- 1二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 20:43:53
- 2二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 21:03:31
ニッチが過ぎる…見届けましょう
- 3二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 21:10:22
「「「ハッピーバレンタイン!六平トレーナー(銀次郎)!!」」」
トレーナー室に入ってきた六平銀次郎を待っていたのは、ラッピングのされた包みを持った担当ウマ娘達だった
呆気に取られた六平だったが、頭を巡らせ1つの答えに行きつく
「そうか、バレンタインか…」
メイクンツカサ「はい!私からはチョコクッキーです!」
「おう、ありがとうな」
クラフトユニヴァ「和菓子の方がよろしいかと思って…」
「こういうのもありなのか…ありがとう」
ゴッドハンニバル「チョコと間違えて、勝負服持ってきちゃった」
「…気持ちは受け取っておく」
三者三様の贈り物?を受け取った六平に新たな来客が現れる、オグリキャップのサポーターとして奮戦しているベルノライトだ
「あっ、六平トレーナー!これ!ハッピーバレンタインです!」
「おう、ありがとうな、オグリは一緒じゃなかったのか?」
「オグリちゃんは北原さんにもバレンタイン贈るって言って、宅配の方に寄ってからくるって言ってました、せっかくの手作りが冷めるといけないって!」
「ふん、ジョーの奴、今年こそは受かってこっちにこねぇとオグリがカサマツまで引っ張りにいきそうだな」
ベルノの乾いた笑いが響く、やりかねない…カナー?
「ま、オグリがジョーのバレンタインだけでも作れたのでヨシとするか」
「そうでもないんですよ〜」
ベルノがいたずらっぽく笑う、こういう顔のベルノは新鮮だ
「…何かあるのか?」
「えーと、秘密です!オグリちゃんがどうしても!って言うので!今日は資料室にいますので!それじゃあ!」
そういって彼女は足早に駆けていった
…俺に秘密にすること…?特に思い当たることもないのでトレーナー業務へ向かう、レースに向けた情報収集、トレーニング管理など、担当ウマ娘のための仕事は山積みだ - 4二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 21:34:48
しばらくすると駆け足で誰かがトレーナー室に近づいてくる音がして、すぐにトレーナー室の扉が開く
「ろっぺい…少しいいか?」
芦毛の髪を靡かせて入ってきたのは現役最強と名高いウマ娘、オグリキャップだ
あれだけの足音をさせて走ってきたというのに、大して呼吸が乱れていないのは流石と言える
「おうオグリ、ジョーにはちゃんと贈れたか?」
「ああ、アルダンやチヨノオーにも教えてもらって、ちゃんと贈れた、明日には届くと思う」
「キタハラ…喜んでくれるかな…」
オグリはほんのりと彼の地のトレーナーに思いを馳せ、ろっぺいは甥へのいつもながらの惚気を見せられる
「フン…ここまで担当を待たせるとは、罪なやつだな」
「それでオグリ、俺に用があるんだろ?」
「ああ、忘れるところだった」
オグリが手に持っていた紙袋からラッピングを取り出す
「ろっぺい、ハッピーバレンタイン」
六平は思わく贈り物に思考が止まる、オグリが?俺に?
「…正直お前が俺に贈るとは思ってなかったな……」
「ああ…とっても頑張って作ったんだ…溶かしたチョコにチョコを付けて食べるとそれはもう美味しくて…」
…試作でそんな状態でよく作れたな…という言葉を六平は飲み込んだ
「とりあえず、ありがとうよ」
「ろっぺいにはいつも世話になっているからな…日頃の感謝と、それと…」
「これからも一緒にいられるように、って…」
………
意外な答えに一瞬固まる - 5二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 21:52:19
「?何か、変だったか?」
「変だったかってお前…ジョーが中央に来ちまえば、お前は晴れてあいつの担当、俺はお払い箱じゃねぇか…」
そう、お払い箱、あくまでカサマツにいるあいつのトレーナーであるジョーからオグリを預かっている状態
北原が来てしまえば、自分などお暇するのが自然だ
「だけど…ろっぺいだって、私のトレーナーだ」
「…!」
「キタハラが走り方を教えてくれて、ろっぺいが中央での戦い方を教えてくれた、どっちも私にとって大切なトレーナーだ」
「オグリ…」
「だから、キタハラにも、ろっぺいにも、最後まで私の走りを見せたい、二人には最後まで私を見てほしいんだ」
いつの間にか、自分のことをこうまで思ってくれた担当に若干目頭が熱くなる
年を取るの涙腺が緩むのも悪いことだ
「だ、大丈夫かろっぺい!?何かまた私は変なことを…!?」
慌てふためくオグリをよそにサングラスを外して目尻を拭う
「いや、なんでもねぇよ」
フーッ、と息を吐き出しで落ち着く
「しょうがねぇな、そこまで言われちゃ」
「だったら!」パァァァ
「最初の内だけだからな?ジョーが情なけりゃ、俺がお前を引き取る」
「ええ!?いや、そんな…」
「冗談だよ、どれ、お前は何を作ったんだ」
「あ、ああ、ココアの蒸しパンだ!」
ズンッ…!
そう言って机に置かれたのは、一般的な蒸しパンというサイズからかけ離れた、ホールケーキと見紛うサイズのハート型の蒸しパンだった
「いっぱい思いを込めたんだ!ぜひ食べてくれ!」
…ジョーよ、俺の胃に余るようなもんがお前にも届くのか…
そんな思いが一瞬頭を過る、この満面の笑みを浮かべたオグリを前に断る以外の選択肢を探す六平だったが…
「あー…オグリ、さっきからベルノ達からのチョコをもらって腹が膨れててな…」
「そ、そうか…」
「そこでた、せっかくの手作りだ、お前も一緒に食べないか?」 - 6二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 21:52:51
- 7二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 21:54:21
あったけえSSだ……
- 8二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 21:55:55
お疲れ様です、良かったです。
- 9二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 21:57:12
感想ありがとうございます
- 10二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 21:59:10
あれ…想像以上に良かったぞ
暖かい気持ちになる~~ - 11二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 22:00:12
大切な人がいっぱいいるっていいなあ
投稿乙です - 12二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 22:01:53
(ジョーよ、お前の教え子はいい子に育ってるぞ…)
- 13二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 22:02:01
おじいちゃんっコオグリン可愛い
- 14二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 22:02:31
一流ウマ娘のプレゼントに対して一流の対応、流石名伯楽
- 15二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 22:04:14
とてもいい!!!
オグリとキタハラの絆は言うまでもないが、中央でずっとオグリをトレーナーとして支えてきたろっぺいさんとの絆もまたとても尊いものだと思う - 16二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 22:28:48
感想ありがとうございます
主流から外れたCPなのでどうなるか心配でしたが、喜んで貰えて何よりです - 17二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 22:30:43
ねえこれ北原にはまるまる送られて……
- 18二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 22:51:47
- 19二次元好きの匿名さん23/02/18(土) 22:56:05
あんまないCPだけど本編だとバリバリに絡んでるから変じゃないわ
北原にバレンタイン贈るならろっぺーさんに贈るのもわかるし