閲覧注意SS ナッペ山が全裸必須地帯だったら

  • 1二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 14:52:47

    熱。

    それは万物に宿るエネルギーであり、昂れば大地を焦がす獄炎となり、抑えれば命を育む揺籃となる。

    それは人の心も同じであり、熱を失った心は凍てつき気力をこぼし落としてていく。ひとたび失われた心の熱は、容易く元には戻らない。

    グルーシャもその例に漏れず、トップアスリートとしてその心身に熱い情熱をたぎらせていた彼の雄々しいエネルギーは、突如の悲劇によって失われてしまった。

    来るかどうかも分からない挑戦者のために、ただただ雪山の中で待つ日々。体の傷がある程度癒えても心の熱が戻ることはなかった。

  • 2二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 14:53:12

    私室にこもって空を見つめる日々。

    たまに来る挑戦者を相手取り、また一人私室に戻る日々。

    彼の心はすでに限界を迎えていた。だが、それでも彼は自分に課せられた仕事を投げ出すことはしなかった。

    最強のジムリーダーであることだけが、彼を支える唯一の熱だったのだから。

    そんな日々に変化が現れたのはほんの数か月前。

    ジムチャレンジャーの中でひときわ輝いた才能がある、そんな噂がグルーシャの耳にも入るようになっていた。

    輝く才能、若さの力・・・

    グルーシャは心臓をかぎ爪で掴まれたような気分になった。

  • 3二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 14:54:08

    そのうち、噂のジムチャレンジャーがナッペ山ジムに現れた。

    手元にはすでに7つのジムバッジ。力量は証明されているということ。

    寒い、何かが違う、この子は今までは違う。

    グルーシャの眼に写ったのは、ただまっすぐに自分を見つめる若いトレーナーの姿。野心と不安と緊張と、そして勝利への渇望をたたえたその表情。

    ジムリーダーの仕事は力量を検定すること。つまり、負けてやることも仕事の内である。事実、グルーシャも今までそうしてきた。

    だが、このジムチャレンジャー、アオイの姿を見ている内に、彼の中に芽生えたのは、新しい感情、それでいて懐かしい感情・・・

    「負けたくない」だった。

    それに、見込みのある新人の前で最強のジムリーダーである自分が無様な姿を晒すわけにはいかない。

    ふつふつと。

    ただ、ふつふつと。

    心に熱が戻っていく感覚。

    勝負が終わったとき、グルーシャは数年ぶりに空を仰ぎ見た。そこにはいつもと変わらないパルデアの大空が、青く澄んで、どこまでも、どこまでも続いていた。

  • 4二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 14:55:43

    エリアゼロの人かな?

  • 5二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 15:00:52

    もしや全ペシリーズ番外編…?

  • 6二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 15:03:44

    ジムチャレンジを終えたアオイが下山していった後もグルーシャの心には確かな熱が宿っていた。

    あの頃とはほど遠い、それでも確かな熱が。

    ナッペ山ジムのスタッフたちは、グルーシャの口元に僅かな笑みが浮かんでいるのを見止めて、何か良い風が来ているような、そんな新しい季節の気配を感じ取っていた。

    ジムチャレンジのシーズンがひと段落し、時間的にも空きができたグルーシャのもとにウィンタースポーツについての講義をしてほしい旨の依頼がアカデミーから届けられた。

    数週間かけての仕事であるためしばらくの間ナッペ山を離れることになる。以前の彼なら断っていただろう。

    だが、グルーシャはスタッフに対して「了解を伝えてほしい」と言づてた。

    その表情にかすかな微笑みの色が浮かんでいたのを、付き合いの長いナッペ山のスタッフは見逃すことはなかった。

    かくして、しばらくグルーシャはナッペ山を離れることとなった。

    ちなみに、この間にジムチャレンジが来ないだろうことは了承済みだが、もし何かの手違いがあれば、同じジムリーダーのアオキが対処することになったと、リーグからは正式なコメントが届いているため、ジムの方は心配ない。


    事件はこの時期に起こった。

  • 7二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 15:06:17

    >>4

    気付くのが早いんよ

    でもお久しぶり


    >>5

    番外編というかスピンオフというか続編というか何というか・・・

  • 8二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 15:07:14

    ポケモンリーグ本部の執務室で、オモダカは書類の山と格闘していた。
    一枚一枚は簡単な確認程度のものでしかないが、どれもオモダカの承認を待っているものであり、余人に任せられるものでもない。流石のトップチャンピオンも膨大な事務作業に対しては、黙々とこなしていくしかない。それでも、超人的な処理速度をもってオモダカは仕事をさばいていた。

    ふと、執務室のドアをノックする音に気付き、彼女が来訪者に入室を促すと、そこからおずおずと顔をのぞかせたのは、ボタンだった。

    このところ、アカデミーの勉強が終わってから、リーグ本部でサイバーセキュリティの仕事を受け持っていたボタン。

    その彼女にとって、頭の上がらない相手であるオモダカの執務室を訪ねるということは珍しいことだった。
    数瞬前まで鉄仮面のように顔をこわばらせて書類を睨みつけていたオモダカは、少女に対してにこりと笑顔を見せて、話を促す。この切り替えの速さも彼女の立派な武器である。

    ボタンの話では、リーグ本部に寄せられるメールの中に気になるものがあったとのこと。それも一件ではなく、数件。その内容は・・・

    「ナッペ山で不自然なテラスタル結晶発見、ですか・・・・」

    オモダカが淹れた紅茶を両手で持ってすすりながらこくりと頷くボタン。ここ最近ではテラスタル結晶関連の調査は、チャンピオンクラスであるネモとアオイが一任されて各地を回っている。少なくとも、彼女らの報告ではそういった件は述べられていない。黒い結晶という話はあったものの、それ以外は至って自然なまま・・・

    「今までも大穴以外で結晶が見つかることはありましたが、いずれもテラレイドによるもの・・・この「不自然な」というひと言、気になりますね・・・」

    テラスタル結晶関連ともなれば、生半可な調査ではむしろ危険、自分が行ければいいが忙殺の極致にいる今、自分はおろか四天王の誰かを派遣することも難しい。場所がナッペ山ともなれば、学生たちに調査を命じるのも気が引ける・・・

    「ナッペ山・・・ここは、彼を頼ってみましょうか・・・」オモダカのつぶやきは、ボタンには届かなかった。

  • 9二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 15:07:57

    同時刻、フリッジタウンの閑静な街並みに不釣り合いなライブステージに、ライムは独り佇んでいた。

    観客席には誰もいない。ライム自身もマイクを持っていない。今日はただ考え事をするためにこの場に来ていた。

    おかしい。明らかに何かがおかしい。

    このところ街の中でも外でも外傷事故が多発している、いや、しすぎている。

    その被害者たちが皆、口を揃えて言うのは、

    「まるで急に服が固まったようだった」
    ということだった。どうにかその場で服を脱ぎ捨てたため、致命的な負傷はせずに済んだという。

    しかし、服が固まるなどということがありえるのか。この雪山に居を定めて長い、フリッジタウンの住人たちが、凍って固まるような素材の服を着るはずもない。

    それに、服を脱ぎ捨てたというのも気になる。この極寒の地で、服を脱ぐような真似をすれば、間違いなく寒さに命を脅かされる。だが、被害者たちには、生命の危機どころか、凍傷の兆しすら見つからなかったという。

    服を着られない雪山・・・全裸必須地帯ナッペ山・・・

    ライムはその考えを馬鹿馬鹿しいと切って捨てることができなかった。

    事実、もともと住人の数が多くないこの街で、事故が多発しているために家族とともに大きな病院のある地域に一時避難をしている者たちの数は、かなりの割合になる。

    「一旦、リーグに報告だね・・・」

    ライムは、この件の調査は自分一人では手に余ると考え、不本意ながらリーグへの応援要請を行うことにした。

  • 10二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 15:09:28

    リーグにメールが届き次第、すぐにライムの報告はオモダカの耳に入った。例によって、伝えに来たのはボタンである。報告書の中でオモダカとボタンの二人が気になったひと言、それは、

    「ナッペ山が全裸必須地帯になったら」

    というものだった。

    まるで悪ふざけをしているかのような文言だが、不思議な説得力をもってオモダカの脳裏に刻まれた。

    「先日のテラスタル結晶が関連しているとしたら・・・」

    オモダカは息を呑む。

    事態は思ったよりも火急なようだ。

    その日のうちに、オモダカはナッペ山ジムの正規ジムリーダーのグルーシャ、そしてライムに連絡を取った。もちろんグルーシャは今ナッペ山を離れていたためクラベル校長を経由している。

    「驚かれるのも無理はありません。ですが、事実なのです。ナッペ山の住人を一時避難させ、いち早く元凶を除かなくてはなりません。ライムさんには住民避難の指揮を、調査にはグルーシャさんを筆頭にこちらで人員を派遣いたします。ええ、もちろん腕の確かな者たちを。それではよろしくお願いします。」

    電話を終えるや、矢継ぎ早に次の相手に連絡を取るオモダカ。その姿を後ろで見ているボタンは何かとつてもないことが起こっているような気がしていた。

  • 11二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 15:09:44

    DLC前に来たか
    他でも見かけたけどいつ見ても筆が早いな
    エリアゼロならともかくナッペ山全裸はヤバそう生命維持的に

  • 12二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 15:23:02

    後日、グルーシャはプルピケ街道に来ていた。本来ならナッペ山を活動拠点としている彼だが、ライムとともに住民の避難誘導を行ったのち、オモダカが派遣した人員と合流して再び入山する手はずとなっている。

    オモダカからの連絡ではジムリーダークラスの達人を3名送るとのこと。麓の無人山小屋にすでに到着していると聞いていたので、少し歩みを速めて向かう。

    山小屋の扉を開けたグルーシャの目に飛び込んで来たのは、ナンジャモ、リップ、カエデの3人。女性ジムリーダーたちだった。

    ジムリーダークラスを送るとは聞いていたが、まさかジムリーダーそのものが来るとは思っていなかったグルーシャは少々驚いてしまったが、すぐに気を取り直して挨拶もそこそこに調査ルートの共有を行う。

    達人たちとはいえ、雪山はかなり危険度が高い。それを重々承知しているからこそ一同はグルーシャの話を真剣に聞いていた。

    そしていざ出発、という段になってグルーシャが小屋を出ようとしたとき、カエデが彼の背を呼び止めた。

  • 13二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 15:23:28

    風ひくぅ!

  • 14二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 15:24:28

    このレスは削除されています

  • 15二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 15:30:14

    「あら?グルーシャさん?その恰好では行けないのでは・・・?」

    グルーシャはオモダカの報告にあった全裸必須地帯という言葉を、冗談だと思っていた。それこそ人外めいた雰囲気のあるオモダカだけに自分には理解できない類の冗談を言っているのだと思っていた。

    「メーダ―ね。ちゃんと準備しておかないとお肌にも悪いわ。」

    「グルーシャ氏?リーグから聞いてなかったのかな?」

    嫌な予感がしてゆっくりと振り向いたグルーシャ。その目の前にはいつの間にか全裸となっていた3人の姿があった。

    ぎょっとして身体が固まるグルーシャ。ゆらりと効果音を伴いそうな雰囲気でグルーシャに近づいていく3人。

    当然、グルーシャの顔は真っ赤に染まっていく。

    「さ?早く脱ぎましょう?」

    「脱ぐときも気をつけないとお肌に傷がついちゃうわ」

    「グルーシャ氏の脱衣シーン、配信できないのがもったいないな~」

    あたふたと動揺するグルーシャを取り囲んであれよあれよと衣服をはぎ取っていく女性陣。

    唯一残った下着に3人の手がかかった時、グルーシャはたまらず声をあげた。

    「ちょ、ちょっと待って…!脱ぐから!それは自分で脱ぐから!」もちろん泣いてなどいないが、彼がもう少し若かったなら涙目になっていただろう。

    「あら、そうですか・・・」「なるはやでね?」「バズりそう」


    「「「さ、早く自分でパンツ下して?」」」

  • 16二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 15:41:14

    1メートル。

    それは人が会話をする際に、黒目が見える距離だと言われている。どこを見ているのか、何に感心があるのか、それが分かる距離である。

    奇しくも同時刻、ペパーの部屋でアオイとペパーがキッチンに並んで料理を作っているときの二人の距離も1メートルであり、

    下着を下そうとしているグルーシャと女性陣の距離もまた、1メートルであった。

    彼は現役アスリート時代にもこんなに緊張したことはない。首筋から垂れる汗はもはや道を遮る布類のない胴体を小気味よく滑り、両手で握られた下着の繊維に吸い込まれていった。

    ゆっくりと下し始めたグルーシャ。下着はスポーツマン仕様のぴったりと貼りつくタイプで、彼の筋肉の形を如実に浮かび上がらせている。

    下に向かって両手を下すだけの行為がこれほどの難易度をはらんでいると知っているのは、このパルデアではグルーシャ以外にはただ一人しかいない。

    脳が沸騰しそうなほどに血が上っていたが、彼の優れた体幹はぐらつくことすら許さない。

    確かな意思を持って下着を下すグルーシャ。

    下へ下へと降りていくグルーシャの両手とその中の下着は、仕事を終えて無事に山を下りていく一行の姿を暗示しているように見えた。

  • 17二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 16:11:31

    この素敵な文体で狂った内容書かれるの本当好き

  • 18二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 16:32:31

    まさかまたこのシリーズが読めるとは思ってなかったよ

  • 19二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 16:55:13

    今回の犠牲者はグルーシャ君か・・・好きなキャラだ

  • 20二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 18:23:52

    年の近い成人女性に至近距離で裸を見られる。

    グルーシャが羞恥の炎に身を焼かれている間に女性陣は山小屋の扉を開けて屋外へと踏み出していた。

    一番最初に違和感に気づいたのは、意外にも雪山を知り尽くしているグルーシャではなく、リップだった。

    彼女が気づいたのは、気温や湿度に由来するもの、つまり、

    「肌感覚」である。

    肌に突き刺さるような極寒の風をイメージしていたリップの想像を裏切るように、ナッペ山から吹き付ける風は鋭さを欠いていた。

    ただし、のどやかな温かさがあるわけではなく、どんよりと生ぬるい不快感を伴っている。

    リップに数瞬遅れてグルーシャも違和感に気づいた。むき出しの肌に感じられる山の空気感が、明らかに雪山のそれではないということに。

    雪を踏みしめてみて、その違和感は確信へと変わる。

    気温の割に、雪が緩くなっていない。いや、むしろ硬さすら感じられる。

    まるで小さな石の粉末の上を歩いているような感覚。

    オモダカからの情報で聞いていたテラスタル結晶の影響だろうか。この分なら高気温がもたらす雪崩の心配は要らないかもしれないが、なにぶん未知の現象である。油断はならない。

  • 21二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 18:24:12

    環境が未知の状態に変貌しているとはいえ、門外漢と専門家では雲泥の差がある。

    やはり当初の予定どおりグルーシャが中心となるフォーメーションで進んでいくことになった一行。陣形としてはグルーシャを中心に据え、左をナンジャモ、右をリップ、そして正面をカエデが行くことになっている。

    つまり、グルーシャは後方以外のどの方向を見ようと、女体が目に入る状況であり、3方向から魅了の波動を受ける状態である。

    余談ではあるが、本来ヒトのオスというのは極めて活動的な存在である。食料や獲物を求めて長距離を走り回り、時には仲間たちと連携して巨大な獲物を仕留めてきたのが、オスという存在。

    その活動力を支えていたのが、筋肉から生み出されるエネルギーである。

    筋肉が多ければ、必然、心身は活動的になり、健康体であれば欲も出てくるもの。

    こうなると、「筋肉質な男はエロい」の図式が成立といっても暴論とは言えない。

    そして、グルーシャは元トップアスリートである。全盛期ほどとはいかずとも今でもトレーニングは習慣的に続けており、その肉体は常人のそれをはるかに凌駕している。当然一見細身に見える彼も筋肉量はかなりのものである。

    つまり、グルーシャの性欲は正常であるということが分かる。

    ただし、彼は紳士である。現役アスリート時代から多くのファンを擁し、引退後の今も根強い人気があるのは、腕前によるものだけではなく、彼の素敵な人間的魅力によるところが大きい。

    よって、グルーシャは裸の女体に十二分の魅力を感じながらも、決して下世話な視線で汚すまいとする己自身の高潔さに苛まれてしまっていた。

    ちなみに、同時刻のペパーの部屋では、遅めの朝食の後、ベッドに横になって昼寝をしているペパーの胸板を、アオイがこっそりと触ってはその筋肉感を愉しんでいたが、この話には関係のないことである。

  • 22二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 18:24:53

    通常の歩行の速度に比べて、少しゆっくりめに進んでいく一行。最初の目的地はナッペ山の中では低山エリアである「ナッペの手」である。

    いわゆる奇岩景に属するパルデアの名勝の一つだが、雪山の中にあることから、訪れる観光客の数は多くない。

    住民すら避難しているこの状況では誰もいないことは間違いが、全裸の一行にとって、それは望ましいことだろう。

    グルーシャたち一行は全員がジムリーダーであり、カエデを除く3人は現在または過去に衆目を集める仕事をしていた経験がある。当然ジムリーダーであるカエデも列に与するに能う。

    そのためか、視線に対しては人一倍鋭い感覚をもったパーティである。その彼らが明確に感じていたのは、このナッペ山全体を覆う緊張感のようなもの、

    「殺気」である。

    数週間離れていたとはいえ、明らかに自然がもたした変化ではないことをグルーシャは感じ取っていた。そのため、「殺気」を感じることはむしろ当然とすら思えていた。


    この事態をもたらした存在が、山のどこかにいる


    4人は口には出さずとも、考えが一致していた。

    だが、殺気を放っているのは、なにも未知の存在だけではなかった。一行の前に現れたのは、ゆったりと羽を動かし鱗粉を散らす白銀の雪蛾、モスノウであった。

    モスノウ自体は見知ったポケモン、問題はその頭上に見えるもの。力強い燈火が周囲を紅く色づける。

    炎テラスタルである。

  • 23二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 18:27:54

    普通にボキャブラリーが豊富で好き

  • 24二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 18:28:23

    どうなるか楽しみ記念に一枚

  • 25二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 18:41:01

    全裸絵師さんも来た!久しぶり!

  • 26二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 18:50:05

    威嚇するように雄たけびを上げるモスノウ。

    レイドバトルというわけではないようだが、それに近い圧力を直感する4人。周囲への警戒を考慮して全員が戦闘に参加するのは避けたい。

    達人の彼らにとって、レベルや力量についてはもはや懸念にはならない。問題はタイプ相性である。

    エスパーやフェアリーを使うリップにとっては、虫技で弱点を突かれる上、炎タイプでフェアリー技を半減されるこのテラスタイプは相性が悪すぎる。もちろん地力の差で押すことはできるだろうが、無用な緊張を強いられることになる。

    グルーシャにとっては弱点を突かれることはなくとも、専門タイプである氷技を半減される炎タイプとの戦いは歓迎すべきではない。

    それは虫タイプ使いであるカエデも同様である。

    よって、イーブンな状況で力押しができるナンジャモが戦闘を担当し、他の3人が周囲への警戒とサポートを行うことになった。

    普段のナンジャモであれば、先鋒にはタイカイデンを繰り出しているところだが、相手はモスノウ。テラスタイプが炎であるだけで、本来は氷使いのポケモンである。よって普段とは違う順番で、ハラバリーを繰り出すに至った。

    最も信頼を置いているのはムウマージだが、彼女のムウマージは特性とテラスタルによって弱点タイプを消すことで真価を発揮する技巧派であり、テラスタルを温存したいこの局面には適さない、と彼女は判断した。

  • 27二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 18:50:25

    モスノウは炎テラスの燈火を冠に、変わらずゆったりと飛びつつナンジャモのハラバリーを見つめている。

    虫タイプの眼は独特の雰囲気を持っている。専門家であるカエデは、虫タイプのポケモンと長年触れ合うことで、その瞳が実に豊かな感情を映し出すということを知っていた。

    その彼女ですら、このモスノウの眼からは何も感じることができなかった。無機質な眼差しが全裸の4人を射すくめる。明らかに伝わってくるのは、

    「殺意」だけである。

    異様な空気感の中でナンジャモはいつもの飄々とした雰囲気を切り替え、戦士としての闘気を昂らせていった。

    そんなナンジャモとハラバリーに、モスノウは「エアスラッシュ」を打ち込んできた。空を切り裂く神速の風撃が連続して襲い掛かるが、ナンジャモは冷静だった。

    「ハラバリー、まだだよ。少しだけ右に・・・次は左・・・」

  • 28二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 18:56:54

    こんなにシリアスでかっこいい話だけど全員全裸なんだよな……その…下品なんですが

  • 29二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 19:03:35

    こ、この技は!ネモの!

  • 30二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 20:10:08

    師匠の技を弟子が使う熱い展開

  • 31二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 20:10:37

    「エアスラッシュ」の連弾が襲い掛かったが、雪煙の中から現れたナンジャモとハラバリーは無傷だった。

    視界を塞ぐほどの雪煙を起こす猛攻撃をすべてかわし切った事実に、リップたちは驚愕したが、位置関係的にグルーシャにははっきりと見えていた。

    ナンジャモは必要最低限の動きだけをもって、ハラバリーと自分自身に攻撃の雨を抜けさせたのである。

    彼女は全裸だからこその鋭敏な皮膚感覚を利用し、大気の流れを前もってつかみ、敵の攻撃を予測。前もって予備動作を取ることで最小限の動きで攻撃をかわすことを可能にしていた。

    全裸が彼女の力となったのである。

    「ハラバリー!いくよ!」

    ぽてぽてと走り出したハラバリー。その機動力は決して高くないが、それでも懸命に走ればそれなりのスピードにはなる。

    モスノウは連続攻撃をかわし切った得体のしれない全裸を前に、少々動揺していた。ナンジャモは肌を刺すような殺気の中に動揺という「ゆらぎ」が生まれたことを敏感に感じ取り、走り出した。

    武術のような動きで、宙を舞うモスノウの下方に潜り込む。一瞬遅れてきたハラバリーは、彼女の腿を、背を、肩を踏み台にして、大きく飛び上がった。

    ナンジャモのその動作を見ていたリップは、友人キハダの言葉を思い出す。

    ((この技はな!はるか東方の国で伝わる武術の技なんだ!強靭な部位である背中を打ち込む大技、その名も・・・))

    「鉄山靠・・・」ふと呟くリップの声は、ナッペ山の風に吹かれて消えていった。

  • 32二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 20:10:55

    足を大きく開き腰を沈め、全身のバネを利用して力を生み出す。全裸になることで肌の摩擦を生み出し、自らの肉体を梯子と化すことによって、本来空を飛べないポケモンを上空に送り出す脅威の全裸技である。

    ハラバリーに至近距離にまで近づかれたモスノウは、完全に虚を突かれていた。

    驚きによって生み出された、いや、こじ開けられた一瞬の空隙を縫って、ハラバリーが渾身の電撃を叩きこむ。

    本来モスノウはそこまで耐久力の優れたポケモンではない。急所を撃ち抜かれ、テラスタルが解除される。

    カエデはモスノウの眼から殺気が消えていくのを感じとり、その旨をナンジャモに伝える。

    すでに決した勝負である。一度下した相手に追撃をかけるような無粋を彼女のプライドは選ばなかった。

    武術家のように腰を深く落としたポーズでナンジャモは拳を打ち上げた。

    傷一つない完全勝利である。

    グルーシャは角度的にナンジャモの正面に立っており、当然彼女の肉体のすべてが視界に入る位置にいた。

    咄嗟に目の焦点をぼかすことで事なきを得たが、美しい妙齢の女性が全裸でポーズを取っているという事実だけでも、彼の精神に叩き込む一撃は軽くない。

    戦いを終えて、再度陣形を整える一行だったが、4人の位置関係的にグルーシャの下半身が女性陣の目に入らないことが、彼の救いとなっていた。

  • 33二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 20:11:40

    声に出して読みたい日本語

    「ナンジャモ全裸で鉄山靠」

  • 34二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 20:46:51

    時刻はまだ早く、太陽はいまだ坂を上っている時間帯。当然、陽の光はパルデアの大地を力強く照らす。

    ナッペ山は雪山特有の反射光によって、より一層明るく見えている。

    グルーシャたち一行は白銀の世界を全裸で歩いているにもかかわらず、その肌の表面にはじわりと汗がにじんでいた。

    一刻も早くこの異常事態を引き起こしている存在を見つけなくては。極寒の地には極寒だからこその価値というものがある。雪山だからこその役割がある。特有の生態系がある。

    環境を無理矢理に変化させてしまうことは、それらの自然の摂理を捻じ曲げてしまうことである。絶対に許してはならない。

    ジムリーダーである4人は、それぞれ副業をもつ仕事人でもあるが、パルデアを守る戦士たちでもある。

    その両肩にのしかかる責務は、余人の想像を超えて重いものであり、同時に彼ら彼女らの誇りでもあった。

    「ナッペの手」に向かって進む一行の前に現れたのは、悪タイプと氷タイプを併せ持つポケモン、ニューラであった。

    ナッペ山ではよく見られるポケモンであり、好戦的な性格でもある。今回も例に漏れず、一行に襲い掛からんばかりの血気である。もちろんグルーシャたちとは比較にもならない大きな壁があるが、その壁を埋める策をニューラは携えていた。

    古今東西、強敵に対して、弱者が対抗するため最良の武器「数の暴力」である。

    ニューラの大群がグルーシャたち一行に襲い掛かる。

  • 35二次元好きの匿名さん23/03/19(日) 20:47:38

    ニュー裸?

  • 36二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 00:08:22

    10体を超えるニューラたちが襲い掛かってきても、グルーシャたちは動揺しなかった。敵影を見止めて一歩前に出た者の背中が頼もしすぎたためである。

    「悪タイプ・・・ふふ、私の出番ですね~?ほおら、行っておいで~!」

    カエデはそう言い放つと同時に相棒の虫ポケモンたちを繰り出した。

    エクスレッグ、フォレトス、ヘラクロスが雪山に降り立った。勢いを増すニューラたちの群れに意気揚々と飛び掛かっていく。

    レベル差やタイプ相性など、様々な条件のすべてがカエデのポケモンたちを優位にしていた。グルーシャたち3人は一歩引いたところで周囲を警戒しつつカエデの様子を見守っていたが、高笑いしている魔王にすら見えるカエデの猛攻が、ニューラたちの群れを蹂躙していく様は痛快そのものであった。

    周囲に敵影がなかったため、グルーシャたちが油断した一瞬の隙を突いて一行の背後に現れたのは、ニューラの進化系、マニューラだった。

    氷タイプを併せ持つポケモンであるため雪の中に長時間潜伏していても活動に支障がなかったのだろう。鋭い氷のかぎ爪が全裸の3人に襲い掛かる。

    が、

    マニューラの動きが止まった。いや、止められていた。背後を取ったと思っていたマニューラのさらに背後を制していたのは、カエデがこれ見よがしに宙に放った3匹のポケモンたちとは対照的に、さりげなくこっそりと繰り出していた、ワナイダーだった。

    「うふふ、悪い子ですね~?ぜんぶ見えてましたよ~」

    悪タイプの奸計すら上回る手練の技。マニューラは声を出すこともできずに、一瞬で処理されてしまった。

  • 37二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 08:32:45

    カエデさん好戦的だよね

  • 38二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 11:21:15

    ゆるふわっぽいけど闘志バチバチなのがいいよねカエデさんは

  • 39二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 15:29:38

    カエデの、柔らかい雰囲気の中でもはっきりとした闘気は、一行の空気感をぴりりと引き締める。

    両手を広げてにこやかに振り向いたカエデは、青々とした空に太陽を、雪山の白に死屍累々のニューラを添えていぶし銀の貫禄をかもしていた。

    振り向く際にふるりと揺れるカエデの胸部の果実を、グルーシャは見つめまいとしつつも、見てしまう。彼は自分自身に「このむっつり!」と叱咤せざるを得なかった。

    天気は良かったが、さすがに山歩きを1日中続けるわけにはいかない。最初の目的地である「ナッペの手」に至るまでには、まだ数時間の移動を要するだろう。このままでは日が暮れてからの到着となる。それは少々危険がすぎる。

    途中の休憩地点にある山小屋で夜を明かして翌朝早めに活動を開始するという運びで4人は一致した。

    グルーシャには山小屋に入って早めに就寝するとなれば、身体を隠すこともできるだろうという考えがあった。しかし、その考えは早々に裏切られることとなった。

    山小屋の中の設備にはフリッジタウンの住民の私物がまぎれており、彼らは一時避難の際に山小屋の私物を回収していた。

    つまり、今日グルーシャたち一行が身を預けるベッドは一つしかない、ということである。

    カエデが、持ってきていた食料を使って作ってくれた夕食を食べているときも、グルーシャの頭の中には、このあとの就寝時をどう乗り切るかという考えがいっぱいになっていた。

    大人の男女が、それも全裸の男女が同じベッドで寝る。その重さが分からないほどグルーシャは初心ではない。

  • 40二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 15:30:06

    結局グルーシャの心配していた通り、全員が身を寄せ合って同じベッドで寝ることになった。幸いベッドが大き目に作られていたため、スペースの問題はなさそうだ。とはいえ互いの肌を離すほどの大きさではない以上、同衾による皮膚接触は避けられない。

    むしろグルーシャにとって問題なのはポジションである。

    右端が左端に陣取りつつ、外側を向いて寝れば皮膚接触は背中だけで済む。できればそうしたいところである。端を取れない場合、両サイドを女体で挟まれることになる。そうなるとどっちを向こうと正面接触が起こってしまう。

    この蠱惑的な空間で至近距離の接触までしてしまった場合、グルーシャは荒ぶる龍の頭を押さえつけておける自身がなかった。そんな失礼なことをするわけにはいかない。

    グルーシャの命運をかけた話が行われ、それぞれのベッドでのポジションが決められたが、それはグルーシャにとって望ましいものではなく、想定を超える最悪と言ってもいいものであった。

    筋肉量が多いグルーシャは中心で暖を与える役割を担い、左右にカエデとリップが、そして少し体格の小さめなナンジャモが全裸でグルーシャの上に乗る形となった。

    3方向を女体で囲まれたグルーシャ。その鼻腔には成人女性特有の甘やかな匂いが入り込み、彼の精神をピンク色に染め上げていく。

    下腹部に熱が集まっていくのを実感するグルーシャだったが、フリッジタウンの盟友ライムの顔を思い出して必死に耐えようとする。

    女性陣が寝息を立て始めても彼の戦いはしばらく続いた。

  • 41二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 15:30:26

    いつの間にかグルーシャは夢を見ていた。

    どこまでも広がる白銀の大地の上に気のテーブルが置いてある。そのうえには三枚の皿に乗せられて、口紅、カップケーキ、スマホロトムが並んでいる。

    どこからともなく現れたオモダカが彼に問う。

    「どれにしますか?」

    どういうことだろうか

    「どれにするのですか?」

    一体何を聞いているんだろう

    「どれでもいいのですよ」

    どれでもいいなら、いっそ全部もらっていこうかな

    「おや、全部ですか。思ったよりも奔放なのですね。しかし、そんな恰好では風邪を引きますよ」

    グルーシャが自らの服装を自覚したそのとき、彼は目を覚ました。窓の外はまだ漆黒の闇に覆われており、女性陣はみな眠っている。

    左右上から来るそれぞれ感触の違う柔らかさの差を分析しながら、グルーシャは再度眠りに落ちていった。

    ちなみに、同時刻、ペパーはヨクバリスとマフィティフ、そして抱き枕に囲まれながらぐっすりと快眠をむさぼっていた。もちろん布団の中でも裸ではない。

  • 42二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 19:31:05

    ちょくちょく挟まれるペパーの平和な着衣の日常が嵐の前のなんとやらに思えてもう面白い

  • 43二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 21:21:39

    ナッペ山ならぬマッパ山ということか

  • 44二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 21:46:56

    >>43

    あれ、寒くないぞ・・・

  • 45二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 22:04:19

    全ペシリーズ、ホームウェイ組はゲーム通りの仲良しに落ち着いて後のオリジナル番外編で他のキャラを巻き込んだりペパアオ進展したりといった展開をしていたが、グルーシャ中心のこのグループは原作の絡みがほぼないから予想つかなくてまた違った楽しさがあるな

  • 46二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 07:45:52

    グルーシャ君かわいいな

  • 47二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 08:05:07

    新スレ立ってるの気づかなかった!

    間に合って良かった…!!


    それにしても、

    >>6

    > もし何かの手違いがあれば、同じジムリーダーのアオキが対処することになったと、リーグからは正式なコメントが届いている


    誰かツッコミ入れてあげてよぉ!

    でもまぁ上からのお達しで氷タイプでお相手するアオキさんは見たい

  • 48二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 15:22:16

    ベッドシーン

  • 49二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 16:45:38

    >>48

    成人男女は不味いよ!!!

  • 50二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 16:47:47

    ナンジャモこれ、あと数センチずれたら完全にアウトでは?

  • 51二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 17:07:23

    翌日になって、グルーシャは女性陣を起こさないように器用にベッドから抜け出し、いそいそと小屋の外へと出てきた。

    丸一日かけてメラメラと昂らされてきた官能の炎を鎮めるための儀式を、一刻も早く執り行う必要があったためである。

    すでに下半身に宿った熱は鋼のような硬度となって彼の肉体の一部を変容させている。鍛え上げられた精神力も、長時間の責め苦によって炙られ、いつの間にか息が上がってしまっている。

    はあ・・・はあ・・・と息を吐くグルーシャ。

    その息は本来なら白く色づいて見る者に寒さを伝える役割を果たすはずだが、今のナッペ山の異常気象によって、彼の息は透明なまま大気の中に消えていく。

    もちろん、息が乱れているのはここが高山であることとは無関係ではない。鼓動が高鳴っていることも同様である。

    しかし、グルーシャはすでに自身に言い訳できないほどに揺さぶられてしまっていた。自身の奥底から湧き出てくる官能に。

  • 52二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 17:08:05

    小屋の裏、周囲には当然誰もいない。野生のポケモンたちも視界には入らない。本来なら地中や上空に対しても警戒をするべきであり、普段の彼ならそれを怠ることなどあり得ないのだが、今の心身ではその余裕などない。その点を以って彼を責めることなどできないだろう。

    誰の目もないことを確認したグルーシャは下腹部に手を伸ばす。

    すらりと伸びた細く長い指、筋肉がしっかりとついていて引き締まった腕、顔面の印象からはしては意外なほどにがっしりとした肩や胸・・・

    色白な彼の全身がほんのりと赤く染まっている。

    存在を主張するウミディグダに触れたその刹那、グルーシャはあまりの衝撃に声を漏らしそうになってしまった。

    長時間の官能によって熱を与えられたウミディグダは、いつの間にかその攻撃力を極限まで高めていたが、久しぶりだからだろうか、防御力は普段よりも落ちていて動作ごとにHPが大きく削られていくのを、彼は自覚している。

    猛烈なほどに激しく動く片手と対象的に、こぼれ出んとする嬌声を抑えこもうと口元にはりついたもう片方の手。

    アイススピナーが放たれるまで、そう時間はかからなかった。


     ・ ・ ・


    ほんの数分後、小屋の中に戻ってきたグルーシャだったが、いつの間にか起きていた女性陣は彼の表情が穏やかで凛々しく、また晴れやかなものに代わっていたことについて、なにか思うところがあったが、大人の女性である彼女らはそれについて深く考えることはしなかった。

  • 53二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 18:34:04

    >>52

    なんかエッチだな・・・

  • 54二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 19:11:52

    テラバーストの次はアイススピナーなのか…

  • 55二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 19:19:07

    >>54

    ちょっと威力上がってそうだな・・・

  • 56二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 19:20:24

    口を押さえながら激しくアレしてるグルーシャ君、なんかめっちゃクルな

  • 57二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 20:38:21

    手早く朝食を済ませ、目的地に向かって歩き出す一行。

    肉眼でも分かるほどにテラスタル結晶が高濃度になって浮遊している。太陽の光と雪の反射光を受けた結晶がキラキラと眩く光るその光景は、絶景というにいささかの迷いもない。

    が、その絶景が住民を苦しめてしまうのとなれば話は別である。

    一行は、謎の衣服結晶化現象はこの異常濃度と化したテラスタル結晶の粒子によるものであると確信できた。リーグが固く閉ざして禁足地エリアゼロ。4人は知る由もないが、ナッペ山は今、エリアゼロと同質化してしまっていた。

    その頂に待つ者は果たして・・・



    「ナッペの手」には案外すんなりと着くことができた。だが、「異常なし」というわけではないようだった。

    テラスタル結晶の洞窟、テラレイドの空間がそこには広がっていた。

    グルーシャの雄々しいウミディグダを彷彿とさせるはずの奇岩峰は結晶鉱石によって全くの別物に変貌しており、周囲には明らかな殺気が充満している。

    カエデやリップは、やけに野生のポケモンが少ないと感じていたが、その理由が分かった。怯えて隠れていたのだ。このテラレイドの主から。

    災禍をもたらす毒の象徴、紫の冠を頭上に乗せて、グルーシャたち一行をにらみつける三頭の龍

    毒サザンドラが雄たけびをあげる。

  • 58二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 21:25:09

    ふゆう持ちの毒テラスタルで、元悪タイプの600族ってクッソ厄介だな

  • 59二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 08:10:46

    ほしゅ

  • 60二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 08:44:05

    これ時系列は全ペ後なんかな?

  • 61二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 09:14:36

    保守助かる

  • 62二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 16:02:36

    サザンドラの三つの頭はそれぞれ複雑に動きながら、「あくのはどう」や「りゅうのはどう」を放ってくる。グルーシャたちは攻撃をさばきつつ戦線を形成していった。

    一行の考えは一致している。この戦いの鍵を逃げっているのは、毒タイプに対して有効打を持っているリップであり、彼女の立ち回りをいかにサポートするかが勝負を分けるだろう。

    ただし、それは簡単なことではない。ただの毒タイプではなく、本来悪タイプを持つサザンドラが、服を着ず、毒タイプにテラスタルしているからである。

    強烈な悪タイプの攻撃をもつサザンドラにエスパー技をぶつけるのは至難を極める。

    三つの頭を翻弄しつつ多彩な攻撃を打ち込むカエデだが、一瞬の油断が容易く命を刈り取る状況のプレッシャーから、ましてや糸一本すらまとっていない緊張感もあいまって、冷たい汗が裸の皮膚を伝っていく。細かく立ち位置をリングマに出していくも、決定打を打ち込める隙はまだ見つからない。

    ハラバリーのパラボラチャージによって力を高めているナンジャモも、やはりその肌に汗を走らせている。普段はコスチュームに隠れている肢体が大きく躍る。彼女のファンからすれば、人気ストリーマーが全裸で跳梁しているこの状況は垂涎ものと呼べるかもしれないが、実際には水の張られた盆を持って薄氷の上を歩くような心ともなさが空間に充満している。

    グルーシャは本来機動力には長けていないハルクジラを小刻みに動かしながら戦況を詰めていた。もちろん自身のウミディグダも小刻みに揺れていることを忘れてはならない。3人がそれぞれの頭を相手取りながら苦戦している戦線の一歩後ろで、リップは裸でブリムオンに隙を伺わせている。

    「ダメ!どうしても火力が足りない!ここで切ります!」

    カエデは大きく叫んで意図を伝えた。テラスタルを遂げたサザンドラの隙をこじ開けるにはこちらもそれなりの火力が必要であり、カエデはそれを全裸テラスタルによって確保しようと考えた。

    一瞬の硬直ののち、カエデの全裸リングマが虫テラスタルを遂げ、その火力を大きく上昇させる。

  • 63二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 16:04:45

    結果としてカエデのこの裸の一手は戦局を動かすに十分な衝撃となった。ナンジャモのハラバリーが生まれたままの姿で放った「アシッドボール」によるデバフも相まって、カエデの一撃でサザンドラは大きく態勢を崩し、強力なバリアを形成するにいたった。

    強力な防壁を築くことによる安心感

    それによってもたらされる一瞬の油断

    パルデア最高峰の達人集団である彼らにはその一瞬で十分だった。

    「「今だ!リップさん!!」」グルーシャとナンジャモがリップに叫ぶ。グルーシャにとっては久しぶりに出した大声、その声を受けた時点でリップはすでにテラスタルを完了させていた。

    「ブリムオン、サイコキネシスよ」静かに、簡潔に言い放ったリップ。凛としたその声には、確かな闘気が満ちている。

    迸る念動力はバリアを打ち破りサザンドラに致命的な打撃を与えた。

    その隙に飛び掛かる全裸の美女たち。悲鳴にならない声が響く。

    雪山の毒龍 サザンドラ

    討伐完了である。


    なお、ペパーはこのとき、ボタンの部屋で料理動画を見せてもらっていた。傍らにはいつもの3人がベッドに寝そべっておしゃべりをしている。我ながら上手くできたカップケーキを頬張りつつ、こんな日常がいつまでも続いてほしいと願うペパー青年だった。

  • 64二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 17:06:08

    飛び掛かる美女・・・飛び掛かる美女!?

  • 65二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 20:02:33

    サザンドラってアニメでも最近悪役だったよね

  • 66二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 21:05:24

    平和を噛みしめてるペパー尊いな
    ジムリーダーズもかっこいい

  • 67二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 21:06:24

    悪とドラゴンってタイプ構成がラスボス適正高すぎるんよ

  • 68二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 21:52:37

    >>65

    このボタちゃん、にっこりしてる口元が最高にかわいい

  • 69二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 02:13:06

    今は平和を謳歌してくれペパー…

  • 70二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 06:46:02

    >>69

    今は・・・ね

  • 71二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 11:22:11

    グルーシャたちも楽しみだが、平和なペパーを楽しみにきてる自分がいる

  • 72二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 17:37:26

    サザンドラを下した一行は調査を続け、フリッジタウンに到着していた。

    すでに一時避難を終えているため、街は当然無人である。ところどころ野生のポケモンの気配がするが、今までのような極端な殺気をはらんでいるわけではないようだ。

    ナンジャモが足早に街中へと歩み進んでいくのを一行は一歩後ろから見守る形となっていたが、その胸中の思いは別々であった。ナンジャモはひとけのない街を散策することが次の企画につながらないか考えながら街を歩き、カエデとリップは幽深とした雰囲気の街並みを純粋に美しいと思っていた。が、グルーシャだけは少々趣が違った。

    彼の目の前にあるのは美しい街並みと全裸の美女たち。

    本来グルーシャの性癖は至って健全なノーマルタイプだったが、ここに来て、彼は街中と屋外と全裸の美女という取り合わせが奏でる協奏曲によって、その性癖を新たなステージへと花開かせていた。

    つまり、グルーシャは、「美女の露出」に何か感じ始めていたのだった。

    これが非業の美男子ジムリーダーの性癖の扉を開くことになるか、それとも禁忌として心の深くに沈められることになるかは、まだ誰にも分からない。




    グルーシャたちが人気のないフリッジタウンを調査しているのと時を同じくして、アオイはボタンと共に自室にこもって、珍しくPCを開いていた。スマホロトムでは閲覧できないものを見るため、ボタンから借り受けたものである。

    母親の管理を離れた端末で、いったい何を見ようというのか、なぜネモとペパーはこの場にいないのか。口にするにはあまりに野暮なその答え、読者諸賢なら分かっているだろう。

    顔を真っ赤にしながら画面を食い入るように見るアオイを、ボタンは微笑みながら見守るのだった。

  • 73二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 18:32:29

    グルーシャ君開発されてて草

  • 74二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 21:21:39

    いかんな、全然書く時間ない・・・見切り発車過ぎたか
    ちょっと時間かかりそうですけど、じんわり進めますね!

  • 75二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 22:17:58

    乙ー。気長に待っとるで。

  • 76二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 03:28:51

    保守

  • 77二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 03:31:28

    この速筆具合でも書く時間ないとかあるんだなあ
    街中美女露出は性癖ダイレクトアタックすぎる

  • 78二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 08:12:18

    グルーシャ君、自分も街中露出美男子であること忘れてない?

  • 79二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 15:14:20

    無人の街を歩く全裸の美女と全裸の美男子・・・いいな

  • 80二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 20:41:26

    すいません、今日は喪失感がデカすぎて・・・プロットはあるんですが・・・

  • 81二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 22:10:30

    代わりにはならないけどfaを

  • 82二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 22:34:56

    アオイちゃん?何見てるん!?

  • 83二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 00:03:53

    分かるよ・・・今日はね・・・

  • 84二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 05:03:32

    ボタちゃんのほくそ笑み方よ

  • 85二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 08:30:01

    ボタンちゃん相当エグいの見せてそう

  • 86二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 14:01:33

    保守

  • 87二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 14:46:38

    柔らかい雪を踏みしめる音が響く。

    さくさくと無人の街に降り積もった雪を踏みながらグルーシャたちは足早に街を進んでいく。

    歩くたびにグルーシャの隣でカエデの双丘がふるりと揺れて彼の理性を揺るがしていく。リップの方からはどこか甘やかでかつ煽情的な香りが漂ってくる。

    前を歩くナンジャモの背中は、コスチュームを着た普段の彼女の印象に比べると意外なほどにほっそりとしていて、華奢なイメージを与える。

    同行者であり、同僚であり、この場においては共に戦う戦友ですらある彼女たちに対して決して劣情を抱くまいとするグルーシャの努力は、今のところ彼自身の獣性に対して辛くも勝利を収めることができているが、彼の苦難はまだまだ続くだろう。

    街はひっそりとしていて、暗色を基調としたフリッジタウンのイメージとマッチした雰囲気を醸している。時折ゴーストタイプのポケモンが顔を覗かせ裸の一行を見ていたが、別段の敵意はないようだ。

    住民はすでに避難を終えている。この街のジムリーダーであるライムが避難誘導にあたったことを考慮すると、避難に不備があったなどとは考えにくい。もちろん彼女はそのときは衣服を着用していた。

    そのため、このフリッジタウンはあくまでも中継地点である。

    グルーシャたち一行はそれぞれの相棒たちのコンディションを整え、街に長いせずにそのままナッペ山ジムの方へと向かうことにした。

    ナッペ山ジムは隣近所というわけではないが、フリッジタウンからそう離れた場所というわけでもない。この分なら昼のうちにジムに到着し、日の出ている内に山頂にたどり着くことができるだろう。

  • 88二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 14:46:54

    一行はすでにわかっている。ナッペ山に異常事態をもたらしている存在は、この先にいるということを。

    フリッジタウンを出発してほんのしばらくすると、意外なほどにあっさりとナッペ山ジムへと到着することができた。

    ここまで戦闘は一度も行っていない。

    道中にポケモンがいなかったからではなく、全裸の一行の発する威圧感が山の野生のポケモンたちを圧倒していたからである。己の本能を押さえつけるグルーシャの鬼気迫る眼光、久々に本気を出せると悦ぶカエデの闘争心、微に入り細を穿つようなナンジャモの視線、見る者を射すくめるようなリップの両目。

    当然現在のナッペ山ジムは無人になっているが、もしスタッフが残っていたら、4人の鬼気迫る全裸オーラを受けて警察を呼んでいてもおかしくはない。

    グルーシャにとっては勝手知ったるホームである。ここで少し休憩を入れて、いよいよ山頂へと登っていく手筈を共有する4人。

    日が出ている内に山頂にたどり着くことを考慮しても、ある程度余裕がある。ナッペ山ジムの屋内に入って少し休む一行。

    さすがの成人女性たち。腰を下ろす際にも足はピッタリと閉じられている。そのしぐさもまたセクシーな魅力を放っているが、グルーシャはほんの一部も表情に出さず、淡々と飲み物などでもてなしていった。

    学生たちならば、登山を終えて疲れ果て、床に顔を突っ伏して尻を突き上げて、大きく息を吐いているところだろうが、大人の女性である彼女らはあくまで、優雅な全裸であった。

    グルーシャがトイレにこもってしばらく経ったのち、晴れやかな表情で出てきた彼を先頭に、一行は再び山頂を目指して移動を始めていった。

  • 89二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 14:47:11

    本来山頂まではライドポケモンにまたがっていくものであるが、適した相棒を連れてきていなかったため、グルーシャのチルタリスの羽とリップのブリムオンの念動力によって頂上へと移動する一行。

    意外なほどに簡単に頂上の雪を踏むことができた。

    上空にはポケモンがまったくいなかった。それもそのはずである。頂上で待ち受けていたポケモンが発する威圧感は、人間であるグルーシャたちですら息が詰まるような圧力を生んでいたからである。

    ナッペ山の頂上で待ち受けていた一体のポケモン。

    清澄な水しぶきの冠を頭上に輝かせ、その巨体は対峙するものの矮小さを際立たせる。

    蒼と白の肉体には隆々とした筋肉がみえ、たなびく毛皮はまるで大海原の海面のようなたおやかな力強さを感じさせる。

    古代を統べた巨躯の水龍

    パラドックスポケモン 仮称 ウネルミナモ

    グルーシャたちにとっては初めて遭遇するパラドックスポケモンである。

    水しぶきの冠の上方、ナッペ山の寒空を熱く照らす光の球を見とめたグルーシャ。あれこそが異変の元凶「こだいかっせい」の日輪である。

    「こいつだな~!」
    「この子ですね」
    「美しいわ、楽しみね」
    「こいつが元凶・・・」

    ふつふつと血が煮えていくジムリーダーたち。

    ウネルミナモと一行、開戦である。

  • 90二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 14:47:51

    ちんこ

  • 91二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 14:50:36

    グルーシャくんまたアイススピナーを…
    まさかのウネルミナモ参戦だと!?

  • 92二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 15:05:40

    剛熱とともに襲い掛かる水龍の息吹「ハイドロスチーム」

    素早く散開した一行には直撃しなかったものの、周囲の雪を溶かし、舞い上げ、蒸発させて視界を奪っていく。

    巨躯による俯瞰の視点をもつウネルミナモにとっては多少の水煙などでは不利にはならない。視界を奪われて戸惑う小さき者たちをゆるりと踏みつぶしていけばいい。

    それは戦略として正しい。力を持つ者が力を十全に使うことは不平等ではないからだ。

    ただし、ウネルミナモが相手する、この場にいる敵は野生のポケモンではない。トレーナーの極致、ジムリーダーたちである。

    水煙を起こし悠然と歩み始めたウネルミナモの右目めがけて、視覚から飛んできたは氷の一矢「アイススピナー」。

    いくら巨躯といえども眼球を氷の矢で狙われれば、反射的に回避してしまう。機敏に首を動かして攻撃をかわしたウネルミナモの右足に、ナンジャモのハラバリーが電撃を打ち込む。

    視線誘導と回避行動まで計算に入れた、完璧な先読み行動である。回避も防御も間に合わず、強電の直撃を受けるウネルミナモ。側撃雷なみの電圧を受けたにもかかわらず、そのHPはまだまだ余裕があった。

    すでにフィールドには「にほんばれ」による陽光が降り注いでいる。その光を受けて全身をふるわせ、ウネルミナモは劫火の猛襲を行う。「かえんほうしゃ」である。当然、その威力は「にほんばれ」によって強化されているため、かなりのものとなる。

    グルーシャは致命傷を避けるため、チルタリスを繰り出しかつテラスタルさせずに炎を受けさせた。タイプ相性による半減効果を狙ったものである。

    「かえんほうしゃ」は横になぐように撃ちだされ、4人にまんべんなく襲い掛かった。

    炎を半減する手段を持っているのが、本来炎が苦手なグルーシャであるというのは何とも不思議な縁であるが、そのおかげで一行は十分に減衰した炎をしのぎ切り、瞬時に攻勢に転じることができた。カエデはリングマをテラスタルさせずに撃ち込ませていった。

  • 93二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 15:21:16

    剛力をもって勝機となす。

    リングマの裸の怪力はウネルミナモの巨体を揺るがすに十分なものだった。押し倒すまでにはいかないものの、姿勢を転換させ、反撃も防御行動もさせない有利なポジション取りに成功したのは、カエデの細やかな指示によるところが大きい。

    敵が姿勢を崩しているのを黙ってみているグルーシャではない。「れいとうビーム」を先ほどの「かえんほうしゃ」よろしく、横になぐような軌道で撃ちだし、強引な回避行動を誘発させ、さらなる姿勢崩壊を狙う。

    最初のリングマの攻撃が上手く作用し、グルーシャの目論見どおり、大きく姿勢を崩したウネルミナモ。すかさず目元に「アイススピナー」が飛ぶ。

    至近距離にいたナンジャモはハラバリーを空中に押し上げ、渾身の「ほうでん」を叩きこんでいった。姿勢を崩し、本来なら「上から下に攻撃」するはずのウネルミナモが、「下に居て上から攻撃」を受けることになり、やはり回避は間に合わなかった。

    ジムリーダーたちの連携は巨躯のパラドックスポケモンを相手に十分作用している。

    だが、そこまでしてもウネルミナモは冷静だった。その高い知能は働きを放棄していなかった。

    だからこそ、ウネルミナモはその違和感に気づいた。


    ブリムオンを出していた、あの女がいない


    ウネルミナモがリップの不在に気づいたその瞬間。上空から叩きつけられる強烈な念動力。「サイコキネシス」である。それも、敵の目を欺いて、ひそかに済ませておいたテラスタルによる強烈な一撃である。

    「ボーヤ、ここは山頂よ。山の空も、女心も目を離しちゃメーダ―ね。」

  • 94二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 15:22:49

    白熱してきたな・・・全裸なのに・・・

  • 95二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 17:46:53

    エスパー技はウネルミナモの弱点ではない。それでも意識外からの渾身の一撃は暴威の水龍を強く打ち据えた。

    紡がれるような連撃によってこじ開けられる防御、生み出される隙、叩き込まれる攻撃、再び生まれる無防備な一瞬・・・

    無間地獄のような絡め手によって古代の水龍の本能は十二分に昂らされていった。

    上空の「にほんばれ」はよりいっそう光を強めていく。ウネルミナモの「こだいかっせい」はさらに強く、隆々とした全身を巡る血液は沸き立ち、地を踏みしめる雄々しい筋肉は踊り出すように躍動する。

    「・・・サムイ」静かに呟くグルーシャ。その一言は小さな音として空気を揺らす程度だったが、聞く者には戦慄を与える。

    これはレイドバトル。レイドポケモンを追い詰めれば、当然次の一手は・・・

    天を仰いで高く咆哮するウネルミナモ。その全身を駆け巡るエネルギーは眼前へと迸りグルーシャたちの猛攻を抑え込む強固なバリアーを生み出した。

    「バズりそうなのにな・・・!」キバをみせるように笑うナンジャモ

    「あら・・・腕がなりますね・・・!」雄々しく微笑むカエデ

    「躾けてあげるわ・・・!」意力を研ぎ澄ますリップ

    グルーシャは何も言わずにチルタリスの喉を撫でる。その仕草には信頼や激励などの絆の全てをよりあつめて編み込んだような、透き通る爽やかさがあった。

    強力なバリアに挑むジムリーダーたち。意力は十分である。

  • 96二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 22:22:05

    ウネルミナモ相手だとナンジャモの立ち回りがカギだな

  • 97二次元好きの匿名さん23/03/26(日) 09:46:15

    戦闘シーンが相変わらず読み応えありまくる

  • 98二次元好きの匿名さん23/03/26(日) 09:53:32

    ナニとは言わないけど、色々とぶるんぶるん揺れてるんだろうな・・・

  • 99二次元好きの匿名さん23/03/26(日) 13:12:23

    色々な部分の靱帯が心配になるよね

  • 100二次元好きの匿名さん23/03/26(日) 14:17:39

    >>99

    パルデア最高峰の達人たちだから、その辺はどうにかできるはず。ナンジャモは全裸2回目だし。

  • 101二次元好きの匿名さん23/03/26(日) 20:07:42

    防壁とは敵の攻勢をくじくための戦いの知恵である。

    その意味では、ウネルミナモが作り出したバリアーは、グルーシャたちの猛攻をおさえ、反撃に転じるための最適解と言えた。事実、ただでさえ強靭な皮膚と筋肉に守られていたウネルミナモは、いわば鉄壁のような堅固さを持ってジムリーダーたちの前に立ちはだかることとなった。

    遠い異界の戦争で、古来から用いられてきた必殺の武器とは、万物を切り裂く無敵の剣でもなければ、命を刈り取る必殺の槍でもなく、大地にあまねく存在する無数の意思を積み上げただけの城壁であった。

    攻撃と防御について、この場でその重要性の優劣を語ることは無為である。だが、こと肉弾の戦いにおいては堅固な防御は、服を着た豪傑の命すら容易に刈り取ってきた歴史があるということは、もはや変えようもない事実である。

    そしてここに居るのは服や鎧を身に纏った古代の英傑ではなく、全裸のグルーシャたちである。彼らはいずれも時代を牽引する猛者たちであるが、全裸という不利は厳然としてグルーシャたちの喉元に殺気の刃を突き付けていた。

    そして、彼らを脅かすもう一つの要素。注意すべきは堅固な防壁だけではない。

    古来より戦を左右する重要かつシンプル要素、それは、

    「高さ」である。

    歩兵より騎兵が強いように、城壁を登る兵より上から迎え撃つ兵が有利なように、

    頭上を取るというシンプルなアドバンテージは技量や数の力をあっさりと呑み込んでしまう恐ろしさを有する。事実、古代の戦において活躍し現代まで名を残しているのは、100人を斬った歩兵でなく、軍を動かす兵でもなく、ただただ上から石を落とすだけの「投石器」であった。

    ウネルミナモはその巨躯ももって高さを自由に確保することができる。そのうえ堅固な防壁すら備えてしまえば、グルーシャたちの不利は4人という数の力では覆すことはできない。

  • 102二次元好きの匿名さん23/03/26(日) 20:08:16

    グルーシャはチルタリスをテラスタルさせた。攻撃力の確保はもちろんだが、敵の「りゅうのはどう」を警戒してのことである。無論ウネルミナモは「かえんほうしゃ」を持っているため、油断はできないが、損得を比較考量しての判断である。

    正面から打ち込むのは、やはり「アイススピナー」。目元に打ち込めばかなりの打撃を与えることができるが、バリアーがその邪魔をする。

    深く息を吸い「かえんほうしゃ」の姿勢を取るウネルミナモ。防御が整えられたことによって、攻撃の威力はさらに上がることが懸念される。それはグルーシャもおり込み済みであり、すばやくチルタリスにまたがり全裸で宙を舞って攻撃をかわす。

    ウネルミナモが、飛び上がった全裸とチルタリスを目で追った一瞬の隙をついてリップは地面に不可思議な空気感を漂わせ、フィールドを形成する。テラスタルによって威力を上げた上、さらにエスパー技の威力を跳ね上げることでバリアーを叩く算段である。

    一糸まとわぬ状態で高速飛行するチルタリスを、「かえんほうしゃ」の炎が追いかけるその刹那、リップのブリムオンは渾身のサイコキネシスを叩きこんでバリアーの耐久を削った。しかし、まだまだ威力が足りない。

    「かえんほうしゃ」では討ち取れないと判断したウネルミナモは大きく息を吸い込んで、眼前の全裸たちを睨み、咆哮をあげる。

    「・・・・つ、「おたけび」かっ」眉に力をこめて、珍しく表情を崩すグルーシャ。

    敵の「おたけび」によって攻勢をさらに削られる一行。攻撃力を落とされてはこのバリアーを突破するのは至難となってしまう。

    「負けるな、みんなー!!ドンドンいけええ!!」すかさず全裸のナンジャモが応援の檄を飛ばし、削られた攻撃力を補う。

    バリアーは確かに削られてきてはいる。だが、それでもまだまだ突破するには火力不足を否めない。

    その状況でカエデは、下を向いてふーっと息を吐き、普段の柔らかい雰囲気を捨てた殺気を放ち、冷徹な闘志を込めて敵を睨んだ。
    彼女は虚勢も弱音も語らない。その目に写るのは、眼前の強敵のみである。

  • 103二次元好きの匿名さん23/03/26(日) 20:50:08

    全裸のナンジャモって字面だけでちょっとクルものがある

  • 104二次元好きの匿名さん23/03/26(日) 22:46:00

    応援するナンジャモかわいい

  • 105二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 06:30:49

    全裸のナンジャモダンスか…

  • 106二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 15:29:41

    相変わらず布が足りないことに目を瞑ればアツい展開なんだよな…

  • 107二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 17:34:54

    カエデは敵の「かえんほうしゃ」を警戒して、あえてテラスタルをさせていなかった。
    もともと物理攻撃に長けるリングマではあったが、それでも火力不足は否めない。だからこそ、ウネルミナモの警戒の順位が低かった。

    そう、「だからこそ」である。ウネルミナモの知能はタイプ相性をしっかりと理解した上で技の選択を行っていた。それ故の戦略である。そのための立ち回りである。

    しかし・・・
    彼女はパルデア最強集団の一角、ジムリーダーである。

    ウネルミナモが自らの知能でつかみ取った「だからこそ」が、カエデの誘導によるものだったとしたら・・・与えられた「だからこそ」だったとしたら・・・

    ウネルミナモがその可能性に気づき、警戒の配分をカエデのリングマに割いたとき、カエデのリングマはその全身に眩い光を纏わせ、触覚の冠を掲げていた。

    全裸リングマ 虫テラスタルである。
    すでに懐に入った状態でのテラスタル、当然その直後の技を交わす余裕はない。渾身の「とびかかる」を叩きこみ、リングマは敵のバリアーを揺さぶる。

    ダメージは軽微なものの、意表を突かれたウネルミナモ。チルタリスに乗って高速で宙を飛び回る蒼い全裸と、念動力で移動しながらも強烈なエスパー技を叩きこんでくる紫色の全裸にも警戒が必要なこの局面で、戦略的イニシアティブを取られることの痛手を、この古代の水龍は理解していた。

    だが、

    カエデが押し開いたウネルミナモの隙は、千載一遇の好機。達人たちがこれを逃すはずもない。

    裸で雪山にやって来るような変態たちに、敗れるワケにはいかない

    ウネルミナモは意気を昂らせリップをめがけて猛突した。その刹那、彼はまたも同じミスを犯したことに気づく。その脳裏に走る一念は、至極シンプル・・・

    「あの電撃娘がいない、どこにいった?」である。

  • 108二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 17:54:54

    エスパー娘は上から狙ってきた。

    ならば、と思い咄嗟に空に目を向けるウネルミナモ。グルーシャたちの猛攻によってバリアーはすでに3分の1程度にまで削られている。

    空を睨んだウネルミナモの両目に、ナンジャモの姿は映らなかった。

    上ではない、ではどこへ?尾を振り、火を吐きつつ、周囲を探るウネルミナモ。それでもナンジャモの姿を見つけることはできなかった。

    明らかに取り乱している巨躯の水龍を前に、リップは不思議な雰囲気を纏いつつ、静かに問いかける。もちろん言葉が通じないことは分かっている。それでも、何かを言っていることは通じる。それだけの知能があるとリップは確信していた。

    「虎耳草・・・ご存知かしら?白い小さな花よ。可愛らしい花。あなたからすれば、ほんのちっぽけな花・・・」

    リップの語り口はあくまでゆっくりと、それでいてはっきりと通る声だった。グルーシャとカエデの猛襲の中でも、その声はウネルミナモの耳に届く。

    「足元に咲く小さな花も、私たちには大事なの」

    声に力がこもる

    「こんな風に自然を作り替えちゃ、ダメなのよ」

    リップの目が水龍を貫く

    「足元の小さな者にも気をつけなさい。虎耳草の別名は、

    「雪ノ下」よ。」

    刹那、ウネルミナモの真下から雪を跳ねのけて現れたナンジャモ。咄嗟に尾を振るウネルミナモだが、彼女の傍らにいたのはハラバリーではなく、ムウマージだった。「ドラゴンテール」ならまだしも、単なるしっぽの一撃などゴーストタイプには無力。

  • 109二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 18:02:33

    尾の攻撃をいなすと同時に水龍の真下から迸る電雷。

    満を持っしての電気テラスタルである。

    バリアーは半壊、敵は懐、タイプは弱点

    ムウマージが放った一撃はバリアーを粉砕し、ウネルミナモを貫く。猛攻によって大きく態勢を崩したウネルミナモ。

    そして、この期を逃すまいとするグルーシャたち。装備用ボールからマフラーを持ち出すグルーシャ。結晶化の危険を呑んでまで、マフラーを首にかけ意力高める。

    ジムリーダー グルーシャ 裸マフラーモードである。

    奇しくも、全員がテラスタルした今、ナッペ山の山頂には眩いばかりの光、全裸の光があふれている。

    だが、その光も長くは続かなかった。

    パリンと、弾けるような破壊音とともに、全身のテラスタルを解除させられたのは、

    古代の水龍 ウネルミナモだった。

    片や全員がテラスタルを保ったままの達人集団、片や力の勢いを削がれた野生の一匹。もはや勝負は決まった。ウネルミナモは一声だけ甲高い声を上げ、大穴の方へと走り去って行く。グルーシャたちにはそれを追撃するほどの余裕はなく、またそのつもりもなかった。

    パラドックスポケモンであるウネルミナモが去ったことにより、空気中に散在していたテラスタル結晶は不活性化していく。戦闘終了と同時に頭上で輝いていた「こだいかっせい」の太陽も消失した。

    激闘を終えた全裸の4人。その第一声は、

    「「「「寒い寒い寒い寒い寒い!!!!」」」」であった。

  • 110二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 19:20:51

    最新情報追っていなかったからウネルミナモを知らなくてびっくりした

  • 111二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 20:29:20

    美しい....

  • 112二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 21:28:55

    そりゃテラスタル結晶と「にほんばれ」が無くなればただの雪山だもんね、寒いよね

  • 113二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 21:36:17

    そういや脱いだ服はちゃんと持ち歩いてるのか…?
    この面子だと暖が取れそうなポケモンもチルタリスくらいだよな…?

  • 114二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 01:28:47

    なかなかの熱い展開にちょっと感動しながら読んでたら急にマフラーつけて裸マフラーモードになるグルーシャに笑ったわ

  • 115二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 06:41:08

    雪山で全裸で凍えるとか凍死不可避だぞ!

  • 116二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 09:32:55

    まるで正式にそういうバトルフォームがあるような言い方のグルーシャ・裸マフラーモード

  • 117二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 10:03:45

    戦いは終わったものの、むしろ4人は命の危機に瀕することになった。

    グルーシャはいつもの習慣でマフラーだけは道具ボックスに入れてもってきていたものの、女性陣は防寒着はおろかは下着すらない状況で雪山を登ってきてしまっていた。

    元凶を排除した途端に極寒の雪山へと様変わりするとは流石に想定外だったらしく、チルタリスの羽毛の中に飛び込む4人。

    おしくらまんじゅうのように、押し合いへし合い互いの身体を温め合う一行。必然的にグルーシャの前後左右は柔らかさと温かさでいっぱいになる。

    また、女性特有の甘い香りも相まって、戦いの熱は冷めることなく、むしろ昂っていく。
    しかし、しっとりと汗を滲ませるグルーシャの肌もまた、アスリート然とした雄々しい筋肉から放たれる逞しい熱感をもって女性陣を誘惑する。

    4人を抱えている以上、高速で飛び回ることができないため、チルタリスはいそいそと雪山を歩いて下っていく。その羽毛の中では4人の成人男女が息を荒くしてじっと耐えていた。

    ナッペ山ジムを超え、フリッジタウンのジムまでやってきたチルタリス、もといグルーシャ一行。

    着替えを置いてきた麓の山小屋まではまだしばらくかかる。このフリッジタウンジムで一晩過ごさせてもらうことになった。

    息を荒げながらも、未だ衣服を得られない以上、身を寄せ合ってベッドに入るしかない。フリッジタウンジムには、スタッフ用の宿泊施設も多少は整備されていたが、4人は一つのベッドに入り込み、温め合いながら夜を明かすことになった。

    翌日、ジムの正門から出てきた4人は未だ顔が紅く、何もなかったにもかかわらず、何かがあった事後のような雰囲気を醸していた。


    ちなみに、このとき、アカデミーの自室にいたペパーは、ジュースをこぼして服が汚れてしまったアオイとネモが、強引にボタンを連れて、彼の部屋のシャワーを浴びる音を聞きながらドキドキしていた。それでも、下半身に封じられた龍が砦を打ち破って現れることはないだろう。

  • 118二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 10:43:38

    ぶっちゃけ4人とも大人だし、色々多少はアレしてもいいと思ふ

  • 119二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 18:13:13

    全裸登山ももう終わりか・・・

  • 120二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 18:45:07

    ジムリ組が全裸登山終幕に向かいつつある中ペパーのテラバーストは…発動しなかったのか
    強くなったな(?)

  • 121二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 20:54:45

    女友達が自分の部屋のシャワー浴びてるとか、思春期には威力高すぎる・・・

  • 122二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 21:12:23

    一体次は誰が全裸に…

  • 123二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 21:20:41

    無事に麓の山小屋まで帰り着くことのできた4人。

    極寒の空気から逃げるように、いそいそと衣服を身に纏っていく女性陣を見ながら、グルーシャはほっと息をなでおろした。

    スマホロトムで取り急ぎオモダカに仔細を説明する。トップからの労いの言葉も4人の達成感の一部となっていく。

    「さ~て、それじゃ仕事も済んだし!」ナンジャモが茶目っ気のある言い方でグルーシャを見る。

    じ~っとカエデとリップも彼を見つめる。すぐに解散しようとは言い出せない雰囲気。

    「・・・わかったよ・・・サムイけど、打ち上げしよう」

    「「「そうこなくっちゃ!」」」パチっとウィンクしあう女性陣。学生たちのように明るいオーラを纏って、一同は再度、グルーシャのチルタリスに乗って大空へと躍り出る。

    ちなみに、「グルーシャのチルタリス」というのは「グルーシャの相棒のポケモンであるチルタリス」という意味であり、決して淫靡な暗喩ではないことを強調したい。

    ところ変わってカラフシティ。ジムリーダー ハイダイが誇るパルデア最大の商業都市である。その一角で4人のジムリーダーたちはリストランテの個室で食事を愉しんでいた。
    残念ながら当地の名士ハイダイは仕入れのために不在であり、引き続きグルーシャと女性陣のハーレム状態は続く。

    終始和やかに続く宴。普段は冷静なグルーシャが珍しく、くしゃりと破顔したそのシーンを女性陣は見逃さなかった。もう一回、もう一回とせがむ美女たちの声を、ポケモンたちはボールの中で微笑みながら聞いていた。

    異変は去った。だが、パルデアを守る彼らの使命に終わりはない。彼らはこれからも研鑽を続け、盾として剣として、この大地と民を守り続けるだろう。


    ちなみに、同時刻、女子たちが帰っていった後のペパーの部屋で、部屋の主は気になる女子と親友たちが自室のシャワーを使っていたという事実をもって、シャワー室にこもり、テラスタルし、テラバーストしていた。
                 
                  ナッペ山が全裸必須地帯だったら   了

  • 124二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 21:26:44

    すみません、前のシリーズと比べて、自分の中の全裸観に揺らぎが出てしまって、ポジティブな全裸がつかめなくなっていた感があります。
    手探りの中で新しい全裸を探そうとしましたが、なかなか難しいですね。もう少しうまく脱がすこともできたはずですが、全裸性の探求が足りませんでした。

    さて、とりあえず、これで脱がすべきメンツはみんな脱がしましたね。先生たちはおあずけです。あとはDLCを待つだけですが、少々長いので、その間に何かまた別のシリーズを書きたいものです。脱がない純愛を書こうかな、それとも未修のレジェンズをやって先輩を脱がそうかな・・・

  • 125二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 21:40:09



    そしてペパー、結局テラバーストしてしまったか...

  • 126二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 22:18:50


    いつも楽しく見させてもらってます
    いつもの面々とはまた違った形で新鮮でした
    別シリーズも楽しみにしてます

  • 127二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 23:30:52


    和気あいあいとした学生たちのエリアゼロ紀行も明るく弾けた良い全裸でしたが、今回はジムリーダーかつ大人だけの行程ゆえかっこよさ溢れる全裸となっており、また新しい全裸の魅力を味わうことができました
    純愛ストーリーもレジェンズ全裸もどちらもとても気になります……スレ主さんの書かれるパルデアのみんなはとても魅力的ですし、レジェンズには脱がせがいのあるキャラが沢山いるので……

  • 128二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 23:36:36


    今回もサムいのにアツくてよかったです!
    ポジティブな全裸観とはいったい…?

  • 129二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 08:52:12

    全裸観・・・・?・・・・・・???

  • 130二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 08:57:31

    投稿お疲れ様でした!
    これまでも、本編の内容を上手いこと取り込んでるなと思ってましたがまさか追加パラドックスまで汲んでいただけるとは!

  • 131二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 08:58:24

    お疲れ様でスター
    いつものメンバーとは違う全裸物語が見られて楽しかったです!
    脱がない純愛も全裸レジェンズも気になりますね…ここで脱がされる先輩はテルくんなのかショウちゃんなのか…
    そして結局ペパーはんはテラバーストのPP消費したんかーい!

  • 132二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 14:45:55

    テル先輩、剥かれるのか・・・

  • 133二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 18:16:47

    全裸ゲーチスとかないかな

  • 134二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 22:22:56

    ペパー結局抜いてて草

オススメ

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