- 1◆ZnBI2EKkq.21/11/11(木) 11:04:54
テレビには廃墟とかした遊園地の心霊スポットに行くレポーターの姿があった。見たことがあるようなないようなその場所には独特な雰囲気が画面越しに伝わってくる。
トレーナー「この遊園地にはいるのかな?」
トレーナーさんが悪戯っぽく訪ねてくる
カフェ「...小さい子供たちが...沢山...楽しそうに...」
廃遊園地はたしかに絶好の遊び場だ、廃墟になったら幽霊たちの観光スポットとなるのかな。その時ふとカフェといった謎の遊園地が頭によぎった。
トレーナー「この前カフェといった遊園地は...どこなんだろうな...」
カフェ「さあ...見当もつきません...でもあれは人々がイメージする遊園地そのものでした...」
夜にきらめき、輝く美しい遊園地はまさにユートピアのようだった。
カフェ「...また...行きたいですね...今度は観覧車に...」
トレーナー「ああ...俺もまた行きたいな...」
味覚による同一の共鳴を得てたどり着いた幻想...。そしてその源流はカフェの記憶...
トレーナー「...どうすればいけるかな...」
カフェ「そうですね...また似たようなことが起きれば...」
トレーナー「そうだよな...」
二人はあの夜のことを思い出した、二人が見た景色も、感じた感触も、匂いから何まで一緒だった。
またいきたいな、どうしたらいけるんだろう。二人はいろいろと考え始めた。まずはあの時のことを思い出してみよう。
休日、アンティークカフェに訪れて、注文したコーヒーを飲み、香りを楽しみ、音楽に耳を傾け、思考すらも手放して、居心地の良い空間で極限までリラックスした、そしてふと目をつむると、音楽が流れてきて、そして遊園地にいた。カフェが最初に、次はトレーナーが。
カフェ「...情報をまとめるとリラックスできる静かな場所で、心に余裕を作って、思考が緩んだ時に自身の願望が夢となった...という感じでしょうか...」
トレーナー「あの時...カフェが最初に迷い込んだって言ってたよな...つまりあれはカフェの夢で...俺がそこに迷い込んだ...ということなのかな...?」
カフェ「現在一番の有力候補ですね...」
なるほど...そうと決まれば善は急げだ。 - 2◆ZnBI2EKkq.21/11/11(木) 11:05:24
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カフェ「あ...あの...これは...」
カフェはロッキングチェアに座り、アイマスクとコーヒーを持っていた。すごく静かな音楽が流れている。
カフェ「あ...あの...トレーナー...さん...い...いるんですよ...ね...」
若干怖がってるカフェの声を聴いて、リラックスできてないなあと分かった。目隠しを外すと目に涙をためたカフェがこちらを見ていた。
カフェ「...何か言ってください...不安でした...」
トレーナー「ご、ごめん...暗闇は安心できるかなって思ったんだけど...」
カフェ「...あそこまでリラックスできたのは...トレーナーさんがいたからですよ...」
...一人のほうがリラックスできると思うんだけどな...まあもう一度やるか。今度はカフェからアイマスクを外し、ゆったりとゆっくりとリラックスした。カフェがうとうととし始めると、自分も眠気に襲われた。これはいけるかもしれないと心の中で思った。が、次に意識が覚めたときは起きた時だった。
目をこすると、自分には毛布がかかっており、隣ではカフェがコーヒーを淹れている。
カフェ「失敗でした...」
トレーナー「...あきらめないさ...」
次の手を考えよう、必ずしも同じように成功するとは限らないしな。 - 3◆ZnBI2EKkq.21/11/11(木) 11:05:45
次は軽い催眠術をやってみることにした、思考が強ければ夢が見やすく、他者を引きずり込みやすいと誰かがどっかで行っていた。五円玉を取り出し、カフェの前でゆらゆらと揺らす。
トレーナー「...なんて催眠したらいいんだろう...」
カフェ「貴方は今遊園地にいる...などはどうでしょう。」
トレーナー「そうだね、そうするよ。」
あなたは遊園地にいる...
あなたは遊園地にいる...
あなたは遊園地にいる...
あなたは遊園地にいる...
あなたは遊園地にいる...
あたりには乗り物が見えます...
お化け屋敷...観覧車...メリーゴーランド...ジェットコースター...ゴーカート...ティーカップ...
遊園地の音楽を流しながらカフェの前で五円玉をゆらゆらと揺らす。ネットで見た見様見真似だが...効果はあるのだろうか...だが、カフェはだんだんと目をトロントさせ、ゆらゆらしながらどこか虚空を見始めた。
カフェ「...暗い...お化け屋敷...」
カフェ「ゆらゆら...ティーカップ...」
カフェ「キラキラ...観覧車」
カフェ「モフモフ...うさぎさん...」
カフェはトレーナーに抱き着いた。
カフェ「えへへ...うさぎさんと抱っこ...」
トレーナーは固まって動けなかった。効果あったの...か...?いや待てよ...うさぎさんはいなかったぞ...
トレーナー「...かかったふりしてる...?」
カフェ「...ばれちゃいました...」
てへっとカフェは笑った...写真撮りたい...
トレーナー「実際どうだった...?催眠。」
カフェ「何もありませんでした...でも考えが統一された感じが少しします...」
...失敗かなあ... - 4◆ZnBI2EKkq.21/11/11(木) 11:06:00
別の方法を試してみよう...何かいい案h「トレーナーさん」
カフェ「いいことを...思いつきました...」
トレーナー「なんだい?」
カフェ「添い寝です...」
カフェ曰く、ロッキングチェアで寝たときは、覚えてないだけで夢は見ていたかもしれない、夢が共有されなかったのは距離の問題もあるかもしれない、今は遊園地の具体的なも妄想や、感覚も鮮明に分かるので今度こそいけるかもしれない、とのことだ。
やってみる価値あるますぜ!!
早速カフェはソファーに寝転がった。
トレーナー「...ベッドで寝ないかい...?」
カフェ「...もう眠くて動けません...ほら...トレーナーさんも...」
いわれるがままにソファーで横になる...こんな近くでカフェの顔を見たのは初めてだ...
...そっぽを向いてゆっくりと息をはいた。カフェはトレーナーの背中に顔をうずめ、スースーと寝息をした。トレーナーも、背中の温かさを感じながら深い眠りについた。 - 5◆ZnBI2EKkq.21/11/11(木) 11:06:22
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結論から言うと夢は見なかった、なぜか顔を真っ赤にして鼻血を出したカフェを介護して、この日は別れた。
翌日、トレーニング終わりに二人でいつもの部屋でコーヒーを飲んでいると、急に大きな大きな眠気に襲われた、再び目を覚ますとそこは夢の遊園地だった。
カフェ「...フフフ...やっと成功しましたね...」
なんで成功したのかよくわからないが成功したのでよし。
トレーナー「...よし、今度は観覧車にのるぞ!」
カフェ「...はい...頂上からは、どんな景色が見えるのでしょう...」
トレーナーの手を握り、綺麗な夜を駆け巡る、観覧車は美しいネオンサインをきらめかせながら堂々と居座っていた。空いたドアをくぐり、ゆったり揺れる夜のゴンドラを二人で楽しんだ。頂上にゴンドラがついたとき、外から爆発音が響いた。
なんだ、何が起きた、...とにかくカフェを守らなければ...
カフェ「...トレーナーさん...大丈夫です。顔を上げてください...。」
外を見ると、色とりどりの花火が咲き誇っていた。どうやらあの爆発音は花火の打ち上げ音らしい。
空に咲く炎の花、美しさに気が抜けてほっとしたような気持になった。空の景色を楽しみ、ゴンドラを降りた。もう少し乗っていたかった。遊園地をカフェと手をつないで歩いた。
カフェ「さっきは、守ってくださってありがとうございました...咄嗟にかばってくださり...うれしかったです...」
その言葉をきいて心が軽くなって、報われた感じがした。
次の瞬間、二人は元の世界に戻った。
相変わらず夢の見方は分からない、でも夢はたまに見るからいいのかもしれない。またいつか、願いがかなうと信じて。 - 6二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 11:16:54
すっげーイチャイチャしてるう…トレーナー限界カフェは新しい…
- 7二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 11:34:35
このカフェめちゃくちゃトレーナー好きじゃん、しゅき
- 8二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 11:49:06
涙目カフェとか抱きつこうと企むカフェとか添い寝カフェとかもう何回尊死させれば気がすむの大好き
- 9二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 12:00:08
お腹いっぱいじゃよ…
- 10二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 12:17:18
あの手この手で遊園地に行こうとする二人は最高でした
- 11二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 12:52:07
あの手この手で心中するカップルのSS(コメディ)読んだばっかりだから妙にこの二人と被るな。
- 12◆ZnBI2EKkq.21/11/11(木) 13:00:53
- 13二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 13:19:51
- 14◆ZnBI2EKkq.21/11/11(木) 13:22:12
>>13…………へぇ……なんだそれ………
- 15二次元好きの匿名さん21/11/11(木) 23:47:49
いいな…あのイベントの裏ではこんなことがあったりして。