【閲覧注意】嫌な顔されながらカフェに助けてもらいたい【SS】

  • 1二次元好きの匿名さん21/11/09(火) 23:39:25

    嫌な顔されながらカフェに助けてもらう概念
    こう、確実に自分が悪いんだけど、それでもカフェに霊的現象から助けてもらいたい
    何なら助けを乞うた瞬間に汚物を見る様な目で見られたいし、助けられた後も塩対応されたい

    正直口で言っても分からないと思うので、サンプルSS持ってきました
    ※カフェ持ってないのでエミュガバガバです

  • 2陽だまりの影21/11/09(火) 23:40:12

    「やれやれ、こんな物を見て面白いのかい?」
    「……あなたは何も感じないでしょうね……」

     昼間、学園の廊下を歩いていると、二人のウマ娘──アグネスタキオンとマンハッタンカフェが、休憩スペースで何やら話し込んでいた。
     その前には壁掛けのモニターTV。スペースにいくつか置かれているテーブルや椅子には誰も座ってないのに、二人は隅でじっと立っていた。

     ……あの二人は何をやっているんだ?
     あのTVはトレセン学園の紹介映像を延々と流してるだけだったはずだ。内容も単調な物で、さして面白い物でもない。
     まして、あの二人はそんな物に興味を持つような殊勝な性格でもないだろう。なのに、何故こんな所でたむろしているのか。

     ……まぁいいか。あの変人達の思考なんて、どうせ俺には理解できない。早く戻って仕事をしなければ。
     俺は足を止める事なく、そのまま素通りしようとした。

    「……のか? ……ろう?」

     まだ話し声が聞こえてくる。
     そんなに大きな声で話してたか?

    「……せん。どうせ……」



    「すぐに戻ってきますから」

  • 3二次元好きの匿名さん21/11/09(火) 23:40:59

    言い出しっぺの法則を実行するのをまず評価する、続けて?

  • 4陽だまりの影21/11/09(火) 23:43:41

     ……足がピタリと止まった。
     『すぐに戻ってくる』? それって、俺の事か?
     俺は何か引っかかる物を感じて、踵を返した。

    「君たち、ここで何を──」

     俺は二人の視線を追いかける。
     その先には大きな壁掛けTVが──。

     ドクン、と本能的に胸が鳴った。
     いつもとTVの映像が違う。
     あれは……この場所か?
     よく見ると、TVの場所から見たこの場所を映した映像が流れていた。TVは監視カメラの様に休憩スペースの様子を映し出している。
     だけど……何かおかしい。何というか、画面の半分に黒いもやが掛かって、見えない部分が

  • 5陽だまりの影21/11/09(火) 23:44:14

     違う。影だ。人型の影。

  • 6陽だまりの影21/11/09(火) 23:46:53

     瞬間、俺は視線をTVから引っ剥がした。

     何だアレ? 何が見えた?

     心臓が10分の1まで縮まったような感覚が俺を襲い、一気に冷や汗が吹き出る。

     俺は本能的に理解した。あのTVの前に見えない"何か"が、人型の"何か"がTVに張り付いてた。俺に見えない"影"をTVだけが映してたんだ。

     もうあのTVは見ちゃダメだ。もう一度アレを見たら俺は死ぬ。直感がそう囁いていた。

     だけど、何か嫌な感じが俺の背中に這い寄ってくる。マズい。居る。俺の背中にアレが居る。

     どうしよう。どうすればいい。このままじゃまともに動けない。だけどこのままでいるのは無理だ。何か、何か打開策を……。

     俺は必死に眼球を動かし、この窮地を脱する方法を探した。何でもいい、とにかく何とかしなくては──。

  • 7陽だまりの影21/11/09(火) 23:47:52

     その時、俺の視線がカフェの目にぶつかった。
     たすけて、と声を出そうとするが、声が掠れて上手く言葉にならない。
     だが、それでも腕を動かして、俺は縋り付く様に彼女の腕を掴んだ。

     ……彼女が眉を顰める。
     厄介事を押し付けるな、と言わんばかりに彼女は俺を見た。
     しかし、それでも俺の手を振り払おうとはせず──。

  • 8陽だまりの影21/11/09(火) 23:48:51

    「……そのまま、動かないで」

     一言だけ喋った。
     彼女はTVに向いたまま動かない。
     もちろん俺も動かずに、"その時"を待った。

  • 9陽だまりの影21/11/09(火) 23:50:20

     ……十数秒ほど経っただろうか。
     嫌な感じは、静かに消えていった。

    「……もういいですよ……」

    「──っ! ハァーッ……! ハァーッ……!」

     栓を抜かれたように呼吸が始まる。危ない所……だったのだろうか。そういう事に詳しい訳ではないが、今はもう知りたくもなかった。

    「大丈夫かい? 君」

     傍らのタキオンが薄ら笑いを浮かべて、俺を興味深そうに覗いてくる。

    「……君は、何も見てないのか?」

    「ふぅン、そうだねぇ。君がTVを見たと思ったら、急に呼吸を荒くし始めたんだ。カフェの言う事が正しいなら、君は貴重なサンプルなんだろうが──」

    「……タキオンさん」

     少し口が乗り始めたタキオンを、カフェが不機嫌そうにたしなめる。

  • 10陽だまりの影21/11/09(火) 23:52:06

    「アッハッハ! これ以上巻き込まない、だろう? 分かっているさ。彼の様子を見れば、下手に手を出すのは危険だという事くらい分かる。もし実用に耐えるなら実験に使おうと思ったが、流石にこれではね」

     あまりにも倫理観に欠けたタキオンの発言にカフェが溜息を吐くと、まだ息が戻らない俺に向き直った。

    「あの……。……アレの正体……知りたいですか。もしあなたが聞きたいなら──」

    「いや」

     俺は即座に否定する。

    「もういい」

    「……そうですか」

     カフェは無感動にそう言った。
     もう二度とあのTVは見ない。俺はカフェに丁寧にお礼を言い、そちらの方を向かない様にしながらその場を後にした。

  • 11陽だまりの影21/11/09(火) 23:54:02

    「やれやれ、結局何も分からなかったね。やっていた事と言えばずっとTVを見ていただけ。目当ての彼もアレじゃあ使い物にならない。とんだ徒労だったよ」

     タキオンさんが大仰に言う。
     ……何を言ってるんでしょう。タキオンさんは立ってるだけだったのに。

    「……別に良かったじゃないですか。……あの人も、助かったんですから……」

    「そうは言うが、元はと言えば君があのTVを見ていようって言ったんだろう? カフェにしては珍しく私に頼み事をしてきたから、何があるかと思えば──」

     タキオンさんはまだぶつくさと文句を言っている。……別に、私はタキオンさんに利益があるなんて一言も言ってないのだが。

    「それにしても退屈だったねぇ。何も映ってないTVを延々と見続けるなんて、そんな拷問あるかい? カフェもリモコンくらい探したまえよ」

    「……そうですね。あれば良かったんですが……」

    「あれば良かった、って……。私もカフェも、探しもせず隅っこで立ってただけじゃないか。まるで最初から無かったみたいな言い方──」

    「……後ろ、見てください」

     怪訝な顔をしたタキオンさんが後ろを振り返ると──。

  • 12陽だまりの影21/11/09(火) 23:54:42

     そこには壁だけが広がっていた。
     TVも。テーブルも。椅子も。
     『休憩スペース』と呼ばれた場所すら消えていた。

  • 13陽だまりの影21/11/09(火) 23:58:17

    「なっ……!?」

    「……炭鉱のカナリヤ、って知ってますか」

     タキオンさんは目を白黒させながらこちらを見る。

    「……あの、炭鉱に生きたカナリヤを持っていって、危険が近付いてるかのサインにするっていうアレかい? まさか君は」

    「タキオンさんは……『そういう物』に疎かったので、うってつけでした……。……私は"あの子"が守ってくれる分、手遅れになるとどうしようもないので……」

     今回は半分……いやかなり賭けだった。
     狙われていたのがあの人だけで、なおかつ"あの子"が追い払えるギリギリの力しか無かったのは、奇跡と言っても過言ではない。
     恐らく、まともにやりあっていたら九分九厘負けていた。そういう状況だった。

    「ただ物を動かしたり、記憶を植え付けるだけならともかく……空間まで歪めるような子は、あまり見た事がありませんでしたから……」

    「……なぁカフェ。もし私達があそこに居なかったら、彼はどうなっていたんだ?」

    「……分かりません……。ですが……もし彼をあのまま放置していたら、きっと他の人にも被害が出ていたと思います……」

  • 14陽だまりの影21/11/09(火) 23:59:28

     タキオンさんは少し考え込むと、またいつもの薄ら笑いを取り戻して言った。

    「ククッ……。やはり、君と居ると退屈しないで済みそうだよ。それにしても、君が命を賭けてでも人助けをするなんてね。中々勇気があるじゃないか」

    「……別に私は。……ただ、あの人をそのままにして、他の人が巻き込まれるのが嫌だっただけです……」

    「おや、そうなのかい? では彼はどうでも良かったと?」

     ……言いたくない事ではあったが、こくりと頷く。
     あの子はやろうと思えばきっと何人でも消せたはずだ。なのに、狙っていたのはあの人一人だけ。それはつまり、あの人がそれだけ恨まれる事をしたということ。
     そして、そういう物を抱えた人は大概──。

  • 15陽だまりの影21/11/10(水) 00:00:12

    「ん、あれは」

     唐突にタキオンさんが声を上げる。
     その視線は、窓の外に注がれているようだった。

    「……何ですか?」

    「あそこに居るのは彼じゃないか? ほら、あの教室の前に──」

     タキオンさんの指差した方向を追う。
     そこに居たのは、あの人と一人のウマ娘。
     あの人はウマ娘の両肩を掴むと、まるでやり慣れているかの様に抱き締めた。ウマ娘の方は抵抗もせず、ただじっと抱かれたままになっている。
     ……いや、彼女も望んで抱き締められているのか。ここからではよく見えないが、満足げな顔に見える。

     少しして、あの人がウマ娘を離した。
     そこから見えた表情は、どこか悪い笑みを浮かべているように見えた。

  • 16陽だまりの影21/11/10(水) 00:00:50

    終わり
    見てくれてありがとうございました

  • 17陽だまりの影21/11/10(水) 00:02:58

    ……夢で見た勢いで書いちゃったけど、もしかしなくてもカフェはタキオンのことそういう風に扱わないのでは?
    腹切るか……

  • 18二次元好きの匿名さん21/11/10(水) 00:08:38

    どうだろう、タキオンがアレなことした時とか割と塩対応だし必要とあらば(それでいて危険がそんなにないなら)釣り餌にするくらいはやりかねん気はする…

  • 19二次元好きの匿名さん21/11/10(水) 00:12:43

    ちなみにこのシチュ、自分が昼寝してる時に見た夢が元になってます
    その時はうっひょ〜〜〜〜〜啜る〜〜〜〜〜ってなってたけど、今見返すと○すぞ〜〜〜〜〜!!!って感じで吐きそうですね…

  • 20二次元好きの匿名さん21/11/10(水) 00:15:58

    しょうがないので後日談書いて軌道修正します…
    何とか話は膨らませそうなので…

  • 21二次元好きの匿名さん21/11/10(水) 00:57:43
  • 22二次元好きの匿名さん21/11/10(水) 12:24:21

    保守

  • 23二次元好きの匿名さん21/11/10(水) 12:34:41

    カフェのトレーナークビになってYouTuberになったトレーナーが「呪いの祠壊してみた」って動画撮って呪われてカフェに助けを求めるss

  • 24二次元好きの匿名さん21/11/10(水) 12:36:21

    うへぇ
    悪トレーナーが野放しになってるけど
    そういうのがホラーっぽくてこれはこれで好き

  • 25二次元好きの匿名さん21/11/10(水) 12:40:43

    カフェトレかと勝手に誤解してた
    なるほど無関係の一般トレーナーとしてか
    いいじゃん

  • 26二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 00:41:27

    このレスは削除されています

  • 27二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 00:42:28

    焦った…
    今日中には上げるので、あと少しだけ待って下さい

  • 28二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 00:43:50

    概念普及のためにここまで書いてくるとはとんでもねえ気合いの入り方だ

  • 29二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 01:19:32

    疲れちゃったので今日の昼くらいに後日談上げますね
    お休みなさ〜い…

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