- 1◆nwD5SWDTvI21/11/17(水) 07:27:58
時間の経過は驚く程に早いもので、カワカミプリンセスと専属契約を結んでから、今日で三年目。本当ならばプリンセスの好きな食べ物を大量に買い並べ、彼女の友人も大勢呼んで、トレーナー室で小規模ながらパーティーを開いてやりたいところだったが、専属契約続行諸々の書類作成に追われて叶わないまま記念日を迎えてしまった。
そんな折、なんと彼女から『本日15時にダンススタジオへ』との呼び出しが掛かったのだ。書類もあらかた片付けた今の自分に、行かない手は無かった。そうと決まれば『運命の王子様』として、プリンセスを待たせる訳にはいかない。…ので、約束の時間より少し早めにダンススタジオに到着したところ。
「―― ♪」
プリンセスは、煌びやかで優婉な舞踏を、鏡の前で行っていた。ラストの胸の前で手を交差させるような決めポーズの後。間もなく、鏡の中の彼女と目が合ってしまう。
「…はわ、わわわわ……と、トレーナーさん!?もしかしてずーーーっと見ていらしたんですの!?」 - 2◆nwD5SWDTvI21/11/17(水) 07:28:12
成程、この慌てようはお転婆な姫がきっと練りに練って実行に移したサプライズだ。咄嗟にそう判断すれば、途端に申し訳なくなり、ごめんと彼女に頭を下げた。
「驚きのあまりフロアをぶち抜いてしまいそうになりましたけれど、姫的には全っ然構いません!!むしろ好都合ってモンですわ!!」
何やら物騒な言葉の後、心の内を彼女は吐露するように続ける。
「……だって、早くお見せしたかったから。」
「……プリンセス…」
三徹分の疲れが何処かに吹っ飛んでゆく。プリンセスが、トレーナーである自分の為だけに何かを成そうと努力をした。そんな事実に対しての喜びのあまり、思わず彼女の名前を口に出してしまうと、プリンセスは嬉しそうに目を細めた。
そして、そのままダンススタジオの隅の音響設備に駆け寄れば、ジャージ姿ながらもスカートの裾を持ち上げるカーテシーのポーズを取る。
「どうかご覧になっていて。これは私からの三年間分の感謝の気持ち。――『彩 Phantasia』。」 - 3二次元好きの匿名さん21/11/17(水) 07:57:41
これはいい…
- 4二次元好きの匿名さん21/11/17(水) 07:59:52
オイオイオイ、死んだわ俺。
- 5◆nwD5SWDTvI21/11/17(水) 08:35:59
移動先から失礼します、スレ主です。
コメントありがとうございます…とても励みになります。
まだまだ見て欲しいのでage。 - 6二次元好きの匿名さん21/11/17(水) 08:57:52
おいおい俺を殺す気かい?姫の元気っぷりが出てて最高ですわー!!!
- 7二次元好きの匿名さん21/11/17(水) 09:03:08
さらっと三徹しとる…
- 8二次元好きの匿名さん21/11/17(水) 09:54:09
こっちの疲れも取れる…