- 1(一応自分も書きます)23/03/11(土) 19:58:37
- 2二次元好きの匿名さん23/03/11(土) 19:59:05
当店はセルフサービスとなっております
- 3二次元好きの匿名さん23/03/11(土) 19:59:49
君が出してくれると聞いたんだが?
- 4二次元好きの匿名さん23/03/11(土) 20:00:52
ふむ、書きたまえ
- 5ホワイトデー感薄い気がする…23/03/11(土) 20:03:29
「フラッシュ」
「なんでしょうか?トレーナーさん」
「今日は君に渡したいものがあるんだ」
「この薔薇の花束を君に…」
「……!」
「ありがとうございます」
今日はホワイトデーですからトレーナーさんが何か用意をしているのは予想できていましたが…
分かっていても嬉しいものですね…
「トレーナーさん、この薔薇についてですが…」
「この部屋に飾ってもよろしいでしょうか?」
「トレーナーさんと2人で共有したいんです」
「もちろん」
「ふふ…ありがとうございます」 - 6ホワイトデー感薄い気がする…23/03/11(土) 20:03:52
「…ところでトレーナーさん」
「薔薇の花言葉は本数によって変わるそうですよ」
「15〜17本だとネガティブな意味になってしまったり…」
「13本だと『永遠の友情』という意味になるそうです」
「なるほど…」
「ところで1本だとどんな意味になるのかな?」
「それは…内緒です♪」
『私にはあなたしかいません』…
面と向かって言うには勇気がいりますね…
「ところでトレーナーさんから頂いた薔薇は…12本…!?」
「へっ!?あの…トレーナーさん…」
「これはその…つまり…」
「まあ……その…そういうことだよ」
「…いや、こういうことはちゃんと言うべきだね」
「フラッシュ、君を愛している」
「卒業したら…俺と結婚して欲しい」
「…………っ」
「ふ、不束者ですが……こちらこそよろしくお願いします、トレーナーさん」 - 7二次元好きの匿名さん23/03/11(土) 20:09:46
いいものを見させていただきました。👍
- 8123/03/11(土) 20:35:17
ちなみに薔薇の花12本だとプロポーズだったりするそうです
- 9二次元好きの匿名さん23/03/11(土) 21:05:15
(どなたかSS書きの方はいらっしゃいませんか?)
- 10二次元好きの匿名さん23/03/11(土) 21:28:40
- 11二次元好きの匿名さん23/03/11(土) 21:53:05
- 12二次元好きの匿名さん23/03/11(土) 22:21:30
ありがとうございます
- 13シーラカンス23/03/11(土) 22:55:06
おや、久しぶりに浅海に上がってきたら懐かしい匂いのするスレが……ですが以前に比べて供給者が少なくなってしまったようですねぇ……
仕方ありません、他の方々を超えられるものを生産できる自信はないのですが……協力させていただきましょう - 14シーラカンス23/03/11(土) 22:55:23
はい、なんでしょうか…………っ……!?
貴方……もしかしてその薔薇の花束は……!?
……ええ、分かってます……忘れてなんかいません……数年前、私にプロポーズする時にくれた12本の薔薇の花束を……あの時感じた……言葉では到底表せない程の喜び、貴方のとても凛々しい表情とプロポーズの台詞と共に、今でも鮮明に思い出せます。
あの時のように、今回もホワイトデーのお返しとして、私にこれをくださるのですね……?
ふふっ……ありがとうございます。本当に貴方は……私を喜ばせるのが上手な人……
この50本の薔薇の花束……意味は『永遠』……ですね?
……ええ。私も、貴方と同じ気持ちです。貴方と一生だけでなく……何度生まれ変わったとしても永遠に一緒に居たい……そう思っています…………
好き……こんな言葉だけじゃ伝えきれないけれど……愛しています、貴方……んっ……
……?貴方、どうしたんですか……?
え、さっきとは別にこの1本だけの薔薇を私に……?なぜ……?
『1本だけの薔薇の花言葉は一目惚れ……あの日、君に出会った時から変わらない気持ちを改めて君に伝えたかった……?』
……………っ〜〜〜〜♡!!!!もう、貴方という人は……!!ずるい……ズルすぎです……!!この、ウマたらし……!!
はぁ……いま私達のそばで寝ているこの子も大きくなったら貴方に誑かされてしまうのではないかと心配になってしまいます………… - 15シーラカンス23/03/11(土) 22:57:01
- 16123/03/11(土) 22:58:02
ありがとうございます!
- 17二次元好きの匿名さん23/03/12(日) 10:14:07
- 18二次元好きの匿名さん23/03/12(日) 22:14:42
ちょっとまってね
- 19Liebling23/03/12(日) 22:44:47
「フラッシュ。この間はありがとう」
そういって差し出しされた小さな包み。
可愛らしい柄の包装紙と赤いリボンでラッピングされている。私の勝負服の意匠を意識したものだということは明白だ。
「これは?」
わかっていて聞いてしまうのは、少し意地悪かもしれない。
でも、あなたの言葉で教えてほしいと思って…そんな狡さに見て見ぬふりをする。
「バレンタインデーのお返しだよ。今日はホワイトデーだからね」
「ふふ、ありがとうございます。とてもうれしいです。……ここで開けてもいいですか?」
「もちろん」
トレーナーさんの言葉を待っていつもより幾分丁寧に包装を解く。この包装もまた、大切な贈り物の一部だから。
「これは…」
中から出てきたのは、色とりどりのマカロンだった。
思わずトレーナーさんの顔を見ると、いつもと変わらないように笑顔でこちらを見ている。…でも、その笑顔がいつもより意味深に思えるのは、私の考えすぎでしょうか。
マカロンを贈る、その意味。
『あなたは特別な人』
知っているのか、知らないのか。…いえ、ここはあえて”気づかなかった”ことにしましょう。
意地悪なトレーナーさんが何か言うまでは。
「とても美味しそうですね。食べてもいいですか?」
「もちろん。飲み物は何がいい?」
「では、紅茶をお願いします」
「わかった」 - 20Liebling23/03/12(日) 22:44:59
しばらくして、香しい紅茶の匂いが部屋を満たす。
私はマカロンを一つ手に取り、口にした。
「おいしいですね。私好みのほどよい甘さです。……紅茶にもよく合っています」
「それはよかった」
その笑顔が少し先ほどより幾分安らいだように感じて、違和感を覚える。
──…いや、先ほどまでが、強張っていた?
そんなことを考えながら、二つ目を手に取る。そんな私を、じっと見るトレーナーさん。
「トレーナーさんに用意していただいたものですが、一緒に食べませんか?」
見られている気恥ずかしさをごまかす様に、トレーナーさんを誘う。すると、「いや、俺はいいよ。フラッシュに食べてほしいから」と断られてしまった。
──珍しいですね…
お菓子には私もこだわりがあるので、どちらが用意したものであっても、それをシェアして感想を言い合うことはこれまでもしばしばあった。
トレーナーさんもその時間を楽しんでくれているという確信はある。
なのに断られるなんて。
先ほどの違和感が、より大きくなって、その存在を主張してくる。
私は探るような視線をトレーナーさんに向けるが、トレーナーさんはまるで「何かあった?」とでも言わんばかりの表情で私を見返している。
埒が明かないと思い、違和感の原因を探りながら、手元のマカロンに視線を戻した。
そこで、私は、また別の違和感を覚えた。 - 21Liebling23/03/12(日) 22:45:29
しかし、今度の違和感の正体は、はっきりしていた。
私はマカロンをもう一つ手に取った。
両手にマカロンを持つなんて、両親に見られたら行儀が悪いと叱られそうだが、今ここにいるのは私とトレーナーさんだけだ。気にする必要はないだろう。
私は両手に持ったマカロンを見比べる。横目にちらりとトレーナーさんを見やると、照れたように頬をかいていた。
「トレーナーさん、これ…」
「気づかれちゃったか。……実は手作りなんだ」
「やっぱり!」
一つ一つは綺麗にできていると思う。しかし、見比べてみると微妙に大きさの違うのがわかる。これは明らかに手作りのそれだ。
「フラッシュはごまかせないね」
「これでも、パティシエの娘ですから」
「そうだね。だから、とても緊張したよ」
その言葉に最初の違和感も氷解する。
なんのことはない。お菓子にこだわるパティシエの娘である私。その私に手作りのお菓子を出して、「おいしい」と言ってもらえるか、という緊張だったのだ。
──さながら、私が両親に手作りのお菓子をふるまう時のような気分でしょうか
そんなことを考える。
自分でも入念な味見をするし、相手の性格を考えればひどいことを言うことはないとわかっていても、緊張せずにはいられない。
だから、もう一度言葉にしよう。かつて私の両親がそうしてくれたように。
「美味しいです。とても」
「ありがとう」 - 22Liebling23/03/12(日) 22:46:34
「なぜ最初から言ってくれなかったのですか?」
「いやぁ…その、なんだか言い出せなくて…。いっそ気づかれなかったらそれでいいかな、って。そしたら俺のお菓子作りもけっこうなものだって思えるだろうし…」
トレーナーさんは、いたずらがバレた子供のような、ばつが悪そうな表情をして、言い訳になっていない言い訳をする。
心の中で呆れつつも、そんなところすら可愛いと思えてしまうのは、欲目というやつでしょうか。
「私が気づかないとでも?ずいぶん見くびられたものですね」
「いや、その…そういうわけじゃないんだけど…」
「『けど』?」
「緊張…は、言い訳だね」
そう呟くようにいうと、トレーナーさんはまじめな顔になった。私の好きな、真剣な表情。
「…フラッシュは、『特別な人』だから」
「…っ!」
その言葉に、体中を歓喜の熱が駆け巡る。
「俺の手作りと知らない状態でも『美味しい』と言ってもらえたなら……。これから”先”も、君の隣に立っていたいと思ったから」
叫びだしたくなるような高揚感。
すべてを手に入れたかのような全能感。
──こんな気持ちになるなんて…
周囲のすべてのものが私たちを祝福してくれているような、そんな浮き立った気持ち。
そう、私は幸福に満たされていた。
次の瞬間、突き動かされるように、私はトレーナーさんに全身でその喜びを表していた。
トレーナーんの胸に飛び込んだのだ。
「わわわっ!?フラッシュ!!?」
「……」
「フラッシュ?」
「…私、幸せです。とても、幸せです」
抱きしめてくれるその腕に力がこもるのを感じながら、私は全身でこの身を満たす幸福に酔いしれたのだった。 - 23Liebling23/03/12(日) 22:47:02
チャイムがなり、生徒たちに帰宅を促す放送が流れる。
名残惜しいが、寮に帰宅しなければならない。
去り際再び視線が絡む。
──この時間をもっと
そう思うのが、私だけの独りよがりではないことを教えてくれる。
1日が終わる寂しさと、通じ合える喜びと。
ない交ぜになった気持ちを抱きしめながら、別れの言葉を紡ぐ。
「気を付けて帰ってね。…今はまだ、二人の秘密、だよ」
「はい、もちろんです。…また明日。Liebling」 - 24Liebling23/03/12(日) 22:49:59
終わり。
チャイムが鳴るまでの間二人が何をしてたかは、三女神パゥワーで二人だけの秘密です。
聞いても、フラッシュは人差し指を口に当ててほほ笑むだけで何も教えてくれません。
あ、でも、一応健全です。そのはずです。じゃないとトレーナーがクソヤローになってしまうので。イケメンは伊達じゃないのです。 - 25123/03/12(日) 22:51:38
ありがとうございます!
- 26二次元好きの匿名さん23/03/12(日) 22:52:07