デキちゃったわね…【SS】｜あにまん掲示板

1二次元好きの匿名さん21/11/14(日) 23:08:01

「ああ……だな……」

　中庭のベンチに腰掛け、隣でぽつりと呟いたスカーレットの言葉に、俺は魂のこもらない抜けた返事を返す。

「……正直、どう思う？」
「どうもこうも……デキちゃったものはしょうがないでしょ」

　だよなぁ……。
　ぶっちゃけそうなんじゃないかとは思っていたけど、いざその事実に直面すると何というか、上手く言葉では言い表せない気持ちになる。

「どうすりゃいいんだろうな……」
「まあ、なるようになるでしょ」

　軽く言ってくれるよなー、こいつ……。
　でも、俺が何を言っても何がどうなるわけでもないのは本当だし……。

「あれ？　二人ともそんなところで座って、どうしたんですか？　もうすぐ授業始まっちゃいますよ！」
「あっ、いや、大丈夫っす！　すぐいくんで！　ほらいくぞスカーレット！」
「な、何よ！　あんたに言われなくたって立てるわよ！」

　スカーレットのケツを叩きながら、ベンチから跳び跳ねるにして立ち上がる。

「ふふ、相変わらず仲がいいのね」
「羨ましいですね！」

　そんなことを話しながら寄り添って歩き去る二人の背中を見送る。
　その尻尾が絡み合うように触れ合っているのは、無意識のことなのか、見せつけているのか。

「デキてるわよね……」
「完全になぁ……」