- 1二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 23:39:53
いつもの部屋にカフェが訪れる。相も変わらず私を見るなり嫌そうな顔をするが、今更気にしたことではないか。
「丁度紅茶を飲もうと思ってね、ついでに湯を沸かそうか?」
「いえ、お気遣いなく。変なことされそうなので」
「そうかい。なら良いが」
軽めの毒を吐かれるのも随分日常に溶け込んだものだよ。だがまぁ、多少の接近ならカフェも許してくれるのだからなんだかんだ優しさが見える。
まぁ特に何も気にせずカフェの隣になるようにソファーに座った。少し会話を楽しみたいのもある。…が、特に反応を示さないようだ。
「……」
「…ほう?「何故…隣に?」とか言うものかと思っていたのだけれどねぇ」
「別に…何の用ですか、話なら付き合いませんよ」
「なら勝手に世間話と行こうか。最近やたらと尻尾同士を絡ませる行為が流行っているようだが、あれは何なんだい?大体あのあと恥ずかしそうに「冗談冗談ないない」と背中を叩いたりして笑っているのが学園でよく見るが」
「……尻尾ハグですよ。ドラマでやってたのが流行りのきっかけです。まぁあなたには興味は無いでしょうが……」
尻尾ハグ?尻尾の根本以外は筋肉すらなく、毛だけでほとんど意図的に操作はしにくいというのに器用なことをする。
(ふぅン…逆に何が面白いのか試してみたいな)
少し魔が差したような思い付きで、少しカフェに仕掛けてみるかと尻尾をけしかけてみる。
…が、カフェも察知したのか上手いこと避けてくる。何度も何度もトライしているうちに、ようやく絡めることに成功した。当然カフェも気付いているようで、不服なのか顔をこっちに向けてこない。
「ほう!これが尻尾ハグか!なんというか変な感じだ、普段こんなことはしな…いから……」
絡めてから数秒経った辺りで一つの考えが頭をよぎる。
(あれ、待てよ。よく考えたら、これは文字通りの交尾ではないのか…?)
(これ、だいぶ破廉恥なのではないか!!?)
「カ、カフェぇ……?」
衝撃の事実に気付いてしまった衝撃に我ながら情けない声を出し、自分がやっといて助けを求めるようにカフェを呼んでしまった。
「……」
無言で顔面を両手で軽く掴まれる。「むぇ」とかいう何とも言えない声が漏れたが、正直そんな事考えてる余裕はない。 - 2二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 23:40:03
「…誰にでもこんなこと、してませんよね?」
「ひてないねぇ…はいふぉは、やふならはふぇってきへてたふぁら……」
「…なら良いです、いや良くないですが。タキオンさんが誰彼構わずやる変態になっていないようで安心しました」
「へ、へんらい…」
退っ引きならぬ言葉を言われた気がしたが、まぁ実際に破廉恥な行為を急に仕掛けたのだから反論する気力も湧かない。
ようやく頬から手が離れた辺りでカフェが向き合って真面目な顔で真剣に話し始める。
「一つ言っておきますが……し、尻尾ハグは…好きな人同士でやるものですよ……?」
「…は?」
待て。
交尾同然の行為で想い人同士でやるもの?そして私はそれをカフェに思いっきり仕掛けに行ったわけだ。それが意味することはつまり……
「わ、私はカフェに告白したのか!?」
「…そう…なってしまいますね……」
「え、えー!?いや確かに嫌いではないがしかし…!!いやでも交尾を…!!」
「交尾じゃないです…!いや交尾なんですかね?いや違っ……!!」
「よーっすタキオ……邪魔したな、今度にするわ」
「待ってくれポッケ君!?」
「お前彼女放置して私に構うなよ…嫌われんぞ」
「か、かのっ…!違います、違うんです…!!」
もはや色々パニクったこの状況。
それでもお互いの尻尾は、離れていなかった。
おわり - 3二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 23:40:53
フゥン…良いものだねぇ
- 4二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 23:43:29
>お前彼女放置して私に構うなよ…嫌われんぞ
最初ちょっかいかけに来たのポッケなのにひどくてすき
- 5二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 23:50:22
ところで
この件があって恥ずかしいというか結構愛の要る行為だと分かったのにそれでもタキオンが尻尾ハグ仕掛けに行っちゃうのはどこにあるんです? - 6二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 23:52:57
- 7二次元好きの匿名さん23/03/07(火) 23:54:12
せいぜいレベルとしてはハグかキスみたいなもんだろうにひたすら交尾前提で話してんの頭リーディングサイアーで草なんだ
- 8二次元好きの匿名さん23/03/08(水) 00:11:33
↓この辺に天を仰ぐデジたん
- 9二次元好きの匿名さん23/03/08(水) 00:20:30
顔真っ赤にしてるユキノとスカーレットも追加で
- 10二次元好きの匿名さん23/03/08(水) 00:37:34
- 11二次元好きの匿名さん23/03/08(水) 01:18:49
語彙が消えてしまったが……
タキオンが対象を舐め腐った結果手痛いしっぺ返しを食らう構図はやはり大変好みだった!
失礼する! - 12二次元好きの匿名さん23/03/08(水) 10:16:20
んにゃぴ…
私が実質純潔を散らしたあの日から数日。
別にあれからどうという変化はなく、私たちは普段の形へと戻っていた。
ポッケ君のあの誤解もめちゃくちゃ仲の良い友人ってことで落ち着いた。まぁカフェの方はかなり渋々した顔だったけど。
しかし…ほぼ交尾とはいえ尻尾ハグが愛情表現の一つだと分かったが、そうだと分かっても特にカフェに行ったことに恥ずかしさは覚えど嫌悪感は覚えなかった。
なんなら、もう一度やっても……
…いやしかしほとんど交尾なんだ、さすがに2回目は無いのかもしれないが…
……これを許して貰えるなら、私とカフェの距離は大分近いと、そう言えるのだろうか?
「……タキオンさん?」
「あ、ああ?すまない、いつもの考え事さ……」
「あまり…考えてばかりだと紅茶も冷めますよ」
そういえば、ここはカフェテリアだ。
私たち以外にもウマ娘は当然いて、私の周りをすっからかんにしながら利用している。
当然、私の近くにいるカフェにも基本は人が寄って来ない。
つまりだ。
私がイチャイチャしようが何しようが誰かが口出ししてくることはないというわけだ。
そうだよ、考えてばかりだと冷めてしまう…さっさと行動に移してしまえということだねカフェ!?
「よし、お互い飲み終えたようだし、トレーを返しに行かないかい」
「……そうしましょうか」
割とここからは返し口に距離がある。
その間にやってしまおう、一回ヤってしまえばもはや変わらない。何より…カフェがもう一度受け入れてくれるのかどうかの興味もあった。
隣に歩いているうちに、すかさず尻尾を絡めに行く。…不慣れかつカフェに何回か回避されたあの時と違って、今回はすんなり行った。
「……こんなとこで………」
「…いや、でも学園で結構見るからそこまで珍しいものでも」
- 13二次元好きの匿名さん23/03/08(水) 10:16:31
「…はぁ」
やれやれと言わんばかりにため息をついて、少し目立ちにくいであろう角に私を連れていったかと思えば、突然私を抱き締めてきた。
「…と、突然どうしたんだい……?」
「…あなたがやったことは、こういうことですよ?」
「あ…いや、その…カフェなら良いかと……」
「……目立たないところでこっそりやるなら、ギリギリ許せますが」
尻尾も全身もカフェに包まれてるこの状態だが、暑苦しいとかそういうのはなく、むしろ…暖かかった。
「わ、分かった…とりあえず離れ…」
「人に平然と恥ずかしいことする罰です、タキオンさんも恥ずかしい思いしてください」
「えーっ……!?」
((((すごいイチャついてる……)))) - 14二次元好きの匿名さん23/03/08(水) 10:29:22
実質交尾だねぇ
もはや公然わいせつだねぇ - 15二次元好きの匿名さん23/03/08(水) 15:09:52
ポッケがまた失礼しそう