【CP・SS】「夢のつづきで」

  • 1123/01/28(土) 21:00:28

    「やっほー、ルフィ!」

    「え」

    「あはは!何その顔!」

    「…ウタ」

    「そ。久しぶりだね~ルフィ!!」

    「ウター!!!」

    飛びついて来るルフィを受け止め、ぎゅっと抱きしめ合う。

  • 2二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 21:01:04

    ワクワクドキドキ

  • 3123/01/28(土) 21:03:02

    「「あっはっはっは!」」

    二人一緒に、しばらく笑い続けた。
    変わんないなぁ、私たち。

    「驚いたー?」

    「そりゃあお前、会えるなんて思ってなかったからよ!」

    「泣くほど嬉しかったんだ?」

    「!泣いてねェ」ゴシゴシ

    「出た!負け惜しみぃ!」

    「なんだとォ!」

    昔みたいなやり取りができることが無性に嬉しくて、頬が緩む。

  • 4123/01/28(土) 21:05:14

    「んー…まあ、びっくりしたのは私の方なんだけどね」

    「?」

    まさか、あんな別れ方した後なのに…

    「こんなに早く再会するとは思ってなかったよ」

    「おれはウタに会えてすっげぇ嬉しいぞ!」

    「私も、会えたことは嬉しいんだけどさ」

    あのねぇ…

  • 5二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 21:05:56

    あ…

  • 6123/01/28(土) 21:07:47

    「ルフィ。この際、はっきり言うよ」

    「おう」

    「アンタさ」

    「?」

    すうーっ…

    「なに負けてんのォ!?」

    私の叫びが、黄泉の国に響き渡った。

  • 7二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 21:11:49

    誰に負けたんだよルフィ…

  • 8123/01/28(土) 21:12:28

    エレジアでのライブの後…
    新時代をつくる、と言ってくれたルフィに夢を託し、
    あっちの世界では永遠の眠りについた私。

    いわゆる「あの世」とかいう場所から、
    芋けんぴをほおばりながら、のんびりルフィを応援していた…
    数週間後、こうしてコイツがこっちに来るまでは。

    早い。流石に、早いよルフィ。

  • 9二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 21:12:39

    寿命だろ

  • 10二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 21:13:21

    何気に芋けんぴ食べてて草

  • 11123/01/28(土) 21:15:00

    「え~!?おれ死んだのかァ!?」

    「死んだ言うな!心で生き続けてるんだよ!」

    「それは今どうでもいいだろ!」

    「良くない!」

    「しっかし、なんで死んだんだおれ」

    「ほら、あのデッカイ牛みたいなおじさん」

    「あーそうだった、そうだった…おれ、確かカイドウと闘ってて…」

    「金棒が直撃してこっちに来たんだよ…」

    私は脱力のあまり、地べたに座り込む。

  • 12123/01/28(土) 21:16:13

    幼馴染が血だらけで闘っているだけでも結構ショックなのに、
    まさかぽっくりいってしまうとは…

    「相手が相手だし、仕方ないとは思うけどね?」

    「いやー気づかなかったなー…誰だ?あの割り込んで来た奴」

    「落ち込む必要はないからね、ルフィ」

    「まあ死んじまったんならしょうがねェか」

    「切り替え早っ!?」

    あっけらかんとした様子でルフィが隣に腰を下ろす。
    この辺、あっさりしてるなあ…

  • 13二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 21:17:23

    ああ、あの時に会ってたのね…

  • 14二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 21:17:32

    エース出番だぞ、火拳して追い返せ

  • 15二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 21:18:43

    >>14

    幼馴染との再会に横槍を入れるような無粋な奴じゃあないだろ

  • 16123/01/28(土) 21:20:04

    「あ。でもルフィ、アンタなんか蘇るっぽいよ?」

    「なんでだよ!?」

    「私に聞かれても知らないよ!アンタの体でしょ!」

    「心当たりがねェ!」

    「まあ、きっとルフィが海賊王になる男だからだね」

    「理由になってねェと思うぞ」

  • 17123/01/28(土) 21:28:20

    「ん?てことは、おれ、またあっちに戻るのか?」

    「うん。そうじゃなかったら、もっと感動的に出迎えるつもりだったよ」

    「それを聞くとすげー死にづらいな」

    「アンタが復活するまで、ちょっと時間がかかるらしくって…」

    「おれ生き返んの初めてだよー」

    「大体の人はそうじゃない?…で、せっかくだから話したいと思って!」

    「ウタと話せるのは嬉しいけど、複雑な気分だ」

  • 18二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 21:33:46

    CPつけたからには命かけろよ?

  • 19123/01/28(土) 21:35:14

    「なんにせよ、アンタの冒険が続くみたいで安心したよ!」

    「おう!おれ、まだまだやりてェこと、たくさんあんだ!」

    「そっか!楽しみだな~」

    ルフィの冒険は面白くって、見てるといつも顔がにやけてしまう。

    「…ウタ。お前、おれの冒険見てんのか?」

    「もちろん!この先も、ずっと見てるよ」

    「そりゃあ、頑張らねェとな」

    「んふふ、頑張れ」

  • 20123/01/28(土) 21:42:23

    麦わら帽子越しに、ルフィの頭をわしゃわしゃ撫でる。

    「エースもこっちにいんのか?」

    「うん。カッコ良いお兄さんだね!ルフィ!」

    「ししし!だろー?自慢の兄ちゃんなんだ!」

    「アンタのお兄さんとは思えないぐらいしっかりした人だね!」

    「どういう意味だよ!」

    このバカには勿体ない…と思う反面、
    ルフィの家族になれるなんて羨ましい、とも思う。

  • 21123/01/28(土) 21:43:24

    「強いて欠点を上げるなら、ルフィの話題になると話が長い」

    「もしかして、お前ら結構仲良くなってんのか?」

    「私もルフィのこと喋りたいのに、エースばっかり喋ろうとするんだよねー」ハアー

    「仲良くなってんな…」

    「最近は話すのを交代制にしてるんだー」

    「いや、別に知りたくねェけど…エースは来ねェのか?」キョロキョロ

    「今は、会わないってさ」

    「そうか」

    再会を先延ばしにするのは男の子の悪い癖だと思う。
    シャンクスも、さっさとルフィに会えばいいのに…

  • 22123/01/28(土) 21:51:08

    海賊の流儀だから、口出しはしないけどね。
    そういう頑固なとこも好きだし。

    「あ!そうだ、ウタ!おれ寝てたから知らねェんだけど、
    お前最後、シャンクスとは…」

    「だいじょうぶ、ちゃんと仲直りしたよ」

    「!そうか…良かった~!!」

    我が事のように喜んでくれるルフィを見て、
    なんだか心があったかくなる。

  • 23123/01/28(土) 21:55:17

    シャンクスとケンカ別れしたままだったら、ずっと後悔していただろうから、
    コイツには感謝してもしきれない。
    左手に、ぎゅっと力がこもる。

    「ありがとね。アンタのおかげだよ、ルフィ!」

    「お前から礼言われっと、むず痒いな…」

    「なによ、人が感謝してるってのに!これでもくらえ!」

    ルフィの頭を拳でぐりぐりして攻撃する。

    「効かないねェ!ゴムだから!」

    「あ、そっか」

  • 24123/01/28(土) 22:03:30

    ならば、ほっぺたを堪能させてもらおう。
    むにむに。むにむに。
    あー、やっぱり触り心地いいな、ゴム人間。

    「おい、うふぁ。ひゃめろ」

    「何言ってるか分かんなーい!」ケラケラ

    「ふぁーなーふぇー!」

    「ふふふ、無駄だよルフィ。
    アンタはここで私に永遠にほっぺたを触られ続けるの」

    「ふぉれでいいのか…?」

  • 25123/01/28(土) 22:07:55

    「…」

    「どうしたのルフィ?」

    ほっぺたを解放し、膝の上にルフィの頭を乗せる。
    ルフィの顔を見下ろす形だ。うーん、カッコ良い。

    「…なあ、ウタ。一個聞きてェんだけどよ」

    「?」

    「お前、あれで良かったのか?」

    ばちり。

    ルフィの両の瞳が、私を見つめる。

  • 26123/01/28(土) 22:10:47

    にっこり微笑んで、見つめ返す。

    「後悔は──してない。楽しんだもの勝ちでしょ?」

    「…つまんねェこと聞いたな」

    「ホント。アンタらしくもないね…心配してくれたんだ」

    全く、そういうところが…
    生意気。ありがと。

  • 27123/01/28(土) 22:17:56

    「ねぇルフィ。私も、つまんないこと言っていい?」

    「?ああ」

    「このまま…私と一緒に、こっちにいない?」

    「…」

    「ここでは、苦しいことや辛いことはないし。
     大切な人を失うこともない。」

    「…」

    「私でよければ、ずっと隣にいてあげる──どうかな?」

  • 28123/01/28(土) 22:21:16

    「ウタ」

    「うん」

    「その誘いには、乗れねェ」

    「そっか」

    「おれは、新時代をつくる男だ」

    ──それが聞きたかった。

  • 29123/01/28(土) 22:30:04

    「ふふ」

    「なんで笑ってんだ」

    「いや、期待通りの言葉が返って来たからさ」

    「そうか」

    「アンタが“分かった!”とか言ったら、ぶん殴ってたよ」

    「理不尽!」

    「あ。そう言えば、聞きそびれちゃってたけど」

    「ん?」

    「ルフィ。アンタ、どんな新時代をつくるの?」

    「ああ。おれがつくるのはな──」

  • 30二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 22:35:36

    再会できるだけでも嬉しいだろうな、ルフィは

  • 31123/01/28(土) 22:43:16

    「──そう。それは楽しみだね」

    「おう!待っとけ!」

    コイツなら、絶対やれる。
    なんたって、私の大好きな幼馴染なんだから。

    「ん、そろそろ時間みたい」

    「そうか…ウタ!」

    「?」

    「会えて嬉しかった!またな!」

    「…次は、あんまり早く来ないでね」

    「先のことは分かんねェ!」

    「それもそっか」

  • 32123/01/28(土) 22:58:43

    立ち上がり、ルフィと向き合う。

    「ハグして」

    「おう」

    手を広げると、ルフィが抱きすくめてくれる。
    ホントに背、抜かされちゃったんだな…

    「…!」

    どうしようもなく彼が愛おしくて、強く抱きしめる。
    くっついていると、より一層ルフィの温かさが感じられた。
    また、お別れだ。

    やっぱり、寂しい。

  • 33123/01/28(土) 23:06:03

    「…ウタ」

    「だいじょうぶ。離れてても、私たちは繋がってるよ」

    「…」

    「そのまま真っ直ぐ、アンタの信じる道を進んで。
     引きずったりしたら、私もエースも許さないんだから」

    「おう。任せろ」

    「それと…」

    ちょっと躊躇ってから、顔を寄せる。

    「!?」

  • 34123/01/28(土) 23:15:45

    これは、嫌がらせ。

    「──ッ!…ウタ、ずりぃぞ」

    「出た!負け惜しみぃ~!」

    柄にもなく顔を真っ赤にしているルフィをからかう。
    …私の顔も真っ赤だけど。

  • 35123/01/28(土) 23:19:50

    これは、引き分けかな。

    名残惜しいけれど、ルフィと離れる。
    次に会えるのがいつかは分からないけれど、とっても楽しみだ。
    …色々と。

    「じゃあね、“麦わらのルフィ”。送ってあげる」





    「ビンクスの酒を、届けにゆくよ──♪

  • 36123/01/28(土) 23:26:46

    ──またウタが夢ん中―!

    ──アンタも来なよ

    ──やだねー!べー!

    ──もー!ルフィー!



    「あーあ、またフラれちゃった」

    思えば、昔からルフィには袖にされてばかりだ。
    アイツは冒険にぞっこんだし。

  • 37123/01/28(土) 23:39:45

    私たちって、どこか正反対なのかもしれない。

    でも。

    私たちは、同じ誓いで結ばれていて。
    夢は違っても、夢を追う互いの姿に、どこか惹かれていて。

    その夢の果てで、何を掴むのかを見届けたくて。
    …私は、もう見つけたから。

    「次は、アンタの番だよ」

    待ってる。

  • 38123/01/28(土) 23:42:18

    ───信じるその旅の果てで、また会いたい。夢のつづきで、また!

    ───新時代はこの未来だ。おれ達ゃゆくぞ、海の限り!





    ドンドットット♪ドンドットット♪


    TO BE CONTINUED…

  • 39二次元好きの匿名さん23/01/28(土) 23:56:16

    一言だけ言わせてくれ

    ありがとう

  • 40二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 00:01:19

    いい読後感

  • 41二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 00:02:52

    アニワンでこのままやっても違和感ない完成度だった

  • 42二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 00:05:36

    神ssじゃねーか…
    なんとなく夏頃の雰囲気を思い出す

  • 43二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 00:06:29

    続きあるってことですね…?

  • 44123/01/29(日) 10:13:13

    >>43

    ない!(ドン!)

  • 45二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 10:16:25

    >>43

    !?


    >>38

    !!

  • 46二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 10:28:08

    🍢🐉
    🔥

  • 47二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 11:04:24

    タマゴさん!?

  • 48二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 11:08:33
  • 49二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 11:15:23

    語り継がれる…🐲

  • 50二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 14:52:06

    >>44

    😭

  • 51二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 16:13:19

    タマゴさんだったのか!
    ありがてぇ…

  • 52123/01/29(日) 18:46:30

    >>45

    >>48

    (今のところ)ないです

    続きはワンピース本編次第…

  • 53二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 23:15:04

    素敵なSSをありがとうございます
    今はただ 君に感謝を

  • 54二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 11:13:49

    このレスは削除されています

  • 55二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 22:22:19

    ありがとうございました

  • 56二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 23:06:44

    RED後に製作されたOVAとかでありそうな展開でいい…………
    最初に叱り飛ばすのがとてもよい

オススメ

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