてきた。壁の色からして、ここはポケモンが掘り進んで作った空間ではなく、もともと岩壁の中に存在していたのだろう。

    天井も高い。結晶の光で天井までくっきりと見渡せるが、一番高い部分まではコライドンが全力で飛び上がっても十数秒はかかるだろう。機動性の部分は問題ない。

    ペパーとアオイがもう少し歩を進めたところに、その敵はいた。もはや見慣れたピンク色の丸い身体。サケブシッポである。

    だが、サイズがかなり大きい。まるで、あの巨大トドロクツキのように、ヌシのような大きさをしている。ペパーもアオイもさして驚きはしなかった。一筋縄ではいかないだろうと予感していたからである。

    「ぷりぃぃあああああああ!!!!」

    可愛らしい鳴き声だが、これほどのサイズとなると、どうしても重低音を伴う。ただの鳴き声がハイパーボイスのような威圧感をもって周囲を圧する。

    それでも、ペパーは雄々しく嗤った。サケブシッポが鳴き声を上げる度に、アオイの尻がふるふると震えるからである。

    「プリンちゃんだぜ・・・!!」

    ペパーの雄たけびが、「獰猛な相手をわざと可愛らしいポケモンと呼ぶことで自分を鼓舞している」と思ったアオイは、まさかそれが自分の尻を対象に含んでいることなど、知る由もなかった。

  • 154二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 12:23:05

    セクハラじゃねぇか!

  • 155二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 12:26:12

    ぺパーやっぱり限界が近づいてるなw

  • 156二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 14:45:48

    ペパー、もうそれはセクハラなんよ…

  • 157二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 21:30:20

    「行くぜ!キョジオーン!ヨクバリス!」
    ペパーは勢いよく二体の相棒を繰り出した。マフィティフを繰り出さないのは、サケブシッポのフェアリー技を警戒してのことである。
    厄介なタイプ相性を複合して持っているサケブシッポ。ペパーの相棒たちにはその弱点を丁度よく突ける者がいない。そのためにペパーの取った戦略は、マフィティフの次に長い付き合いがあり洗練されているヨクバリスと、頑強さでは随一のキョジオーンを繰り出して削り勝つことだった。

    「マー君!ヤヤ君!」
    アオイの選択も、ペパーと概ね同じ道筋を辿っていた。マスカーニャはフェアリー技に、ゲンガーはエスパー技に弱い。チルタリスとコライドンはドラゴンタイプを持っているため、フェアリー技にはやはり弱い。
    消去法的ではあるが、コサジの小路からの付き合いであるファイアローのヤーヤと、今まで何度も重要局面を乗り越えてきたヌオーのマサオという選択肢は、戦力としては十分信頼に足るものである。

    これはトレーナー同士のポケモン勝負ではない。着衣の多人数で挑むテラレイドとも違う。完全な野生の戦いである。一挙手一投足が、生き残りに直結する、命がけの、全裸の綱渡りである。

  • 158二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 21:30:33

    サケブシッポは様子見はしなかった。
    初手からフルパワーのハイパーボイス。アオイとペパーは転がるような動作で近くの結晶の裏に、それぞれ身を隠す。相棒たちは、ペパーのキョジオーンの後ろに避難し、当のキョジオーンは防御態勢を固めている。
    ヌシ並みの巨体から繰り出されるハイパーボイスは凄まじい圧力を放っていたが、ノーマルタイプではキョジオーンを削り切ることなどできない。攻撃が途切れた隙をついてファイアローが高く舞い上がる。結晶洞の中の天井は十分な高さがある。洞窟内でも飛行に問題はない。

    敵が上方に飛び上がって行ったのを視認したサケブシッポだったが、高速で飛行するファイアローに対して悠長に照準を合わせている暇などない。ヌオーの「だくりゅう」やヨクバリスの「じしん」が足元から揺さぶって機動力を落としてくる。
    そこにキョジオーンの渾身のストーンエッジである。いかに巨体と言えど、無視はできない。

    順調な滑り出しとはいえ、相手は、ヌシ並みのパワーを持っている上、そもそもが凶暴なパラドックスポケモンである。一瞬の油断で全てを破壊されかねない。こちらが最善手を打ち続けても、蹂躙してくる怖さが、野生にはある。

    この場に布を纏っている者は、一人としていない。

  • 159二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 22:04:36

    ファイアローは隙を見て急接近し、「アクロバット」を叩きこんではすぐに上方へと飛び上がっていく。そんなファイアローを「ハイパーボイス」で追撃しようとすれば、地上の3体が猛攻を仕掛けてくる。
    そうして生じた隙に、ファイアローがまた奇襲を差し込む。

    サケブシッポはじれったく感じていた。思うようにいかない戦況に苛立つのは、戦略を知らない野生にとっては、自然なことである。

    アオイとペパーは結晶洞に身を隠しつつ、こまめに移動しながら指示を出している。足を止めて一か所に留まれば、たちまち猛攻を受けてしまいかねない。潜伏と移動は冒険者の基本技能でもある。

    ときに合流し、ときに別れ、二人は自在に距離を調節しながら戦況を把握し、的確な指示を出していく。ペパーはアオイと合流するたびにその白い肌を目に焼き付けていた。今までであれば、極力いちばん大事な胸部と下腹部には視線を送らないようにしてきた彼だが、テラバーストをお預けにされて、もはや余裕はない。

    戦いの最中であるため、正面からじっくり見ることなどできない。一瞬一瞬、偶然アオイの肢体が視界の中に入ってくるのを待つのみである。

    ペパーはいつしか、サケブシッポが暴れているせいで、アオイの身体を堪能できないのだという逆恨みに近い思いを抱くようになった。そんなパラドックスをはらみつつも、一流である彼は指示を外したりはしない。

    いや、むしろ、アオイへの劣情がペパーのトレーナーとしての才気を押し上げているような気配さえある。

    ネモが全裸を力に変えたように。

    ペパーは今、アオイへの劣情を力に変えつつある。

    自分が親友と呼ぶ相手へ劣情を抱いていることを、ペパーははっきりと自覚してしまっている。だが、それが、ネモの腋に惹かれるよりも、ボタンの鎖骨に惹かれるよりも、濃密で甘美である理由については、彼自身未だに気づいていないし、それはまだもう少し先になるだろう。

  • 160二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 22:25:48

    随分熱い展開になってきたな
    自分も脱ぐか

  • 161二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 22:43:32

    いくら強大な敵とはいえ、パルデア最高の達人二人が阿吽の呼吸で攻め立てるのである。優勢となるのは、必定。

    だが、忘れてはならない。戦場で、戦士の命を最も多く奪うのは、銃弾でも剣劇でも爆薬でもない。

    勝利の「期待」である。

    アオイたちは手ごたえを感じていた。ほとんど致命的なダメージを受けずにかなり有利に戦闘を進めることができている。無論、巨体が発する衝撃波やハイパーボイスなどの大規模技によって、みなそれなりにダメージを受けてはいるが、まだまだ余裕がある。

    いける。

    このまま押し切れば勝てる。早く勝てればボタンとネモの救援に向かうこともできる。

    二人の脳裏には、全く同じ希望が、全く同じタイミングで浮かんでいた。

    だが、ここは大穴。希望を呑み込み命を喰らう、人外魔境パルデアの大穴である。常識的推論は悲劇しかもたらさない。

    結晶洞の中には当然テラスタル結晶が多く生えており、それは天井も同様である。ファイアロー以外、天井の結晶を近くで見ることがないため、気づくのが遅れた。

    度重なる振動と衝撃によって、天井に生えていた結晶の塊、そのうちの一つが岩肌から外れ、落下してきたのである。それも二人の頭上に。

    運命の悪魔が選んだのは、アオイの方だった。頭上に迫る巨大な結晶。戦況に集中する余り、身に迫る危険に気がつかない。ペパーがそれに気づいたのは、皮肉にも普段の彼にはない劣情の視線がアオイをとらえたからであった。

    間一髪、飛び込むようにしてアオイを抱き寄せ、落下する結晶をかわすペパー。突然のことだったが、アオイは瞬時に状況を理解して、ペパーに礼を言う。しかし、ペパーの反応がない。落下した結晶の破片が彼を強打したようだ。出血こそないものの、彼の意識も、呼吸も途切れてしまっている。

    「 ぺ ぱ あ あ あ あ !!!! 」

  • 162二次元好きの匿名さん23/02/02(木) 05:19:54

    全裸なのに……さっきまで劣情がどうとか言ってたのに……
    めっちゃシリアスな展開だ!

  • 163二次元好きの匿名さん23/02/02(木) 10:20:19

    目の前で倒れるペパー。アオイは絶叫して取り乱したが、動揺はほんの一瞬だった。そもそも今は戦闘中。敵を倒そうとしている身で、倒されたら憤るなどあってはならない。

    アオイの行動は実に迅速だった。彼女の脳裏には同時再生のように、アカデミーの教諭陣の一人ミモザとの交流が映し出されていた。

    「倒れている人が居たらまず出血の確認・・・よかった、血は出てない・・・心拍・・・も、安定してる。でも・・・呼吸が・・・」

    一つずつ、自分に言い聞かせるようにつぶやきながら処置をしていくアオイ。ペパーの呼吸が止まっていることを確認し、青ざめる。

    そして、ほんの少し赤面する。

    「顎を上げて・・・よし、気道確保。あとは、・・・人工呼吸・・・」

    傍らではファイアローたちが決死の戦闘を続けている。戦いの喧騒の中、洞窟内の結晶の一つに、背中を丸くしてペパーの顔に唇を近づけていくアオイの姿が移っていた。轟音がとどろく中、まるで彼女の周りだけ音が消えたかのように静かに感じられた。

    「っっ・・・はっっ!?」
    ぺパーは結晶の破片に強打され意識を失ってから3分もしないうちに、意識を回復した。そばにはアオイの姿が見えたが、彼女は声こそ明るくかけてくれたが、顔を向けてはくれなかった。

    「アオイ・・・?」

    「・・・・・・・・・見ないで・・・・」

    頑なに顔を見せてくれない少女に、青年は血の気が引くような想像をしてしまった。結晶の破片が顔を傷つけたかもしれない、それでその傷を隠すようにしているのかも・・・しかし、そうだとしたら早く手当をしなければならない。

    ペパーはアオイの制止を振り切って彼女の顔を確認した。そこには、この上ないほど真っ赤に赤面して涙目になっている可憐な少女の美しい顔があった。少女の恥じらいの表情は青年のウミディグダに更なる活力を与える。

    「・・・見ないで////」「・・・・ごめん/////」

    サケブシッポはこの上なくイラついていた。

  • 164二次元好きの匿名さん23/02/02(木) 11:22:51

    この上なくイラつくサケブシッポちゃんめっちゃ膨らんでそう。

  • 165二次元好きの匿名さん23/02/02(木) 11:45:21

    正直、クソ強い奴らにちょこまか翻弄されつつ削られてる最中にこんなイチャイチャ見せられたらブチギレしてもおかしくない

  • 166二次元好きの匿名さん23/02/02(木) 16:10:05

    サケブシッポ、お前の気持ちよく分かるよ…

  • 167二次元好きの匿名さん23/02/02(木) 17:44:46

    何事も、成否を決めるは量と質。

    量でいえば、体躯ならサケブシッポが勝り、人数ならアオイたちの方に利がある。練度はこちらが勝つが、威力ではあちらが上。
    となれば、勝敗を分けるのは何か。
    それは、戦士たちの気力と戦術の差に他ならない。

    回復したペパーと共に、アオイは一転攻勢に出るべく、大きな賭けに出た。
    「にゃおちゃん!!」悪タイプも持っているためフェアリー技を警戒して控えていた、古参の相棒マスカーニャの投入である。

    無論、敵とてやみくもに暴れているわけではない。目の前に弱点をつけるカモが現れれば、当然一撃を叩きこもうとする。だが、それに気づかないアオイではない。マスカーニャのスピードはサケブシッポの捕捉速度を完全に上回っていた。

    苛立ったサケブシッポは、マスカーニャを置いて機動力の低いキョジオーンを削り切ろうと向き直る。ただ、それもペパーに読まれていた。ファイアローと入れ替わるように、キョジオーンは高く跳びあがっている。

    渾身のボディプレスである。破壊力抜群の威力を誇るが、サケブシッポの弱点をついた訳ではないため、ダメージはそこそこどまり。だが、ペパーの、そしてアオイの真の狙いは、キョジオーンの巨体でファイアローの接近を隠すことにあった。

    低空を飛びつつ、更に加速するファイアロー。その翼には鋼の光沢が宿る。キョジオーンのボディプレスを受け止めて態勢を崩したサケブシッポには、その一撃をかわすことはできない。

    妖魔を討ち取る、鉄塊の飛翔 「はがねのつばさ」
    フェアリーの弱点、鋼技の強撃である。それでもわずかに体力が残っていたサケブシッポの体力を、マスカーニャの「とんぼ返り」が刈り取った。

    犠牲なしの完全勝利である。ペパーとアオイは抱き合って喜んだが、己の胸に当たる相手の胸の感触に気づいた辺りで二人とも同時に赤面して抱擁をやめた。アオイはぺパーの硬い胸板を、ペパーはアオイの柔らかい胸を脳髄に刻み込んだ。
    「ご、ごめん・・・」「い、いや、私も・・・ごめん」

    「「/////////」」

    結晶に彩られた洞窟内は、心なしかピンク色に染まっているように感じられた。

  • 168二次元好きの匿名さん23/02/02(木) 17:57:08

    サケブシッポ、憤死しそう

  • 169二次元好きの匿名さん23/02/02(木) 19:08:29

    ・全裸で抱き合いながら夜を過ごす
    ・全裸でベッドの上でイチャイチャする
    ・全裸で口付け
    ・全裸でお互いの乳を揉む

    ここまで進んでおきながらペパ全シリーズのペパアオはまだ正式に付き合ってないんだい!

  • 170二次元好きの匿名さん23/02/02(木) 19:37:03

    ピンク!

  • 171二次元好きの匿名さん23/02/02(木) 19:44:44

    こいつら付き合ったらどうなっちゃうの?

  • 172二次元好きの匿名さん23/02/02(木) 19:47:21

    第1作見てきたけど、12月の末から書いてるんだな。ってことは、スレ主さん、一年の12分の一を全ぺに費やしてることになるぞ・・・・

  • 173二次元好きの匿名さん23/02/02(木) 20:03:03

    >>169

    待て揉んではいないぞ揉んでは

    抱き合ったから胸と胸がダイレクトに合わさっただけだ

  • 174二次元好きの匿名さん23/02/02(木) 21:03:38

    >>173

    ・・・・もはや誤差では?

  • 175二次元好きの匿名さん23/02/02(木) 21:12:30

    >>170

    キョジオーンと戯れてるにゃおちゃんとヤヤ君かわいい

  • 176二次元好きの匿名さん23/02/02(木) 21:33:36

    時は少し遡り、アオイたちが三叉路の一つを進んでいる頃、ネモとボタンも同様に三叉路のうちの逆側の道を進んでいた。

    環境はそう大差ないようで、結晶がまばゆく煌めいて洞窟の中を明るく照らしている。あまり乙女趣味のない二人だったが、煌めく結晶の光が織りなす美しい光景は、奥からの殺気さえ無ければ、純粋に楽しめた。

    道を進むにつれて身を指すような殺気が激しくなってくる。もはや喉元に刃物を突き付けられているかのような圧迫感を感じる二人。

    だが、この二人は殺気によるプレッシャーには、めっぽう強い、いわば殺気の玄人である。

    地獄のような日々を乗り越えた経験を持つボタンにとっては、人間の悪意がもたらす怖気の走るような圧迫感に比べれば、野生の生命がぶつける殺気など、純粋すぎて美しさすら感じられるものである。

    また、ネモにとっては、そもそも強い存在が自分と戦う気で居てくれるだけで、彼女は大いに昂ることができる。

    士気は十分。意力は充実。備えは万端。

    洞窟を歩いていると、天井が高く、開けた場所が出てきた。ネモたちは知る由もないが、これはアオイたちの方と同様の構造である。

    高くそびえるような巨大結晶が林立している。そんな空間でネモとボタンを迎えたのは、意外にもパラドックスポケモンではなかった。

    エリアゼロの最深部に居つつも、パラドックスポケモンたちにその身を脅かされない確かな強さを持った凶獣。その3つの頭はみな、ネモとボタンの方を向いて牙を剥く。
    黒悪の破壊龍 サザンドラである。それも特大サイズで、ヌシ並みの大きさである。
    それでもネモとボタンは怯えの片鱗すら見せない。
    「うわ、強そ・・・ネモ、こういうときの表現って、言語学で習った?」
    「習ったよ。ピッタリのやつ!」
    「お、いいね、教えて」
    「 血 沸 き 肉 躍 る ! ! ! ! 」
    「ネモいわ~」

    軽口を叩きつつもしっかりと敵を見据える二人。巨大サザンドラとの戦いの始まりである。

  • 177二次元好きの匿名さん23/02/02(木) 23:22:11

    巨大全裸サザンドラ

  • 178二次元好きの匿名さん23/02/03(金) 06:24:16

    サザンド裸

  • 179二次元好きの匿名さん23/02/03(金) 10:55:59

    サザンドラはドラゴンタイプと悪タイプの複合であり、本来ならボタンのニンフィアの良い的でしかない。だが、彼女は危険を感じてもいた。こんな危険地帯に生息していて、それもここまで大きくなった個体が、そんな分かりやすい弱点を放置しているはずがない。
    ボタンはブースターとニンフィアを同時に繰り出し、ブースターを前衛に、ニンフィアを後衛して戦線を作ることにした。それは当然、サザンドラによる攻撃「ラスターカノン」を警戒してのことである。

    そしてその懸念は現実となった。三つの口から同時に放たれる強撃。距離があったため十分回避できたが、その余波はボタンのむき出しの身体を震わせる。普段ゆったりとした衣服に包まれていてボディラインが見えにくい彼女は、ほっそりと瘦せ型ではあったが、女性としての甘やかな肉感を漂わせていた。大きくはないが白い胸部には確かな双丘がある。
    もしペパーがこの場にいたら、さらなる揺さぶりを受けて、テラバーストへまた一歩近づいていただろう。

    あまり人と交流しないボタンだが、それでも年頃の女子であり、人並みに羞恥心もある。その羞恥心を感じさせるものは、この場にはない。ボタンはしっかりと脚を開いて腰を落とし、低い姿勢で相手の出方を伺う。多少はしたなくも見える姿勢だが、弱者が下から強者の喉元を狙うのは戦場の常識である。
    理不尽な悪意に晒され続け、それを自力で撃退してきたボタンにとっては、当たり前のことでもあった。

    ボタンが気を吐いて敵と対峙したとき、ネモはボタンと大きく距離を取り、サザンドラの側面に位置取るために、走り出していた。このときはまだ相棒たちを繰り出していない。

    先ほどのサザンドラの「ラスターカノン」を見てから、攻撃技の規模が大きいため、一か所に寄らない方が得策だと判断したネモは、サザンドラの3つの頭の意識がボタンに集中している隙にポジショニングを進める。

    ネモにとって、全裸は力である。自然の中に己を溶かし込み、大地の響き、風の声に耳を傾け、最良の一手を撃ちだす。全裸がもたらす至高の境地。それがネモの至った新たなステージであった。無論、ネモとて一人の少女。羞恥心がないわけではないが、彼女はむしろ、「パルデア全土が全裸エリアになれば、常に全裸で戦える」とすら考えていた。

    必要ならば、常識すら変えてしまおうという胆力は、彼女の非凡さを構成する一因であろう。

  • 180二次元好きの匿名さん23/02/03(金) 11:39:13

    パルデア全土を全裸はマズイですよ!!!

  • 181二次元好きの匿名さん23/02/03(金) 12:06:38

    トップ、この子は危険です、早く何とかしないと

  • 182二次元好きの匿名さん23/02/03(金) 15:12:31

    >>181

    トップも全裸トーナメント画策してるお方やぞ。もうパルデアは詰んでる。

  • 183二次元好きの匿名さん23/02/03(金) 22:11:40

    じわじわと距離を詰めてくる全裸の少女たちに、サザンドラの脳は明らかな恐怖を感じていた。あらゆる破壊をもたらす高い知能が、全裸による蹂躙を恐れている。

    サザンドラの目には、ネモとボタンの目が妖しく光っているようにすら見えている。

    決死の「ラスターカノン」も、必殺の「あくのはどう」も、まるで最初から予測されていたかのようにかわされ、再び距離を詰められていく。

    ボタンは決して急ぎはしない。姿勢は低く、慎重に、ゆっくりと、確実に距離を詰めていく。「ラスターカノン」の光球はブースターの火炎によって防ぎ、ニンフィアの「ムーンフォース」を至近距離で確実に叩き込むため、じりじりと迫るボタン。

    その姿は、どう見ても弱者側ではない。まるで捕食者のような圧力を全裸の全身からほとばしらせ、敵を威圧していく。

    サザンドラは完全に怯えていた。全裸の少女に迫られることの恐怖を感じていた。ペパーがこのサザンドラと知り合うことがあれば、両者は会心の握手をかわすことだろう。だが、この場にペパーはおらず、居るのは、ただただ全裸に追い詰められていく、自分が居るのみ。

    そして、迫りくる全裸は一人ではない。右側の頭は側面から忍び寄るネモの圧力にも押されていた。彼女もまた、姿勢を低くして、まるでレスリングの強者が相手を追い詰めていくようにじりじりと迫ってくる。

    傍らには、いつの間にか繰り出されていたパーモットが、同じような姿勢で近づいてきている。ウェーニバルも同様にしている。こちらも、サザンドラの猛攻をときにはかわし、ときには撃ち落として接近を続ける。

    いっそひと思いに距離を詰めてくれればどんなに気が楽だろうか。サザンドラは、巨体からあらゆる攻撃を繰り出して二人の少女を追い払おうとするが、巧みにかわされて接近される、その繰り返しに精神を削られてきていた。

    全裸が迫る、全裸がやって来る、全裸が襲い掛かる、全裸が、ぜんらが、ゼンラガ、zenraga・・・

    必要な距離まで近づいたネモが取った行動は、サザンドラの予想をさらに上回った。驚異の6体同時使役である。サザンドラの6つの眼のすべてでも収まらないほど全裸が襲い掛かる。もちろん、ボタンもニンフィアたちとともに襲い掛かっている。

    結晶洞の中に、悪龍の声にならない悲鳴が響いた。

  • 184二次元好きの匿名さん23/02/03(金) 22:21:18

    パラドックスでない一般ポケモンが極限の全裸と渡り合うには力不足だったようですね…。

  • 185二次元好きの匿名さん23/02/03(金) 22:23:12

    とうとうペパー以外に犠牲者が出ちまった。全裸の女には気をつけろとあれほど言っておいたのに

  • 186二次元好きの匿名さん23/02/03(金) 22:49:45

    サザンドラに生まれなくてよかった

  • 187二次元好きの匿名さん23/02/03(金) 22:52:44

    アオイたちが三叉路の両側を進んでいっている頃、オモダカは一人、結晶洞を進んでいた。

    周囲にはわずかに気配がするものの、岩に紛れたキラフロルや地中に隠れたディグダの類のみである。この結晶洞に満ちる緊迫感の中で生息できるのは、そのような環境に一体化した小型のポケモンだけのようで、実際、若い女性が独り全裸で歩いているというのに、襲撃の気配は微塵もない。

    洞窟内の巨大な結晶には、オモダカの美しい肢体が反射している。ここまで鮮明に、それも拡大されて映し出されては、さすがに気恥ずかしいが、見る者がいるわけでもないこの空間。オモダカは若干頬を染める程度で、特に気にはしていない。それでも胸と下腹部を隠すようにしているのは、淑女としてのたしなみだろうか。

    小さなポケモンだけが生息できるといったばかりだが、奥にいるであろうツバサノオウが放つプレッシャーに耐えられる個体であれば、この結晶洞の中にも居られる。実際、オモダカの眼前にはイダイナキバの最大個体クラスが2体、立ちはだかっていた。

    「おや、あなたたちの住処でしたか。これは失礼しました。すぐに立ち去るのでお気遣いなく。」

    極力気を乱さず、無駄に相手を刺激せず。

    オモダカは、自分の方がこの結晶洞において異物であることを理解している。だからこそ、まずは敵意がないことを伝え、戦いを避けようとする。

    だが、無論、凶暴なパラドックスポケモンがそれの申出を呑むはずもなく。

    猛突する2体のイダイナキバだったが、2歩進む前に地面に倒れ込んでしまった。まるで自分から倒れに行ったかのように昏倒し、立ち上がることすらできない。

    神速の射手 ミガルーサの一撃である。

    殺気を感じたその瞬間、刹那の隙を塗ってミガルーサを繰り出したオモダカ。その早業は、トレーナー相手の勝負の場では見られない超絶技巧である。

    「肌を遮る物がないと、いろいろと機微に敏くなりますね・・・ふふ」

    軽やかに死地を進むオモダカ。一糸まとわぬその背中は、結晶の煌めきで一層凛として見えていた。

  • 188二次元好きの匿名さん23/02/03(金) 22:53:23

    >>186

    ちょっとうらやましい

  • 189二次元好きの匿名さん23/02/03(金) 22:55:36

    裸の女の子2人に迫られるとか、「嫐」の状態だな

  • 190二次元好きの匿名さん23/02/03(金) 23:12:04

    トップ、裸で闊歩してるのにカッコイイ

  • 191二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 00:09:41

    これトップもZ技に目覚めかけてない?

  • 192二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 07:19:25

    お、トップのパートか。ノースリーブの件でオモダカさん今キテるから楽しみだ。まあ、ノースリーブどころじゃないんだけども。

  • 193二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 14:10:16

    このスレももうすぐ終わりか。毎回完走してるのすげえよ
    主が天才なのもあるけど、読者みんなの全裸愛が伝わってくるスレだな

  • 194二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 14:24:20

    洞窟内の黒い岩肌を踏むオモダカの足音は落ち着いていた。遅いわけではないはずだが、気品と余裕を感じさせる足運びは、どこかゆったりとした雰囲気を醸し出している。

    豊かな長い髪が、洞窟の中を抜ける風にたなびいて、結晶の光に無数の細い影を添えている。絶対的な強者だからこそ纏える、形容し難い妖艶さが彼女を包んでいた。

    アカデミーの理事長であり、リーグの委員長でもあるオモダカは、パルデアの重要機関の長として十分すぎる器量を備えているし、その重責に応えようと己を律し続けてきた。そんな彼女は今、久方ぶりに人目の届かない完全な一人になって、どこか浮き立つような気分になっている。

    屋外での全裸。

    それも、死地での全裸。
    本来なら分厚い装甲に身を包んで大人数で慎重に進むべき人外魔境の底の更に底を、若い女が、一糸まとわず、一人で、快闊に歩き進む。

    明らかな異常事態である。オモダカは、これが異常事態であることを深く認識している。自分が浮き立つような気分でいることも分析している。だが、なぜ気分がこんなにも爽快なのか、なぜこんなにも気持ちが上向くのか、その理由までは分からない。

    あるいは、死地の圧力に心が耐えている熱を、昂ぶりと錯覚しているのかもしれない。
    あるいは、血沸き肉躍る戦いの愉悦を予感し、気力が研ぎ澄まされているのかもしれない。
    またあるいは、日々の重責によって抑圧された心身が、衣類と常識と重責を脱ぎ去った解放感に打ち震えているのかもしれない。

    普段あらゆる感情の手綱を堅く握り、沈みも昂ぶりも完全に御している彼女にとって、命をむき出しにするこの冒険は、これ以上ない命の洗濯となっていた。

    そんな愉しみを感じているオモダカだったが、目の前にゆっくりと姿を現した存在に対して、恭しくお辞儀をし、礼を示した。
    「初めまして。パルデアリーグ委員長のオモダカと申します。」少しだけ速い口調で自己紹介するオモダカ。
    「本日はあなたにお話しがありまして、こちらまで参りました。多少乱暴になってしまったことをお詫びます。

    ツバサノオウ、いや、この大穴の王よ。」

    人間とポケモン、双方の頂点に立つ者同士が、パルデアの地の底で対峙する。

  • 195二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 16:34:45

    この人全裸で一体何万文字書いたんだろう・・・

  • 196二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 16:53:16

    ツバサノオウの両目は、過分な殺気を放ちつつも落ち着きをもって眼前に立つ小さな人間を見下ろしている。

    故郷から突然連れ去られ、マスターボールの呪縛に囚われ、それでも強者の誇りをもって戦い続けてきたツバサノオウ。その戦闘経験は、この現代においても、有効なセンサーとなって彼に警告していた。

    「この女はヤバい」

    そもそも洞窟の中に全裸の女が独りでいる状況が自体が異常事態なのだが、ツバサノオウがそんなことを知る由はない。つまり、彼は今、古代の大地を生き抜いた頑強な肉体に宿る本能と、竜戦虎争の世界の覇者となった戦闘経験をもって、すべてを判断している。

    彼を構成する、その全てが明確な警告を発していた。

    眼前の全裸は、今まで戦った、どの全裸よりも烈しい全裸だと。

    彼は確信した。この全裸を下せば、自らが再び覇者となることを。

    オモダカの姿を、眼球の動きだけで見下ろし、ゆっくりと大きく息を吸う古代の覇王。対して、現代の女王は動かない。涼やかな笑みさえ浮かべて、相手を見上げている。

    全力の咆哮。広い結晶洞の岩という岩、結晶という結晶のすべてが、勇ましい戦いの歌を歌い出したように共鳴し震える。

    オモダカは口角が上がるのを抑えられない。

    「フフ・・・・アハハ・・・」涼やかだった微笑みに、熱がこもっていく。

    レディが大口を開けて笑うなど、はしたない。

    「アハハハ!ハハハハハ!!」大きく口を開けた獰猛な笑顔を見せて、敵の咆哮を正対する。音量や音圧でいえば、ツバサノオウの全力の咆哮に、人間の女性の笑い声が叶うはずなどない。しかし、結晶洞には確かに、古代と現代の、王者たちの嗤い声が鳴り響いていた。

    「 さ あ !!! 始 め ま しょ う ! ! ! ! 」

  • 197二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 16:57:03

    >>196

    これはトップチャンピオンですわ…

  • 198二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 17:11:09

    アオイちゃんよくこの人に勝てたな。

  • 199二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 17:15:18
  • 200二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 18:46:11

    獰猛なトップかっこいいな

オススメ

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