お食事処マチカネの裏メニュー

  • 1二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 00:05:14

    「いらっしゃいませ~」
    大都会というわけでも、田舎というわけでもない、ごく一般的な住宅街。
    その中にある、これまた平凡な家族経営の定食屋「お食事処マチカネ」にて、看板娘であり店長である俺の姉、マチカネタンホイザの声が響いた。
    姉さんはかつて中央トレセン学園で活躍していたウマ娘だった。自分の姉にこんなこと言うのは癪だが、知名度でも美貌でもトップクラスだから看板娘としてはうってつけなのだ。
    なので、接客は姉さん、厨房は俺と完全な分担体制ができている。
    「お久しぶりです。タンホイザさん」
    「ごめんね、閉店間際だったみたいだけど、大丈夫かな?」
    「わぁ!ブルボンさんにライスさん!お久しぶりです~!大丈夫ですよ全然!!」
    来店してきたのは、姉の学生時代の先輩であるミホノブルボンとライスシャワーの二人であった。
    「よかった。偶然近く通りかかっちゃって。お腹空いてたし」
    「データインプット中…ここのメニューは定食屋としてスタンダードなものが多いのですね」
    「あ、そうだ!今閉店間際で、多分今日はもうお客さん来ないんで、特別メニュー試してみません?」
    特別メニュー、という言葉を聞いて、俺の身体がビクついた。アレをやるのか…
    材料自体は申し分ない。普段の定食メニューでは使わない材料が多いから、やや余ってたし。
    ただアレは何というか、人に言えないような理由かつ倫理的な理由でやるのは憚られるというか……特に今回は女性相手だし………
    「特別メニューがあるの?じゃあライスそれがいい」
    「データベース検索、該当なし。私の知識ファイルを増やすためにも、スペシャルプログラムを所望します」
    「弟く~ん!特別メニューおねが~い!」
    しかし、場は完全にそれの空気になってしまっていた。
    「やるしかないか…」

  • 2二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 00:05:35

    「横から順に、白身魚のマリネ、鮎のコンフィ、野菜とサーモンのテリーヌ、赤海老のビスク、イサキのポワレ ヴェルデュレットソース、鴨肉のロティ、パパ・オ・ラムでございます」
    「エラー発生……定食屋?」
    「すごい、フルコースみたい」
    フルコースみたいというかフルコースだ。最も順々に出していったら閉店になるから一気に出させてもらったが。まあウマ娘の胃袋ならとっととたいらげてくれるだろう。
    「本当においしいんですよそれ~。弟君料理学校でそういうの勉強してきたみたいで~」
    「へえ、そうなんだ。じゃあ」
    「「いただきます」」
    さて、目の前で二つの映像が重なっている感覚と聞いて、理解できるだろうか?
    例えば座学の授業を受けてる時、目の前には黒板の前を行ったり来たりする教師しか見えていないはずなのに、頭の中で昨日見たアニメのことを考えているせいで、アニメの映像と教師の映像が重なって見えてしまうような、あの感覚。
    この裏メニューをやると、俺個人にだけそのような映像が視える。具体的には
    「わぁ……おいしい……こんなのはじめて………」
    「あっ……ハァ、ハァ………」
    俺の料理を食べている人達は服を着ているはずなのに、俺にはこの二人の服が弾け飛んでいるように見える。
    前述の倫理的な理由とはこれだ。この映像を何度も見るのは人としていかがなものかと思ってしまう。
    そしてこれは、俺がこの定食屋を継いでいる理由でもある。
    中高一貫の料理学校に通っていた頃、定食屋の修行として入ったはずなのに、俺の適性は和食じゃなくてフレンチのほうにあった。しかし、フレンチの店を開くとなると毎度全てのお客さんの裸体を見ることになる。人としての理性がギリギリのところで俺を引きとどめた結果、俺は当初の目的通り実家の定食屋を姉と共に継ぐことにした。
    ちなみにこの現象、俺の母校の奴らにはだいたい起こることらしいが、そいつら曰く「人に相談できるわけねーだろこんなの」ということで、具体的な解決方法はない。
    だから、この裏メニューはあまりやらないようにしている。だが、最近は考え方が変わってきていたりもしていた。

  • 3二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 00:05:51

    「「あああああああああああああんんん」」
    食べてくれた人の嬉しそうな顔、というには少々恍惚さが多い気がするが、そんな顔を見れるなら、服が飛ぶことなど些細な問題ではないかと。そう、自分を納得させることができてきている気がするのだ。
    だから、裏メニューを実施した日は、必ず姉さんにこう言うことにしてるのだ
    「姉さん、今日は絶対に部屋入ってこないで。絶対だよ。何があっても入ってこないでよ」

  • 4二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 00:06:29

    以上、ssパート終了

  • 5二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 00:10:23

    シコりに行ってんじゃねーか!!

  • 6二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 00:14:36

    ホンマすまん、「わぁ……」でちいかわがチラついて笑ってしまった

  • 7二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 00:22:41

    >あっ……ハァ、ハァ………

    ブルボンさんその反応はもう食事中の人じゃないですよ

  • 8二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 00:29:18

    マチタンがエロいことしてくれるスレタイかと思ったのに

  • 9二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 00:38:37

    何かと思ったら食戟のソーマか

  • 10二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 00:39:58

    この弟遠月の出だな?

  • 11二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 00:41:03

    絵師ー!?絵師ー!?いないかー!?

  • 12二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 06:48:23

    ミカジューじゃなくてよかった

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