- 1二次元好きの匿名さん23/02/16(木) 23:45:44
- 2二次元好きの匿名さん23/02/16(木) 23:49:51
柱間以外と親友かあ…オビトとか皮肉でいいんじゃね?
- 3二次元好きの匿名さん23/02/16(木) 23:53:02
そこは柱間も生まれ変わってもらって…
この場合ナルトとサスケとは世代被らないようにしないといけないのか? - 4二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 01:39:58
イタチ
- 5二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 01:40:22
アスマ
- 6二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 01:45:04
本当にありがとうございます
- 7二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 01:45:07
仲良かった友人がある日から「オレの友となるには弱すぎる」と突き放してくる
がんばれアスマ、忍界の未来はお前にかかってる - 8二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 01:45:20
アスマかぁ
- 9二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 01:46:09
このレスは削除されています
- 10二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 01:46:23
お色気の術で鼻血を出した
- 11二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 02:00:12
柱間は転生してないけど、マダラだけアスマの親友として転生してるってこと?マダラ存命だとサスケナルトは生まれてない感じ?
- 12二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 02:44:32
マダラの魂はインドラと違って一般人だから無限取り憑きはしないんじゃない(そうでないと歴代転生者もマダラに取り憑いてることになるけどそんな様子はないし)?
- 13二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 05:01:31
- 14二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 09:52:28
あの世代かあ…じゃあナルト世代の上忍師ってことじゃん どの班を持つんだ
- 15二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 10:34:15
- 16二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 10:34:40
マダラが上忍師とか出来るのか…?
と思ってしまうがまあ転生して長いことマダラの記憶もなけりゃ境遇も違うわけだし同じ性格に育ってるとは限らんか
少年時代のマダラの延長線上の陽キャ気遣い兄ちゃんに育ってたら面倒見は良さそうだし
…お色気の術でマダラの記憶戻るって戻った後のギャップに「お前ヘンなもの食ったんじゃ?」とか言われる奴ー - 17二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 10:48:07
記憶戻った時、マダラが中忍か上忍なら里への愛着も湧いてるだろうから多少性格が変わる程度で落ち着くだろうけど下忍やアカデミー時代に戻ったら大惨事になりそう
- 18二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 10:51:52
お色気の術で鼻血を出したのが前世戻った切っ掛けってことは悪戯小僧であるナルトが10歳前後まで育ってからの話だろうし20代半ばくらいの時に前世の記憶取り戻すわけだから安定してるんじゃね?
- 19二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 11:17:47
索敵特化と思われたマダラ班(紅班)がマダラによって体恤レベルもガン上げされるだろうな
そして写輪眼の使い方でカカシ班に妙にマウントとってくるマダラ - 20二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 11:48:57
マダラ班のキバはどんな相手でも油断せずに叩きのめせとか中忍前に言われてそうだからナルトに勝ってしまいそうやな···
- 21二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 12:12:10
- 22二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 12:16:33
- 23二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 13:33:53
- 24二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 13:57:15
- 25二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 14:12:42
- 26二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 15:11:48
同世代?であろうオビトじゃなくてアスマと大親友になってるのなんかちょっとエモいな……
- 27二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 18:19:01
九尾事件が無かったからうちは一族滅亡も無かったのか。良かった···
火影の息子と大親友になってるのがなんか感慨深い - 28二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 18:27:43
記憶取り戻した後はお前の祖父(猿飛サスケ)はこんなものじゃ無かったぞ的な軽口言ってそう
- 29二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 19:15:42
- 30二次元好きの匿名さん23/02/17(金) 21:45:08
この時の中忍試験で必要だったのは判断力だったっぽいが、キバもヒナタもネジに負けると思う
- 31二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 00:18:04
記憶思い出したら、絶対に最初に思うのが元扉間小隊のメンバーに自分=あのうちはマダラって気づかれんようにしよってことですよね。
むしろ、名前まで同じで優秀だったらダンゾウなら怪しんで監視してそうで怖い - 32二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 08:30:56
これマダラの代わりって誰になるんだろ。ゼツが前のマダラの死体操ってんのかな?
- 33二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 10:41:21
ていうかマダラ死後に恐怖の代名詞だったマダラの名をうちは一族が赤子につけるとは思えないんだが…我が子に厳しい目向けられるとわかってて抜け忍になった元族長の名つける親がいたらその親が問題そのものというか
この世界のマダラの生まれ変わりの名前なんだろ…スレ主ちょっとダイスで決めたりしません? - 34スレ主23/02/18(土) 11:28:36
意見があったので、マダラの今生の名前ダイスで決めようと思いますが、名付けが得意じゃないので、名前の候補決めるの手伝って欲しい···
- 35スレ主23/02/18(土) 11:55:53
後、忍界大戦までにマダラの転生体かどうかバレるかの🎲
dice1d2=2 (2)
1.バレる
2.バレない
- 36二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 12:18:45
マダラの名前の由来が北信五岳の名前みたいだから山の名前繋がりでつけるのはどうかな?
そのままうちはホクシンとかうちはゴガクでもいい気もするが妙高山からうちはウコウとか戸隠山からうちはトガクとか - 37二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 18:10:18
名前の候補うちはナギ
忍界大戦で多分一番パニックになってただろう人。 - 38二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 20:19:38
マダラ模様から同じく模様でシマシマで
- 39スレ主23/02/18(土) 22:19:01
名前の🎲しますねー
1.ホクシン 2.ゴガク 3.ウコク 4.トガク 5.ナギ
6.シマシマ
dice1d6=2 (2)
後、写輪眼はどこまで進化してるか
1.写輪眼 2.万華鏡写輪眼 3.永遠万華鏡写輪眼
4.輪廻眼
dice1d4=2 (2)
- 40スレ主23/02/18(土) 22:20:30
名前はうちはゴガク
万華鏡写輪眼持ちになりました! - 41二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 22:37:14
待って、今気づいたんだけどアスマ先生死亡キャラじゃないですか??
転生マダラ大丈夫?闇堕ちしない??? - 42二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 23:25:34
アスマの死の原因って暁の不死コンビとの戦いだがこの世界だとマダラが転生してるのでオビトをマダラに仕立てるイベントはないしそのへんどうなってんだろ?
オビトはそのまま死ぬのかマダラに成り代わった黒ゼツが原作と同じように誘導した結果この世界の暁も同じ感じになるのかでも生死変わりそうな気がするがマダラの記憶知識有りのうちはゴガクくんがいるんならなんとかなりそうな気もするし - 43二次元好きの匿名さん23/02/19(日) 06:55:19
- 44二次元好きの匿名さん23/02/19(日) 07:39:11
「てめえ空気読め柱間ァ!!」
とかって子供時代ばりの明るいツッコミ入れてきそうだなうちはゴガク君は
…穢土転マダライベントは不発に終わるのかな?この世界 - 45二次元好きの匿名さん23/02/19(日) 10:11:17
一番衝撃受けるのヒルゼンやろ。
まさか自分の部下にあのマダラの転生者がいて、しかも自分の息子の大親友になってんですよ?
尚、その横で
「マダラ、久しぶりだの!」
「うるせぇ!てめぇなんか知るかぁ!」
「ひどいんぞ!わしらは友達だろ?」
「俺の親友はア·ス·マだ!!」
「ガーン😨」
「まだその落ち込み癖あんのかよ!うぜぇ!」
って漫才を繰り広げてて扉間に、兄者にマダラ、今はそんなことしてる場合じゃないって起こられて、ミナトは原作通り避雷針の術でナルトの所に先に行った
- 46二次元好きの匿名さん23/02/19(日) 10:50:04
ところで原作でマダラが輪廻眼開眼したのって寿命死前の筈だけどこの世界はどうなってんだろ?
長門の目って元々はマダラの眼だよな?
それなかったら色々狂いそうな気もするけど - 47二次元好きの匿名さん23/02/19(日) 16:10:05
イザナギ失敗した時にアシュラ+インドラ+死にそうっていう条件が揃って開眼して、ゼツさんがそのまま持ち逃げしたはいいけども、柱間さんがあまりにもアレすぎて、機会を伺っていたらいい感じのうちはってことで、オビトがロックオンされたのかな?
- 48二次元好きの匿名さん23/02/19(日) 17:10:45
流石にマダラと顔と髪型そのままだと隠し通せそうにないしだからといってあまりにマダラと容姿違いすぎるとマダラ感ないしうちはゴガク君のビジュアルは少年期マダラの髪型や顔ベースに大人にした感じでいいんかね?
顔立ち自体が似てるのは同じ一族だからいくらでも言い逃れは出来るだろうし涙袋は健在かな? - 49二次元好きの匿名さん23/02/19(日) 20:42:06
- 50二次元好きの匿名さん23/02/20(月) 00:19:16
- 51二次元好きの匿名さん23/02/20(月) 00:22:16
ゴガクってフガクさんと名前似てるし、もしかして親戚なのか?うちは兄弟と!
- 52二次元好きの匿名さん23/02/20(月) 00:26:43
- 53二次元好きの匿名さん23/02/20(月) 00:30:17
- 54二次元好きの匿名さん23/02/20(月) 00:49:05
- 55二次元好きの匿名さん23/02/20(月) 08:37:22
保守
- 56二次元好きの匿名さん23/02/20(月) 08:45:45
フガクと兄弟もしくは従兄弟とかだったらさぞや甥っ子たちは可愛かろうなあ?弟似もいるぞ?
- 57二次元好きの匿名さん23/02/20(月) 09:28:09
従兄弟あたりでいいんじゃないか?
あんま血が近すぎるのもなんだかなって気もするし
アスマと同年齢ってことはイタチと10歳差ってことで子供の頃はフガクさんに従兄弟の兄ちゃんとして面倒見られてそうだな
イタチが生まれたときは普通に可愛がってそう
- 58二次元好きの匿名さん23/02/20(月) 15:06:53
- 59二次元好きの匿名さん23/02/20(月) 16:10:51
- 60二次元好きの匿名さん23/02/20(月) 21:23:20
うちはゴガク君は万華鏡写輪眼開眼してるしアスマと同年代ってことは第三次忍界対戦(13歳位?)のときに親兄弟がひどい死に方したのが開眼理由だったりするんかな?
しかしフガク一家が戦場から帰ったら暖かく迎えてくれるし小さなイタチ(三歳)指ぎゅっと握って大丈夫?って心配そうにしてくるし親友のアスマもいたから闇落ちずせ踏みとどまって「そうだ…オレにはこいつらが…まだ守りたい奴らがいる」ってなったとかかな
ゴガク君はこのときはまだマダラの記憶ないがマダラの転生体だしうちは1の体術&遁術使いになってそう
この世界だとうちは1の手練の称号もシスイではなくゴガクだったりするんじゃないか?
ありそう
その場合このときにはバリバリマダラの記憶あること考えても余裕でなんとかしそうだな
だって元マダラだし
- 61二次元好きの匿名さん23/02/20(月) 22:17:40
- 62二次元好きの匿名さん23/02/20(月) 22:22:00
- 63二次元好きの匿名さん23/02/20(月) 22:23:14
- 64二次元好きの匿名さん23/02/21(火) 00:30:44
真偽不明だけど、角都が柱間暗殺しに行ったときに扉間マダラとも戦ってるって話があるみたいだしな
- 65二次元好きの匿名さん23/02/21(火) 09:18:28
オレの名はうちはゴガク、木の葉隠れの忍びだ。
天才忍者と言われあのマダラの再来じゃないかと言われ育ったオレは13歳の時第三次忍界大戦で兄弟と父を目の前で亡くした。
……守れると驕っていたのだろう、その結果がこの様だ。
そんな自分への失意と絶望敵への怒りから万華鏡写輪眼に目覚めたオレはそのまま敵を皆殺しにするも何故この力があの時なかったのかと呪ったものだ。
あの時の憎しみと悲しみと強い怒りと絶望感はよく覚えている。
だが里に帰ったオレを迎えてくれた従兄のフガクの「よく帰ってきてくれた」やその嫁であるミコトの「ゴガクくんだけでも無事で良かった」と涙ぐむ姿、それに幼いイタチがそっと手を握って「大丈夫?」と心配そうな顔を見る内にそれも静まっていった。
「ゴガク!」
話を聞いてたのだろう、三代目火影の息子たる男がオレを抱きしめ「お前が無事で本当に良かった」との言葉につい涙腺が緩む。猿飛アスマ…アカデミー時代からのオレの親友だ。
…そうだオレには彼らがいる。
家族も親友もまだオレには残されているじゃないか。
そう思うと絶望感などどこかに飛んでしまった。
「嗚呼、ただいま」
兄弟と父の死に顔は今でもオレの眼には鮮明に浮かぶ。それでも彼らを同じ眼にあわせるものかとそれがオレの生き甲斐となった。
そうして第三次忍界大戦は終結した。
オレはとうに大人になり上忍師として今年から2度目の下忍達を受け持つことになった。なんとアスマやカカシも受け持つ学年は一緒だ。カカシの奴はフガクのとこの末の息子やあのいたずら者で有名な四代目の砂利が担当らしい、災難な奴だな。おいおい、顔岩に落書きしてるぞあの砂利。
そう思ってニヤニヤ見ていたら問題の砂利とアカデミー教師が前をよぎり術を発動した。
「お色気の術!!」
ボン。
目の前で砂利が金髪美女に変わる。それを見た瞬間ブーと鼻血を吹き出すと共にオレの脳内に突然知らない記憶が怒濤のように流れ込んできた。
川辺の出会いに決別して写輪眼を開眼した日弟の死に……九尾を連れて里を襲撃した日。
「おい、ゴガク? しっかりしろ!」
人一人分の記憶が一気に入りぐわんぐわんと酔いそうになりながらそれでもなんとか何もないフリをして心配そうにするアスマをなんでもないと振り払い家の布団に倒れ込んでオレは思った。
(マダラの再来…?再来どころかオレがマダラじゃねえか)
勘弁してくれ。 - 66二次元好きの匿名さん23/02/21(火) 18:04:12
文豪が現れてる
- 67二次元好きの匿名さん23/02/21(火) 23:36:24
結論を言えばオレがうちはマダラだった。
それがある男の一生の記憶を受け止めたオレの結論だった。
ーうちはマダラ。
戦国乱世においてかつて最強を誇った族長であり、この木の葉隠れの里を創設した片割れ…そして木の葉を裏切り九尾を引き連れて襲撃した最悪の犯罪者。
未だにマダラの名前は恐怖の代名詞だ。実の弟の目を奪った冷酷な人物であると伝えられていた。
どうもオレの中に蘇った記憶によると違うようだが。
マダラはかつて戦国乱世において唯一千手柱間と並び立てた男だ。とはいえそれは柱間と戦いになったというだけで実力差があったのも事実で、それ故かつて同格と見なされた千手とうちはの拮抗は崩れうちはからは離反者が続出した。
それにとどめを刺した事件がマダラの弟たるうちはイズナの死だ。彼は千手扉間に斬られ死の淵を彷徨い、兄たるマダラに自ら眼を差しだしたのだ。どうか一族を守って欲しいとそう願いを託して。
マダラは一騎打ちを挑み柱間と戦い敗れかつての友に討たれる事を望んだ。だが柱間はマダラの予想よりずっと大馬鹿者で、弟を殺すか自害しろとの言葉に迷うことなく自分の命を捧げることを選んだのだ。
だから止めた。腸が見えたと告げて手を組んで子供の頃語ったように二人で手を取り里を興した。
けれど現実は厳しかった。柱間は夢が叶ったと浮かれているが…そもマダラが里を欲したのは唯一残された弟を守ってやりたかったからだ。その弟はもういない。そして誰も一族のものはマダラを信用していない。弟の遺言を守ることすら出来ない。
マダラは孤独だった。
だから石碑を解読し自分の使命を得て嬉しかったのだ。
これで世界を救えると。
マダラの手元には何も残っていなかった。マダラにとって此の世は地獄だった。だから無限月読で世界を救済する事を望んだのだ。皆幸せな夢を見る平和をこの手で作り上げようとした。
まさか誰も思うまい、マダラが里を襲った理由が世界を救う為など。
(だがそれは失敗した)
とんだ笑いぐさだ。イザナギを使い死を逃れる筈だったのにそのまま亡くなり別の人間に転生するなんて。
マダラはオレだ。だがオレはマダラじゃない。
マダラには何も残っていなかった。だがオレはオレとして28年生きてきたのだ。オレはまだこの掌から親友も愛すべき家族もこぼしていない。
無限月読などいらない。此の世は地獄ではない。
オレは木の葉のうちはゴガクだ。 - 68二次元好きの匿名さん23/02/22(水) 06:29:13
保守
- 69二次元好きの匿名さん23/02/22(水) 09:11:51
オレは木の葉のうちはゴガクだ。
…だがしかしもし記憶が蘇ったのがあの頃なら…父や兄弟を失い万華鏡写輪眼に開眼したばかりのあの頃であればオレはきっとうちはマダラという男の膨大な記憶と自我に塗りつぶされ、マダラと己の境もわからず呑まれて無限月読を望んでいたのかもしれない。
それほどにうちはマダラという男の生涯における苦悩と絶望目的意識の高さは強かった。
だが今更な話だ。
確かに親兄弟が死んだことは悲しいし悔しい。あの日の事を思えば憎悪がこの身を焦がす。だが、それだけでないことをオレは知っている。
従兄弟のフガクにその嫁のミコトは家族としてオレの帰りを喜んでくれた、オレを案じてくれた。その息子のイタチも…敏感にオレの痛みを感じ取ったかのようにそっと側にいてくれた。あの頃のオレがそれにどれだけ救われた事か。
そしてアスマ。今世におけるオレの親友。
三代目火影の息子として父に反発心と鬱屈とした感情を抱き、それでも尚自分の守るべき答えを探し続けた男。損得なくオレの痛みをまるで自分の痛みのように感じ、ただ無事で良かったとてらいもなく告げてきたその顔。
オレはお前が友であることを誰より誇らしく思う。
(もう誰も死なせねェ)
兄弟や父の死に顔は今でも鮮明に思い出せる。だがオレはもう誰もそんな風に死なせやしねェ。
無限月読? 幸福な夢の世界?
そんなのまっぴらだ、何故ならオレが…ゴガクが守りたい存在は木の葉にいる。木の葉で生きて過ごしている。
オレはうちはマダラの悲願を達成しない。マダラだった過去も隠し通してみせる、何そもそもオレがマダラの生まれ変わりだなんて実際眉唾話だ、言ったところで誰も信じねェ事だろう。
寧ろアスマあたりは真剣に「お前、変なもんでも食ったのか?」と聞いてくるだろう、食ってねェし。
そんな親友の姿を想像してクツクツと笑う。
オレはマダラの望みを捨てる。
…がマダラの記憶は有用だ。あの男の御陰で今は失われた術も今のオレには分かる。もっとオレは強くなる。そういう意味ではうちはマダラ、前世のオレよ、お前に感謝しよう。これでオレはもっと強くなる。
三代目に渡された名簿の名を思い浮かべる。
犬塚キバ、日向ヒナタ、油女シノ。
喜べ。お前達はこのオレが鍛えてやる。誰よりも強くなるが良い、守れるべきものを守れるようにな。
そう思い、オレはニヤリと笑った。
終わり。
お目汚し失礼。 - 70二次元好きの匿名さん23/02/22(水) 13:10:15
担当班は安価かダイスで決めた方がよかったんじゃ?
- 71二次元好きの匿名さん23/02/22(水) 19:06:20
- 72スレ主23/02/22(水) 19:59:34
- 73二次元好きの匿名さん23/02/22(水) 20:05:02
自分は紅班のままでいんじゃね?派
ポジション的にアスマやカカシの担当を動かすと原作と齟齬が更に広がって設定を更に深掘りする必要性が出てきそうだし元々原作でも紅先生は新人上忍描写と途中で妊娠のため担当上忍からフェードアウト描写あるから入れ替えるんならここのポジに入るのが一番再構成しやすそうだから
あるいは原作にいないオリキャラ三人を部下に保たせてオリジナルの班作るかじゃないっすか? - 74二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 06:09:24
保守
- 75二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 10:28:08
紅班で良いと思いますよ。どのみち、ガイ班とカカシ班は担当上忍を変えられないだろうし、紅班が一番自然だと思います
- 76二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 11:41:50
「ゴガク」
翌日、任務返りに大通りを歩いているとよく知った声に名を呼ばれ振り向く。そこにいたのは思った通り、オレの親友たる三代目の息子猿飛アスマだった。相変わらず煙草を口にくわえて飄々とした態度で「よっ」と軽く腕を上げている。
「応」
と手を掲げ応えると、アスマはニヤリと笑いガッシリ肩を組んでこんなことを言う。
「安心したぜ。顔色も悪くねェし、どうやらもう大丈夫そうだな」
「だからなんでもねェって言っただろうが」
「はっ、昨日はあんだけ白い顔しといてよく言う」
ポンポンと続く軽口の応酬。実のところ本題は昨日どうしてオレがああなったのか聞きたいのだろうが、オレが昨日の事は聞くなと態度で示すとそれ以上は踏み込んでこなかった。そういうところが助かる。これは前世の友である柱間には無かったアスマの美徳だ。
と、目の前から逆立ちで爆走する碧い猛獣が通りかかった。
「おお、アスマにゴガクではないか! どうだ、青春してるか~!?」
「ガイ……」
男の名はマイト・ガイ。木の葉隠れきっての体術使いだ。
「お前に頼みがある」
* * *
「まさかゴガクの奴、ガイと手合わせしてくれとはなぁ」
苦笑しながら審判として経つアスマがそうボヤく。まぁ、そう言うな。オレにはマダラの記憶が蘇った、この力を試してみたいとそう思うのは自然なことだろう?
「いざ」
「嬉しいぞゴガクよ! これぞ青春だ!! よしいつでも来い」
「忍び組み手始め!」 - 77二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 11:42:14
言うなり怒濤の攻撃が始まる、それをいなしながらマダラの知識とオレの実際の動きに対するすり合わせを行う。
「どうした! いつもと重心がずれているぞゴガクよ!!」
「はっ、抜かせ」
ガイは俺の目を見ることもなく次々に攻撃を仕掛けてくる。そも、奴は強い。ガイがライバル視しているカカシはうちはオビトの片目を継いでおり元より写輪眼を保つ相手の対処という意味ではこの男は手慣れている。だからこそ、相手にする価値がある。そうでなくては面白くない。オレ…ゴガクとして染みついた動きとマダラの知識の中のそれにブレがあることなど先刻承知している。だからこそその是正をするにあたり、この男と組み手を交わすのがもっとも手っ取り早いのだ。
その一撃一撃の重み、緊張感、次々に変わる戦況、知らず唇の端が持ち上がる。
(面白い)
嗚呼…愉しい。
「ははっ」
いつからか大声で笑いながらこの攻防を楽しんだ。
* * *
和解の印を結び、「またやろう!」と逆立ちして去って行った猛獣を見送りポツリとアスマは言った。
「……驚いたな。元から強かったが……いつからそこまで体術も得意になったんだ?」
「男子三日会わざれば、刮目せよというだろう」
「よく言う」
それがオレのごまかしの言葉だとわかっているからだろう、やれやれと肩を竦めながらアスマが言う。
「こりゃオレも頑張らねェといけねえな。……なああの時の事覚えてるか?」
腰のチャクラ刀をトントンと指さしながらアスマが言う。
「……ああ」
覚えている。昔からアスマは父である三代目とは折り合いが悪く、ある日家を飛び出してオレの家に来たことがある。
あれはアカデミー卒業直前のことだったか、このチャクラ刀を複雑な眼で見ながらじっと燻る少年は父を越えたいと、そう望んでいた。だからオレは言ってやったんだ。『知ってるか、アスマ。風は火を大きく燃え上がらせるんだぜ?』それに対してアスマは『なら、オレ等二人なら最強になれるな』そう言って泣きそうな顔で笑った。
「オレ等二人で最強になる……そうだろ相棒?」
「ああ、そうだな」
そういってあの頃のように揃って月を見上げ笑った。
おわり。 - 78二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 12:33:36
- 79二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 12:44:08
ゴガクさんが、この後の一連の首謀者はうちはマダラだ!って、なってる時、一応周りにあわせて絶体に勝つぞー!とかやってるけど、内心ははてなマークが乱舞してるやろな。
え···俺?死んだんてすけど??? - 80二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 12:52:24
ゴガクの記憶が戻った時の火影って三代目と四代目のどっちなんだろう?
イタチがスパイで暁に入ってるなら、木の葉崩しで三代目が死んだ時に次の火影に即イタチのスパイ情報をリークしにいきそうだな。 - 81二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 13:00:36
そのへんよくわからんよなあ
スレ主この世界では四代目は生きてるん?
それとも三代目政権?
ついでにナルトは波風ナルト(親元で育った)か原作通り孤児のうずまきナルトどっちなん?
決められないならダイスでもいいけど - 82スレ主23/02/23(木) 13:41:25
- 83スレ主23/02/23(木) 13:49:51
一番最悪な組み合わせ来たんですけど···
ミナトはうちはの真実を
dice1d2=1 (1)
1.知ってる 2.知らない
ナルト周りは多分九尾事件はあって、クシナ死亡でナルトが人柱力でミナトだけが生存したって感じですかね?上忍以上でナルトの詳しい出生を知っているという感じでどうでしょうか?
- 84二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 13:53:07
🎲くんさぁ···黒ゼツ憑依してない??
- 85二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 13:53:58
四代目政権なのにうずまき姓ってことはクシナさんは死んでナルトが九尾引き受けたけどミナトは生き残ったのにもかかわらず親子として暮らすことを許されなかった世界ってことかね?
親子が秘密にしても四代目はでも生きているんならナルトのこと無視するほど冷酷じゃないだろうし週に一度「ごめんよ、ナルト」ってナルトの元にこっそり親と名乗らずに通ってたりとかそんな感じでアカデミー卒業するときに母さんが亡くなった経緯と自分が親であることを告白するとかそんな感じかな - 86スレ主23/02/23(木) 17:42:58
何何か他にランダムで決めたいことがあったら意見下さい
- 87二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 21:01:02
亡くなったゴガクの家族構成
なくなった兄弟はお兄ちゃんなのか弟なのか妹なのか
そもそも何人兄弟だったのか
お母さんは一族の人間かそれとも別の一族だったのかあたりかなあ - 88二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 23:09:52
オレが上忍師として本格的に動く日まであと三日を切った。
受け取ったオレが受け持つ予定の砂利共の写真を眺めながらふと思う。
(そういやァ四代目は今頃あの砂利に自分が父親である事を明かしているんだろうか)
九尾の人柱力であるうずまきナルトが四代目火影である波風ミナトの一人息子であることは、木の葉隠れの里に住む上忍には周知された事実だ。
にも関わらず四代目はうずまきナルトを息子と呼ぶことはこの12年間許されなかった。
それは何故か……遡れば12年前の九尾襲撃に端を発する。
その日、オレはたまたま遠方に任務に出ていた為実際に見たわけじゃない。故に全てアスマを含め同期や族長である従兄のフガクなどに聞いた話だ。
その日突然木の葉隠れの里に九尾が現われたのだという。そして里は恐怖に包まれた。年配の忍びを中心に死傷者も多く出た。その中には三代目や四代目の嫁もいたというわけだが……思い出して欲しいのは前世のオレであるうちはマダラの逸話だ。
マダラはその瞳力で九尾を操り里を襲撃したのだ。これは上層部である年寄りがその逸話を思い出すには十分な事件だった。故に上層部はうちは一族に疑いの目を向けた。写輪眼で九尾を操る事が出来るというマダラという先例がいたのだからその疑いはある意味当然だったと言える。その為上層部からうちは一族を一纏めにして監視をつけろという声が上がったのだ。
「うちはではありません」
それに真っ向から否を唱えたのが、九尾襲撃の真犯人らしき男と交戦した四代目火影である波風ミナトだった。
「少なくとも里のうちはの者ではありません」
そう前置きしてからミナトはあなたたち上層部がやろうとしている事がいかに理不尽なことか、ただでさえ九尾襲撃で人手がなく、他里に弱みを見せるわけにはいかないのに里を二分するつもりか、うちはは里が興った時からずっと木の葉を支えてきた仲間ではないか、偏見の眼鏡を通さず何故彼らを真っ向から見ない等など上層部に真っ向から反論してのけただろう。
「わかった、うちはを隔離しない。これまで通りにうちはを扱おう。その代わりに……」
そうして交換条件として出されたのが、新たに九尾の人柱力になったナルトが忍びとしてやっていける日まで父と名乗らないこと、対外的にナルトは木の葉隠れの里の孤児の一人として扱うこと、という条件だった。 - 89二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 23:30:25
生まれたばかりの我が子と家族として暮らす事を諦めろと上層部は条件づけたのだ。
もしかしたら上層部はそのことからミナトが我が子可愛さにうちはへの隔離政策を受け入れることを狙っていたのかもしれない。
だが……波風ミナトは火影だった。
「分かりました」
火影として家族の幸せよりも里の仲間を排斥しない事を選んだ。
それでも我が子が愛しいのだろう。仮面をして父と名乗らずナルトに会いに行ってるようだとそうカカシが言っていた。
だがそれももう終わる。口外は許されない。家族として暮らすことは許されていない。それでも父と名乗ることが出来るのはきっと嬉しい事だろう。
(家族……か)
……5年前の事を思い出す。
5年前の初夏だ。瞬身のシスイと謳われたうちはシスイが身投げして亡くなったのは。
そしてシスイの死の3週間後にオレは弟分にして従甥であるうちはイタチに呼び出されていた。
「オレを呼び出すとは珍しいな、イタチ」
口調だけはからかうように、声音は気遣うように出来るだけとげのないようにかける。
亡くなったシスイとイタチは親友だった。さぞ気落ちしていることだろうと思ったが案の定無表情じみた顔の中に僅かに沈痛さを交えながらイタチは静かな声で言う。
「四代目の許可は取っています」
それからゆっくり黒目を閉じ開いたイタチは写輪眼となっていた。その闇の中でもよく光る赤い目が徐々に模様を変える。それが何かオレはよく知っている……万華鏡写輪眼だ。イタチの眼には万華鏡が宿っていた。
「……イタチ、お前」
それからすっとイタチは眼を元の黒目に戻して、綺麗に礼をした。
「……ゴガクさん、サスケを頼みます」
オレはうちはイタチがどんな奴なのかはよく知っているつもりだ。
酷く聡明で繊細で、弟想いで争いごとを忌み平和を芯から願っている優しい奴だ。そして誰より耐え忍ぶ事を知っている優秀な忍びでもある。そのイタチが眼に入れても痛くないほど可愛がっている弟を託すということは……そういうことなのだろう。
「ああ、任せろ」
ニッと笑ってオレは答えた。それに吊られたように悲しげな目元はそのままにイタチはふっと優しく微笑った。
……イタチが里を抜けたのはこの次の日の事だ。 - 90二次元好きの匿名さん23/02/23(木) 23:40:22
うちは一族内でタカ派と目されていた木の葉に不満を抱いていた奴等は全てイタチに始末されていた。
抜け忍は重罪だ。それも何の罪も犯していない同族を何人も殺した等とんでもない事だとイタチには懸賞金がかけられた。だが確信がある。きっと任務だったのだろう、と。
そう思ったのはオレだけではなかったのだろう。
その日からサスケががむしゃらに修行している姿をよく見かけるようになった。きっと兄には理由があるのだと、兄さんに会いたい、兄の口から真実を聞きたいとそう望んでいることは言われなくてもわかった。
だからオレは見守った。
イタチに言われたからじゃない、オレがそうしたいと思ったから。そのサスケも今年アカデミーを卒業する。
(サスケにも修行つけてやるか)
強くなれ、サスケ。弱い奴が吠えても何も変わらねェし何も守れねェ。
結局柱間が里を興した後、マダラと違って何もこぼさなかったのも奴が桁違いに強かったからだ。
弱い者は醜い。何も守れないからだ。
だから、オレは……マダラは誰よりも自分が嫌いだった。何も守れなかったから。……イズナも。
サスケは前世のオレの弟に……イズナに似ている。だが、サスケはサスケで、イズナはイズナだ。誰もイズナの代わりになることは出来ん。
分かっている、オレはうちはゴガクだ。マダラはオレの過去であってここにいるオレではない。
そして今のオレは前世のオレであるマダラの強さに到底届いてはいない。
だからオレは強くなる、今度こそ守りたいものを守るために。
「愉しみだな」
砂利共の写真を眺めながらオレはそう呟いた。
終わり。 - 91スレ主23/02/24(金) 06:52:53
とりあえず、マダラの兄弟を基準にします。
兄弟の人数
dice1d5=5 (5)
- 92スレ主23/02/24(金) 06:55:18
- 93スレ主23/02/24(金) 06:56:43
うちはゴガク
両親共にうちは一族で五人兄弟の真ん中、兄と妹が二人ずついた - 94二次元好きの匿名さん23/02/24(金) 07:03:36
このイタチは病が発覚したらゴガクとサスケに木の葉隠れに強制帰還させられそうだな。そして、やっぱりサスケが里抜けしそうな気がまるでないどころか、兄への想いで原作より大分強そうなサスケになっとる
- 95二次元好きの匿名さん23/02/24(金) 12:02:56
- 96二次元好きの匿名さん23/02/24(金) 12:03:43
アスマさんがどんな反応するのかちょっと気になるな
- 97二次元好きの匿名さん23/02/24(金) 12:17:28
- 98二次元好きの匿名さん23/02/24(金) 14:16:13
上忍師と担当下忍が顔合わせする当日となった。
オレは下忍の卵となる砂利共の待つ教室にそっと気配を絶ちながら忍び寄る。
オレが受け持つ予定なのは油女のとこの砂利と犬塚のとこの砂利と日向宗家の娘だ。
さて、いつになれば気付くか。
最初に気付いたのは油女のとこの砂利だった。虫たちから話を聞いたのかオレの方に視線を向ける。ついで油女の砂利の視線から何かいると気付いたのだろう、日向の娘が白眼を通してオレの存在に気付き、ついでに困惑を宿す。何故オレが何も言わずただ立っているのかわからないという顔だった。
……問題は犬塚のとこの砂利だ。奴は10分ほどオレがそうしていても気付いた素振りがない。
「だああおっせー! オレ達の先生は何をしてんだよッ!」
「……キバくん、あの……」
日向の所の小娘は言うべきかどうか迷うようにオレと油女の砂利をチラチラと交互に見やる。それに嘆息するように息を一つ吐き出すと油女のとこの砂利は首を緩く降り「騒ぐ必要はない。何故なら……先生は既に来ているからだ」と答えた。
「へ?」
犬塚のガキはなんとも間抜けなツラを晒すと「赤丸!」と自分のパートナーである犬の名を呼び、犬はワンとオレのいる砂利共のすぐ背後に向かって一鳴きし、漸く最後の砂利もオレの存在に気付き「どわっ!?」と間抜けな声を漏らした。
「遅い。確かお前たちの担任はうみのイルカだったか……お前たちは感知と探索に特化して期待が持てると聞いていたが……とんだ見込み違いだな。それとも過大評価か、どうやら生徒可愛さに目が曇っていたと見える」
「なっなっなっ」
「オレはうちはゴガク。お前たちの上忍師だ。喜べ、オレがお前たちを鍛えてやろう。存分に、な」
そう言ってオレはニヤリと笑った。 - 99二次元好きの匿名さん23/02/24(金) 23:32:28
この概念はイイ
- 100二次元好きの匿名さん23/02/25(土) 06:25:32
保守
- 101二次元好きの匿名さん23/02/25(土) 08:55:24
「テストォ?」
アカデミーから場所を予約していた演習場に移し、お前たちへのテストを行うと宣言すると犬塚のとこの砂利はそんな素っ頓狂な声を上げた。見れば日向宗家の娘も戸惑いをチャクラに乗せている。油女のとこの砂利は予想がついていたのか他の二人よりも冷静だ。
「そうだ……よもやたかがアカデミーの卒業試験を突破できた程度で忍となれるとでも? そんなわけがあるまい。あれは最低限の能力を持っているかをチェックしてるに過ぎん。本当に忍びとしてやっていけるかの判断は担当上忍が行う。知らなかったのか? アカデミーの卒業生の半分以上はそうしてアカデミーへと戻されるというわけだ」
そうオレがくっくっと笑って言うと砂利共はゴクリと唾を飲み込む。
「だからこそ、自分たちが下忍としてやっていけると証明してみろ。ルールは簡単だ、オレはここから一歩も動かん。お前たちに対し使うのは小指一つで十分だ。……一歩でも良い、オレをここから動かすか一撃でもいれて見ろ」
* * *
「ハァハァハァ……」
「……う、く」
「……」
一時間が経った。砂利共の調子としては疲労困憊といった感じだ。
最初は威勢良く飛び出してきた犬塚の砂利も今は犬っころとともに息を荒げている。
……とはいえ、最初は一人で無謀にも突っ込んでいく考えなしであったが途中からは他の二人と連携を取るようになっただけ成長は見られるのだが。
他の二人も犬塚の砂利共ほどではないが消耗している。どんな技を放っても小指一本でいなすオレを相手にどうも攻めあぐねているらしい。……潮時か。
「……つまらんな」
オレは心底失望したような顔をしながらそう言葉を吐き出す。 - 102二次元好きの匿名さん23/02/25(土) 08:59:03
「どうやらお前たちはオレが鍛える価値もないようだ。何故手を休めている? 弱い忍びになんの価値がある? そんなこともわからないのであれば、家に帰って母親の乳でもしゃぶってたらどうだ?」
その言葉に悔しそうな顔を浮かべる犬塚の砂利と、唇を噛みしめる日向の娘。油女のとこの砂利は蟲を多数呼び寄せまだやる気はあるようだ。
「オレと戦うか逃げ帰るか好きな方を選べ」
そう告げてオレは殺気混じりにチャクラ圧を強めた。砂利共はそれにビクンと肩を跳ねる。足がガクガクと笑っている。
マダラは戦乱の世に生まれた。命の取り合いは日常だった。オレ……ゴガクは戦乱の世ではないが丁度大戦と大戦の合間の生まれだ。年齢二桁になる前に中忍に上がり戦場に投入された…まあマダラの時に比べればぬるいぐらいだが、それでもこの砂利共ほどではない。
本物の戦場を知っている忍びの殺気はこの砂利共には随分ときついものだろう、どんなに手加減していると言ってもな。
さて、どうするか。ここでチビって逃げ帰るのなら今年は担当下忍を採用せず、それこそアカデミーに送り返すだけのことだが。
「ほう?」
奴等は立ち向かうことを選んだ。ガクガクと足を震わせ恐怖に顔を青くし脂汗をかきながら、それでもクナイを握る手に力を込めて、三人でコクンと頷き、拙い連携を頼りにオレに立ち向かう。
「たああああー!」
小娘が恐怖を振り払うように声をふりあげる。油女のとこの砂利が目眩ましのように蟲を放ち視界を奪ってからの犬塚の砂利と日向の娘の同時攻撃。
「フ……合格だ」
それらを全て指一本でさばきながら、オレは殺気を霧散させそう宣言した。
「え?」
きょとんと何を言われたのかわからないかのように小娘がきょとんと目をしばたかせる。
「忍びとしてやっていく以上どうしても避けれない戦いなどいくらでも出る。たかが殺気を浴びたくらいで動けぬ奴に何の期待が持てる? 立ち向かいその中で活路を見出す気概すらない奴などオレが鍛える価値もない。お前たちはオレの殺気を浴びて尚立ち向かうことを選んだ、三人でな。その時点で合格だとそう言った」
徐々にオレに言われた意味が理解出来たのだろう。砂利共は互いの顔を見合わせ、最初は信じられなさそうな顔から嬉しそうな顔に変わっていった。
「日向ヒナタ、犬塚キバ、油女シノ、喜べ明日から八班は始動開始だ」
そういってオレは三人の頭を順に撫で笑った。 - 103二次元好きの匿名さん23/02/25(土) 10:07:45
ここのヒナタはナルトにカンニングの提案しなさそうだな。ゴガクさんのスパルタで原作よりもそこら辺の判断がシビアになってそう
- 104二次元好きの匿名さん23/02/25(土) 14:13:36
そういやあゴガクは妹も二人いたわけだが年齢的に忍界大戦の時二人とも戦場に出されてたとは考えにくいし兄達はマダラの万華鏡開眼理由にしても妹たちの死因は別なんだろうか?
一人は病死とか
肺病っぽかったら病気になったイタチを放っておけない理由が更に増える気がするけど
苦しむ妹を救えなかった自分への失意や絶望から写輪眼開眼とかそういう感じだったりして - 105二次元好きの匿名さん23/02/25(土) 22:01:30
保守
- 106二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 06:20:08
ほしゅ
- 107二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 08:57:09
- 108二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 09:08:49
いいねそれ
マダラが幼い時に末の妹が死んでお母さんが「ゴガク、妹のことお願いね」って言われてたのにお母さんが亡くなった2年後くらいに妹が病気になって肺を病んで国際情勢が戦争に傾いているから医療忍者が最優先するのは忍びの治療で妹は後回しにされてそれでもお兄ちゃんだから他の兄と交代交代で妹の看病しながら「大丈夫だぞ、お兄ちゃんがついているからな」って精一杯励まして他の兄二人もアカデミー卒業して忍びやってたから一番時間があるアカデミー生やってたゴガクが中心に看病しててでもどうにもならなくてアカデミー在学中に残されたもう一人の妹も死んで自分への失意から写輪眼開眼
妹の看病が忙しかったので天才と言われながらカカシと同じく1年満たずアカデミー卒業せずにアスマと同じく8歳の時にアカデミー卒業
そして妹を亡くし失意にくれる時期にゴガクを励まし続けたアスマ
これは大親友
そして妹が亡くなった半年後くらいに親と上手くいかずゴガクのところに家出してきたアスマを受け入れて二人で最強になろうと「風は火を大きく燃え上がらせるんだぜ?」とアスマを励まし二人で最強になろうと誓う二人。
うーん青春!
- 109二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 10:56:23
第八班をオレが担当してから一月が経った。
基本的には下忍の任務内容や仕事ぶりについてオレが口出しすることはない。当然だ、何もかも上げ膳据え膳で自分の頭で考えられない奴に将来性などあるものか。オレが決めるのはただ一つその日のリーダーは誰にするかの指名だけだ。
「シノくん九時の方向に蟲を放って。キバ君反対側からまわりこんで」
今日の隊のリーダーはヒナタだ。
初めて指名した時は、おどおどとして碌に声も出せない困った小娘だったが、こうして任務を繰り返す内にヒナタも随分も指示することにも慣れてきた。良い傾向だ。そうして今日もオレはただそれを見守る。
そうして早くに任務が終わった日は二回に一回はオレ自身が修行をつけるのもルーティンとなっていた。修行の内容はオレを相手に三人がかりの連携でかからせる日もあれば、多重影分身で出した3人のオレを砂利共に変化させて一対一で相手する日もある。
多重影分身はあの扉間が開発した術という点は気に食わんが、実際のところ便利なものだ。それでもチャクラ量に不安があるものが使えばチャクラ枯渇を招きかねない故に禁術指定されているわけだが、オレのチャクラ量はうちは一族でも随一のものだ。流石にうずまきや千手、前世のオレに比べれば劣るが影分身を三体出すほど大して支障もない。
「ゴガク先生、お願いします!」
ガキ共はほどよい緊張感を保ちながら姿勢を正してオレに声をかける。
初日に格の違いを見せつけた事が効いているのだろう……あの日、オレは砂利共に「合格」を言い渡した後にこう言った。
『お前達に火遁の極致を見せてやろう』
そうして訓練場を更地にしないよう、空に向かってオレは火遁を放った。
『火遁、業火滅却!!』
マダラの時よりも威力は弱いがそれでも下忍になりたての砂利共にとっては衝撃そのものだったのだろう、間抜けにも三人揃ってあんぐりと口を開いたツラは今思い出しても笑えるが、実際に笑うことはなく淡々とオレは言葉を続けた。
『忍びとして生きていくのならいつかお前達もどうしようもない理不尽と直面する日が来るだろう。たとえどんなに大量の毒虫を駆使しようとも焼き尽くされれば終わりだ。犬塚の技も柔拳も届かねば意味がない。この炎はその一例に過ぎん。勝てぬほどの大敵を前にどうすれば生き残れるのか考え続けろ。思考を止めるな、出来ねば死ぬぞ』
その言葉に砂利共は真剣な顔をして肯いた。 - 110二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 11:41:25
これ、アスマ側もゴガクっていう精神的な逃げ道がいてくれたから一回里抜けしてないパターンだな。
お互いの辛い時期を支えたあって切り抜けたっていうのは、マダラが柱間と出来なかった事だからこそマダラの意識に潰されずにゴガクとして生きる事を選べたってことにもなりそうだな。
ここのゴガクさんはイタチのことを弟みたいな存在としてみてるだろうから、妹と同じ病気だって知ったら、里に連れ戻すししっかりと治療を受けさせるんだろうな
- 111二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 11:50:10
……スレ主ちょっと病死した妹の名前ダイスで決めない?
とりあえず自分からは候補北信五岳の黒姫山からうちはクロヒメか3文字統一てきにうちはクロキあたりで - 112スレ主23/02/26(日) 12:01:35
- 113二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 13:38:22
このレスは削除されています
- 114二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 14:26:20
シノ、キバ、ヒナタの三人にいつも通り修行をつけたその夜、オレは居酒屋にガイを呼び出していた。
「アスマではなく、オレを呼び出すなど珍しいではないか、ゴガクよ」
「何、ちょっと相談があってな、まあ飲め。オレの奢りだ」
「おおすまんな、いただこう」
そう言って適当につまみと酒を注文するとオレは早速本題を切り出した。
「オレが今年受け持った第八班は感知・探索特化型だ。構成員は日向ヒナタ、犬塚キバ、油女シノ。お前が担当する三班は確か近接戦に特化したロック・リーと暗器遣いのテンテン、そして日向一族でも天才と名高い日向ネジの三人、そうだったな? うちの班に構成が一番近いのはお前の担当する班だ。そこで一度うちの班のメンバーとの模擬戦を頼みたい」
担当下忍達が上忍師立ち会いの下、互いに模擬戦をするという事は中忍試験でもなくば木の葉でもあまり多くない。ましてうちの第八班よりとガイの率いる三班は同期ではないなら尚更だ。故に、少し想定外だったのだろう。「ふむ」といつも暑苦しい男は真剣な顔をしてオレを見る。
「似たような構成を持つ先達と戦うことは八班にとって良い経験となるだろう。後輩と戦うことになる三班もそうだ。何かを教えることで指導者側もまた成長する。悪い話ではないと思うが」
「いいだろう!! 若き下忍達が切磋琢磨する、それもまた青春だ!」
ガイは即答した。
そのままいつ行うかどこの演習場を借りるか話を詰め、翌週ガイ班とゴガク班は顔を合わせることになった。
「お久しぶりですね……ヒナタ様」
「……ネジ兄さん」
日向ネジは従妹に当たるヒナタに向かって冷え冷えとした視線を向ける。
それにヒナタはびくりと肩を振わせ、やりきれなさを顔に映しながら伺うようにネジを見上げる。
(ふむ……何があったのかは聞いてはいたがこれは問題だな)
その日の模擬戦は互いの班員達にとっては有意義なものになった。……日向の二人を除いて。
オレはその日日向宗家へと文をしたためた。 - 115二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 17:35:47
うちはホムラ
火遁使いの家柄から - 116二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 20:26:32
ホムラだと相談役と名前かぶってるぞ
- 117二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 20:29:29
うちはアケミちゃんとかどうです?
- 118スレ主23/02/27(月) 00:07:17
妹の名前ダイス
dice1d3=2 (2)
1.クロヒメ 2クロキ. 3.アケミ
ホムラは名前が被ってるので外しました。
年齢差 マダラ13歳時を基準にして長女なので出た目にプラス1歳します。
dice1d11=3 (3)
- 119スレ主23/02/27(月) 00:08:15
名前はうちはクロキちゃん。享年4歳になりました。
- 120二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 00:10:54
日向ヒナタの上忍師として話をしたい。
そう文を認めた翌々週オレは日向家当主である日向ヒアシと面談を交わしていた。
オレは担当上忍らしくヒナタの普段からの任務の様子から修行内容、彼女の能力面から最初は声を出すことを苦手としていたが大分改善してきたことまで淡々と告げていく。
「……そうか」
無表情の鉄面皮を貫く男は成程、厳格をそのまま体現したかのようであり、ヒナタが萎縮するのも無理はないといえる。が、オレの眼は誤魔化せん。ヒナタの改善点を褒めると男はほんの少しだけ口角を上げかけていた。
「嗚呼、そうそう。貴方の甥にあたる日向ネジですが……」
オレが先日の三班との模擬戦の件に移りネジの名を口にした途端、ピリッとチャクラをほんの少しだけヒアシは荒立てる。オレはまるで何事もなかったかのようにネジとヒナタがギクシャクしている件まで説明を終えると、お茶を一口飲み、それから「他の一族の問題に口を出すのは内政干渉にあたるのは分かっている」と前置きした。
「故にこれはあくまでも独り言として聞き流していただきたいのだが……子供の成長というのは大人が思うよりも早いものだ。そして年齢を重ねれば重ねるほど、人は凝り固まった考えに憑かれ柔軟性を失っていく。あの小僧が暴発するのも目前だろうな、その時誰に被害が出るのは言わずとも分かっている事だろう。何があったのかは聞き及んでいる……が、このままでは取り返しのつかない事になりかねんぞ。その前に対処することだ、後悔のないようにな……」
そう告げてからオレは日向の屋敷を後にした。
後日、さて何を話しあいどうなったのかは知らん。
ただ確かなのは翌月再びガイ班と合同訓練を行ったときにはヒナタとネジはギクシャクとした気まずい空気はあったものの前回のような敵意に満ちたものではなかったという事だ。
ガイ班との模擬戦はそれからも月に1度くらいの頻度で行われたが、徐々に日向の宗家の娘と分家の息子による確執は収まり、やがてヒナタはネジを前に笑顔を取り戻したということだけ言っておこう。
終わり
>>78とりあえずゴガクによるギスギス解消ってこんな感じか?
あと結構SS量増えてきたんでこのスレ落ちた後ハメに加筆修正してうpしていい?もち設定は自分ではない事明記するよ
- 121二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 00:57:23
このレスは削除されています
- 122スレ主23/02/27(月) 01:55:34
- 123二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 06:53:50
加筆修正版もすごく読みたい!
- 124二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 08:41:13
享年4歳で3歳差の妹って事は末の妹とクロキは1歳差の姉妹でお母さんはゴガクが4歳の時に死亡で次女にあたる末の妹死産
幼い1歳の妹を抱っこしながらのお母さんとの最期の会話で「ゴガク、クロキのことお願いね…」と言われ承諾、次女が亡くなった三日後くらいにお母さんは産後の肥立ちが悪くてそのまま亡くなる
5歳の時ゴガクはアカデミーに入学しアスマと意気投合
クロキちゃん3歳の時に肺病発病
ゴガクは当時6歳でアカデミー生でカカシ同様早期卒業の話も出たがクロキの看病の為アカデミーを休みがちになり早期卒業の話も流れる当時二人の兄は既に忍びとしてやっていたお父さんは族長フガクさんのおじにあたること考えたらおそらく警務部隊の幹部クラスで忙しいのでゴガクが中心に妹の面倒を見て時々アスマがアカデミーの課題届ける口実で妹の看病手伝ってた
看病むなしくクロキちゃん4歳ゴガク7歳の時にクロキちゃん死亡荒れて一晩がむしゃらに修行という名の自傷行為してたらなんか写輪眼に目覚めていた
ゴガク8歳の時にアスマと共にアカデミーを卒業翌年には中忍に……って感じのコースかな
いえっすハーメルンの事です
実はここに投下する際1200文字くらいになってやべえ文字数制限超えた削れ削れって台詞とか文章結構しょっちゅう削ってたりする
いいみたいなんでこのスレ落ちたらハメに「ここだけマダラがイザナギに失敗死亡して未来転生、アスマと大親友になった世界」あたりのタイトルでうpしときますね
いや別のタイトルでもなんならそれこそ安価かダイスでもいいけど
- 125二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 09:26:31
ダイスなのにここまでストーリーが綺麗に出来てるのはいっそ奇跡では?
- 126二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 11:35:34
……今でも鮮明に思い出す。
オレ……うちはゴガクが初めて死を意識したのは齢四つの頃の事だった。
その年母は五人目の子供を孕んでいた。
「もうすぐゴガクに二人目の妹か弟が出来るのよ」
そういって笑っていた母の顔を覚えている。次に生まれるのは妹か弟か、いやどちらでもいい。三つ下の妹であるクロキもこんなに可愛いのだ、きっとどちらでもさぞ可愛いことだろう、とオレは末の兄妹の誕生を待ち望んでいたが、しかしそれは叶わなかった。
……三日三晩の酷い難産の後に生まれた赤子は既に死んでいた。死産した赤子は女の子、妹だったと聞いた。オレは末の妹の顔も名前も知らない。幼い子供に見せるのは酷だと思われたのだろう。長兄を除きオレ達兄妹に末の妹は引き合わされる事すらなく簡素に葬られたとそう聞いている。
そして酷い難産と末の子供が死産だった事がショックが重なったのだろう。母もまた体を壊し生死の境を彷徨った。
「母さん……」
オレは何度も母の病室に会いに行った。まだ一歳の幼い妹クロキを胸に抱えて。
妹は幼い。漸く「にいちゃ」や「とうちゃ」等簡単な単語を口に出来るようになったばかりなのだ。ただオレに甘えるようにきゃっきゃと笑い母のことも何も分からない妹がオレは不憫でならなかった。
とはいえ当時はオレも幼かった。当然母さんの元に向かう時も妹と二人というわけではなく、兄さんや父さんに連れられて見舞いに通っていたわけだが、母さんがふと眼を覚ましたその時はたまたまオレとクロキの二人しかいなかった。
「……ゴガク」
「! 母さん、眼が覚めたのか。待ってろ今兄さんたちを呼んでくる!」
そう言って走り出そうとするオレの手をそっと引き留め、母はゆるゆると顔を横にいると「……兄さん達は?」と尋ねた。
「アカデミーの先生と上忍師の先生に呼ばれて少し外してる。でもすぐに戻ってくるよ」
「そう……ねぇゴガク」
母の手は酷く冷たく白くまるで血など通っていないかのようだった。
「クロキのことお願いね……妹のこと、守って、あげて……」
「……ああ、ああ任せろ! 妹は、クロキはオレが守る、守るから、だから……!」
直後母は意識を再び失う、それと同時のタイミングで兄達も帰ってきた。
「兄さん、母さんが!」
多分オレは泣いていたのだろう。それを見て兄は事態を把握し、長兄が父を呼びに行ったが、もう既に遅かった。
母は既に亡くなっていた。 - 127二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 12:09:28
この、お互い一番辛い時に支えあうことが柱間とは出来てなかったんだよね。その点、ゴガクとアスマは支えあって気持ちを伝えあってたから柱間のように噛み合わないなんてことにならなくてすんだのかなと思う。
ゴガクにとっては、柱間よりアスマが大切でイズナよりもイタチやサスケのことを今は優先したいと思ってるんだろうな - 128二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 12:17:58
母が死んだ。それでも悲しみは時が癒やしてくれる。
母の死すらわからぬ幼い妹の笑顔は確かにオレの活力となり、母との約束だ妹を守らないとという想いがオレには出来る事があるという事が寧ろオレには有り難かった。
そうして1年後、5歳になったオレはアカデミーに入学しアイツと……アスマと出会ったのだ。
奴とは初めて会ったその時から妙にウマが合い、出会ったその日に意気投合した。友達なんて初めてだ。家に帰ると可愛い妹が「にいちゃんおかえり」と迎えてくれるし、兄達も早く任務が終わった日は「ゴガク、おかえり、今日はハンバーグだぞ」と手が空いているほうが料理をしてオレを出迎えた。
幸せだった、間違いなく。気の合う友がいて、優しい兄達や口数は少ないし忙しそうではあるが優しい父もいて、可愛い妹もいて。きっとオレはこの頃が一番幸せだったのだろうと今でも思う。前世のマダラの頃では考えられぬ程にオレは幸せだった。
事態が急展開したのはオレが6歳の誕生日を目前にした時の事だ。
「げほ、ごほ……けふ、ふ……がは」
「……クロキ?」
妹が血を吐いた。
確かに前々から調子が悪い日は続いていた。クロキは度々熱を出し、その度にオレはクロキの看病をし「早く良くなるんだぞ」とそう声をかけ励ました。ちょっと咳き込んでいても微弱な風邪が続いているんだとそう思っていた、なのに違った。妹は肺の病に冒されていたのだ。
丁度その頃世間は戦争に向かっていた。第二次忍界大戦が終わってそれほど経ってはいないのに、不穏な空気は治まる気配を見せず、木の葉警務部隊で幹部を務めている父も酷く最近は忙しそうだ。兄達も次兄はアカデミーを卒業してそれほど経っていないにも関わらず多忙そうで、兄達の手がどうしても空かない時はオレがアカデミーを休んで妹の看病をする日も度々あった。そんな中判明した妹の病。しかし変わり続ける情勢の中木の葉病院で優先されるのは現役の忍び達の治療だ。妹は後回しにされた。
当時オレはマダラの再来でないかと天才と呼び声高かった。あのままいけばオレは同じく天才と呼ばれていたカカシ同様1年足らずでアカデミー卒業となっていただろう。だがオレは自分の成績などより妹のほうが大事だった。
兄達は現役の忍びだ。そうそう休むわけにはいかない。だからオレはアカデミー早期卒業の話を流し、アカデミーを半分以上欠席しながら自宅で妹の看病を繰り返した。 - 129二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 15:36:35
- 130二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 15:42:24
そういえば、ゴガクの万華鏡写輪眼の能力ってどうするんですか?マダラと一緒なんでしょうか?
- 131二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 16:55:32
そういやあゴガクもいい年だし恋人いるんだろうか?
いるとしたら同年代か年上か年下か
うちは一族か別の一族か
何年付き合ってる(若しくは付き合ってた)のか
生存しているのか死別しているのか
生存している場合第四次忍界大戦後のファイナルファンタジーで結婚すると思うんだがその場合子供は何人生まれて性別の内訳どうなるのか
スレ主ちょっとダイス振って見る気ない? - 132二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 00:09:51
「よぉ、ゴガク、ほら今日の分だ」
「アスマ、いつも悪ィな」
アスマはオレがアカデミーを欠席した日は決まってその日の授業のノートや課題を持ってオレの家を訪れた。そしてオレの妹の顔を見るなり、ニカリと笑いかけ、まるで日常の延長のように具合はどうだと軽い調子で話しかける。同情は嫌いだ。だから過剰に同情などせず当たり前のような態度で自然体で語りかけ、隣にただいてくれる……オレはアスマのそういう所に一番助けられていたのだろうとそう思う。
「アスマおにいちゃんだぁ」
「お……三日前よりは顔色がいいな」
そう言ってアスマは優しい手つきでクロキの頭を撫で、それから「お前昨日寝てないだろ」とオレに向かって言う。
「無理してお前も倒れたらどうする。1時間くらいオレが変わってやるから今すぐ寝てこい」
「そういうわけにはいかねェだろ……クロキはオレの妹だぞ」
「お前の妹ならオレにとっても妹みたいなもんだしいいだろ。ちょっとは独り占めさせろ。クロキちゃんもアスマ兄ちゃんのこと好きだもんなー? な?」
「すきー」
そういってきゃらきゃらと今朝まで熱がひかなかった妹は笑う。それがアスマ流の気遣いであることは知ってた。
「……すまん」
アスマは返事をしない。そのまま手をヒラヒラと振ってさっさと寝ろと指示をする。オレはアスマのそういう所に救われていた。
それでもいつかはクロキがよくなる日が来るとそう信じたかったのは希望的観測に過ぎなかったのか。
クロキが肺の病に冒されていると発覚して1年が過ぎた頃だった、容態が急変したのは。
「ごふ、かは、くふっ」
「クロキ、クロキ!? しっかりしろ!」
その日は家にはオレとクロキの二人だけだった。情勢は悪化の一途を辿るばかりで兄達二人は任務に出かけており帰ってくるのはいつになるのか……少なくとも今日明日に帰ってくるわけじゃない事は分かっていた。
吐いた血で喉が詰まっているのか息も碌に出来ない妹の喉からは、コヒューコヒューとおかしな呼吸音が苦しそうに途切れ途切れに続く。体は小刻みに震えており、顔はまるで蝋人形のように青白い。どれほど天才と言われようが当時のオレは齢7つの砂利に過ぎなかった。 - 133二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 00:34:44
病院に、父さんは、頭がグルグルする中ただ、早くなんとかしないとと妹をおんぶ紐で布団ごと巻き付け外に飛び出す、そんな中いつものようにアカデミーの課題等を抱えてやってきたアスマは事態を把握したのだろう「オレがおじさんを呼んでくる! お前は早く病院に行け!」と脇目も振らず駆け出した。
アスマが父を呼んでくれるなら間違いはないだろう。そう信じてオレは木ノ葉病院までの距離を出来るだけ揺らさないように気をつけながら駆けた。どうか神様と、柄にも無く神頼みまでしたものだ。
だが結局神などいなかったのだろう。
木ノ葉病院に駆け込むも運悪く負傷者が多数運び込まれた直後で、忍びでもないアカデミーに入学すらしていない子供は後回しにされた。妹が死にそうだと何度必死に訴えても無駄にしかならなかった。
腕の中でドンドン妹の息が弱っていく、体温が足りない。鼓動が弱い。また血を吐いた。
……死ぬのか? クロキは……あの時の母さんのように。
約束したのに、オレが守るって、どうしてオレにはこの小さな命を守る力がないんだ。
「ゴガク!」
アスマが父を連れて現われる。
「父さ、ん……クロキが、息をしてないんだ」
きっとオレもまた酷い顔色をしていた事だろう。あまり表情を変えない人だったのに父が眼を見開き驚き、俺の腕から妹を受け取り、父からも医者になんとか頼み込み、掛け合う。だが……。
「もう亡くなっています」
無情にも妹の死が宣告される。医者はもういいですか? と淡々と告げて次の患者の元へと向かう。
それだけだった。
妹はまだ4歳だったのに、昨日までオレに「クロキね、はるになったらみんなでおはなみしたいな。ゴガクおにいちゃんのすきなおいなりさん、クロキも作るの」ってそう話してたのにこんなにあっけなく終わらないといけないのか、妹の人生は。
(母さん、オレは貴女との約束を守れなかった)
オレは妹を守れなかった、母の最期の願いだったのに。オレにとっても大切で、愛しい妹だったのに。目眩がするほどに感情がグルグルとまわって、酔いそうだった。
その日どうやって病院から家に帰ったのかオレは覚えていない。 - 134スレ主23/02/28(火) 07:30:20
- 135スレ主23/02/28(火) 07:34:56
- 136二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 11:17:18
ふむふむ恋人はいないがいたとしたらうちは一族で死別か
これは昔良い感じで友人以上恋人未満くらいの互いに意識はしてた立場のうちは一族の女の子がいたが第三次忍界大戦の時に付き合う前に死んじゃった
だから余計にアスマと紅には上手くいって欲しいって感じのコースで良かかね?
ゴガクの万華鏡はどっちでも良いよ
一人称文でかつ原作沿い部分は飛ばし飛ばし進行だから別に判明しなくてもどうにでもなるし本家マダラも万華鏡開眼していることは判明すれど能力と能力名は不明だからなあ……どうせ万華鏡開眼してる時点でスサノオは使えること確定しているんだしなんならスサノオと大規模火遁でなんとかすりゃいいと思う本家マダラもそんな感じだし
そういやふと思ったんだが柱間に「マダラー会いたかったんぞ!」した後「マダラはオレだがオレはマダラじゃねェ。オレは木の葉のうちはゴガクで、オレの親友はお前じゃなくて猿飛アスマだ!」宣言したら柱間は却って喜ぶんじゃないかなって思った
マダラ(の生まれ変わりが)自分たちの作った木の葉隠れの忍びであることを堂々と名乗って新しい人生を前向きにしっかり送ってることわかったら初代火影である柱間的には嬉しいんじゃないかなって
そのあとは「そうかそうか! ならばマダラの名誉の為にもマダラの名前を使って貶めるあの黒いのをなんとかせねばの!!」とかってやる気満々で黒ゼツに向かいそう
とっても微笑ましくていいと思う
口寄せ契約している鷹使って戦うの格好いい
- 137二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 12:28:42
- 138二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 13:56:08
クロキの葬儀は兄達が任務から帰還してからすぐに行われた。
とはいえ、まだアカデミーにすら入学していなかった里にとっても一族にとってもさほど重要でもない子供の葬儀だ。参加したのはオレ達家族と従兄のフガクを始め血が近いごく少数の親族と……それとアスマだけだ。
小さな棺に花を一人一つずつ納めて棺ごとクロキの体は火遁で骨一つ残さず焼かれる。妹が此の世にいた証に残されるのは灰だけだ。
花を納める時にもう1度だけ妹の顔を見る。これが最期だ。これでも忍びの一族に産まれた人間にしては妹は恵まれているほうだと頭ではわかっている。戦場に出た忍びの死体は五体満足とはいかない。遺品すら帰ってくることなく葬式すら行われない、そんな末路を辿る忍びも珍しくはないと知識の上ではわかっているんだ、それでも頭がおいつかない。
血の気のないまろい頬、オレとよく似た髪質の肩まで伸びた黒髪、小さな鼻と口に手。甘えたで可愛いオレの妹。他の兄達より年齢が近いのもあったのだろう、オレに一番懐いてくれていた、オレの宝物。
『おにいちゃん』といつものようにオレの名を呼んで、笑いかけて欲しいのに、なのに冷たく閉じた瞳はもう開くことはない。ツンと鼻の奥が痛い。
隣を見れば、アスマもクロキの棺に花を納めながら泣いていた。
……思えばアスマも、よくクロキの面倒を見てくれたし、妹もアスマによく懐いていた。「クロキちゃん……」そう妹の名を呼びながら泣いているその涙は本物だった。
忍びは感情を見せることを良しとしない、だがオレ達は子供だった。まだアカデミーを卒業すらしていない子供だ、だからきっとオレが泣くことも許されたのだろうとは思う。だがオレはアスマのように泣くことが出来なかった。ただそんな自分が悔しくて、情けなくて、感情が腹の奥でグルグル回って回って苦しくて仕方がなかった。
アスマはそんなオレにも何も言わない。ただわかっているというように、肩を叩いた、それだけだ。でもそれが有り難かった。何も聞かれたくない。兄達は自分もまた妹の死を悲しみながらオレを気遣って色々話しかけてくれた。それすらその時のオレにはノイズにしかならない。
小一時間の短い葬儀が終わり、アスマは何度もオレの方を振り返りながら、下手な慰めの言葉をかけることもなく、それでも家への帰っていった。 - 139二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 14:27:37
兄達は諦めたように優しい声で「ゴガク、夜風に当たるのもほどほどにして早く寝るんだぞ」そう声をかけて家の中へと戻っていく。その優しさすら酷だった。
オレは一族がよく修行に使う雑木林に向かって夜道を駆けた。
「あ……ああああ~!!」
このグルグルまわる気持ちを吐きださんとばかりに声を張り上げ叫び、がむしゃらに修行を繰り返す。練習用の丸太を蹴り上げ、自分を傷付けんばかりに暴れ、藻掻き、体力を使い切らんばかりに何度も型を繰り返す。
失意と絶望、悲しみ悔しさ全てがない交ぜになって自分を嬲り殺しにしてやりたくて仕方なかった。
そうして朝を迎えたとき、オレは写輪眼を開眼していた。
七歳の時の事だ。
翌年オレはアスマともどもアカデミーを卒業し下忍となり戦争は本格化した。木の葉の人材不足はドンドン深刻化していく。オレはそのまま9歳の時に中忍に昇格し、いくつもの任務を熟した。
……傷はいつしか癒やされる。妹のことを想えばじくりとした痛みは走る。だがあの時ほどの痛みはもうない。多忙な日々はオレに感傷に浸る暇も与えない。
新しい出会いもあれば別れもある。同じうちは一族の少女だ。はじめは修行場でオレが修行をしている中、「一緒に修行させて」と言われたのが始まりだ。
「私と同じような年なのにゴガクくんは凄いなあ」
そういって苦笑する少女。オレがクナイの持ち方がおかしいと指摘すると「ありがとう」と素直に答え「ついでだから」とオレの分の弁当まで用意するようになった。基本的に話すのは修行のことばかりだ。だが1年もそんな日々を続ければ気心も知れていくというものだ。それを知ってアスマは「彼女か?」とからかうものだから「そんなんじゃない」と答えたが、別にそうなってもいいなと内心思ってはいた。
アスマにもオレのそういうところが筒抜けだったのだろう。二人で修行していたとしても「馬に蹴られたくねェからな」と笑って退散した。オレと彼女は恋人ではない。だが、そうなってもいいと思ってたのも確かだ。だがそうはならなかった……その前に彼女は任務先の戦場で死んだからだ。
別に操立てているわけじゃない、そも恋人ですらなかった。それでも予感はある。きっとおそらくこの先オレは誰とも付き合うことはないのだろうと。
だからこそ余計にオレにはアスマと紅の関係が眩しい。アスマは良い奴だ。だからこそ、アスマが幸せになる事をオレは願っている。 - 140二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 15:09:43
柱間はマダラがゴガクとして生きていくことを喜びそうではあるけど、それはそれとしてゴガクのことを最後までマダラと呼んでいる気はする。
- 141二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 16:43:26
第八班をオレが担当するようになり半年が過ぎた現在今年も前期中忍試験の時期が来た。
自分の担当下忍をその年の中忍試験に推薦するかどうかは上忍師の手に委ねられているが、大抵は1年から2年ほど経験を積ませてから推薦するパターンの方が多い。まあ全員が中忍試験に受かることはなく、命の危険もあれば、場合によっては一人も昇格しない事もあるんだ、未熟な者を推薦する事により担当上忍の恥になりかねない事を思えば当然と言える。
故にアカデミーを卒業して1年も経っていないルーキーを推薦するというのは珍しい事だ。だが、オレは推薦していいんじゃねェかと思っていた。なにせ中忍に求められるのは一定の戦力もそうだが、判断力や小隊を率いる隊長としての資質だ。その辺は随分とヒナタもシノもキバも成長が見られる。戦力、という部分については怪しい部分もあるが実践に勝る経験は無しとも言う。試験を通し成長したなら目っけ物だろう。
等の考えの元推薦したわけだが、まさかのカカシ率いる七班やアスマ率いる十班もまさかの推薦とは驚いた。流石にその年卒業したルーキー全てが中忍試験に推薦されるというのは戦時中でもあまり例を見ない珍事だ。
だがこれはこれで面白いのかもしれん。オレはただ奴等の上忍師としてそれを見守るだけだ。
そして中忍試験当日を迎え、オレはアスマやカカシ、ガイ共々に塔で待機をする。
どうやら今年の一番乗りは砂の三兄弟らしい。
第二試験の過去最短記録を4時間も塗り替えもう塔に到着したそうだ。あまりのことに周囲はどよめく。それをオレは淡々と眺める。
(ありゃ一尾の人柱力だな)
色々悶着を起こしたと聞いてはいるが、オレにとっては別に脅威でもない、ただの砂利だ。特に関心もなかった。
そうこうしているうちに第二試験も終了し、残った生徒の中にはシノ、キバ、ヒナタの三人も当然いたわけだが、今回の中忍試験でふるい落とされた下忍の数が足りなかったからだろう、珍しい事に第三次試験に向けて予選が組まれることとなった。
シノはザクという音忍の砂利と、キバは四代目のところの砂利と……そしてヒナタは従兄であるネジと戦う事となった。
「ネジ兄さん……」
「ヒナタ様」
ネジは従妹にあたる宗家の娘を相手に棄権を促そうとしたのだろうが、ヒナタは一歩も引かないというように真っ直ぐにネジを見て告げた。
「宜しくお願いします」 - 142二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 20:02:42
- 143二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 20:06:17
- 144二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 21:48:19
そう真っ直ぐにネジに視線を合わせ口にする娘の目には闘志が宿っていた。そこにいつも内気な娘の自信の欠けた振る舞いはない。一歩も引かないと告げるその眼差しにその心をネジは認めたのだろう。一つため息を零すと「後悔はなさりませんように」と告げてその挑戦を真っ直ぐ受け止めた。
ともあれ二人の対決は八戦目だ。二戦目に戦う予定のシノの方が出番が早いがオレはシノに関して言えば何も心配はしていなかった。
実を言えば、最初にオレが担当する班から中忍に昇格するものが出るとすればそれは油女シノであるとそう思っていたからだ。シノは言い方が回りくどいのは難点であるがあの世代の中では実力は十分ある方だ。沈着冷静ではあるがそれでいて仲間想いであり、わかりにくいが同班である二人の事をもっとも気にかけているのはシノだろう。引き際もよく心得ている。小隊の隊長として求められている能力だ。
それに引き換えキバとヒナタはどうかと言えば、まあアカデミーを卒業した頃から考えれば仮にもオレが見ているのだ、随分と成長しているのは確かだ。それでもキバは今のところ中忍として求められている資質には一歩足りていない。ヒナタも当初に比べれば随分としっかり指示を出せるようになってはいるが、対戦相手が日向ネジでは戦力的にもまず勝ち残り本戦に出場することはないだろう。出来るのはネジに胸を借りることくらいか。命がかかっていないのならば敗北もまた経験だ。
そんな風に思考を巡らせる間にも予選は開始され、思っていた通り堅実にシノは勝利した。だがキバは負けた。
(後で修行を増やすか……)
オレは脳内で修行プランを練りながら予選会場を見下ろす。次に戦うのはヒナタとネジだ。
共に白眼の日向家である二人は同じ構えを取り、相対する。
ヒナタもまた成長はしているのだが、仮にも相手は日向家で天才と言われている分家の倅だ。あまりにも実力に差が開いている。それでもヒナタは立ち向かった。執念深く、先ほどキバを相手に対戦し打ち負かした四代目の砂利のように。
「ああ~!!」
声を出し、息を荒げ、勝ち目がなくなってもそれでも立ち向かう。それは中忍試験というものの本質から見れば馬鹿馬鹿しい行いだ。実力差を理解したなら引き際を弁えるのも中忍には必要とされる資質なのだから。だが、そのヒナタの奮戦はオレには快いものでもあった。そうだ、例え敵わなくとも挑むことに意味がある。 - 145二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 21:48:32
うちはマダラは千手柱間に敵わない。そんなことは前世のオレだってわかっていた。理解していた。かつて対等な宿敵であったうちはと千手の均衡はオレが……マダラが族長になった頃には徐々に崩れていき、うちはからは何人も千手への逃亡者が出ていたのだ。それでも、マダラにとって柱間はかつての友であり殺すべき宿敵だった。敵わなかったとしても、それでも柱間に見下ろされるなど我慢ならなかった。あいつにとっていつでも殺せる路傍の石になどなりたくなかった。オレは柱間の敵になりたかった。
(嗚呼、そうだ。うちはマダラは千手柱間と対等な敵でありたかったのだ)
努力はした。知恵を巡らせ、対抗策を考え続けた。弱い忍びに意味はねェと我武者羅に鍛え続けた。実際オレにとって遊び相手ではなく敵と見なせる程の相手はいなかった。柱間以外は。天性の才の上に努力を積み重ねてきたつもりだ。それでも尚、あの男は……忍びの神と言われた男は遠かった。たとえ柱間より弱いとしても、それでも柱間と戦いになるのはオレだけだというのは、惨めでもあり誇りでもあった。年を重ねる毎にその実力も心の距離も開く一方だった。
あいつには沢山のものがあった。理想も、夢も、人望も、実力も比類無く持ち合わせていた。
それに対しオレは、マダラは取りこぼしてばかりだ。仕舞いには絶対に守ると誓った弟すら亡くし、弟の遺言すら叶えられず、人望も居場所も何もオレは……マダラは無かった。残されたのは石碑に描かれていた夢の世界への切符だけ。救世主の夢に縋り……そして間抜けにもそのまま最悪の犯罪者としてそのまま死んだ、それが前世のオレのうちはマダラの顛末だ。
弱いことは醜いことだとマダラは思った。それでもうちはゴガクとして今を生きるオレは努力することは美しい事であると、そう思う。あの娘は変わろうとしている。内気な己を変えたいと望んでいる。ならばオレは上忍師としてそれを手助けするだけの事だ。あと三手であの娘は敗北する。だがそれも糧となるだろう。
そしてその通りになった。
「ヒナタ!」
満身創痍で、指一本動かせなくなった果てにヒナタは敗北する。そんなヒナタの元に四代目の砂利は観覧席から飛び出して駆け寄り、満身の笑みを浮かべて「お前、超カッコよかったってばよ!!」とに太陽のような笑みを見せて言ってのけた。
それを見てヒナタもまた嬉しそうに微笑んだ。 - 146二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 00:04:18
……四代目が死んだ。
中忍試験の最中に起こされた木ノ葉崩しによって。企んだのは三忍の呼び声高い大蛇丸だ。
恐らく火影として見れば立派な最期に当たるのだろう。四代目は結界の中で大蛇丸が穢土転生で呼び出した柱間と扉間、それから敵の首魁である大蛇丸を無力するため屍鬼封尽という手段を用いたのだ。自分も死神の腹に捕らわれる事を代償に。
……最も、大蛇丸に関しては腕しか封印出来なかったというなんとも間抜けな結果に終わったようだが。
それでも里の被害が低く済んだのは敵の首魁を四代目が引き受けていたからだろう。
この里の忍びとして波風ミナトという男に対する敬意はオレだって持ち合わせてはいる。それでもオレの中のマダラが言うのだ、『間抜けな奴だ』と。
こんなところで命をかけずとも良かったのだ。穢土転生は千手扉間が開発したオレもよく知る術だ。生前の柱間ならまだしも、あそこまで劣化した穢土転生体であれば今のオレでも対処出来る算段はあった。
当たり前だろう。意識のない木偶人形の柱間と扉間などオレが恐れる理由は欠片もない。大人しく防戦に徹していれば四代目は死ぬこともなかった。死ぬ必要がないのに死んだ間抜けだと、そう前世のオレが囁くのだ。
だがそれで四代目を責めるのは酷な話だ。
何故なら四代目は知らないのだから、オレがかつてうちはマダラだったこともそれ故に穢土転生を熟知している事も。明かしていないのだから知らないのは当然だ。……もっとも、マダラの生まれ変わりなど言ったところで信じて貰えるとも思えねェ話だがな。
そしてオレは木の葉の忍びだ、火影の要請には従う義務がある。
手を出すなといわれ、周囲の敵の無効化を命じられたならそれに従うのが務めだ。だからオレはそれを果たした。大した手間でもなかった。だが、命令通りに音忍や風忍のほぼ全てを無効化した時にはもう遅かった。死神の刃は既に発動された以上どう足掻いてもその末路は死しかなかったのだろう。
雨が降る中里を守った偉大な火影の葬儀が続く。
四代目の砂利は複雑そうな表情で立っているが、無理もない。父と知らされたのは今年に入ってからの事だ。おまけに口外を許されてもいない。
(気の毒な事だ……)
親と、子と呼ぶことも共に生活する事も叶わず、果たして親の愛は息子に正しく伝わっていたのか? 答えはわからない。
ただ誰の上にも、ざあざあと平等に雨は降り続けた。 - 147二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 10:12:16
木の葉崩しから一月が経った。
現在木の葉は引退していた三代目を呼び戻し、五代目が経つまでの間暫定的に三代目が里を運営している。
恐らく次の火影は三忍で知られた児来也か、或いは同じく三忍と名高い蛞蝓姫・綱手のどちらかが五代目となる事だろう。
四代目死亡という顛末こそ迎えたが木の葉隠れの人的被害自体はそこまで酷いわけではなかったがそれでも殉職した忍びが皆無というわけにもいかず、里の弱体化は免れなかった。
そんな中結界をかいくぐって一昨日『暁』とかいう犯罪者組織が里に顔を出したのだそうだ。オレは任務で遠方に出ていたので直接視たわけではないが。
現われたのはイタチと、霧隠れの怪人干柿鬼鮫の二人だったと対峙した当事者の一人であるアスマの口から今直接報告を受けている最中だ。
「お前にゃ悪いが抜け忍の犯罪者を見逃すわけにはいかなかったからな」
オレとイタチの関係を知っているアスマはガリガリとばつが悪そうに後頭部をかきながら、そう報告をする。
「気にしていない。今のアイツの立場はオレとて重々承知している。構わんさ。それに、イタチは強かっただろう?」
「……まぁな」
そうだ、気にしていない。オレはイタチが里を裏切るなど露程も信じちゃいない。
あいつのことだ、きっと誰が相手でも上手いこと切り上げ抜けた事だろう。オレはイタチの強さを信じている。
(実の兄弟じゃねェが……オレの弟だからな)
昔を思い出す。
『ゴガク兄さん』
そうオレを呼んでくれた幼子。第三次忍界対戦で父と兄達を一斉に失ったオレは2年ほどフガク達一家と共に暮らした。オレはあくまでフガクの従兄弟であってイタチの兄じゃない。従叔父だ。それでも幼いイタチに兄と呼ばれ、慕われた事は家族を失った痛みを抱えていたあの頃のオレにとって確かな救いだった。
……まあもっとも、サスケが生まれる前後にはオレはフガクの家から出たわけだし、ゴガク兄さんからゴガクさんにイタチからの呼び名も変更されたわけだが。それでも呼び名など大した問題ではない。
今でもオレにとってイタチは可愛い弟分だ。兄が弟を信じねェでどうする。
そんな懐かしい思い出にかられるオレを前に、アスマは「あー、ところで」と言いにくそうな声でオレの肩に止まっているそれを指摘した。
「いつもは鷹なのに烏を連れているとは珍しいな。趣向変えか?」
その質問にオレは微笑みと沈黙で返した。 - 148二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 11:29:04
今回の暁による木の葉訪問で対峙したのはカカシ、アスマ、紅にナルト、自来也……そしてサスケ。ナルトを連れ去るのが目的だとイタチは語ったそうだ。
そして今木ノ葉病院にはイタチの月読を食らったカカシとサスケの二人が入院している。
「ぅ……ゴガク、さん?」
オレはするりとサスケの病室に入り、魘されているサスケと目を合わせるなり写輪眼を発動し、幻術空間へとサスケを誘った。
「あちらじゃ誰が聞いてるかわかったもんじゃねェからな」
その言葉に幻術の中に連れ込まれたことは理解したらしい。
「イタチと交戦したと聞いた。どうだった、5年ぶりだったのだろう」
サスケと目線を合わせるようにしゃがみ込み、オレがそう問うとサスケは掠れた声でポツリと語り出した。
「……兄さんは、何も変わっていなかった」
オレはゆっくりとサスケの言葉に耳を傾ける。
「はじめは怖かった。イタチは……冷たい目でオレを見容赦なくオレの骨を折った。まるで別人みてェに温度のないモノを見るような目で! オレはオレの知っている兄さんが、もうどこにもいないんじゃないかって怖くて、だけど、違う、違ったんだ、兄さんは変わってなかった!」
そう幻術の中でぐしゃぐしゃに泣きながらサスケは叫んだ。
「無感動にオレの腕と肋を折ってオレを転がして、冷たい声でオレを呼び兄さんはアンタみたいに幻術の中にオレを連れ込んだ。そしたら兄さんは言うんだ。『すまなかった、サスケ』と申し訳なさそうなあの頃の顔で。どうして兄さんがこんなことをするんだ、なんで抜け忍になったんだと聞いても、ただ苦しそうに『すまない』ってオレを抱きしめて『大きくなったな、サスケ』ってオレの成長を喜ぶように笑ったんだ」
そして現実では鬼鮫にサスケには悪夢を見せているように告げて、殺す価値もないと冷たい声で吐き捨てて去って行ったのだという。実際は悪夢など見せられていない、だからそれはただの演技だった。
「なあ、アンタは何か知ってるんじゃ無いか!? 何か、だってアンタは……!」
「例えそうだとしても、今のお前にオレが何かを答えることは出来ん」
オレはサスケの懇願にそう返した。
「知りたいなら強くなることだ」
「う、く……強く、なりたい。兄さんよりもずっと、誰よりも、強く!」
「サスケ、お前にオレの知るうちはの術の全てをお前に叩き込んでやろう。だから今は眠れ。明日からまた頑張れるようにな」 - 149二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 12:17:51
サスケの師匠枠が大蛇丸からゴガクに変わりそうな予感がするし、サスケ奪還編が本当に奪還編「なりそうだな。もしかして、原作サスケにも個別師匠が必要だったのでは?
それにサスケって典型的なうちはっ子だから大蛇丸みたいな方法さえとらなければ普通に師匠として懐いてくれそうだよね、
- 150二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 12:27:12
きっとこのサスケは火遁業火滅却とかうちは火炎陣とか火遁系の技強化系進化サスケ+カカシ経由で雷遁も鍛えられた火遁と雷遁二刀流
先生であるカカシのことも呼び捨てで呼んでくる生意気ボーイなサスケだけど過去回想でシスイのことは「シスイさん」と呼んでいるシーンがあるので同族で尊敬出来ると判断した年上うちはに対してはちゃんと敬称つけてくれそうではある
それはそれとしてうちはに誇りありすぎて他一族の大人にはやっぱり生意気ボーイでカカシは呼び捨てだけど
でもイルカには先生つけているみたいなんであのクソ生意気な態度は本当に相手によるな
素直モードなサスケは普通に可愛い奴だね - 151二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 12:57:07
ゴガクがアスマと同世代なら、つまりオビトとも同世代なんだよね?
もし、既に触れられてたらすまないけど、どういう関係なんだろう
同い年の「マダラの再来」と「写輪眼を開眼できない落ちこぼれ」
オビトが凄え劣等感を感じてそう、、、 - 152二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 13:15:55
多分ゴガクはオビトのこと眼中にないっていうか興味ないんじゃなかろうか
アスマとは大親友だしガイとはそこそこ絡みあってカカシは同じ天才枠として比べられることあるからちょっとは意識しているけど別にオビトのことは好きとか嫌いとかどうも思ってないしそもそもアカデミー入学後に妹のクロキちゃん肺病発覚看病のためにアカデミー休みがちにコースだからアスマとか一部除いて同期の大半とはあんまり絡みもない
カカシの目がオビトの目なのもそのいきさつもカカシ本人とアスマ経由で知っているのでゴガクから見たオビトは同じうちは一族っていうだけの友達の友達……みたいな立ち位置なんじゃないかと
劣等感抱いてゴガクを意識しているのはおそらくオビトだけ同じ一族だからその差が余計に辛い
多分それでもリンは「大丈夫だよォ、オビトにはオビトの良さあるもの」とか励まして「そうだよな! ありがとうリン!!」ってお年寄りのお手伝い頑張りながら「オレは火影になる男だ」やってたんじゃねえかな
それでも恋敵ではないし同班でもないのでカカシほどは意識してはいなかったかと - 153二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 15:13:40
- 154二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 15:26:21
- 155二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 19:58:52
確かにそうだろうけど、アカデミー入学前だとうちはの集落で唯一(たぶん?)の同い年だし、なんか絡みがあっても面白そう
- 156二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 20:48:10
- 157二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 21:00:38
- 158二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 21:55:29
そんな設定あったな忘れてた…
マダラの身体があってもカグヤ戦を見る限り黒ゼツはマダラのような戦闘センスなさそうだし、そもそもうちは兄弟とか元マダラのゴカクがいる時点で十尾の人柱力まで辿り着くのがかなり苦しいな…
柱間はゴカクがいるし、黒ゼツの扉間への理解度はマダラほどないだろうし味方陣営の隙が原作ほどないんだよな… - 159二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 23:11:26
幻術を解き、サスケが眠りに落ちる姿を見届ける。その目元は兄の真意が分からぬ憔悴故か色濃く隈が刻まれており、碌に眠れていないのは明白だ。そういう意味では、病院に放り込まれたのは正解だったのだろう。
その顔立ちもそうだが、そういう直向きに兄を慕う姿がサスケは良くイズナに……前世のオレの弟によく似ている。
イタチがサスケを大切に想う気持ちはよく分かる。サスケは真っ直ぐだ。この真っ直ぐさがイタチには可愛くて仕方ないのだろう。
(イタチか……)
5年前の事を思い出す。
あの日、イタチは四代目の許可を取っている事を宣言してからオレに万華鏡を見せ、次の日に里を抜けたのだ。同族殺しのイタチという汚名を負って。当時イタチは四代目の直属である暗部だった。
そして暁という指名手配付きの抜け忍で構成された組織に所属し、その四代目が亡くなったと聞いてすぐに顔を見せたその理由が分からぬほどオレは耄碌しているつもりはない。
恐らく間違いなくイタチは『暁』に派遣されたスパイなのだろう。そして四代目に何かがあったときは、その任についている事をオレに開示する許可を取っていると、あれはそういう意味だ。
その証拠もある。
今朝の事だ。オレの鷹に一羽の烏がまとわりついていた。見間違えるわけがないイタチの烏だ。イタチの烏はオレの鷹の首元に嘴を押しつけていた。羽毛で隠れたそこを指で探ればあったのは密書だった。イタチによる暁の調査書だろうとあたりをつける。他には伝言も何もありゃしねェ。だがまあ間違いない、三代目に届けろということだろう。
それはオレなら一々言わなくてもわかるだろうというイタチの考えが透けて見えて、思わず苦笑した。全く世話の焼ける弟分だ、だがそういうところにイタチの信頼を感じ取り、可愛い奴だと思うのは兄貴分の欲目という奴だろう。
だから今朝オレは任務報告書に不備があったという体で三代目と向かい合い、何食わぬ顔でイタチに託された密書を報告書と共に提出した。
中身は見ていない。あいつも忍びで、オレも忍びだ。その信頼を裏切るつもりはない。 - 160二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 23:32:04
イタチとは10歳差だから一緒にフガクさんちで暮らしていたときのゴガクは10代前半だったからまだギリギリお兄さん枠でいけてたと思うけど(10代前半の少年がおじさん呼びされるとガチ凹みするだろうし)サスケとは15歳も離れているしサスケが物心ついた時には既にゴガクは生家に戻ってて一緒に住んでるわけでもなけりゃ成人近い年齢だからサスケにとってはお兄さん枠じゃなくて親戚のおじさん枠だと思う
ゴガクの心情的にもそんな感じじゃないかな
イタチは自分の弟分だけどサスケはイタチの弟判定ではあってもどっちかっていうと弟分というより感覚は甥っ子
あと気分は悪くするだろうけど前世は前世で現世は現世だしガチギレまではいかねえんじゃね?
死後の悪行や第四次忍界対戦起こした主犯に関してはこの世界では黒ゼツがマダラ騙ってやってる冤罪であっても生前やった抜け忍になって九尾と一緒に木の葉襲撃他は別に冤罪でもなんでもない事実なわけだし
とりあえず第四次忍界対戦を起こしたのはマダラでは無く黒ゼツですって証明さえすりゃゴガク的には十分じゃないかねえ
あー確かにガイは良い奴だからそんな感じになってそうだなあ
アカデミー欠席しがちになるほど妹の看病で忙しい人間に構わず勝負挑むほど無粋じゃないし家族愛エピとか好きそう
本家マダラの反応とか考えて見てもゴガクはガイに対してはわりと好感度高くなってそうではある
確かに誰にでも愛想振りまくタイプじゃねぇなゴガク
気を許した相手に対しては結構面倒見が良いし結構笑うしノリツッコミもこなせるが興味ない相手にはとことんないっていうか普通に無表情で淡々と対応してそう
- 161二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 00:18:25
ゴガクってイタチみたいに暗部に所属してたことあるんかな?元同僚ならカカシとまあまあ話すことにも違和感あんまりないし、カカシがわざわざ写輪眼のことをゴガクに話したのも暗部の任務関係だったら納得できるかも
- 162二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 00:28:04
今のゴガク内の優先順位ってアスマ·イタチ>フガク·ミコト·サスケ>ガイ·ヒナタ·キバ·シノ>カカシ·紅>シカマル·いの·チョウジ·ネジ·リー·テンテン
とかかな?10班はアスマの部下だから一応気をつけてて、3班はガイの部下ってことと合同訓練で多少縁ができたから他の下忍よりはきにしてるかな?って思いました。
それにしても、SSを読めば読むほどアスマがゴガクに対してパーフェクトコミュニケーションすぎる
- 163二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 08:31:07
五代目火影には綱手が就任した。
確か血液恐怖症を患っていたと聞いていたが、それも克服したらしい。
……オレが柱間の孫である綱手に向ける感情は複雑だ。
以前は綱手姫と呼ぶことに違和感などなかったが、マダラとしての記憶が蘇って以来どうも柱間の孫を相手に姫と呼ぶことに違和感があっていけねェ。そのうち慣れるだろうが、ゴガク個人としても逆恨みに近い感情を多少持ち合わせている相手だ。
綱手は医療忍術のスペシャリストだ。クロキが病に倒れたとき、この女が病院にいたのなら妹は……クロキは助かったんじゃ無いかと心のどこかで思っていたからだ。勿論、逆恨みなのは承知している。故にそんな悪感情を誰かに見せた覚えもないが、それでも感情というのは儘為らん物だ。それも割り切るしかないのだろうが。
火影として見るならば悪い選択でもないだろう。
途中サスケが大蛇丸の手のものに浚われかける事件もあったが、それも奪還に成功する。
サスケは浚われかけたという事実が堪えたのだろう。どれほどオレが手酷く扱いても文句一つ言わずについてくる。
とはいえ、オレはサスケの担当上忍ではなく、俺の担当下忍はシノ、ヒナタ、キバの三人だ。自分の担当下忍を疎かにしてまでサスケを優先させるわけにはいかねェ。
故にサスケに振れる時間は少ない、その少ない時間を使ってうちはの極意を叩き込むんだ、スパルタにもなるという奴だろう。それにサスケはスポンジが水を吸い込むようにうちはの秘伝を覚えていく。面白いと、気付けばニィと口角が上がる。アスマには「お前、凶悪な顔してんぞ。余所ではするなよ」等と言われたが、余計なお世話だ。オレとて流石に砂利共の前では自重する。
サスケの担当上忍はカカシだ。流石に他の師がついている相手を無断で鍛えるわけにはいかねェし、オレとサスケが親族なのは公然の事実だ。故に、サスケにはうちはの秘伝を叩き込むから時々借りると伝達すれば奴は「りょ~解、まゴガクなら大丈夫っしょ」と手をひらひら振りながら、ちゃらんぽらんな態度で了承した。
……あいつ、本当に変わったな。ガキの頃はツンケンした無愛想な砂利だったんだが。
まあ、いい。オレが鍛えていない時のサスケの師はカカシだが、カカシはどうやら雷遁を中心に伝授しているようだ。
四代目のガキは自来也に連れられ仙人修行に旅立ったとそう聞いた。
そして木の葉崩しから2年半ほどの月日が流れた。 - 164二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 08:50:32
この世界だとゴガクもカカシとアカデミー時代の同期だべよ
カカシはゴガクの親友であるアスマとも普通に仲の良い友人だしガイとはいわずももがなだし二人ともアカデミー時代天才と言われた同士だから意識する機会はそれなりにあったしで親しいって枕詞つかないだけで会ったら普通に話す程度には友人ではないかと
リンに同期でカカシの上忍祝い祝おうと誘われたら「おー、あいつもう上忍に昇格するのか、いいぞ」って付き合いでお祝いを用意する程度にはコミュ力あるよゴガクは多分
それに亡くなったオビトとは(別に親しくはなくても)同じうちは一族だったし任務から帰ってきて片目写輪眼になったカカシに「それひょっとしてオビトの眼か?」って尋ねたらカカシも「ああ、そうだ。これはオビトの眼だ」と肯定するくらいの仲ではあるんじゃないかと思うが
あー大体そんな感じっぽいよなわかる
あと多分紅・カカシの欄と同列あたりにガイとかつて同班だったエビスとかも入ってると思う
同期だけどシズネあたりは微妙かなあ
せいぜい顔見知り程度の距離感?
ゴガクはアカデミー妹の看病で忙しくて休みがちだったし卒業後もシズネはずっと綱手の側だったからゴガクとは接点ないし
アスマは大親友(スレ題)だからそりゃあ別格よ
- 165二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 09:49:38
再会は偶然だったと、言える。
いや、偶然では無かったのかも知れない、どちらでもいい。
どちらにせよ、オレの眼は誤魔化せん。
脳裏に20年以上前に亡くした妹の顔がよぎる。痛かっただろうに苦しかっただろうに、言ったらオレに心配をかけるからと、あまり泣き言を漏らす事の無かったクロキ。その体温が無くなるのをずっとつぶさに見ていた、感じていた。妹がかかった病の特徴をオレが知らない筈がない。同じ病にかかった人間をわからない筈がねェだろう!!
イタチ、お前は一体いつから……肺を病んでいた。
行動に移ったのはイタチが病に冒されていると看破と同時だ。
火遁・灰積焼の術をイタチの連れである霧隠れの怪人に向かって放ち、目眩ましをし、その隙に影分身を一体出して連れている部下と共に干柿鬼鮫と交戦に入り、オレは本体でもってイタチを浚いすぐさま木の葉に向けて駆けた。
流石にオレがそんな行動に出るとはイタチにとっても想定外だったのだろう、珍しくも驚いたように目を見開く従甥に有無を言わさず幻術空間に連れ込んで「何故言わなかった!」と怒鳴りつけた。
「放して下さい! 何故を聞きたいのはこちらだ、貴方はわかっていると思っていた!」
イタチとしては自分の任務を邪魔されたという認識なのだろう、眉間に皺を寄せそう怒鳴り返す。感情を露わにすることが少ないイタチとしては珍しい事だった。だが、話が噛み合っていない。オレが怒っているのは病を隠したことだ。
「ああ、そうだ、お前の任務はわかっている、見守るつもりだったさ! だが、お前が病に侵されてるってなら話は別だ!! 例えお前が嫌がろうが泣き叫ぼうがオレはお前を連れ帰る!!」
そこでイタチは驚いたように眼を見開く。
「……どうして」
まさか一目で病を看過されるとは思っていなかったのだろう、イタチは珍しく動揺していた。
「呼吸音、チャクラの減少……オレはお前の病の、その症状をよく知っている。誰よりもよく……」
そうして現実でもそうしているように、幻術空間の中でもイタチの体を抱きしめる。
(嗚呼……痩せちまってるな)
忍びとして理想的な体付きをしていた筈なのに、痩せて肉付きが落ちている。泣きたいくらいにその事が苦しい。前世の弟イズナの最期と、現世の妹クロキの最期の姿が、イタチに重なる。
失うのではないかという恐怖で、目眩がしそうだ。
「オレには二人の兄と二人の妹がいた」 - 166二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 18:31:00
思えば、イタチに前の家族について語るのはこれが初めてだ。
「下の妹は死産だった。そしてその三日後には母も死んだ。酷い難産でな……おまけに産まれた子は最初から死んでた、その心労が重なったのだろう。母は呆気なく亡くなったよ」
今でも母の死に顔はよく覚えている。
「臨終に立ち会ったのは当時1歳の上の妹とオレだ。母は上の妹を頼むと、守ってあげてと最期にそうオレに願い、それをオレは了承した。だが、その約束は果たせなかった、その二年後妹は……クロキは肺の病を患ったからだ」
そのオレの言葉にピクリと、イタチは何かに気付いたように反応した。
「当時里は戦争に向かっていた。お前もよく知ってる第三次忍界大戦だ。アカデミー生でもねェガキの順位なんて現役の忍びの命に比べりゃとても低い。薬こそ出されていたが基本は自宅療養だ、妹の治療は後回しにされた。兄達はその時には既に忍びとして働いていたから早々休めはしねェ。家族で一番時間があるのはオレだ。オレはアカデミーを休みがちになりながらも妹の看病を続けたよ」
苦しそうに咳き込み、血を吐く妹に何もしてやれなかった無力感は今でも苦い思い出だ。
「段々弱って、おかしな呼吸になって、血を吐いて、そのうち布団から出られなくなって、だがオレには何も出来なかった……! 苦しむ妹を抱きしめてやることしかオレには出来なかった! 病が発覚して一年後だ、妹はポックリと逝ったよ。オレの腕の中で、段々体が冷たくなって、息が止まって! 衰弱していく体をどうしてやることも出来なくて……オレは無力だった」
気付けば知らず震えていた。弟分を抱きしめ、その呼吸や脈を感じる。健康体ではない証のようなおかしなリズム。このリズムをよく知っていた。
「オレがわからねェわけがねえだろが! お前はあいつと、クロキと同じ病にかかっている。この呼吸は、脈の打ち方はあいつと同じだ!!」
「……」
「お前が病に冒されていると知ったら五代目とて任務を中止させ、帰還させた事を認めてくれるさ。いいや、何が何でもオレが認めさせてやる。だから帰るぞ、イタチ。五代目は医療忍術のスペシャリストだ、今ならまだ間に合うかも知れねえんだ」
「ですが……っ」
それでも自分に与えられた任務とオレの告白の間で苦悩しているのだろう、イタチは葛藤しているように眉に皺を寄せる。
オレは一端幻術を解き、真っ正面からイタチに向かい合う。 - 167二次元好きの匿名さん23/03/02(木) 18:56:11
「なぁイタチ、オレに再び家族を与えてくれたのはお前なんだぜ?」
「え?」
イタチはそんな事を言われると思っていなかったのか、オレの言葉に呆けたような顔をした。
「第三次忍界大戦で敵の策略にかかり、オレは兄達と父を一斉に亡くし、オレだけが一人生き残った。万華鏡写輪眼を開眼してな。……まあこの辺の経緯はお前もよく知っているかもしれんがな。そしてお前と、お前の家族に迎え入れられた。小さかったお前はまるで自分が傷付けられたかのように痛そうな顔をして、『大丈夫?』とオレの手を握った。それを見てフガクは『一緒に暮らさないか』とオレを誘ったんだ」
あの時代孤児なんて珍しいことじゃない。どこの家庭とてそこまで余裕があるわけでもない、例え親族としても孤児を……それも既に忍びとして働いている相手を引き取ることは珍しい事だった。
「オレは嬉しかったよ。お前に『ゴガクにいさん』って呼ばれて、妹がまだ元気だったあの頃を思い出した。ああ、そうだ、オレにはまだ守るべき家族が残っているんだってそう思った。お前がオレに家族を再び与えてくれたんだ」
こうして話している今もオレの影分身は部下を引き連れ霧隠れの怪人相手に戦闘を続けている。
悠長にしている暇はないと、イタチを腕に抱き上げ駆けながら話を続ける。イタチは存外大人しかった。オレの話に真摯に耳を傾けている……やはり、お前は優しい奴だよイタチ。
「だから、頼むイタチ……オレからもう家族を奪わないでくれ。オレはもう家族の死に顔なんて見たくねェんだ。オレのために生きることが出来ねェんならサスケの為でいい。あいつは今でもお前を信じている。お前との再会を夢見て、ずっと直向きに努力し続けているんだ。お前も兄ならサスケから兄を取り上げてやるな」
「ゴガク兄さん……」
「ハハッ、久しぶりにそう呼んでくれたな」
オレはイタチの真っ直ぐな髪を撫でる。それにつられたようにイタチも薄ら口元に微笑を浮かべる。
次いで、咳き込む。
「げほ、ごほ……ごほ」
ぽたりとイタチの指の間から赤黒い血が伝う。体温は低く呼吸がおかしい。もう成人しているのに、背丈はオレとそう変わらないのに、その体は軽かった。
「……飛ばすぞ、死ぬなよイタチ」 - 168二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 00:38:13
結論を言えば、イタチの指名手配取り下げと木の葉への復帰は思った以上にトントン拍子に進んだ。
そもいつか里にイタチが帰ってきた時の事を考えて四代目は用意していたのだろう、イタチが殺害し指名手配される切っ掛けとなったうちはのタカ派達の里転覆計画の証拠書類などが白日に晒され、一転しイタチは犯罪者から英雄となった。
……事実そんな書類が残されていたかは怪しいが、奴等がその地位に不満を抱き過激な手段を検討していた事自体は本当だ。四代目としては奴等の動きは看過出来ないところまで進んでいた、ということだろう。
五代目はイタチを一目見るなりその病状を看破し、その時はまだ指名手配を取り下げられておらず犯罪者扱いだった為一端匿名で特別治療室にイタチの身柄を移し、主治医としてイタチの治療に携わった。
「危ないところだったな。あと少しでも症状が進んでいたら治療は間に合わないところだっただろう。勝手な行動は褒められたものじゃないが、敢えて言おう、よくやったなゴガク!」
そんな風に機嫌良くニィと五代目は笑いながらオレの背を叩いた。
そうしてイタチの指名手配取り消しと前後してイタチは木ノ葉病院を退院し、週に1度の検診を義務づけられると共に自宅療養に切り替えられることとなった。
「兄さん!」
「イタチ……」
「イタチ」
サスケにフガク、ミコトの親子三人が退院したイタチと対面する。この三人が揃ってイタチと会うのはこれが8年ぶりだ。フガクはぐっと唇を噛みしめ、それから万感の思いを込めて言った。
「よく、帰ってきた」
「……父さん」
ミコトは背こそ伸びたものの病のせいで不健康に痩せた息子に一瞬痛ましそうに眼を細めたものの、それでも精一杯の笑顔を浮かべて「お帰りなさい、イタチ」と息子の帰還を言祝いだ。
サスケは最初複雑そうな顔をしていた。帰ってきてくれたのは嬉しいが、その原因が病であったことはサスケにとっても苦い事実だったのだろう。それでもサスケは幼い頃のように兄の服を掴み、「おかえり、兄さん」とイタチに言った。それにイタチは仕方なさそうな笑みを浮かべて、弟の後頭部を引き寄せ、コツン。額と額を重ねて「ああ……ただいま、サスケ」とそう告げて、感極まったサスケはそのままイタチに抱きつき、それまでの想いを吐き出すように泣いた。
(良かったな、サスケ)
オレはそんな一家の様子を病院の上から見下ろしながら、笑った。 - 169二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 09:53:09
ところでこのスレで一度も話題に出てないからよくわからんのだがこの世界のペイン長門による木の葉襲撃ってどんな感じになるんだろ?
あんまりゴガクが活躍しすぎるとナルトの成長イベントや長門との和解絆イベントも消えちまうし
この世界では折角うちは警務部隊が一部のタカ派を除き生き残っているわけだし
ゴガクはスサノオで木の葉の住人を守る立ち回りペイン一体撃破
フガクさん率いる木の葉警務部隊総出でペイン一体撃破し住民の救助避難に陣頭指揮をとるとかそんな感じでいいんだろうか?
当然のように数人くらい犠牲になるけど長門イベントで無事生き返る的な
イタチも療養の身推して参戦してサスケとツーマンセルでペイン一体仕留めるとかどうかな? - 170二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 11:35:47
- 171二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 13:02:08
- 172二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 15:40:27
- 173二次元好きの匿名さん23/03/03(金) 23:53:59
ところで今手元に原作一部の巻しかねえんでわからねえんだけどアスマ達による不死コンビ戦とトビが暁に登場してデイダラの相方としてカカシとかと戦うイベントって時系列的にどっちが先だっけ?(SS書いてる人)
あと自分はマダラの知識あるゴガクならトビ=オビト気付くんじゃねえかなって思ってるんだがどう思う?
理由としてはまずゴガクは写輪眼について恐らくどのうちはよりも詳しいわけでトビ見て神威発動してるの見たらカカシの眼の対だと気付きそうだなと思ったのと柱間のチャクラ感知して柱間ァフルフルニィする人の生まれ変わりだしオビトの半身が柱間細胞なことに知識と経験的にゴガクは気付いちまうんじゃねえかなって
あと単純にオビトに思い入れないが同期だったからある程度オビトのことも知っている分客観的に見れて洞察力から骨格とかからして同じくらいの年齢だしあれ写輪眼だろ写輪眼をうちは以外の人間が使う場合負担が大きいしどう見てもあれ馴染んでいるしその年齢の人間で行方が不明かつ死体が出てこない条件から考えて該当するのオビトじゃね?って突き止めそうな気がするんですよね
なにせ本家マダラが結構その辺めざといというか普通に知能指数は高いから - 174二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 10:36:37
イタチは自分が知りうる暁の情報について全てを五代目に託したようだ。
オレは親族で里の上忍とはいえ暗部でもなんでもねェからな。全ての情報を開示されたわけじゃねェ。とりあえず暁の目的は尾獣の収集であること、暁はツーマンセルで行動すること、それと暁構成員の戦い方などについてイタチが知っている情報は纏めて里の上忍以上に周知されたから、オレが知りうるのもそこまでの情報だ。
そして暁の情報をイタチが里に知らせた、指名手配が取り消されたということは暁にとってイタチは裏切り者であると知られたも同然でもある。
暁は裏切り者を許さないという。組織としちゃ当然の行いではあるが、故にイタチには刺客を送られる可能性が高い。寧ろそれが自然だ。
それでも本来イタチの実力であれば返り討ちにすることは難しいことではないのだろうが……今のアイツは病身で、万華鏡写輪眼行使による視力の低下も抱えている。万が一を考えれば里の功労者をそのまま放置するというのは無い選択だ。
故に自宅療養を五代目に言い渡されたイタチだが、そのまま放置でもなく、木ノ葉警務部隊からスリーマンセル3交代で精鋭がイタチの警護につくことになった。
それを知ったサスケは自分もイタチの警護につく! と警務部隊に所属もしてねェのに我が儘を言い出したわけだが、「お前の父親を信じてやれ」と諭すと、不満そうにしながらも渋々了承した。そんな風にむくれる姿が前世の弟を彷彿させてオレはおかしくてつい笑った。
そしてオレの率いる第八班と、それからガイの第三班に五代目火影からの任を言い渡される。
「ゴガク班に暁の追跡調査を、ガイ班にゴガク班の追跡任務の補助と護衛を命ずる」
「ハッ、ゴガク班はこれより暁の追跡任務につきます」
四代目の砂利が自来也と共に木の葉に帰還し、風影が浚われた情報が入るなりカカシ班総出で奪還任務についたのはつい一週間ほど前の事だ。
犯人はあの赤砂のサソリとデイダラとかいう砂利のツーマンセルだったそうで、既に一尾は奪われていたという。尾獣を抜かれた人柱力は死ぬのが定石だ。だが、風影は砂のチヨの己生転生とかいう忍術で生き返ったのだという。
そして春野サクラとチヨによってサソリも仕留められたのだそうだ。
……暁の目的は尾獣、な。あんなことを考えるのは前世のオレぐらいだと思ってたんだが……まさか十尾の人柱力になるのが目的じゃねェだろうな……? - 175二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 11:07:30
- 176二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 13:48:09
元守護忍十二士の地陸が暁に殺害された。
守護忍十二士は元は大名を守護するために集められた実力派で構成された組織だった。とはいえ当時のリーダーが画策したクーデターにより取り潰しになり、生き残った地陸も高額賞金首にされたという顛末なんだが。
イタチ曰く、角都は守銭奴とのことから、賞金目当ての犯行だろうとの事だ。
一時はアスマも守護忍十二士の誘いにかけられたこともある縁からか、亡くなったその忍僧とはそれなりに親しくしていたらしい。
その縁から角都・飛段戦に小隊長として乗り込もうとしたが、オレはそれに待ったをかけた。
「駄目だ、オレが行く」
それにアスマは当然抗議の声を上げるが、オレはジトリと半目で睨みながら「お前あんな状態の紅を置いていくつもりか?」と指摘すれば、苦虫を噛みしめたような表情を浮かべ沈黙する。
そう、紅は今子供を身籠もっていた。アスマの子供をだ。
暁の構成員の実力はそんじょそこらの忍より上だ。それは風影をあっさり仕留めた事やイタチからの情報からも疑いない事実だ。加えてマダラの記憶で角都とやらの顔にオレは覚えがあった。
確か柱間を暗殺するために派遣された忍びがこんな顔だったか……前世のオレと同年代だったと思うがまだ現役とは驚きだ。この年で未だ現役な事を考えても、そんじょそこらの忍びじゃ返り討ちがオチだろう。
オレとて別段アスマの実力を信頼してないわけじゃねェんだが、それでもアスマに万が一があれば赤子は父無し子として育つことになる、それは嫌だ。
オレはアスマに幸せになって欲しいのだ。アスマが妻子と幸せに暮らす未来はオレの望みでもある。
だからオレは殊更余裕そうに不適に笑みを浮かべて、安心させるように言ってやった。
「シカマルは俺に任せて、お前は紅についててやれよ。暁なんて雑魚どもは俺が倒してきてやるさ」
そんなオレにアスマは何度か葛藤するが、それでも紅のことが心配なのも本当だったのだろう、「ったく、お前には敵わねえな」そう吐き出して頭をガリガリかき、それから俺の肩に手を置き真剣な眼で見て言った。
「お前なら何の心配もいらねえだろうが、ゴガク、やるからには徹底的に勝てよ」
「たりめェだ」
そう拳を交わし、五代目に小隊長変更の許可を取り、オレはオレの班員やアスマのとこの砂利共を引き連れて暁討伐に向かった。
尚、余裕で討伐した事をここに追記する。 - 177二次元好きの匿名さん23/03/04(土) 14:30:27
思ったんだがマダラの転生体であるゴガクってかなりの実力者上澄みだろうし「写輪眼のカカシ」や「瞬身のシスイ」に「木の葉の黄色い閃光」みたいに二つ名つけられてそうな気がするんだがどんな二つ名が合うだろ
自分は「獄炎のゴガク」とかどうかなって思うんだが大規模火遁の使い手っぽくね?
おーなるほど
そこから戦争編でイタチ・ビー・ナルトの三人で原作通り穢土転長門をなんとかして長門にカブトの場所を聞いて「オレが穢土転生止めてくる」って飛び出して途中でサスケと合流しうちは兄弟ツーマンセルで片目犠牲にしてカブトにイザナミするんだな
……うん死んでない生存してる以外は戦争編での役回り原作通りだなイタチ
- 178二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 00:47:56
戦争編で>>79の???乱舞してるゴガク見たいなと思ったので描いてみた
- 179二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 09:49:14
暁により木の葉が襲われている。
その情報がイタチの烏を通してオレの元に入ってきたのは、第三班と共にかねてから五代目に命じられていた暁への追跡調査任務を行っているまさにその最中だった。
カカシ班により暁の構成員であるデイダラが死亡。仕留めたのはサスケだったそうだ。その後カカシ班はトビとかいう仮面の男と交戦したが逃げられた、相手の素性はわからなかった、ということだった。
……イタチに知らされたリストにはいない相手であることを考えれば、おそらく補充された要員なのだろうがイタチは心当たりはあるらしく五代目と目配せをしていた。まあ、五代目が把握しているというのならいいのだろう。
そして残るメンバーを突き止めるため、奴等の基地を一つ洗っていた所だったんだが……先を越されたというわけか。
「急ぎ、木ノ葉に戻るぞ!」
そう号令をかけて里に戻る。幸いにも忍びの足で駆ければ一刻もせずに帰郷出来る。
そうやって戻ってきた故郷で相次ぐ、悲鳴と倒壊。見ればフガクが木ノ葉警務部隊を率いて市民の避難誘導と救助を指揮している。
「今こそ我ら木ノ葉警務部隊の誇りを見せる時だ!」
「おお~!!」
士気は高い。元々うちはは誇り高くエリートだという自負がある、それが今は良い方向に働いているのだろう、幹部は里を暴れ回るペインとやらと数人がかりで立ち回りながら一般人の庇護に努めている。本来の職務を果たすために。
それを見て、オレもまた班員に号令をかける。
「キバ!」
「おう!」
「ヒナタ」
「……はい!」
「シノ」
「……ああ」
「オレ達も今より警務部隊と協力し避難民の救助活動に入る! 避難誘導は警務部隊に任せ、一人でも多くの住人を救え!! お前達にはオレの鷹をつける、何かあればそれで連絡しろ、今こそその能力を活かせ! 散!!」
かつてオレがうちはマダラという名であった時、この里を襲ったのはオレだった。
理由はあった。柱間の細胞を手に入れる為だ。それにどうせ夢の世界に辿り着けば全ての苦悩から開放されるのだ、途中で何人死のうと最早あの時のオレにとって心動かされる理由も無かった。
だが、今のオレにとっては、うちはゴガクにとっては違う。
ここはオレの故郷だ。 - 180二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 10:57:58
あっでもこのスレでのサスケの万華鏡どうやって開眼するんだろう···
それこそ、ペイン襲来時に本調子でなかったからイタチが目の前で死んだ位の衝撃がなかったら開眼せんような気がするんですけど···数年ごしにやっと戻ってきた兄を失ったら自分で殺したんじゃなくても大分ダメージ入りそう。原作より大分開眼が遅れるけど、そのかわりにイタチやゴガクっていう万華鏡写輪眼の師匠がいてるし、イタチが永満のこと知ってたからお互いに交換しても良い。ただ、この時にイタチだったらゴガクも一緒に交換しないかって提案しそうだなと思った。 - 181二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 11:05:52
忍界大戦の時、イタチやゴガクならサスケみたいに無限月詠をスサノオでガードしてそうだけど配置された場所によってはカグヤ戦は参加出来ないかな?イタチはカブトの所でサスケに会った後はずっとサスケと行動を共にしてそうだけど、ゴガクはどうだろう?
合流しても出来なくてもストーリー作れそう。合流出来たら原作に+イタチとゴガクで出来なかったらナルト達が帰ってくるまで柱間と今の自分が木の葉隠れの里をどう思っているのか語って、あの時話してた夢の通りの里になったな。みたいな話やハゴロモに息子達の因縁の巻き添えをくったことに関してのクレームを是非いれてほしいなと思いました - 182二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 11:28:38
えーとつまりペイン襲撃の際に1度イタチがサスケを庇って目の前で死亡してそれを見てサスケが万華鏡開眼してその後長門の外道輪廻天生の術でイタチが蘇るってこと?
弱った体で無理をしてスサノオを使ったのが決定打になるとか?
確かにそれだとイタチ生存とサスケの万華鏡開眼イベント両方こなせるな……イタチの死を知ったらゴガクが暴走してそのまま長門ぶち殺しにいきそうだからナルトによる長門との和解&外道輪廻天生の術イベント発生しなくなるのでゴガクの知らないところでその辺の話進行しないと駄目そうだけど
永遠の万華鏡写輪眼についてはイタチの原作で語った奪い合いの歴史的にファンが言うようにおめめ交換したら永万になる! なんて可能性は限りなく低い代物なのではないかな……
それで永万になれるんならそもそも奪い合う理由なんてないし情が深いのがうちはの特徴だというんなら試した人一組ぐらいはいたんじゃないかなと思うけどお互いの眼を交換すればOKみたいな文脈は原作では一切見受けられないし
- 183二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 14:15:38
オレはこの里で育ち、掛け替えのない友と出会い、最初の家族を失い、新たな家族を手に入れた。
ここはあまりにも、オレの守りたいものが多すぎる。
夢の世界になんていかずとも、オレの望んだものはここにある。
だからもうオレは無限月読の夢を見ない。
強くなりたい。前世のオレよりも、更にもっと強く柱間の背を追い抜かせる程に。それは何のために?
決まっている。守るためだ。オレは木ノ葉を、オレの故郷を、大切な人たちが帰る場所を守るために強くなる。そうあろうと今まで努力してきた。
チャクラで作られた青い巨人が木ノ葉に舞い降りる。
スサノオ。万華鏡写輪眼を開眼した極一部のうちはにしか許されぬ絶対防御。かつてオレがうちはマダラであった時、恐怖の象徴でもあったそれを、今度は力なき人々を守るために使う。
「この里はオレが守る……!オレは、木ノ葉のうちはゴガクだ!!」
* * *
「……許せ、サスケ」
ぬるりと赤い血が舞う。兄が倒れると同時に消えていく赤い巨人。伸ばされた手と、光の宿っていない黒い眼。
「に、いさん……?」
病んだ体で、スサノオと呼ばれる巨人を酷使して、サスケを庇い吐血し倒れた兄の顔は、まるで血が通っていないように白くて、握った手は酷く冷えていた。
「おい、おい、嘘だろ、兄さん、なぁ冗談はやめろよ……イタチ」
兄は、漸く8年ぶりに故郷に帰ってきたのに、やっとまた会えたのに、弟を庇いその命を落とした。
兄はもう言葉を返さない、彼は既に事切れていた。
「あ……あああァァ~~~!!」
少年の慟哭が響く、その憎悪と絶望を呼び水に少年の……サスケの万華鏡写輪眼が開眼した。
……って事があったらしい。暁による木ノ葉襲撃事件が終わった後にカカシらを通してオレが聞いた話だ。 - 184二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 18:18:39
- 185二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 20:47:20
そもそもこのスレだったら誰が火影達を穢土転さすんだろう?
大蛇丸が鷹メンバーを助手にして、サスケがした問答みたいにうちはマダラについて聞くとかかな?サスケ里抜けイベントが発生してないからワンチャン大蛇丸がまだ生きてる可能性ありますよね?
それか、巻物を連合のメンバーが見つけていて、強敵の穢土転に対抗するためにあえて穢土転させた?? - 186二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 22:36:56
- 187二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 23:12:31
結果論を言うなら、最中に判明しなくて良かったと言える。
もしも渦中に判明していたなら、オレは何があろうともそのペインを操っていた長門とやらをぶち殺していただろうし、その場合イタチがこうしてモグモグと幸せそうな顔をして、暢気に団子に舌鼓を打つ未来も消えていた事だろう。
そう暁による木ノ葉襲撃だが、犯人はかつて自来也の弟子だった長門という男だそうだ。奴は世界に恐怖を植え付けることにより平和の実現を望みとしていたとか……なんだか誰かさんを思わせる話だな、主に前世のオレだが。そして奴は輪廻眼の持ち主だったそうだ。
(輪廻眼……ね)
前世のオレマダラが無限月読達成のために求めたものだ。うちはの石碑から読み解くに、輪廻眼は千手とうちはの力が合わさったときに手に入るだろう、という事でオレは柱間の細胞を手に入れようとしたわけだが……気になるのはその長門とやらが千手でもうちはでもないという点だ。
(キナ臭ェな……)
どうも前世のオレが目指している物に近いことをしようと動いている誰かがいるような気がしてならねェが、まあそれはひとまず置いておこう。前途の理由で木ノ葉を襲撃した長門の居場所を突き止めたのは四代目の砂利……ナルトだった。そして奴はどうもその長門とやらを説得しちまったらしい。
その後改心した長門は輪廻天生の術とやらを行使し、自分の命と引き換えに死んだ里人……イタチも含む、を全て蘇らせたのだとか。いや、ペインとの戦いで急に死んだ筈の警務部隊の奴が生き返ったから何事かと思ったぜ。
そうして蘇ったイタチだが、本人曰く「以前より調子良いです」との事で、まあ実際顔色は良くなっている。
そこでまあ祝い代わりにイタチがいない間にオープンした茶屋の団子を土産に訪れたわけだが、実に幸せそうだ。まあ甘味処巡りが趣味だもんなお前。
イタチの皿が空になる。オレの手つかずの草餅が乗った皿に物欲しげな視線が降り注ぐ。
「……食うか?」
嬉しそうに微笑むイタチ。しかしそこに待ったの声がかかった。
「こら、イタチ。それ以上間食しない! 御夕飯が入らなくなるでしょ!」
そういって登場したこの家の女主人は半目でベシンと頭を叩き、息子を叱りつける。イタチはしょんぼりとした。
とりあえずオレがフォローをいれようとすれば、キッと彼女はオレを睨み言った。
「ゴガクくんもイタチを甘やかさない!」
……やべえ、飛び火した。 - 188二次元好きの匿名さん23/03/05(日) 23:39:59
そこは普通に大蛇丸で良くね?
たとえ里抜けイベントなかったとしてもサスケに執心な大蛇丸がちょっかいかけないわけがないし
ゴガク仕込みの大規模火遁で一端大蛇丸を滅したあとカブトの結末を見た大蛇丸の心変わりイベント発生しアンコの呪印からやっぱり大蛇丸復帰→サスケくんの先に興味があるの→マダラのことについて歴代火影達に話聞きたい→いいわよ私の腕もそろそろ使えるようになりたいしついでだもの
みたいな感じで死神の封印といて適当にゲットした白ゼツさんで火影穢土転みたいな感じでよくね?
いやあでもカブト戦の時にイザナミ発動したらどっちみちイタチは片目失明しちまうから「足手まといになるからおいてけ」って言い出しそうな気はするんだがな
サスケは渋るけど安全な後方に行く事と引き換えに認めそうな気もするし……ていうかオビトやマダラは柱間細胞あるから気軽に眼付け替えしてるけどそうでなかったら医療忍術使える奴の協力がないと眼の交換はどっちみち出来んのでは……???
- 189二次元好きの匿名さん23/03/06(月) 08:50:35
このレスは削除されています
- 190二次元好きの匿名さん23/03/06(月) 08:54:35
長門による木ノ葉襲撃事件は幕を閉じたが、まだ問題は解決しちゃいない。
謎の仮面の男など未だ人柱力が狙われている現状が変わらんことを思えば、やはり他の思惑で動いている奴もいたんだろう。
途中イタチとツーマンセルを組んでた霧隠れの怪人をガイが仕留めたり……正確には情報漏洩しないよう自害したらしいが、色々あったが五影会談中に仮面の男により「第四次忍界対戦」の宣言が行われたらしい。
イタチは病が完治したわけではないが、随分と体の具合は良くなったようだ。とはいえ、病み上がりの人間に変わりはねェし、あいつの実力を放置しているのも勿体ないとの思惑から、ガイやアオバと共に八尾の人柱力とうずまきナルトの護衛任務につくことになった。
オレはといえば、忍び連合軍とやらを結成する決定が下された木ノ葉隠れの里の上忍の集まりに出て、「犯人はうちはマダラらしいぞ」「オレ達が勝つぞー!!」と盛り上がっている渦中にいるわけで、周囲にあわせて適当に「おおー」って拳を上げたりしているんだが……意味が分からなさすぎて正直混乱中だ。
(??? は? え? 犯人はうちはマダラ? いやオレは死んだ筈だが、どうなってんだこりゃ)
うちはマダラとは前世のオレである。
間違いなく、マダラは終末の谷の戦いと言われているあの戦いで柱間に後ろから刺されて死んだ、筈だ。
あの時オレは口の中に柱間の肉を加えて、イザナギを発動してその死をなかったことにして地下に潜伏、それから輪廻眼を開眼して尾獣を集め十尾の人柱力となり無限月読を発動し、世界中の人々を理想の夢の世界に引き込んで平和を実現させる、そういう予定だった。だが、オレはイザナギに失敗しそのまま死んだのだ。
やっている事だけ見たら成程、その「うちはマダラ」と名乗る男がしようとしているのは前世のオレがやろうとしているそれだろう……わざわざ第四次忍界大戦の狼煙を上げる意味はわからんが。しかし、オレじゃない一体そいつは誰なのか。
かくて第四次忍界大戦は幕を開けた。 - 191二次元好きの匿名さん23/03/06(月) 15:32:26
敵の大半は穢土転生で蘇った各国の忍び達だ。扉間が使ってた用途とは別の方向に特化しており、まあ凡百の忍びからすりゃ厄介な事この上ない代物なんだろう。敵の首魁は例の仮面男とうちはマダラを名乗る男。
そうしてカカシ達と一緒に配置についた結果、遂に例のうちは装束を着た仮面男と相対したわけだが……。
(あいつ、オビトじゃね?)
オレはついカカシの方に視線を向ける。次いで仮面男。
トビとか名乗ってた仮面男は骨格といい肉の付き方といい、年齢的にはオレ達と同世代ぐらいだろう。そして間違いなく、あれはうちはの忍びだ。何せ写輪眼が馴染んでる。
カカシを見ればわかるが、うちは以外の忍びが写輪眼を使うにはとんでもない負担がかかるもんだが、あいつにはそういう違和感がない。そして写輪眼ってのは一対で真価を発揮するわけだが……ありゃオレが見るところカカシの眼と同質のものだ。チャクラがよく似ている。そしてオレ達くらいの年齢で死体が確認されていないうちはの忍び等うちはオビトくらいのものだ。
オレが知ってたオビトのチャクラとはまるで別人レベルで変質してるが……あいつの右半身からはよく知る懐かしい奴のチャクラと似たような気配が漂っている。
(柱間ァ……)
カカシは言っていた。オビトは岩に潰されたのだと。
なら、潰された半身を柱間細胞で補っていたとしたら? 恐らくオビトは生き延びていたということなんじゃねェのか。利用されているのか自主的なのかはわからんがありゃ高確率でうちはオビトだ。
カカシは何も気付いていないように口上を続けているが……。
(いや気付いてやれよ!)
親友自称するなら気付けよ、お前!
大体お前昔はオビトに突っかかられては突き放してたくせに、なんでいきなりある日『親友』認定になったんだよ。眼を貰ったからか? わけわかんねェ、お前一体いつオビトと親友っていうほど仲良くなってたんだよ。どっちかっていうとお前の親友どう見てもガイだったろ! 親友名乗るなら分かれ!!
推定オビトは前世のオレみたいなことを語りながら、昔のカカシみたいな態度を取っている。
オレはしょっぱい気持ちになった。 - 192二次元好きの匿名さん23/03/06(月) 20:02:21
「おい……オビト」
「は?」
カカシとガイはぎょっとした顔でオレの顔を見る。仮面男は「……何のことだ」と取り繕うが微妙に間が空いた動揺を見逃すほどオレの眼は節穴じゃねェ。
「いやお前オビトだろ」
「……オレは何者でもないのさ」
誤魔化すの下手くそか!
まあいい……これでも同期の好だ、これ以上突っついてやるのは勘弁してやろう。
それにしても時空間忍術系の万華鏡写輪眼とはまたレアなものを開眼したものだ。とはいえ、ここに対となる眼を持つカカシもいるのだから攻略法はなくもないのだが……仮面男の正体がオビトだと判明するなり使い物にならなくなったのはどうしてくれよう。
先ほど、イタチからは穢土転生を解呪したとの知らせが来た。
ということはあちらで五影相手に戦っている前世のオレを名乗る男は、穢土転生体ではないことは明白だ。まあそれはわかっていたことだ。縛るべきマダラの魂はここにオレうちはゴガクとしてあるのだから、同じ魂が二つ同時に存在するということは有り得ない事だろう。
姿も能力も成程そいつはマダラを名乗るだけあり一見前世のオレと酷似して見える。だが、アレは何者かは知らんが偽者だ。まず戦闘センスもなく、基礎能力の高さで誤魔化しているだけでオレを名乗るには見るに耐えん醜さだ。
(気に食わんな……)
そう思ってた時だった、突如とんでもなく身に覚えのあるチャクラを木ノ葉の方から感知したのは。
「ラ~……!」
「ゲッ」
穢土転生体だがこのオレが見間違える筈がねェ! あの間抜けな笑顔に黒い髪、膨大なチャクラ。
「マダラ~!!」
(は……柱間ァ~~~!?)
第四次忍界大戦に忍びの神にして初代火影……そして前世のオレにとって友でもあり仇敵でもあった男、柱間が何故か参戦した。 - 193二次元好きの匿名さん23/03/06(月) 20:42:55
「マダラ会いたかったんぞ~!! ……ぬ? 誰ぞ」
生前殺し合いをして終わったことなど忘れたように登場した阿呆は、しかし偽のオレの前でそのクソ高ェテンションをスンっと下げた。
「マダラの姿をしておるが、マダラではないな」
「……何を馬鹿なことを、オレがうちはマダラだ」
柱間にアッサリ看破されながらもそれでも誤魔化そうとする偽マダラだったが、その行いはそこの馬鹿の逆鱗に振れるだけだ。
「黙れ、それ以上マダラの名を愚弄する事は許さぬ」
ズンと重いほどの殺気とチャクラ圧が周囲一帯に放たれる。それにもう誤魔化せぬと思ったのだろう、偽のオレはオレの体からその黒い不気味な姿を滲ませ「チッ」と舌打ちをした。
そして次の刹那、何かに気付いたように柱間はオレのいる方角に振り返り、パァァと破顔し駆けた。
タンと一駆けで走りより、奴は満面の笑みを浮かべて、「マダラ会いたかったんぞ!」とオレに向かって再会の抱擁をせんとばかりに両腕を広げる。って、させるか!!
「てめえ空気読め柱間ァ!!」
オレはそのまま柱間を蹴りとばさんばかりに足を振り上げるが、奴は子供の頃オレと会う度そうしていたようにそのまま懐かしそうな顔をしてそれをいなし拳をいれる。そのままオレもソレを捌き、バク転をして距離を取る。じゃれ合いのような体術の応酬。
「マダラ、久しぶりだの! なんだ髪を切ったのか? 短いのも似合っとるぞ子供の頃みたいだな」
ニコニコと柱間は悪びれる素振りも見せずに言う。
「うるせぇ! てめェなんか知るかぁ!」
「ひどいんぞ! オレ達は友であろう?」
柱間が何か言ってるが知らん!
「いいか、オレの親友はア・ス・マだ!!」
そう宣言すると柱間はガーンとショックを受けてズゥ~ンと落ち込んだ。
「まだその落ち込み癖あんのかよ! うぜェ!」
そこまで言ってはたと気付いた。周囲から注がれる痛いくらいの視線。アスマが代表するように「ゴガク? お前どういうことだ?」と動揺するように言葉を放つ。オレの背にタラタラと冷や汗が流れ落ちる。
ヤベエ、どうしよ。 - 194二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 02:06:44
- 195二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 05:23:01
悩んだのは一秒ほどだ。だが今更隠した所でどうにもならねェだろう。オレが否定しても柱間の奴が聞くとも思えねェしな。アスマを眺める。アスマは……今生のオレの親友は柱間の発言に動揺しちゃいるが、それでもその目にオレを拒否する色は見えない、というのもオレの背を押した。
だからオレはチッと舌打ちを一つして、開き直ることにした。
とりあえずオレがマダラだと暴露した馬鹿に向き合い、ズビシと宣言する。
「いいか柱間、よく聞け。マダラはオレだがオレはマダラじゃねェ。オレは木の葉のうちはゴガクで、オレの親友はお前じゃなくて猿飛アスマだ! オレはマダラの生まれ変わりで、その記憶もあるがオレとマダラは別人なんだよ! つまりてめェになれなれしくされる覚えはねェ!!」
そうハッキリと釘を刺してやった。
にも関わらず柱間は何が嬉しいのか、満面の笑みを浮かべて「そうかそうか! ならばマダラの名誉の為にもマダラの名前を使って貶めるあの黒いのをなんとかせねばの!!」と宣言し、やる気満々にチャクラを漲らせる。
「では、行くぞマダラよ!」
「だからオレはゴガクだつってんだろ!!」
そういって柱間は飛び出す。ったく、やっぱりアイツとは噛み合わねェとゲンナリする。と、アスマに見られている事に気付き「なんだよ」と尋ねると、「いや……お前がマダラ様の生まれ変わり、なァ?」と肩を竦めている。
「いや、様付ける必要ねェだろ。うちはマダラは里を抜け九尾を連れて木ノ葉を襲った裏切り者の犯罪者だ。その事実は何も変わらん」
「だが、アイツは偽者だ。ってことは、うちはマダラの名前で始まった第四次忍界大戦なんだが、そっちは冤罪なんだろ?」
「まァな……」
ふとそこで気付いた。アスマもまた怒っているという事に。
「うちはマダラは木ノ葉史上最悪の犯罪者でもあるが、同時に初代火影と共に里を作り戦乱の世を終わらせた功労者でもある。そしてお前はそのマダラ様の生まれ変わりだってな。なら、あの黒いのは、かつてのお前の名を騙り、やってもいない戦犯の汚名を着せたって事じゃねェか。オレの親友の名を汚した落とし前はつけさせてもらわねェとな」
「アスマ……」
そんな風に思われるとは思ってなかったな、思わず心の中に温かい気持ちが満ちる。
「行くぜ、相棒!」
「ああ!!」
風は火を大きく燃え上がらせる。ならばオレとアスマが揃えばそれは最強と言うことだ。 - 196二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 05:59:00
さて、結論を言うならばオレ達忍連合軍の勝ちという形で第四次忍界大戦は終結した。
それまでの間に色々な事があり、色々な事実が判明した。
まずオビトが十尾の人柱力として六道仙人化したと思ったら、その力を奪いあの黒いのが乗っ取ってこっちが無限月読を発動した。そしてオレは前世のオレの目指したものが仕組まれた事だったと知った。
あの黒いのは黒ゼツといい、封印された六道仙人の母親に当たる大筒木カグヤを蘇らせるのが目的だったらしい。
無限月読もその為のものであり、うちはの石碑を書き換え、裏から歴史に関与し続け千手とうちはが争いあうように仕向けていたとか……つまり前世のオレのあれやこれやの苦難は大体こいつが糸を引いていた事らしい。
そして、前世のオレがイザナギに失敗して死亡するまさに直前に、オレは条件を満たして輪廻眼を開眼していたそうであり、長門の目に埋め込まれ、後にオビトが右目に入れられていた輪廻眼はうちはマダラの眼だったそうだ。
オレはイザナギに失敗したあの時魂の蘇りには成功していたが、元の肉体には戻れず未来の木の葉隠れの里で赤子に輪廻転生した。それがオレうちはゴガクがマダラと同じ魂を有した理由らしい。
そうして黒ゼツはマダラの魂なき蘇ったマダラの体を利用する事を思いつき、改造し自分の素体として使うことにした。故に以降マダラを名乗り活動し、そんな中神無毘橋破壊任務の際に生き埋めになって地下に落ちてきたオビトを良い拾いものであると、柱間細胞と心臓に呪印札を埋め込み、傀儡にすることにしたという。
オビトが惚れていたリンが死んだのも、この黒ゼツとやらの画策だったらしい。リンを目の前で失ったオビトの絶望はさぞ使い勝手の良い道具だったのだろう。まさにうちはの情の深さを利用された形だ。
そうして黒ゼツに操られマリオネットとなったオビトだが、カカシにわざと心臓を貫かせる事により呪印札の切除に成功し、ナルトの説得の結果改心し、カグヤの攻撃を受けて灰になり消えた、そうだ。輪廻眼を持たんオレはその戦いに残念ながら参加することは出来なかったから、その現場を見てはいないが、その最期を見届けたナルトは「カッコよかったってばよ」とニシシと笑った。 - 197二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 06:01:21
カグヤを封印したのはナルトとサスケの二人だ。なんでもこの二人は六道仙人大筒木ハゴロモの息子達の転生体(チャクラだけ転生してたそうだ)であり、前世のオレと柱間もそうだったとか。そして輪廻眼はアシュラとインドラのチャクラなくして開眼は不可能だったという。その為に黒ゼツはこの二つの血筋を争わせていたのが千手とうちはの因縁だったとかだが……思わずぶん殴りたくなったのは言うまでもない。
「ではの、マダラ」
「ゴガクだっつってんだろ」
「ハハハ、不謹慎だが会えて嬉しかったぞ。また会うときがあれば今度は戦友として酒を飲交そうぞ!」
柱間は爽やかな笑顔を浮かべて塵に帰って行った。
こうして第四次聖杯戦争は終結した。
だがこれからもオレの、うちはゴガクの人生は続くのだ。木の葉隠れの忍びとして、親友のアスマと共にオレはこれからもこの世界を生きていく。
完
というわけでSSなんとかギリギリスレ完走する前に完結までこぎ着けました
いやなんかメッチャペースとってすみません有り難う
後日宣言通りこれの加筆修正版ハーメルンにアップしときます! - 198二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 06:26:47
SS完結乙です!ハーメルンに投稿される際は是非大戦後の小話も書いてほしいです!
- 199二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 06:32:17
- 200二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 15:05:48
ナルティメットストームジェネレーションのマダラ伝での柱間との戦いです