「ふー…」「…ハヤヒデさん？」

1二次元好きの匿名さん21/11/12(金) 20:33:20

「…どうやらお疲れのようですね、ハヤヒデさん」
「ああ…トレーナー君。いや何、大したことではないさ。少しオペラオー君に振り回されただけで」
「ここ最近は特に色んな方に付き合っていたそうで。疲労が体から滲み出ていますよ」
「うむっ…そうか…まあ、自覚はしているさ。昔からなんというか、気にかけるべきを放っておくのが出来ない気質でね…はは、世話焼きも考えものかな…」
「気にやむ事はありませんよ。貴方のその気質は紛れもない長所。そんなハヤヒデさんに救われてる娘は、この学園にも少なくありません」
「そ、そうか…事実なら有難い話だな…」
「…とはいえ、担当が疲弊していくのを黙って見ているのは、トレーナーとしては許されない事なんです」
「それは…すまな「という事で」

「どうぞこちらへ」(ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ)
「…えっ？」
「遠慮はいりませんよ」
「…あの、君は今何をやっているのかがさっぱり理解できないんだが…」
「いわゆる膝枕です。ハヤヒデさんの頭を私の膝に預けてそのまま眠っていただければ、と」
「…はっ！？な、な、何を言ってるんだ君は！？いやっ、気持ちはありがたいんだが、その、どうしてそうなる！？」
「さっきも言った通り、ハヤヒデさんには疲れが溜まってます。ですので今すべきは速やかに睡眠をとり回復すること」
「それは分かっている！が…な、なぜトレーナー君がわざわざ…」
「…私にも妹がいる事はご存知でしたよね」
「ん？ああ…」
「幼い頃の話ですが…妹はよくこうして、私の膝を枕によく眠ってきたんです。“これが一番休める”なんて言って」
「そして私も、妹が心を許し、穏やかに眠るのを見る時間が何より好きでした」
「………」
「私は、普段より皆の頼れる姿で在るハヤヒデさんが、気兼ねなく頼れる存在でありたいと思ってます」
「…まあ、つまり、ハヤヒデさんにもこれが最適かと思ったのもそうですが、甘えてほしかったっというエゴです。ですが流石に気持ちが悪い話でしたかね…すみませ」
「トレーナー君は迷惑に思わないんだな？」
「え？はい。もちろん」
「…じゃあ、その…借りるとしよう。…君の膝を」

2二次元好きの匿名さん21/11/12(金) 20:33:57

ﾎﾞﾌｯ

「…どうでしょう」
「…悪くはない、な…温かい…なんだか、安心してくるよ」
「良かった…」
「…トレーナー君の方こそ、いつも他のトレーナーや生徒から相談を受けたりしているだろう」
「ハヤヒデさんと比べれば大したものじゃありませんよ。私自身も頼られると嬉しいんです」
「そうか…しかし、いざ横になると…急に眠気が…」
「ええ、そのままお休みになってください。仕事も終えましたから、私の心配はなさらず」
「…そう、だな…ん…」

「(…無事眠ったようだ。良かった。本当に…)」
「(…ハヤヒデさん、本当に貴方は凄いウマ娘だ…)」
「(貴方が当たり前のように気を配ってくれるのには、チケットさんやタイシンさん。オペラオーさんにもちろんブライアンさんも。私を含め、色々な人が感謝してるんです)」
「(世話焼きで、ノリが良くて、優しくて、魅力的で…そんなハヤヒデさんが、みんな大好きなんです。ですから、今はただ…)」

「ゆっくり休んでくださいね…ハヤヒデさん」