- 1二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:12:45
・他作品クロスネタです(×ポケモン)
・途中でも感想などあれば是非書いてください
・もしかするとキャラクターのエミュが甘かったり間違っていることがあるかもしれません
また、本スレは以前落としてしまった
トウカイロステイオー|あにまん掲示板bbs.animanch.comのリベンジです
あとスレ画間違えたので再度立て直しました
それでは始めます。
- 2二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:13:37
カイロスじゃねーか!
- 3二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:13:55
前スレ5酷すぎて草
- 4二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:14:02
夏休み。
「クゥゥー!やっぱり夏もミツハニー印のハチミーだよね!」
「ポチャポチャ!」
まるでグラードンが目覚めたのではないかと錯覚してしまう程に暑い夏の昼下がり。
相棒のポッチャマとお気に入りのドリンクをシェアしながらトウカイテイオーは鬱蒼とした森の中を奥へ奥へと進んでいた。
さて、なぜこんな…トレセン学園から走って1時間程も離れた森に彼女がいるのか…事の起こりは1週間前に遡る。
─
──
───
─ 1週間前 ─
「テイオー!むしポケ相撲しようぜ!!!」
【 暇人の ゴールドシップが 】
【 しょうぶを しかけてきた! ▼】 - 5二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:14:49
「えー!?ボクもゴルシもむしポケモンなんか持ってないのに何言ってんのさ…」
そんな茶番に付き合う程自分はヒマではないからと、ゴルシの奇言奇行に不覚にも馴れているテイオーは軽くあしらい、この場を流そうとした。
しかし…そんな出鼻を挫く"ねこだまし"のような扱いに怯むゴルシではない。
「おいおい、まずは話を聞けって!別に今すぐおっ始めようって訳じゃねぇよ……」
そうして強引に話を進めるゴルシから勝負の詳細が伝えられる。
まず勝負するのは1ヶ月後、そしてお互いに今から勝負までの間に捕まえたむしタイプのポケモンを使うこと。そして…
「負けた方は勝者に1週間の間、1日1回なんでも奢る!あと、一度に奢る上限は…1,000円くらいでどうだ?」
いきなりふっかけられた勝負に乗り気ではなかったテイオーも『奢り』の言葉を聞いて顔色が変わる。
…しかし、帝王を動かすのに1,000円は安かった。
「えぇー、ちょっとそれ位の賭けに1か月も時間使うのはな〜…3,000円くらいならカンガエテモイイヨー」 - 6二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:15:37
「待て待てテイオー!3,000を1週間!?ちょっとスッペンペン過ぎねぇか?…1,200ならどうだ!?」
「ショウガナイナァー…じゃあ2,800!…スッペンペンッテナニ…?」
「1,400!」「2,600!」
「1,600!」「2,400!」
「……」「……」
「「2,000!!」」
ここに勝負の約束が交わされた。
「じゃあ1ヶ月後だ、最強のむしポケモンをこのゴルシちゃんが見せてやるぜ!!」
「ニシシ‼︎ 約束は絶対だからね!それじゃあこの勝負、無敵のテイオー様がウケテタトウ!」
────
───
──
─
そんなこんなで現在…むしポケ相撲で勝つために、様々なむしポケモンが現れる名所としてマニアや物好きの間でそこそこ知られた、いわゆる隠れスポットであるこの森へやって来たのだった。 - 7二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:16:19
「やっぱり虫ポケ相撲と言えば〜…」
そしてテイオーはすでに目的のポケモンを見据えており、彼女が探しているそのポケモンとは……
「ヘラクロスだよねー!!!ポッチャマもそう思うでしょ?」
「ポチャ!!」
─ヘラクロス─
かくとうタイプを併せ持ち、自慢の一本角とパワーで真正面からのぶつかり合いを得意とする、まさにむしポケ相撲にうってつけのポケモンだ。
勝負を受けてたったその時からヘラクロスを使うと決めていた彼女は、ヘラクロスの目撃情報もあるこの森へ3回来ているのだが…一向に目的のヘラクロスは見つからない。
勝負を受けてから今日で丁度1週間目となる…。
サンド…3回目となる今日もダメならこの森ではない別のポイントで探すか別のむしポケモンを探そうかな…と少しばかり諦めかけていたその時である。
…ガキン! ガキッ!
……ガキン!!
茂みの向こう側、そう遠くはない場所から何かと何かが激しくぶつかり合う様な戦いの音が聞こえてくる。 - 8二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:18:22
この森で確認されているむしポケモンの内、こんな音を鳴らす様な戦いをするポケモンは限られている…
それこそ正にお目当ての…と、期待を胸にテイオーはポッチャマを抱え音がする方へ駆けると…
「ヘラクロッ!」
まさに探し求めていたヘラクロスがそこで他のポケモンと激しい戦いを繰り広げていた。
しかもそのヘラクロス、一般的に知られているものよりも一回り…いや、それ以上の…通常の倍近い程体が大きく、何よりも強そうなオーラを纏っているではないか。
予想以上の大物にテイオーは目を輝かせるが、ポケモン同士の争いの最中…いくらウマ娘と言えどもそこに割り入るのは危険すぎる。
大物ヘラクロスを捕まえるのはこの戦いが終わってからにしようと、テイオーとポッチャマは少し離れた木陰に潜み戦いが終わるまで見守る事にした。 - 9二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:19:01
- 10二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:21:12
─ ヘラクロスVSカイロス ─
この対戦カードはアローラ地方を除き一般的にライバル関係と言われるこの2種においては珍しいことではない。
しかし…そのカイロスは大物ヘラクロスとは逆に一般的なカイロスよりもやや小柄な体格であった。
しかし小柄だと言っても決して他のカイロスより見劣りするなんてことは無く、小柄故の身軽さとカイロスという種族としての力強さ由来の身体のバネを活かして相手の攻撃が届く範囲外から跳びかかり、ヒットアンドアウェイの要領で頭の角をぶつける独特の戦い方には目を張るモノがあった。
"独特"と言うのは、一般的にカイロスもヘラクロスも基本的にはお互い組み合って力比べするように戦うのが常なのだが、おそらくこのカイロスは野生の中で自身の強みを活かす戦い方を見つけたのだろう。 - 11二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:22:38
とは言えやはりこれが野生の限界だろうか…彼我の体格差は勝負に大きく影響しており、カイロスの"みだれづき ""みたいな"攻撃は最初こそはヘラクロスを圧倒していたものの…単調なリズムで繰り返される攻撃はヘラクロスを倒し切れず、徐々にカイロスに疲れが見えた所で弾き飛ばされるようになっていた。
それでも果敢にカイロスはヘラクロスにぶつかっていくが、まるで壁に当てたボールが跳ね返るように弾き返されるばかりである。
そして、とうとう痺れを切らしたヘラクロスが自慢の一本角に力を込め始めた。
"メガホーン"
自身の身体に漲るパワーを角に込め、その角で敵に渾身の一撃を叩き込む、むしタイプ最強クラスの大技だ。 - 12二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:23:41
そしてヘラクロスは懲りず向かってくるカイロスに合わせ、カウンターのように強力な一撃を見舞われたカイロスは勢い良く吹っ飛ばされてしまった…。
そして、そのまま地に伏し起き上がらなくなったカイロスを尻目にヘラクロスは森の奥へ悠々と帰っていく。
この野生のポケモン達の壮絶な戦いに目を奪われボーッと眺めていたテイオーはハッ!?と当初の目的を思い出し、去り行くヘラクロスを追いかけるが…
「カイ…カイロ……ッ……!!」 - 13二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:24:30
─ 悔しい ─
─ 勝ちたい ─
─ 強くなりたい ─
まるで涙を見せまいとするかの様に地へ臥したまま悔し涙を流すカイロスに何かを感じたのだろうか…テイオーの足が止まる。
「ねぇカイロス、ボクと一緒に強くならない?」
一瞬、テイオーとカイロスの目が合うも、とうとう気力が尽きたのか間もなくカイロスはパタリと倒れてしまった。
───
──
─ - 14二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:26:43
日も沈みヤミカラスの声が空に響く頃、栗東寮の一室でマヤノトップガンは鼻唄を鳴らし、お気に入りの雑誌をベッドの上で広げ寛いでいた。
今日も今日とてむしポケモンを探しに出かけたルームメイトがそろそろ帰ってくる頃かな〜なんて思いつつ雑誌を捲っていると…
「ドロッ!ドロンチ!!ドロンチッ!!!」
「ドロちゃん!?そんなに慌ててどうしたの?」
ドアをすり抜け忙しない様子でマヤノの元に飛んできたのは、せわやくポケモンのドロンチだ。
普段は物静かで滅多に騒ぐことの無い相棒の慌てる姿を見て何かを察したマヤノは、"わかった!"と何かを察したのか、ベッドから立ち上がり、部屋に置いてある救急箱の中を探り始めた。
「…えーと……あ!あったあった、げんきのかけら!!後きずぐすり!」
その直後ガチャリと部屋の扉が開き、ただいまと傷ついたカイロスを背負ってテイオーが帰ってきた。 - 15二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:27:40
テイオーは戦い疲れ眠るカイロスの傷の手当てをしながらマヤノに森であった事を話した。
目的のヘラクロスは見つかった事。
そのヘラクロスに負けたカイロスの事。
そしてこのカイロスの事がどうしても気になってしょうがない事。
一通り話した後、マヤノから何故モンスターボールに入れてこなかったのかと聞かれたテイオーは少し考えた後
「うーん、よくわからないけど何かカイロスに力を貸してあげたくなったと言うか……カイロスの心はまだあの森で戦う事を諦めてないんだなって感じたんだ」
「よくわかるようなわからないような……でもテイオーちゃんの気持ちはわかったよ!マヤにも何かできる事があったら言ってね!」
「ニシシ!ありがとマヤノ!!」
「でもカイロスをゲットしないなら、ゴルシさんとの勝負はどうするの?」
「うーん…とりあえずカイロスの手伝いが終わってからか、手伝いながら他のむしポケモンを探すかな〜…」 - 16二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:39:20
…
─…
──…
───…
──ある森の中
オレはカイロス。
みんなオレより大きいけどそれがどうした!
これでもカイロス同士の決闘じゃあ負けた事ないんだ。
それにみんな、オレを群れの一員だって認めてくれてる!
この森には仲間以外にも色んな奴がいる。
スピアー達は怒らせなければ良い奴らだし、オレの戦い方はアイツらのマネをした。
あのハハコモリとクルミルとクルマユの家族は、たまにきのみをくれるからこっちもナワバリで採れる木の蜜を分けてやる。
ペンドラーとマルヤクデはよく喧嘩して、うるさい。
こいつはパラス、
そしてあれは…
そいつは… やつは…
みんな見た目は違うけど、同じ森の仲間だ。 - 17二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:40:39
でも突然、アイツがやってきて暴れ始めた…。
アイツはきのみも蜜も一人占めしようとみんなを追い払おうとする。
特にオレ達カイロスが気に入らないらしい。
あいつは群れの仲間に戦いを挑んでは追い出し、挑んでは追い出し、とうとうみんな負けて住処から追い出された。
そして最後にオレも負けてしまった。
あいつは強かった、本当に強かった…。
でもここはオレ達のナワバリだ!
みんなのナワバリだ!
勝ちたい!
諦めたくない!
もっと強くなりたい!
── 「ねぇカイロス」──
オレを呼ぶのは誰だ…?
── 「ボクと一緒に強くならない?」──
強くなれるのか!?強くなりたい!!
───…
──…
─…
… - 18二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:43:51
カイロスが目を覚ますと、そこは草も木も土も無い全く知らない未知の場所だった。
「ポチャ!?ポチャポチャ!ポッチャマ!!」
「か、カイロス…」
テイオーとマヤノのベッドの間に敷かれた布団からカイロスが起き上がると、それに気がついたポッチャマがテイオーのベッドからカイロスの元へ跳び降り
"調子はどうだ?"
と訊ねるかのように元気よく朝の挨拶をした。
倒れてからの記憶が曖昧ながらも、目の前の小さなポケモンが悪いヤツではないと感じたカイロスはポッチャマの勢いに押されながらも挨拶を返した。
「うーん…どうしたのポッちゃん…?……あ!カイロスさん元気になったんだね!!」
隣がこんなにも賑やかだと寝坊助気味なマヤノも目を覚ます。
そしてポッチャマ同様にマヤノもカイロスに挨拶しようと声をかけるが…
少し警戒しているのか、カイロスは頭のツノをカチカチ鳴らしマヤノから距離を取った。
え〜なんで〜?とマヤノは少しショックを受けた様だが、カイロスが警戒するのも無理はない。
何せこのカイロス…人間、ウマ娘を見るのはこれが生まれて初めてなのだ。
マヤノもマヤノでそんなカイロスの気持ちを理解し、無理に近寄ろうとはしないが、この後どうしたものかと考えあぐねていると… - 19二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:45:04
「タダイマー!あれ?マヤノもう起きたの?…あ、カイロス!!」
誰よりも早く起きて朝の自主練に出ていたテイオーが帰ってきた。
新手の出現にさらに警戒を強めるカイロスだが…
── カイロス、──
── ボクと一緒に強くならない?──
朧げな記憶の中でハッキリと覚えている声。
その声の主が目の前のテイオーである事に気がついたカイロスは少し警戒を解き、戸惑いながらもテイオーの近くに歩み寄る。
そんなカイロスにテイオーは"そう言えば自己紹介がまだだったね!"と言って、
「ボクの名前はトウカイテイオー。
ねぇカイロス、ボクと一緒に強くならない?」
あの時と同じ言葉をかけ、テイオーは右手を差し出した。
そしてそれに釣られカイロスもテイオーと同じように右手を差し出す。 - 20二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:56:30
「これからよろしくね、カイロス!」
テイオーの右手がカイロスの右手を握り、
「カイロスッ!!」
カイロスの右手がテイオーの右手を握り返す。
「ポチャ!?ポチャポチャ!!!」
"自分を忘れるな!"とそこにポッチャマがぶら下る。
大抵のポケモンには握手の文化もなければ、それが意味する事も分からないだろう…しかし今この瞬間、確かにお互いの心は通じ合ったのだ。
「よーし、それじゃあ先ずはボクと一緒に特訓だ!ポッチャマも力を貸してね!」
「カイカイッ!!」
「ポチャ!」
そしてヘラクロスへのリベンジを2週間後に定め、強くなるための特訓が始まった。
そして、VSゴルシまで残り約3週間! - 21二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:57:48
─ 3日後 ─
「うーん…カイロスって能力的には悪くないはずなんだけどなぁ…」
午前中、グラウンドでポッチャマとカイロスのトレーニングを監督しながらテイオーは悩んでいた。
ベンチに腰掛け頬杖ついて俯く様はまるで草野球で負けている時の某ウマ娘M.M.みたいである。
「ショットガンタッチでの反応は速いし、跳んだときの伸びも良くて…こんな事をしなくても動体視力に瞬発力、そして身体のバネは凄いものをカイロスは持っている…」
この3日間、まずは基礎的な身体能力を鍛えるためにテイオーは自分達が普段行なっているトレーニングをカイロスにさせてみたのだが…
「瓦割りやタイヤ引きを見ても決してパワーが無いってわけでもないし…うーん…」
このカイロスは他のカイロスに比べ身体が小さいが、トレーニングの中で見せる素質はどんなカイロスよりも明らかに優れた物だった。
そんなカイロスが例え体格差があったとしても能力的な部分で特段あのヘラクロスに劣っているとは思えず、何故この前ヘラクロスにカイロスは一方的に負けてしまったのか不思議で、ああでもない…こうでもない…とテイオーが悩んでいると… - 22二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 19:59:47
「大丈夫か?…もしかしてお腹が空いているのか!?」
「え?……あ、オグリ!?」
悩むテイオー後ろから突然ぬっと現れたのはオグリキャップだ。
突然の事で少し驚くも、目の前に現れたのは自身が尊敬してやまないシンボリルドルフと肩を並べる程のウマ娘…そんなオグリなら、この悩みに対してどう向き合うのだろうか……と、気になったテイオーは
「実はね……」
向こうから話しかけてきてくれたのも何かの縁、カイロスの事で悩んでいる事を話した。
かくかくオドシシメブキジカ
まるまるポニータマルマイン
「…そうか、しかしすまない。どう特訓すればいいのか、それが正しいのかどうか……私では的確なアドバイスはできないと思う」
「ううん、話を聞いてくれるだけでも嬉しいし、それにまだ時間はあるから…」
と、テイオーはオグリに悩みを聞いてくれたお礼を言って、再び一人で悩もうとしたその時
「でも…」
オグリは言葉を続ける
「今の私がいるのは、トレーニングもそうだが走り方や作戦とかを考えてくれた北原やベルノに六平のおかげだと思う。それに、タマやマーチ、クリーク、イナリとか、多くのライバル達がレースを共に走ってくれたからだ。…上手くは言えないけど……難しいなこういうのは…。」 - 23二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:01:36
オグリの言葉をじっと聞いていたテイオーは少しだけ考えた後そういうことか!と、頭痛を抱えるコダックの様な顔からパッと朝日を浴びたキマワリみたいに明るい表情へと変わった。
「それだよ!ボクだって、トレーニングだけじゃない!トレーナーや仲間、ライバルがいて色んなレースを経験してきたからこそ今のボクがいるんだ!」
伊達に天才と言われている訳ではないだけあってオグリが伝えたい事を理解したテイオーは早速行動に移そうと、オグリにお礼を言ってその場を去ろうとした……その時である。
「ガブッ!!ガブガブ!!!」
テイオー達の元に慌てて駆けてきたのはオグリのガブリアスだ。
鼻先の黄色の模様が他のガブリアスとは違い、まるで彼女の勝負服の胸にあしらわれた星と同じ形をしているから実に判りやすい。 - 24二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:02:35
駆けつけたガブリアスは凄まじい剣幕で、すぐにどこかへ隠れる様にとジェスチャー混じりにオグリ達へ必死に伝えようとする。
「エ、ナニナニ⁉︎ドウシタノサー?」
「おぉ、ガブ!タマは見つかったのか?」
「〜ッ!!ガブっ!!」
突然の事に理解が追いつかないテイオーと、まるで呑気なオグリに対し、焦るガブリアスは近くの植え込みの陰に二人を押し込んだ。
二人と一頭が隠れたところで、一体何があったのかとオグリがガブリアスに尋ねるとガブリアスは爪先で植え込みの向こう側を指し、"あれを見てみろ"と言うように小さく唸った。
「あ、あれって…噂に聞く無差別甘やかし罪で指名手配中の……」
「タマ…!?…まさか…昨日からいないと思っていたら…」
「「(スーパー)クリーク!!」」 - 25二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:05:24
何と無残な光景か。
あの最強とも名高きタマモクロスがまるで赤子の様に…いや、もはや赤子としてスーパークリークの胸に抱えられ、あやされているではないか。
オグリ曰く昨晩、自分に何の断りもなく夜になっても部屋に帰ってこなかったそうだ。
そして夜が明けても帰ってこないルームメイトが心配で今朝から学園中を探し回っており、その道中でたまたま悩むテイオーと遭遇したのだと言う。
一方、ガブリアスのジェスチャーによるとタマモを捜索するにあたりオグリと二手に分かれたのだが、そこで学園中に貼られたクリークの手配書を見て、もしかすると昨晩タマモはクリークの手に落ちてしまったのではないかと推察し、それを伝えねば!と、オグリに合流しようとした…らしい。
隠れながら状況整理をしている間にこの場からクリークは立ち去っていったようだ。
クリークが戻ってくる事も無さそうなので植え込みの影から一同は立ち上がり…そして…
「それじゃあテイオー、私はもう行かなきゃ。」
「え、行かなきゃ…ってどこに?」
「タマを助けに行く」
「エェー?何で!?居場所はわかったからそれでいいんじゃないの!?キケンダモンニ!」
「それでも…私の大切なタマだから。…それにクリークも大切な友達だ。だからこれ以上罪を重ねないよう止めなければならない。またなテイオー!カイロスとの特訓頑張って」
そしてオグリは涙目に行くなと訴えるガブリアスを後に…それはそれは力強い脚で走り出し、ガブリアスはテイオーにぺこりお辞儀をしてからオグリの後を追って行った。
「これは…うん、カカワラナイヨウニシヨ…。」 - 26二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:07:05
とりあえず心の中でオグリとタマモの無事を祈りつつ彼女達を見送ったタイミングで
「ポチャー!!」
「カイロース!!!」
丁度、カイロス達がトレーニングを終えテイオーの元に戻ってきた。
「あれれ!?もうメニューを終わらせちゃったの!?やっぱりカイロスは凄いや!…じゃあ、一旦休憩にしようか。」
この1週間の間でお互い相当距離を縮めたのか、テイオーから特製のスポーツドリンク(ミツハニーのみつ入り)を嬉しそうに受け取ったカイロスは頭の上にポッチャマを乗せたまま、のんびりと寛ぎ始めた。
その様子を見守りながらテイオーはスマホで何人かと話をし始め、そして会話が終わると休憩中のカイロスに話しかけた。
「ねぇカイロス、トレセン学園には色んなウマ娘や色んなポケモンがいるのはもう知ってるとは思うけど……みんながどれくらい強いのか、気にならない?」
「カイ……?」 - 27二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:09:57
「話は聞いたわテイオー!!」
「ぬ?」
「俺達もカイロスに協力するぜ!」
「ヘルッ!」
その日の午後、テイオー達の元にダイワスカーレットとヌオー、ウオッカとヘルガーがやってきた。
これまで森の中で同族などほぼ決まった相手との戦闘経験しかないと思われるカイロスに、トレセン学園中の様々な相手とのバトルを通じ、経験値を積ませようとテイオーは考えていたのだ。
「二人ともありがとう!それじゃあまずは…いくよポッチャマ!!」
「ポッチャマ!!…ポチャ!?ポチャチャ?」
「ん?テイオー、ポッチャマじゃなくてカイロスの特訓なんだろ?」
あくまでカイロスのために設けられた試合じゃないのか?と、ポッチャマとウオッカがテイオーに質問すると
「まずはカイロスに(ポケモン)トレーナーと一緒に戦う様子を見てもらおうと思ってね。」
「まずは見て覚えろってことね!それじゃあテイオー、まずはアタシとヌオーが相手よ!!!」
「………ぬー……zzZ…」
「もーーっ!!!起きなさいよヌオー!!!!」 - 28二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:12:42
「…ハハッ…じゃあ俺達から行こうぜ!!ヘルガー!!」
「グルル…!」
「じゃあボク達の戦いを見ててねカイロス!いくよ、ポッチャマ!」
「カイロスッ!」
「ポッチャマ!!」
───
トウカイテイオー&ポッチャマ
VS
ウオッカ&ヘルガー
───
「先手必勝!ポッチャマ、バブルこうせん!!」
「ヘルガー、あくのはどう!!」
お互いの技がぶつかった衝撃で爆発が起こり、フィールドに白煙が広がる。 - 29二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:13:28
「わるだくみ!!」
「させないモンニ、ドリルくちばし!!」
「ポチャッ!!」
「ルガッ!!?」
視界が悪くなったことを利用しウオッカはヘルガーのとくこうを上げるが、同時にポッチャマからの強襲を許してしまう…だが負けじとウオッカ達はすかさず反撃してきた。
「やるじゃねぇかテイオー、でもまだまだこれからだぜ!あくのはどう!!」
「ポッチャマ、かわして!!!」
「ポチャッ…チャッッ!?」
ギリギリでヘルガーの威力が増した技の直撃は避けたものの、着弾地点からの爆風に身軽なポッチャマは吹き飛ばされる。
「タイプ相性はいいはずなのに…流石だね!」
「ポチャ!」
「へへ、流石なのはお互い様だぜ!」
「ヘルガッ!!」 - 30二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:15:12
「もう…ヌオーもカイロスを見習いなさい!」
「ぬー?」
スカーレットが関心する程、カイロスはこの人とポケモンの信頼が織りなす熱い勝負を真剣に観ている。
同時に改めてトウカイテイオーというウマ娘は信用できると確信したカイロスは試合が進むにつれ自分も戦いたくなってきたのだろうか…頭の角がチャキチャキと楽しそうに動き始めてきた。
───
──
─
「サンキュー!テイオー、俺達にとってもいい特訓になったぜ!」
「ニシシ、またやろうねウオッカ!」
練習試合ということもあり、お互いにキリが良い所で戦いは終わった。
そして、待ってました!と言わんばかりにスカーレットが立ち上がる。
「さぁテイオー、次はアタシ達が相手よ!!」
「ぬん!」
もちろんカイロスもやる気満々だ。
「カイカイッ!!」
「さぁカイロス、君の力を見せてやろう!!」 - 31二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:16:09
───
トウカイテイオー&カイロス
VS
ダイワスカーレット&ヌオー
───
「行くよカイロス、みだれづk」
「たきのぼり!」
「がんせきふうじ!!」
「ぬん!ぬん!!」
「カ、カイロッ!?」
「カイロス、左に交わして後ろにステップ!!」
初手より全力で畳み掛けるヌオダスコンビ。
思わず外野からウオッカが突っ込む
「ウワーッ!?スカーレットの奴容赦無さすぎるだろ!?」
しかしそこは流石のテイオー、思わぬ猛攻に戸惑うカイロスに対しハッキリ指示し攻撃を躱させる。 - 32二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:16:57
「ヌオー、じしん!!!」
「ぬぬぬぬぬ!!!!」
「カイロス!跳んでみだれづき!!!」
「カイ!カイ!カイ!カイ!カイッ!!」
「ぬ〜…?!ぬぬ!?」
テイオーへの信頼があるからだろうか…まるで今日初めて組んだとは思えぬ程の連携で攻撃を凌いだテイオーとカイロスの反撃がヌオーにヒットする。
しかし一筋縄ではいかないのが、このスカーレットとヌオーのコンビだ。
「この程度の攻撃じゃあヌオーは倒せないわよ!」
「ぬん!」
「まだまだこれからさ!カイロス!!」
「カイロスッ!!」 - 33二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:17:49
───
──
─
「たきのぼり!」
「シザークロスでムカエウツンダ!」
───
──
─
「みだれづき!」
「耐えるのよヌオー!」
───
──
─
…
「ぬー……ぬぅ…」ゼェゼェ
「……カイ…ロス…」ゼェゼェ
「流石はスカーレットのヌオー…タフだモンニ…。」
ゼェゼェ
「アタシもあんな素早いカイロス初めて見たわ…やるじゃない!!」
ゼェゼェ
割と戦いは長引き、両者共に疲れてきたところで試合は終わった。 - 34二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:19:19
試合が終わると同時に、二人はこの場からウオッカが居ない事に気がついた。
「あれ?…ねぇポッチャマとヘルガー、ウオッカがどこにいったか知らない?」
「ポチャ?」
「ヘル…?」
どうやら一緒に観戦していた2匹も試合へ夢中になるあまりウオッカがいなくなった事に気がつかなかったようだ。
そして全員で辺りを見回してるとウオッカが戻ってきた。
「お、やっと終わったか?」
「ちょっとアンタ、アタシ達の試合を見ずに何処へ言ってたのよ!!?」
「悪りぃ悪りぃ、途中まではちゃんと見てたんだぜ?それより…ほら!!」
と、ウオッカが差し出した大きなタッパーの中にはオボンの実をスライスしてミツハニーのみつ漬けにしたものがたっぷりと入っていた。
「あんな長く戦って、疲れるだろうな〜って思ってさ。みんなで食おうぜ!」
「わぁ!!ありがとうウオッカ!」
「…もう、だったら最初からそう言いなさいよね…ありがとう…」 - 35二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:20:17
そしてタッパーも空っぽになり、ズバットやコロモリがチラチラ飛ぶのが見えてきたので今日のところは解散という事で各々寮へ戻る準備を始めた。
「そうだテイオー、他の娘達にもカイロスのこと伝えたら、特訓に付き合ってくれるそうよ。」
「え!本当に!?」
「ただ、連絡はテイオーの方からしてね。カイロスの事情を聞く限りだと…そのヘラクロスみたいに大きなポケモン相手に経験積むのがいいんじゃないかしら?そうね…カレンのところとか良さそうじゃないかしら?」
「後はそうだな…テイオーもすで考えているだろうけどカイロスのバトルスタイルに近いポケモンから技とか教えて貰うのもアリかもな!」
「あら、ウオッカにしては結構いいアイディアね。」
「まぁな!…って"にしては"は余計だろ!?」
「まぁまぁ二人とも、アドバイス助かるよ!」
本当に今日は有意義な時間を過ごせたと、改めてテイオーは二人に感謝した。 - 36二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:22:03
「ところで最近ゴルシは何してるか知らない?あれから全然見かけないんだけど…」
「…申し訳ないけどアタシは知らないわ…ウオッカは?」
「ゴメン、俺にも分かんないな……ナカヤマ先輩とかなら知ってるかな…?」
ヘラクロスへのリベンジまで残り10日!
そしてVSゴルシまで残り約2週間半!! - 37二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:23:20
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─ 翌日 ─
「テイオーさん、お手伝いに来ました!!」
「テイオーちゃーん!私も─ゲホッ!…肝心なところでむせた…」
「スペちゃん!ツルちゃん!ってツルちゃん大丈夫!?」
テイオーの呼びかけに応え、早速スペシャルウィークとツルマルツヨシがやってきた。
昨日、テイオーはウオッカとスカーレット以外にもクラスメイトやチームメイトなど比較的交友があるウマ娘達に特訓のお願いをしていたのだった。
「だ、大丈夫!今日は調子がいいんだから!それに……」
むせながらそう言うツヨシの後ろから更に4人やってくる。 - 38二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:24:23
「熱血、特訓、エル達参上!!スペちゃんとツルちゃんから話は聞いてるデース!」
「カイロスさんが持つ不退転の覚悟に感銘を受けました。是非、お手伝いさせて下さい!」
「おーほっほっほっほ!!このキングが力を貸す以上、カイロスさんは勝利を掴む以外ありえないわ!」
「まぁまぁみんな、まだまだ日にちはあるみたいだし、やりすぎない程度にね〜」
追加でやってきたのは…
エルコンドルパサー、グラスワンダー、
キングヘイロー、セイウンスカイ
ここに「黄金世代」の6人が揃った。
話を聞くと、テイオーから特訓の申し出を受けた先で、このリベンジに燃えるカイロスの話が人伝てに広まっているようで、追加できた4人もスペとツヨシの2人から話を受けてやってきたのだ。
「みんなありがとう!!」
「カイロ〜ッ!」
「カイロスも『ありがとう』だって!それじゃあ早速特訓始めよう!!」 - 39二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:25:37
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─ VSツルマルツヨシ&ベイリーフ
「一番手、ツヨシいきま……ゴホッ…!」
「べ、ベイ…」
【ベイリーフの アロマセラピー!】
【心地よい 香りが 広がった!】
「か、カイロ……?」
「油断しないでカイロス!ああ見えてツルちゃんのセンスはピカイチなんだ!!」
─ VSエルコンドルパサー&ワカシャモ
「先程の戦いを見てエルは確信しました…そのカイロスには空中戦の才能があると!だから魅せます!エル達のコンドル武闘術!ワカシャモ跳んで、にどげり!!」
「シャモシャーモ!!」
「こっちも跳んで、みだれづき!!」
「カイ!カイ!カイッ!!」 - 40二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:26:36
─ VSグラスワンダー&フタチマル
「シザークロス!!」
「シェルブレード!!」
ガキンッ!
「まだまだいきますよ…!不退転を貫くためには、時に捨て身となる覚悟も必要です。その覚悟をもっと見せてください!フタチマルッ!!!」
「カイロス!もう一度シザークロス!!(…捨て身の覚悟……か…)」
─ VSキングヘイロー&リザード
【リザードの りゅうのまい!】
「いまだ、シザークロス!!」
「──リザッ!?」
「耐えてリザード!そして今よ!ほのおのキバ!!」
「カイッ!?」「速ッ!?」
「勝利のためなら一撃程度受けるのも厭わない!それが王者の戦いよ!」 - 41二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:27:41
─ VSセイウンスカイ&ゲコガシラ
「か、カイッ!?」
「!?フィールドが水浸しに!?」
「おやおや?こんな重馬場じゃあカイロスさんの身軽さが活かせないですなぁ…みずタイプのゲコガシラには関係ないけどね〜。」
「ゲコッ。」
─ スペシャルウィーク&ハヤシガメ
「さぁテイオーさん!これが終わったらお昼です!!今週はガラルカレーフェアだそうですよ!!!全力で戦ってお腹を空かせましょう!!!!」
「ガ、ガメガメ!?」
「モウスペチャンッタラ〜」
「カイー?」
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─ - 42二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:29:43
夏休み期間中においても学園に残ってトレーニングする生徒達のため、カフェテリアなど一部の学園施設は運営しており、そこで特訓を終えたテイオー達は一緒にお昼を取る事にした。
「カレー♪カレー♪ガラルカレー♪」
「ちょっとスペシャルウィークさん…それはいくらカレーフェアで食べ放題と言っても盛り過ぎじゃないかしら!?」
「まぁ試合の後半あたりからずーっとぐぅーぐぅー鳴ってたからね〜……まぁ、スペちゃんほどじゃないけどグラスちゃんも結構……あっ…」
「セイちゃ〜ん。」
個々での交友はあるものの、グループとしてスペ達黄金世代が揃う中に混ざった事がないテイオーはいつも見慣れたカフェテリアではあるが、割と新鮮な気持ちで彼女達のやりとりに笑っていた。 - 43二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:30:59
「ネェネェ、スカイノコトタスケナクテイイノ?」
「テイオー、たまにはエルも平和を謳歌したいのです……ツルちゃん、結構な量を食べてますけどお腹の調子は大丈夫デスか?」
「ん?大丈夫だよエルちゃん!ほら、カレーってスパイスたっぷりでお腹にも優しいからね!!カイロスもカレーが気に入ったみたい!」
初めて食べたカレーが余程気に入ったのか、ツヨシが言うようにカイロスは夢中でカレーを食べていた。
「カイー♪カイー♪……ロス?」
カレーを食べていたカイロスの手が止まり、その視線はエルの手元にあるデスソースに向いた。
「ケ?エルのデスソースが気になりますか?」
別にソースをあげるのは構わないデスが…と、エルはテイオーにカイロスへデスソースをあげてもいいか確認すると、
「んー…どうなんだろ?でもカイロスが欲しいなら…分けて貰ってもいいかな?」
「もちろん!でもまずは少量からデース……」 - 44二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:31:47
そしてカイロスはデスソースのかかったカレーを食べたのだが…
「カ、カ……カ……」
「カイロス…?」
「ダメでしたか…?」
「あれ?でも何か…」
「カイロスッ!!!」パクパク
更にカイロスの食が進む。
「ソッカー、カイロスは辛いのが好きなんだね!」
「辛党仲間が増えてエルは嬉しいデース!それじゃあエルも…」
ドバドバ
「でもちょっとエルちゃんのはかけすぎ…というかデスソースの刺激な香りがちょっと……キュ〜ッ」
「「「「つ、ツルちゃーーん!?」」」」
「エル。」
「ケ!?」 - 45二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:34:35
カイロスの決戦の日まで残り9日
「そう言えばゴルシ見てない?」
「ゴルシさんですか…?」
「見てないわね…」
「エルも同じく…」
「でもゴルシさんだし…」
「あ、1週間前に海でそれらしいの見たかも…?」
「ソッカー…」
「でも、何だかんだでゴルシさんはちゃんと約束は守る方ですから!ね、テイオーさん!」
「ソレモソウダネ‼︎」
VSゴルシまで残り約2週間 - 46二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:35:23
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その後も、決戦のその日までテイオーとカイロスは様々なウマ娘とポケモン達と交流しながら、バトルをしたり技を教わったり共に過ごしたりして経験を積んでいった。
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─ - 47二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:38:01
「マヤちゃんやスカーレットちゃんから話は聞いてるよ♪」
「ゴドラァッッ!!」
─ VSカレンチャン&ボスゴドラ
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「ありがとうカレン、すごくいいバトルができたよ!!」
「どういたしまして♪そうだ!この後フワフワパンケーキのお店にみんなでいかない?アヤベさんが教えてくれたお店なの♪」
「ナニソレー⁉︎いきたい!いきたーい!!カイロスもいいよね!?」
「ゴドッ!」(熱き漢同士)
「カイロス!」(握手を交わす)
(…カワイイお店に屈強なカイロスとボスゴドラがいる画を想像したら強烈すぎるモンニ…)
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─ - 48二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:39:18
「ようテイオー、最近何やら面白い事をしているらしいじゃねーか」
「………。」
─ VSシリウスシンボリ&ゾロアーク
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「ねぇねぇシリウス!この前やってたカッコいいボールの投げ方教えてよー!」
「ったく…それは後で教えてやるから、まずはバトルだ!それにしても………」
「カイロス…?」
「コイツは良い目をしてる。なぁゾロアーク、お前もそう思うだろ?」
「………。」
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─ - 49二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:41:14
「オグリから聞いたで!早速ウチらの電光石火の戦いを伝授したるわ!」
「ピカチュウ!!」
─ VSタマモクロス&ピカチュウ
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「……この手に持ったおしゃぶりか?…あぁ、さっきまでクリークに捕まっとってな……」
「ピピカ、ピカチュピ…」
「そうだったんだ…でもすごく勉強になったよ!ありがとう、タマm………ピェ…」ガタガタ
「か、カイ…!?」ガタガタ
「ピピカ!ピピカ!!ピカーピ!ピカーピ、ピカ!」
「なんや自分ら、それにピカチュウまで…ウチの後ろにお化けでもおったんか?ハッハッハ、そんなアホな……」
── タマちゃんみーつけた♪ ──
「ギャぁぁああああ!?」
「ピピカーーーー!!!」
「ニゲルモンニ!」
「カイロスッ!」
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─ - 50二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:42:58
「私も忙しいんだ!…と言いたい所だが、実はまた会長が予定よりも早く仕事を片付けてしまってな……いいだろう、貴様の相手をして………むしポケモンだと!?!?」
「ジャロ……」
─ VSエアグルーヴ&ジャローダ
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「そう言えばカイチョーって今は忙しいの?」
「いや、しばらくは忙しくならないはずだ。…いや、忙しくさせないつもりだ…!!」
「カイロー?」
「うん、そうだよカイロス!カイチョーはレースもバトルもすごく強いんだ!!ボクはそんなカイチョーを尊敬しているし、ボクの超えるべき目標のウマ娘なんだ!!」
「立派な目標だなテイオー…さて、ジャローダ」
「ジャロッ!」
「ナニナニ!?ちょっとエアグルーヴ!!ジャローダをボクに巻き付けてナンノツモリ⁉︎」
「たわけ!いい加減、生徒会室に置きっぱなしにしている貴様の私物を今日こそ片付けてもらうぞ!!!」
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─ - 51二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:48:10
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強敵達との戦いを重ね経験を積みながら、あっという間に数日が過ぎていった。
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カイロスの決戦まで残り2日
「マックイーン!久しぶり!!元気してた?」
「テイオーこそ…いつも通りで安心しましたわ」
テイオー・ポッチャマ・カイロス一行はメジロ家のお屋敷にやってきていた。
「ポチャポーチャ!」
「ポッチャマも変わらず元気そうでなによりですわ!そして…カイロスさんですわね、テイオーから話は伺っております」
「カイロス!」
実はテイオーがむしポケモン探しをしていた頃から昨日まで、マックイーンを始めとしたメジロ家のウマ娘達はメジロ家独自で慰安も兼ねた強化合宿をするため、メジロ家所有のプライベートビーチがある別荘に行っており、事前に合宿から帰ってくる日を聞いていたテイオーは誰よりも早く帰ってきたマックイーンに会うため、ここまでやってきたのであった。 - 52二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:50:58
もちろん、テイオーはただ遊びにきたわけではない。
「マックイーン…!」
「ええ、屋敷裏のグラウンドはいつでも使えます…」
時代に名を刻む二人のウマ娘が出逢えば、やる事はただ一つ。
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─
「それじゃあカイロス、合図よろしくね!」
「カイロスッ!」
そしてカイロスが角をガチンと強く鳴らすのを合図に、二人の優駿が…まるで地の果てへ行くように…まるで天を昇るかのように、コースを駆け抜ける。
そう、彼女たちはウマ娘。
レースもポケモンバトルも両立してなんぼである。
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──
─ - 53二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:54:20
結局、二人の模擬レースは4回やって互いに2勝2敗の引き分けに落ち着き、決着は次回に持ち越そうと再戦の約束をしたところで…時計を見ればすでに
もう午後の3時…そう、待ちに焦がれた
「さぁみなさん、お茶にしましょう!」
「やったー!!」
「ポッチャー!!」
「カイ…?」
ティータイムだ。
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──
─
一同が庭園の方へ行くと、広い庭園を一望できるよう小高く盛り上げられた丘の上に建てられたガゼボの中ではすでにメジロ家の使用人達がティータイムの準備を済まし、いつでも茶会が始められるように待っていた。
そしてすでに先客が一名、もうお菓子を食べていた。 - 54二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:56:09
「カビ〜♪」
「あれ?…もしかしてゴンベ!?カビゴンに進化したんだ!」
「カビッ」b
「その通りですわ!合宿中に進化しまして、ますます頼もしくなりましたの!……しかし…」
「ご安心ください、お嬢様。お嬢様もカビゴン様も満足できる量を準備しておりますので。」
なら良かったと安堵するマックイーン
「いやー、ある程度マックイーンの分もカビゴンに食べて貰った方がいいんじゃないの〜?」
「ご心配なく、ちゃんと食事量はコントロールしていますので。それに合宿で絞るに絞り込んできましたので、"多少"いつもより多く食べても問題ありませんわ!」
メジロ家お抱えパティシエによる、より取り見取り多種多様の甘く美味なお菓子達と香り高い紅茶に舌鼓を打ちながら、レースや走法についてだったり、ポケモンについての事や、互いの近況についてなど語り合う。
そしてマックイーンが昨日まで行っていた合宿の話をしている途中、マックイーンは急に何かを思い出したのか、少し待っていて下さいと席を外した。 - 55二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 20:59:09
「どうしたんだろう?…ところでカイロス、メジロ家のお菓子って美味しいでしょ?ボクとポッチャマはここのお菓子好きなんだ!」
「カイカイ!!」
「ポッチャ!ポーチャポチャ!」
引き続き、マックイーンが戻ってくるまでお茶を楽しんでいるテイオー達。
しばらくして、マックイーンが何やら二つの小さな箱を持ってきた。
「お待たせしました。」
「宝石箱…?何かすごい宝石でも入っているの?」
「実は、ビーチでとても綺麗な石を二つ拾いまして…その、それがまるで只の石ではないと思ったもので…」
そう言って照れながらマックイーンが二つのケースを開けると…片方は磨けば七色に光るであろうビー玉より少し大きい程度の宝珠、もう片方はまるで燦々と輝く太陽の様に黄色が美しい宝珠がそれぞれ箱に収められていた。
「ふ、深い意味はないですがこれを使って二人で指輪でも持ちたいなと…なので好きな方を選んで……テイオー…?」
「…はっ!?ごめんごめん、あまりに綺麗な石で…で、指輪だよね?いいね、二人でつけようよ!!ボクはねー……この七色の石がいいな!」
「ふふ、それじゃあ私はこちらの黄色い方で……改めて見ると本当に美しい石…いえ、宝石と言っても差し支えのない、まるで…どんな嵐が来ようとも遥か天の上で輝き続ける太陽の様…………あら?」 - 56二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 21:04:06
マックイーンは自分が持っている宝珠を物凄く興味深々に、真剣に見続けるカイロスの目線に気がついた。
「これが気になりますの?」
「カイロス!」
「もう、カイロスってば!何かごめんねマックイーン」
「いえいえ気にしないでください…はい、どうぞカイロスさん、持って見てもいいですわよ」
「カイ〜!カイロス!カイロス!」
カイロスはマックイーンに手渡された宝珠が余程気に入ったのか、嬉しそうに眺め始めた。
しばらく眺めた後、テイオーからそろそろマックイーンに返さなきゃ、と言われたところでカイロスは手に取った石をマックイーンに返却するも酷く残念そうな顔をして、それを見たマックイーンは…
「本当にこれが気に入ったのですねカイロスさん……手を出して下さいまし…はい!この石は貴方に差し上げますわ!」
「カイロッ!?」
「本当にいいのマックイーン?じゃあボクの石を…」
「いいんですのよテイオー、あれだけ喜んでもらえるなら本望ですわ…それにその石もテイオー、貴女が持っていて下さい…何と言えば良いかわかりませんが、運命的な何かを感じましたの」
「……わかったよマックイーン、喜んで受け取るよ!ありがとう!!」
「そうですわテイオー、こちらにリングがあるので貴女の石はこれに嵌めて下さいまし」
「…ナンデコノリング、ボクノユビニピッタリナノ⁉︎」 - 57二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 21:07:06
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─
こうして綺麗なお土産を手にしたテイオー達は、マックイーン達に後日学園で会うことを約束して寮に戻ってきた。
「カイ〜…」
「本当にカイロスはその石が気に入ったんだね!」
しかしこのまま手に持つだけでは、いつか落として無くすかもしれない。
そう考えたテイオーはカイロスの身にどう宝珠をつけようか考えていると…
「ポッチャマ!!」
「成程!あれを使おう!!」
ポッチャマが指したのはテイオーの大切な勝負服が収められているクローゼットだ。
そしてポッチャマの意図を理解したテイオーは自身の二つある勝負服のうちの赤い方から…まるで炎のような長いマントを外し、それをカイロスの首へマフラーの様に巻いてみた。
「めっちゃ似合ってるじゃん!よし、後はこの石をブローチにして…」
マックイーンから宝珠を身につけるために色々な石座のアイテムを貰ってきたテイオーはその中からブローチ型の石座を選び、それに宝珠を嵌めてカイロスに巻いたマントに取り付けた。
「じゃーん!どうカイロス?カッコいいでしょ!?」
「カイカイッ!カイロス!!」
「チャマチャマ!」パチパチ
カイロスから見てもマントはバッチリキマっているようで、尚且つお気に入りの石を身につけられて大満足のようだった。 - 58二次元好きの匿名さん23/01/25(水) 21:15:56
書き置いてある分はここまでです。
続きはまた、明日に投稿します。
…すげぇ長くなった…