- 1二次元好きの匿名さん23/02/02(木) 00:19:30
ここでの生活には慣れましたか? そうですか。それならよかったです。──箱の中身、ですか? トレーナーさんもご存知の物ですよ。なんだと思いますか? 答えはこちら。そう。目覚まし時計です。一部のトレーナーさんに配布している備品となります。え? 全員に配布しないのか、ですか? そうですねぇ。こちら数に限りがございまして、トレーナーさんのような新人トレーナーを中心に配布しております。トレーナーさんも貰ったでしょう? ──あんなにたくさんいいのか、ですか。いいんです。担当になったばかりのトレーナーさんには特に必要なものかと。ああそうだ。言うのが遅くなりました。あの子、スカウトしたんですね。おめでとうございます。トレーナーさんの希望が叶ってよかったです。叶わない人も、多いですから──あら、どうされましたか。そんなに時計を見つめて。ああ、もしかしてあんなにたくさん配るなら全員に配ればいいのではないか、と? 私たちが新人トレーナーに時計を差し上げているのは、まだレースに慣れていないトレーナーさんのサポートをするためです。ベテランのトレーナーさんはもう身体が慣れていますから、どんな日程にも対応できるんです。でも新人さんはそうではないでしょう? だからこうしてサポートグッズを差し上げているのです。本当ですよ? ──そういう話ではない? 事務室に用事が? よく見ればなにか手に……わぁ。これは、また。ずいぶん見事に木端微塵になって……いえいえいえ! 違いますよトレーナーさん! なんのためにあんなに目覚まし時計を配っているとお思いですか! 耐久が低いのは仕様です。え? 悪夢を? それでうっかり壊したかもしれない? 大丈夫ですよ、寿命です。その目覚まし時計は役目を終えたのです。その残骸はこちらで引き受けてもよろしいでしょうか? ──いえ、加工をして形を変えて再利用させていただいているので。本当に、トレーナーさんが気に病む必要はありませんから。それよりトレーナーさん、そろそろ部屋に戻られてはいかがでしょう。明日はレースだそうですね? ふふ。最近の快進撃は聞き及んでいますよ。連勝、楽しみにしています。私、ですか? 私はこれを倉庫に運んだら就寝します。──いえいえ、明日は大事なレースの日でしょう。そんなトレーナーさんに手伝ってもらうわけにはいきません。それではトレーナーさん、良い夢を。
- 2二次元好きの匿名さん23/02/02(木) 00:23:44
(上限1000字なのすっかり忘れてた…1000字以内でまとめるの難しいね…)
- 3二次元好きの匿名さん23/02/02(木) 00:50:57
(勿体無い精神で改稿前も載せます)
- 4二次元好きの匿名さん23/02/02(木) 00:51:17
ここでの生活には慣れましたか? そうですか。それならよかったです。……そういえば、あの日もここで会いましたね。あら、覚えていませんか? ──ええ、そうです。石を、拾ってくださったでしょう? あの時はありがとうございました。お陰で想定よりも早く運搬が終わりましたから。──今日の箱の中身、ですか? トレーナーさんもご存知の物ですよ。なんだと思いますか? ──いいえ、石でも蹄鉄でもありません。答えは……こちら。そう。時計。目覚まし時計です。一部のトレーナーさんに配布している備品となります。え? 全員に配布しないのか、ですか? そうですねぇ。こちら数に限りがございまして、トレーナーさんのような新人トレーナーを中心に配布しております。トレーナーさんも貰ったでしょう? ──あんなにたくさんいいのか、ですか。いいんです、いいんです。トレーナーさんには必要なものでしょうから。担当になったばかりのトレーナーさんには特に必要なものでしょう。ああそうだ。言うのが遅くなりました。あの子、スカウトしたんですってね。おめでとうございます。トレーナーさんの希望が叶ってよかったです。叶わない人も、多いですから────あら、どうされましたか。そんなに時計を見つめて、なにかございましたか? ああ、もしかしてあんなにたくさん配るなら一部といわずに全員に配ればいいのではないか、と言いたいのですね? 心配には及びませんよ。私たちが新人トレーナーに時計を差し上げているのは、まだレースに慣れていないトレーナーさんのサポートをするためですから。ベテランのトレーナーさんはもう身体が慣れていますから、どんな日程にも対応できるんです。でも新人さんはそうではないでしょう? だから、こうしてサポートグッズを差し上げているのです。本当ですよ?
- 5二次元好きの匿名さん23/02/02(木) 00:51:37
──そういう話ではない? 事務室に用事が? こんな遅い時間に? あら、よく見ればなにか手に…………わぁ。これは、また。ずいぶん見事に木端微塵になって……いえいえいえ! いいんです! 違いますよトレーナーさん! 注意はされませんから! なんのためにあんなに目覚まし時計を配っているとお思いですか? ええ、ええ。少々耐久力に問題があるだけです。それだけですよ。謂わば仕様です。え? 悪夢を? それで発作的に壊したかもしれない? 大丈夫ですよ、寿命です。その目覚まし時計は役目を終えただけです。大丈夫ですってば。それでは、その残骸はこちらで引き受けてもよろしいでしょうか? ──いえ、手間では。加工してなんらかの形で再利用させていただいているだけですよ。ですから本当に、トレーナーさんが気に病む必要はありませんから。それよりトレーナーさん、そろそろ部屋に戻られてはいかがでしょう。明日はレースだそうですね? ふふ。最近の快進撃は聞き及んでいますよ。連勝、楽しみにしています。私、ですか? 私はこれを倉庫に運んだら就寝します。──いえいえ、明日は大事なレースの日でしょう。そんなトレーナーさんに手伝ってもらうわけにはいきません。それではトレーナーさん、良い夢を。