【ポケモンSS】いつでも一緒にいたい

  • 1二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 15:03:27

    *注意!*
    ★稚拙な文章
    ★一部設定捏造有り
    ★お人形ネタです
    ★靴下フェチ要素多め


    ここはとある小さな田舎町にあるオモチャ屋。
    そこには可愛らしい2人の女の子の人形が売られていた。
    黒髪の三つ編みで女子高生のような姿をしたスズナと、ピンク髪でスズナより一回り小柄で格闘家のような姿をしたスモモ。
    2人はもう10年以上と長いこと売れ残っており、他の新しいオモチャから
    「お前らみたいな古い人形なんて誰も買ってくれねえよ」と毎日バカにされていた。
    しかし、いつか誰かが自分達を買ってくれる日をもう何年も待っており、望みを捨てないでいた。
    「スズナさん、贅沢な願いかもしれませんが・・・」
    「どうしたのスモモ?」
    「私、もし買われるならスズナさんと一緒が良いです。スズナさんとずっと一緒にいたいんです」
    「私も同じ気持ちよ、スモモ。私もスモモと離れ離れになんてなりたくない」
    もしあと1年経っても売れなかったら、それぞれ違う店へ飛ばされるか
    最悪の場合、製造元に送り返されて廃棄処分される恐れもある。

  • 2二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 15:14:18

    まるで自分を本当の妹のように扱ってくれるスモモからすると、
    スズナは優しくて最高の先輩にしてお姉さんのような存在だ。
    スズナもそんなスモモが可愛くて可愛くて仕方がなかった。
    絶対に離れ離れになりたくない、希望を捨てちゃダメだ。
    希望というのは最後まで諦めなかった者に訪れる、2人ともそう信じていた。
    3日後のある昼のこと、一人の少女が店を訪れた。
    「欲しいオモチャはどれ?何でも買ってあげるわよ」
    「ちょっと待っててママ。すぐに選ぶから」
    「慌てなくて大丈夫よ」

  • 3二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 15:24:04

    どれにしようかなあ、と店の中を歩き回る少女。
    その少女の足はいつの間にか、スズナとスモモの置いてある棚の前にあった。
    スズナとスモモをじーっと見つめる少女。すると・・・
    「ママ、このお人形どっちも欲しい!」
    「2つはダメ、どちらかにしなさい」
    「えー両方欲しいよぉ!どっちも可愛らしいし!」
    「ワガママ言っちゃダメ!」
    「ムゥー!!」
    少女はピンク髪の女の子、そうスモモの方を指差した。
    「この格闘家みたいな女の子が欲しいのね。じゃあ買ってあげる」
    そのままスモモはレジに持っていかれ会計が終わり、袋の中に詰め込まれる。
    スモモの入った袋を持って、少女とママが店を出ていった。
    この時、スズナとスモモは心に釘が刺さったような痛いショックを感じていた。
    「「ま、まさか一緒に買ってくれる。そう思っていたのに」」

  • 4二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 15:37:44

    「(そ、そんなスモモ!!)」
    「(スズナさん!!)」
    少女が乗った車がオモチャ屋の駐車場を出て、どこかへと走り去っていった。
    ただ棚の上に立ちすくむスズナ。しかし、じっとなどしていられなかった。
    彼女は周りに店員や客がいないことを確認すると素早く棚から下り、見つからないように正面の扉から飛び出した。
    店の近くの草むらに身を隠し、一旦周囲の様子を確認する。
    「確か車は南の方へと向かったはず!」
    車は南の方へと走った、ただそれしか確証がない。
    だが、今のスズナにはあの少女の元に辿り着いてスモモと会うこと、それしか頭に無かった。
    「スモモ、待っててね!今すぐ向かうから!」
    スズナの冒険が今、幕を開けた・・・!

  • 5二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 15:47:00

    靴下ニキ新作?!

  • 6二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 15:48:10

    スズナは極力、人に見つからないよう草むらや茂みの中を走った。
    小さな人形にとって外は危険な場所。当然だが歩幅が小さいため、数十メートル先まで着くのも一苦労だ。
    しかし、立ち止まっている暇など無い。とにかく前を進んでいく、ただそれだけだ。
    周りに草木しかない人気のない場所を走っていくうちに、スズナは急に足を止めた。
    彼女の目の前には、昨日の大雨でぬかるんだ泥道があったのだ。
    スズナは一瞬躊躇した。しかし、また元来た道を辿って後戻りすることなんてできなかった。

  • 7二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 16:01:58

    「進むしかない!」
    意を決して、スズナは泥道に足を踏み入れた。
    昨日の大雨が嘘かと思うくらいの快晴なのに乾いていないことに不満を感じつつも、とにかく前へ前へと進む。
    次第にチャプチャプと音を立てるくらいにぬかるみが酷くなり、
    泥がローファーだけでなくルーズソックスにまで飛んで汚れてしまう。
    しかし、今はこの泥道を突破しなければ前へ進めない。
    「スモモが待ってるんだから!スモモが待ってるんだから!」
    何とか1時間ほど悪戦苦闘しながらも、泥道を突破することができた。
    当然だがルーズソックスとローファーは泥まみれだ。
    もし近くに川か水道があったら、今すぐにでも泥を洗い流したい気分だった。
    「と、とにかく少しでも早くあの少女の元へ向かうのよ!頑張れスズナ!」
    自分で自分を鼓舞し、また歩き出すのだった。

  • 8二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 16:04:57

    早くも新作出ててビックリしたわ
    とにかく完結まで応援するぞ!

  • 9二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 16:15:47

    しばらく歩いているうちに、スズナは背後から黒い影が自分を覆い尽くしているのに気付き足を止めた。
    只ならぬ妙な気配を感じ、恐る恐る後ろを振り返ってみると、
    そこにはブニャットがいるではないか。野生だろうか、誰かに飼われているのだろうか。
    ブニャットは不思議そうにスズナの姿を見つめていた。スズナは冷や汗タラタラだ。
    「こ、こんにちは、か、可愛いネ、ネコちゃん・・・!」
    そのブニャットは一瞬ニヤッと笑うと、シャーッと牙を見せた。
    「ウワーーーーッ!!!」
    スズナは逃げた。とにかく死に物狂いで必死に逃げた。
    自分のすぐ後ろにブニャットが迫っている。捕まったら大変だ。

  • 10二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 16:26:00

    そのブニャットは前足から鋭い爪を出して、スズナを引っ掻こうとした。
    スズナはジャンプして引っ掻きを避け続けるも、一瞬爪が彼女のルーズソックスに当たりビリッと音を立てた。
    とにかく必死に走るスズナ。目の前には川があった。
    立ち止まってなんかいられない、スズナは思いきり向こう岸へと勢いよくジャンプした。
    「人形としての根性見せてやるわ!!」
    ブニャットもジャンプ、しようとしたが足下の小石に躓いてしまい、そのまま川にドボン!と落ちてしまった。
    なんとか根性のジャンプで川を越えることに成功したスズナ。
    ブニャットが川から出てくる前に、急いでその場を走り去ったのだった。

  • 11二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 16:36:17

    何とかブニャットから逃げ切ることができ、スズナは安堵したものの
    先ほど鋭い爪でルーズソックスを引っ掛かれた際に少し破けてしまい、中の綿が漏れ出してしまった。
    「わ、綿が・・・」
    スズナのルーズソックスには柔らかい綿が詰まっていて、触るとモコモコするのだ。
    とりあえず何かルーズソックスの破けた穴を塞げる物が欲しいが、草むらの中じゃ見つかるはずがない。
    「は、早くスモモの元に行かなきゃ・・・!」
    歩く度にルーズソックスの中の綿が少しだが漏れていく。
    スズナは早くスモモのいる少女の家に着こうと必死ではあるものの、
    同時にそれまで体力が持つのかひどく不安でもあった。

  • 12二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 16:47:10

    次第に日が暮れて、夜になった。
    スズナは泥道を歩いたり、ブニャットに追いかけられたりでもうヘトヘトだった。
    すると数メートル先から明るい光が見えてきた。
    「も、もしかして町かしら?」
    疲れてはいたがスズナは精一杯走り、光のある方へと向かう。
    目の前に広がるのは、都会とまではいかないくらい規模の町だった。
    「や、やったわ!この町のどこかにあの子の家があるはず!」
    スズナは公園の花壇近くの茂みの中で、夜を明かすことにした。
    「とりあえず今日はもう寝て休まなきゃ。フワアアアアア!」
    大きくあくびをすると、スズナは眠りに落ちてしまった。

  • 13二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 16:55:01

    こりゃ続きがとにかく楽しみ

  • 14二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 17:59:07

    靴下ニキカヒリSSの時も思ったけど文才あるね

  • 15二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 18:17:52

    「う、うーん」
    チュンチュンとムックルのさえずりが聞こえ、眩しい太陽の光が顔に当たるのを感じ、スズナは目を覚ました。
    「早くあの子の家へと向かわなきゃ!」
    体を起こし、公園から出ようとしたその時だった。
    キャーキャーと元気そうな子供の声が聞こえ、スズナは足を止めた。
    その声は次第に近くなっていき、また幼稚園児であろう子供達が公園内に入ってきたのだ。
    スズナは隠れる間もなく、仕方なくその場に倒れて動きを止める。
    「(な、何で園児達がここにいるの?もう幼稚園に行ってる時間でしょ?も、もしかして、今日は、に、日曜日!?)」
    すると男の子がスズナが落ちているのに気付き、拾い上げた。
    「エヘヘ、良い人形見つけたぞ!」
    その男の子はスズナを砂場の方に持っていくと、どこからともなくヘラクロスのプラモデルを取り出した。
    「悪いトレーナーが出たぞ!ヘラクロス、こいつをやっつけるぞ!」
    「(え、えっ、何これ!?私、悪者役!?)」
    「いけヘラクロス!正義のメガホーンをお見舞いしてやれーッ!!」
    悪役にされた私は、ヘラクロスのメガホーンやインファイトにやられる一方だった。
    「アハハハ!やったねヘラクロス!正義は必ず勝つ!」

  • 16二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 18:27:54

    「悪いトレーナーは砂漠のど真ん中で反省するんだな」
    そう言うと、男の子はスズナの下半身を砂で埋めてブランコの方へと走っていった。
    「(わ、私はこんな遊び方する人形じゃないわよ!いい加減にして!)」
    お昼になり、ほとんどの子供達がランチを食べに公園から出ていった。
    足を砂で埋められ身動きが取れなくなっていたスズナは周囲に誰もいないのを確認すると、砂から脱出した。
    おかげでルーズソックスとローファーは砂まみれだ。
    「昨日は泥まみれ、で今日は砂まみれ。お願いだから勘弁してよ・・・」
    スズナは急いで公園を離れ、スモモのいる少女の家へと走った。

  • 17二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 19:11:18

    スズナはただ走った。走り続けた。
    どこに少女の家があるかという確証があるわけでもないのに。
    「スモモに会いたい。また一緒になりたい」
    その強い思いが彼女の原動力となっていた。
    しかし、スズナの体力は限界だった。
    ルーズソックスの中の綿は漏れ続け、ローファーも底がかなり磨り減っていた。
    「もうスモモには会えないのかな。スモモ、今頃私がいなくて寂しがっているだろうな・・・」
    スズナはスモモと初めて会った日のことを思い出した。
    スモモが店に置かれたのは、スズナがやって来たから3年後のことだった。
    ピンク髪で小柄で可愛らしく、だが格闘家だけあって力強さを感じさせるその姿が、スズナにとってとても魅力的だった。
    「よくスズナさん、スズナさんって嬉しそうに話しかけてきて、本当に妹みたいだったのよね」

  • 18二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 19:23:55

    そんなスモモに対しスズナは先輩として、そしてお姉さんのように振る舞うのが大好きだった。
    長いこと売れ残っていても、一緒にいるだけでとにかく幸せだった。
    だけど本当の願いは、"同じ持ち主の元で遊んでもらい、人形としての本当の生涯を過ごすこと"なのだ。
    すると空が黒い雲に覆われ、雷がゴロゴロ鳴り、ザーザーと雨が激しく降り始めた。
    スズナはその場でバタンと倒れた。
    「ごめんスモモ、もう永遠に会えないかもしれない。私はずっとスモモのそばにいたかった・・・」
    倒れて動かなくなったスズナ。するとピチャピチャと水が跳ねる音がした。
    スズナのすぐ近くに水色の長靴が現れた。

  • 19二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 19:39:20

    「(・・・う、うーん、何かしら?風が吹いてる?)」
    全身に温かい風が吹いてくるのを感じるスズナ。
    「雨に濡れちゃって可哀想に・・・」
    女の子の声が聞こえてくる。バタンとドアが閉まる音がした後だった。
    「スズナさん!スズナさん!大丈夫ですか?起きてください!」
    聞き覚えのある声に、スズナはようやく目を覚ました。
    「ス、スモモなの?ねえ、もしかしてスモモ!?」
    目の前にはあのスモモの姿があった。
    スモモは嬉しそうにスズナをギュッと力強く抱き締めた。
    「スズナさん、すごく会いたかった!」
    「私もよスモモ。でも、どうしてここまで来れたのかしら?」
    「ユリナがスズナさんを持って帰ってきたのを見た時は本当にビックリしましたよ」
    ユリナ。そう、あの少女の名前だ。
    「私、途中で力尽きて倒れて、雨がザーザー降ってきて、そこから覚えてなかったの」
    ユリナは雨でびしょ濡れになったスズナをタオルで拭き、ドライヤーでしっかりと乾かしてくれたのだ。
    「スズナさん、ルーズソックスが破けてるじゃないですか!泥もついてますし」
    「エヘヘ、色々とあってね」
    「私のために危険な外に出て、ここまで来てくれて!本当に無茶させてごめんなさい、スズナさん!!」
    「スモモが謝る必要ないわよ。ただ、私がスモモにとにかく会いたかった。それだけよ」

  • 20二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 19:49:54

    スズナとスモモはお互いに強く抱き締め合った。
    翌日、ユリナのママがスズナのルーズソックスの中に綿を多めに補充して縫った後、
    磨り減ったローファーの底をヤスリで綺麗に磨いてくれた。
    「スズナ、あなたもスモモと一緒で私の家族の一員よ!」
    ユリナは優しい子で毎日スズナとスモモで楽しく遊んでいた。
    どこかへ出かける時もいつでも一緒、彼女は決してスズナとスモモを離れ離れにさせるようなことはしなかった。
    「スズナとスモモは最高のコンビだからね!」
    ユリナのその言葉に、スズナとスモモは思わず目を合わせニッコリ微笑んだ。
    「あ、あれ?スズナとスモモ、今笑った?気のせいかな?」
    長年の夢が叶った最高の瞬間であった。



    おしまい

  • 21二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 21:06:14

    お疲れ様!今回も本当に楽しませてもらった!

  • 22二次元好きの匿名さん21/11/19(金) 21:24:39

    面白かった
    ルーズソックスが破けるところのねっとりした描写に愛を感じる

  • 23二次元好きの匿名さん21/11/20(土) 05:42:18

    >>22

    めっちゃ分かる

    カヒリSSでもだけど靴下に関する描写がとにかく上手すぎるんだよな

    さすが靴下ニキだわ

  • 24二次元好きの匿名さん21/11/20(土) 07:56:01

    靴下ニキファンタジーもいけるの!?めちゃ面白かった!
    靴下描写で自分の性壁を満たしながら面白いってすごいと思う

  • 25二次元好きの匿名さん21/11/20(土) 14:24:10

    感想ありがとうございます!
    カヒリさんのオレンジのハイソックスに続いて、今度はスズナのルーズソックスネタですw
    やっぱり靴下フェチ故に、靴下に関する描写はすごく力が入っちゃいます
    今回は人形ネタですが、トイストーリーとかすごく大好きなんですよね
    もしスズナとスモモの人形があったら欲しい!絶対買います!

オススメ

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