- 1二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 12:06:17
世界は終わりを迎えた。
長き戦争の結末は、生体兵器による地上全ての破滅__人類の敗北に終わった。
人類は青空を奪われ、数少ないコロニーに別れて暮らしていた。ただひとつ、残された希望は「モビルスーツ」。かつて戦争に用いられた、パイロットとその無二のパートナーによる、ふたりのりの決戦兵器。鋼の鎧、自由な翼。
ふたりは灰色の荒野を駆け抜ける。
たがいの命を守るため。
人々に希望を与えるため。
あるいは、空を取り戻すために。
「……スレッタ、起きた?」
声がする。スレッタは、目を覚ます。はっとして横を見ると、そこには麗しい少女がひとり、座っていた。
「おはよう。昨日はお疲れ様」
「あ、なたは……誰、ですか」
「忘れちゃったの? ニカの診断は正しかったってことね。まあいいわ」
少女は立ち上がり、横たわるスレッタに近づく。そうしてそうっとスレッタの手をにぎり、微笑んだ。
「私はミオリネ・レンブラン。あなたのフィアンセよ、水星のシュヴァリエ様?」
__これは。
巨大コロニー「アスティカシア」を守る騎士と、その婚約者の物語。
※本作は「どらこにあん」及び「株式会社アークライト」が権利を有する『光砕のリヴァルチャー』の二次創作です。元ネタ知らなくても楽しめるはずですよ! - 2二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 12:07:20
「というわけで、やるわよ。光砕のリヴァルチャー」
「りーちざすかいりばるちゃー……ミオリネさん、私、これやったことないですよぅ……?大丈夫なんですか?」
「大丈夫よ」
「ほんとですか!?」
「私がサポートするし、細かい処理は書いてる人がやるから」
「か、……かいてるひと……?」
「ざっくり『終末世界でロボットに乗ってヤバい化け物と戦う』ってことだけわかってれば大丈夫。二人専用TRPGだから、ダイス結果によってはデートしたりキスしたりなんやらかんやらあったりするから『微CP注意?』表記してるわ」
「え、えっと……?よ、よくわからないけど、わかりました!私、ががが、がんばり、ましゅ!」 - 3二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 12:08:45
「み、ミオリネ、さんが……?私のフィアンセ?」
「ええ。……そうね、どこから話そうかしら。まずは……ここは、巨大コロニー『アスティカシア』。最新のシステムで地球の環境が再現された、私たちの居住空間。ここはその中でもかなり外周に近い部分ね。ちょうどいいタイミングで外につながる窓があるわ。見て」
「え、」
がいしゅう? と首を傾げ、スレッタは上空を見やる。青空が、ひろがっている。……しかしなんだか違和感があった。雲が、動いていないのだ。ミオリネの指さしたほうを、ちらりと一瞥する。そうして、目を見開いた。
一面の砂漠。見渡す限り分厚い雲。無数に空中を埋め尽くす塵とごみ。立ち止まったスレッタを、ミオリネが仰いだ。
「あれはパーメット粒子。情報を伝達する性質がある。これを用いた様々な兵器が生み出されて、そいつを使った戦争の結果、世界は滅びた」
「滅び……」
スレッタは灰色の窓に縋りつく。窓は、開かない。灰色の砂嵐はすべてパーメットなのだ。対策せずに出たら死んでしまう。それを防ぐために、開かないようになっている。ミオリネはごん、と窓を叩いた。
「しかもこの外には、その戦争のときに作られた化け物__『ソラバミ』って私たちは呼んでるけど、そいつがうようよいる。この中だって、一見平和に見えるけれど、実際のところどこにも安全な場所なんてない」
薄赤い指先が震えている。
ミオリネはそれを見ないふりして、作られた青空のもとを歩き出した。
「ついたわ。ここが、格納庫よ」 - 4二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 12:09:36
スレッタとミオリネの前には、まるで眠るように首をもたげた、大きな人型兵器がおかれている。優美な流線形。女神像のような麗しい姿。それは、どういうわけか、スレッタにどうしようもない懐かしさ、のようなもの、を与えてきた。
エアリアル。
知らないはずの名前がくちをついて出てきて、スレッタは目を見開く。ミオリネは小さく頷いた。
「そう、これはエアリアル。音速で空を駆ける、最強の兵器__モビルスーツよ」
「さいきょうのへいき」
「誰が乗っても最強ってわけじゃないわ。パーメットを使って操縦者の思考を読み取るこの兵器は、あんたが乗るから最強になる」
「わ、私がですか?どうしてです?」
「それはスレッタ・マーキュリーが特別な人間、『シュヴァリエ』だから。ただ、一人で乗ったら、パーメットの負荷によって脳が破壊されてしまう。そうならないために、サポート役である『フィアンセ』、私がいるの」
「なるほど……?」
「コロニー内の治安を保つこと。資源を調達すること。外部からの依頼をこなすこと。それから、『ソラバミ』と戦ってここをまもること__これが、私たちに課せられた、使命なの」 - 5二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 12:11:01
「じゃあキャラシートを書きましょうか」
「今ですか?」
「ほんとはセッションを始める前につくるべきだけど、突然ダイスを振られてもびっくりするでしょ」
「……そうですね……?」
「とはいっても、キャラクターについて決定することは、実は少ないわ。名前、適性、物語、どう呼ぶかとどう呼ばれたいかの呼称」
「名前、と、どう呼ぶか、どう呼ばれたいか、はいいとして、適性と物語ってなんです……?」
「適性はそのキャラクターが『シュヴァリエ』あるいは『フィアンセ』として、どのくらい適しているか。物語はキャラクターの設定や立場よ。1d6で決めるわ。どちらも戦闘時の数値なんかには影響しないから気軽に振ってね」
「なるほど……じゃあ、えっと、スレッタからいきますね!適性はdice1d6=3 (3) 。物語はdice1d6=6 (6) です!」
「ミオリネも。適性はdice1d6=4 (4) 、物語はdice1d6=1 (1) ね」
- 6二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 12:17:46
「スレッタの適性は『標準』、物語は『傭兵』です!えっと、たぶん、エアリアルといっしょに、あっちこっちへ出向いているんですね。困ったひとがいたら、誰だって助けたいから。今は『アスティカシア』にいるけど、基本的な拠点はどこか別にありそうです。……でもなんでミオリネさんはついてきてくれてるんです……?」
「そんなの『パートナー大好き!』だからよ」
「!?」
「ミオリネはスレッタを愛しているわ。一緒にいるんだから戦うのは当然でしょ?」
「!?!?」
「ああ、ミオリネの適性は『フィアンセの血』ね。うまれもって、誰かのフィアンセになることを決定づけられていた。そうして、たまたまであったスレッタに一目惚れしたのね」
「!?!?!?」
「それじゃあ感情回路__ああ、フィアンセからシュヴァリエへの感情は、『私の花婿さん』と『あんたとならどこへだって行ける』にしておくわ。あとひとつ決められるけど、これはセッション中に決めましょう」
「!?!?!?!?!?」 - 7二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 12:19:25
「最後に今回のる機体を作るわよ」
「えっと、エアリアルですか?」
「ええ。光砕のリヴァルチャーでは、機体のスペックである『フレーム』、敵に攻撃するための『ウェポン』を二つ、機体に込められた願いである『クロニクル』を二つ決めることで機体を作るの」
「数字がいっぱいで、むずかしそうです……」
「どんな組み合わせでも戦えないってことはないわ。といってもあまりにかけ離れたものができると悲しいから、『フレーム』、『ウェポン』一つ、『クロニクル』一つは決めてきたわよ」
「おお……数字がいっぱいでよくわからないです……」
「ざっくりまとめると、若干装甲が薄い代わりにスピードも安定感もある『シン・セー製ガンダムフレーム(アルバトロスのリネーム)』、エネルギーをドカ食いするかわりに破格の攻撃力を誇る『エスカッシャン(WGフリューゲルRのリネーム)』、移動補助のための『追加ブースター』って感じね。……ほんとはアルゲンタヴィスを先にやりたかったんだけど」
「……?」
「とにかく、もう一個のウェポンとクロニクルを決めるわよ。安定感があるロングライフル、小回りの利くショートライフル、連射性能に優れたマシンガン、火力も反動も高いキャノン、接近戦に持ち込めるブレード。どれがいい?」
「じゃ、じゃあ……ウェポンは、dice1d5=4 (4) のdice1d3=1 (1) 。クロニクルはdice1d5=1 (1) のdice1d4=1 (1) で!」
- 8二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 12:34:55
「やはり火力です!火力はすべてを解決します!」
「ドラゴンブレス……リネームは『バスターライフル』とでも書いておきましょう。これも、一撃で敵を吹き飛ばすことに特化した武器ね。それなら今回のソラバミは……」
「それから、そうですね、すこし装甲を厚くしておきましょう!移動性能は下がりますが、その分多少無茶しても壊れない頑丈さが手に入りました!」
「あれこれ実質砲撃型アルゲンタヴィス……いえ考えないことにしておきましょう」
「これで完成ですか?」
「ええ、そうね。意外と簡単だったでしょ?」
「はい!じゃあえっと、シナリオに戻りますか?」
「そうね。次はいよいよ戦闘、の前にブリーフィングよ」 - 9二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 12:45:41
スレッタがエアリアルに触れた瞬間、
__警報が、鳴り響く。
はっと、目を見開く。ミオリネは一瞬外を見た後、ぎっと眉を吊り上げてスレッタを睨んだ。
「ソラバミが接近してる。出撃するわよ」
「しゅしゅしゅ、しゅつげき!?」
「大丈夫、前回の出撃でちょっと怪我して記憶がなくなっちゃったみたいだけど、記憶がなくっても戦い方は体が覚えているはず」
「できるんですか!?ほんとですか!?!?」
「やらなきゃ死ぬのは私たちよ!」
ミオリネが、スレッタが近づくと、エアリアルはコクピットを開ける。まるで抱きしめられているように、向かい合わせで座席に固定される。ミオリネは簡単にあちこちをチェックして、スレッタの手を握った。
「大丈夫。私がついているわ。私とあんたなら……絶対に、勝てる」
そのひとみを見たら、スレッタの心が__すうっと、落ち着いた。
そうだ、行く。行けるのだ。ミオリネとなら。
この鋼鉄の鎧で、剣で、翼で。
どこへでも__
「エアリアル、出ます!」
エンジンが動き出す鈍い音が、響き渡った。
【ミッション】
エネルギー獲得/dice7d6=5 5 5 4 3 1 1 (24)
- 10二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 12:58:08
初陣。
といっても、それを喜んでいる暇も、怯える余裕もない。一瞬で音速を越えたエアリアルは、異形の翼を広げるソラバミに接近する。エスカッシャンが当たる距離まで上昇すると、まるでカプセルのような敵本体の中に、何やら建物のようなものが見えた。
「あ、れは……」
「都市型ソラバミ。『命中力の低い攻撃』『命中力の高い攻撃』『あたったらとても痛い攻撃』のどれかを使うわ。今の位置なら『命中率の低い攻撃』が来るから安心して」
「な、なんでわかるんです……?」
「私があんたのフィアンセだからよ。あ、それとは別に、時間をかけすぎると『ほぼ確実に撃墜されるヤバい攻撃』が来るわよ」
「じゃ、じゃあ、短期決戦、です!」
「……といっても、どうやればいいんですか~!?」
「さっきエネルギーを手に入れたでしょ。そのエネルギーを使って攻撃するの。そうね、試しにさっき装備した『バスターライフル』を使ってみましょう。これは3つエネルギーを消費して、選んだ出目の合計が12以上なら4、11以下なら2を目標にして2回攻撃判定を行うわ」
「2回?ということは、2点分ダメージを与えるということです?」
「いえ。1回あたれば5、2回以上あたれば8点をダメージに加えることができる。今回はさっき引いたエネルギーから「5」「5」「3」を消費して判定してみましょう。これで、4以下の目が出れば攻撃成功よ」
「わ、わかりました!やってみます!!」
dice2d6=5 6 (11)
- 11二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 13:07:10
「???????」
「み、ミオリネさん~、全部はずしちゃいました~~!!」
「…………」
「み、みおりねさん……?」
「いえ、記憶がないのだから仕方ないわよね、仕方ない、そう、仕方ない、……!来るわよ!!」
ミオリネが叫んだ瞬間、ソラバミから凄まじい衝撃波が放たれる。
慌てて受け身をとったからよかったが、先程までは見下ろしていたソラバミが、今は大きく見上げなければ姿すら見えない。ミオリネが心配そうな顔をしてスレッタの手を握る。
「スレッタ」
「わ、私は大丈夫ですよ……?」
「いえ、今のままだと例のヤバい攻撃が来るわ」
「ええええ!?!?」
「ど、どどど、どうすれば……!?」
「それを言いたいのはこっちよ!なんで目標値4を外してるのよ!!」
「ごめんなさい~!!」
「はあ、……とにかく、回避行動をとりましょう。エネルギーを一つ使用することでノーマルムーヴ、二つ使用することでブーストムーヴができる。これで移動することができるわ」
「えっと……じゃあ、『ノーマルムーヴ』、します!それに、追加ブースターを噴かせて……また敵の上をとりました!」
「上出来。これでまた敵の行動は『命中の低い攻撃』になったわね。まだエネルギーは余ってるけど、まだ攻撃する?」
「や、……やめておきます……」
ソラバミの攻撃:dice9d6=5 6 5 5 3 5 4 2 6 (41)
- 12二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 13:10:18
元ネタなんだろう?と思ったらこういうTRPGがあるんだな…
- 13二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 13:11:44
上部の噴出孔から、高濃度のエネルギーの奔流がエアリアルに襲い掛かる。幸いにもほとんどはあたらなかったが、多少の被弾は避けられない。
「ソラバミの攻撃によって、シールドの耐久値が3点減少したわね」
「い、痛いです……」
「大丈夫よ。ターンを跨げばシールドの耐久値は回復するわ」
「なんでですか!?」
「宙に舞うあれこれを勝手に取り込んで補修してくれるのよ。ただし、壊れてしまったシールドは戻らないから、そこは注意してね」
「わかりました!気を付けます!!」
「さあ、今度はこっちの番よ、スレッタ。ぶちかましてやりましょう」
【2ターン目】
エネルギー獲得:dice7d6=4 1 2 5 6 6 5 (29)
- 14二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 13:17:49
「わかりました、ミオリネさん。行くよ、みんな!」
スレッタが言うと、ガンビットたちが意志を持ったように動き出す。ゆらり、と輝き、無数の銃口を向ける。
見下ろせば、ソラバミのカプセルの中に、無数の人型のなにかがいるのが見えた。あれもきっと、化け物なのだろう。あれがもし、落ちてきたら。きっと、アスティカシアのみんなは死んでしまう。ならば、容赦はしない。
__撃つ!
「エスカッシャンを使います!消費エネルギーは「5」「6」「6」、目標値は消費エネルギーのうち最も低い出目なので、5ですね!」
「ええ。……やめてよ?全部6出すとか……」
「さすがにそんなことない……はず……です!」
「そうよね。信じるわよ?……さて、エスカッシャンはアタック判定13ダイス。これでシールドを破壊したら、超過ダメージを次のシールドに与えることができる」
「なるほど……つまり、あてたらあてただけ、強いということですね。エアリアル、いきます!」
エアリアルの攻撃:dice13d6=
- 15二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 13:18:44
ダイスミスです!これって10までだった忘れてた!!
dice10d6=6 2 1 2 5 5 1 1 3 3 (29)
dice3d6=2 6 3 (11)
- 16二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 13:24:08
「14ダメージ。ソラバミのシールドが一枚割れたわ」
「じゅうよん……?当たった数は11点分のはずですけど……」
「言い忘れてた。攻撃判定で1が出たらクリティカルヒット、ダメージ2点分になる。……ほんとはもっと早く説明したかったんだけど……」
「わ、わかりました!」
「それからさっき同様、ソラバミの衝撃波でエアリアルの高度が下がるわよ。このままだと例のヤバい攻撃が来るけど」
「い、今が、チャンスです!逃げたらひとつ、すすめば二つ__この距離なら射程範囲なので、バスターライフルで追い打ちをかけます!消費エネルギーは「5」「4」「2」、えっとこのエアリアルのあびりてぃ?というやつで出目を一つ上げて12、目標値4です!」
エアリアルの攻撃:dice2d6=6 6 (12)
- 17二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 13:28:49
「????????」
「……えっとじゃあ、バスターライフルのレーザーは見事にソラバミの横を通り抜けていくわ。ついでに衝撃波によってさらに高度が下がるわね」
「ち、ちなみに、今の場所にいたら、攻撃は何が来ますか……?」
「ヤバイ攻撃よ」
「ああああ!エネルギー2個、ブースターも使用して、成層圏まで駆け上がります!これで上をとりました!」
「……えっとねスレッタ。短期決戦じゃなきゃいけないのよ、これ」
「わ、わかってますう……!?」
ソラバミの攻撃:dice9d6=6 2 2 2 6 4 3 2 4 (31)
- 18二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 13:31:20
「な、なんとか、耐えきりました……装甲強化してなかったら、死んでたかも……」
「死にはしないわよ。シールドは割れてたかもしれないけど」
「ううっ、わたし、……私ぃ……」
「とにかく、もう一度。外さないように、きっちり狙いを定めて」
「わ、わかりました!やります!!」
【3ターン目】
エネルギー獲得:dice7d6=6 5 3 2 1 6 2 (25)
- 19二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 13:34:10
「も、もうバスターライフルは信用しません……!」
「まああんだけ撃って一回もあたってないもんね」
「やっぱりエスカッシャンです、ガンビットです、ファンネルがすべてを解決するんです!いくよみんな!エネルギーは「6」「5」「5」を使用、目標値5のシールド貫通攻撃!く、食らって、ください!」
エアリアルの攻撃:dice10d6=4 2 4 5 5 6 1 2 2 1 (32)
dice3d6=3 6 6 (15)
- 20二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 13:38:20
「12点ダメージ。ソラバミのシールドがさらに一枚割れるわ。さらに衝撃波で高度が下がるわよ」
「まだまだ、畳みかけます!」
「ここからからじゃギリギリエスカッシャンは届かない」
「なら近づけばいいだけです!ノーマルムーヴで高度を上げて、ソラバミの直下にまで肉薄、エネルギー「6」「4」「3」を使用、アビリティで目標値は4!叩き込みますよ!」
エアリアルの攻撃:dice10d6=1 1 4 1 5 6 3 3 4 1 (29)
dice3d6=3 5 2 (10)
- 21二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 13:45:02
__エアリアルの放つガンビットの雨が、異形の都市に降り注ぐ。
無数の光芒に襲われたおぞましい都市は、身悶えするように震えて、羽を呻らせ衝撃波をあげた。エアリアルの機体が、落ちていく。すぐさま姿勢制御を行い、スレッタは安堵の域を突いた。
「14点ダメージね。ソラバミのシールドが割れた」
「ふ、ふう……これでほとんどエネルギー切れです」
「あんた、ここにいたらヤバい攻撃喰らうけど大丈夫?」
「だ、だだだ、大丈夫じゃないです~!ブースター全開、ぜんかい~!」
二人を乗せた機体は、最高高度まで駆け上がった。
ここまでくると、最早空というより、宇宙を背負っているような錯覚に陥る。
青い、あおい空。スレッタははっと目を見開いた。しかしそれもつかの間、すぐにレバーを握り直し、攻撃に備える。
ソラバミの攻撃:dice9d6=4 6 2 2 4 1 2 6 6 (33)
- 22二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 13:48:35
「し、凌ぎました……!」
「そう。ちなみにだけど」
「なんです?」
「次の、次ね。5ターン目」
「なにがです?」
「最初にちらっと言ってた『ほぼ撃墜されるヤバい攻撃』が来るわ」
「えッ!?」
「今回のターンと、次のターン。それで、なんとか倒しきりましょう」
「わ、わかりました!やります!!」
「__最悪の時は、……」
「……?」
「この、レバーを、引いて。思い切り」
「そうすると、何が起きるんですか?」
「さあね」
【4ターン目】
エネルギー獲得:dice7d6=1 2 3 5 5 4 6 (26)
- 23二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 13:57:13
「わああん、手持ちのエネルギーの出目がそこそこひどい……!?ででで、でも、やるしかないです、や、やってやりますよ!」
「スレッタ」
「な、……なんです……?」
「感情回路を使うわよ」
「なんですそれ!?なんですそれ!?!?」
「最初に言っていた、フィアンセからシュヴァリエへの感情よ。あんたが私にお願いしてくれれば、私はその思いを力に変えることができる」
「えっとつまり?」
「エネルギーが補充できるわ。ちなみにダメージを軽減することもできるわね」
「わかりやすい!じゃ、じゃあ、お願いします!」
「いくつ必要かしら。上限は3つだけど」
「え、えっとえっと、1つは例の必殺技のダメージを軽減させるように、保険で残しておくとして……じゃあ、2つ!2つ、ほしいです!」
「わかった。……スレッタ、あんたは『私の花婿さん』。『あんたとなら、どこへだって行ける』。だから、負けないで。どうか」
ミオリネが祈るように言うと、エアリアルのエンジンがうなりをあげる。スレッタは一瞬目を見開いたあと、大きく頷いた。
「勝ちます。……私は、ミオリネさんの花婿ですから」
エスカッシャンが展開される。
そうして__撃つ。撃つ。撃つ!
感情回路エネルギー獲得:dice2d6=1 6 (7)
エアリアルの攻撃(目標値5):dice10d6=5 2 6 6 4 5 5 5 5 5 (48)
dice3d6=3 6 6 (15)
- 24二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 14:00:27
「ダメージ9点!ギリギリシールド割れてない!」
「つ、つまり、あれのシールドの耐久値は10点ってことですね!?わかりました!じゃあもう一回……ミオリネさんの、思いの力がくれたんです。私は絶対負けない。負けられないんです!」
だから、みんな、力を貸して。
エアリアルは答えてくれる。
いつだって、そうだ。
__いつだって?
エアリアルの攻撃(目標値4):dice10d6=1 2 2 2 2 5 6 1 5 6 (32)
dice3d6=2 1 4 (7)
- 25二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 14:05:56
__ガンビットの放つ無数のレーザーが、ソラバミのシールドを、一度に二枚、破壊する。
あとすこし。あとすこしだ。見るからに敵はぼろぼろになっている。カプセルはひびわれ、中身がのぞいている。これなら、いける。いけるはずだ。
勝てる。
ミオリネと、一緒なら。
「あのう」
「なに」
「ソラバミのシールドの耐久値が10点なら、もしかしてバスターライフル一発あてることさえできれば、もう一枚シールド割れたりしません?」」
「そうなるわね」
「じゃ、じゃあ、今どうせ、エネルギーの出目がひどいことになってるし……せっかくもってきたのに使ってないからもったいないし……やります。畳みかけます。バスターライフル、撃ちます!」
エアリアルの攻撃(目標値2):dice2d6=2 4 (6)
- 26二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 14:10:35
レーザーが、当たる。
直撃したわけではない。だが、凄まじい威力を持つそのビームは、ソラバミの羽を融かし、じわりと赤熱させる。暴発。うなりをあげる。衝撃波で、また、エアリアルが墜ちていく。
「や、やった、……、」
「いえ、あれは、」
__まだ、だ。
最後の一枚。
さいごの、抵抗。
ソラバミがぼろぼろのからだを輝かせる。無数の砲台が、煌めく。そうして、強力無比な雷撃が。エアリアルに、スレッタに、ミオリネに、
降り注ぐ!
ソラバミの攻撃:dice10d6=2 5 3 3 3 5 6 2 2 5 (36)
dice8d6=4 5 2 1 5 3 3 5 (28)
- 27二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 14:15:51
バリ、と大きな音がして、エアリアルのシールドが、一枚、割れる。
破片が飛び散って、地上に降り注いでいく。
コクピット内も、凄まじい衝撃に襲われていた。ミオリネが、くたりと倒れている。スレッタは目を見開いて、ミオリネを揺り動かした。
「ミオリネさん、ミオリネさん!」
「……あ、」
ミオリネが目を開く。
よかった、無事だった。……無事じゃないけど。スレッタはとりあえずほっと息をついて、ミオリネを抱きしめる。ミオリネはほんの少しだけ頬を赤らめて、「……スレッタ」と諫めるように言った。
「……さっきまでシールドの維持につかってたエネルギーを、エスカッシャンに回す」
「わかりました」
「次は、今よりヤバい攻撃が来る。どうすればいいかは、言わなくてもわかるわよね」
「もちろんです」
レバーを握り直す。
__あれを、倒す。
今考えるのは、それだけでいい。
【5ターン目】
エネルギー獲得:dice8d6=5 1 6 2 2 5 4 3 (28)
- 28二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 14:20:34
スレッタはありったけの力を込めてブースターを噴き、ソラバミに肉薄する。敵は呻くように、睨むように、あるいは怯えるように、エアリアルを、スレッタを見つめる。スレッタは狙いを定める。決して、逃さないように。
__ミオリネさん、
ばちり。
__ミオリネさんはどうして、わたしといっしょにいてくれるんですか?
ばちり。
__それはね、私は、あんたのことが……
視界に何かが、見える。これはなに? わからない。わからないけれど、今はそれを考えるのはあとでいい。
エスカッシャンを起動する。
ありったけのエネルギーを込めて、レーザーを放つ!
エアリアルの攻撃(目標値5):dice10d6=3 5 1 4 1 6 1 3 5 2 (31)
dice3d6=6 3 4 (13)
- 29二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 14:25:37
ソラバミの最後のシールドが破壊される。
エアリアルはガンビットたちをバスターライフルに呼び寄せて、出力をあげる。真っ白に輝いた銃口を、向ける。ソラバミは最早逃げる力すら残されていないとばかりに、微弱な衝撃波をあげた。
「ミオリネさん、エアリアル」
それすらも、今のスレッタには届かない。
煌めいた銃口が、
はじける。
「私、やっと思い出したよ」
__戦闘終了。
デブリーフィングシチュエーション表:dice2d6=5 3 (8)
- 30二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 14:32:17
ソラバミを倒したエアリアルが、『アスティカシア』内部の格納庫に静かに着地する。
スレッタはゆっくりと降り立った。この中の風は相変わらず偽物で、空はまがいものだ。ぱちぱちと数度瞬きをして、それからゆっくりとミオリネの方に振り返った。
「ミオリネさん」
微笑む。
「私、トマトが食べたいです」
ミオリネは目を見開いた。くちびるが、少しだけ戦慄いている。おもいだして、くれたの? あの日。最初に出会った日に。ミオリネはスレッタに、トマトを渡してくれた。お礼に、ミオリネをソラバミから助けた。そもそもの始まりは、それだったのだ。それから、二人の物語は始まったのだった。
「はい、忘れていて、ごめんなさい」
「いいの、……いいの、スレッタ。私、……うれしい……」
ミオリネはスレッタに抱き着いた。あたたかいからだ。生きているからだ。このからだに、優しい鼓動がある限り。
__ふたりが生きている限り、ふたりの物語は続く。 - 31二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 14:38:03
「というわけで、シナリオ『記憶をなくしたシュヴァリエ』終了よ。お疲れ様」
「おつかれさまでした!」
「これは公式シナリオの改変だけど……なんとか終わってよかった。というかあんた出目悪すぎ」
「うっ、うう、すみません……」
「はあ。……まあ、付き合ってくれてありがとう」
「はい、とっても楽しかったです!誰かにおすすめしたいくらい!」
「……それなら、そうね。今度はあんたがフィアンセをやってみたら?」
「え?」
「二人いればできるんだから、暇そうな人誘ってやればいいじゃない」
「わ、私、ですか?ミオリネさんがシュヴァリエやるんです……?」
「私は先約がある。このあと別でセッションやるのよ」
「ほんとですか」
「ええ。まあ探せば一人くらい見つかるんじゃない?じゃ、またやりましょうね」
「はい!じゃあ、また!……ふふ、誰誘おうかな、探しに行かなきゃ……せっしょんあいて、せっしょんあいて、……エランさん!……は、休学中だし……」
「おい」
「はいっ!?」
「前を見て歩け、田舎者」
END……? - 32二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 21:11:03
「というわけでグエルさん、対戦よろしくお願いします!」
「どうしてこうなった?どうしてこうなった??」
「今回は私がフィアンセ、グエルさんがシュヴァリエ役をやりますよ!シナリオは『day in day out』、周回できるから便利ですね」
「ああ……光砕のリヴァルチャーか。突然何かと思えば」
「やったことあるんですか?」
「ジェターク寮は皆TRPGが好きだからな。この前も皆でクトゥルフをやった」
「へえ!どんな感じだったんです?」
「結論から言うとラウダが発狂してペトラが精神分析ファンブルしてフェルシーが面白がって加担した結果神話生物が蹴り殺された」
「?????」
「とにかく、今はこのセッションに集中しよう。キャラシートを書くんだろう?名前はグエル・ジェターク、シュヴァリエ適性はdice1d6=3 (3) で物語はdice1d6=4 (4) だ」
「はいっ!スレッタ・マーキュリー、フィアンセ適性dice1d6=4 (4) 、物語はdice1d6=3 (3) です!」
- 33二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 21:19:18
「適性は標準だが、『アスティカシア』を守るという強い決意のもと、ほかの住民と変わらない生活を送っている。普段から買い物の時に少しおまけしてもらったり、道を歩けば子どもにじゃれられたりしているんだろうな」
「あのう」
「なんだ」
「私、グエルさんと血縁関係にあるんです……?」
「みたいだな。ダイスの結果は絶対だ」
「な、なるほど……じゃあセッション中は私のことスレッタ姉さんって呼んでください!」
「は?俺の方が歳上だから俺が兄だろう」
「やです~!私弟妹がほしかったんです~!!」
dice1d3=2 (2)
1:「わかった。呼称は「スレッタ姉さん」にしよう」
2:「……構わないが、呼称は「スレッタ」でもいいか?」
3:「だめだ。お前には俺のことを兄と呼んでもらう」
- 34二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 21:34:44
「ああ、わかったわかった、お前が姉でいい!でも、呼称は『スレッタ』でいくからな!」
「……!ありがとうございます、グエルさん!ふふ、じゃあ、どう呼ばれたいかには『おねえちゃん』って書いて、感情回路も『おねえちゃんですから』と『家族はずっといっしょです』にしておきましょう」
「……お前がそれでいいなら、いいんだが……それで?機体はどうする」
「あっ、えっと、ミオリネさんがいってた、あるげんたびす?ってデータ、気になります!私は、アルバトロス、というのをリネームして使ったんですけど」
「アルゲンタヴィスか。一点突破したものがあるわけではないが、安定性が高く癖がなく、良くも悪くも平均的。『ジェターク社新型フレーム』にリネームしておこう」
「しんがた……ということは……!」
「ああ、俺が作るのは『ダリルバルデ』だ。ここに、加速距離が短くてもダメージを稼げるブレード『イーシュヴァラ(白雪のリネーム)』、ブレードをあてやすくするための『アンカー射出』をいれて……残りはお前が決めてくれて構わない」
「いいんですか?」
「ああ。……勘違いするなよ。そっちの方がシナリオを考えやすいと思っただけで特に他意はな」
「じゃあウェポンはdice1d5=5 (5) のdice1d3=3 (3) 、クロニクルはdice1d5=3 (3) のdice1d4=3 (3) でお願いします!」
「話を聞け!!」
- 35二次元好きの匿名さん23/02/01(水) 21:46:00
「……待て。ブレード二本持ち?」
「こっちは加速した距離分だけダメージが稼げるんですね」
「俺遠距離武器どころか射撃武器すらもらえないのか?」
「シールドを破壊したらエネルギーまでもらえるなんて」
「聞いているのかスレッタ・マーキュリー」
「あとは移動性能を補うためのロケットブースター。かんぺきなダリルバルデです……」
「ああ確かにダリルバルデは加速して接近戦に持ちこむイメージが強いな。でもショートライフルの一つくらい持たせてくれないのか!?」
「だめ、ですか……?」
「あ、……、……わ、わかった。やる。やってやるよ、『ビームジャベリン(蒼絢のリネーム)』で全員叩き斬ってやればいいんだろ!?」
「……!ありがとうございます!ふふ、おねがいします!」
「はあ、……じゃあさっさとデイズの描写に移るぞ。『アスティカシア』に新たな一日が訪れる。今日はどんな日になるか」
「はい!えっと、dice2d6=1 4 (5) っと……」