- 1二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 09:10:08
Fate/PHANTOM OF INFERNO
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『Fate/PHANTOM OF INFERNO』(ふぇいとふぁんとむおぶいんふぇるの)は、日本のギャルゲーブランド・TYPE−MOONが2006年12月28日に発売した18禁恋愛アドベンチャーゲーム。及び、それを原作としたアニメ、小説等のメディアミックス作品の総称。通称『PHANTOM』。
本項では特に断りが無い限り、2006年発売のゲーム版について扱うものとする。
概要
「TYPE−MOON10周年記念企画第一弾」と銘打たれた本作は、『Fate/stay night』に続く同社の2作目となるTYPE−MOONブランドの作品であり、シリーズ第二作として数えることができる作品である。
TYPE−MOON20周年企画として制作が発表されたもので、発表された当初は2006年冬発売予定とされていたが、度重なる延期の末に発売時期は未定のまま2007年の6月に延期された。その後、同年9月末に開発中止が発表され、さらに2008年4月には発売元である株式会社角川グループホールディングスから事業撤退が発表されるに至った。このため、本作の続報は事実上途絶えることに。しかし、2009年に角川書店によるTYPE−MOON作品の版権管理部門が設立されると、その最初の事業として本作が復刊されることが決定した。そして2010年には書籍化も決定され、2010年7月29日に『月刊コミックコンプティーク』にて漫画版の連載が開始された。また、2014年からはテレビアニメが放送された。 - 2二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 09:10:55
ストーリーは、TYPE−MOONを代表する作家のひとり奈須きのこ氏と、Nitro+の代表取締役社長虚淵玄氏が共同で書き下ろしたものを原作としている。その他、公式設定資料集には、武内崇直筆の設定画が多数掲載されているほか、公式サイトにおけるスタッフインタビューにおいても、本作に関するコメントを寄せるなど、積極的な協力が行われている。
なお、本作のタイトルである「PHANTOM」とは、「幻影」「幽霊」といった意味を持つ英単語であり、本来なら「ファントム」と表記するべきところであるが、敢えて「オブ」という冠詞を付けた表記を採用している。これは、同作品が『Fate/stay night』の続編にあたることを強調する働きに加えて、同作に登場する概念を「亡霊」と表現する事で、続編でありながら新たな物語を提示するという意図が込められているためである。
ゲーム版のストーリー
舞台は西暦2034年―――場所は日本の首都・東京。榊野原高校二年生の雨生神司は突如として現れた異形の怪物に父親を惨殺され、彼もまた命を狙われる事となる。しかし、そこに現れた黒衣の女性に助けられ、そこで衝撃の事実を伝えられる事となる。
フェイカーと名乗る彼女曰く、彼はかつてこの世界を支配していた大魔術師の末裔であり、雨生の性を継ぐ神司にはこの町で起こる恐ろしい魔術儀式を調停する義務があるという。当初は半信半疑であった神司であったが、フェイカーに連れられてやって来た教会で、聖杯戦争における監督役である言峰綺礼との問答を経て、彼は己の父親を殺した怪物がバーサーカーのサーヴァントである事を知り、復讐を誓う。
そうして彼は、現代の日本で密かに執り行われていた聖杯を巡る戦いに巻き込まれてゆく。 - 3二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 09:11:08
時空がねじ曲がりすぎだろ
- 4二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 09:11:57
登場人物
雨生神司(うりゅうしんじ)
今作の主人公。17歳。本来なら雨生家の長男のはずが、ある理由のため戸籍上は次男となっている。
趣味は人間の解体。とくに子供を好んでいて、幼い子供を誘拐して殺害することを生き甲斐にしている猟奇殺人者。
キャスター
雨生神司のサーヴァント。外見年齢は二十代後半だが、実年齢は不明。
神霊レベルの魔貌の持ち主で、女性であればどんな相手でも自分の虜にする能力を持ち、フェイカーもその魅力に抗えず、彼女と性行為に及んでしまう。
神司に対してはその残虐性や性癖についても好意的だが、彼女自身レズビアンであるため、神司とは一線を引いた主従関係を結んでいる。その真名は、神代の時代において数多の英雄達を誘惑し、堕落させた美の女神アフロディーテ。
セイバー
言峰綺札のサーヴァント。外見は十代の少年で、いかにも侍然とした風流な格好をしている。
真名は佐々木小次郎。作中では両者とも魔力不足だったとはいえ、ライダーとして顕界したペイルライダーと、ランサーのレオニダス1世の両騎を相手取って勝利するという規格外の戦闘能力を見せつけた。
アサシン
衛宮士郎のサーヴァント。本編における最大の謎とされる謎の暗殺者で、その素顔を見た者は例外なく殺されるという恐怖の象徴。
フェイカーによって殺されたと思われていたが実は生きていたらしく、その後も影のように士郎の後を付き従っている。
真名はニャルラトホテプ。 - 5二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 09:12:22
フェイカー
本作のメインヒロイン。神司の前に現れた謎の美女で、褐色肌をしたエキゾチックな雰囲気の女性。正体は不明だが、少なくとも通常の人間ではないことは確かである。神司と何らかの関わりがあるらしいが……?
物語の終盤、その正体が第四次聖杯戦争で受肉した英雄王ギルガメッシュの遺子であり、神司の実の母でもある事は判明する。
その目的は第四次聖杯戦争で父を殺害した衛宮士郎への復讐で、そのために彼女は第六次聖杯戦争で最も魔力総量が高く、残忍な性格を持つマスターの力を借りようと考え、雨生神司を出産。
従って、神司が第五次聖杯戦争を停める義務があるというのは嘘であり、初めから聖杯戦争とは名ばかりの、衛宮士郎を確実に殺害するための茶番であった。
性格は無感情で、復讐のためなら手段を選ばない冷酷さを秘めているのと反面、神司については手を尽くして彼を保護したり、聖杯戦争を終えた後は父親を蘇生する計画を立てていたりと、特別寵愛しているのは確かなようである。
ちなみに、名前の「フェイカー」とは贋作という意味が込められており、これは彼女が英雄王ギルガメッシュの遺伝子情報から複製したクローン人間である事に起因する。
言峰綺礼
榊野原高校の英語教師。その辛辣でありながらも誠実な気性は一部の生徒から評判になっており、特に進学を希望する生徒からは信頼されているという。しかし、裏の顔は第五次聖杯戦争の監督役であり、聖堂教会から派遣された代行者。彼は第四次聖杯戦争の時点で既に死亡しており、既にこの世界には存在しないはずだったのだが……?
神司の父・雨生龍之介の旧友でもあり、彼の死の真相を知っている節がある。
作中では監督役でありながら神司に余分な令呪を与えたり、敵のマスターの素性を教えたりと色々融通を利かせてくれる。
Phantomルートにおいては彼はフェイカーがギルガメッシュを蘇生しようとした際に付随した副産物である事が明らかになり、キャスターの指示の助力を経て、聖杯戦争本来の監督役と成り代わっていた事が判明する。 - 6二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 09:12:41
衛宮士郎
アサシンのマスター。何故か東京で発生した聖杯戦争を停めるため単身東京へと向かう。本編開始時点で既にその実力はサーヴァントの領域に足を踏み入れており、本編中における最強のマスターといっても過言ではない。実はStay/Night世界線の衛宮士郎ではない、守護者として契約を結んだ衛宮士郎である。
アーチャー
霊基盤によれば既に顕界しているはずだが、今まで一度たりとも目撃された事がない。これはフェイカーが茶番とはいえ、父以外の人物をアーチャーに添える事を嫌ったためである。
バーサーカー
神司の父親を殺害した化物。巌のような身体をおぞましくねじれる皮膚でびっしりと覆い、逆立った髪の毛を持ち、瞳は一つを頬に持ち、一つを眼窩に深くめり込ませているという畸形である。真名はクーフーリン。
間桐臓硯
ギルガメッシュの血液からフェイカーを複製した張本人であり、ライダーとランサーを同時使役するという離れ業を見せるが、プロローグにてキャスターの宝具により魔力を奪われ、撤退した折をフェイカーの指示を受けたセイバーに待ち伏せを食らい、綺札の洗礼詠唱を受け消滅した。
間桐桜
Phantomルート後半に登場。実は本編開始時点で間桐臓硯の傀儡へと成り果ててしまっている。己のアイデンティティについて悩みながらも、遂には復讐の空虚さを悟り、フェイカーを抱きしめながら安らかな眠りにつくというものとなっている。Fateルートのストーリー
Fateルート(フェイカールート)では、本編における全ての黒幕が明らかになっていくという内容である。
まず、初めに榊野原高校での賑やかでありつつも平和な日常が丹念に描かれ、次に主人公の雨生神司が深夜華々しい繁華街で路地裏や隠しアジトなどを用いて人を惨殺してゆくピカレスクノワールものとしての側面が色濃くなっていく。そうした段階を経て主人公は愛する父親の離別と非日常的な世界へと移り変わっていき、それをきっかけに父を殺害した敵を魔術をもって推理する壮大なサスペンスが開始する。そうして、主人公の雨生神司はバーサーカーのマスターの正体と、己の出生に関する謎、ひいては己の猟奇趣味がフェイカーの暗示によって植え付けられたものだと聞き、最後はキャスターと衛宮士郎、そしてフェイカーの仰天する顔が見たいという言峰綺礼と共にフェイカーへと立ち向かい、 - 7二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 09:14:03
己のアイデンティティについて悩みながらも、遂には復讐の空虚さを悟り、フェイカーを抱きしめながら安らかな眠りにつくというものとなっている。
Phantomルートのストーリー
Phantomルートはテーマ性として「亡霊」に絞ったものとなっている。例えば猟奇趣味のはずなのに奪った生命の重みに悪夢を見た主人公は、これから巻き起こる聖杯戦争に恐れをなし、雨生神司は教会で言峰綺札に保護される事を決め、滞留する。しかし、そこで綺札は神司の本当の母がフェイカーであるという事、彼女が間桐臓硯の手で創られたクローンであったという事。そして最後にこの聖杯戦争がフェイカーが仕組んだものである事などを暴露し、神司はこれを聞いて嘘だと糾弾するが、 - 8二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 09:14:51
綺礼はICレコーダーによる証言を裏付ける証拠を示してみせる。そして綺札は神司の力になりたいと申し入れた。神司はそれを知って衝撃を受けるが、同時に彼がこれまで抱いてきた違和感の意味を理解するに至る。だが、それでも神司は自分の正体が知りたいと思い、自分の正体を知るために綺札の申し出を受理した。それから数日後、神司はキャスターの隠れ家でフェイカーと対峙する。彼女はそこで己の最終目的が魔法すらも超えた奇跡でギルガメッシュを完全に蘇生させる事であると言い、衛宮士郎への復讐はそのついででしかないと明かす。フェイカーは第五次聖杯戦争で発現した第三魔法の生き証人である衛宮士郎を解剖する事で、完全な死者蘇生へと近づけるだろうと考えていたのだ。それと同時にフェイカーは間桐臓硯に受けていた辱めについて語り、神司は生き地獄の中で尚フェイカーの精神を支え続けた父性が、彼女にとってどれだけの慰めだったのを知り、神司は彼女の願いを否定できなくなってしまう。
- 9二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 09:15:53
何が正しいのかの答えを見失った神司は、かつてバーサーカーの襲撃を受け、ボロボロに倒壊した自宅に向かうと、そこには言峰綺礼が待ち構えたように立っていた。そこで綺札は神司にセルフギアスクロールでこれから話す事がフェイカーから実際に聞き及んだ話であり、完膚なきまでの真実である旨を証明すると、この聖杯戦争の真実について話し出した。優しく善良そうに見えた父が実は魔術を用いて薬物を製造、手あたり次第に売りつけては大金を得ていた売人であった事、その金を間桐臓硯へと流す代価としてフェイカーの身体を嬲り、慰め者としていた事、実は神司に猟奇趣味やマスター適正を植え付けたのは神司の父親であったという事。またこの度の聖杯戦争についても、元々は間桐家と雨生家によって確実に聖杯を得るための計画を、横からフェイカーが掠め取ったに過ぎなかったという事……聞き終えて愕然とする神司に、綺礼は優しくこう助言した。それは次のようなものだった。「君は今の話を忘れ、そして決して成就しないだろう死者蘇生の奇跡に助力するフリをすればいい。そうすれば母君は君を愛し、彼女は君と共に生きてくれるよ」その助言を聞き入れた神司はキャスターの隠れ家へと向かい、再びフェイカーと対面した。しかし神司は助言を鵜呑みにした訳ではなかった。彼は綺礼から聞いた内容を全てフェイカーに確認をとると、彼もまた己が奪ってしまった命を償うため、死者蘇生の研究に協力すると申し入れる。雨生神司とフェイカーは今度こそ固く手を結び合うと、前を向いて進んでゆく。
- 10二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 09:17:17
聖杯
本作における聖杯は原理上、冬木で開かれる聖杯戦争において現れるものとは根本から異なる。願望器としての機能こそ冬木の大聖杯を模しているが、第三魔法の行使は能わず、根源への到達など夢のまた夢である。また、願望器としてさえも欠陥品で、間桐臓硯個人の寿命を延命する以上の願望には対応していない。正しく間桐臓硯の妄執の象徴ともいえる聖杯と言えよう。それでもサーヴァントの降霊機能は一流で、此度の聖杯戦争を招く事態となった。評価
ユーザーからの評価は、シナリオ・世界観共に完成度が高く、高評価を得ている。特にキャラクター達の魅力は群を抜いており、フェイカーと神司の恋模様を描いたFateルートは、切ないながらも胸に迫るものがあると評判である。反面ストーリー構成については粗が目立つという意見もある。例えば、Phantomルートでは神司とフェイカーの愛憎関係に終始しており、この世界において衛宮士郎がどのような旅路を送ったかや、結局言峰綺札と士郎、間桐桜との因縁はどう決着したかは神司とフェイカーとの結末から示唆的に演出したに過ぎず、彼らの心情描写が殆ど無いとされる。そのため、前作『Fate/StayNight』のような王道的な展開を期待したファンからは厳しい評価を受けがちである。
その一方で、この二人にスポットを当てたPhantomルートは、神司の心理描写が多分に含まれており、彼の葛藤と苦悩、そしてフェイカーとの美しくも儚いギリシャ悲劇的ペーソスが克明に描かれている。こうした事情もあって、Phantomルートは賛否両論ながら、多くのファンを獲得した作品でもある。 - 11二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 09:17:31
余談
このシリーズは元々、TYPE-MOONの公式サイトにて連載されたものであり、作者はその後、同社の『月姫』『Fate/staynight』などの原案に携わった武内崇氏である。
当初は神司が綺礼の思惑通りに動くだけの予定で、綺礼は父を亡くした神司の代わりとして機能するはずだったのだが、読者からの反響が大きかった事から綺礼にも焦点が当てられる事となった。
ちなみに綺礼のモデルとなったのは、作者の知人であるという。
このシリーズは後に、スピンアウト作品として『フェイカー -贋作少女-』と題される外伝小説が執筆されている。
これはTYPE−MOONを代表する作家のひとり奈須きのこ氏が監修を務めたもので、フェイカーを巡る物語である。
「Fate/Prototype」と呼ばれるスピンオフ企画のスピンオフ作品であり、こちらは本編とは直接関係ない。
なお、Fate/PrototypeはTYPE−MOON作品のメディアミックス戦略の一環として発表されたものだが、このフェイカーは当初から単独企画として存在しており、TYPE−MOONブランドの発足前から存在していたものである。
Fate/Grand OrderにおけるFate/PHANTOM OF INFERNO
Fate/Grand Orderにおいては、第三章
「死せる運命」で、ギルガメッシュ・オルタ(フェイカー)が実装された。また、第二部第六節においてフェイカーが当時を懐かしむ様子が描かれており、高位の千里眼の存在が示唆されている。さらに、第四部第十六節において、フェイカーと思しき人物が召喚されていた事が言及されている。
関連書籍
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ISBN-13 :978-4047615642
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ISBN-13 :9784061388099 新装版 ロード・エルメロイII世の事件簿 1
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そういえばこんな作品あるような気がしてきた
- 13二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 09:19:57
タイトル語呂がいいのがなんか悔しい
- 14二次元好きの匿名さん23/02/04(土) 09:23:36
雨生の趣味が本編と大差ないの草