- 1二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 17:39:27
テーブルシティの中核に座すアカデミー。パルデアの英知を牽引するこの学究の施設の一角にある運動場に、多くの学生たちが集まって何やら見物をしている。
最強生徒会長・ネモと話題の新人チャンピオン・アオイがその手練の妙技を遺憾なく発揮している。チャンピオンクラス同士の戦いなど滅多に見れるものではない。このところネモとアオイが定期的に戦いを見せてくれているとはいえ、多忙な二人のこと、いつでも気軽にバトルを始めるという訳にはいかない。
つまるところ、二人のチャンピオンたちの技を見る絶好の機会が学生たちに与えられたということである。好奇心旺盛な学生たちはこぞって二人を囲み、その技を見物するに至っていた。
「にゃおちゃん!近寄らせたらダメだよ!距離を取りつつトリックフラワー!」
「ウェーニバル!多少受けてもいいから距離を詰めて!インファイトだよ!」
戦術の選択もさることながら、そもそも育成技術が高いため、高度に鍛え上げられたポケモンたちの動きは洗練され、ある種の舞踏のような美しさや、演武のような緊張感を醸し出していた。
そんな彼女たちが戦えば地形や周囲の建物への影響も小さくはないはず。
ネモとアオイの傍ら、観客たちの前線にはブースターやサンダースなどイーブイ系のポケモンたちが配置されており、彼らが周囲への影響を最小限にとどめていた。
天才ハッカー・ボタンの仲間たちである。彼女もまた、一流のトレーナーであり、その腕前はパルデア全土でもトップクラス。多くの死線をともにくぐって来た相棒たちのレベルは生半可なものではない。試合場の傍らで体育座りをして手を叩いて盛り上げている彼女と共に、ボタンのポケモンたちは時折炎や水や雷を用いてチャンピオンクラスの戦いを飾り、その場の雰囲気を盛り上げていた。
三人の少女たちによる戦いの宴は、二時間近く続き、観客たちは興奮冷めやらぬ様子で運動場を後にしていった。
そんな中、一人の青年がアオイたちを遠巻きに見ていたが、声をかけることはなかった。
ペパーである。 - 2二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 17:40:00
彼も三人の少女に引けを取らない一流の冒険者である。トレーナーとしても一流であり、その腕前は相当なものだが、彼はどこか勝負ごとに対して積極的になれないでいた。
冒険の際には命を賭して戦う。そこに迷いはない。彼は迷いが大切なものを奪うということを知っている。
しかし、命を守るためという名分がなくなると、途端に意気を失ってしまう嫌いが彼にはあった。
勝負ごとというのは、どうしても攻撃と防御を応酬するものである。本来、ヒトを含めた多くの生物は幼少期の遊びを通して力加減を学んでいく。だが、彼の幼少期にはそんな経験を積む余裕はなく、つい最近まで友人が少なかったことも手伝って、彼はついぞコミュニケーションの経験を積むことができずにいた。
ペパー青年の肩にのしかかっていた重圧は今はなく、心に棘を打ち込んでいた母オーリムのことも今では純粋な意味で尊敬することができている。彼が呪いを祝福に変えるできたのは、親友たちによるところが大きいと、彼自身は考えていた。
無論、心のトラウマを乗り越えたのは間違いなくペパー本人の力だが、彼がその苛酷な人生の中で培った謙虚さは自惚れを許しはしない。 - 3二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 17:40:20
恩人である親友たちの隣で胸を張りたい。
ペパーの心は今、晴れやかな向上心があふれていた。親愛なる友人たちへの敬意、道を示してくれる教師たちへの尊敬、そして、偉大なる母オーリムから受け取った誇り。今のペパーには、後ろ暗いコンプレックスが呪いを穿つ弱さなどない。
アオイとネモが運動場で戦いを繰り広げた翌日、ペパーは校長室を訪れていた。
「校長せんせ!」
アカデミー校長クラベルはペパーの話にしっかりと耳を傾け、共にその悩みを解決すべく考えを巡らせる。そして、彼はペパーにこう告げた。
「分かりました。エリアゼロでの訓練を許可します。ただし、いくら経験があるとはいえ、危険地帯であることは変わりありませんので、同行者を私の方で集めておきます。ちょうど再来週から4日間の連休がありますね。そこに合わせます。当日の朝にゼロゲート施設で面通しといきましょう。」 - 4二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 17:53:20
時間はあっという間に過ぎていき、当日の朝、青年の姿はエリアゼロ上空、ゼロゲート施設にあった。
一体だれが来るのだろうか。
ペパーの心中には、自分の修行に付き合ってくれるような奇特な人物についての思いが渦巻いていた。
エリアゼロという危険地帯に来てくれるような実力があり、自分のためにそんな危険地帯に飛び込んでくれる人物・・・
ペパーの脳裏に浮かんだのは、恩人であり親友である少女の姿。
「アオイ・・・」
ふと口から漏れ出たのはかの少女の名前だった。
ペパー自身、なぜアオイの名前が出てきたのか分からない。ネモやボタンも自分の恩人であり友人でもある。スパイス探しの旅に協力してくれたからだろうか。
幸い、ここに人目はなく、したがって彼の独り言を聞く者はいない。
「もしアオイが来てくれたら・・・」それは自分のために来てくれたということ
「来てくれたら・・・」それは自分の修行に付き合ってくれるということ
「・・・」それはアオイが付き合ってくれるということ
「・・・・・・・・・//////」
誰が見ているわけでもないゲート施設の中で、ペパーは独り、顔を赤らめる。胸がちくりと痛むが、ペパーはこの痛みが存外心地よく感じた。
ふと足音が耳に入り、慌てて振り返ったペパーの眼に飛び込んで来たのは、
全裸のサワロ、同じく全裸のセイジ、そして全裸かつ奇抜なカツラを被った校長の姿だった。 - 5二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 18:07:07
新作ですか
- 6二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 18:14:57
おかえり
- 7二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 18:18:33
- 8二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 18:25:21
ポケモンデー前夜祭かな?俺のネルケさん出るのワクワクすっぞ
- 9二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 18:26:55
なんだぞれ!?
- 10二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 18:27:10
遠く東の地には三頭の龍の伝承があるというが、パルデアの地にもサザンドラという三頭龍が存在する。
だが、いまペパーの眼前にあるのは、悪龍とは程遠い、神々しさを放つ龍脈である。
屹立せずともその雄々しさは周囲の空気感を塗り替える迫力があり、ペパーは思わずその目を奪われてしまった。
「さすがのワガハイもそう凝視されては・・・」
サワロがぽつりとつぶやいたとき、ペパーは我に返ったように居ずまいを正した。
エリアゼロでは、微小なテラスタル粒子の付着による悪影響を避けるため、衣服の着用が禁じられている。そのための全裸だったが、3人の成人男性の放つ、迸るような雄の迫力は、まだ若いペパーを怖気させるには十分だった。
「Oh~、ここはとってもデンジャーね!ネイキッドじゃないと!」
セイジがにこやかにペパーに告げる。
「俺はネルケ。クラベル校長の要請でな。助太刀するぜ。」
ネルケと名乗る人物がペパーに挨拶する。
ペパーはこの時点でパニック状態に陥っていたが、すべきことは至極単純。
全裸になって、大穴の死地を踏む。それだけである。
「ペパーくん」「ビー ネイキッドね!」「俺たちは準備できてるぜ」
「「「さ、早く服を脱いで裸になるんだ」」」 - 11二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 18:27:43
えっちなペパアオだと!?
- 12二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 18:42:56
全ペシリーズ新作ですと…!?
おかえりなさいませ! - 13二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 18:58:34
みんなペパーよりデカそう
- 14二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 19:07:53
服を脱ぐ
それは人類のみ許された鎧を脱ぎ去る行為であり、すべての武装を解いた原始の姿への回帰を意味する。始祖が禁断の果実を口にして以来、楽園からの追放を代償にしてその身に纏わせてきた傲慢の鎧を解き去ることであり、天地山水の中に自らを置き、万物との調和を図る崇高な儀式、それが脱衣である。
思えば、ペパーは今まで何度も脱衣を行ってきた。そのたびに彼の心を切り刻んできたのは、燃え上がるような羞恥心と、肺腑を焼くような甘い背徳の快感であった。
しかし、今日このとき、脱衣に望むペパー青年の胸に去来しているのは、羞恥心ではない。
それは、いわば童心というべきか。
父親と遊んだ記憶など忘却の彼方に飛んでおり、もはやその存在すら淡くなっている。
頼りがいのある成人男性たちの前で服を脱ぐという行為は、自らを包み込んでくれる父性に身を任せるような安心感があり、服を脱ぎ去っていくペパーの手は軽やかだった。
上着を脱ぎ終わり、シャツを脱ぎ去り、ズボンを引き抜き、いざ最後の一枚となる。
そこに迷いはない。
そこに背徳はない。
かつて、これほど晴れやかな気分で野外脱衣をしたことがあっただろうか。パンツのゴムをむんずと掴む両手には未来を掴もうとする若者の気概が込められている。
下へ下へと降りていくペパーの両手とその中の下着は、穏やかなパルデアの風を受けて宙を舞う一枚の木の葉のように、軽やかに、軽やかに、悠然と大地へと向かうのだった。 - 15二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 19:19:40
男達が全裸で集まっていったい何を修行するんですか?
- 16二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 19:24:59
脱衣を終えたペパーを含め、完全なる全裸となって大穴の縁に立ち、死地を一望する4人。
早朝に比べれば少し上った太陽の光を正面に受けながら、凛々しく前を見つめる4人の貌に、怯えや迷いはない。
意気は十分。しかし、一つ現実的な問題があった。
大穴への安全な降下方法である。本来ならばワープ装置が起動しているはずだが、数々の戦いの中で破壊されてしまっており、結局のところ、今までの冒険と同じく、飛び込んでいくしかないというのが、目下の課題である。
アオイがいればコライドンとチルタリスで飛んでいくこともできるが、ペパーは飛行タイプの仲間がいない。
分かりやすく顔色を変えて悩んでいるペパーに、セイジはにこやかに言った。
「ノープロブレムね!ワシに任せて。ヘイ!ドンカラス!」
セイジが繰り出したのはドンカラス。ヤミカラスの進化系であり、高い飛行能力を持つ鳥ポケモンである。
大き目の個体ではあったが、コライドンのような体躯があるわけではない。強力な「ぼうふう」を使えるほどに羽ばたきの力は強いが、サイズ的な問題で4人は密着してドンカラスにへばりつくことになった。
飛行そのものは安定している。悠々と飛ぶ姿はさすがの鳥ポケモンである。だが、ペパーの状況は壮絶なものとなっていた。
右の頬にはサワロの胸板が、左の頬にはセイジの胸板が、額にはネルケの腹部が・・・
複雑に絡み合うような態勢で飛ぶ4人。成人男性特有の匂いに、ペパーは圧倒されていた。 - 17二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 19:37:36
全裸ペパーが生きがいだったんだ。
久々に下へ下へと降りていくペパーの下着シリーズが見られて凄く元気もらえたよ。ありがとう。 - 18二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 19:53:59
地面に降り立った後も、ペパーの鼻腔には強烈なオスの香りが微かに残っていた。女子たちの甘やかな匂いとは違う、明確な存在感を放つ力強さ。女性ならば大人の男の魅力に脳を揺さぶられているかもしれないが、ペパーにはとくに効果はなかった。
と、同時に、ペパーはアオイたちと共に冒険できたことがとてつもない幸運だったのだと悟った。なぜそう思ったのかは、彼自身にも分からない。
頼りがいのある成人男性の全裸
同じ年頃の女子たちの全裸
どちらも等しく全裸であり、そこに優劣などあるはずもない。そのはずだが、ペパーは無意識のうち、女子たちとの全裸冒険の価値を押し上げてしまっていた。もちろん、品行方正なペパーがそれを自覚することはない。
いつもにこやかな微笑みをたたえるセイジもエリアゼロに降り立ったその瞬間から、熟練の狩人のような鋭い緊張感を放つようになった。わずかに重心を落とし、若干の前傾姿勢となった彼のポーズでは、どうしても腰のウミディグダが力なく垂れさがるようになる。
少し開かれた両脚の間から覗く、振り子のようなその物体は、ペパーのそれよりはるかに大きく、また完成されたフォルムをしている。歴戦の猛将を感じさせる佇まいにペパーは、どこか憧れや尊敬のようなものを感じてしまっていた。
セイジを右に、ペパーは中心に立っており、左側にはサワロが控えている。彼もまたセイジと同様に眼光を鋭く研ぎ澄ませ、両脚をワイドに開いて少し腰を落としている。巨躯から放たれる威圧感は人間どころかポケモンたちも恐怖でおののくだろうと思わせるものがある。
やはり腰からぶら下がる龍は脱力し、気を養っているようだが、それでもペパーのウミディグダをはるかに超える猛獣であり、ペパーは己のちっぽけな獣性すらも手綱を握るのが大変だったことを恥じてしまった。
余談ではあるが、ペパーのウミディグダは決して矮小ではなく、むしろ年齢の割にかなりのサイズである。 - 19二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 20:12:38
殿を務めるネルケの姿勢はペパーの眼には入ってこないが、彼もまた警戒を最大限に引き上げるべく姿勢を少し低くしているため、開かれた両脚の間からは歴戦のマンムーが牙を揺さぶっている。
今回の旅の目的は、ペパーが修行を積んで自信を持てるようになること、である。
そのため、戦いは避けるべきではなく、むしろ積極的に挑んでいくべきですらあるが、この死地においては、一瞬の油断がすべてを奪い去る悪魔へと姿を変えるため、必要以上の戦いが起こらぬよう、また、想定外の事態が起こらぬよう、最大の警戒を持つことが常に要求される。
クラベル校長が教員たちの一部にペパーからの相談を通したとき、当初は、戦闘分野に明るいバトル学教諭のキハダが同行しようと提案していた。また、ケガの治療なども必要になるとして保険教諭のミモザもそれに同調していた。2人ともエリアゼロの危険性と衣服不可の条件を呑んだ上での立候補であった。
だが、野戦料理の必要性を訴えるサワロも自らの同行を提案し、セイジはペパーには細やかなカウンセリングが必要だろうと考え、同様に立候補していた。
極めて複雑な事情を考慮しつつ、クラベル校長は、「そもそもペパー本人の戦力が高く教員たちに任せきりにはならないだろう」ということ、「肉体的ダメージも心配だが、ペパーの場合は精神的な支えとして同性の方が気安いだろう」ということを理由として、サワロとセイジの同行を決めた。 - 20二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 20:18:29
校長ーーーーーー!!!
ちがうだろーーーーーーーー!!!! - 21二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 20:22:29
家庭科でかなり接点があるサワロ先生とペパーの担任であるセイジ先生…
確かに精神的な支えになるいい人選だな!何も間違ってないな! - 22二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 20:31:16
ただしい 判断です
そのまま 続けて下さい - 23二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 20:43:14
ある意味ものすごく負荷の高い修行にはなるだろうけどォ…!
- 24二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 20:43:32
まず手始めに手頃な相手との戦いの経験を積もうということで、パラドックスポケモンではなく、通常種のポケモンを探すことになった。
経験を積むことが目的であるため、隙を見て不意打ちで先手を決めるのは目的に沿わない。
できれば、こちらが先に敵を発見し、こちらの任意のタイミングで戦闘が始まるようにしたいところである。
周囲を警戒しながら、岩陰に隠れつつ進む一行の前に、数体のワタッコが見えてきた。
単独で戦うには、多少、数が多いようだが、サワロとセイジが分担して引き受ければ、ペパーが集中できるだけの数に抑えこめるだろう。ネルケは引き続き警戒を務める。
サワロとセイジが前に出て、ペパーに戦闘開始させる。
岩陰にしゃがみこんでいたペパーの眼前には、ちょうどサワロの尻が来る形となった。
形容するなら、それは「岩」。
アオイの尻を「桃」とするなら、巌のごとくゴツゴツとした尻、ペパーは頭を一気に冷やしていった。
スコヴィランを繰り出して、複数のワタッコを相手取るペパー。そもそも実力は十分足りているため、遅れを取ることはない。
教師たちもそれは十分に分かっている。
今回は、ペパー自信が強く自信を持つことに意義があるのである。
スコヴィランの炎が敵を討ち払うその様は、まさに歴戦の強者であるが、この一戦のみをもって自信を培うというのは、尚早であった。
ペパーの修行はまだ始まったばかりである。 - 25二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 20:51:22
読んでくれてありがとう、帰ってきました。
といっても、今回はそう長くはなりません。短い間だと思いますが、またご一緒しましょ。
DLCまで我慢できなかったんで、ちょっと脱がそうかなと。見切り発車でプロットあんまり組んでないんで、どうなるかは、ペパー次第です。 - 26二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 21:29:49
えっちなペパアオについてですが、別スレで投稿したのはこちらの手元にもないんで、記憶から起こしたものです。
完全な18禁ですね。たまにはいいかもですが、このスレの高尚な雰囲気には合わないかもしれません。
エッチなのが苦手な人は開かない方がよいかと思います。感想もらえたら嬉しいけど、直接的なワードは避けてもらえたらと。
ペパーの逆襲くるぶしを這うペパーの指先。彼の視線は、熱を帯びているようで、どこか子どものような無邪気ささえも感じさせる。いたずらを愉しむようなサディスティックな微笑み。ペパーの些細な動作のすべてがアオイの心をかきむしる。縛られているわけでもないのに、開かれた両脚が閉じられない。ペパーの声や視線は不思議な魔力をもってアオイの身体を捕えている。なぜか目に涙が滲むが、それは悲しみではなく、むしろ喜び、快感への期待によるものだろう。
「あの頃は散々焦らしてくれたもんな、アオイ?攻守交替ちゃんだぜ?」
にっこりと笑うペパーの顔には、学生の頃のような青い硬さはなく、大人の男としての余裕が表れている。アオイは、彼の笑顔に胸の奥が暖かくなると同時に、与えられるであろう快感を予期して、喉がゴクリと鳴るのを聞く。
確かに煽ったのは自分。
焦らしたのも自分。
全裸でエリアゼロを旅したあの頃から、度々彼の衣服をはぎ取って羞恥の炎であぶり続けていたのも、他ならぬ自分自身。
あれから数年間、何度も、何度も、彼を辱めた。真っ赤に顔を染める彼が可愛いから。自分が彼の表情をゆがめている実感が嬉しかったから。
- 27二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 21:34:52
えっっっっっっっっっ!!!(感想)
- 28二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 21:35:16
最高
- 29二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 21:50:40
高…尚…?
- 30二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 21:53:04
絵師さんのハードルが限りなく上がってやがる…
- 31二次元好きの匿名さん23/02/26(日) 21:56:10
ハードルというか、モチベーションの方が問題では・・・
- 32二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 02:18:11
新作ありがとうございます…これで明日から生きていける…!
- 33二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 10:41:37
戦いの経験を積むことが目的といっても、休養は絶対的に必要な要素である。それが危険地帯での活動となれば言わずもがな。
ペパーら一行はまず第一観測ユニットを目指し、そこを拠点として周囲のポケモンたちと戦ってレベルを上げる運びとなった。
極まって強いエリアゼロのポケモンたちは、パラドックスポケモンでなくとも十分脅威であり、ペパーはそのことを十分に承知している。いや、誰よりも身に染みていると言った方が適確だろう。
思えば何度か通ってきたこの道、第一観測ユニットまでの道のりだが、そのたびに彼の腰のウミディグダは猛然と空を睨みつけていた。
それが今回はうなだれて、物言わぬ地面を見つめている。
裸の女体に囲まれて冒険をするなど、夢幻の世界の出来事であったかのごとく、いまペパーの心身を取り囲んでいるのは、むせ返るような雄の熱気である。
ペパーはどこか親友たちが恋しくなっていた。
甘やかな匂い。
透き通るような声。
目を閉じずとも、脳裏に浮かんでくる少女たちの微笑み。
だが、現実にペパーの傍らを固めているのは屈強な男たちである。今回の旅は2泊することになっているため、少なくともあと70時間近くこの状況が続く。
健康な思春期男子である彼の腹部には行き場を失ったエネルギーがくすぶっているが、テラバーストを助長するような要素がない以上、今回は内なる獣性が雄たけびを上げることはないようだ。 - 34二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 10:56:58
歩き進める一行の前に現れたのはアサナンを二体連れたチャーレムの大型個体だった。最大クラスとはいかずとも、かなりの大きさであり威圧感もある。
だが、ペパーに対してサイズによる威圧は意味をなさない。スコヴィランとリククラゲを繰り出して戦線を形成するペパー。その背後と脇を固めるように教師たちが警戒を強める。
集団との戦いは何度も経験している。ペパーにとって決して難敵とはなりえない相手だったが、油断が許されるようなレベル帯でもなかった。
順調に、手堅く戦いを進めていくペパーを見守る教師たちの胸中には彼に対する配慮と共に、彼ほどの達人が何故焦りを覚えてしまっているのかという不自然な疑問が生じていた。
スコヴィランに炎を吐せ、リククラゲに打撃を打ち込ませる。その采配は決して間違っていない。事実、相手をほとんど殲滅状態まで追い込むことできている。
ただ、その戦い方にはまるで別人の真似をしているかのようなぎこちなさが伴っていた。ブースターの吐く炎、ウェーニバルの撃つ打撃のような様相が透けて見えてきている。
バトルは苦手だと公言しているペパーは、無意識のうちに、尊敬する友人たちの姿を真似ようとしているのだった。
無論、模倣が悪い訳ではなくそれも立派な一手だが、ペパーほどのレベルとなれば自分の色を持たなくては自信にはつながらないだろうという確信もあった。
だが、教師たちは自ら修行に挑む若者に、あっさり答えを明示するほど野暮なことはしない。
戦いを終えたペパーの肩を両サイドから叩くセイジとサワロ。戦いの熱でしっとりと汗ばんだ青年の肌には、教師たちの手はひやりと心地よく感じられた。 - 35二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 19:04:51
フルチンしかいないと不思議と心が穏やかだな朝の陽射しのように
- 36二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 19:09:08
第一観測ユニットまで無事にたどり着くことができたペパーたちは、まず食事と休憩を取り、それからもう一度屋外に出てもう少し戦いの経験を積もうということになった。
ペパーは教師たちに野戦料理を振るまおうと考えていたが、サワロも同様だったようらしく、二人の共演による豪華料理が生み出されていく。
具材の量や種類も二人分ともなれば、組み合わせパターンも増えていき、ちょっとしたレストランのような様相である。
にっこりと手を叩くネルケとセイジ。
女子たちとの空間よりももしかすると和気藹々としているかもしれない。 - 37二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 19:18:43
食事と休憩を終え意気揚々と再び戦いの場に身を投じていったペパーたち。観測ユニットに帰って来た時には、ある程度疲労もたまりこんでいた。
水も貴重なため、軽くだけ身体の汚れをふき取って、早めにベッドに入る。
今日は多くの戦いを経たとはいえ、精神上は極めて平穏な一日だったと言える。
狭いベッドであるため、女子たちとの冒険のときと同様、身を寄せ合って眠ることになる。
恰幅の問題から、サワロが中心になり、セイジとネルケが左右を固め、ペパーは初めて人の上で眠るという経験をすることになった。
ぴたりと密着した頬に伝わる大人の男の力強い鼓動。言いしれぬ感覚がある。
これが父性なのだろうか、父との思い出がないペパーには判断できない。
奇しくもいつしかのアオイと同じ状態になって、ペパーは体温を感じながら眠りに落ちていった。
眠るとは肉体と精神を休めることであり、ポケモンでなくとも、人間も心身を回復させるものである。脳はその日一日の情報を整理していくが、その際に見られるものが夢だというが、エスパーポケモンやゴーストポケモンが夢に干渉することもあるというため、真相は誰にも分からない。確かなことは、ペパーは今日も夢を見たということである。 - 38二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 19:29:32
いつの間にか草原に立っていたペパー。その身を包む衣服はない。
晴れやかな空と遠くまで続く草原、彼方から海の香りも漂ってくる。
傍らには相棒のマフィティフが佇み、主人とともに草原の風を受けていた。当然マフィティフも全裸である。
ぽつぽつと歩き始めたペパーの視界に、少女の背中が見えてきた。白い、小さな、可愛らしい背中。アオイの背中であった。
後ろからペパーが声をかけるとくるりと振り向いて、歯を見せてにひひと笑うアオイを見て、ペパーは心が安らぐのを感じた。
アオイは服を着ていなかった。だが、夢の中のペパーはそれを不自然には感じず、ただただ少女の笑顔に微笑みを返すばかり。
「ペパー」
春風のような風をふわりとまとい、夢の中のアオイはペパーにしずかに告げた。
「大好きだよ」
アオイの口から発せられた一言は、ペパーの心にじんわりと温かい何かを感じさせる。
お互いに微笑み、見つめながら歩み寄り
・・・くん
ゆっくりと近づいていく二人の唇
・・・ーくん
目をつぶってキs「ペパーくん!」
「・・・へ?」
目を覚ましたペパーの眼前にあったのはアオイの唇ではなく、サワロの口髭だった。 - 39二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 19:51:51
アオイちゃんとサワロ先生が紐づけられちゃう!
- 40二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 20:13:37
夢の中で自分がしようとしていたこと、それは親友であるはずのアオイとのキスだった。
みるみるうちに茹でダコのように紅くなるペパーだったが、彼を見る教師たちは微笑ましい表情でその百面相を見守っていた。
もちろん、彼らはいま全裸である。
修行二日目であるこの日もエリアゼロの深部へは行かず、第一観測ユニットの周囲で戦いを続けるペパーと教師たち。セイジはペパーの表情に微かな違いが生まれていることに気づいていた。ネルケも同様にペパーの変化に気づいた。
おそらく昨日の体験と一晩の夢が彼の中で何かを自覚させるような働きをしたのだろう。
ペパーが雄々しい胸板に囲まれながら自覚したもの、それは、まさしく
「 恋 心 」である。
誰かに自分を見てほしい、自分にかまって欲しい、その感情をずっと押し殺し続けてきたペパーが初めて明確に持つようになった感情が、「アオイと対等でありたい」という気持ちだった。
友人として対等でいたいという感情には、当然ながらアオイに対する恩義だけでなく、人間的敬意が含まれている。
そして、幾度となく全裸で共に冒険をした日々によって、性的な魅力も感じ取っている。もちろん、ネモやボタンも魅力的な女性ではあるが、「恩義」の部分と「共に冒険した時間」の部分で、アオイはペパーにとっての「特別な女性」となっていた。
人間的敬意と女性的魅力が合わされば、青年が恋に落ちるのは必然である。
(アオイアオイアオイアオイアオイアオイ・・・・)
ペパーの頭の中には、「アオイに会いたい」という気持ちが膨れ上がっていた。その気持ちは、傍らで見守る人生の先達たちには筒抜けである。 - 41二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 20:16:19
胸筋に囲まれて恋心自覚するの絶妙に嫌で草テラスタルだけどとりあえず両想いおめでとうと言っていいのだろうか
- 42二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 20:22:26
ここまで長かったちゃんだな・・・
- 43二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 20:32:03
恋心を自覚したぺパーだったが、色に呆けて油断するほど彼は抜けてはいない。いや、毎日抜いてはいるのだが、抜けてはいない。
慎重に戦いを続け、着実に経験値を蓄積し、レベルを上げていく。
そのまま何事もなく、その日の修行は終わり、観測ユニットで食事を取って、就寝という段になったが、前日とは違うことがあった。
ペパーの精神である。
丸一日ずっとアオイのことを考えていた彼はくすぶっている情欲の炎を抑えることを求めていた。
この修行の間、ペパーの獣性が牙を剥くことはなく、天に向かって吼えることもなかった。そのためか、彼の下腹部にははち切れんばかりのエネルギーが充満しており、今か今かと解放のときを待っていた。
そう、テラバーストである。
だが、いくら同性とはいえ、テラバーストを見せつける訳にはいかない。
しかし、思春期の彼は「ちょっとテラバーストしてきます」とも言えない。
ぐるぐると頭の中を巡るペパーに声をかけたのは、ネルケだった。
「いいんですよ・・・正直になって・・・」
目を細めて微笑むその表情は、まさに若人を教え導く偉大な師そのものだった。 - 44二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 20:56:02
まさかこんな形で恋心を自覚する流れになるとは全く予想できなかったけど、とりあえずめでてえ
がんばれペパー青年 - 45二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 21:08:05
今日は赤飯炊かなきゃ
- 46二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 21:12:25
相変わらず全裸なのに真っ当な青春してる…
とりま恋心の自覚めでたいなペパーはん! - 47二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 22:40:14
とりあえず状況は置いておいて自覚おめでとう
ペパー視点のファーストキスが先生の口髭にならなくて良かったな… - 48二次元好きの匿名さん23/02/27(月) 22:57:33
絵面は最悪なのに真っ当な青春小説なのが本当にひどい
- 49二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 08:01:18
ユニット内のベッド、今後全裸のアオイたちもまた使うんだろうか…漢たちが全裸で寝たベッドで…
- 50二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 09:43:00
「っ!せんせ!俺ちょっとテラ「Oh!たまにはアローンな時間も必要!いいヨ!」
ペパーの言葉をさえぎるように了承の意を伝えるセイジ。コミュニケーションとは話し合うだけではない。話させないこともまた、コミュニケーションなのである。
今は立派な大人となって若者を導いている教師たちも若かりし頃には瑞々しい野心と欲望に身を焼かれていたもの。成人男性である彼らにはペパーの気持ちがよく分かった。
結果的に、ペパーはユニット内の片隅で背中を教師たちに見守られながらテラバーストに興じるというインモラルな時間を過ごすことになった。
・・・
一晩あけて、実に晴れやかな気分で、ユニットを出るペパーと教師たち。
二泊の旅程はすでに終わり、己の心との折り合いをつけたぺパーには、まだ自信と呼べるほどの確固たるものではないにせよ、なにか力強いものが心の深いところに根を張るような感覚があった。
ドンカラスに揺られながら、サワロの胸板にしがみつきながら、ペパーはアオイのことを思い起こしていた。
アカデミーに帰ったら、ピクニックにアオイを誘ってみたい
今度は二人でハッコウシティにでも出かけてみたい
彼女は自分と出かけてくれるだろうか、いや、きっと受け入れてくれるはず
まだ、告白するような勇気は出ないが、アオイと共に時間を過ごしたい
ペパーの胸中には、甘酸っぱい気持ちがあふれ、傍らで見守るネルケとセイジ、サワロにもその気持ちは伝わっていた。 - 51二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 09:48:56
教師公認のテラバーストは笑ってしまう。
- 52二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 10:10:53
公認テラバーストはともかく背中を見守ってるのは草
- 53二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 13:04:57
背中で良かった・・・テラバーストを見せつけるペパーがいなくて本当によかった
- 54二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 14:19:11
ペパー……いい師に恵まれたな……
- 55二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 19:34:36
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- 56二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 19:34:55
修行のたびはいたって平和に終わり、ゼロゲート施設で衣服を羽織った一行は何事もなく学校への帰途に着いた。
道すがら、様々な雑談に花を咲かせる教師たちだったが、ペパーは走り出したいような思いに駆られている。
体中に満ちるエネルギーが叫んでいるように感じられ、ペパーは心も体も前のめりになっていた。
早く会いたい
その一心であったが、セイジにポンと肩を叩かれ、少し冷静になるペパー。
「気持ちを伝える、ベリー大事!でもね、話が急すぎてもNo Goodネ!」
昨今は「告白ハラスメント」という言葉もある。もちろんそれは迷惑なものに限られた話であり、もしアオイがペパーに呼び出され淡い夕日に照らされながら告白など受けようものなら彼女は、それこそテラスタルしてしまうほどに喜ぶだろうが、それはもしもの話。
「一日一日を大切にしながら意中の人との絆を深めていくのも、オツなものですよ」
ネルケの口調はまるでクラベル校長のように穏やかであり、二人の間に何らかの関係があるだろうことが伺えた。
目を細めて恋する青年の頭をワシワシと撫でるサワロ。
恩師たちに囲まれてペパーはアカデミーへと帰る。
親友たちが待つアカデミーへ。
愛しい彼女が待つ、アカデミーへ・・・。
修行編 了 - 57二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 19:41:29
フリッジタウンを訪れていたナンジャモ、リップ、カエデら女性ジムリーダーたち3人。
ライムから昨今ナッペ山の様子がおかしいことを聞かされ、調査に乗り出すも、雪山を素人だけで歩き回るのは危険すぎるため、熟練者の先導を伴うこととなった。
大穴から吹き付ける風はナッペ山の環境に影響を及ぼしている。
ナンジャモら3人を先導する雪山の玄人とは誰なのか
次回 ナッペ山が全裸必須地帯だったら
というのを思いついたけど、どうしたものか・・・ - 58二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 20:17:31
いったい何ーシャくんなんだ・・・
- 59二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 20:18:53
真冬の山で全裸ですって?!大丈夫?凍死しない?
- 60二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 20:20:07
このレスは削除されています
- 61二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 20:23:12
特性がほのおのからだ等、卵孵化に役立つポケモンがいるならワンチャンある?
- 62二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 20:34:48
修行編完結お疲れ様でスター!
…全裸必須地帯が大穴の外に広がるんですか!? - 63二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 21:24:05
DLCの予告が来ましたが脱がすんですか?
林間学校で?交換留学で? - 64二次元好きの匿名さん23/02/28(火) 23:57:14
脱がします(揺るがぬ意志)
- 65二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 00:00:43
楽しみにしています。
- 66二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 00:00:45
修行編はペパーに恋心を自覚してもらうことが目的だったので短めで・・・
これでようやく、まっとうなラブコメができるようになりましたな。
ところでペパー以外にも脱がしがいのある者がいますね・・・ - 67二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 00:02:40
エリアゼロ以外も全裸必須地帯になるならそれの調査としてジムリーダーと四天王に赴いてもらう→皆全裸に!ヨシ!
- 68二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 06:54:32
ナッペ山全裸は危険すぎるw
- 69二次元好きの匿名さん23/03/01(水) 16:15:25
全裸ナッペ山編も楽しみにしてます