トレーナー、撫でてほしいのだ

1二次元好きの匿名さん21/11/10(水) 01:11:25

そう言うと彼女はソファに座っている自分の隣にころん、と横になる。
担当バ、シンコウウインディは寂しがり屋だ。普段はイタズラをして構ってもらうことで誤魔化しているが、寮の同室の子がいないと夜も眠れないくらいだ。
寂しさを誤魔化すのにも限界はある。そうして限界が来た時に彼女はこうして素直に甘えてくる。
横になった彼女の頭に優しく触れ、あちこちハネた癖っ毛を愛おしむように撫でる。実家で飼っていた犬を思い出すが、それを口にすると拗ねてしまうので言わない。そんな姿も可愛いのだが。
「んぅ...ふふ」
目を細め、くすぐったそうに微笑むウインディを見る。普段のイタズラをも許せてしまえそうだ。
...まぁ、許すか許さないかは置いておくとして。
「ウインディ、今日はどうしたんだ？」
「...別に、なんでもないのだ」
「そっか...駅前にな、新しくクレープ屋が出来たらしい。すごく美味しいって教えてもらったんだ。行くか？」
「...ん。行くのだ」
「よし、じゃ今日のトレーニングは休み。1日付き合うよ」
「分かったのだ！そうと決まればトレーナー！振り回してやるから覚悟するのだ！」
駆け出す彼女の背を見る。少しでも、彼女の寂しさを紛らわすことが出来たのならいい。それが彼女のトレーナーとしてするべきことだから。