- 1二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 20:44:29
俺は外の用事から戻り、自身のトレーナー室に行くのに、包装された箱や紙袋を持った学生などとすれ違いながら歩いて行く。今日は、2月14日、バレンタインデー、好きな人やお世話になっている人などにチョコを送る日。
トレセン学園でも、例に漏れず、多くのウマ娘が友達や先輩、お世話になっている方などにチョコを贈り合うのは見慣れた光景である。中には本命チョコを渡すために放課後呼び出しをする子もいるとかいないとか……
そんな事を考えつつ歩いていると、自分のトレーナー室に辿り着いた。部屋に入る前にノックをすると、部屋の中から
「トレーナーさん、入っても大丈夫です」
といつも聞き慣れた可愛らしい声の返事がきた。一応、帰るときにLANEで連絡していたのだが、どうやらちゃんと見てくれていたようだ。
「戻ったよ」
そう言ってドアを開ける。そこには俺の担当ウマ娘であるサトノダイヤモンドが綺麗にラッピングされた、彼女の勝負服と同じ緑色の包みを両手に持って
「お帰りなさい。トレーナーさん。ハッピーバレンタイン!いつもお世話になってます。受け取って下さい」
満面の笑みを浮かべて待っていた。その笑顔はとても愛らしく、多くの方から可愛がられる理由がよく分かる。 - 2二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 20:46:38
「ありがとう、ダイヤ、あとで頂くよ。今年はクレーンゲームはやらないのかい」
「はい、クレーンゲームはやりません。トレーナーさん、一緒にお茶をしませんか?お仕事から帰ったので、ここで一息休憩しましょう」
「ああ、分かった。休憩しようか」
「ありがとうございます。トレーナーさん、ではでは、こちらに座って下さい」
そう言うと彼女は前もって、準備していたのか、紙コップと紙皿が並んだ机に座るな様に促す。
どうやら、今年のバレンタインのサプライズは、お茶会だったようだ。俺は彼女に勧められるがままに席に着くと、ダイヤは彼女の水筒から紙コップに、湯気を出しながらお茶を注いで渡してくれた。
「トレーナーさん、熱いから気をつけて下さいね」
それを受け取り、数口飲む。ダイヤが持ってくるお茶はいつも美味しいが、寒い外から帰ってきたばかりか、今日のお茶は一段と美味しく感じる。
ダイヤは紙袋から、紙皿に宝石のようなチョコを盛り付けた後、すすめてきた。 - 3二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 20:48:10
「トレーナーさん、こちらのチョコも召し上がってください。私、精一杯作ってみました」
「これ、ダイヤが作ったの?凄く宝石みたいで綺麗だな」
「はい、トレーナーさんが私を鍛えたおかげでよりいっそう輝きを増したように、あなたに送るならこの形しかないと思い作ってみました。気に入ってもらえたら、何よりです。」
「ははっ、なるほどね。…では、いただきます」
俺は紙皿に乗っているチョコの一粒を手に取り、口に入れる。食べ終えるまで、ダイヤは固唾を飲むようにこちらの一足一刀を逃さないように見つめていた。その挙動から、味の出来を心配している様子が伺える。前回、貰ったものは不思議な味だったからだろう。
チョコの味は甘さが控えめで、少し苦みがあり、俺にはとても食べやすいものだった。
「うん、ダイヤ、美味しいよ。食べやすいし、俺好みの味で美味しいよ」
「……わぁ〜〜!ありがとうございます。パティシエさんに教わったかいがありました」
彼女はチョコの味を褒められたことに嬉しくて、両手を握って喜びを噛み締めながら、続けて話す。
「本当ならプロのものを用意したほうがですのか。トレーナーさんのために作りたいという気持ちのほうが勝ってしまって、手作りにしましたが、喜んでもらえて、作ったかいがありました」
こちらからは見えないが、嬉しくて尻尾を揺らすほど喜んでるように見える。
「ダイヤからこんなにも美味しいものを貰えて、凄くうれしいよ」
「そう言って頂けて嬉しいです。さぁさぁ、私のチョコを食べて下さいね!」
その後、ニコニコとこちらを見ているダイヤと一緒にお茶を飲みながらしばらくの間、談笑しながら休憩した。 - 4二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 20:49:12
泣く
- 5二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 20:49:15
休憩も十分取ったところで、片付けをした後に、俺は鞄からフラワーギフトで作られた赤いバラを取り出して、
「ダイヤ、いつもありがとう。これは俺からの感謝の気持ちだよ」
と言いながら手渡す。
すると、ダイヤはこちらのサプライズに、サプライズがあると思ってなかったのから、手を口に当てて驚いていた。
「まさか、サプライズでお花をプレゼントされるなんて思っていませんでした。とても嬉しいです!ありがとうございます」
そう言って満面の笑みを浮かべて受け取ってくれた。
チョコを用意しても、ダイヤは良いもの食べている回数が多そうだから、こういうものでお返しする方がいいと思ったのだが、喜んでるので良かった。
それに、普段から頑張ってる彼女に日頃の感謝を伝えたかったということもある。
そのおかげか分からないが、彼女の耳はピョコピコと動いていて喜んでいるのがよく分かる。
「今日みたいにレース以外の楽しいことを……トレーナーさんと一緒に分け合っていきたいですね」
「ああ、もちろん。これからもよろしく頼むよ」
「はいっ!こちらこそよろしくお願いしますね。トレーナーさん」 - 6二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 20:55:18
- 7二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 21:00:16
- 8二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 21:04:43
サトイモの一挙手一投足が丁寧に書かれてるの好き
耳ぴょこ尻尾ぶんぶんはいくら摂取してもいい - 9二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 21:09:26
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- 10二次元好きの匿名さん23/02/15(水) 21:10:58
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- 11二次元好きの匿名さん23/02/16(木) 01:59:17