ユキノ、誕生日おめでとう!【SS】

  • 1123/03/10(金) 12:00:37

    「ユキノさん…誕生日おめでとうございます。」
    「ありがとがんす、カフェさん!」
    今日は3月10日、ユキノビジンの誕生日。しかもちょうど日付が変わったタイミング。同室の2人の、5日ぶりのちょっとした夜更かし。相手の特別な日を真っ先に祝える特権だ。
    「プレゼントは…また明日渡します。今からさらに夜更かしはお肌に悪いですから…」
    「はい!楽しみにしてます!」
    そんなことを喋ってるとユキノのスマホが数度震える。誕生日をできるだけ早く祝おうと考える人が他にもいたようだ。
    『誕生日、おめでとうな』
    『ハッピーバースデー♪』
    『(誕生日おめでとうの魚のスタンプ)』
    「ンじゃ、あたしはちょっと返信してから寝るンで、カフェさんはお先におやすみなンしぇ。」
    「ええ…あんまり遅くならないでくださいね…それではまた明日。」

  • 2123/03/10(金) 12:01:03

    「ユキノビジンさん!誕生日おめでとうございます!!学級委員長としてあなたをお祝いに来ました!お祝いすべき方が他にもいらっしゃるので、短いですがそれでは失礼しますっ!」
    「あ、ありがとがんす!」
    朝一番にお祝いの言葉を投げかけて走り去っていくバクシンオーによって、今日誕生日であるウマ娘が周知の事実となる。もちろんあまりそれを好まない子もいるだろうが、それでも全校生徒の誕生日を覚え、祝いに駆ける学級委員長の姿は尊敬に値する。
    「ビワハヤヒデさん!誕生日おめでとうございます!!」
    春先の風物詩である、遠くから響いてくるバクシンオーの声を聞きながら、ユキノは照れくさそうにしていた。すると、
    「ユキちゃ~~~ん!!誕生日おめでとうだよぉぉぉおおお!!!」
    大声がまた1人。
    「チケゾーさん、ありがとがんす!」
    「ちょっとしたものだけどね、プレゼントも持ってきてるんだよ!はいコレ!駅前の焼き菓子が可愛かったからユキちゃんにピッタリだと思ったんだ!」
    「いいンですか?こったなめんこいお菓子、食べンのももったいねぇですよ…」
    ユキノは貰った包みを両手で大事そうに抱えている。
    「さっきね、バクシンオーちゃんもお祝いしてたでしょ?だからアタシも急げ~~!って走っちゃったんだよ!」
    「そういえばあの後ハヤヒデさんのところさ行っだようですけど、おンなじ誕生日だったンですねぇ。」
    「そうなの!アタシの友達が2人もおんなじ日に生まれてるなんて…奇跡だよぉぉぉおおお!!!っと、早くハヤヒデの所行かないと授業始まっちゃう!じゃあねユキちゃん!!」
    「はい!ありがとがんすっ!」

  • 3123/03/10(金) 12:01:27

    昼休み、教室に訪ねてくるウマ娘が1人。
    「ユ~キノ、ハッピーバースデー!」
    「シ、シチーさん!?なンでこったなとこまで!?」
    「朝はチケットとか来てたでしょ?アタシも朝弱いし…そんなバタバタした状態でユキノの誕生日祝いたくないの。」
    「あやぁ…そったなこと考えてくれるなンて、ありがてぇです!」
    「前からだよ?ユキノは大切な友達だし。はい、誕生日プレゼント。」
    「わあ!ありがとがんす!ってこれ、高級なメイクじゃねぇですか!!」
    「気合い入れる時に使いな?勝負コスメって言うのかな?」
    化粧水など、よく使うベースメイクはコスパが良いのを使う。プレゼントとしてお高めなものを贈るならメイクアップコフレを用意する。ユキノを想うシチーのプロ意識が窺えるチョイスだ。
    「嬉しいなぁ、誕生日をこったなたくさんの人に祝ってもらえるなンて…あたしは幸せ者だなはんっ!!」
    「そりゃあユキノの人徳がなせる技よ。」
    純粋なのがユキノの取り柄よ、と言うシチーは、確かにその人柄に惹かれた1人として穏やかに微笑んでいた。

  • 4123/03/10(金) 12:02:06

    「ユキノ、誕生日おめでとう!」
    「ありがとがんす、トレーナーさん!」
    トレーナー室に入ってきたユキノを出迎えるトレーナー。珍しく椅子に座って待っており、彼自身もこの日を待ち望んでいたように見える。
    「って、すごく嬉しそうじゃん。たくさん祝われたの?」
    「はい!プレゼントもこんなにいただきました!」
    両手に持ったいくつかの袋を見せる。お菓子の紙袋、ブランド物の袋、素っ気ないビニール袋。皆に愛されるユキノには見栄えもバラバラな袋もよく映える。
    じゃあ俺からもプレゼント、とチケットを差し出すトレーナー。なンですか?と受け取るユキノに、ちょっと恥ずかしそうに切り出した。
    「ユキノへのプレゼントって何がいいかなって考えてたんだけど、最近水族館とか気になってるけど行く機会がないって話を前にしてたよね。だから、さ?もし次の休みが空いてるなら、一緒に水族館に行かないか?」
    そう言う彼の手にはもう1枚のチケットが握られていた。予想もしていなかった申し出にユキノは顔を真っ赤にしていた。
    「お、お、お願いします!!」
    (コレって、デ、デートじゃねぇか!!??おめかしせンとな…!シチーさんから貰ったンがこンなに早く役に立つなンて…!!)

  • 5123/03/10(金) 12:02:44

    「お帰りなさい、ユキノさん。待ってましたよ。」
    トレーニングを終えたユキノが自室に戻るとカフェがコーヒー片手に出迎えてくれた。
    「プレゼント、今から渡そうと思って準備してたんですよ…さあ、座って?」
    カフェに促されるまま腰を下ろすユキノ。その目の前にコーヒーとお菓子が並べられる。
    「これって…ブラウニーですか?」
    「ええ、正解です。美味しそうなブラウニーを見つけたので、それに合うコーヒーをブレンドしました…少し苦いかもしれませんが、一緒に食べていただければ…」
    「ンじゃあいただきます!」
    喜んで手を合わせ、コーヒーを一口。ブラウニーを少し食べ、さらにコーヒーを一口。ユキノの眼には驚きが溢れていた。
    「コーヒーのコク?って言うンですかね?それが際立って、すンげぇ美味しいです!苦味もブラウニーのおかげで全然嫌じゃねぇですっ!」
    「お口に合ったなら…良かった…!」
    嬉しそうな顔をしてカフェが答える。苦いのが苦手なユキノのための、コーヒーとブラウニーが互いに引き立てあうような、そんなコーヒーの探求が成功したカフェは、とても優しい顔をしていた。

  • 6123/03/10(金) 12:03:11

    ユキノへ
    誕生日おめでとう。
    元気にしてらが?美味いモン食ってらが?
    立派になって岩手さ帰ってくンのを楽しみにしてるべ
    都会に修行さ行って、そこでできた友達は一生モンよ
    大事にしなさいね

  • 7123/03/10(金) 12:05:59

    以上となります。
    たくさんの友人にユキノが祝われるだけの話を書きました!
    読んでいただきありがとうございました!

  • 8二次元好きの匿名さん23/03/10(金) 12:16:12

    かわいい!
    ユキノは皆に愛されてこそ…
    素敵なお話でした

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