- 1123/01/29(日) 16:59:17
- 2二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 17:00:23
期待
- 3123/01/29(日) 17:00:31
ナミ「あんたの夢?新時代をつくるって言ってたんじゃないの?」
ウタ「それはルフィに託したんだ。私のやり方じゃ、出来ないってわかったから」
ナミ「そんなことは…」
ウタ「でも、このまま何の夢も持たない宙ぶらりんではいたくないの!この船の一員として胸を張れるように、新しい夢が欲しいんだ」
ナミ「うーんなるほどね…」
ウタ「やっぱり難しいかな…」
ナミ「ちょっと私一人じゃ身に余るわね。助っ人を呼びましょうか」 - 4123/01/29(日) 17:01:33
ウソップ「なるほど…ルフィに託した夢とは別の、新しい夢を探したいと」
ゾロ「で、何で俺らが呼ばれたんだ。人生相談ならロビンとかの方が適任じゃねェのか」
ナミ「夢が欲しいっていうんだから、なるべく歳は近いほうがいいじゃない?」
ウソップ「まァ確かに」
ナミ「それに、あんたたちも幼馴染と夢を語りあったって言ってたじゃない」
ウタ「えっそうなの?」
ゾロ「…まァな」
ウソップ「なるほど。そういうことなら確かに俺たちは適任ってワケだ」
ウタ「…みんなありがとう。わざわざ私のために…」
ナミ「今さらなーに言ってんの!もう仲間なんだから、遠慮せずもっとズケズケ言っちゃっていいんだからね」
ゾロ&ウソップ「お前はもっと遠慮しろよ」 - 5123/01/29(日) 17:03:53
ナミ「さてまずはゾロからね!あんたの夢について教えてあげて」
ゾロ「おれか…まァ決まってる。世界一の大剣豪になることだ」
ウタ「世界一…それってつまりミホークおじさんを超えるってことだよね」
ゾロ「そうだ。必ず超えると誓った」
ナミ「おじさん呼びされるとなんか荘厳なイメージが崩れるわね」
ウソップ「言うな」 - 6123/01/29(日) 17:05:33
ゾロ「おれにも世界一になると誓いあった親友がいてな…夢半ばで逝っちまったが」
ウタ「えっ…」
ゾロ「おいそんな面すんな。別に引きずっちゃいねェよ。そんザマじゃアイツに顔向けできやしねェ」
ウタ「…やっぱり強いね。ゾロは」
ゾロ「まだおれも道半ばだ。だが必ず叶える…アイツに届くまで、天に届くまでおれの名を轟かせてやる。約束だからな」
ウソップ「ぐぅっ…なんていい話だよォ…」
ナミ「なんであんたが泣いてんのよ」
ウタ「わかるよウソップ…何気なく言ってるけど、ものすごい覚悟と重さがある」 - 7123/01/29(日) 17:06:42
ゾロ「参考になったか?」
ウタ「うん、ありがとうゾロ!」
ナミ「えーと、つまりゾロの夢をウタに置き換えてみると…」
ウタ「…世界一の歌姫になることか!」
ウソップ「もうなってんじゃねェか」 - 8123/01/29(日) 17:08:49
ウタ「…」
ナミ「…」
ゾロ「…」
ウソップ「…世界一強ェ歌姫ってのはどうだ?」
ナミ「どんな謎ジャンルよそれ!」
ゾロ「歌いながら飛び回って戦うんだろ」
ウタ「私ケンカはあんまり…」
ナミ「そうよね〜私たちはかよわ〜い女の子ですもの」
ゾロ&ウソップ「『たち』?」
ナミ「うっさいわ!」 - 9123/01/29(日) 17:12:12
ゾロ「……?」
ナミ「うーん振り出しかあ……どうかしたのゾロ?」
ウタ「ごめん…嫌味ったらしくなっちゃったかな」
ゾロ「いやそれはどうでもいいんだが……
強ェ歌姫ってので、何故か日和が刀振り回しながら飛びまわってるイメージが浮かんだ」
ナミ「はい?」
ウソップ「いや急に何言って……んん?確かになんかしっくりくるな…?」
キクガイイ…サキモリノウタヲ! - 10123/01/29(日) 17:15:38
ナミ「じゃあ次は私の番ね」
ウタ「お願いします!」
ナミ「まず私の夢は、世界地図を描くことなの」
ウタ「世界地図?以外だね」
ナミ「そう?」
ウタ「てっきり世界中の財宝を手に入れるとか、バギーおじさんみたいなやつかと」
ナミ「あんたも大概失敬ね!?」 - 11二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 17:17:24
歌いながら戦いそうな日和だなぁ(すっとぼけ)
- 12123/01/29(日) 17:19:38
ゾロ「まァ普段のお前見てりゃそう思うのは自然だろ」
ウソップ「ナミは暇なときとかに日誌とか海図を描いてるんだぜ」
ウタ「あ、そういえば描いてたね!…でもそれってすごく大変だよ?偉大なる航路を何周もしないといけないし」
ナミ「正確に言うと、『世界中を旅して、自分の目で見た世界地図をつくる』ことよ」
ウタ「自分の目で…」
ナミ「航海術には絶対の自身があったし、今もそれは変わらない。だからこそ自分で世界中を旅して、この目で見て回りたかったの」 - 13123/01/29(日) 17:24:25
ウタ「…耳が痛いなぁ。配信越しに見た景色だけで世界を知った気になってた私とは大違いだね」
ナミ「だからあんたは悲観的になりすぎなのよ!どの道あんな環境じゃ自分で見て回りたくてもできなかったでしょ」
ウタ「それはそうだけど…」
ウソップ「反省できたってんならもうそれでいいだろ。まだまだ俺たちの冒険は続くんだからよ!これからだこれから!」
ゾロ「一々失敗を振り返ってたらいつまで経っても進めねェぞ。お前はまず自己肯定感を上げねェといけねェかもな」
ウタ「みんな…」グスッ
ナミ「はいはい湿っぽい話はそこまで!今はウタの夢の話でしょ!」
ウタ「そ、そうだったごめん!」 - 14123/01/29(日) 17:26:49
ゾロ「なら今の話をウタに置き換えるとどうなるんだ」
ウソップ「……世界中に歌声を届ける夢か?」
ナミ「…もうやっちゃってるわね」
ウタ「いや、そういう意味ではあんなの反則技だよ…私自身の力じゃないし」
ゾロ「なら直接世界をライブして回るとかならどうだ」
ナミ「こないだそれやって海軍に追いかけられたじゃない」
ウソップ「あれはお前が言い出したんだろ!ウタの路上ライブでおひねりガッポガポだってノリノリだったろうが!」
ウタ「…あれだけのことやらかせばそりゃそうだよね」
ナミ「心配しないで…ウタ…」
ウタ「ナミちゃん…」
ナミ「実際おひねりガッポガポだったから!」
ゾロ&ウソップ「ブレねェなお前は!」 - 15123/01/29(日) 17:31:55
ナミ「一旦歌から離れたほうがいいかもしれないわね…」
ウタ「私もそんな気がしてきた…」
ウソップ「ならおれの夢は参考になるんじゃねェか?」
ゾロ「ひとまずお前で最後だな」
ウタ「ウソップの夢かぁ」
ウソップ「いいか、おれの夢は…勇敢なる海の戦士になることだ!」
ゾロ「よし、チョッパーかエロコックあたり呼んでくる」
ウソップ「いや聞けェェェェい!」
ウタ「すごい…流れるようなボケとツッコミ!」
ナミ「いつものことよ」 - 16123/01/29(日) 17:37:01
ウソップ「まず知っての通り、おれの親父は赤髪海賊団の一員だ」
ウタ「あ、ヤソップのことか!」
ナミ「あんたの義父のひとりね」
ウタ「ウソップもゾロみたいに、ヤソップを超えることが目標なの?」
ウソップ「いや、少しちがうな。
ウタ「?」
ウソップ「親父のことは誇りに思ってる。でも親父みたいになりたいとか超えたいとか、そういう目標じゃねェんだ」 - 17123/01/29(日) 17:38:56
ゾロ「あくまで『勇敢なる海の戦士』はお前自身の理想の姿のコトってワケだ」
ウソップ「ああ!とはいえ最初は抽象的すぎて手探り状態だったけど、ある偉大な二人との出会いがおれの夢を明確にしてくれた」
ナミ「リトルガーデンの決闘ね」
ウタ「決闘!?」
ウソップ「ああ!巨人族のブロギー師匠とドリー師匠だ!心に誇りの旗を立てて100年以上の決闘に身を投じていた!」
ウタ「巨人族…!?ひゃ、100年…!?」
ウソップ「あれを見て俺は思ったんだ。誇りは『宝』!おれはあの二人のように生きて、そして死ぬときも己の人生を誇るんだ!なぜならおれは誇り高き海の戦士、キャプテン・ウソップだからな!」 - 18123/01/29(日) 17:42:51
ナミ「相変わらず私にはよくわかんない話ね…」
ゾロ「だがコイツは本気だぜ」
ウタ「そっか…すごいねウソップ…!」
ナミ「え、何?ついていけてないの私だけ?」
ウソップ「わかってくれたか!ウタ!」
ウタ「ウソップならきっとなれるよ!巨人に!」
ウソップ「違うわァ!!!」
ナミ「あーよかった私だけじゃなくて…懐かしいわねこのノリ」 - 19123/01/29(日) 17:49:40
ウタ「ご、ごめんウソップ…でも、ちょっとわかった気がするんだ」
ゾロ「お、夢が決まったのか?」
ナミ「えっ今ので掴めたの?」
ウソップ「やっぱ俺の夢が参考になったか!」
ウタ「ううん。新しい夢なんて、やっぱり持てないってことが」 - 20123/01/29(日) 17:51:34
ナミ「え?」
ゾロ「…」
ウソップ「諦めちまったのかよ?」
ウタ「ううん、それも違うよ。さっきゾロも言ってくれたよね。私には自己肯定感がないって」
ゾロ「あァ、ナミの時にな」
ウタ「それに加えて、ウソップの夢を聞いてわかったんだ。私は夢が欲しかったわけじゃない」
ウソップ「どういうことだよ?」 - 21123/01/29(日) 17:54:05
ウタ「夢をルフィに託したって言えば聞こえはいいけど、結局は諦めたってこと。ルフィにどんどん置いてかれてるみたいに感じて、怖くなっちゃったんだ…
勝負だってズルしないとルフィに勝てないし、同じ夢を見たはずなのに私じゃ叶えられない…シャンクスたちからの期待だって…」
ナミ「だからネガティブになりすぎなんだって…」
ゾロ「言わせてやれ。吐き出してェんだろうよ」 - 22123/01/29(日) 17:57:20
ウタ「ルフィは私よりずっとずっと遠くに行っちゃってる。それが、悔しかったんだ…
だから、新しい夢を見つけてそれに向かって頑張れば、気が紛れると思ったんだ。道が違えば、ルフィに置いていかれてる気にならずにすむから」
ウソップ「…なるほどな」
ウタ「…でも、やっぱり無理だよ」
ゾロ「…ほう」
ウタ「やっぱり夢を諦めたくないよ!ルフィにも置いていかれたくないよ!そうじゃなきゃ私は、自分の人生を誇れないよ!誇りは『宝』なんだから…」 - 23123/01/29(日) 18:00:09
ナミ「ウタ…そういうことだったのね。置いてかれてるなんて考えすぎもいいとこだと思うけど、あんた自分が思ってるよりずっとすごいことしてるのよ?」
ウソップ「いやまったく大したやつだぜお前は!」
ウタ「私の夢は、新時代をつくること!無理なんかじゃない…!歌でじゃなくてもいい!いつか叶えるんだ!
ルフィの隣で、ルフィと一緒に!」 - 24123/01/29(日) 18:02:52
ナミ「…なんだ。結局できたじゃない。新しい夢」
ウタ「…えっ?」
ゾロ「今自分が最後に何言ったか思い出して見ろよ」
ウタ「え?それゃ新時代を、ルフィ…と…」
ナミ「うわ顔真っ赤!」
ウソップ「へへっよかったな夢が見つかってよ!」
ウタ「いやいやいやいや!!違くて!そう、深い意味はなくて!!」
ゾロ「そのザマで言われても説得力ねェな」
ナミ「よっしゃ!あんたたち全力でサポートするわよ!みんなにも声掛けなきゃ!」
ウタ「えええ〜〜!!?」
ウソップ「いや〜無事に問題解決めでたしめでたしだな!」
ゾロ「今夜の酒は旨くなりそうだ」
ウタ「ぎゃああああ!!!待って待ってみんな〜〜!!」
ウタが新しい夢を叶えること、自分に『誇り』がもてるようになるのは…そう遠くない未来の話
終わり - 25二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 18:03:44
おつ よかった
- 26二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 18:12:07
ナミ達とちゃんと話せてるのよかった
- 27二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 18:18:03
年齢近いから仲良くしてるの見るとほっこりするな
- 28二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 20:52:40
良い。好き。
すっきりまとまってるのも最高です
ウタと一味のみんなの絡みは心が温まる - 29二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 21:10:03
おい神ss師め
このゾロウタの年上の兄貴みたいだ… - 30二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 22:29:17
すごい救われました…
- 31二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 23:11:33
最終日記念だ!
- 32二次元好きの匿名さん23/01/29(日) 23:28:28
こりゃ外堀がどんどん埋められるな!
- 33二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 06:56:24
すごーく楽しい会話のノリで丁寧な若者の夢トークしててちゃんとウタが夢に向かえるようになって、
すごーく楽しいSSでよかったです! - 34二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 07:08:34
完成度たけー
一味に暖かく迎え入れるウタの話見たかったんですありがとう - 35二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 14:59:06
ルウタにおけるナミさんの安心感と頼もしさは以上
- 36二次元好きの匿名さん23/01/30(月) 23:02:57
良き