- 1カラーラフ23/03/07(火) 00:33:38
- 2二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 00:37:16
ひょっとしてカフェを描きますの人?
- 3二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 00:39:00
お久しゅうございます
まってた - 4二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 00:42:39
- 5二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 00:45:25
エプロンカフェいいよね……
- 6123/03/07(火) 01:50:23
- 7二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 04:09:39
書きたいけど出力出来ない
- 8二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 06:24:57
お久しぶりです
スレ絵のカフェ人妻感あって好き - 9二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 06:28:47
お久しぶり やっぱ20秒カフェ可愛いな
スレ画も幸せ感が溢れてます - 10二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 08:00:40
カフェの通い妻概念はいいぞ
- 11二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 13:34:04
「そうでしたか……またパン一つで済ませて……ありがとう、ございます……」
私は中庭のベンチで“彼女”に礼を告げる。
傍から見ればそれは虚空に声をかけているようにしか見えない光景。
kれど、私の目には確かに“お友だち”の姿が映っていた。
彼女は長い髪をたなびかせながら、誇らしげに胸を張ると、更なる情報を教えてくれる。
「…………なるほど……やはりトレーナーさんに負担が……どうにかしないと…………」
異変に気付いたのは数日前。
ふとした用事でトレーナー室へ伺うと、彼が居眠りをしているのを見つけた時。
彼は私が来た途端目を覚まし、慌てて立ち上がり、謝罪の言葉を口にする。
この時は、気にしないでください、と答えるだけだったけれど後に私は気づいた。
――――トレーナーさんが居眠りしてるのなんて初めて見る、と。
それから“お友だち”にも協力してもらって、彼の様子を色々と探ってもらった。
朝食はコーヒー一杯で済ませていること。
昼食は仕事をしながら食べるパンなどであること。
夕食もカップ麺などコンビニ弁当が殆どであること。
帰宅してからも寄る遅くまで仕事をしていること。
近くで見つめると目の下に隈が薄っすら見えること、少しだけお顔がやつれて見えること。
「やはり……アナタから見ても…………そうですか」
“お友だち”は不満げに言います。
最近はちょっかいをかけても反応が薄い、と。
また、余計な連中が近寄ってきて追い払うのが面倒くさい、とも。
つまるところ、また最近“よくないもの”が彼に集まって来てしまっているよう。
“お友だち”の様子から、以前に遭遇した“アレ”と比べてば可愛いものではあるみたいだけれど。 - 12二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 13:34:24
トレーナーさんと契約したから、それなりの時が流れて。
“お友だち”も彼のことを大分気に入ったようで、目を離すと一人で会いに行くことも増えた。
…………少し思うところはあるけれど、二人が仲良くなってくれて、私も嬉しい。
しかし、それは新たな問題を発生させている。
“みえないもの”である“お友だち”がトレーナーさんに積極的に絡みにいく。
そのことにより他の“みえないもの”も、彼が気づいてくれる人だと認識してしまっている。
ああ、これはよくないこと。
本当に、よくないこと。
彼は、私の、私達だけのトレーナーさんなのだから……。
とんとん、と肩を軽くたたく感触。
はっと気づくと、“お友だち”が首を傾げながらでこちらを見ていた。
……少し、嫉妬を覚えてしまったみたい。自分の顔が熱くなるのがわかる。
私の様子に心情を察したのか、“彼女”はお腹を抱えて笑い始めた。
「と、とにかく……このままでは…………いずれ大変なことになるかも……しれません……」
よほど危険なものであれば“お友だち”も対応や報告をしてるはず。
故に、すぐに大事になることはない。
けれど多忙や“よくないもの”が起こす不可思議な現象は、確実に疲労を蓄積させている。
もしもトレーナーさんが突然倒れたりでもしたら―――――。
考えただけでも胸が張り裂けてしまいそう……何か手を打たなければいけない。
ではまず最初の一手として、私は未だに笑い続けている“お友だち”に笑みを浮かべて声をかける。
「まず……トレーナーさんにちょっかいをかけてる……という点を……詳しく聞かせてもらっても?」
ぴたりと笑い声は止まり、バツの悪そうに“お友だち”は目を逸らした。 - 13二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 13:34:56
休日。私はトレーナー寮の一室の扉の前にいた。
ここは、以前にも来たことがある、私のトレーナーさんの部屋。
……あの時は、“アレ”が、危険が迫っていたので躊躇せずに扉を叩いたけれど。
今は心臓がばくばくと鳴り響いて、手がなかなか伸びない。
昨夜、私は“お友だち”と相談をした。
トレーナーさんにしっかり食事をとって欲しい。
“よくないもの”が悪さをしないようにしてあげたい。
悩む私に、“彼女”は呆れたようにあっさりと結論を口にした。
――――どっちも自分でやればいいじゃないか、と。
目から鱗、とはまさにこのこと。
探していた珈琲豆を見つけた時のような心持ちで準備をして、ここまで来たけれど。
…………完全に乗せられた、と気づいたのは今さっき。
成人男性の家に、朝から食事を作りにいくなど、冷静に考えれば大胆でとんでもないこと。
隣の“お友だち”がどんな表情をしているか、見えないのに良くわかる。
ドンドン、と突然目の前の扉が鳴り響く。
思わず、顔を上げて耳を澄ませば、中から聞き慣れた足音。
そして耳元に響く小さな笑い声、どうやら“彼女”が勝手に叩いたよう。
私が心の準備を整える前に、無常にも扉は開かれる。
「はい……ってカフェ? どうしたの?」
「えっと……その……あの……」
「……ゆっくりで大丈夫だよ」
きょとんとした表情で、普段見れないラフな服装をしたトレーナーさんの姿。
慌てて、上手く言葉を紡げない私に、彼は優しく微笑んで声をかけてくれる。
大きく深呼吸。ここまで醜態を晒してしまったなら、もはや取り繕う必要なんてない。
正直に、真っすぐ、話を進めることにしましょう。
「アナタに……ご飯を作りに…………来ました」 - 14二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 13:35:17
そして今、私はキッチンに立っている。
トレーナーさんの部屋のキッチンは一人暮らしのために小さいものの、とても綺麗。
……多分、使ってないだけだとは思うけれど。
朝はパンをメインに、昼食は和食に、夕食は一緒に取れないので温めて食べれるものを。
予定を頭の中で組み立てながら、先刻のことを思いだす。
扉の前で言い放った私の言葉に、彼は少し困ったように視線を泳がす。
そして、私の手元にあるものを見つけて、観念したように口を開いた。
『……そっか、じゃあ悪いけど、今日だけはお願いしようかな』
『……はいっ』
それは、食材の入った袋。
……我ながら、ずるい手段だったとは思う。
もし、事前に相談したり、手ぶらで来れば、きっとトレーナーさんは遠慮して断っていた。
けれどこうして、食材を持って直接伺えば、優しい彼は、私の提案を断ることが出来ない。
今日トレーナーさんに予定がないのは、“お友だち”からの事前情報で把握済み。
…………改めて考えると、本当にずるい。
自分でも珍しいと思うくらいの強硬手段。
それはアナタのためを思ってなのか、私がやりたいからなのか。
ちん、とオーブントースターがパンの焼き上がりを付ける音。
それが私の思考を現世に呼び戻してくれる。
「出来上がりましたよ……トレーナーさん……」
まずは目の前の食事から。
少しばかり影のかかった考えを振り払って、私はトレーナーさんに声をかけた。 - 15二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 13:35:37
部屋に漂うは香ばしい薫り。
トレーナーさんも以前私と選んだコーヒーメーカーで準備をしてくれたみたい。
お互いに机を挟んで座り、手を合わせて「いただきます」と声を合わせる。
トーストとスクランブルエッグに焼いたベーコン、そして野菜を多めに入れたコンソメスープ。
私はトレーナーさんが食べる様子を、思わずじっと見つめてしまう。
今作ったメニューにはそこまで手の込んだものはなく、誰が作っても差が生まれないもの。
けれど、不安と期待が入り混じった思いが、私を支配している。
やがてトレーナーさんはスープを口にした後、ほっと肩の力を抜いて、穏やかな笑みを浮かべた。
「うん、スープもエクランブルエッグもとても美味しい。ありがとう、カフェ」
「……! はい……喜んでもらえて………良かったです……」
――――嬉しい。
後ろで尻尾がぴょこぴょこ動いて、心が浮足立っていくのを感じる。
ああ、わかった。
色々と原因はあった、理由はあった。
けれど最終的には、これは、私がやりたいことなんだ。
私が不安定だったころから心を砕いてトレーナーさんへの恩返し。
そして、アナタの喜ぶ顔を、私がもっと見たいから。
「それで食事はとっても助かるんだけど、何故急に?」
「アナタが……最近……まともな食事を、摂れていないようなので……」
「うっ、もしかして、“お友だち”経由?」
「それに……最近……何か不思議なことが……増えてませんか?」
「あーそういえば物がなくなったり、変な音が聞こえたり、何かに抱き着かれる感触がしたり」
「…………危険と思わなかったんですか?」
「多分“お友だち”かなって、割と前からその手のイタズラ多かったし」
“お友だち”を探しますが、この部屋から姿を消していた。
……また少し、お話する必要がありそう。 - 16二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 13:35:57
「ご馳走様でした」
「はい……お粗末様でした……」
「それでさカフェ、今後は食事にも気を遣うから」
「ダメです」
「ええ……」
「キッチンの調理道具……新品みたいでした…………殆ど使ってませんよね……?」
「……はい」
「それに冷蔵庫も……飲み物くらい……とても…………料理ができるとは……」
「料理はできないけど、君の手を煩わせない手段はいくらでも」
「…………それが……大量に積み重なってる……カップ麺ですか……?」
「…………すいません」
「知ってますよ……アナタが自分よりも…………他人を優先してしまうのは……」
夏に出会った“よくないもの”。
“アレ”にはトレーナーさんも散々迷惑をかけられて、怖い想いもたくさんしたはず。
けれど、私が夏合宿で“アレ”に勝利し、“彼女”が言ってしまった後、彼は言った。
『でも満足してくれたんだろ? 君のおかげだな』
自分への迷惑なんてどうでも良いと言わんばかりの態度。
とっても、不思議な人。
そんな人だからこそ、私も、“彼女”も、“お友だち”も惹かれてしまう。
だからこそ、アナタが身を崩すのを放っておけない、連れて行かせるわけにはいかない。
そのためには、トレーナーさんの遠慮という牙城を、まずは崩す必要がある。
――――こいつは案外押しに弱い、誰かと一緒で。
いつの間にか戻ってきたのか、“お友だち”が耳元でそっとアドバイスを告げ、ポンと背中を叩く。
誰かというのが少し気になるけれど、文字通り背中を押されたことで、私は意を決した。 - 17二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 13:36:19
「お昼ご飯は……腕によりをかけますから……午前中は……このままのんびり過ごしましょう……」
「……うん、それは楽しみにさせてもらうけど。でも今後は」
「ダメです」
「二回目……」
「……私は…………アナタにたくさん……支えてもらいました……」
「それがトレーナーの仕事だよ」
「ふふっ……“お友だち”や“みえないもの”に付き合うのも……ですか?」
「…………それはまあ」
「私だって……アナタへの感謝を…………こうやって色んな形で……返したいと思ってます」
「……本当に気にしなくて大丈夫だよカフェ、君に対しては、俺がやりたくてやってるんだから」
その言葉を待っていた――――私はレースメイキングが上手くいったときのような気持ちになる。
思わず耳がピンと立ち上がり、口元は笑みを浮かべてしまう。
私はその機を逃さず、追い打ちをかけるように、トレーナーさんに言葉を投げかけた。
「ええ……ですから…………私も私がやりたいからやるので……気になさらずに」
しまった、と言わんばかりの表情をするトレーナーさん。
けれど、承諾の言葉は未だ得られず、彼は悩まし気な表情を浮かべた。
少しばかり臆病風に吹かれて、ここで引き下がるべきではと一瞬考えて。
――――もう一押しだと言わんばかりに背中を叩く“お友だち”の鼓舞で霧散した。
「ダメ……でしょうか……?」
トレーナーさんに少し近づいて、上目で彼の目をじっと見つめながら、呟く。
その言葉に、彼は観念したように、大きく息を吐くのだった。 - 18二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 13:36:41
私は軽い足取りで、商店街を見て回っている。
あの後、トレーナーさんが折れて、いくつかの条件付けをした。
私の無理のない範囲で行うこと。
材料費などは全てトレーナーさんにちゃんと請求すること。
手間賃は必ずなんらかの形で返すので、それは素直に受け取ること。
その他にも色々とあったけれど、もう一つ大きいのは。
「ご機嫌だね、カフェ」
「ええ……天気も良いですし……良い豆も頂きましたから……」
隣から、トレーナーさんが声をかけてくれた。
大きな条件のもう一つは、買い物は可能な限り一緒に行くこと。
これは私にとって、望外な条件。自然な流れで、一緒にお出かけが出来るのだから。
「あの……もう少し……調理器具を増やしても……良いでしょうか」
「うん、俺も詳しくないから、その辺はカフェにお任せするよ」
「はい……任せてください」
あれから何度目かのお買い物。
何度もご飯を作る内に足りないものが見えてきて、私用の食器なども増えてきた。
今まで“お友だち”が入り込むくらいだった彼の部屋に、私の色も混ざって、少し照れくさくなる。
私の存在や気配が部屋に染みたせいか、不可思議な現象も減ってきたみたい。
…………もしかして、最初から“お友だち”の目的はこれだったのだろうか。
でも、何も問題はない。
私も、トレーナーさんも、“お友だち”も幸せになれたならば、それが一番良い。
隣にいる彼を見つめて、笑顔を作って、言葉を投げかけた。
「トレーナーさん……今日は何が食べたいですか?」
後日、トレーナー寮に通い妻をしているウマ娘がいると噂になり、タキオンさんに煽られて、タキオンさんの研究資料がまた燃えたのは別の話。 - 19二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 13:37:47
- 20二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 13:38:13
100点満点中5億点
- 21二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 13:50:54
仕事が早い。質もいい。量もある。これには半天狗もにっこり。
- 22123/03/07(火) 16:53:08
- 23二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 17:05:01
お久しぶり……ですね
前のスレを落としてしまい……大変申し訳ありません……
今度こそは……私が、守りますね…… - 24二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 23:04:44
良SSだぁ...最高です
- 25123/03/08(水) 01:03:22
- 26二次元好きの匿名さん23/03/08(水) 04:42:49
生活に入り込んで行くのいいよね………
- 27二次元好きの匿名さん23/03/08(水) 12:47:11
保守
- 28二次元好きの匿名さん23/03/08(水) 12:57:33
スケジュール管理やトレーニングの効率などで缶詰め状態のトレーナー。仕事を切り上げ就寝準備に入る時に150ml(コーヒー100ml:牛乳50ml)のホットカフェオレを労いに渡すカフェ。
ふらふらベッドに向かうトレーナーを介抱しながらベッドに到着、寝惚け状態のトレーナーに「おやすみなさい…。」と耳打ちして微笑みながら布団をかけるカフェ概念 - 29二次元好きの匿名さん23/03/08(水) 20:31:32
嫁だ……
- 30二次元好きの匿名さん23/03/09(木) 00:39:53
ちなみに寝る30分前のコーヒーは眠りを阻害するカフェインがでず、むしろ促進してくれる効果があります
- 31123/03/09(木) 02:32:17
- 32二次元好きの匿名さん23/03/09(木) 07:37:17
カフェが顔めちゃくちゃ赤くして「萌え萌えキュン...」って言って欲しい
- 33二次元好きの匿名さん23/03/09(木) 12:08:39
ふつくしい…
- 34二次元好きの匿名さん23/03/09(木) 21:13:23
- 35二次元好きの匿名さん23/03/09(木) 21:32:31
コーヒーの飲み比べを行うカフェトレーナー。
五つのうち四つはタキオンがカフェに教わりながら作ったもの、一つだけカフェお手製。
順に飲み比べてしっかりカフェのコーヒーを当てるトレーナー。
「作り方までカフェそっくりのつもりだったんだが…よく見抜いたね?」とタキオンに聞かれ、「なんとゆうか…カフェの香りが強くて。」と返すトレーナー。
「コーヒーの味で判別してください……。」と言いながらも嬉しそうにするカフェを見て、(……なんかダシにされたねぇ?)と口に出さないまでも思うタキオン。
みたいなssないですかね? - 36二次元好きの匿名さん23/03/09(木) 23:03:54
「も――萌え萌え、きゅん」
「おっ……」
……リアクションとしては最低だと思う。驚きが何よりも勝ってしまったのだ。
「あの……あなたがやらせたんですから、もう少し反応してください……」
「あっ、いやその、ごめん」
経緯はいろいろあったが、本当に着てくれるとは思っていなかったし、「もう一声」と言ったらこんなファンサービスまでしてくれるとは。
普段は物静かで、タキオンちゃんに振り回されるばかりだと聞いていたものだから、ここまでノッてくれるとは思っていなかった。
「……やっぱり、似合わないですよね」
「え――いや、そんなことない!すごく似合ってるよ!」
「そうですか……?」
恥ずかしそうにしているので、つい声が大きくなる。
ほんの少し赤らんだ顔がまたかわいらしい。
「すごく可愛いと思うし、ポーズも素敵だし」
「えっと、あの……」
「仕事で疲れた時にそうして一緒にいてくれるとすごく元気が出そうって言うか」
「と、トレーナーさんっ……!」
……と、思うがままに褒めていたら、大きな声で割り込まれてしまった。
「あの……も、もういいです……わかりました、から……」
気づけばカフェは顔を真っ赤にして俯き、耳を塞ぐ。
……しまった、やりすぎた。この後、セクハラで訴えられないか心配になる。
- 37二次元好きの匿名さん23/03/09(木) 23:04:58
前回スレでも書いたけど、勝手ながら支援なの。
ところで缶コーヒーは上でも言われてる通り、飲んですぐリフレッシュする効果はぶっちゃけあんまり期待できないの。
お昼寝前に飲んでから仮眠すると、起きた時さっぱりできるの。 - 38123/03/10(金) 02:25:25
- 39二次元好きの匿名さん23/03/10(金) 07:24:28
物静かなカフェが絶対言わなそうな言葉を言って恥ずかしがってそれが褒められてさらに赤くなるの良き...
- 40二次元好きの匿名さん23/03/10(金) 16:00:12
押しに弱い!
- 41二次元好きの匿名さん23/03/11(土) 00:21:38
保守
- 42二次元好きの匿名さん23/03/11(土) 00:27:18
お疲れ様です…トレーナーさん。今日はまだコーヒーは1杯程しか飲んでいませんよね?
ですから、こちらをどうぞ…。ホットカフェオレです。量はそう多くしていないのでゆっくり飲んで頂ければと思います。
コーヒーは就寝前には適さないと長らく言われてきましたが、その目が覚める要因であるカフェインは30分から4時間ほど効果が現れます…。
そして一日のカフェイン摂取量を気をつけていれば、ドーパミンの活性化や血行促進、香りにはリラックス効果が期待できます。
……少し落ち着きました?ふふ…それなら良かったです。さぁ、今日は一日お疲れ様でした…。ベッドに向かいましょう。
入った途端にぐっすりですね…ゆっくり眠ってください。
「おやすみなさい…。トレーナーさん。」 - 4328.3023/03/11(土) 00:28:59
下地は自分で作ってたので自分で描いてみた。
カフェは初めてだったんでちょっと出来が不安なんですが大丈夫ですかね? - 44二次元好きの匿名さん23/03/11(土) 00:33:53
メッチャ良いです!
- 45二次元好きの匿名さん23/03/11(土) 00:43:27
メイド服も「萌え萌えキュン」とかもカフェはお願いしたらやってくれるという確信がある。
ちなみに、照れるパターンもいいけど照れないパターンもありなのではないかと自分は思っている。
「萌え萌え…キュン♡」
(かわいい…)
「……」
「カフェ?」
「やはり、私にはこういうのは似合わないかと……」
「そんなことない!…コホン、すごく可愛いよ」
「……///」
「カフェはとっても可愛いから、こういう可愛い格好も仕草も似合ってる。もっと普段からやってくれても……「やりません」……え?」
「……やりませんから。普段から、なんて……」
「…そっか」
「……こういうのは、あなたの部屋で……二人きりの時だけなら…」
「…っ!」
そう言って笑うカフェの微笑みは艶っぽく、僕は顔を真っ赤にしたまま、彼女から目を離せないのだった。
というつよつよカフェと押され気味トレーナーとか好物ですが同志はいるか!? - 46123/03/11(土) 02:27:36
- 47二次元好きの匿名さん23/03/11(土) 08:55:40
最高です...このカフェに全肯定してもらいたい
- 48二次元好きの匿名さん23/03/11(土) 15:09:52
料理できてコーヒーも本格派…最高か?
- 49二次元好きの匿名さん23/03/11(土) 23:02:39
よく見ると尻のラインがえっち過ぎる...
- 50123/03/12(日) 02:10:17
- 51二次元好きの匿名さん23/03/12(日) 10:51:17
懐かしのポーズだ
- 52二次元好きの匿名さん23/03/12(日) 18:27:38
このかんたんカフェくせになるかわいさしてる
- 53123/03/13(月) 03:02:19
- 54二次元好きの匿名さん23/03/13(月) 07:03:41
カフェがちょっと恥ずかしながら「ご飯にしますか?お風呂にしますか?それとも......私にしますか?」って言いそう...
- 55二次元好きの匿名さん23/03/13(月) 16:19:22
守護
- 56二次元好きの匿名さん23/03/14(火) 00:27:28
いいよね...お互いに欲しててばったり玄関で出会ってそのままそこでイチャイチャするの
- 57123/03/14(火) 02:06:45
- 5811-18の続きの流れで23/03/14(火) 04:35:01
「これで出来上がり……そうだね……あと一時間くらいかな」
日は沈みかけて、ルビーのような輝きが窓から差し込んでくる時間。
私はいつものように、トレーナーさんの部屋で、ご飯の支度を済ませていた。
“お友だち”のまだ帰ってこないのかという問いに答えながら、私はソファーに腰かける。
彼が帰ってくるまで、少しばかり手持ち無沙汰。
コーヒーも良いけれど、もうすぐ一緒にご飯を食べることを考えると悩みどころ。
トレーナーさんにご飯を作ってあげるようになってから数週間が経過した。
私用の食器や日用品も増えてきて、それに比例するように彼の顔色も回復している。
食生活の改善の他、私達の存在により“よくないもの”を寄せ付けなくなったのも大きい。
“お友だち”も鬱陶しいのがいなくなった、とご満悦の様子。
最近はトレーナーさんも夜はぐっすり眠れているみたい。
……そんなところまで見ている“お友だち”に思うところはあるけれど。
そして、私にも大きな変化があった。
「ふふふっ……」
私は黒猫のキーホルダーに繋がれている鍵を取り出す。
なんの変哲もない普通の鍵なのに、見ているだけで思わず笑みが零れてしまう。
これは先日、トレーナーさんから貰った、この部屋の合鍵。
貰った日のことは今でも鮮明に覚えている
元々料理を作りに行く予定だった日に、トレーナーさんは急な出張となった。
夕方には帰ってこれるものの、私の門限なども考えると、料理は中止せざるを得ない。
“お友だち”みたく、自由に出入り出来れば良いのに。
そうすればいつでもご飯を作ってあげられて、いつでもアナタに会えるのに。
そんな子ども染みたことを思っている私に、トレーナーさんは鍵を手渡した。 - 5911-18の続きの流れで23/03/14(火) 04:35:18
『……これは?』
『俺の部屋の合鍵』
『……あい、かぎ? その……これはどういう……その……意味で?』
『カフェが必要そうにしてたからさ』
『……っ! そ……そんなことは…………少しくらい……しか』
見抜かれた。そのことに、私は思わず声を震わせてしまう。
それが大きな誤解であったことは、すぐにわかった。
トレーナーさんは自嘲気味に笑いながら、言葉を紡ぐ。
『あの有様だった俺が、ちゃんと食事摂るって言っても信用できないだろうしなあ』
『………………まあ……アナタは……そういう人でしたね』
『それはどういう……痛いッ! “お友だち”は何を怒ってるんだカフェ!?』
『…………知りません』
怒った“お友だち”から叩かれるトレーナーさんに、私はそっぽを向いた。
考えていることがバレなくて良かったのか、悪かったのか。
何はともあれ、私は合鍵を手に入れて、彼の家に自由に出入りできるようになった。
そのことがとても嬉しくて、今でもふとした時に鍵を眺めている。
でも、一つだけ問題があった。
眺めていると、彼の笑顔が、彼の優しい声が、彼の心地よい香りが伝わってくるようで。
「早く……会いたいな……」
そう思って、胸がぎゅっと締め付けられるのは、困り物。
…………困るけれど、嫌じゃない。
うん、やっぱりコーヒーを淹れよう。
こんな緩んだ顔を、トレーナーさんには見せられないから。 - 6011-18の続きの流れで23/03/14(火) 04:35:36
それは、棚から珈琲豆を取り出した直後。
私の耳が、鼻が、肌が、尻尾が――――トレーナーさんを感じた。
予定の時間まではまだ30分以上ある、だけど、多分、きっと、間違いなく。
「…………トレーナーさんが……帰ってきましたね」
私の言葉に“お友だち”は何を言ってるんだ? と首を傾げる。
当然だろう、インターホンどころか、物音一つ聞こえてきてはいないのだから。
でも、伝わってくる“何か”は、間違いなくトレーナーさんのもの。
「お出迎えに……行ってくるね……」
困惑する“お友だち”を尻目に、私は立ち上がり、玄関へ向かう。
そしてその勢いのままドアを開くと――――ほら、やっぱり。
ドアの前には、ぽかんとした表情をする、トレーナーさんの姿。
会いたかった、会いたくて仕方がなかった、トレーナーさんの姿。
私は波打つ感情を必死で抑えながら、彼に笑顔を向ける。
「…………おかえりなさい、トレーナーさん」
「……ただいま、カフェ」
彼は驚きながらも、微笑んで声を返してくれた。
その言葉を聞くだけで、耳はピンと立ち上がり、尻尾は大きく揺れ動く。
ああ、自分のことながら、なんて単純なんだろう。
「びっくりしたよ、開けようとしたら、そっちから開いたから」
「……驚かせてしまって……すいません」
「いや、むしろ嬉しかったよ、君に会いたくて早めに終わらせてきた甲斐があった」
「……っ、私も、その…………アナタと……少しでも……早く」
「うん、ありがとうカフェ。おかえりって言われるのってこんなに嬉しいもんなんだね」 - 6111-18の続きの流れで23/03/14(火) 04:35:59
トレーナーさんのほっとしたような表情には見覚えがあった。
遠征から帰ってきたユキノさんを、寮の部屋で出迎えた時、同じ顔をしていたと思う。
つまり彼は私のことを、寮における同室と同じように見てくれているということ。
それが嬉しくて、少しだけ恥ずかしくて――――ほんのわずかだけ、悔しくて。
「連絡できなくてごめん、スマホの電池が切れちゃってね」
「…………大丈夫……です……ご飯の準備も……お風呂の準備も……出来ていますから」
「ありがとう、正直言うと、ご飯も毎日楽しみなんだ」
「はい……今日は……シチューを作りました…………ところで」
トレーナーさんは、私の複雑な想いなど知らずに、会話を続ける。
この時間は間違いなく幸せな時間なのに、心の奥底で更なる欲求が引っかかっていた。
もう少しだけでも、一人の女の子として、意識してもらいたい。
ふと、以前たまたま見たドラマのワンシーンを思い出す。
定番過ぎるくらいには定番だったけれど、この状況にはぴったりだった。
妙な思考に引っ張られている私は、あまり考えずに、言葉を口に出す。
「ご飯にしますか……お風呂にしますか……それとも…………?」
人差し指を唇に当てて、私は思わせぶりに問いかけた。
我ながら、わざとらしい、からかい。きっと彼は、困ったように笑うのだろう。
そう思いながら見たトレーナーさんの顔は――――笑みのない、真剣なものだった。
彼は私の両肩を掴むと、少し低い声色で、さらりと言う。
「じゃあ、カフェ」
「えっ…………?」
想定外の言葉に、私の心臓は大きく跳ねた。
トレーナーさんは視線を私に合わせて、じっと見つめる。
…………えっ? - 6211-18の続きの流れで23/03/14(火) 04:36:53
「とっ、トレーナーさん……これは……その……あの…………!」
見つめ合うのに耐えられなくなって、思わずぎゅっと目を瞑る。
やがて少しずつ、彼の気配が近づいて来た。
胸の鼓動がうるさいくらいに早鐘を鳴らし出し、顔は炎のように熱くなる。
こんな玄関先で、まだ日も落ち切っていないのに。
逃げようと思えば簡単に逃げられる、けれど私はされるがままに彼に身を任せていた。
私は覚悟を決めて、唇を彼に向けて差し出して。
「――――とご飯が食べたいから、先にご飯が良いかな」
「…………は?」
目を開けると、目の前には満面の笑顔のトレーナーさん。
「…………っ!!」
「あはは、女の子がそういうこと言っちゃダメだよ?」
「…………」
「じゃあ、そろそろ家に入ろうかカフェ…………あの、カフェ?」
「………………」
「掴んでる手を離していただけると、というか全然動かないんんだけど」
「……………………」
怒り、恥じらい、安堵、がっかり、残念、納得、悔しい。
珈琲の色とは反対の、ごちゃ混ぜで色とりどりの思考が頭を埋め尽くす。
言いたいことはたくさんあって、言いたくないこともいっぱいあって。
震える身体と、恐らくは真っ赤な顔で、彼を睨みながら、私の口は何とか二文字を捻りだした。
「…………ばか」
部屋の中から“お友だち”が呆れた様子でこちらを見ていた。 - 63二次元好きの匿名さん23/03/14(火) 04:37:31
このレスは削除されています
- 6411-18の続きの流れで23/03/14(火) 04:43:21
終わりです完成お待ちしてます
- 65二次元好きの匿名さん23/03/14(火) 07:16:49
カフェトレに意地悪されて怒るカフェかわいい
- 66二次元好きの匿名さん23/03/14(火) 14:15:13
保守
- 67二次元好きの匿名さん23/03/14(火) 18:43:11
恥じらってるカフェも可愛いけど強強カフェに迫られたい欲もある
のしかかられて手足絡められてえよ… - 68123/03/14(火) 21:52:25
- 69二次元好きの匿名さん23/03/15(水) 03:44:22
赤面カフェは推せる(公式)
いろんな所でこれ言ってる気がする… - 70二次元好きの匿名さん23/03/15(水) 07:34:26
- 71二次元好きの匿名さん23/03/15(水) 15:51:12
個人的にカフェは一度優位を取るとつよつよなイメージがあります
- 72二次元好きの匿名さん23/03/16(木) 00:01:58
保守
- 73二次元好きの匿名さん23/03/16(木) 00:16:10
足跡のリズムでカフェトレを判別できるようになったカフェがカフェトレ宅だけでなく準備室にいる時にも扉の前でお出迎えするようになってればいいなと思いました
- 74二次元好きの匿名さん23/03/16(木) 07:24:39
カフェがトレーナーに褒められて照れてるのを隠そうとするけど耳とか尻尾が激しく動いて隠せてないことを言われて顔にも出てしまうとこがみてぇな...
- 75二次元好きの匿名さん23/03/16(木) 18:26:04
カフェの白いアホ毛が逆に目立ちにくいの好き
- 76二次元好きの匿名さん23/03/17(金) 05:10:33
カフェに毎日味噌汁作って欲しい...
- 77二次元好きの匿名さん23/03/17(金) 11:19:05
指摘されたら俯いて両手で耳を抑えるものの尻尾は隠しようもなくて結局からかわれると尚よし
- 78二次元好きの匿名さん23/03/17(金) 12:27:08
「……あ」
かつかつ、こつこつ、扉の向こう。
靴底がリノリウムを僅かに擦る、聴き慣れた癖。
少し大股で足早なのは、私が隣にいないから。
1人の時の忙しない歩調。
2人の時の穏やかな歩調。
今日はその音が少し弾んでいます。
不在の間に靴を磨いておいたのに気づいてくれたのでしょうか。
影のような、マットブラックの私の靴。
つやつや磨かれた、オニキスブラックのあなたの靴。
ふたつが並ぶ、彼の部屋を出る前の私の特権。
ミルを挽く手を止めて、逸る耳と尻尾をそのままに、足音が立ち止まる前に扉を開ける。
不意の迎えに驚くあなた。
私の悪戯に浮かべる、穏やかな表情。
あなたを見上げて迎える私の特権。
「……おかえりなさい、トレーナーさん」
「ここは君の部屋じゃないんだけどねぇ……
いや寮にトレーナーは入れないか。君、普段どこでトレーナーを迎えてるんだい???」
- 79二次元好きの匿名さん23/03/17(金) 12:28:06
短いけどお迎えカフェin学園です。
- 80123/03/17(金) 19:02:35
- 81二次元好きの匿名さん23/03/18(土) 04:22:28
待ってました!!!!!!!!
- 82二次元好きの匿名さん23/03/18(土) 06:15:50
詰まったら真逆のシチュエーションを試してみるんだジョジョ
カフェの実家にお邪魔するトレーナーとかいいんじゃないかジョジョ - 83二次元好きの匿名さん23/03/18(土) 14:30:34
保守
- 84二次元好きの匿名さん23/03/18(土) 21:54:33
家に帰ったら出迎えてくれる全肯定カフェが見たいです...
- 85123/03/19(日) 01:19:34
- 86二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 08:37:56
保守
- 87二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 09:22:47
トレカフェの供給は!
終わらせねぇ! - 88二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 20:42:05
保守
- 89123/03/19(日) 20:53:54
- 90二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 05:35:57
ぎゅってしてくれるやつだ……
- 91二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 12:48:42
満面の笑みで迎えてくれそうだぁ...
- 92123/03/20(月) 20:27:08
- 93二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 21:10:46
かわいい!
- 94二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 05:24:02
優しい笑顔……
- 95二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 07:18:04
かわいい〜
- 96123/03/21(火) 15:35:57
- 97二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 22:29:28
アッ(昇天)
- 98二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 23:59:54
- 99二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 04:04:19
- 100二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 07:27:45
ハグされて頭を撫でられたい...
- 101二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 16:48:56
細い体が逆に抱き心地良さそうだよね…………
- 102二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 23:40:46
カフェは受けに強いのわかる
- 103123/03/23(木) 00:08:59
- 104二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 03:02:43
- 105二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 07:55:05
あ〜ずっとハグされたい…
- 106二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 09:46:28
「おかえり……どこへいってたの……?」
アクアマリンのようだった空が、ガーネットの夕焼けに変わる頃合い。
私はトレーナーさんの部屋でご飯の支度を終え、珈琲の芳香を楽しんでいた。
その最中、いつの間にか姿が見えなくなっていた“お友だち”が私の前に顔を出す。
その顔は、どこか不満げ。
「トレーナーさんを……? そっか……えっ…………影に飲まれてしまいそう、だった?」
どうやら“お友だち”は帰ってくるトレーナーさんを探しに行っていたようだ。
以前、彼の帰宅を私の方が先に察知したことを、少しばかり気にしているみたい。
彼はここ数日間、地方のトレセン学園に出張していた。
電話などでの会話はしているけど、彼に会えない時間は、胸が張り裂けそうなほど寂しい。
ああ、とても不思議。
今までは“お友だち”二人で、夜のレース場も、夜の山々も、平気だったのに。
「……思わずちょっかいをかけ損ねた? ……ダメだよ…………でも心配だね」
どんな時でも野良の黒猫のように我儘に振舞う“お友だち”が躊躇するほど。
トレーナーさんはどれほどの激務を重ねてきたのか。
今日のご飯は、もっとスタミナがつきそうなものにしてあげれば良かったな、と少し後悔。
――――ああ、彼が帰ってきた。
言葉にしがたい、だけれど幸せな予感に、私は思わず立ち上がる。
我ながら、いくらなんでもかかり過ぎだろうと思うけれども、仕方がない。
やっと会えると思うと、胸の鼓動も、ぴこぴこ動く耳も、ふらふら揺れる尻尾も抑えられないのだから。
呆れ顔の“お友だち”を尻目に、私は足早に玄関へと向かう。
そして、顔が緩むのを止められないまま、ドアを開け放った。 - 107二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 09:46:42
「トレーナーさん……おかえりなさ…………っ!」
「……ああ、ただいま、カフェ」
目の前には、会いたくて仕方がなかったトレーナーさんの姿。
しかし、彼は肩を力なく落とし、目の下には隈を浮かべ、全身はどことなくふらふら揺れている。
その瞳に生気は感じられず、今にも倒れてしまいそう。
そんな状況にも関わらず、トレーナーさんは私に向けて、精いっぱいの笑顔を向けてくれる。
彼の優しい心遣いが嬉しくて、それ以上に悔しかった。
こんな時くらい、素直に私に甘えて欲しい、私を頼りにして欲しい。
足の爪を怪我したとき、自らの夢と道に迷ったとき、私は彼にたくさん、甘えて、頼った。
トゥインクルシリーズでずっと私を支えてくれたように、私もアナタを支えたい。
そんな強い想いが胸を駆け巡り、私は気づいたら、彼に対して両手を広げていた。
今、トレーナーさんに必要なのは、これ。
そんな確信を持ち、私は彼に微笑みかけながら、一言告げた。
「…………どうぞ」
するとトレーナーさんはゆらゆらと静かに私へ近づいて、ぽすんと、私に身体を預けた。
力なく私にもたれ掛かる彼の身体を、私はぎゅっと、抱き締める。
疲労のためか、今日は彼からの匂いが強く感じられて、一瞬ぼうっと呆けてしまった。
見れば服は皺だらけ、かすかな髭の剃り残りも見えて、耳元に感じる息も少し荒い。
ああ、もっと早くこうしてあげたかった。
私は彼の背中をぽんぽんと優しく、撫でるように叩きながら、小さな声で伝える。 - 108二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 09:47:04
「おつかれ……さまです…………頑張り……ましたね……」
「……ああ、大変だった」
「はい…………しばらくの間……こうしていて…………ください」
「でも、カフェに負担が」
「私が……こうしていたいんです…………私もずっと……寂しかったから」
「……そっか、俺も、君に会いたかった」
「はい……知ってます…………だから……私をもっと感じてください…………」
「……うん」
「フフフッ……私も…………アナタを存分に、感じますからね?」
しばらくの間、玄関先でずっと、二人で抱き締め合っていた。
そうしていると、トレーナーさんからかかる体重が少しずつ重くなっていく。
そして気づけば、彼の身体は糸の切れた人形のようになり、寝息が聞こえ始める。
「……名残惜しいですけど…………運びますね?」
このままベットで寝かせてあげたいけれど、恐らくご飯も食べていない。
しばらくの間、仮眠してもらってから、晩御飯にしよう。
トレーナーさんの身体をソファーまで運んで、横たわらせる。
そして、私はソファーの端に腰かけて、膝の上に彼の頭を乗せた。
彼は、私の膝の上で、心地良さそうに、穏やかな寝顔を披露してくれている。
そんなトレーナーさんの頭に触れながら、彼の耳元で小さく囁いた。
「…………おかえりなさい、トレーナーさん」 - 109123/03/23(木) 20:13:51
- 110二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 20:17:30
優しい…………しゅき…………
- 111二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 20:19:27
天才やん…
- 112二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 20:53:14
抱きしめてくれるのっていいよね…………
SSと絵が両方投下されて大変ありがたい……………… - 113二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 04:21:07
保守
- 114二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 07:23:07
最高...!
- 115二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 18:20:40
定期供給たすかる
- 116123/03/24(金) 23:38:22
- 117二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 04:29:56
———ある夢を見た
レースで1着を取り、トレーナーの元へ駆け寄って抱きしめる。しかしトレーナーはまるで氷の様に冷たく、気付けば音もなくひび割れ、崩れ落ち、灰のように消え去っていく…
それはまるで———
「———ッ!」
その瞬間目が覚めたカフェ。辺りは未だ暗く、暗闇と静寂が彼女の心と体を包む。
(今のは…夢…?)
試しに頬をつねる…その痛みが先程の光景が夢だという事を伝える。
普段なら再び眠りにつくのではあるが今の彼女はそう思う余裕は無かった。
(また…あんな夢を見たくない…!)
(でも…夢にしてはまるで身近な…)
そう思えば思うほど心が絞られるように苦しくなる。
「嫌です…そん…なの…嫌…」
気付けば身体の震えと涙が止まらなくなっていた。
マンハッタンカフェのトレーナーは真面目で熱心なトレーナーとして有名だ。彼女の為に寝る間を惜しんで緻密な計画を練り上げ、彼女の調子が悪い時は心身共に1日も欠かさずに看病に尽くす。トレーナーたるものかくあるべしと体現される様な人物であった。
そんな彼が最近心なしかやつれてきているように見える。何事も無く笑顔でいるトレーナー。しかしカフェの目にはそんなトレーナーが弱々しく…いや他の人物と比べて希薄になってきている…そう見えていたのだ。
そんな日が続いていた頃、カフェはトレーナーへ用があったため、彼の部屋を訪れていた。 - 118二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 04:31:05
(ノックしても反応がありませんね…寝ているのでしょうか…)
「失礼します…………ッ!!!」
扉を開けると確かにトレーナーは机の上に突っ伏して眠っていた…しかし普段の部屋とは明らかに違う有様にカフェは愕然としてたのであった。
ゴミ箱には栄養剤の瓶や固形サプリメント、ゼリー等明らかにまともな食事をしていない事は明らかである。
(どうしてこんな状態に…まさかいつも私が来る前に全部片付けて気付かれないようにしていた…?)
ふと目線を変えると空の缶コーヒーの山。
(言って下さったなら…私が毎日コーヒーを淹れたのに…!)
そして睡眠導入剤のゴミの数々…
(そんな…これって…)
まるで自身の生命活動を強引にコントロールしているかのような痕跡。おそらくこの事実はずっと前からだったのだろう。おそらく自身が担当になったその日から。
「こんなになるまで仕事漬けだなんて一体何の仕事を…」
彼の机を覗き込んだカフェは更に絶句した。
そこには自身の今までの記録…トレーニングの結果…レースやライバルの情報…「マンハッタンカフェ」という1人のウマ娘についてなら彼女の親友の科学者の研究にも勝るとも劣らない資料の数々がそこにはあった…
(私の…せいだ…私がトレーナーさんを…)
あの時の悪夢を見た時と同じかそれ以上の涙が溢れトレーナーの頬を濡らす。
「トレーナー…さん…私…私…!」
身体が脚が震えてその場から動けない。そうしている間にも彼女の目から零れ落ちる感情の雫はトレーナーの頬を伝い続ける。そんな姿をカフェはただただ嗚咽混じりに見つめ続ける事しか出来なかった… - 119二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 04:33:27
その声に気付いた彼が目を覚ます。彼女の姿を見たトレーナーは驚き理由を尋ねるが辺りを見回しその理由を自覚する。
「ごめんなカフェ…今度はちゃんと生活を…」
「ダメです!」
「え?」
「そう言ってアナタはまた無理をします!まともな食事もしない事も絶対に言い切れます!だからそれが無くなるまで私が料理を作ります!トレーナーさんの家はそこまで遠くはありませんでしょう?」
彼の反対を押し切ってトレーナーの部屋へ毎日帰りに一緒に通っては料理を作るようになったカフェ。
時には料理を、時にはコーヒーを。今まで支えられていた分の恩返しの様にそしてあの状態の彼を…向こう側へ徐々に進んでいた彼を呼び戻すかの様に…
そんな彼女の献身を受けてトレーナーは見違える程に血色を取り戻していった。
そうして気づけば二人とも平日以外も一緒にいる機会が多くなっていた。
トレーナーの近所では美人の通い妻の噂で持ちきりであった程、常日頃から一緒にいるのだ。それはトレセン学園内でも同じ事であり、まるで夫婦だと噂され誰が1番夫婦であるか上位の常連であった程である。
「こうしていると時間はあっという間ですね…」
「そうだな…」
二人で寄り添いながらコーヒーを飲んでいた時にカフェが語りかける。
「あの時貴方の本当の事を知った時はショックでした。何で私に相談してくれなかったのか…命も何もかも削る姿に胸が張り裂けそうでした…」
「最初ここに来ると決めた時は、貴方をこうさせてしまった後悔や絶対に助けないとという責任もありました…」
「でも今は違うんです…もっと貴方と居たい…もっと貴方と話をしたいと…そんな想いで一杯なんです!」
「だからお願いします…負担になってしまった上に我儘である事は承知の上です。これからももっと貴方の傍に居させてください…もっと料理を作らせてください…」
自分の想いを一息に伝えたカフェ。その目には涙が溢れており、それが本当の気持ちである事を語らずとも伝えていた。
そんな彼女にトレーナーはその肩を抱き寄せて
「僕もだよカフェ…これからもずっと一緒だ。ずっとずっと君の手料理を食べたい…淹れてくれたコーヒーを飲みたい…ずっと君に尽くしていきたい…君と幸せを掴み取りたい!」
「はい…!喜んで…!」
時にトレーナーが支え、時にカフェが支える…いつしかそんな関係はいつも互いに支え合う関係へとなっていたのだ。 - 120二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 04:33:47
———ある懐かしい夢を見た。
カフェが目を覚ますと外は曇りない青空が広がっており、小鳥の鳴き声や風の音がその青空を引き立てる。
横を見れば未だ微睡む愛おしい寝顔が一つ。そして互いの指に宿る証が同じ輝きを放っており、その事がカフェの心を暖かさで包み込む。
(もう少し眺めて見たかったけれど…仕方ありませんね)
「起きてください貴方…」
微睡む彼を夢から呼び戻すおまじないを唇に落とす。
「ん…おはようカフェ」
「ええ、もうすっかり朝ですよ」
「今日はいつも以上に嬉しそうだね」
「はい…懐かしい夢を見ましたから…貴方と私が共に支え合う頃の夢を…」
そう言ってカフェはにこやかな笑顔で彼に向き直る。
「お腹、空きましたね…今日は何にしましょうか?」 - 121二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 05:03:54
結婚しろと思ったらしてた
いい……… - 122二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 11:35:51
私はいいと思う(画像略)
- 123二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 19:15:57
普段静かでミステリアスな子が見せるデレ…最高だな!
- 124二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 21:26:35
「トレーナーさん……それでは……よろしく…………お願いします」
「あっ、ああ」
トレセン学園近くの、あまり人気のない公園。
美しい漆黒の黒髪を持つウマ娘、マンハッタンカフェはトレーナーと向き合っていた。
目の前のトレーナーはどこか緊張した面持ちで、軽く両手を広げている。
それを見て彼女は、心臓が高鳴り、頬が熱くなるのを感じながら、ふと冷静になってしまう。
(…………私は……一体……何を……しているの……?)
何故、こうなってしまったのか。
事の発端は数日前、カフェと、とあるウマ娘との会話。
『知っているかいカフェ! ハグにはストレス軽減効果があるとされているがこれはβエンドルフィンなどの脳内物質が分泌された結果によるものだそうだよ! ウマ娘の走りとメンタル状態は不可分の関係と考えるとハグによってウマ娘にどのような影響を与えるのかは興味深いと思わないかい!? えっ、自分でやれ? いやあトレーナーくんと試してみようと思ったら眩しくて目が潰れそうになってしまってねぇ! そこで君とハグをしてみようと……えぇー! カフェー! 無視したうえで距離を取らないでおくれよー!』
正確には会話ではなかったし、その内容もあまり覚えてはいない。
しかし、ハグという単語だけは脳裏に引っかかっていた。
『他に、何かやりたいことはある?』
『…………ハグを』
『えっ』
『……えっ』
トレーナーとのお出かけの最中、彼からの問いかけに、無意識でそう答えてしまうくらいには。
冗談です、といえば、彼は笑いながら受け流してくれるだろう。
でも、何故かそれは出来なくて、そのままずるずるとこのような状況になってしまった。
今からでも、止めることはできる。
人が見えないとはいえ屋外、それでなくてもハグなんてするべきじゃない。
そう思っているのに、カフェの足は吸い寄せられるように、彼の下へと進んだ。 - 125二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 21:27:12
(…………出来ないんじゃない…………したくないんだ)
自身の正直な想い。
カフェはそれを自覚して、そのまま彼の胸元に、ぽすんと顔を埋めた。
吹き抜ける、強い、彼の香り。
少し珈琲の匂いも混ざった芳香は、一瞬、彼女の身体から力を奪う。
膝から崩れそうになるのを、彼の身体をぎゅっと抱き締めることで、何とか耐えた。
そして、彼女の身体を支えるように、トレーナーの手が彼女の背中に回される。
カフェは力強く顔を押し付けてる分、彼の感触を、熱を、香りをより強く感じることとなった。
(好きな……匂い…………それと……とても暖かい……とても…………安心する)
とっても幸せで、とっても暖かくて、とっても安らぐ。
カフェはその感覚に包まれながら、思わず抱き締める力を強めてしまう。
そして、彼の身体に顔を押し付けながら、小さく、深く、呼吸を繰り返した。
繰り返す毎に、彼と溶け合っていくような、そんな感覚を覚える。
(ああ…………もっとトレーナーさんが…………欲しい、な……)
彼の香りが、もっと欲しい。
彼の温もりが、もっと欲しい。
彼の吐息を、彼の身体を、彼の想いを、もっと感じさせて欲しい。
カフェの思考が熱で支配され、抱き締める力は強く、呼吸は荒くなっていく。
そして。
「――――カフェ?」
「……っ!」
トレーナーの一声によって、彼女は一瞬にして理性を取り戻した。 - 126二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 21:27:49
危ないところだった、とカフェは心の中で冷や汗をかく。
あのままだったら、何をしていたか、彼女自身ですら想像がつかなかった。
トレーナーは心配そうな表情を浮かべながら、声をかける。
「大丈夫? さっきから黙ったままだけど」
「はっ、はい……少し…………考え事をしていただけです」
「そっか、それでどうだった?」
「…………悪くはない……それだけ……ですね」
努めて素っ気なく、カフェは言葉を返す。
とても良かったです、なんて言えるわけもない。
思わず我を失ってしまいそうでした、なんて言えるわけもない。
いつも通りの、静かで涼し気な態度を保ちつつ、彼女は平静を装った。
――――気づいていないんだろうなあ。
トレーナーはそんなカフェを見ながら、先ほどの光景を思い出す。
確かにハグをしている時、彼女は言葉を発していなかったし、表情も見えなかった。
しかしながら、彼女の反応は、それ以外の部分から大きく出ていたのだ。
ピコピコと、楽しそうに反応する耳。
ブンブンと、興奮したように揺れ動く尻尾。
付き合いの長い彼には理解できた、いや長くなかったとしても一目瞭然だった。
ハグという行為を、カフェがとても気に入ったということ。
口振りの割に、先ほどから一向に離れようともしないのが、何よりの証拠。
トレーナーの心の奥底から、ちょっとした悪戯心が、ムクムクと湧き出て来た。
「じゃあ、そろそろ離れようか」
「…………えっ」 - 127二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 21:28:22
彼はそう言って、カフェの背中から両手を離す。
すると彼女は、信じられないものを見る表情で、トレーナーを見上げた。
まだ物足りない、もっと抱き締め合っていたい、もう一度ぎゅっとして欲しい。
彼女の心からそんな想いが迸るが、口に出すことができない。
(そんなはしたないこと……トレーナーさんに……言えない…………!)
口に出せない以上は、離れなくてはいけない。
けれどトレーナーの腰に巻きついた巻き付いたカフェの腕は、石になったように動かない。
彼女は何かを訴えかけるような目で、彼を見つめた。
必死で、どこか切なそうな、普段の彼女ならば絶対にしないであろう表情。
――――もうちょっとだけ。
心の奥底で埃をかぶっていたはずの嗜虐心が蠢いて、彼は言葉を紡いだ。
「カフェ? このままだと動けないんだけど?」
「これは…………あの、その……違います…………」
「うん、大丈夫だからさ、放してくれる?」
「…………っ! えっと……それは…………私は……私は…………!」
カフェの中で、正直になろうという想いが、湧き出ては消える。
諦めることも出来ず、勇気も出せない自分が情けなくて、彼女は思わず俯いた。
刹那、彼女の背中に、トレーナーの手が回される。
ぎゅっと身体が抱き締められて、先ほどの温もりが、香りが彼女の下に戻ってくる。 - 128二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 21:28:38
「トレーナー……さん……?」
「あまりにカフェが可愛らしかったから、意地悪しちゃった」
「…………!」
見上げるトレーナーの顔には、楽しそうな微笑み。
それを見た瞬間、カフェは自分がからかわれていたのだと、気づいた。
彼女は小さく頬を膨らませて、彼から目を逸らすと、咎めるように声を出す。
「葛藤してる私を見て…………笑っていたんですね…………」
「あんな顔をする君が珍しくて……ごめんね」
「…………ダメです……許しません…………」
逃がさない、と言わんばかりにカフェは全身を押し付けるように抱き着いた。
トレーナーには彼女の柔らかな感触がダイレクトに伝わり、思わず硬直する。
その隙を見逃さず、彼女は少し背伸びをして、彼の耳元で小さく囁いた。
「だから……もっと強く……長く……ぎゅっとしてください、ね?」 - 129二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 22:44:14
良SSだぁ…
- 130二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 22:52:08
「今日はありがとなカフェ」
「いえ、こちらこそ…私が前から行ってみたかった所へ連れて行ってくれてありがとうございます」
今日は冬休み…そしてクリスマス。授業もトレーニングも休みであったマンハッタンカフェはトレーナーとのお出かけを満喫し終え、彼の自宅へお邪魔していた。
かねてより約束していたクリスマスのお出かけ…楽しみだった1日はあっという間に過ぎ、残すは彼の家で料理やケーキを食べる事だけであった。
「楽しい時間もあっという間ですね…」
ケーキも食べ終わり今日を振り返る二人。カフェの言葉の通りにあっという間に…駆け抜けたかの様に時間は過ぎていった。
「そうだな…でも今日は最高のクリスマスだったよ。君との1日というプレゼントも貰ったしな」
「ト、トレーナーさん…」
顔を赤らめて俯くカフェ。そのまま何かを考え込んで更に顔を赤くしていた。
「ならトレーナーさん…私も欲しいものがあります」
「何だい?君の願いなら何でもだけど…今日はもう遅いから明日買いに行こうとするか」
「いえ…物とかではありません…その…抱きしめてくれませんか?」
「へ?」
驚くトレーナー。普段の彼女からは珍しい発言…それは彼女も同じだったのかケーキの苺の様に顔を更に紅く染め上げていた。
「いいよ、ほら」
そう言って腕を広げるトレーナー。カフェは恐る恐る近寄り…彼をギュッと抱きしめた。
(トレーナーさん暖かい…それに心地良い…)
「カフェ?大丈夫かい?」
「へ?あ、はい、大丈夫です…すみません急にこんな事…」
余程抱きしめられたのが嬉しかったのだろう。平常心を保っている様に見えて彼女の耳は落ち着かなく動き、尻尾は振り子の如く左右に大きく振れている。
普段見れない彼女の姿に驚きながらも愛おしく見守っていたトレーナーにある声が響く。
『ココデハナシタラドウナルノカナ?』
『キットカワイイカモシレナイゾ?』
(この声は恐らく彼女のオトモダチ…自分にだけ話しかけてきてるな…でも…少しなら…) - 131二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 22:52:43
そう言ってトレーナーは無言で抱き締めるのを止める。
(え………?)
突然の状況に目を見開いているカフェ。そんな彼女の姿を見るともう少し、もう少しだけと心の声が囁いてくる。
一歩後ろへ下がりながら
「どうしたのカフェ?」
と少し意地悪に質問をする。
「あ…いえ…その…それは…」
「はっきり言わないと伝わらないよ?」
「え…でも…私…」
(どうしよう…もっと抱きしめてなんてはしたなくて言えない…でも言わないと…どうすれば…)
彼からの質問に動揺してあたふたするカフェ。そんな姿を見てトレーナーは
「もしかして口に言えないほどいやらしい事なの?」
と盛大に言い放つ。
「ちが…違います…!そんな…こと…でも…」
(ちょっとやり過ぎたかな……!?)
「わた…私…やだ…やだぁ…」
気付けば手を伸ばしながらその身体を振るわせ涙を流しているカフェの姿が眼前にいた。
「ごめんごめん、冗談だよ。ほら、もう一度おいで———」
次の瞬間、猛スピードで飛び込んできたカフェががっしりとトレーナーを抱きしめる。ギチギチと音が鳴りそうな強さで。
「あだだだだだっ!カフェ!ゴメンって!」
「ばか!ばかっ!トレーナーさんの意地悪!いじわるっ!」
ひたすら謝るトレーナー。しかしその締め付けは弱まるどころか万力の如く更に強まってくる。 - 132二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 22:53:08
「本当にごめんって!もうしないから!」
「うう…本当ですよね?」
ようやく力が緩まった所で改めて謝罪するトレーナー。
「まぁ、あのカフェの姿も可愛かったけどね…」
「———ッ!…トレーナーさんがそこまで言うのならこっちにも考えがあります…!」
するとどうだろう、急に後ろに引っ張られまるで"二人に"押し倒される形でソファに座らされるトレーナー。そんな彼にカフェは倒れ掛かる様に抱きしめる。
「二度とあんな事出来ないようにしっかりと思い知らせ無いといけませんね…!」
「ちょ…ちょっとカフェ?」
「オトモダチも言っていました…『ヤラレタラバイニシテヤリカエセ』と…」
(オトモダチ!!!)
オトモダチにしてやられたと思ったトレーナーだが目の前に居るカフェは獣の様に目を光らせて…
「覚悟して下さいね…『摩天楼の夜』はそれはそれはとても長い夜ですから……」
どうやら冬の聖夜はこの部屋だけは真夏の熱帯夜になりそうだ - 133二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 22:54:08
>>124さんの素晴らしい文書の後にこんな駄文すみません…
- 134123/03/26(日) 08:23:07
- 135二次元好きの匿名さん23/03/26(日) 18:54:38
保守
- 136二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 01:24:54
やっぱりカフェはかわいいねぇ…
- 137123/03/27(月) 03:00:38
- 138二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 07:06:05
か…簡単…?
- 139二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 12:43:39
良ssが沢山ダァ…
- 140二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 22:26:33
スレ主のかんたんカフェかわいい...
- 141123/03/28(火) 01:41:40
- 142二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 06:54:50
おお…すげぇ…
すごくすげぇ… - 143123/03/28(火) 16:30:29
- 144二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 23:30:10
ざあざあと外では冷たい雨が強く降り続ける。
ここはとある部屋の一つ。その部屋のシャワールームにて暖かい雨がある一人のウマ娘の一日の汚れと疲れを洗い流していた。
流し終えたその身体は白いバスローブを纏う。
暖かく柔らかい素材でできたそれは彼女の身体を優しく包み込む。
そうして彼女はシャワールームを出てベットに居る男性の近くに横たわる。
「シャワー終わりました、トレーナーさん」
彼女の名はマンハッタンカフェ。長期休暇を利用してトレーナーと旅行に出掛けていたのである。
「しかし雨が降るギリギリに戻って来れてよかったな…」
「そうですね…」
お互いシャワーを浴びて疲れを取り、明日に向けての準備と今日の思い出を静かに語っていた。
「特に今日訪れたあの場所は特に……どこ見てるんですか?トレーナーさん?」
今の彼女はバスローブ以外見に着けていないのである。まぁトレーナーも同じではあるが。
そのため横たわっている彼女のその姿勢と彼の視線によってはちらつくのである。
「あ…いや…何でも無いぞ!それよりさっき行ってた所って不思議な力があるって言ってたよな!」
図星ながらも話題を逸らそうと必死なトレーナー。そんな姿を見てカフェはクスクスと笑っていた。
「ふふっ…そうですね…確かにあの場所は何かの気配を感じますからね…もしかしたら…」
「いやまさかな…まさかね?」
青ざめるトレーナー。しかしカフェも顔を若干青ざめる。無理もないだろう、二人とも様々なその手の経験が多いのだから。
「は、早く寝よう!そうしよう!うん!」
「いえ…まだ他にも方法がありますよ」
「え?」
首を傾げるトレーナーにお構いなくカフェは耳元で妖しく囁く。
「夜が明けるまで…夜更かしすれば良いんですよ…大丈夫です…どんなに大声を出しても雨が掻き消してくれるのですから…それに…トレーナーさん。普段とは違う私の勝負服…見てみませんか?」
その意味を理解したトレーナーは生唾を飲み込む。
降りしきる雨音の中、二人だけの夜更かしはまだ始まったばかりである。 - 145二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 23:31:17
>>143の絵を見てSSを一つ
ちょっとギリギリかな…
- 146二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 05:11:11
勝負(意味深)
- 147二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 12:10:04
スレ主の描くカフェいいな…
- 148二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 22:22:42
あーダメダメエッチすぎます
- 149二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 05:07:43
スレンダー体型の娘は上や真正面から見ると際どくなるのだ
特に寝間着などがそつ - 150二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 15:41:33
保守
- 151123/03/30(木) 23:03:29
- 152二次元好きの匿名さん23/03/31(金) 05:07:53
個人的には平ための娘の方が彼シャツとか彼T系シチュの威力が高く思える
- 153123/03/31(金) 08:22:44
- 154二次元好きの匿名さん23/03/31(金) 12:10:22
魅力に…魅力に溢れている…ッ!
- 155二次元好きの匿名さん23/03/31(金) 21:09:16
保守
- 156二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 05:25:47
色が付くとセンシティブ度が………
- 157二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 10:55:12
カフェ可愛い…さすがスレ主…
- 158123/04/01(土) 12:53:08
- 159二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 18:03:50
最高です!
- 160二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 22:21:12
自分の身体に自信が無いから無意識にトレーナーを誘惑すしていた事を知って赤面するカフェ…
その日以降からは何かと意識して仕掛けてきそう - 161123/04/02(日) 02:39:01
『二人でお出かけしていた時、突然の土砂降りに見舞われ駆け込んだホテルで「もう時間も遅いから」とそこで一泊することになったものの、たまたま偶然一部屋しかなく困惑しつつも了承するトレーナー……
バスローブに着替えてあとは寝るだけという時、普段は滅多に見ない彼女の肌にドキリとして意識してしまうも、教え子相手にこんな気持ちを抱くのは良くないと思い彼女から目を反らし始めるトレーナー……
自分のトレーナーがそっけない態度を取り始めたことに困惑しつつその理由をはぐらかす事に納得がいかないため距離を詰めるも、自分の体に対しての肯定が薄いためガードが薄くバスローブがはだけても気にしないカフェ……
自分が避けられていることに悲しみが湧いてきた彼女を察してやむを得ずカミングアウトするトレーナーと、まさか自分のことをそういった目で見ていたとは考えてもいなくて少し嬉しいがフリーズするカフェ、そして互いに気まずい空気が流れたまま一夜を共にする二人……』
みたいなSSは在庫にありますか?
その後はお友だちに唆されたカフェが言われるがままにトレーナーへのボディタッチを増やして誘惑じみたことをし始めると私性合。 - 162二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 05:46:28
「しかしとんだ大雨だな…」
雨音とそれとは別の水が流れる音が鳴り響く中、一人のバスローブを纏った男性はホテルの一室で溜め息をつく。
時は遡る事…マンハッタンカフェとそのトレーナーはお出かけを満喫していたのだが帰り道大雨に襲われ近くの宿泊施設に雨宿りで駆け込んだのだが…
「雨…止みませんね…」
「そう…だな…」
夕方を過ぎても降り止む事のない大雨…学園までは距離がある。タクシーを拾おうとしたのだがそれは他の者も同じ様で発着所には行列ができていた。
「タクシーも難しいし…明日も休みだから今日はここで一泊しようか」
そうして二人で飛び込みとはいえチェックインを済ませようとしたのだが…
「「え?一部屋しかない?」」
「申し訳ございません…現在非常に混雑しておりまして…」
「……まぁ、しょうがないか。大丈夫かカフェ?」
「え…はい…大丈夫です…」
そして今に至るという訳である。
「シャワー終わりました、トレーナーさん」
「そっか、じゃあもう遅いし寝るだけ———ッ!?」
カフェもシャワーを浴び終え、後は眠るだけ…だったのだが…
バスローブをあまり使う事が無い故紐をしっかりと締めていない状態の為、今カフェのバスローブははだけている格好になっており、臍の部分まで肌を晒している状態であった… - 163二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 05:46:40
普段見ることもないカフェの姿…ホテルの薄明かりがその色気を更に強める。
(ダメだ!教え子にこんな劣情を抱いては!)
「ま、まぁ明日も早いしチェックアウトに遅れない様にしないとな…」
生唾を飲み込みながら目線を逸らすトレーナー。
「どうしました?トレーナーさん?何やら顔が…」
「……!?あ、あぁ!さっきのシャワー熱かったからな!ちょっとのぼせたかな!?ははっ!」
(トレーナーさんの様子がおかしい…)
何やら隠し事をしているトレーナー。当然本当の理由は言えるはずも無い。しかしそれに納得のいかないカフェは更に詰め寄り追求する。
「もしかして何かこの部屋におかしい事でも起きたのですか?私であれば相談に乗りますよ?」
バスローブが更にはだける…一瞬バスローブの中が見えた様な気がする。しかし必死に目を逸らすトレーナー。
「私では…力になれないのですか…?」
弱々しく寂しそうな声を出すカフェ…
これ以上はぐらかすては彼女を逆に傷つける。
観念したトレーナーは正直に白状する事を決めたのであった。
「そ…そのなカフェ…普段見ない君の姿…君の…その素肌の身体に見惚れて…しまって…」
「え…?私の身体……———ッ!!!」
事実を聞き、今の自分の姿を理解したカフェは赤面しながら硬直した。そして正気に返ってすぐにそのバスローブのはだけた部分を隠し身体ごと目を逸らす。
「それなら…は…早く言ってください…」
「そ…そうだな…すまなかった…」
微妙な雰囲気のまま時間が過ぎる。
「あ、明日も早いし寝るか!」
「はい…お、おやすみなさい…」
そうして悶々とした二人を隠す様に明かりは消えた。 - 164二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 05:47:32
(トレーナーさんが私の身体に見惚れてくれた…嬉しい…)
普段自分の身体に自信がないと感じていたカフェは大好きなトレーナーに自分の身体が魅力的に見えたと言われその気持ちを昂らせていた。
(え…?オトモダチ…?)
そのまま眠ろうとすると何やらオトモダチが語りかけてくる。
(———ッ!そ、そんな…こと…でも…私で興奮…してくれるなら…)
意を決して眠りについたカフェであった…
目が覚める。トレーナーはゆっくりと時計を見ると日は変わっていたとはいえまだ夜中である事に気付く…
(朝になったらカフェに謝らないとな…)
「おはよう…ございます」
トレーナーがそう心に決めた瞬間、横から声が聞こえてくる。
「カフェも…起きたのか?」
「はい」
「その…昨日はすまなかった…トレーナーとしてとんでも無いことを…」
「良いんですよ。それに嬉しかったです…こんな自分の身体に魅力を感じてくれて…」
そうカフェが言った瞬間、暗闇から薄明かりになった。
トレーナーが振り向くと"昨日"と変わらないカフェの姿が近くにあった。再び目を逸らすトレーナー。
そんな事など知らず…いや知りながらもカフェは更に密着する。
「トレーナーさん…昨日の事で二人とも心に燻った何かが残ってる筈です…このままトレーニングやレースをしてもお互いに納得できる結果は出せないでしょう…」
「そ…そうだな…」
「…チェックアウトまで時間もありますし…この燻り…燃やし尽くしましょう…ね?」 - 165二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 05:47:45
後日学園にて———
「それで今日の記録だけど…カフェ?」
「はい、なんでしょうか?」
「その…身体が密着して…」
「ええ、そうですが?」
あの日からカフェがトレーナーに自分の身体を触らせるようにする機会が増えたのである。
「あの日にあんな事をしたのですから今更気にする事ないじゃないですか」
「それでも人前では…」
「はい、人前だからですよ。"私"のトレーナーさんだと周りに見せ付けてるのですから」
密着しながら上目遣いでトレーナーに振り向くカフェ。どうやらあの後オトモダチから手解きを受けていたようだ。
「参ったな…そう嬉しいこと言われると敵わないや…」
「ふふっ…それではトレーナーさん…今週のトレーニングも終わった事ですし…"また"お願いできますか?」 - 166二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 05:48:14
お客様こちらの在庫でよろしいでしょうか?
- 167二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 15:05:45
トレーナーさんは耐えられなかった………
- 168123/04/02(日) 18:18:46
- 169二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 23:19:56
おお、貴方のカフェのイラストが楽しみです
- 170二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 06:50:24
かんたんカフェいいな…
- 171二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 14:08:30
昨日初めてカフェの連続お休みイベント完走したわ。
やっぱカフェってトレーナーさんのこと大好きだよね。
来年も再来年も一緒にとか言っちゃうトレーナーさんは責任取るべき。 - 172二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 15:04:06
「すごい…………雨でしたね」
「ああ、ゲリラ豪雨ってやつかな、参ったね」
マンハッタンカフェとそのトレーナーは困った表情を浮かべて、顔を見合わせる。
私服姿の二人の全身は服から雫が零れるほどずぶ濡れとなっていた。
外からは叩きつけるようの雨音、二人は出かける途中、突然の大雨に巻き込まれた。
天気予報でも出ていなかった荒天で、傘なども持っておらず、避難してきたところである。
――――トレーナーさんの家が近くにあったのは不幸中の幸いでしたね。
そう言ってアクシデントを和ませようとしたカフェの背中に、突如寒気が走った。
「…………くちゅんっ!」
「カフェ?」
「すいません…………少し寒気が……雨に打たれたせいでしょうか」
「カフェ、シャワーを浴びてってよ」
「………………えっ」
トレーナーの言葉に、カフェは同室のユキノビジンから見せられた漫画を思い出す。
ホテルに連れ込まれた女性が、男性から『先にシャワー浴びて来いよ』を言われていたシーン。
そして、その後の展開もまた、脳裏に蘇る。
刹那、彼女の顔はマグマのように煮えたぎり、思考はローズクォーツの色彩に煌めく。
感情を抑えられず震える声で、カフェは本人比の大声をあげた。
「なっ……なにを…………いっ、言ってるんですか、昼間から……っ!」
「えっ、いや、そのままだと風邪引いちゃいそうだから」
「……………………はい」
――――消えてしまいたい。
カフェは頬を赤く染め上げながら、それを隠すように俯いた。
あまりに恥ずかしすぎる勘違いにトレーナーと目を合わせることができなかったのである。
失態を誤魔化すように、彼女は無理矢理言葉を絞り出した。 - 173二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 15:06:00
「……その…………アナタも、ずぶ濡れで……」
「俺は部屋に着替えあるからどうとでもなるけど、カフェはそうもいかないでしょ」
「それは…………そうなのですが…………」
「服が乾くまでの間は、嫌かもしれないけど、俺の服を着てもらうことになるけど」
「…………嫌では……ないです…………」
トレーナーの言ってることは合理的ではあった。
カフェとしてみればトレーナーを優先したいが、そうはいかないのも理解できている。
また、彼女自身もこのまま辛いと感じており、数秒の逡巡の後、こくりと頷いた。
「では……お言葉に…………甘えさせていただきますね?」
了承してから、カフェはふと思った。
男性の部屋のシャワーを借りると言うのはとんでもないことではないか、と。
「――――じゃあカフェ、着替え置いておくから」
「はっ、はい…………ありがとうございます」
立ち上る湯気と、規則的な水音。
カフェは暖かいシャワーに身を任せながら、浴室の外から声をかけるトレーナーに返事をする。
一糸纏わぬ姿で聞く彼の声に、彼女はドキリと心臓を跳ねあがらせてしまった。
(…………先ほどから……妙に意識してしまいますね)
熱いシャワーは、氷のように冷えた身体を溶かし、感じていた緊張を解す。
先程まで感じていた寒気も何処へと旅立ち、周囲を見る余裕が出来てきた。
トレーナーの好むシャンプー、リンス、石鹸、様々な情報がカフェの目に飛び込んでくる。
彼の痕跡に意識を奪われながら、彼女はふと冷静になった。
カフェ自身はこれほどまでにトレーナーを意識している、けれども。
――――トレーナーさんは私を意識してくれているのでしょうか? - 174二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 15:06:20
見下ろせば、起伏の少ない平坦の身体。
女性として魅力的とはお世辞にも言えないだろう、とカフェは大きくため息をついた。
思えば先ほども、浴室の外とはいえ、平然とトレーナーは声をかけている。
異性としてあまり意識していない証拠ではないか、と彼女は思った。
「もう少し……豊満であれば…………いえ、何を考えているのやら…………」
カフェは我に返る。
トレーナーは善意でシャワーを貸してくれているのに、何を考えているのか、と。
自身の邪な考えを流し落とすべく、彼女はシャワーの温度を上げた。
その後浴室から出て、カフェは用意された服へと着替える。
Tシャツとハーフパンツ。
流石に大きさの違いは明白で、シャツはぶかぶか、ハーフパンツも足首まで届きそう。
しかしトレーナーが袖を通した服だと思うと、彼女も少し心が躍った。
同時に余った袖が良く顔を合わせるウマ娘を彷彿とさせて、複雑な心境にもなるが。
「シャワーありがとうございました…………トレーナーさん?」
カフェが居間に向かうと、トレーナーは机の上に置いたコーヒーミルの前で屈んでいた。
以前二人で購入したミルだが、調子が悪いのか、あれこれと動かしている。
よほど集中しているのか、彼女の声に反応の声がなかった。
カフェは前屈みで横から覗き込むようにして、声をかける。
「…………あの……コーヒーミルが……なにか?」
「あっ、カフェ丁度良かった、なんか調子が悪くて……………っ!?」
慣れ親しんだカフェの声に振り向いたその瞬間、トレーナーは見てしまった。
前屈みでこちらを覗き込む彼女の――――そのゆるゆるで、隙だらけの、胸元を。 - 175二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 15:06:43
大きさの合わないシャツのネックラインの隙間から見える、なだらかな膨らみ。
その先端までは見えることはないが、その肌色の曲線を明確に確認することができた。
一般的にマンハッタンカフェは“ない”側のウマ娘とされている。
仲の良いアグネスタキオンやジャングルポケット、ユキノビジンらに比べれば確かに小さめ。
しかし、確かに“ある”のだ。
山とはいえないかもしれない、けれど美しく形整った双丘がそこには確かに“ある”。
艶やかな漆黒の髪と陶磁器のような白い肌が生み出すコントラストが、その威力を加速させている。
そしてもう一つの要素、『自然体による不自然』である。
カフェは自身の身体は女性的な魅力に乏しいと感じている。
そのため、胸元などに対する視線への意識が薄く、トレーナーに対して油断し切った姿を晒していた。
彼女が自然体の姿でいることによって発生してしまった、不自然な状況。
日常と非日常のブレンドは、その威力を更に際立たせて、見るものの視線を釘付けにする。
マンハッタンカフェの胸は小さいのではない。
魅力が圧縮されているだけなのだ。
そのことを再確認させられるほどの、衝撃的な光景であった。 - 176二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 15:07:02
トレーナーは勢い良く目を逸らした。
突然視線を方向転換されたカフェは、その姿に困惑を覚えるしかなかった。
「……? トレーナーさん…………どうかされましたか……?」
「いや、その、だなあ」
「顔が……耳まで真っ赤で…………もしや……風邪でも?」
「違う、風邪とかの心配はいらないんだけど……その」
「……では何故こちらをみないのですか…………何か隠しているのでは……?」
要領を得ない答えに、カフェは首を傾げるしかない。
一向にこちらを見ようとしないトレーナーに、むしろ不安を募っていく。
そんな光景に業を煮やしたのか、あるいは呆れたのか。
今まで姿を隠していたカフェの“お友だち”が、彼女にそっと耳打ちする。
――――胸元を見ろ。
その言葉にカフェは視線を落とすと、視界にはぱっくり空いた自身の襟ぐり。
そしてそこから見えるのは、自身のセンシティブな女性の部位であった。
「…………ッ!!」
カフェは反射的に胸元を抑えて、身体を上げる。
頬は沸騰したかのように真っ赤に熱くなり、耳と尻尾はピンと立ち上がった。
ジトっとした目でしばらくトレーナーを見つめるが、やがて力なく息を吐く。
少なくとも彼が悪いわけではない、そう考えたからだ。
少しばかりの気まずい沈黙の後、彼女は重い口を開いた。
「…………すいません……お見苦しいものを」
「いや、ごめん、俺こそ配慮が足りなかった」 - 177二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 15:07:18
お互いに頭を下げて、謝罪を伝える。
それでこの件はお終い、とするべきなのだがカフェは少しばかり引っかかっていた。
何か、何か見落としていることがある。
先程の光景や自分達の言葉を思い出して、そして、ついに至る。
(トレーナーさんが…………耳まで真っ赤に……?)
バッとカフェが顔を上げると、トレーナーは未だ恥ずかしそうに顔を背けていた。
少しは和らいだものの、依然としてその顔と耳には茜色が残っている。
ウマ娘と違って、人の耳には感情は出ないものだとカフェは思っていた。
しかし実際にはこうしてわかりやすく出てしまっている。
この耳の赤みが示す、トレーナのは感情とはなんだろうか。
それに気づいた彼女の胸は高鳴り、無意識に口角が吊り上がった。
「ふふふっ…………♪」
思わず口から笑い声すら漏れだしてしまう。
彼も自分を意識してくれている、それが良く理解できたから。
カフェはトレーナーの後ろに回り、身体を押し付けるようにくっつき、耳元で囁く。
「それで……コーヒーミルは…………どうしたのですか?」
「カ、カフェ!?」
トレーナーは薄着の彼女から伝わる、柔らかで艶めかしい感触に思わず声を上げてしまう。
恥ずかしいという想いはあるものの、それ以上に嬉しいという想いがカフェを突き動かす。
荒ぶる衝動をなんとか抑え込みながら、彼女は静かに告げた。
「もっと良く見て…………いえ、見せてくださいね」 - 178二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 15:09:52
- 179123/04/03(月) 17:57:19
- 180123/04/04(火) 01:57:57
- 181二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 06:21:50
- 182二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 16:47:54
あっちのスレにも来てくださるの大変ありがたい………
- 183二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 22:16:03
嬉しい…嬉しい…
- 184二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 06:33:03
保守
- 185二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 16:29:04
守護らねば
- 186123/04/05(水) 20:27:09
- 187二次元好きの匿名さん23/04/06(木) 03:25:44
でっか………(コーヒーミル)
- 188123/04/06(木) 03:31:36
- 189二次元好きの匿名さん23/04/06(木) 06:59:50
カフェもオトモダチも可愛いねぇ…
- 190二次元好きの匿名さん23/04/06(木) 18:27:56
こっちもでっか……………
- 191二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 05:18:47
- 192二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 07:27:32
カフェとお友だちのダブル最高...
- 193123/04/07(金) 09:20:55
『[どちらがトレーナーの事を知っているか]という口論が始まり最初こそ好物や趣味など簡単な内容を言い合っていたが、ヒートアップするうちに[トレーナーと二人きりの時どれだけイチャイチャしていたか]というマウント合戦に変容し、お互い自身の知らぬ間にトレーナーと過酷なイチャイチャを繰り広げていたことにダメージを受ける。トレーナーの知らない一面を聞く度に彼を誑かした相手というより、自分という存在がいながらもう片方と浮気するトレーナーにも矛先が向き始め、二人が自分を巡ってマウント合戦しつつ自分を尋問するという構図になってしまい逃げられない現状に死を覚悟するトレーナー』のSSはありますでしょうか?
ありがとうございます。いつまでもずっと待っているので、気が向いたときにでも。
- 194二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 10:16:57
- 195123/04/07(金) 19:20:17
- 196二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 19:21:10
乙ゥ〜
また逢いたひ…… - 197二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 19:21:45
お疲れでしたー
- 198二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 19:22:19
うめうめ
- 199二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 19:23:51
じゃあな!
- 200二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 19:24:10
いいスレでした