[SS]トゥインクルシリーズで結果を残せなかったウマ娘〜ナイスネイチャ編〜

  • 1二次元好きの匿名さん21/11/12(金) 23:21:04

    これはもしトゥインクルシリーズで目標レースを達成出来なかったらのルートの話です。

    トゥインクルシリーズのシーズン途中、G1レース〇〇で思うような結果を残せなかったナイスネイチャは放課後のトレーニングに身が入らなくなっていた。

    自分への不甲斐なさ、裏切ってしまったファンへの期待、何よりも自分の為に色々手を尽くしてくれたトレーナーさんに対しての罪悪感で気がつくとトレーナー室の扉の前に立っていた。扉の隙間から中を窺うと正面のデスクでパソコンとにらめっこをしているトレーナーさんの姿があった。

    多分、アタシとのトレーニングのことだろう。

    それが嬉しくもあり、そして苦しかった。

  • 2二次元好きの匿名さん21/11/12(金) 23:22:19

    >>1


    「アタシなんかよりもさ… 良いウマ娘はいっぱいいるよ?」


    耐えきれず扉を開け、驚いた表情でトレーナーさんはこちらを見てきた。


    「もう良いよ… アタシの為に頑張らなくて…」


    そう言うと、トレーナーさんは何かを悟ったような顔つきだった。


    「あはは… ごめんねー アタシぜんぜん勝てなくてさ。テイオーのようにキラキラ輝けなくて…」


    頬を掻きながら、自嘲気味に呟く。


    それは契約の破棄、いわばコンビ解消のお願いだった。


    トレーナーさんは全力でアタシを引き止めようとした。



    そんな事ない。君は輝けると言ってくれたのは嬉しかった。


    カレンダーを指を差しながらアタシのレースを考えるトレーナーさんに胸が苦しくなる。


    目の前にある資料の束の山を見て、トレーナーさんが何よりもアタシを一番に考えてくれてたのが申し訳なかった。


    結果を出せないのはアタシが悪いのに俺のせいだと責めるトレーナーさんに心を痛める。


    もう一度、二人でやり直そうと言うトレーナーさんの言葉に泣きそうになる。

  • 3二次元好きの匿名さん21/11/12(金) 23:23:05

    >>2

    しかしアタシの決意を変わらなかった。


    矢継ぎ早に話すトレーナーさんに無言で微笑み返すと、まるで辛そうて苦しそうでひと言「済まない…」と言うと顔を下に向けた。


    表情はもう何も見えなかった。


    「今までありがと。トレーナーさん」


    扉を閉める直前、最後に感謝を述べた。


    ズルいと思われても仕方がない。こんな自分に嫌気がさす。


    その場にしゃがみ込もうとするのを我慢し、トレーナー室を後にした。


    トレーナーさんとの出会い、メイクデューでの初めての勝利、G1レース、そして別れ。


    涙で前は見えなかった。

  • 4二次元好きの匿名さん21/11/12(金) 23:23:42

    >>3

    夢を見ていた気がする。


    アラーム音で目が覚めると、枕が何故か濡れていた。


    「何で今更……」


    長いこと忘れていたはずなのに…


    あれから数年が経ち、色々なことがあった。アタシは女性の別のトレーナーと出会い、レースでそこそこ勝っている。


    まっ そこそこっていうのがアタシらしいけど、、


    「アタシももう若くないのかね…」


    友達のターボから「ネイチャって時々おばちゃんくさいよね」って言われるけどそれはしょうがない。


    だってそこを含めてアタシなのだから。


    さて、今日は年に一度の商店街のお祭りの日。


    アタシのレースになると、いつも応援に駆けつけて来てくれるおっちゃんやおばちゃん達。


    最近、トレーニングで忙しくて会えなかったから久しぶりに逢いに行こうかな。

  • 5二次元好きの匿名さん21/11/12(金) 23:24:10

    >>4

    商店街へ向かうとアタシはすぐに周りに囲まれた。


    全く… お祭りで忙しいってのに ここだけはいつも変わらない。


    アタシはそんな商店街の人達が大好きだった。


    次のレースはどうするんだい? 魚屋のおっちゃんが尋ねると、


    「うーん あはは… 」


    おっちゃんの言葉に何故か言葉を濁してしまった。


    何でだろう。次のレースの日取りは決まってるのに


    あんな夢を見たからだろうか?


    もう過去のことなのに


    八百屋のおばちゃんが雰囲気を察して


    私達はいつでもネイちゃんの味方だからね。いつでも応援するからと手を握りしめた、


    この人達はホント変わらない。優しい人達だ。

  • 6二次元好きの匿名さん21/11/12(金) 23:24:36

    >>5

    商店街の人達から解放されると、この通りを目的もなくただ歩いていた。


    今日はお祭りの日だからお客さんがとにかく多い。


    「人混みがすごいから何処か座れるトコでも探そうかねぇ… なんて」


    とアタシがそう呟くと、人混みの中から懐かしい後ろ姿が見えた。


    「トレーナー……さん…?」


    アタシが見間違えるはずがない。


    目を凝らしてみると、やっぱりトレーナーさんだった。


    向こうはちらに気付いていない。


    「ト、トレー……」


    一歩踏み出したところで止まる。

  • 7二次元好きの匿名さん21/11/12(金) 23:25:08

    >>6

    何を今更… 会ってどうなる?


    契約解消を決めたあの日からもトレーナーさんがアタシを探しまわっていると友達のウマ娘から聞いた。けれどアタシは会わないように逃げ続けた。


    なんてアタシはズルいんだろう。


    なんてアタシはヒドイんだろう。


    なんて…… アタシはメンドくさいんだろう…


    罵倒されても…


    軽蔑されても…


    もう一度逢いたいって思ってる。


    トレーナーさんのあの優しい声、あの大きな背中、


    逢ってもう一度ちゃんと話したい。


    アタシはそう決意すると一歩一歩踏み出した。

  • 8二次元好きの匿名さん21/11/12(金) 23:25:31

    >>7

    トレーナーさんの背中は人混みの中に隠れてすぐ見えなくなる。


    「ちょいとすみませーん。通してくださーい」


    後ろ姿を見失わないように追いかけた。


    トレーナーさんの背中に一歩一歩近づく。


    トレーナーさんは商店街の角を左に曲がった。


    人混みはここでもう途切れていた。


    「トレーナーさ………」


    意を決して話しかけようとすると曲がり角の所で立ち止まった。


    向こうはこちらに気付いてない。


    そこにいたのは別のウマ娘と楽しそうに話すトレーナーさんの姿だった。

  • 9二次元好きの匿名さん21/11/12(金) 23:26:41

    >>8

    アタシなんかと違い、とてもキラキラしてるウマ娘だった。


    雰囲気を見ればすぐに分かる。


    あの娘のトレーナーはあのトレーナーさんなんだって……


    あはは… 何やってんだろ…… アタシ……


    トレーナーさん元気そうで良かったじゃん…


    楽しそうで良かったじゃん……


    幸せそうで良かったじゃん……


    あの娘だってとってもキラキラ輝いてる…


    はぁ…


    「さて…… 帰りますか……」


    トレーナーさんはまた前を向いてあの娘と一緒に歩きだす。


    その後ろ姿が段々と遠くなる。

  • 10二次元好きの匿名さん21/11/12(金) 23:27:40

    >>9

    「さようなら、トレーナーさん」


    これがホントの最後だ。


    「アタシは結局、トレーナーさんの一着にはなれなかったね… 」


    アタシは来た道を再び歩きだした。


    後ろを振り返ることは無かった。


    終わり。


    ちなみに別のウマ娘はプレイヤーが育成で次に選んだウマ娘という設定です。

  • 11二次元好きの匿名さん21/11/12(金) 23:28:27

    ひぃんネイチャ…

  • 12二次元好きの匿名さん21/11/12(金) 23:29:05

    俺も曇らせるの止めろ

  • 13二次元好きの匿名さん21/11/12(金) 23:29:39

    ま゛っ゛て゛つ゛ら゛い゛

    出来が良いから余計辛い
    どん底じゃないのがさらに辛い

  • 14二次元好きの匿名さん21/11/12(金) 23:30:10

    自分から逃げたなら一位どころか3着にもなれないんだよなあ…

  • 15二次元好きの匿名さん21/11/13(土) 07:13:29

    悲しい…

  • 16二次元好きの匿名さん21/11/13(土) 18:07:14

    つらい……つらい

    ネイチャに幸あらんことを祈るばかりだ

  • 17二次元好きの匿名さん21/11/14(日) 00:53:39

    ネイチャに幸せになってほしい

  • 18二次元好きの匿名さん21/11/14(日) 00:56:21

    夜食には重てえよ……

  • 19二次元好きの匿名さん21/11/14(日) 01:01:55

    んで次のレースでネイチャとそのウマ娘が戦うんでしょ

  • 20二次元好きの匿名さん21/11/14(日) 01:18:42

    >>19

    そこそこのネイチャではキラキラ輝くウマ娘のレースに手が届かない

    手が届かないから輝きを隠すことも出来ずにネイチャはただ輝きに目をやられながら眺める事しか出来ないんだ

    何なら目を瞑ればいいのに、それでも目を逸らせないんだ

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