【ホラー/🎲/クロス/ss/閲覧注意】部屋 其の三

[1 lol◆zwjg81Wprg 23/03/04(土) 19:37:54]

《注意喚起》
当スレは「back rooms」を元としたホラーダイススレです。
※登場人物の死ネタ、キャラ崩壊が含まれます。※
死ネタや残酷な表現が無理だという方はブラウザバックを推奨しております。

⚠スレ主はOP知識少なめの為進行やエミュが下手な可能性がありますがご容赦ください⚠
⚠挿絵、あまりにも残酷な表現はワンクッションを置くためテレグラフを使用しております⚠


スレ画、挿絵提供……スレ主の妹

[2 lol◆zwjg81Wprg 23/03/04(土) 19:38:18]

《ルール》
・各エリアへは一定の階層までは固定とし、その後は完全ランダム（ダイス）で進みます。
・各エリア毎に登場人物の視点が変更します。その都度ダイスを回します。
・エリア内で全滅した場合、そのエリアの入口でリスポーンし、最初からやり直しになります。（例:level1で全滅した際、level1の入口から再スタート）
・エリアを脱出した際、そのエリアで死亡した登場人物はリスポーンという形で蘇生します。
・リスポーン時、以前までエリア内で入手し所持していたアイテムは全てロストします。
・進行不可能エリアに侵入した場合、そのエリアで全滅した場合のみlevel4に戻されます。

[3 lol◆zwjg81Wprg 23/03/04(土) 19:39:00]

《キャラクター詳細》

トラファルガー・ロー
能力 シャンブルズ
エンティティとの遭遇を一度だけ回避することができる。


バジル・ホーキンス
能力 ライフ
ライフを1所持しており、エンティティに殺害された際ライフを1消費する事で死亡を回避する事が出来る。尚、ウイルスや原型の残らない程のダメージは貫通し、ライフが残っていても死に至るものとする。


X・ドレーク
能力 恐竜化
エンティティとの遭遇率が格段に低くなる。恐竜化することで一時的に身体能力が上昇する。しかし使用中は体力の消耗が激しく、使用後は動くこともままならなくなる。また、一部エリアの障害物を破壊する事ができる。

[4 lol◆zwjg81Wprg 23/03/04(土) 19:40:38]

前スレ

【ホラー/🎲/クロス/ss/閲覧注意】部屋 其の二｜あにまん掲示板

前々スレ

【閲覧注意！ホラー・クロス注意】部屋｜あにまん掲示板

スレまとめ

【ホラー/⚂/クロス/ss/閲覧注意】部屋

[5 lol◆zwjg81Wprg 23/03/04(土) 19:43:16]

【＿＿あなた達が注意を怠って、おかしな所で現実から外れ落ちると、古くて湿ったカーペットの匂いと、単調な黄色の狂気と、最大限にハムノイズを発する蛍光灯による永遠に続く背景雑音と、約十五兆 ㎡を超えて広がるランダムに区分けされた空っぽな部屋に閉じ込められるだけの、 ”The Backrooms” へ行き着くことになるのです。

もし、近くで何かがうろつく音が聞こえたら、
それはきっとあなたが出す音に気付いていることでしょう。
あなたに神の救いがあらんことを。】

[6 二次元好きの匿名さん 23/03/04(土) 20:14:43]

たて乙〜

[7 lol◆zwjg81Wprg 23/03/04(土) 20:32:56]

***
…

………

…………。

扉の中は随分と暗い。道はしっかり奥へと進めるようになっている様で、おれはトラファルガーに手を引かれたまま奥に進んでいた。
あのlevelを出てから、どれ位経っただろうか？奥に進んでいる筈なのに、進んでいる感覚が全く無い。…未だに胸の中にある、恐怖心と疑心に頭を悩まされている事が原因なのはおれにだって分かっている。
視界が歪む。
頭が痛い。
おれはどうなるのか、そればかり考え込んでいる。



「……ホーキンス。」

ふと、トラファルガーが足を止め、今まで引いていたおれの手を離してきた。なんの前触れも無い行動におれは反応が出来ない。おれはトラファルガーの声に顔を上げることもままならない。立つことだって辛くなってきているというのに、返事なんかできるはずもない。奴はおれからの返事を待っているのだろうか。おれはどうしたらいいのだろう。
声が出ない。

[8 lol◆zwjg81Wprg 23/03/04(土) 20:44:08]

酷い沈黙が空間に走る。
この空気が重く伸し掛る。トラファルガーとドレークの冷たい視線がおれに向く。使えなくなったおれをどうするつもりなのかと考え込む。苦しくて息ができなくて、ついにおれは地面へとへたり込んだ。

「……おれを、」

トラファルガーが何かを言おうとした。おれはトラファルガーの言葉を聞くと、何かの糸が切れたかの様に、言葉が溢れ出た。


「………しらない」

「……？ホーキンス、何が＿＿＿＿」



｢しらない。しらない。なにもしらない、お前らは敵だ、敵だろ？敵なんだ、いずれおれを裏切って殺すつもりだ、殺されるおれはころされる、ちがうんだわかっている、しゃべるな！だまっててくれ、おれはお前達を信じられない、お前達は今は敵じゃない、ほんとうか？うそだ、だまれ、わかっているんだ、なのに、なのに恐ろしくて仕方がないんだ。どうしてだ？知るか、しるか、知るか知るか知るか！そうじゃないだろ、こんな事だからおれは、うるさい、喚くな、あのときだって、…、ちがうのに。ちがう、ちがくない、ちがうちがうちがう、おれはまちがってない、まちがったなんておもってはいけない、おれがえらんだんだから、おれが、おれがぜんぶ、…ぜんぶおれのせい？お前達を何度も見殺しにしようとしたんだ、おれは……｣

[9 lol◆zwjg81Wprg 23/03/04(土) 20:55:49]

聞こえない。何も聞こえない。おれはおれが思っていた事が全て口から溢れ出るなんて思ってもいなかった、おれはお前達を裏切ろうとしたことを酷く悔やんでいて、酷く悩んでいて苦しんだと言うのに。分からないんだ。何も分からない。分からないのはお前らだけじゃないんだ！おれが一番、わからないんだ。……ドレークかトラファルガーか、どちらかが何か言っているのか声の反響だけが伝わる。うるさいと感じるのは音だけでは無いのだとよく分かる。…音の反響がうるさいと、おれは心の中で叫んだ。


頭が痛くなる。
息ができなくなる。


おれの口から何が出ているのか分からない。おれが何を言っているのかも、最早おれにはわからない。そんな時に、トラファルガーはおれが首から提げていた鞄を無理矢理に取り上げてきた。

[10 lol◆zwjg81Wprg 23/03/04(土) 21:02:24]

何事かとおれは思う。あれはおれがボブから譲り受けたもの……なぜ取り上げる？おれをここで捨て行く為に取り上げたというのか？わからない。おれの口はおれの意志とは反対に動く様で、何かをずっと口走り続けていて、非常に不愉快極まりない。どうすればこの頭の痛さが軽減されるのか？息の仕方を思い出せるのか？おれはどうすればいい？顔を上げられない為トラファルガーの行動の理由がわからない。

「おれは＿＿＿」




「うるせェ。」


バシャ。

トラファルガーの言葉がしっかりと耳に届く。
それと同時に、おれの頭には、何か液体が降り注いだ。

[11 二次元好きの匿名さん 23/03/04(土) 23:25:39]

飲ませるんじゃないんだ……

[12 二次元好きの匿名さん 23/03/05(日) 08:03:03]

わぁ乱暴だね！？そしてスレ主の妹さんの絵がいい味だしてるこれでこそのホラーよ

[13 lol◆zwjg81Wprg 23/03/05(日) 10:51:11]

「＿＿＿は、」

……なん、だ。何が起きた…？状況が理解できなかった。ぽたぽたと液体が滴り落ちる。わずかに香るアーモンドの香りで、これがアーモンドウォーターだということがわかった。しかしなぜ、おれはアーモンドウォーターを頭からかけられたのだろう…

「さっきからゴタゴタうるせェ。お前が何かしらが原因でおかしくなってんのはもう分かってんだ。……飲んで頭でも冷やせと言いたかったがこうでもしねぇとおれの方を見ねぇだろ。」

トラファルガーの発言に呆気に取られてしまう。何を言ってるんだと、次は驚きのあまりに言葉が出ない。おれの何とも言えない表情を見てか、奴はおれに半分ほど残っているアーモンドウォーターを投げて寄こした。

[14 二次元好きの匿名さん 23/03/05(日) 18:10:31]

ホーキンス落ち着きそうでよかった…！！
頭からかけるの無慈悲で好き

[15 lol◆zwjg81Wprg 23/03/05(日) 18:33:28]

「飲むも飲まないも、ホーキンス。お前の判断で決めろ。………お前の精神状態がそれでどうにかなるかは分からねぇが、経過次第で診てやる。」

トラファルガーはそれだけを言うと距離を置く様に傍から離れていく。奴なりの配慮だろうか？……頭から突然冷たいアーモンドウォーターを掛けられたからか、頭の中は真っ白になったまま。先程までぐるぐると考えていた事はどこかに消えてしまったかのようで、鬱々とした事はあまり浮かばなくなってきた気がしてくる。

[16 lol◆zwjg81Wprg 23/03/05(日) 18:46:59]

…思い立ったならばすぐに行動するべきだろう。おれは奴に投げられた瓶の口を開け、半分程残ったアーモンドウォーターを煽る。

冷たいアーモンドウォーターは乾きを知らないはずの喉を潤す。息もできない程に詰まっていたというのに、簡単に液体が喉を落ちていくと、涼し気な感覚と共に身体から嫌な寒さは消えてなくなっていった。奴らに対する疑心が完全に無くなったかと言うと嘘になるものの、何かに対する『恐ろしい』という感覚も薄れていく。……不思議な飲み物だ。冷たさを保持している点もそう、体力を回復してくれる所か、おれの精神状態を多少なり落ち着かせてくれる事も。確かに、これは<back rooms>では重宝されるもののだろう。そう思いながら、あっという間に空になった瓶の口を閉め、おれはゆっくりと立ち上がった。頭は未だに重いものの、奴らの方を見る事は出来る。

[17 lol◆zwjg81Wprg 23/03/05(日) 19:11:37]

…散々に疑って、見殺しにしようとして、逃げる時も手を引いてもらって、面倒を掛けた。奴らが無慈悲に裏切りを働くとは思えないものの、ここまで面倒を掛けたのだから見限られる可能性は十二分にある。

「………、………面倒を掛けた。感謝する…」

気まずさと罪悪感とで押し潰されそうだ。しかし何か言わなければならないと口を開き、まずは感謝の念を伝えた。奴らから返事は無い。
…手の内を見せてはいけないと考え込んだ結果がこれだ。外傷であれば気付くことが出来る。しかし精神面に関しては自らが打ち明けなければ分かるはずもない。極端に気が触れている様なことが無ければ、精神面に関しては違和感程度で済んでしまうだろうと痛感する。謝罪をするべきかと考えていると、ドレークが口を開いた。

[18 二次元好きの匿名さん 23/03/05(日) 22:09:59]

辛くも逃れたけどさてどうなるか
噛まれてハウンド化はまずバッドエンドだろうし回避できて良かったわ
アーモンドウォーター被って呆然としてるホーキンスが気の毒かわいいよ絵師殿

[19 二次元好きの匿名さん 23/03/06(月) 09:03:56]

保守

[20 lol◆zwjg81Wprg 23/03/06(月) 12:01:54]

「…いや。感謝などするな。お前の異変に一番早く気付く事が出来たのはおれの筈だった、エレベーターから出ない時点でしっかりと確認をすればよかった。それに、立場上お前がどういう考えを取るのかもよく知っていているというのに…気付けず、すまなかった。」

そういうと奴はおれに謝罪を述べる。何故こいつが頭を下げるのか？全く理解ができない。

「……おれは医者だ。口では平気と言う奴が平気な訳ないのは十分に理解していた筈だというのに気付く事ができなかったのが悪い。この異様な場所だ、精神に直接ダメージを負わせる場所やエンティティがいてもおかしくないのに失念していた。…悪かった。」


ドレークに続いてトラファルガーまでもがおれに謝罪を述べている。どういうことか、咎めを受ける訳でもなくそれぞれが反省するという訳のわからない状況を作り上げてしまった。…どういう状態だ？先程とは違う意味で理解できなくなり、あっけにとられ、どうすれば良いのか判断が付かず、思わずうろたえてしまう。…気まずさの消えた空間。そんなやりとりをしている内に、おれの中からは抱いていた鬱々とした感情がすっかりと消えて無くなっている事に気が付いた。
…。

「…。…おれは正直、おれを見限りここに捨て置くのかと思っていた。それがこんな有り様で…拍子抜けた。…否、伝えられずにいたおれが何よりの発端だ。次からは…伝える様に心掛ける。すまなかった。…おれはお前達に賭けよう。お前達と行動し必ず出口へと向かう。…裏切らないとここに誓おう。」

何も言わない訳にはいかない。
そう考えたおれの口からは、奴らを信じようという感情が言葉になって零れ落ちる。
奴らからの返事はなく、おれの表情から毒気が抜けたと判断したのだろう。暗闇へと足を進めだした。この沈黙は肯定の意味であるというのがひしと伝わると、何も言うことはせず、おれは奴らの後ろをついて歩いた。

…精神に影響するlevel。
ハウンドの大群や得体の知れない大きな亡骸。
ここにはまだおれ達の知らない存在が山の様にあるのだとまざまざ思い知らされる。


『協力と信頼が長く生きるために必要なもの』


その言葉を肝に銘じよう。暗闇に包まれた背後を見つめると、そんなことを思った。

＿＿＿＿＿バジル・ホーキンスのメンタルハザードによる異常が回復しました。

[21 lol◆zwjg81Wprg 23/03/06(月) 12:44:25]

level840を移動しました。

ランダムでエリアを移動します。

また、二度目の移動の為ハプニング枠を設けます。

ダイスロールは絶対です。

1.異常level

2.通常level

dice1d2=2 (2)

(2.通常levelへの移動の場合移動するlevelの番号)

dice1d999=421 (421)

[22 二次元好きの匿名さん 23/03/06(月) 12:58:11]

ホーキンスが無事に回復できて良かった！
ところで、次のレベルが一面真っ暗なんだけど大丈夫かな？

[23 二次元好きの匿名さん 23/03/06(月) 12:58:52]

通常レベルだやった！

[24 lol◆zwjg81Wprg 23/03/06(月) 12:59:13]

【！DATA BASE ERROR！】【NOT FOUND】【THIS LEVEL DOES NOT EXIST.THERE IS NO WAY FOR YOU TO MOVE ON.PLEASE TURN BACK IMMEDIATELY.TURN BACK!】

dice1d999=143 (143)

[25 二次元好きの匿名さん 23/03/06(月) 13:24:03]

情報なかったから振り直しか！143ってどこだろ

[26 lol◆zwjg81Wprg 23/03/06(月) 14:57:53]

【level 143 神聖な城】へ移動したため、各登場人物の能力がリセットされます。

・X・ドレーク 能力 恐竜化 0→1

・トラファルガー・ロー 能力 シャンブルズ 0→1

前回のエリアでの死亡者はいませんでした。

登場人物の視点変更を行います。（前回の視点であった登場人物は除くものとする。）

1.トラファルガー・ロー

2.X・ドレーク

dice1d2=1 (1)

[27 二次元好きの匿名さん 23/03/06(月) 15:07:40]

ロー多いな

[28 二次元好きの匿名さん 23/03/06(月) 18:36:00]

ラスダンみたいな名前のLevelやね…
ホーキンス復帰おめでとう
そんで同行者二人は最高だよ
ハウンドに襲われるとこダイスがガチ盛り上げにかかってハラハラした、スレ主の文章力もあって腹の底からヒュッッとなった
楽しみ楽しみ次は何が出るやら

[29 二次元好きの匿名さん 23/03/06(月) 20:12:29]

そこは英語の解説動画を見る限り、他の所よりはだいぶ生き残れる確率が高そうだけど、その動画しか見つからなかったからこれ以上分からない
何事もないと良いのだけど

[30 二次元好きの匿名さん 23/03/06(月) 20:58:21]

サラッと調べたりした感じでは敵対エンティティはいるっぽいんだけど物資調達しやすいlevelみたいだし何かしらゲットできるといいな……等価交換できるものはエンティティの情報とかかな……

[32 二次元好きの匿名さん 23/03/06(月) 21:02:02]

案外大丈夫そうか？1部のエンティティに対する特攻アイテムゲット出来たらいいな

[33 二次元好きの匿名さん 23/03/07(火) 07:00:26]

保守

[34 lol◆zwjg81Wprg 23/03/07(火) 11:07:35]

***

最早見慣れたこの暗い道。
おれ達は奥に進むのではなく、少し前に入った扉の方へと引き返していた。
いつもならしばらく歩けば次の入り口が見えてくる。しかし今回ばかりは何かが違った。安全な場所だと思っていたこの道を奥に進んで行っている途中、グニャリと酷く視界が歪んだのだ。前のlevelでホーキンスがおかしくなった様に、この道もおかしくなる要因が隠れていたのか？と考えていると、頭の中で「引き返せ」という文字が浮かんできた。幻聴だと頭を振るも先に進むにつれ声は大きくなっていく。それはおれだけでは無かったのだろう、ドレーク屋もホーキンスも足を止め、二人して引き返そうと言ってきたのだ。

…あの奥は何があったのだろうか。奥は道が無かったのか？頭の中に響いた無機質な声は踵を返してからしばらくすると消えて無くなっていたことから、進めない道に入ると聞こえる声の可能性もある。…詳しいことはわからない。もしかしたら特定の場所ではああいう不可解な現象が起きるのかもしれないと結論付けると、おれ達は元きた道を歩き続けた。

「＿＿＿…？おい、トラファルガー。あれは…」


ドレーク屋がおれに声をかけてくる。
おれはホーキンスの体調の経過を逐一確認しながら進んでいた為、先をドレーク屋に歩かせ、警戒と次の扉の確認をさせていた。そのドレーク屋が何かに気付いた様に何かを指さしている。おれは何事かと、その示された場所を見つめた。

[35 lol◆zwjg81Wprg 23/03/07(火) 16:28:03]

「…水溜まり…あれはアーモンドウォーターか？なら、ここはおれ等が元いた場所だな。扉は…」

奴が指さした場所には、水溜まりがぽつりと落ちていた。
…あの正体はおれがホーキンスにかけたアーモンドウォーターだろう。あの時は気付かなかったが、結構な量を掛けたのだから水溜まりができていても不思議ではない。そしてそれがここにあるということは、元いた場所に戻ってきたと考えるのが妥当だ。暗闇ばかりでどれだけの距離を移動したかはわからないものの、目印になるものが落ちているということは、さほど移動していなかったのかもしれない。…ここが元いた場所だとすると、すぐ傍におれ達が入ってきた扉がある筈だ。おれはその扉を探す。確かこの辺りに扉があった筈だ。扉は金属でできていて灰色に塗装されており比較的綺麗な見た目をしていた為、こんな暗闇にあったとしてもすぐに見つかると思っていた。


しかし、おれが確認したその場所には何もなかった。

[36 lol◆zwjg81Wprg 23/03/07(火) 16:38:38]

扉があった場所にあるのは暗闇だけ。
確かにこの辺りにあった筈なのに、存在がすっかりとなくなってしまっていたのだ。

「…ない。扉が無くなってる。…閉じ込められた、とでもいうのか？」

「どういうことだ？ここは他と比べたら安全な場所じゃないのか？」


ドレーク屋がおれの言葉に突っかかってくる。おれだってわからねえと言うのに問うんじゃないと考えつつ、おれは辺りを見回した。…やはり無くなっている。扉があった場所は黒で塗りつぶされたかの様に何もない。…だが、扉があったと思われるその奥は進める様な気もする。進んだとて、新たなlevelに辿り着けるかは不明だが、奥に進めないのならこちら側に進むべきなのだろうか。

「……ここもまた時空が歪んでいるのだろう。はぐれでもしたら終わるんじゃないか？」

おれがそんな事を考えていると、精神状態が安定したとみられるホーキンスがドレーク屋にそんなことを言い始めた。…ドレーク屋はその言葉に頭を悩ませている。
これはボブが言っていた、時空の歪みが原因で発生したいくつもの層を移動したということなのだろうか？いくつもの層に分かれていると言っていたが、特定の層にしか存在しないものもあるのかもしれない。現に、扉は消えてなくなっている。
それはすなわち、一度はぐれたら別の層に移動する可能性がある、ということだ。…どういう条件で層を移動するのか、わからないのは痛い所だが、ホーキンスが言うことは最もだろう。

[37 二次元好きの匿名さん 23/03/07(火) 16:59:58]

ダイスで選ばれた先が情報がない等の理由で不採用になったら、こういう風になるのか
上手い事、その辺も物語に組み込んでいるのね

[38 lol◆zwjg81Wprg 23/03/07(火) 17:08:33]

「そうかもしれねえ。…憶測でしかないが、おれ達は別の層に移動したんだろう。いや、扉が移動したのか…？でなけりゃ水溜まりがここにある説明がつかねえ。…どういう条件で移動するのかはわからないが…とにかく、とっととここから出て次のlevelに移動するべきだって事だけは確かだろ。」


この場所に理屈なんてもんは通用しない。どんな理由であれ、今起きている異常事態から逃れる為には次のlevelに移動するのが手っ取り早い。

「…なら、この奥に行くべきだな。さっきの道は行けなかった、こっちに進むしかないだろ。」

ドレーク屋が扉のあった場所の奥を指さした。…道が完全になくなってしまったらこの場所に閉じ込められてしまう可能性だってある。奥に進んだ時に聞こえた無機質な声に関してもそうだ。ここはわからない事だらけでしかない。おれは同意だと頷くと、その先へと足を進めていった。

[39 二次元好きの匿名さん 23/03/08(水) 00:19:30]

怖いね…

[40 二次元好きの匿名さん 23/03/08(水) 10:19:15]

ほしゅ

[41 二次元好きの匿名さん 23/03/08(水) 10:25:01]

来た地点に出現した「先」へ進むという異常さがゲームチック…そんでもって怖ぇ

[42 二次元好きの匿名さん 23/03/08(水) 13:28:52]

情報無かった場合の怖いな
警告無視して進んだらどうなるんだろ

[43 lol◆zwjg81Wprg 23/03/08(水) 16:04:14]

本日多忙なため更新は夜にします！すみません

[44 二次元好きの匿名さん 23/03/08(水) 16:37:25]

>>43

忙しい中乙やで

大変だったら休んでもいいのだ

こんだけ設定凝ってるSSずっと続けてるの尊敬してるよ、妹殿の絵もすげー好き

体大事にしてくれや保守するぜ！

[45 lol◆zwjg81Wprg 23/03/08(水) 18:09:17]

***

…もう随分と歩いたというのに未だに次のlevelには辿り着かない。いくらあまり疲労感を感じないからと言って、歩き続けると疲れてくるものだ。疲労のせいで注意が散漫しないようにと気を付けながら、暗闇で方向を失わない様にと歩いていると、何処からやってきたのか…周囲にオレンジ色の霧が漂い始めた。
……暗闇の中で変化が起きたと言うことは、次のlevelに移動できたということなのだろうか…。先程のlevelといい、ここといい、放射冷却などの霧が発生する条件など満たしてもないだろうに、濃い霧が発生することが不可解でしかない。…理屈をいくら並べても仕方が無い。今目の前にあるものが全てだと言い聞かせる。ただの状況判断にはなるものの、おれは次のlevelに移動したものだと考え気を引き締めては背後と前方を警戒した。幸いこのオレンジ色の霧はあまり濃くなく、先に進むのには問題はなさそうだ。

「…おい。ドレーク屋、ホーキンス。…気を付けろ。この先も何がいるのかわかったもんじゃないからな。」

それだけを伝えると、霧の中を進んでいく。この場所は安全な場所なのかどうかの判断はできないものの、もしかしたら何か使えそうな道具やアーモンドウォーターがある可能性だってある。期待するだけ無駄かもしれないが、アーモンドウォーターを消費してしまった今使えそうなものは何も持っていない為期待してしまうのも仕方が無い。
…やはりlevel4のあの場所で探索を行うべきだったのか…？

そんなことを思いながら進んでいると、歩いていた道が段々と変わってきている事に気が付いた。

[46 二次元好きの匿名さん 23/03/09(木) 00:29:16]

出てくるエンティティたちは神聖存在ぽいしこのLevelの名前といいSAN値ェ…いや前回のホーちゃんよかマシだな大丈夫ダイジョブ

[47 lol◆zwjg81Wprg 23/03/09(木) 08:56:49]

先程まではオレンジ色の霧だけで暗闇だった筈。
しかし今は、周囲には裸木が何本も生えていたり、これまた奇妙なほど艶やかなオレンジ色をした草が生い茂っていたりと随分と雰囲気が変わっている。誰かが整備でもしているのだろうか、草が抜かれ綺麗に整えられた長い道は奥に続いている。…今の所はエンティティの気配は感じられないが、いつ出てきても逃げられる様にと警戒を怠る事は決してせずに進んで行くと、霧の奥に何か建造物がある事に気が付いた。


「…あれはなんだ。」

「…城か？随分大きいな。」


ホーキンスとドレーク屋も気付いていたのだろう、小さな声で言い合っている。…おれも目を凝らしてその建造物をじっと見つめた。
二人が言うように、あれは大きな城の様だ。その城はライトアップでもされているのだろうか、オレンジ色にぼんやりと明るくなっていて霧の中でも形が分かる。建物自体が発光している様にも見えるが、遠目からでは判断出来ない。外見は西洋の城と言うのが正しいだろうか？城を囲う立派かつ頑丈そうな城壁がそびえている事から、この城は厳重に護られている事が見て取れる。…見上げなければその城の頂上まで見れない程には大きい。整備された道はその城の方へと続いている様だった。

[48 lol◆zwjg81Wprg 23/03/09(木) 16:13:08]

…進める道はひとつしか無いのかと、確認の為に後ろを振り向くと、先程通ってきた暗闇は跡形もなく消え、変わりに道なりに裸木が均等に生えている道が現れていた。その方向は目立った明かりがないからか城の方向に比べると非常に暗く、霧があることも考えると歩くのには何かランプが必要になってくる。…生憎、おれ達はランプを持っていない。フラッシュライトもスマイラーに襲われた時に壊してしまっている。そうなると、選択肢はひとつ。
進めるのはあの大きな城の方向のみだろう。

「…城に入ってみるか。」

おれは城の方を指差す。二人の視線は自然におれが差した方に導かれ、城の方に向いたかと思うと、そうするべきだと言わんばかりに頷いた。…どこかに入口があれば中に入れる筈。まずは近くに行って、外観をしっかりと確認をしよう。おれ達は整備された道を、導かれる様にして歩いて行った。

[49 lol◆zwjg81Wprg 23/03/09(木) 16:50:08]

***

…オレンジ色の霧は見た目こそは毒々しく、ガスの様にも思えたが、霧の中を歩くときに感じるあの湿っぽさから霧である事は確かだろうと考えていた。この霧は色からして吸うと何か人体に影響が出るものかと思っていたが…おれはもちろんの事、ドレーク屋も特に異変はなく、前回のlevelで精神に異常をきたしたホーキンスにさえ異変はない事から、ひとまず安全であると判断する。
…元来、霧は吸ったところで人体に影響を与えるものではない。霧が発生する条件はいくつかあるが、一般的には放射冷却などで急激に温度が下がり、空気中の水蒸気が微細な水滴となることが原因で発生する。その為、霧自体を吸ったところで何ら問題はない。しかし、温度が急激に下がる様な状況もないのにも関わらず発生しているここの霧は、やはり霧ではなく何か別の、霧に酷似したものなのかもしれない。…なんとなしに考えていると道はレンガ状になり、大きな城壁がおれ達の前に現れた。

[50 lol◆zwjg81Wprg 23/03/09(木) 16:52:06]

>>44

ありがとう！！のんびり更新していこうと思います！

[51 lol◆zwjg81Wprg 23/03/09(木) 17:11:06]

遠目から見ても大きかった城壁は近くで見ると呆気にとられる程大きく、立派なものだった。

年季が入っているのだろう、蔓植物がその城壁に生えていたり、所々色が抜けていたり、削れているせいで凹凸が分かりづらくなっている。しかし、城壁自体に穴が開いている個所はなく、古いもののしっかりとした城壁だという印象を受けた。

…どこかに入口がある筈だが、あまりにも広いため見つけるのは時間がかかる気がする。

まずは右側と左側のどちらから調べてみるべきか。

1.右

2.左

dice1d2=1 (1)

[52 二次元好きの匿名さん 23/03/09(木) 22:47:23]

>>24

これ怖くて好き ブルースクリーンみたいな無機質な怖さがある

[53 二次元好きの匿名さん 23/03/10(金) 08:13:43]

ぞわぞわドキドキ待機

[54 lol◆zwjg81Wprg 23/03/10(金) 10:37:14]

「…一本道ではぐれねえとは思うが、はぐれんなよ。…右側から見るぞ。」

まずは右側。はぐれたタイミングで層の移動が起きてはたまったものではないため二人に注意を促しつつ、右の道へと足を進めながら周囲の探索を行う。…周囲は木々が生えているだけで、今のところは何もない様だった。

…それにしても、本当に立派な城壁だ。古くとも伝わる、城を守り抜くと言うその強さ。内部への侵入を決して許さないという強い意思を感じる程には立派だ。…こんなに厳重に作られた城壁は、外部からエンティティを侵入させない為に作られたのだろうか？外にはエンティティがいるということなのだろうか。…無事に城に侵入できるのかという若干の不安が脳裏を過るが、やってもない事で嘆くのも馬鹿らしいだろうと考えを捨てる。扉は見当たらないまま、城壁の端まできてしまった。何か、ないだろうか？

1.オレンジ色の草の間に何か光るものがある。

2.裸木の下に何かリュックサックの様なものが落ちている。

3.城壁の角の向こう側から音が聞こえる。

4.…どこからか、嫌な鉄臭さがする。

dice1d4=4 (4)

[55 二次元好きの匿名さん 23/03/10(金) 11:41:01]

あ、早速不穏な所に当たっちゃった
1と2は何かしらのアイテムを拾える選択肢のような感じだったのに

[56 lol◆zwjg81Wprg 23/03/10(金) 11:48:16]

何かないものかと手分けして探す。
おれは城壁の方を、ドレーク屋は草木の生えている方を、ホーキンスは…何かを広い集めている様だが、何を拾っているのかまではわからない。
おれは実際に壁に触れ、どうにかよじ登って侵入できないかと考える。城壁には扉があるのが一般的だがこの城壁は例外な可能性だってある。侵入経路を確保しようというのは、間違いではないだろうという考えだ。…シャンブルズで移動するのも考えたが、一度しか使えない能力をここで使うのは阿保らしい。出来れば能力は温存しておきたい。
何度か触ってみて分かったことだが、この壁は触れるとボロボロと劣化したレンガが粉になり落ちるため、よじ登るのは困難だろう。…鉤縄の様なものがあればいけるか？

…色々と考えが浮かぶ。
作戦にいくつものパターンを考えるのと同じように、万が一を考え様々な方法を考えておく必要があるだろう。黙々と探索を続けていると、ふと、鼻をつく嫌な匂いが風に乗って流れてきたのがわかった。

独特な鉄臭さ。

そして腐臭。

どこから来ているのかなど考えたくもないが、丁度この壁の向こう側…城壁の内部から来ているのがわかってしまった。壁は分厚い。中の様子を少しでも確認したいが、登ることも叶わないため、せめて音だけでも聞くことができれば、と瞼を閉じ音だけに集中する。
……すると、ドサ、ドサと、何か重い物を捨てる様な、鈍い音が風に乗ってか、聞こえてきた。

[57 lol◆zwjg81Wprg 23/03/10(金) 15:06:42]

…この城壁の向こう側では一体何が起きているんだ？
音だけでは判断ができないが、中に何者かがいることは確かだろう。経験から察するに、あれは人間や動物などを乱暴に投げている音に似ている。状況がわからない今断言するのは難しいが、中にいる何かは殺傷能力に長けている存在だと考えた。
…つまり。おれ達が中にいるであろう「何か」に見つかった場合。「何か」の手によって殺される可能性がある、ということだ。
生憎、こんな辺鄙な場所で命を終わらせる気は毛頭ない。おれは得た情報を二人に伝える為に後ろを振り向いた、その時だった。

[58 lol◆zwjg81Wprg 23/03/10(金) 15:07:13]

カサ、と足元に何か紙の様なものが当たる。

…どこから飛んできたのか、その紙は随分とくしゃくしゃになっている。…おれは拾ってみることにした。

落し物のメモ

[59 lol◆zwjg81Wprg 23/03/10(金) 15:19:50]

…これは、地図、か？
大雑把にエリアが区切られた何かの紙。そこには五か所の名前が書いてある。

「MAIN HALLS（メインホール）」
「BANQUET HALL（宴会場）」
「BREWERY（醸造所）」
「BARRACKS（兵舎）」
「HALLOWED GROUNDS（聖地）」

そして書かれている、二つのゲートと【EXIT】と書かれた赤い文字。
…名前が非常に気になる。聖地とはなんのことだ？ここは神聖な場所だとでもいうのか？四角を囲うようにして書かれた線、その中にある建物の図面の様なメモ書き。…もしや、これは…この城の中をメモした紙なのかもしれない。

[60 lol◆zwjg81Wprg 23/03/10(金) 22:33:03]

すみません、明日更新できなさそうなのでよければ保守しておいていただけると助かります…

[61 二次元好きの匿名さん 23/03/10(金) 22:36:48]

>>60

乙です！了解したよ！

地図ゲットぉしかし不穏！

赤字が意味深でおっかねえ

出口になんか待ち構えてるのか…？

[62 二次元好きの匿名さん 23/03/10(金) 23:47:16]

テレグラフのあの一文、いったいどういう事だ？それに、backroomsにおける『EXIT』と端と端にある！、何か引っかかるような……

[64 二次元好きの匿名さん 23/03/11(土) 06:57:48]

上ごめん誤字りまくった！
丸い放射状な断面？のこれは一体…？
兵舎があるなら居城じゃなく砦かも？
神聖が枕につくモンは大概ヤベェよね

[65 二次元好きの匿名さん 23/03/11(土) 15:07:29]

保守

[66 二次元好きの匿名さん 23/03/11(土) 22:32:34]

謎メモと不穏な物音…兵士がエンティティもどきもしくはそのものでないことを祈る
城ならば主が居る＝ボス戦来る？！

[67 二次元好きの匿名さん 23/03/12(日) 03:41:46]

ヒェッそわそわしちゃう楽しみ

[68 lol◆zwjg81Wprg 23/03/12(日) 10:31:09]

テレグラフ更新しました(キャラクター詳細一部変更、廃オフィス追加)

今日の更新は夜からにします。保守ありがとうございます！

【ホラー/⚂/クロス/ss/閲覧注意】部屋

[69 二次元好きの匿名さん 23/03/12(日) 10:38:09]

赤いEXITはやばいほんとにやばい

[70 二次元好きの匿名さん 23/03/12(日) 17:50:21]

今更だけどテレグラフめちゃくちゃ丁寧で完成度高すぎる…
これだけで読み応えがすごい

[71 lol◆zwjg81Wprg 23/03/12(日) 20:59:46]

改めて保守ありがとうございました！
再開したいと思います

[72 lol◆zwjg81Wprg 23/03/12(日) 21:11:06]

……今までは場所の地図など手に入らなかった。そもそもこの場所をしっかりと記せる地図が存在しているかも不明だろう。時空が歪んでいる以上、地形そのものも常に変化して行っている可能性だってあるのだ。それなのにも関わらず、今回はこんなにもあっさりと地図が手に入る事に違和感を覚える。…こんなにも大きく記された「EXIT」の文字は、希望の光にも、こっちに来いと誘われているかのようにも見えるが……吉と出るか凶と出るか。行ってみなければ分からないだろう。

「……おい、お前ら。なにか見付かったか？」

…おれはひとまず、この地図を二人にも見せておくべきだと考えると、二人の方へと近付きメモ書きを二人の方へと手渡してやった。

[73 二次元好きの匿名さん 23/03/13(月) 00:36:31]

信頼に値する地図であっておくれ
相談できる信頼はもう構築されてる感あってホッとするね

[74 二次元好きの匿名さん 23/03/13(月) 00:40:26]

いくなEXITは行くなほんとに最悪の事態になる可能性が高い

[75 二次元好きの匿名さん 23/03/13(月) 08:09:19]

こわっ…どうなるのかなwktk

[76 lol◆zwjg81Wprg 23/03/13(月) 10:13:53]

「…地図か？」

ホーキンスがそれを受け取ると、折り目を引き延ばしながらそのメモをじっと眺め始める。このlevelを地図として記したメモだという確信はないものの、そうである可能性が高いため肯定の意味を込めておれは頷いた。すると、ドレーク屋がホーキンスからメモを受け取り、何か線を描く様に指先で紙をなぞり始める。…何か気になる点でもあったのだろうか。

「…トラファルガー。この紙、水ではない別の液体で文字か何かが書かれているぞ。」

メモは全体的に濡れた紙を乾燥させた時の様に歪な形をしていて、所々文字は滲み色も随分と薄汚れている。そんなボロボロの紙に見えない文字が書かれていると…？…なんの為に？

「…俗に言う炙り出しか。」

おれがこの紙について考えていると、ホーキンスが口を開く。

炙り出し。
それは何も書かれていないと思わしき紙でも、火で全体を炙ることで隠された言葉が浮き上がるという、主にワノ国で使用されている遊びや占いの一環だ。

それがこのメモ紙にも使用されているのだという。…ドレーク屋の事を疑っているわけではない。むしろ気付いた事に感謝さえする程だ。しかし何故、こんなにも面倒な仕掛けをこのメモ書きに行うのだろう。このメモを作った人物が誰だか知ったことではないが、不信感は増すばかりだった。

「…どこかで火を使えそうな場所があれば炙ってみるか。…おれはこれ以外何も物資を調達できなかった。…だが、この壁の奥には何かがいるのは分かった。用心しておけ。」

生憎、今は火種になりそうなものは何も持っていない。…城の中には流石にあるだろうと考えると、ひとまずメモをホーキンスの持つ鞄の中へとしまってもらう。そして、聞こえてきた異音についても伝えておいた。

[77 lol◆zwjg81Wprg 23/03/13(月) 11:12:32]

「外にはエンティティがいない事を考えると、この城壁を超えられないのか…もしくは、この城を護る為に〝あえて〝城壁の外に出ないのか。真相はわからないが、承知した。」

このlevelには城を護る為だけに存在するエンティティがいるということだろうか。この城の歴史なんて知りはしないが、ここまで厳重な城壁を設置している事を考えるとあり得ない話ではない。
どんな事があろうとも警戒を怠れば待ち受ける結末は死のみ。
…特にホーキンスは死に急ぐ事が多い。気を張っておくべきだろう。

「それで。お前らは何か見つけたのか？」

おれが教えられる情報はたったこれだけ。ドレーク屋やホーキンスは何か見つけたのだろうか？情報はあればあるだけ良い。物資を入手できれば尚良いだろう。

[78 lol◆zwjg81Wprg 23/03/13(月) 13:05:11]

「おれは鍵を見つけた。そこの草むらに落ちていたが、使えるかはわからん。」

ドレーク屋が見つけたのは真っ赤な鍵の様だ。霧の湿気にやられたのか、所々が黒く錆びて薄汚れている。…どこかで使えそうではありそうだ。この大きな城の中だ、鍵がかかっている場所はいくつもある筈。どこの鍵かはわからないのが難点だが、虱潰しに鍵のかかっている場所に使えばいつかは使えるだろう。…オーナーキーの様に、どこでも開けられる可能性も無くはないが。あまり期待はしない方がよさそうだ。

赤い鍵

[79 lol◆zwjg81Wprg 23/03/13(月) 13:15:01]

念のためですが、ここで出している資料画像（スレ画や挿絵は注意喚起の通りスレ主の妹作）は全てスレ主がフリー素材を加工したり手書きで1から作成しているものなので、イラストは勿論の事資料画像を持ち出して悪用したりなどはやめといてください 他スレに持ち出すことはまず無いとは思いますが、持ち出しも禁止です
よろしくお願いします～

[80 lol◆zwjg81Wprg 23/03/13(月) 14:21:04]

「…おれは、石と砂を集めた。エンティティに見つかった場合投げれば音を出せる、いざとなれば砂をエンティティに投げつければ目潰しになると思ってな。…武器ではないが、使えるものは使うべきだろ。」

ホーキンスが広い集めていたのは、そこらに落ちている小石だった。
確かに、今のおれ達はあまりにも無防備で攻撃の手段がひとつたりともない。石であれば、多少はかさばるものの大した重みでもなく調達がしやすい。投げやすく、鋭利な石であればエンティティに傷を負わせる事もできる。聡明な考えだ。…ここにあるもの全てが武器になり得る事など考えもしなかった。おれも案外、悪魔の実の能力に頼りすぎていた点があったのかもしれない…。

「…ひとまず紛失しない様に鞄にいれておけ。…扉が無いんじゃここにいる意味もねぇ、左の方も行くぞ。」

改めて、ボブから貰った鞄が非常に役に立つと実感する。着の身着のままでこの場所に来てしまったおれ達に情報と収納できる鞄をくれた奴は…。……思いふけっていても仕方が無い。石と砂は、既に持っていたエンティティの情報が載った資料の目次の部分を切り取り、それに包んで鞄へとしまう。こんな場所では大したものも手に入らないと思っていたが、中々な収穫だろう。
おれは踵を返すと、元の道を辿って行った。

[81 lol◆zwjg81Wprg 23/03/13(月) 15:06:09]

***

左側の方を見て歩く。ここも右側の道とは大した変わりはなく、裸木が生えているだけ。
しかし、ひとつだけ、右の道とは大きな違いがそこにはあった。
それは随分と古びていて、所々が腐ってしまっている、木でできた小さめな扉。
蔓植物の生え方さえ均等に見える城壁に、ぽつんとそれはある。
…どうやら、左の道が正解だったらしい。右に行ったのは失敗かと思っていたが、物資を調達できた為よしとしよう。

「トラファルガー、あそこから入れそうだぞ。」

ドレーク屋が扉を指差しながら言う。辺りを見回しても扉はこれしかなさそうだ。
仮にこの扉に鍵がかかっていようとも、朽ちて古くなった扉は押してしまえば簡単に倒れるだろう。それ位には古くなっているのが見るだけでわかる。
こういった城は普通、城への侵入を防ぐため周囲に堀を作り、跳ね橋と呼ばれる可動式の橋を設置し、外部からの侵入を防ぐはず。しかしここには堀もなければ橋もない。…もしや、ここは裏口なのかという疑問を抱く。…しかし、ここでいくら考えていてもどうしようもない。実際に入ってみなければ何もわからないだろう。ここでは見たものだけが真実。行動に移さなければわかるものもわからないだろう。おれは二人の方を向くと、親指で扉の方を指し示しながらただ一言だけ口にする。

「行くぞ。」

そう言うとその扉に近付き、ほんの少し、触れる程度にその扉を押した。

[82 二次元好きの匿名さん 23/03/13(月) 23:13:21]

その鍵の赤の色、まるで血のようだね

[83 二次元好きの匿名さん 23/03/14(火) 04:20:58]

>>82

やめろ(震え声)

[84 二次元好きの匿名さん 23/03/14(火) 08:49:36]

スレ主が載せてるメモも画像も怖くて好きなんだけど全部作ってるの熱量凄くて素直に尊敬なんだが
続き楽しみ

[85 lol◆zwjg81Wprg 23/03/14(火) 17:16:20]

今日は夜更新します～ 考察や感想、意見など楽しく読んでます。いつもありがとうございます！

[86 二次元好きの匿名さん 23/03/14(火) 23:46:32]

乙です！今度はいったい何が待つ…
赤い鍵の導く先は赤い出口なのか？
不吉な予感しか無いけどスレ主とダイスの導きに従うとするぞ心臓ドキバクだぜ

[87 lol◆zwjg81Wprg 23/03/15(水) 00:39:22]

すみません寝落ちてたのでちょっとだけ進めます

[88 lol◆zwjg81Wprg 23/03/15(水) 03:35:09]

扉は案外簡単に開く。
……開くと言うより、押した事が原因で元々年季の入っていた蝶番にヒビでも入ったのだろう。ミシミシと音を立てたかと思うとそのまま奥へと倒れ込み、土埃を上げた。
おれは立ち上る土埃を手で払い除ける。そして、開いた扉の向こう側に何もいないかと確認をする事にした。
この扉を倒してしまったせいで、あの何かを捨てる音が聞こえてきた場所に居るであろう存在におれ達の存在を認識されてしまってはいないだろうか。何者かの気配は無いか。嫌な音が聞こえてはいないか。それを確認する。
…見つかればどうなるかなど考えなくともわかる。それ程の脅威がここにいる可能性が高いのだ、気を引き締めて向かわなければならない。

[89 二次元好きの匿名さん 23/03/15(水) 08:29:57]

イッチ乙！無理せんでね

[90 lol◆zwjg81Wprg 23/03/15(水) 09:54:01]

小さな入口を身を屈めては扉を潜り抜ける。分厚い城壁の向こう側は見渡す限り、外の風景とはほとんど変わらず、裸木や草が生い茂っているだけだ。その奥の方にあるのは、先程から見えていた城。遠目からはわからなかったが、城自体がオレンジ色にぼんやりと光っている様だ…ここで発生しているオレンジ色の霧と関係でもあるのだろうか？

今のところ怪しいものやエンティティの気配は感じられない。しかし…どうにもこの辺りは鉄臭くて仕方が無い。血生臭さには慣れているが、ここに充満する臭いは何年何十年と時間をかけて作られた濃い臭いの様な気がする。その為、相当に強いエンティティがここで生き物を蹂躙している可能性が浮上してきた。…何者かがいた右側からその臭いはやってくる様だ…確認をしに行くべきだろうか。

1.確認しに行くべきだろう。

2.あまりにもリスキーだ。やめておこう。

dice1d2=2 (2)

[91 lol◆zwjg81Wprg 23/03/15(水) 10:30:10]

…いや、あまりにもリスキーだ。
まず、おれ達には武器が無い。その何者かは人かエンティティの死骸と思われるものを捨てていた事を考えると、相当の手練れだと考えられる。素手で対抗してどうにかなる相手では無い事は確かだ。仮にドレーク屋が獣化したとしても、長時間体を変化させていられる訳でもなく、油断した隙に攻撃されては無駄ﾀﾋにになるのは目に見えている。
何がいるのかの確認をするべきだと思ったが、犬死になるつもりはない。おれは確認しに行くことをやめることにした。
…であれば、進むべきは城の方だろう。

[92 lol◆zwjg81Wprg 23/03/15(水) 14:26:00]

今の所は何もいない事はホーキンスとドレーク屋も分かったのだろう。おれが歩き始めると二人も後から続いてくる。
…裸木の生い茂るここには道という道はない。ただ奥に見える大きな城を目指して歩き続けているだけだ。歩いている間も気を張り続けている為か、誰も話そうという気配は無い。…しかし、level0と呼ばれているという最初のlevelでの沈黙はあんなにも嫌な空気だったのに、今はそんな感情も覚えなくなってきている。信頼している訳でもないが…背中を預けられる様な奴らではある。それが原因かもしれない。…どうでもいい事だが。

「…？トラファルガー、どうかしたか。」

ホーキンスがおれに声をかけてくる。おれはおれが気付かないうちに険しい顔でもしていたのだろう。その表情を見たホーキンスはおれに異変が起きたのかと思ったのかもしれない。

「…いや。何でもねェ。ただ、この城にいるエンティティがどんな奴かと考えてただけだ。」

「そうか。…何か異変に気付いたら即座に報告しろ、おれも報告する。」

ドレーク屋も話を聞いていたのだろう。おれとホーキンスの方を見ながら頷いているのがわかる。
…ここから出たら敵同士に戻る。しかし今は共に行動する者同士。同盟を組んだ訳ではないが、信頼関係を築けているのかもしれない。そう思った。

[93 lol◆zwjg81Wprg 23/03/15(水) 16:17:31]

***
ようやく城の前まで辿り着く。
城の入口は思ったよりも狭く見える事から、おれ達は城壁の裏口から侵入したのだと確信した。この扉も木製で、かんぬき錠はかかっていないのかすんなりと開いてしまった。…城の裏口だ、厳重に施錠されていてもおかしく無いというのに、なぜこんなに扉が開いたままなのだろう。先に他の放浪者が開けたのか、もしくはこの城に招かれてでもいるのか。詳しいことはわからないが、何事もなくこのlevelを抜け無事に脱出する事が目的な為、早々に城の内部へと侵入する。



城の内部は、一言で言い表すと、それは美しかった。



おれ達が入った扉から一直線に伸びているアーチ状に形作られた廊下。細かな彫刻が彫られている壁に掛けられたランプには炎ではく白色の球体が浮いていて、それが廊下を照らしている。おれは芸術は大して興味は無いが、この城は美しいと感じる。美しすぎるとも言えるほど。霧のせいで全体的にオレンジ色を成しているが、この霧さえなければこの城は不思議なランプの光がまとい、煌びやかで神秘的だっただろう。
ここも外と同じようにオレンジ色の霧が充満しているものの、この白いランプのお陰か外と比べると比較的見渡しやすい。

「…随分と凝った創りをしているな。」

「この柱といい、天井といい、素晴らしい彫刻だ。」

ドレーク屋とホーキンスが廊下全体を見回しながらそう話している。誰が見ても美しいこの城だ、あれだけ厳重な城壁に護られているのも納得だ。

[94 lol◆zwjg81Wprg 23/03/15(水) 16:33:50]

しかし、こんなにも美しい城の中に何もいない筈がない。確実に…エンティティがいるだろう。もしかしたら、別の放浪者がいる可能性だってある。
警戒しながらも廊下を進んでいくと、壁に沿って扉がいくつかあることに気が付いた。その扉には、白色の塗料で×印やVOIDと大きく書かれているのもある。…これはここに侵入した他の放浪者が書いたものだろう。有識者が書いたものであれば信頼に値するが、VOIDとは一体なんの事だ？どこか別のlevelに飛ばされる、ということなのだろうか。…level4でボブが言っていた、×印が書かれた場所には行かない方が言いという忠告を思い出す。つまりは、VOIDと書かれた部屋にも、×印が書かれた部屋にも入らない方がいい、ということだろう。

「…ドレーク屋、ホーキンス。文字や記号が書かれている扉には触れるな。極力近付くのもやめろ。入ったらどうなるかわからねえ。」

おれは念の為にと二人へと注意を促す。二人とも理解しているのか、頷いている。
そのため、この廊下にある扉にはどれも触れない事にし、そのまま廊下の奥へと進んでいった。

[95 二次元好きの匿名さん 23/03/15(水) 22:48:16]

探索のジレンマよな危険は避けたいが情報のために探りは入れたい…うむむむ

[96 二次元好きの匿名さん 23/03/15(水) 22:58:26]

こんな所でなければインテリア好きなホーキンスはゆっくり見学して楽しめたろうに…

[97 二次元好きの匿名さん 23/03/16(木) 03:40:50]

無事でいてほしいから慎重に行動してほしい心とアーモンドウォーターだけは確保したい心とふたつある〜

[98 二次元好きの匿名さん 23/03/16(木) 08:21:07]

頑張れ3人とも…

[99 二次元好きの匿名さん 23/03/16(木) 13:06:58]

VOIDはあかん！！！

[101 二次元好きの匿名さん 23/03/16(木) 13:09:44]

voidと！(命懸けで走れ)はあかん

[102 lol◆zwjg81Wprg 23/03/16(木) 17:19:47]

…廊下の奥にはひとつ大きな扉があった。
その扉もなんと見事な事だろう。ここ特有の文字なのだろうか、一度も見たことがない。独特ではあるものの、何かの文字が美しく彫りこまれている大きな彫刻扉。その扉には、先程の扉にも使われていたであろう白色の塗料で〇印が書かれている。それはすなわち、侵入しても問題ない、ということだろう。おれは念の為、確認をする為に二人の方を見る。

「…開けるぞ。」

おれが言いたいことが伝わったのだろう。何が出ても良い様にか、ドレーク屋がおもむろに扉に手をかける。そして、そのまま手前に開いた。

[103 lol◆zwjg81Wprg 23/03/16(木) 17:20:49]

扉は蝶番が軋む音と共に簡単に開かれる。

扉の向こう側は、大広間の様な、膨大なホールが広がっていた。
一番に目につくのは大きな階段だった。
おれ達はその階段の丁度左横辺りから侵入した様だ。大理石でも使っているのだろうか、白い手すりが非常に綺麗に見える。階段には赤いカーペットが敷かれていて高級感があった。その階段は踊り場から左右に分かれている為、階段を上った先にも道があることがわかる。

次に目が行くのは、ホールの中心にある神々しささえ感じる様なシャンデリア。
天井から下がっているそれには、ランプの中に浮いていた白い球体がいくつもついていて、オレンジ色の室内を照らしている。おれはこんなにも立派なシャンデリアを見たことがない。何でできているのだろう、シャンデリアは黄金色にも、赤色にも見え、宝石が装飾されていないのにも関わらず目を奪われる。階段側の壁には何を模したものか、天使の様な羽を生やした女性のオブジェクトが飾られていて、これまた見事なものだった。

[104 二次元好きの匿名さん 23/03/17(金) 01:07:35]

スレ主の文大好き
緊張感伝わってくるし想像しやすい

[105 二次元好きの匿名さん 23/03/17(金) 01:17:45]

さっきからずっと建物の綺麗さを褒めちぎっているけど、何だか逆にそれが不気味に感じる
あくまで個人の感想だし、そこまでお城が綺麗なのかなとも思うけど、なんか違和感がずっとあるんだ

[106 lol◆zwjg81Wprg 23/03/17(金) 11:18:48]

左右対称に置かれた壺や大きな甲冑といった装飾品も、美に対する知識が無い者が見てもため息が出てしまう程には美しい。
ホーキンスとドレーク屋もこの絶景を見て言葉を失っている様だった。

「…凄いな。この城は随分と凝った装飾品が多い。見たことのない物が山ほどある。」

「ああ。おれもここまで美しい場所は見たことが無い…」

ホーキンスがホールの方に向かいながら話す。おれは返事を返しながら、その後を続く。ドレーク屋も後ろから付いてきていた。
今まで様々な場所を航海を経て見てきたが、こうも神々しく神秘的な場所は初めて訪れる。まるで美術館を見て回っているかの様だ。…つい、警戒もせずにホールを見て回る。
床に描かれている模様もしかり、柱のデザインもしかり。ここは「美」を具現化したかのような城にも思えてくる。
次第に見ているだけでは飽き足らず。

ここにある物を自分の物にしたい。

…そんな風にさえ考えてしまう程だった。

[107 lol◆zwjg81Wprg 23/03/17(金) 11:39:45]

ここにいると先に進めない気がする。いつまでも装飾品を見てしまいそうだ。

他の場所に移動するべきか、ここをもう少し探索するべきか…。

1.他の場所へ移動する

2.このホールを探索する

dice1d2=1 (1)

（1.他の場所に移動する場合の移動先）

1.宴会場

2.醸造所

3.兵舎

dice1d3=1 (1)

[108 lol◆zwjg81Wprg 23/03/17(金) 11:52:51]

「…移動すんぞ。ここに長居するつもりはねえんだ。とっとと物資と出口を探して次のlevelに移動してェ。」

ここの装飾品や部屋自体、全部が煌びやかで美しい。
おれはそれをずっと見ていたい。

しかし、こんな世界一秒でも早くおさらばしたいのだ。足を止めている暇などない。

「であれば、上から見るべきだろ。出口があるとすれば下の階だろうからな、物資を探すのなら上から順に見ていけばいい。」

ドレーク屋が階段の方を指差す。おれとホーキンスは同感だと頷くと、階段を上り、上へと上がっていくことにした。

[109 lol◆zwjg81Wprg 23/03/17(金) 14:23:11]

>>106

※書き損じありました。すみません。文章校正はまとめの方で行うため、この様な出来事があったとわかっていただければ幸いです。以下、箇条書き※

・ホールの右と左の壁沿いにも扉が存在している。

・その扉には、「BARRACKS」と「BREWERY」と書かれており、拾ったメモを確認することでメモに描かれていたエリアに繋がっている扉だというのがわかった。

・残念な事に地図はあまりにも簡略化されていて細かい事まではわからない。

・名前の書かれた扉が二つしか無い以上、階段の上にあるのは宴会場なのだろう。

そのため、>>108　では階段を上っています。

[110 二次元好きの匿名さん 23/03/17(金) 23:48:39]

「ここにある物を自分の物にしたい」は、あんまりローらしくない気がする
そういう精神影響のあるlevelなんだろうか…

[111 二次元好きの匿名さん 23/03/18(土) 01:52:11]

>ここにある物を自分の物にしたい。…そんな風にさえ考えてしまう程だった。

これはヤバイ、精神汚染を受けている事に気付いていないから尚更

だから、早く別のエリアに移動できればいいのだが

>>109

補足と言うか、詳しい描写の解説ありがとうございます

[112 二次元好きの匿名さん 23/03/18(土) 12:53:45]

ほしゅ

[113 二次元好きの匿名さん 23/03/18(土) 22:16:45]

原作知らないのもあってドキドキするな
文章が上手いのもいい
なんとか完結までもっていってほしい

[114 lol◆zwjg81Wprg 23/03/19(日) 01:13:33]

更新明日します！しばらくお待ちいただけたら助かります！

[115 二次元好きの匿名さん 23/03/19(日) 11:08:19]

悪魔の実の能力を無理なく落とし込んでるの好き
設定つくるのうまい作者は尊敬する

[116 lol◆zwjg81Wprg 23/03/19(日) 17:21:42]

***
階段を上った先は広々とした空間が広がっていた。
真っ直ぐに伸びた廊下には明かりが少ないのか、下の階と比べると比較的暗い印象を受ける。しかし、暗すぎる訳でも無く歩く事は難しくはないだろう。……奥の方にはひとつだけ扉があり、そこだけを照らし出すようにランプがいくつも集中して置かれている。きっと、あそこがおれ達が目指している「宴会場」なのだろう。

城での「宴」を行える場所。
そういった場所は大抵、外部からの人間を招き入れる場所でもある。故に広々としている部屋であり、そこには食事が用意されているのが一般的だろう。今向かっている「宴会場」で、何か食糧や飲料…特にアーモンドウォーターがあれば良いのだが。とにかく、役に立つものを探して、とっととこのlevelから脱出するべきだろう。そんな事を考えながら、おれ達は奥の扉の前までやってきた。

[117 lol◆zwjg81Wprg 23/03/19(日) 23:13:17]

その扉には、下の階で書かれていたのと同様に「 BANQUET HALL」と書かれている。この先が「BANQUET HALL」……宴会場で間違いないようだった。
おれは念の為、中にエンティティがいないかの確認をする。彫刻扉に耳を当て、内部の音を聞く。見聞色の覇気さえ使えれば、内部にいるエンティティなどすぐに分かるというのに…能力が制限されるというのは酷く面倒だと改めて思う。扉が分厚いせいだろうか、中には何もいないからだろうか。特に音も、気配も感じられることは無い。

「…中には何もいなさそうだ。」

おれはドレーク屋とホーキンスにそう伝えると、慎重になりながら扉に手を置くと、手前に引いては開く。
開いた扉の向こう側には、それは広い空間が拡がっていた。

[118 lol◆zwjg81Wprg 23/03/19(日) 23:28:04]

下の階とは違った神々しさのある広い部屋。
そこには長いダイニングテーブルが均等に並べられていて、そのテーブルには何か食べ物のようなものや、飲み物などが並べられている。天井の中央にはシャンデリアが、テーブルの上には炎の灯った蝋燭がキャンドルスタンドに置かれている。周囲に置かれた食べ物はいつ準備されたものなのかは分からないが、外観からは腐ってはいなさそうだ。ハイティースタンドにはマカロンやクッキー、キャンディといった菓子まで置かれているのがわかる。
……このback roomsに侵入してからというものの、空腹感や喉の乾きが起きることは無かった。しかし何故だが、この部屋に入ってからは…腹が空いてきた、様な気がしてくる。今まで腹が減らなかったのが異様だったのか、この部屋が異様なのか。分からないが、食べても問題なさそうなものは食べてもいいかもしれない……。

そんな事を思っていると、おれの耳は確かに何かの音を拾った。

[119 二次元好きの匿名さん 23/03/20(月) 09:41:14]

なんでお腹減っちゃうんだろ…この部屋がそういう部屋なのか？精神汚染の原因はやっぱ霧なのかな　期待

[120 lol◆zwjg81Wprg 23/03/20(月) 13:02:30]

本日体調的な問題で更新できません　申し訳ない！
後でまとめたテレグラフとひとつだけ読み物載せるので、続きは明日以降という事でお願いします

[121 二次元好きの匿名さん 23/03/20(月) 13:41:55]

りょ
お大事にね

[122 二次元好きの匿名さん 23/03/21(火) 00:14:02]

保守！スレ主無理しないでね

[123 lol◆zwjg81Wprg 23/03/21(火) 01:29:12]

とある調査員のメモ

とある調査員のメモ１

読み物のひとつです。

[124 二次元好きの匿名さん 23/03/21(火) 10:04:51]

調査員のメモってこれ誰が書いたものなんだろうか
とにかくこのlevelがやばいことだけはわかるけど…

[125 二次元好きの匿名さん 23/03/21(火) 10:12:08]

このゲーム（？）は知らないけど、
スレ主さんの文章力とかレベル、世界全体のヤバさが取り敢えず凄く凄いことは分かる。
ありがとうスレ主さん、素晴らしい朝だ。

[126 二次元好きの匿名さん 23/03/21(火) 11:26:38]

リスクを考慮しなければ兵舎に行って武器を確保しておいた方がいのかな
少しでも戦力になるものは確保しておきたい…もちろん戦う状況にならないのが一番だけど

[127 二次元好きの匿名さん 23/03/21(火) 11:30:14]

>>123

ガスマスクをしていない、つまり霧を吸い込んだ人がローと同じ反応をしていて、ガスマスクをしていて霧を吸い込んでない人が『真実の光景』を見ている？

続きがその内書き足されるだろうからその内容次第だけど、絶対ヤバイよね

[128 二次元好きの匿名さん 23/03/21(火) 11:37:31]

とりあえずアーモンドウォーター見つけたら全員飲まないとマズそうな雰囲気

[129 二次元好きの匿名さん 23/03/21(火) 15:03:14]

ひとつでも見つけたら誰かが飲んでその人の判断に従った方が良さげ

[130 二次元好きの匿名さん 23/03/21(火) 20:24:53]

保守！

[131 lol◆zwjg81Wprg 23/03/22(水) 02:47:59]

とある調査員のメモ

とある調査員のメモ２

読み物のひとつです。

[132 lol◆zwjg81Wprg 23/03/22(水) 03:04:55]

まとめ作成+読み物+本編を同時進行しているのでスレ本編進まないの申し訳ない気持ち。のんびり待ってくれると助かります

[133 二次元好きの匿名さん 23/03/22(水) 10:53:22]

わっ…不穏やな…皆霧ガンガン吸ってるけど大丈夫…じゃないねうんアーモンドウォーターとガスマスクがあれば安心だけどあるのかな？
スレ主無理せずにね3つ同時進行は大変だよなのんびり待ってるぞ

[134 二次元好きの匿名さん 23/03/22(水) 11:01:15]

>>131

メモを読む限り、狂気に飲まれつつも見知らぬ誰かに警告できる程にはギリギリ正気があったみたい、最後ら辺を除いては

ならば霧を吸い込んでしまって、『城』に完全に取り込まれたら、その人はいったいどうなるんだ……？

[135 二次元好きの匿名さん 23/03/22(水) 13:08:42]

>>131

空腹になる場所なのかあの宴会場って…でも食べ物があるならアーモンドウォーターもありそう？

[136 lol◆zwjg81Wprg 23/03/22(水) 15:34:11]

「＿＿＿＿。＿＿、＿＿＿＿＿。」

「＿＿＿＿？＿＿、＿＿＿。」

ボソボソとした声。

男の声の様にも、女の声の様にも聞こえるそれは、一人だけのものではなく、複数人が話し合っているかの様に飛び交っていた。

「…！！…ドレーク屋、ホーキンス。気を付けろ、…何かが「いる」。…エンティティの可能性が高ェ。」

おれは咄嗟に小声で二人に伝える。声を聞いていたのはおれだけではなかったらしく、ドレーク屋もホーキンスも身を屈めて襲い掛かってきた時に対応できる様にと警戒していた。…話し声は未だに聞こえてくる。しかし、何を言っているのかは聞き取れない。ただ何かをボソボソ、ボソボソと繰り返しているのはわかる。

…おれはどうするべきだ？中に入っても、平気なのだろうか…。

1.未知なるエンティティに気付かれない様に警戒をしながら中に侵入する

2.ホーキンスが入手した石を内部へと投げ込み経過を確認する

3.！？

dice1d3=2 (2)

[137 lol◆zwjg81Wprg 23/03/22(水) 16:34:23]

「＿＿＿トラファルガー。」

どうするべきかと考えていた最中。ホーキンスがおれに何かを差し出してきた。
それは、城門の外で拾った石、だった。

「…石、か？」

「ああ。これを中へ投げ込み音を立てろ。おれ達に危害を加えてくる存在であれば音に気付いて近付いてくるはずだ、近付いてきたならば逃げればいい。逆も然り…何も反応が無ければ、侵入するべきだ。」

確かに、一理ある。今まで遭遇してきたエンティティは音に反応して襲い掛かってくる奴が多かった。ここに存在するエンティティも同じ性質を持つかと言われると頷くことはできない。しかし、試してみる価値は十分にある。おれは差し出されていた石を受け取ると投げるのに十分なサイズかを確認する。…中々の大きさで重量のある石だ。ホーキンスが使えるものをと厳選したのだろう。これなら、勢いよく投げる事で十分すぎる程の音を立てることができる筈。

「試してみるか。…いくぞ。」

おれはその石を片手でしっかりと握りしめる。
ホーキンスとドレーク屋も石の行く先をしっかりと見つめている。


意を決すると、扉から見える先にある…花瓶目掛けてそれを投げつけた。

[138 二次元好きの匿名さん 23/03/22(水) 16:36:30]

やっぱ頭良いよなこの人たち

[139 lol◆zwjg81Wprg 23/03/22(水) 16:48:58]

ヒュン＿＿＿




ガシャン！！



……石は、花瓶に命中した様だ。
花瓶が割れ砕ける音が聞こえてきた。
花瓶の中には水でも入っていたのだろう、ポタポタと水の滴り落ちる音さえも聞こえる。
先程まで聞こえていた話し声は、花瓶が割れると同時に、聞こえなくなった。

…それでもおれ達は、動くことはしない。聞こえなくなったという事は、今まさに動き出した可能性があるからだ。


浅い呼吸音が、沈黙の中で聞こえる。
誰一人として動くこともしない。
話もしない。

警戒だけを続ける。




聞こえてくるのは水の滴る音。
呼吸音。
そして………あの話し声だけだった。

[140 lol◆zwjg81Wprg 23/03/22(水) 17:02:20]

「……話し声は。」

「聞こえるな…。おれ達の方に来ないという事は、敵意は無い…のか？」

ドレーク屋がほんの小さな声でホーキンスと話をしている。
一瞬途切れたと思った話し声は、途端に再開し出していた。今もなおボソボソと聞き取れない声で確かに誰かと会話を続けている。その声は、よく聞いていると一定に何か同じようなことを言っている…様にも聞こえる。そして、中にいるであろう何かは、動く気配は全く感じられなかった。
それらの事から、奴らは襲ってはこないものだと判断する。おれは内部に侵入するにあたって必要である情報を確認の為に二人に向けて口を開いた。

「…とにかく、襲ってこないなら、侵入するぞ。…中でアーモンドウォーターを探せ、他にも使えそうなものや保存食として確保できそうなものがあれば持って、とっとと出る。下の階にも見るべき部屋はあるんだ、ここでぐずぐずしていたくねぇ…ここの空気は好かねェ。」


おれ達に必要なのは物資だ。
特に、アーモンドウォーター、食料。武器に、正確な地図。
そして、脱出に繋がる決定的なもの。
…そんなものがあれば苦労はしないだろうが、ヒントでもあれば万々歳だろう。

おれは開かれた扉に再度手を掛ける。内部を確認すると、三人で同時に部屋の中へと侵入した。

[141 二次元好きの匿名さん 23/03/23(木) 00:46:38]

賢い立ち回りで安心するけどそれ以上に何か起こりそうで怖ぇえー

[142 二次元好きの匿名さん 23/03/23(木) 07:19:36]

この空間ではお腹空いたり眠くなったりするんだろうか

[143 二次元好きの匿名さん 23/03/23(木) 09:56:32]

霧のせいで正気を失いつつも警戒できるの、さすがとしか言いようがないな…

[144 lol◆zwjg81Wprg 23/03/23(木) 15:42:13]

スレ主とスレ主妹が一か月ほど掛けて穴抜けが無い様に、辻褄が合うようにと練った完全オリジナルであった設定を若干改変された状態で別スレで使用されている事に気付いてしまいました。なんならlevel0のオフィスの文章構成も若干の変更が入っているものの使われていて正直びっくり。

以下、お願いです。

スレ主的には参考にするのはOKですが、許可なくわかりやすく真似するのは申し訳ないけどやめていただきたいです

>>79　では画像のみ、という言い方をしてしまいましたが、文章や設定もです。他スレへの持ち込みはやめてください。（わざわざ書くまでもないと思ったのですが、このような事態になるとは思わなかったので再三にわたるお願いです）もしかしたらスレ主が自意識過剰になってしまっていてそう見えているだけかもしれませんが、念の為注意喚起させていただきました。

[145 二次元好きの匿名さん 23/03/23(木) 17:37:19]

確かに設定や最初の文章は似てるけどこれ怒るほどなのか
あにまんでは珍しい能力使えるホラーだけどこんな設定山ほど見てるんだが

[146 二次元好きの匿名さん 23/03/23(木) 17:56:18]

>>145

似てるスレでも指摘されてたし今はもうそんなホラー見なくなったからね

それこそ個人サイト時代の遺物なんだ

つまりおれたちみたいなネットジジイしか知らないんだよ

[147 lol◆zwjg81Wprg 23/03/23(木) 18:09:10]

>>145

>>146

最近のホラースレ関連で被りが無い様に作った設定だったので似たようなものがあることに関しては申し訳ない！スレ主が把握していませんでした。ただ文章をそのまま使われているのはどうなのだろうと思ってしまったので注意喚起してしまいました。気にするな、という話になったらその通りです。

[148 lol◆zwjg81Wprg 23/03/23(木) 18:41:28]

とりあえずスレは23時頃に進めたいと思います
本編と関係の無い内容貼って申し訳ないです。

[149 二次元好きの匿名さん 23/03/23(木) 18:57:43]

スレ主文章上手いしもしかしたらシナリオ書く上での参考にはされてそうだなって該当スレ見て思った
気持ちは分かるけど文章丸パクリというわけではないからあまり気にしなくてもいいかと…

[153 二次元好きの匿名さん 23/03/24(金) 00:33:48]

事実どうであれすごい凝った作りでやってらしてるのにもやもやすることが起こってしまって悲しいね… スレ主が考えてくれたものが最後まで気持ちよく書き切れることを祈ってるよ

[155 lol◆zwjg81Wprg 23/03/24(金) 10:18:54]

昨日は感情的になってしまった点もあったため荒く言ってしまいました。ただ今後もこういう事があったら嫌だな…程度の気持ちで言いました。混乱や誤解を招く事を言ってしまい申し訳ないです。残り本編進めさせていただきたいと思います。
スレも後半になってきてしまったので次スレは前回同様190辺りで作ります　今後も楽しんでいただけたら嬉しいです

[157 lol◆zwjg81Wprg 23/03/24(金) 11:12:34]

>>140

まずは部屋の中に存在しているエンティティの姿を確認しておくべきだろう。部屋に侵入すると、まずは辺りを見回し周囲にエンティティがいないかを確認する。

周囲にあるのはダイニングテーブルとその傍に置かれた椅子。中央に下がっているシャンデリア。それ以外に目立つようなものは特には無い。ダイニングテーブルに置かれている銀色のプレートには、ハンティースタンドに置かれている綺麗な菓子とは違い原形を保っていないぐちゃぐちゃとした「何か」が乗っていたが…あれが何なのか、おれにはわからない。ただ、食べるべきではないのは一目瞭然だろう。…そのプレートの前は空間でも歪んでいるのだろうか、背景が歪んで見える。

しかし、肝心のエンティティの姿は目視する事ができなかった。

「…おかしい。エンティティの姿が無い。」

おれは独り言ちる。

エンティティが存在しないのなら、この声の主は一体誰なのだろうか。部屋に入っても未だに聞こえ続けているこの声は一体？どこかに音声を流すことのできる電伝虫でもあり、そこから絶え間なく同じ音声でも流しているのだろうか。…しかし、そうなると先程石を投げ込んだ時に一瞬音が止んだ説明が付かない。それに、様々な方向から聞こえてくる声は機械的なものから発せられているものでは無い気がする。

手がかりはないかと、おれは入口から投げ込んだ石の落ちている場所まで足を進めた。投げた石は回収すればまた使える。ついでに拾ってまた何かあれば使おうという考えだ。

割れた花瓶は床に散らばり、水溜まりを作りだしている。花瓶の近くにもエンティティがいた形跡は無い……が、床に何か文字が書かれているのが気になる＿＿＿＿

「＿＿！！！トラファルガー…そこから、離れろ。」

ホーキンスが何かに気付いたのか。

ダイニングテーブルに近付いたおれの名を呼ぶ。

その瞬間、咄嗟に行動を停止した。

[158 lol◆zwjg81Wprg 23/03/24(金) 11:22:51]

他スレに対した意見やオリジナリティを効かせたものだという発言は言うべきでなかったというのは重々理解いたしております。自分でも間違った発言だったと反省してます。今後は無い様に徹底しますので、この先はこの話題のレスは控えていただけたら助かります…重ね重ね申し訳ないです。

[159 lol◆zwjg81Wprg 23/03/24(金) 14:44:51]

ホーキンスの視線はおれよりも奥にある。
おれの奥にあるものはダイニングテーブルだけ。ホーキンスが離れろと指示をしたと言う事は、そこにエンティティが現れたと考えるのが妥当だろう。花瓶に触れる前には何もいなかったが、気配も音も無く現れるエンティティがここに存在する可能性をおれは考慮していなかった。
油断してしまったのだと、理解する。

おれは極力音を立てないようにと後退る。音を立てない様に、呼吸さえも浅く。何がきっかけで襲い掛かってくるかなどわからない為、慎重に。
時々、割れた花瓶から滴り落ちる水滴が水溜まりに跳ねる音が聞こえてくるが、このエンティティはその音には反応を示さないらしい。ずっと聞こえている声にも、石を投げ込んだ時にも反応はなかった。であれば、おれ達が出す音にも反応はしないのでは…と、移動をしながら考える。

「…エンティティはどれだ、」

おれはホーキンスとドレーク屋の元まで戻ると、そのダイニングテーブルの奥に視線をやる。おれが見る限りではそこには何もいない…様に見えた。


「よく見ろ。そこに「いる」だろう。…わからないのか。」


ホーキンスはそこを指先で指し示す。
示された場所は背景が歪んでいる部分。何が原因で歪んでいるのかはわからないが、少なくともおれの目にはエンティティの姿は映っていないのは確かだった。

[160 二次元好きの匿名さん 23/03/24(金) 14:55:52]

ホーキンスは効いてないのか？

[161 二次元好きの匿名さん 23/03/24(金) 15:01:43]

霧の効き具合が人によって違うのかな

[162 lol◆zwjg81Wprg 23/03/24(金) 15:07:19]

【エンティティNo.■■■の資料】

エンティティNo.■■■

[163 二次元好きの匿名さん 23/03/24(金) 15:40:16]

うおお…霊感 ホーキンスそういうのありそうだもんね魔術師だし
ドレークは無反応だったからなさあじかな

[164 二次元好きの匿名さん 23/03/24(金) 16:34:55]

これホーキンスにだけ見えてたら幻覚だと思われないか
一度みんなで報告書読めればいいんだけど

[165 二次元好きの匿名さん 23/03/24(金) 20:23:50]

誰か１人でも警戒できるのはいいな

[166 二次元好きの匿名さん 23/03/25(土) 07:15:16]

ほしゅ

[167 二次元好きの匿名さん 23/03/25(土) 17:04:31]

早めの保守ー

[168 二次元好きの匿名さん 23/03/26(日) 01:02:09]

保守

[169 二次元好きの匿名さん 23/03/26(日) 11:20:36]

こういう霊的な事象におけるホーキンスの頼もしさよ…

[170 lol◆zwjg81Wprg 23/03/26(日) 20:05:06]

更新23時頃にします。少々お待ちください。

[171 二次元好きの匿名さん 23/03/26(日) 21:20:15]

やったー！待機

[172 lol◆zwjg81Wprg 23/03/26(日) 23:35:13]

「…半透明の、人型のエンティティ…か？」

「…半透明？あれが半透明だと？トラファルガー、お前には見えないのか？」


ホーキンスはドレーク屋の言葉にも違和感を覚えたかの様に話す。
ホーキンスはそこに「いる」と明言し、ドレーク屋は「半透明」と言う。そしておれには……何度見ても、歪んでいる背景にしか見えなかった。
おれと、ドレーク屋と、ホーキンス。それぞれが見える景色が違っている理由がわからない。ホーキンスが幻覚を見ている可能性も考えたが、それであれば同じ位置でドレーク屋に見えている半透明のエンティティの説明がつかない。オレンジ色の霧には何か精神を汚染する効果があり、それが原因で三人とも見えている景色が違うのだろうか。……それとも、ホーキンスにしか見えない「何か」がいるのかもしれない。
判断のしようがないこの状況だ。ひとまず、見えていないと伝えるため、頷いてはホーキンスに伝える事にした。

[173 二次元好きの匿名さん 23/03/27(月) 07:21:00]

ホーキンスが信じられてよかった

[174 二次元好きの匿名さん 23/03/27(月) 17:31:35]

ほしゅ

[175 二次元好きの匿名さん 23/03/27(月) 22:26:14]

見え方が違うのはなんでだろ？

[176 二次元好きの匿名さん 23/03/28(火) 08:01:13]

ドキドキ

[177 lol◆zwjg81Wprg 23/03/28(火) 18:37:17]

すみません仕事多忙なので更新できてませんが、今夜沢山進めたいと思いますお待ちください！

[178 二次元好きの匿名さん 23/03/29(水) 00:15:21]

了解！でも、無理しない範囲で大丈夫だからな

[179 二次元好きの匿名さん 23/03/29(水) 09:13:57]

お忙しいならしょうがないですから気になさらずに！

[180 二次元好きの匿名さん 23/03/29(水) 19:22:21]

ゆっくりで大丈夫ですよ
楽しみに待ってます

[181 二次元好きの匿名さん 23/03/30(木) 05:54:49]

ほしゅ

[182 二次元好きの匿名さん 23/03/30(木) 14:47:13]

どうなるんだろ楽しみ

[183 二次元好きの匿名さん 23/03/30(木) 22:40:39]

見え方はなんで違うのかな？

[184 lol◆zwjg81Wprg 23/03/30(木) 23:31:51]

「…つまり、おれにしか見えていないという事か。」

「おれには空間が歪んでいる様にしかみえねェ。その歪んだ所にエンティティがいるのか？…、そのエンティティはどんな見た目なんだ。」

エンティティの姿がホーキンスにしか見えないとなると、そのエンティティが襲い掛かってきた時に逃げる事もできないだろう。そのため、少しでも情報を共有しておくべきだと考えると、おれはおれが認識しているすべてを二人へと伝え出す。
見えているもの。
聞こえているもの。

おれ達三人の間でも認識が違う。だからこその情報共有。ホーキンスは何か思うことがあったのだろう、おれと、ドレーク屋と、そしてそのエンティティがいる位置を見比べると、エンティティのいる方を指さしながら口を開く。

[185 lol◆zwjg81Wprg 23/03/30(木) 23:48:42]

「……奴は白色のローブを着ている。顔は見えない、大きさも分からない。しかしおれ達には気付いてない…のか、ずっとテーブルの上にある銀のプレートを見ているようだ。トラファルガー、貴様が言う空間が歪んだ部分にある椅子に奴は座っている。」

「……おれには白色の何かがぼんやりとそこに座っているように見えるぞ。何故薄らと見えるかの理由は不明だが、場所はホーキンスの言う場所で合っている。他には…音、これはお前ら二人も聞こえてるのだろう。何を言っているのかはわかるのか？」

「いいや、分からねェ。おれ達が使ってる言語じゃねェせいか、もしくは……なんの意味も成さない言葉を呟いてるのか。」


いつ気付かれるかは分からない為小声で話す。

おれと、ドレーク屋と、ホーキンス。何度話しても、何度考えても、おれ達の間で見えているのと見えていないのとの違いに対する共通点がまるで分からない。

そのエンティティは今までのエンティティと違い、何か霊的な…存在の可能性もある。それか、やはり集団幻覚でも見ているのかもしれないが。分からない事には動けないだろう。しかし、事前に石を投げ込んだことで音に反応しない事は発覚している。おれは情報共有も十分だと考えると、ドレーク屋とホーキンスへと提案をすることにした。

[186 二次元好きの匿名さん 23/03/31(金) 07:35:28]

元ネタがわからないけどいつも楽しみにしています！

[187 二次元好きの匿名さん 23/03/31(金) 17:45:55]

魔術師のホーキンスが見えるのはわかるけどうっすら見えてるドレークが謎で面白い…

[188 二次元好きの匿名さん 23/03/31(金) 21:24:13]

動物の勘的なものなのか、ローが鈍い？のかどっちだろう？

[189 二次元好きの匿名さん 23/04/01(土) 07:20:51]

はたまた別の要因があるのかな？

[190 lol◆zwjg81Wprg 23/04/01(土) 10:49:48]

190まで来たので一旦スレ落としていただいて大丈夫です！少ししたら次スレ建てて本編進めたいと思います。たくさんのレスいつもありがとうございます！

[191 二次元好きの匿名さん 23/04/01(土) 18:46:01]

>>190

続きのスレ楽しみにしています！

[192 二次元好きの匿名さん 23/04/01(土) 19:19:39]

>>190

今追いつきました！

元ネタを知らなくても楽しめるしイラストと文章がとても上手いのでめちゃくちゃ面白かったです！