【ルートにより閲注】CoCシナリオ「オメガバース魔女裁判」をやるよ

  • 1二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 20:51:00

    「というわけでKPのエラン・ケレスです。よろしくお願いします」

    「SKPのスレッタ・マーキュリーです。返事はハイかイエス・マムですよ」


    「イエス・マム! ……あれ、サーじゃないの? まあいいわ」

    「シナリオ名がどういうことだ???これ本当にクトゥルフか???????」

    「あのね、不躾なことをきいていいかな。『どのエラン』なの?」

    「この……HOは……っすー……よし、そんなことはない。祈りは神に届くはず。やれる。いける」

    類似の別卓(あまり話はつながっていないよ。ただの宣伝だよ!)

    【ルートにより閲注】CoCシナリオ「アスティカシアの夜明け」をやるぞ|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/img/1515484/1「というわけでKPのボブで~す、よろしくおねがいしま~~す」https://bbs.animanch.com/img/140…bbs.animanch.com
    【ルートにより閲注】CoCシナリオ「星の魔女SEED」をやりますよ|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/img/1612316/1「とっ、と、いうわけで、KPのスレッタ・マーキュリーです。よろしく、おねがいしまひゅ!」https://bbs.animan…bbs.animanch.com
    【ルートにより閲注】CoCシナリオ『祝福は愛する貴方のために』をやるよ|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/img/1503193/1「というわけでKPはグラスレー寮寮長、シャディク・ゼネリが務める」https://bbs.animanch.com/img/…bbs.animanch.com
  • 2二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 20:53:11

    エラン「このシナリオはPvPが起きる可能性がかなり高い。もちろん全員生還のハッピーエンドルートもある。大筋は普通のシティシナリオだけど、猟奇的な描写・唐突なカプ展開・もしかしたら性描写が来るよ。中世ヨーロッパ風の国が舞台だけど、クトゥルフ・ダークエイジのサプリメントは使っていない。それと、シナリオ名通り『オメガバース』をベースにした特殊設定が存在する」

    スレッタ「先に説明しておきますね!この舞台では、『α種』は優れた戦闘能力を持つが、Ωによって暴走状態(ヒート)が誘発されることがある。『Ω種』は最低一年以上魔法学校に通って『魔法』を習っているが、常に暴走状態が起きる可能性があり、男女関係なく子を産むことができる。『β種』は普通の人です。この三種を見分ける手段はほぼ存在しませんよ」


    〈キャラシート制作ルール〉

    あにまん用簡易版として、「CON&SIZ(HP)」「POW(MPとSAN値)」「INT(アイデア。謎解き用)」「職業」のみを決定します。キャラはその職業でとれる技能を「70」取得しているとします。指定されている以外の技能は基本使えません。また、特殊要素として、HOの指定に則ってバース種の決定ダイスを振ります。


    ミオリネ

    CON:dice3d6=6 3 1 (10) SIZ:dice2d6=6 4 (10) +6 POW:dice3d6=1 6 1 (8) INT:dice2d6=3 3 (6) +6 職業:dice1d10=9 (9)

    +「回避」

    +バース種決定ダイス:dice1d4=2 (2)


    グエル

    CON:dice3d6=2 5 5 (12) SIZ:dice2d6=6 4 (10) +6 POW:dice3d6=3 1 5 (9) INT:dice2d6=4 6 (10) +6 職業:dice1d10=3 (3)

    +「MA」「槍」

    +バース種決定ダイス:dice1d3=1 (1)


    シャディク

    CON:dice3d6=3 5 4 (12) SIZ:dice2d6=2 3 (5) +6 POW:dice3d6=3 5 3 (11) INT:dice2d6=6 4 (10) +6 職業:dice1d10=5 (5)

    +「MA」「こぶし」

    +バース種決定ダイス:dice1d4=3 (3)


    ラウダ

    CON:dice3d6=1 1 2 (4) SIZ:dice2d6=4 1 (5) +6 POW:dice3d6=6 6 4 (16) INT:dice2d6=3 4 (7) +6 職業:dice1d10=8 (8)

    +「組み付き」「斧」

    +バース種決定ダイス:dice1d3=2 (2)

  • 3二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 20:54:48

    待ってました!!今回も楽しみにしてます!!!

  • 4二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 20:58:45

    新作ありがとうごさいます!

  • 5二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 21:00:54

    ミオリネ(メイド)
    性:?
    HP:13 SAN値:40 アイデア:60
    CON:10 SIZ:16 POW:8 INT:12
    目星、聞き耳、応急手当、言いくるめ、回避

    グエル(侠客)
    性:?
    HP:14 SAN値:45 アイデア:80
    CON:12 SIZ:16 POW:9 INT:16 
    目星、言いくるめ、隠す、心理学MA、槍

    シャディク(吟遊詩人)
    性:?
    HP:12 SAN値:55 アイデア:80
    CON:12 SIZ:11 POW:11 INT:16 
    目星、芸術(音楽)、図書館、心理学、MA、こぶし

    ラウダ(公証人)
    性:?
    HP:7 SAN値:80 アイデア:65
    CON:4 SIZ:11 POW:16 INT:13
    応急手当、目星、信用、心理学、組み付き、斧

  • 6二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 21:02:45

    バースダイスがdice1d3の人と1d4の人がいるのは意味あるの?ただのミス?(4が出てないからミスでも問題なさそうだけど)

  • 7二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 21:04:45

    ラウダSAN値高いけど虚弱!

  • 8二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 21:05:23

    今回もグエルがとんでもないことになるのか、ダイス神の性癖が問われますね

  • 9二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 21:07:34

    楽しみにしてました!
    おかしいな、狂儲がいないことが寂しく思える

  • 10二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 21:09:59

    ミオリネさんがでっかい!

  • 11二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 21:10:39

    エラン「キャラシートはできたみたいだね。じゃあHO1のミオリネから順に自己紹介して。『秘匿HOの一行目に書かれていた役割』と、『バース種』を宣言すること。他はなにを言ってもいいよ」


    ミオリネ「ミオリネ・レンブラン。HOに書かれていた役割は『勇敢な町娘』ね。性は『α』。dice1d3=1 (1) (1:レンブラン家 2:ジェターク家 3:マーキュリー家)で行儀見習いをしてる。まあ社会勉強しろって感じなんじゃない?」

    ラウダ「ちょっとSAN値が低いこと以外は全体的にきれいにまとまっているね。回避が高ければHPも高い。敵に回したくはないね」

    グエル「探索技能、回復技能、交渉技能、戦闘のとき生存率のあがる回避……おいこれほんとにミオリネか?強すぎないか??」


    グエル「グエル・ジェターク、『心優しいパン屋』だ。性は『β』だぞ。そこそこ信用のある大店、ジェターク家の出身だが、家督はラウダに譲るつもりだ。所謂『路地裏』で、闇カジノや貧民窟の用心棒をやっている」

    ミオリネ「グエルがβってなんか変なかんじね。てっきり推奨無視してαを選択するものだと思ってた」

    シャディク「なんかさらっとラウダすごいもの背負わされかけてない?大丈夫??」


    シャディク「シャディク・ゼネリだよ。『敬虔なる占い師』、性は『α』。吟遊詩人として、まちで素敵なおとぎ話を歌って聞かせている。アイデアが高いから、聞いた歌をうたうよりは、自分でつくった歌を歌うことの方が多いのかもしれないね」

    グエル「図書館をもっているのはお前だけか。……それと、芸術(音楽)はいつつかうんだ……?なんかそういう場面があるのか??」

    ラウダ「というか戦闘技能がこぶしなんだね。槍や斧に比べるとダメージ低いし、なんかナーフされてない?」


    ラウダ「ラウダ・ニール、公証人だ。役割は『誇り高い騎士』だよ。性は『β』、兄さんとおそろいだよ!公証人としてあちこち出ているから、顔は広い。兄さんが裏社会をまとめるなら、こっちは表の社会をまとめる」

    シャディク「CONどうしたの?SIZどうしたの??なに、虚弱なの?その割にSAN値だけはぶっちぎりで高くない?心強くない??」

    ミオリネ「これは誇り高い騎士(なお戦闘能力)…… HP7ってすぐ死にそうね。頑張って」

  • 12二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 21:13:46

    >>6

    スレッタ「ミスじゃない、ですよ~!」

    エラン「あとで秘匿HOを一枚だけ公開するけれど、HOごとにちょっとずつ『推奨しているバース種』がある。それに従って、増えたり減ったりしている」


    スレッタ「舞台は『アスティカシア王国』。イメージは十五世紀ごろのヨーロッパですが、よくあるおとぎ話のファンタジックな街並みを想像してもらえばおおよそ間違っていないですよ!とはいっても、ちょっと行ける場所の名前が特殊なオープンのシティシナリオだという認識で問題ありません」

    エラン「「こういうことしてほしい!」「ここ気になる!」ということがありましたら、積極的に教えてね。こちらは裏話含め全部知っているから、どうしても不自然になるとおもうから」

    ミオリネ「何の話?」

    エラン「なんでもないよ」

    スレッタ「シナリオ名は……最初は『君よ、運命を越えて進め』という、ちょっとかっこつけたシナリオ名案が、あったんですけど……ややこしいのもいけないからですね。そのまんま『オメガバース魔女裁判』です。はじめていきますよ」

    ミオリネ「イエス・マム」

    グエル「いあいあ」

    シャディク「これクトゥルフなの??」

    ラウダ「茶番シナリオかな……」

  • 13二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 21:15:40

    シャディクも言ってたけどこのKPエランはどのエランなんだろう。画像的に5号でいいのかな?

  • 14二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 21:16:29

    ラウダ「……まって、計算ミスしてる。ラウダのHPは8だね。まあさして大きく影響はないだろうから、こちらで数値をなおすだけにしておくね……?」


     東の海から太陽が昇ってくる。

     朝焼けに染められた赤を、群青が塗り替えていく。太陽の光は街を明るく照らして、気温を上昇させる。徐々に人々が起きてきて、会話が産まれる。がやがやと騒がしくなるのに引きずられて、意識が浮上する。探索者たちはそれぞれ落ち合って、穏やかな時間を過ごすだろう。


    エラン「というわけで自由行動だよ。処理が大変だから二人以上で行動してね。行ける場所は『1:港』『2:市場』『3:森』『4:図書館』『5:中央広場』。あ、もう処理は進んでいるから、そのつもりで」

    ミオリネ「まだ何もはじまってないけど」

    スレッタ「身も蓋もない言い方をすればデートイベントですよ。割と最後の平和タイムです。謳歌しましょう。……あっ、全員秘匿というのも面白くないので、しばらく時間が経って、ひと段落ついたら、PCのHOをひとつ開示しますから、ね~……♪」

    グエル「誰と話している、スレッタ・マーキュリー……誰と、どう行動するか、か。おそらくどこかにいって行動が終わったら強制イベント、という感じだろう」

    シャディク「まあそこまで重要じゃないだろうし、適当に決めたら?」

    ラウダ「うーん、それじゃあ……」

    dice1d2=1 (1)

    1:ラウダ「dice1d3=3 (3) とdice1d5=1 (1) に向かうから、残り二人でdice1d5=3 (3) に向かって」

    2:ラウダ「全員でdice1d5=5 (5) に向かおうか」

  • 15二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 21:17:24

    職業とは別の役割はどう影響してくるのかな?
    ラウダ戦闘になったらすぐ死にそうで心配…

  • 16二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 21:20:27

    わー!新作待ってました!色ボケシナリオでしたっけ?楽しみです!

  • 17二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 21:30:04

    「ミオリネじゃないか。おはよう」

    「おはようグエル。こんなところで、珍しい」

    「ああ。今日は、少し」

     屋敷に飾る花を摘むために来た森の道で、ふと見知った顔を見た。ミオリネは片手をあげて挨拶する。グエルはこくりと頷いた。

     __二人は、元婚約者同士である。

     元、とつくのには、様々な事情があるが、一番大きな理由は政治的な力が働いたことがある。とはいっても感情面での問題ではなかったがために、未だに二人はそこそこ、仲がよかった。

    「スレッタ・マーキュリーとはうまくいっているのか?」

    「ええ。おかげさまで。あんたこそどうなの」

    「……ラウダにすべてを押し付けたことに、責任を感じていない、わけではない。だが俺は俺にできることをしたい」

    「そう。すてきな考えね。あ、ここ。この傍の花畑にね、きれいな花が咲いているの」

     何てことのない話をしながら、二人はでこぼこした道を歩く。しばらく晴れが続いているからか、森全体がきらきらと輝いているように見える。グエルは「奇遇だな、俺もここの花が目当てなんだ」と言った。

    「へえ。意外。あんた花とか愛でるたちなんだ」

    「どういう意味だ」

     グエルはむっとしたような表情になる。二人は花畑にかがみこんで、それぞれもってきた木のかごに、植物をつんでいれた。ふっと顔を上げれば、爽やかな森のにおいに混じって、かすかにベリーの香りがする。

    「季節だったかしら」

    「何がだ?」

    「そろそろ果物がおいしい季節だと思って。ジャムにしようっと。おすそわけするわよ」

    「本当か。ありがたい」

     ミオリネが笑いかければ、グエルも顔を綻ばせた。

    ミオリネ??:dice1d100=10 (10) (10)

    グエル??:dice1d100=84 (84) (??)

  • 18二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 21:30:22

    ミオリネ??:dice1d5=4 (4)

  • 19二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 21:39:03

    「グエルも一緒にベリー摘みに行く?」

    「ああ、ここには使えそうなものが……ミオリネ?」

     はっと、気づく。

     ミオリネはいつの間にか、グエルの手をぎゅっと握っていた。それはもう、渾身の力で。ギリギリと、多少痛むのではないかというほどの力で。無意識だった。何故だろう? 今までこんなことなかったはずなのに。首を傾げながら、慎重に指先から力を抜く。それからゆっくりと立ち上がった。

    「なんでもないわ。行きましょうか」

    「ああ」

     グエルも立ち上がる。そうして二人が小川を辿り、森の奥へと進もうとしたとき、

     __にわかに、森の外が騒がしくなりはじめたことに気づいた。


    「~~~……♪」

    「おはよう。精が出るね」

    「あ、ラウダ。おはよう」

     この国は島なので、港がある。大きな船がたくさんある。とはいっても、大半は近くで釣りをするだけで、国の外にまで向かうのは、大抵が王宮や教会でも有数の権力者だ。そのため小市民である二人には、さして関係がない。それでもここに来るのは、ひとえにここの景色が、あまりに美しいからだ。

    「ここの歌を、うたいたくて」

     シャディクはリュートを片手に、そうつぶやく。ラウダは「ふうん」と言って、屈みこんだ。

    「例の件。ありがとう」

    「……ああ」

     ちらり、と一瞬だけ目配せをして、二人は再び沖を見やる。水平線が遠い。どちらかといえば閉塞的であるはずのこの島が開放的に感じるのは、ひとえにこの海のおかげ、だった。

    シャディク目星:dice1d100=15 (15) (70)

    ラウダ目星:dice1d100=18 (18) (70)

  • 20二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 21:43:47

    シャディクとラウダ、不穏

  • 21二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 21:48:42

    「……あれ」
     ラウダはふっと目を見開いた。島の南端の崖に、何か大きな、洞窟のようなものが見える。今まで気づかなかった。
    「シャディク、あれ……」
    「空洞、かな? まじまじと見たことなかったから、今気づいたよ」
    「じゃあ今度の新作は、洞穴を冒険する勇者のお話かな?」
    「……じゃあ、そうしよう。ふふ、楽しみにしててね?」
     シャディクが悪戯に微笑む。ラウダがこくりと頷いて、再び海の方に顔を向けた。今日も世界は、穏やかに輝いている。青い空、白い雲、朝の風、潮のにおい。そして賑やかな__
     騒がしさ?
     ふと二人は、大通りがにわかに騒がしくなり始めたことに気づいた。いつもの心地よい賑やかさではない。罵声や混乱、怒号である。耳に、障る。
    「シャディク、これ……」
    「……」
     シャディクはリュートをもったまま、立ち上がり、駆け出す。ラウダもすぐにそれに続いた。大通りは何やら異様な雰囲気に包まれている。ふと、森の方から、ミオリネとグエルも歩いてくることに気づいた。
    「あ、シャディク! ラウダも……ねえ、何かあるの? 知ってる?」
    「ミオリネ……」
     シャディクが何事か返そうとしたところで、ふと、グエルが屈みこむ。「これは……」誰かが撒いている、どうやら紙、らしい。手に取ってみればすぐに、書かれた文字が目に飛び込んでくる。
    『教会に所属する人間がΩ種の操る非道なる魔法に操られ、惨殺された』
    『Ω種は愛されてはいけない存在だ』
    『残虐なる本性を持ったΩ種に、魔女に、裁きを。鉄槌を』
    『魔女を、根絶やしにする!』

  • 22二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 21:56:21

    ミオリネ「あったまってきたわね」
    グエル「はじまったな」
    シャディク「ここから本番、って感じだね」
    ラウダ「……紙っていうのは?」
    エラン「よく見ればそれは、教会が発行している新聞だとわかる。大々的に頒布されているわけではないが、貴族の邸宅や酒場なんかにはまずある。四人とも見覚えがあるものだろう」
    スレッタ「そうですね。群衆は好き勝手、憶測で騒ぎだしますよ」

    「魔女って、Ωのことか?」
    「確かに、あいつらってよくわからない術を使うよな……」
    「中央広場で裁判があるらしいぞ!すぐに行かなきゃ!!」
     ざわめきが波のように広がる。穏やかだったはずの街の人は、熱に浮かされたように走り出す。ミオリネが持っていた花籠が落ちて、誰かに踏み潰された。しかしそれを拾いに行く暇もない。ほとんど流されるようにして、四人も中央広場にまで辿りつく。
     いつの間に組み立てられたのか、大きなステージの上に裁判台のようなものがあった。
     この国には裁判所はない。何か事件があれば、こうして中央広場で民衆裁判が行われるようになっている。普段はしない、頭の痛くなるような、独特のにおいが立ち込めている。
    「火の水のにおいだわ」
    「火の水?」
     ミオリネがぽつりとつぶやいた。「ええ、富裕層が冬に使う、何故か燃える液体、ええと、魔法薬なんだけど……」と。静かな声は、ざわめきによってかき消された。
    「教会の……経験な儲が、Ωに誘惑されて殺し合いの喧嘩にまで発展したらしい」
    「Ωは気まぐれに人を攫って喰らうらしいぞ。たまに聞く行方不明事件もあいつらの仕業で、殺された人間は魔法の材料にされるんだとか」
    「そんなの人間じゃねえ!魔女だ!!」
    しばらくもしないうちに、広場には多くの人が集まってきていた。群衆のざわめきが、耳を包み込む。憶測は恐怖を呼び、恐怖は狂気を呼ぶ。街の様子は、いつになく、異様であった。

  • 23二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 22:02:23

    「来たぞ!」「魔女だ!」「悪魔だ!」そんな声がして、人々が指さす方向を見れば、衛兵に連れられて、おそらくΩなのであろう少女が姿を現した。
     彼女の首には太い縄が巻かれ、手は後ろ手に縛られている。脚には鎖、鎖には重りまで取り付けられていて、歩くたびに重たい鉄の音と、ざりざりとした土の音がする。広場の中央に置かれた木の檻に少女が入ると、ステージの上に煌びやかな衣装を身に纏った男が現れた。彼は何やら、長い筒、杖のようなものを持っている。金色の髪に緑色のひとみをした美しい顔立ちの青年は、明らかに弁護人ではない。
     ……では、彼女の弁護人はどこだ?
    「罪人、魔女。君は悪魔と契約して、魔の業にて罪を犯した」
     青年が喋り出すと、騒がしかった広場が水を打ったように静まり返る。
     穏やかな日差しに抜ける青空。
     そんなうららかさとは無縁の重い言葉が、彼の口から発せられる。
    「被害者は善良な市民であった。魔女は悍ましい魔法で彼等を仲たがいさせ、ついには死者まで出した。あまりにも非道。あまりにも残虐。よってこの魔女を神の審判に委ねる」
     そうしてそっと、青年は杖を少女に向ける。
    「君が嘘を言えば、その身は燃えて尽きるだろう。魔を使う者は苦しみぬく。罪を認めるならば、少しは穏やかに逝けるだろう」
     青年が告げる。少女は震えながら、「違う! 私、そんなつもりじゃ……!」と叫んだ。しかしその抗議の言葉は、すぐに悲鳴に変わる。
     彼女の身体が、炎に包まれた。
     あかい、あかい、魔女を焼く、浄化の炎に。

  • 24二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 22:03:46

     青年の持った杖から火が噴出したのである。

     それこそまるで、魔法のように。

    「これが神の奇跡だよ。……つまるところ、彼女は魔女だった。残虐な魔女だったんだ」

     青年はすっと、十字を切る。ごうごう燃え盛る炎から、悲鳴が響き渡る。目の前で人間が、ひとが燃えている。群衆もパニックになり、叫び出す。最初はただ目の前で人が燃えたことへの恐怖。しかしそれは徐々に質を変えていく。

    「人殺し!死んで当然だ!」

    「神が裁いた!悪魔に生きている価値はない!」

    「Ωに鉄槌を!魔女に裁きを!」

    「死体は見せしめにしろ!焼いて十字架に磔にしろ!」

    「「「「魔女は殺せ!危険な奴らを殺せ!殺せ!」」」」

     熱に浮かされたように叫ぶ民衆。どこかで悲鳴があがる。誰かが広場に引きずり出される。見覚えがある。彼等は確か、この辺りではそこそこ名の知れた『魔法使い』__Ωであった。引きずられた二人が殴られる。青年は微笑みながら、筒を向ける。パニックが形を成していく。やがてあたり一面に、炎が広がりだした。人間の肉が、燃えるにおい。音。怒号。負の感情が、広がっていく。「悪魔が罪のない人を襲った!魔女は殺せ!殺せ!!」群衆の思いが、魔女を共通の『敵』にする。そして、その中で、やけに平然としている、ステージ上の少年が、微笑みながら杖を向け__すべてが、あまりに狂気じみていた。

    ミオリネSANc:dice1d100=99 (99) (40) dice1d3=3 (3) /dice1d8=6 (6)

    グエルSANc:dice1d100=42 (42) (45) dice1d3=3 (3) /dice1d8=1 (1)

    シャディクSANc:dice1d100=45 (45) (55) dice1d3=3 (3) /dice1d8=5 (5)

    ラウダSANc:dice1d100=35 (35) (80) dice1d3=1 (1) /dice1d8=6 (6)

  • 25二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 22:05:09

    このレスは削除されています

  • 26二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 22:06:55

    ミオリネSAN値:40→34

    ミオリネアイデア:dice1d10=5 (5) (60)

    成功の場合ミオリネ一時的狂気:dice1d10=1 (1)

    グエルSAN値:45→42

    シャディクSAN値:55→52

    ラウダSAN値:80→79


    ミオリネ「あったまってきたわね(物理)」

    グエル「何だ?さっきまでほのぼのしてたのに突然……怖……」

    シャディク「火刑じゃん」

    ラウダ「魔女裁判ってほんとに魔女裁判なの?これ茶番シナリオじゃないの??」

    スレッタ「えへへ」

    エラン「茶番シナリオだなんて、一言も言ってないよ」

  • 27二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 22:09:23

    ここから入れる色ボケ展開があるんですか!?

  • 28二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 22:12:42

    そんな…色ボケ展開が生命保険みたいに…

  • 29二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 22:12:58

    ミオリネさんのダイスが荒ぶり続けている…

  • 30二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 22:14:00

    ミオリネ「このダイスクリティカルかファンブルしか出ないの??」

    グエル「面白いな。今のところ唯一のほのぼの要素だ」

    シャディク「気絶あるいは金切り声の発作。どうするの?」

    ラウダ「とりあえず金切り声にしておけば?今の状況だと気絶したら暴動を起こした民衆に殺されそう」

    ミオリネ「……ええ、そうしておく」


     ミオリネが、悲鳴を上げる。

     燃え盛る音に混じって、『火の水』のにおいに混じって、肉が焦げる、音がする。におい。ばちばち。じゅうじゅう。ミオリネは頭を抱える。叫ぶ。叫ぶ。叫ぶ。

    「ミオリネ、だいじょ、」

    「あ、あ、ああああああああッ!」

     話しかけようとしたシャディクの手を振り払い、ミオリネは目を見開いて、叫んだ。肺の奥の空気をすべて出すのではないかというほどだ。狂乱に、狂騒に包まれた民衆が、あちこちで『浄化』をはじめる。グエルはあちこち見渡して、「ここにいたらまずい、いったん避難するぞ!」と叫ぶ。ラウダはすぐに頷いた。ミオリネはそれどころではないらしい、シャディクがついているが、回復するにはもう少しかかりそうである。

     と、__そこで。

     誰かが、走り寄ってくる。赤い髪の少女だ。彼女は探索者たちのところにまで辿りつくと、目を見開いた。

    「……まにあわなかった」

    ミオリネとシャディクの行動:その場から動けないので少女に話しかける

    グエルとラウダの行動:dice1d2=1 (1)

    1:さっさとすぐに逃げる

    2:少女に話しかける

  • 31二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 22:21:33

    エラン「グエルさんとラウダさんは逃げる、だね。じゃあ先に二人の処理だけするよ」

    グエル「あんなところにいたらさらにSAN値が減りそうだからな」

    ラウダ「兄さんについていくよ」

    エラン「うん。そうだね、では二人はようやく静かな場所……じゃあ、家の前としておくか。家の前まで、辿りつく」


    「……なんだったんだ、あれは」

    「わ、……わからない」

     未だに心臓がうるさい。とりあえずここまでくれば安全だろうが、……と思ったところで、グエルはあたりを見回す。ミオリネがいない。シャディクもだ。まさか逃げ遅れたのか? グエルの顔が、さっと青くなる。

    「た、助けに……いかないと」

    「どうして?今戻ったら危ないよ」

    「いやそれは、そうだが……」

    「……もちろん、β種であるこちらに、魔女狩りの手が及ぶことはない。だけどそれとこれとは違うんだ、早く、……とにかく、今日は眠ろう」

     グエルはしばらく考えたあと、こくりと頷いた。

     いつの間にか、空にはぽっかりと青白い月が浮かんでいた。

    寝る場所はdice1d2=1 (1)

    1:同じ 2:別々

    ????:dice1d100=79 (79) (??)

  • 32二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 22:27:00

    スレッタ「じゃあ次はミオリネさんとシャディクさんの処理をします、よ~!」

    ミオリネ「ぶっちゃけ赤い髪の少女ってスレッタでしょ」

    シャディク「あはは、まあ、水星ちゃんだろうね……?でも何しに来たんだろう……」

    スレッタ「そうですね。じゃあシャディクさんが話しかけようとすると、少女はきっと、ステージの上を睨み、よく通る声で喋りはじめます」


    「エランさん、どうしてこんなことをするんですか!?」

    「魔女は殺さなければならない存在だからだよ、スレッタ・マーキュリー。君も僕たちの同胞ならわかるでしょ?早く帰ってくるといい。今ならきっと、許してくれる」

    「わかりません。こんなことをする方が間違っている。魔女は愛されるべき存在なんです」

    「……」

    「王宮は魔女を守ります! Ωの方は魔法学校に避難してください! 場所は、わかりますね!?」

     魔法学校の場所は、一般市民には教えられていない。Ωだと国に把握されている人間にだけ、特別に招待状が送られてくるのだ。「俺達を見殺しにするのか!?」「王宮も魔女の手先だ、敵だったんだ!」「本当にそうなのか?王宮が正しくて、教会が間違っているんじゃないか?」「どっちでもいい!悪魔は殺せ!殺せ!!」未だ生き残っていた『魔女』たちが、その合間を縫って走り出す。

     エランと呼ばれた少年は、じっと、スレッタと呼ばれた少女を見つめた。

    「残念だよ」

     彼が、天使のような微笑みを携えたままそういうと同時に。

     スレッタの全身から力が抜けて、頽れた。

    「……スレッタ!」

     ようやく我に返ったらしい、ミオリネがそのからだを抱きかかえた。四肢が、灼けるように熱い。何か赤い、線のようなものが浮かんでいる。目を見開く。

    「スレッタを家に連れて行く」

    「え、でも……」

    「文句あるの!?」

    「……ミオリネがそうしたいなら、いいんじゃない?」

     広場を、未だ喧噪が包んでいた。

    シャディクはdice1d2=1 (1)

    1:ミオリネについていく

    2:自分の家に帰る

  • 33二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 22:30:08

    新作嬉しい めちゃめちゃ楽しみにしてました

  • 34二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 22:30:47

    エラン「これで『一日目』は終了だよ」

    ミオリネ「なんというか、色ボケ茶番シナリオのはずでは?」

    グエル「どうしよう。いや……えっと、どうしたらいいんだ?」

    シャディク「とりあえず、明日以降は……水星ちゃんに聞き込みをしつつ、調査、じゃない?」

    ラウダ「そうだね。……スレッタ・マーキュリーは、色々と知っていそうだから」

    スレッタ「……さて、ひと段落ついたので、ここでHOを一枚公開しますよ~!」


    dice1d4=3 (3)

    1:HO1「ミオリネ・レンブラン」

    あなたは『勇敢な町娘』である。

    2:HO2「グエル・ジェターク」

    あなたは『心優しいパン屋』である。

    3:HO3「シャディク・ゼネリ」

    あなたは『敬虔なる占い師』である。

    4:HO4「ラウダ・ニール」

    あなたは『誇り高い騎士』である。

  • 35二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 22:36:38

    わーい新作だー!
    このHOの役割、人狼っぽい?

  • 36二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 22:37:09

    HO3「シャディク・ゼネリ」
    何があっても迷わない。貴方は『敬虔なる占い師』である。
    貴方は教会で育てられた孤児であり、HO1「ミオリネ」とは旧知の仲だ。戦闘能力に優れたα種であったがためか、自ら望んでか、普段は吟遊詩人として過ごしながら、裏では教会が擁立する特殊軍『ドミニコス』にて、悪しきΩ__魔女を根絶やしにする『魔女狩り計画』を遂行するため、訓練を積んでいる。最近はHO4「ラウダ」と接触して、助力を頼んだ。彼は快く了承してくれた。
    そうしてついに時は来た。熱心な貴方のために、教会は対象が魔女かどうかを暴く薬と、巨大な十字架を提供してくれた。貴方は戦う。魔女を殺せば世界が平和になると信じて。何も知らない無垢なミオリネの、平和な日常を守るために。
    貴方の目的は『魔女狩りを完遂させること』である。
    反抑制剤:ラズベリーのような香りがする液体。摂取した人間がΩ種だった場合即座にヒートトークンを10獲得する他、暫くの間自分自身や自分と関係する人を危険に晒すこと以外ならなんでもするようになる。貴方はこれを現在「1つ」持っている。
    ミカエリス:使用するには『ライフル』を使う。貴方は『ライフル』を60持っている。ダメージは2d6であり、初見であれば相手は回避ができないだろう。
    バース種決定ダイス:1d4を振って「出目の結果に関わらずαHO」を追加で取得する。
    【‪α‬HO】
    ‪α‬は戦闘能力に優れた性である。首の後ろや手首などの急所になり得る部分に無色透明な鱗を持つほか、体内で特殊な毒を生み出すことができる。この毒は微量であればさして人体に影響はないが、Ωが頸動脈から流し込まれると、噛んだα‬以外の子は産めなくなるとされる。ただし、Ωによって、暴走状態が誘発されることがある。
    貴方は以下を持つ。
    ◎毒:攻撃された相手は1d3ターンの間、1ターン経過ごとに1ダメージを受ける。また、Ωの頸動脈からこれを流し込んだ場合、相手のΩと貴方は番状態になる。
    〇鱗:装甲+1、気絶ロール自動成功。
    ×ヒート誘発:貴方はΩと行動を共にするとヒートトークンを1つ、ヒート状態のΩと行動を共にするとヒートトークンを5つ得る。ヒートトークンの数に応じて様々なオメガバースあるあるなデメリットが起こる。ヒートトークンが5つたまるとヒート状態になる。どうなるかはなってからのお楽しみですよ。

  • 37二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 22:42:30

    ミオリネ・グエル・スレッタVSシャディク・ラウダ・エランになり得るって事かな?

  • 38二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 22:43:09

    うーん本編でも魔女狩り側でしたからねえ…
    でもミオリネはどうかな?

  • 39二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 22:51:01

    スレッタ「おはようございます。朝ですよ」

    エラン「行動はどうする? 昨日の場所に加えて、さらに【犠牲者の家】に行けるようになったよ。それと、君たちのHOに書いてある場所にも、追加で行けるようになってる」

    シャディク「へえ。……水星ちゃん、俺とラウダの場合は【教会】ってこと?」

    スレッタ「はい。そうなりますよ」

    ミオリネ「というか、なんか既に分断されてるわね。どうする?いったん集合する?」

    グエル「スレッタへの事情聴取はミオリネとシャディクに任せて、俺達は探索をする……という手も、ないわけではない、が」

    ラウダ「そうだね。その場合、あの、もし戦闘になったら、下手しなくても死にそうだから、兄さんと一緒に行動したいな……」

    グエル「ああ。もちろん構わないぞ。行ける場所は、【1:図書館】【2:中央広場】【3:市場】【4:犠牲者の家】【5:森】……って、感じか?どうしようか……」

    ミオリネ「こっちに合流してもいいのよ」

    シャディク「そうだね。ラウダ、どうする?」

    ラウダ「……兄さんについてく」

    グエル「選択権を委ねるなよ。……わかった、それじゃあ」

    dice1d3=2 (2)

    1:グエル「ミオリネのところに集合して、スレッタに話を聞くぞ」

    2:グエル「そうだな。dice1d5=3 (3) を探索してくる。事情聴取は任せた」

    3:ラウダ(兄さんを【教会】につれていくよ)

  • 40二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 23:10:32

    エラン「先に君たちの方の処理をするよ」

    グエル「ああ。市場には人が多いだろうし、何か調達できるかもしれない」

    ラウダ「そうだね。事情聴取ができそうなひとがいたらいいけど……」

    エラン「……そうだね、じゃあそんな君たちの言葉にこたえるように、見知った顔を見つける」


    「グエル先輩、ラウダ先輩!」

     聞こえてきたのは、ペトラの声だ。彼女はこわばった表情で、そばにいたフェルシーをぎゅっと抱きしめる。フェルシーはガチガチと歯を震わせ、浅い呼吸を繰り返している。両目からはぼろぼろ涙をこぼしていて、みるからに様子がおかしい。彼女はグエルの姿を見ると、はっと目を見開いて、歪に笑った。

    「ぐ、ぐ、ぐえる、せんぱ。い。まえ、パン、おいしかった、です。ありがとうございます、パパのかぜ、なおって……」

    「フェルシー、無理して喋らないで!……え、えと、ごめんなさい。フェルシー、今、その、フェルシーが……」

    「落ち着け。どうしたんだ」

    「う、ひっく、……ふえ……」

    「うあ、うわああああん……」

    「な、なかないで、ペトラ。フェルシーも……」

     昨日あんなことがあったのだ。きっと混乱しているのだろう。そう結論付けて、グエルはフェルシーの背を撫でた。

    「大丈夫だ。ゆっくり息を吸え、そして、吐いて」

    「ひゅ、ひゅ、ふ……う、うう、」

    「本当に、なにがあったの……?」

    「ご、ごめんなさい、とりみ、とりみだしちゃって」

     どうやら二人は相当混乱しているようだ。このままではまともに話を聞けそうにない。グエルとラウダは顔を見合わせて、少しだけ眉間に皺を寄せた。

    dice1d2=1 (1)

    1:グエル「……二人を落ち着かせるぞ」グエル????:dice1d100=89 (89) (??)

    2:ラウダ「とりあえず、おうちまで送ってあげようよ。探索はそれからだ」

  • 41二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 23:20:50

    「フェルシー、ペトラ。ゆっくりでいい。思い出したくないことは、話さなくてもいい。落ち着いて、深呼吸をするんだ。ゆっくり……」

    「は、ひゅ、す、うう……」

    「……ひっく……」

     グエルが穏やかな声で話しかければ、二人はどうやら落ち着いたようである。ラウダは近くの店でサンドイッチを買ってきて、二人に手渡した。「ありがとうございます……」と震える声で受け取って、それぞれ食べ始める。野菜とハムと卵と、のシンプルなものだが、ペトラの顔が、少しだけ明るくなった。フェルシーはまだ震えている様子だが、それでも多少は落ち着いたようだ。

    「……わ、私、たち。あのよくわからない裁判もどきのあとも、あそこに、いたんですけど……く、くろいばけものが……」

    「フェルシー、私が話すから、サンドイッチ食べてていいよ。……黒い化け物が、死体を、もっていったんです。変な鳴き声、いってて……こわかった……」

     ペトラが再びぼろぼろと涙をこぼしはじめる。グエルはその頭を撫でて、「怖かったな。よく無事だった」と微笑みかけた。

    「とりあえず、二人はもう帰るといい。怖い思いをしたんでしょう。そうしてゆっくり寝て、全部忘れよう。なあ、兄さんもそう思うだろ」

    「ああ。……もし眠れなかったら、うちに来るといい。少しは力になれるかもしれない」

     グエルがぽんと二人の肩を叩いた。二人はまいごになった子どものような顔で、こくりと頷いた。


    エラン「市場で得られる情報はこれだけだよ」

    グエル「少ないな」

    ラウダ「今から走れば、事情徴収にも間に合いそうだね。ただし他の場所をあまり長い間探索する時間もない、だろう」

    エラン「うん。どうする?」

    グエル「次はラウダが決めていいぞ。どうする?」

    dice1d2=2 (2)

    1:ラウダ「……じゃあ、ミオリネ達のところに行こうか」

    2:ラウダ「dice1d4=1 (1) に向かおう」

    ラウダ幸運:dice1d100=81 (81) (80)

  • 42二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 23:31:54

    ラウダ「図書館に向かおう。なにか調べられることがあるかも」

    グエル「俺達図書館技能もってないけど大丈夫か?」

    エラン「……そうだね。じゃあ君たちが話していると、誰かが話しかけてくる」


    「お兄ちゃんたち、昨日の魔女裁判騒動は知ってる?」

     不意に、呼び止められた。

     ラウダがそちらを向くと、そこにいたのは、どうやら何かを売っている、店、らしい。桃色の髪の少女が一人、足を組んでこちらを見てくる。とはいっても、ほぼ路地裏に近い場所に襤褸布を敷いて、商品らしきものを並べているだけだ。

     グエルはじっと、その顔を見る。見知らぬ顔だ。しかし堅気にも見えない。つまりは『場所代』も払っていない、ということだろう。誰か寄越した方がいいか、なんて考えていると、少女は二人の顔をまじまじと見て、ニイと口角をあげた。

    「お二人さん、ラッキーだね! 今ならこの『教会印のラズベリージャム』を、なんと半額で買えちゃう! 一口食べればありがた~い神の力で浄化されて、もし魔女だろうがなんだろうが助かるっていう、それはもうすごいアイテムだよ!」

    「そう。じゃあ先を急いでるから」

    「はい、まいどあり!」

     少女は戸惑った表情をしたままのグエルに、ジャムの瓶を押し付けた。それから半ば奪い取るようにして財布を取り、そこから数枚硬貨を取り出して、ぽいと投げ返した。

    「じゃ、またね~!」

    「……兄さん、ちゃんと断るときは断らなきゃ」

    「あ、ああ、……すまない」

     グエルはじっと、瓶を見つめていた。


    エラン「おめでとう。グエルは『教会印のラズベリージャム』を手に入れた」

    ラウダ「押し売りじゃないか」

    グエル「効果は?」

    エラン「食べてみればわかるんじゃない?」

    ラウダ「絶対怪しいよ。……ただ効果がないだけ、とかだったら、いいけど……」

    グエル「……うーん……dice1d3=3 (3) (1:食べてみるか 2:とりあえず取っておくか 3:調べてみるぞ(グエル??:dice1d100=64 (64) (??))」

    ラウダ「そっか。……それで、ミオリネとシャディクは今どんな感じ?」

    エラン「そうだね、彼等は……」

  • 43二次元好きの匿名さん23/03/20(月) 23:36:17

    ラズベリージャムてまさか…

  • 44二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 00:37:15

    ジェタークは孕みやすいのにどちらもβか

  • 45二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 06:34:22

     はっと、スレッタは目を覚ます。

     全身が痛い。主に腕。視線だけで確認しようとすれば、あたたかな布団がかけられていることに気づいた。ここは、あとあたりを見渡す。椅子に腰かけて眠っているのはミオリネだ。ぱちぱちと瞬きをしていると、こん、こん、とノックが響く。ミオリネが、未だぼんやりとした顔で半分だけ目を開けた。

    「水星ちゃん、ミオリネ、起きた?朝食の準備ができたって」

    「シャディク?」

    「必要なら運ぶけど、どうする?」

    「まって、わたし、いくから……」

     ミオリネがゆっくりと伸びをした。それからスレッタがぱちぱちと瞬きをしているのを見て、安心させるようにふんわりと微笑む。

    「おはようスレッタ」

    「お、はよう、ございます……」

    「昨日、スレッタ、あのあと倒れちゃったから……うちに運んだけど、よかった?」

    「ありがとうございます」

     スレッタが頭を下げる。ミオリネはそれを横目で見た後、キイと客間の扉を開けた。

     そこには案の定、微笑んだままのシャディクが立っている。ミオリネは顔を合わせると、「なんで笑ってんの」となんともいえない顔をしてみせた。シャディクは表情を変えないまま、「ミオリネ、おはよう」と言う。

    「朝の紅茶は何にする?ベリーのフレーバーティーがあったけれど」

    「言ってる場合?こんなことが起きて……」

    「こんな時だからこそだよ。いったん、落ち着こう」

     シャディクは後ろ手に、ラズベリーの香りのする瓶を持っていた。


    ミオリネ「さあ、尋問タイムね」

    シャディク「そうだね。……水星ちゃん、俺はdice1d3=2 (2) (1:ミオリネに反抑制剤を飲ませるよ 2:水星ちゃんに反抑制剤をのませるよ 3:いや、やめておこうかな)」

    スレッタ「それなら芸術(音楽)で成功すればミオリネさんの気を逸らして気づかれることなくいれることができますよ」

    ミオリネ「……何してるの?」

    シャディク「あはは。なんでもない」芸術(音楽):dice1d100=50 (50) (70)

    ミオリネ「まあいいや。それで、何をきこうかしら……」

    dice1d4=4 (4)

    1:ミオリネ「魔女狩りって何?」シャディク心理学:dice1d100=46 (46) (70)

    2:シャディク「その腕は?」

    3:シャディク「君の目的は何なのかな?」

    4:ミオリネ「……とりあえずスレッタの様子を見る」ミオリネ目星:dice1d100=41 (41) (70)

  • 46二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 06:49:10

    「~~~……♪」

    「え何突然」

    「こんな時だからこそだよ。歌おう、ミオリネ」

    「……」

    「少しは気晴らしになるよ」

    「わ、わかった」

     シャディクにあわせて、ミオリネもちいさく歌いだす。咄嗟に旋律をあわせれば、ミオリネは顔を綻ばせた。リュートこそないが、この程度は手慣れたものだ。歌詞も何もあったものではないが、ミオリネと楽しく歌うことができれば、シャディクはそれでいいのだ。

     __シャディクは歌いながら、ミオリネに気づかれないように、瓶の中身をスレッタの紅茶に混ぜた。

     香りの強い茶葉だから、気づかれることもないだろう。そこにパンとサラダ、卵を焼いたものを添えて、プレートにのせる。

     部屋に戻れば、スレッタはぼんやりと外を見ていた。その首筋に、何かきらきらと、光っているものがある、気がする。しかし二人が入ってきたことに気づくと、はっとしてこちらを見て、笑った。

    「ありがとうございます、ミオリネさん、シャディクさん」

    「いいのよ、このくらい。昨日は大丈夫だった?」

    「大丈夫です……この紅茶、おいしい、ですね」

     スレッタは一口紅茶を飲み、頬を緩ませる。……スレッタ・マーキュリーは、魔女ではないらしい。てっきり彼女が魔女であるからこそ、あんな、教会に逆らうようなことをしたのかと思ったが。

     ならば彼女は、どうしてあんなことを?

     シャディクは腕を組みながら、ナイフとフォークを手に取る。それからミオリネに微笑みかけ、「ありがとう、ごちそうになるね」と言った。ミオリネはこくりと小さく頷いた。

    dice1d4=2 (2)

    1:ミオリネ「魔女狩りって何?」シャディク心理学:dice1d100=54 (54) (70)

    2:シャディク「その腕は?」

    3:シャディク「君の目的は何?」

    4:ミオリネ「首のきらきらしたのどうしたの?」シャディク心理学:dice1d100=67 (67) (70)

  • 47二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 07:05:00

    「……これは……」

     スレッタはグー、パー、と手を開いて、閉じて、として見せる。

     腕には未だに赤い線が浮かんでいる。それはよく見ると、金属か何かみたいに輝いている、ように見える。スレッタの顔が、にわかに暗くなった。

    「教会の、魔女狩り派……エランさんのやったこと、だと思います。辛うじて動かせるけれど……ぜんぜん、力が入らないです。せんとうにさんかするのは、ぜつぼうてき、ですね。ごめんなさい」

     スレッタの瞳がにわかに潤みだす。ミオリネはぽんとスレッタの背を撫で、落ちつかせるように「大丈夫よ」と微笑みかける。

    「私が守ってあげるから、安心して」

    「……いいんですか?」

    「もちろん」

     スレッタは目を見開いて、ミオリネに抱き着いた。「ミオリネさん!」と震えた歓声をあげながら、ぐりぐりと腹に頭を押し付ける。ミオリネはスレッタの頭を掻き抱き、髪を撫でた。普段も少しくしゃくしゃしている癖毛は、寝起きであるからか輪をかけてふわふわしており、独特の触り心地がある。

     シャディクはその様子を見て、頬杖をつく。それから誤魔化すように笑みを深め、「仲いいね」と紅茶を傾けた。ミオリネは当然だと言わんばかりにシャディクを見て、こう言う。

    「だって私は、この子の花嫁だからね」


    シャディク「え゛??」

    ミオリネ「あら、あんたのHOには書いてなかったの?私とスレッタは婚約してるわよ」

    シャディク「ほんとに言ってる????」

    ミオリネ「どうしたの。何か不都合でもあったのかしら」

    スレッタ「すごいですね。これが脳破壊された人間の顔ですよ」

    dice1d4=3 (3)

    1:ミオリネ「魔女狩りって何?」シャディク心理学:dice1d100=92 (92) (70)

    2:シャディク「君の目的は何?」

    3:ミオリネ「首のきらきらしたのどうしたの?」シャディク心理学:dice1d100=88 (88) (70)

    4:シャディク「質問タイムはここまでだ。そろそろ探索に出ようよ」

  • 48二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 07:27:47

    「えっ、きらきら?何かありますか?」

     スレッタは驚いたような顔をする。確認するために触れようとして、うまく腕を持ち上げられなかったらしい。困ったように、誤魔化すように、「気のせい、じゃないですか?」と言う姿は、嘘をついているようにも、本当のことを言っているようにも見える。

     読めない少女だ。

     シャディクは自分が派手に動揺した結果見事に平静を失ってしまっていることをさっくりと棚に上げて、警戒するような視線を向けた。……少なくとも、彼女が魔女狩り反対派であることはおそらく間違いないのだから、警戒すること自体は間違っていない、はずだ。

    「スレッタってα種だっけ」

    「いいえ、私はβ種ですよ。あ、ごはん、ごちそうさまでした。紅茶おいしかったです!」

     スレッタはニコニコ笑って、そう言った。


    ミオリネ「これPL発言だけど、多分スレッタのきらきらって『αHO』の鱗よね。……私持ってないから知らないけど」

    シャディク「ミオリネもαだからもらってるんだっけ。……じゃあ水星ちゃんは、自分がαだということを隠している、のかな?それとも本当に何か別の事情があるのか」

    ミオリネ「案外『ΩHO』あたりにも鱗の記載があったりするのかしら」

    シャディク「うーん、そこは持ってないから、わからない。どうなの?水星ちゃん」

    スレッタ「ふ、ふふ!どうでしょうね~……?」

    ミオリネ「……シャディク、七割は外れるものよ」

    シャディク「ごめんってば」

    シャディク(……とはいっても、水星ちゃんがΩではないことも確定。ではなぜ、なのかな……?)

    dice1d3=2 (2)

    1:ミオリネ「魔女狩りって何?」シャディク心理学:dice1d100=74 (74) (70)

    2:シャディク「君の目的は?」

    3:シャディク「質問タイムはここまでだ。そろそろ探索に出ようよ」

  • 49二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 07:50:18

    「……魔女狩りを、止めさせる。それだけです」

     壁に体重を預けて、ふらふらと立ち上がる。ミオリネが心配するような顔でその様子を見た。スレッタは気丈に笑って、懐から何かを取り出した。

     それは、どこか不思議な雰囲気のするペンダントだ。

     吸い込まれそうなほど真っ黒な石で出来ていて、見た目から材質はわかりそうにない。「ここ、マーキュリー家の家紋が入ってるんです」と裏の意匠を指さした。

    「これを見せれば、衛兵さんはわかってくれる。【王宮】に入れる、と思います。協力してくれるなら、是非来てくださいね」

    「……あんたはどうするの?」

    「私は止まっているわけにはいかないんです。なすべきことを、なさないと」

    「無理しないで」

    「無理だなんて。……大丈夫ですよ、ミオリネさん。私は負けません」

     シャディクは笑みを深めて、その様子を見つめた。

     __シャディクの目的は、『魔女狩りを完遂する』こと。

     水星ちゃんには悪いけど、対立することになっちゃうね? 口には出すことなく、紅茶を一口、飲む。

     濃く淹れたはずのそれに、何の味も感じなかった。


    スレッタ「というわけで『スレッタのペンダント』です!身に着けるとSAN値-1ですが、かわりに『王宮』に入れるようになりますよ」

    ミオリネ「へえ。……シャディク、あげる。私SAN値減らしたくないし」

    シャディク「いいの?ありがとう」

    スレッタ「それと、事情徴収タイムはここまでですよ!いちおう、『スレッタを王宮にまで送る』なら、もう一つくらいは何か聞けそうです。ただしもうそこそこ遅いので、今日できる行動はあとひとつ、あまり長く時間がかかるところも探索できませんよ。具体的には『市場』に行くか、『グエルさんとラウダさんに合流する』かですね」

    ミオリネ「……スレッタをこのまま帰すのも心配なのよね。あの子が裁判で大立ち回りしたのはそこそこ知られてるだろうし、今戦闘能力がないことを考えると下手したら襲撃されて死にそう」

    シャディク「ええ、そうかな……?意外と大丈夫だと思うけど」

    ミオリネ「……そうね……」

    dice1d3=1 (1)

    1:ミオリネ「スレッタを送っていくわよ」

    2:ミオリネ「市場に行こうかしら」シャディク幸運:dice1d100=27 (27) (55)

    3:ミオリネ「グエルとラウダに合流しましょう」

    シャディクSAN値:52→51

  • 50二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 09:14:11

    何故シャディクの脳は気軽に破壊されてしまうのか

  • 51二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 10:16:45

    「エラン……と、君はどんな関係なの?」

    「え?」

     スレッタがふっと目を見開いて、シャディクを見やった。

     赤煉瓦の道は、いつも通り爽やかな風が吹きこんでいる。しかし今は、どこかどんよりと空気が重い。スレッタは首を傾げて、「エランさんを知っているんですか?」と尋ねる。

    「えっと、教会で見たことある、気がして。所属が違うからか、うろ覚えだけど……それに昨日、名前呼んでたでしょ」

    「そういえばシャディクさんは教会育ち、でしたっけ」

    「確かあそこで歌を習ったんでしょ?昔から歌、上手だったものね」

     シャディクが頷く。あまり詳しくはないが、エランは教会でも魔女狩りに関するあれこれを任されている人間だ、という話を聞いた覚えがある。実働部隊と司令部隊ともなれば、関わりが薄いのも当然だが。

     一方問われたスレッタは、少し目を逸らして、それから頬をふくらませた。

    「あ、あんなひと、知りません!おともだちじゃない、です!」

    「お友達ってこと?」

    「ちがいます~!……昔から知り合いなのは事実ですけど、それだけです」

     嘘を言っている様子はない。だが何か、引っかかる部分もあるだろう。ミオリネが「ふうん」と返事をするのを、シャディクは横目で見やった。

    「あ。……ここまでで、大丈夫、ですよ。そうだ、王宮に泊まっていきますか?」

    「王宮に?」

    「はい。寝室は空いていたはずなので、お貸ししますよ」


    シャディク「……これなんのイベント?」

    スレッタ「泊まったからといって王宮内部を今から探索できるわけではありませんよ。ただしセキュリティはしっかりしていますし、強制的に同室になります」

    ミオリネ「テコ入れはじまった??」

    シャディク「不要不急の色ボケ要素」

    ミオリネ「うーん……でも襲撃があると仮定した時、確定で防げるってのは強くない?ただこれするとほんとにグエル・ラウダと合流するタイミングがなくなりそう」

    シャディク「今のところ4PLっていうより2PL×2みたいな感じだしね」

    ミオリネ「そうね……」

    dice1d3=1 (1)

    1:ミオリネ「じゃあお言葉に甘えようかな」

    2:ミオリネ「……やっぱり家に帰りましょうか」

    3:ミオリネ「なんならあいつらも王城に連れてくる?」

  • 52二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 10:31:33

    不要不急の色ボケ要素
    声に出して読みたい日本語

  • 53二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 11:41:03

    色ボケ要素はなんぼあったってええですからね

  • 54二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 12:23:13

    エラン「わかった。……これは公開でいいか、ラズベリージャムは普通のラズベリージャムに見えるよ。変なにおいはしないし、色もおかしくない。それは同時に少女の言っていた『罪がなくなる』みたいな作用も感じないということだけど。これ以上調べるなら、食べるしかないだろう」

    グエル「なるほど、ハズレか?せっかく買ったのに勿体ない。dice1d3=1 (1) (1:今日の夕食に食べるぞ 2:明日の朝食に食べるぞ 3:取っておくぞ)」

    ラウダ「へえ。食べるのであれば、dice1d2=2 (2) (1:一緒に食べるよ。毒味しないと 2:食べないでおくよ。嫌な予感がする)。ところで兄さん今何振ったの?」

    グエル「なんでもない」

    ラウダ「ふうん……」

    エラン「さて、気を取り直して」


     地下一階、地上三階の図書館は、国でも有数の大きな建造物だ。

     とはいっても、地下は基本的に立ち入りが禁止されている書庫であるし、二階以上はΩ__『魔法使い』にだけ立ち入りが許されている空間である。そのため実質的に入れるのは一階だけ、のはずだった。

    「……人、居ないな?」

    「ああ……」

     普段はそこそこいるはずの人が、今はまばらにしか見えない。

     職員を捕まえて話を聞けば、どうやら魔女裁判の混乱で人が足りていないらしい。書庫も二階も開放しているから、自由に見て回っていい、とのことだ。

    「あ、でも、三階にはいかないでくださいね」

    「……誰かいるのか?」

    「はい」

     最上階には、賢者様がいらっしゃいますから。

     職員はそう言って慌ただしげに踵を返し、去っていった。


    エラン「一階、二階、地下。それぞれで『目星』と『図書館』が使えるけど、君たち図書館持っていないもんね。二人両方成功したら代用できたとするよ。出てくる情報は目星が優先」

    ラウダ「わかった。それなら一緒に探索しようか」

    グエル「……わかった」

    dice1d4=1 (1)

    1:グエル「まずは一階を探索しよう」グエル目星:dice1d100=70 (70) (70) ラウダ目星:dice1d100=60 (60) (70)

    2:ラウダ「二階が気になるよ」グエル目星:dice1d100=78 (78) (70) ラウダ目星:dice1d100=1 (1) (70)

    3:グエル「地下って重要そうだよな」グエル目星:dice1d100=39 (39) (70) ラウダ目星:dice1d100=29 (29) (70)

    4:グエル「行くか最上階」ラウダ「もちろんだよ兄さん」

  • 55二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 12:36:48

    前スレもだったけど、この兄さん危険そうな選択肢ガンガン行くよね

    質問なんですけど

    >>36

    で出てたヒートトークンの数はPLには非公開情報って認識であってますか?トークン増えたら同行者がΩって分かっちゃうのかなって

  • 56二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 13:09:46

    >>55

    ミオリネ「公開されてないわよ。どういう処理になってるんだか」


     ラウダは本棚を見て回る。そうしてふと、気になる本を見つけた。バース種についての研究資料みたいだ。どうしてこんなところにあるのだろう、紛れてしまったのだろうか?

    『ヒート状態について』

    ヒートトークンが溜まった際、α種は10*(ヒートトークンの数)、β種は10*(5-ヒートトークンの数)で判定し、成功した場合以下の状況となる。

    1:謎の独占欲が沸く 2:相手が気になる 3:他者に取られたくないと思う 4:相手の自由を奪いたくなる 5:相手に触れたくなる

    また、ヒート状態の際は以下となる。

    1、2:噛み付きたくなる 3:頭が真っ白で何も考えられなくなる 4:相手の自由を奪いたくなる 5:相手を■■したくなる(掠れて読めない)

    また、Ω種はヒートトークンが6以上溜まった際、20*(5-ヒートトークンの数)で判定し、成功した場合以下の状況となる。

    1:熱っぽくなる 2:何もしていなくても息が上がる 3:誰かに傍にいてほしくなる 4:ネスティング(巣作り)をする 5:相手に触れたくなる

    また、ヒート状態の際は以下となる。

    1:身体から力が抜ける 2:朦朧とする 3:相手を誘惑する 4:強行手段に出る 5:生存欲求が強まる

    「……なにこれ?」

     ラウダは眉をひそめる。一方その頃、グエルは返却本コーナーを見ていた。どうやら最近は、娯楽小説の類がよく借りられているらしい。その中でも一番人気なのは__

     __『探偵Lの献身』。


    グエル「なんであるんだよおおお!?」

    ラウダ「すごく処理の話がそのまま出てきたけどもう少し取り繕うとかなかったの?」

    エラン「家に持ち帰って読むこともできるよ」

    グエル「知ってるんだよ 内容はよ」

    ラウダ「※『祝福は愛する貴方のために』参照だね……うーん、dice1d2=1 (1) (1:どうせだから夜の間に読んでおこうかな 2:荷物増えるし放置だよ放置)」

    dice1d3=3 (3)

    1:ラウダ「このまま二階を探索しようか」グエル目星:dice1d100=68 (68) (70) ラウダ目星:dice1d100=65 (65) (70)

    2:グエル「地下に向かおう」グエル目星:dice1d100=93 (93) (70) ラウダ目星:dice1d100=94 (94) (70)

    3:グエル「行くぜ最上階」ラウダ「当然だよ兄さん」

  • 57二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 13:12:38

    ヒートの処理の仕方…あっふーん(察し)

  • 58二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 13:18:04

    ラウダがめっちゃ警戒してるのに兄は自ら地雷を踏みに行くスタイルなの性格が出てるなって

  • 59二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 13:39:51

     最上階に進むための階段は、すぐに見つかった。しかしどうやら、金属製の扉で閉ざされているらしい。

     とはいっても、一目見ただけではただの壁にも見える。そこだけ不自然にあいているからわかったが、どこを探しても鍵穴どころかドアノブさえないのだ。

    「うーん、入れない、な……?」

    「そもそもこれ本当に扉なの?」

     グエルがぺたぺたとそれを触ってみる。開きそうにない。貸し出し処理をした『探偵Lの献身』を片手に、ラウダが「危ないかもしれないから、あまり考えなしに触るのはやめた方がいいよ」と心配するように言う。そんなふうにしてわいわいと騒いでいると、

    『__だれかいるの?』

     声が、聞こえた。

     どこからかはわからない。少なくとも扉の向こうからではない。むしろもっと近く、しかし声の方向を見ても誰もいない。

     だが、聞いたことある、ような気がする、声だ。どこでかまではわからない。ただ、何か、記憶の片隅をつつくような不快感がある。彼は不機嫌そうに続ける。

    『君たち、キャリアだよね。誰?用がないなら、立ち去って』

     見知らぬ技術に、あるいはどこからともなく、まるで魔法のように響いてくる声に、背筋がぞっとするのを感じた。無意識に本をぎゅっと握りしめれば、どうやらグエルも同じように、目を見開いて、一歩後ずさったようであった。

    グエルSANc:dice1d100=100 (100) (42) 0/1

    ラウダSANc:dice1d100=40 (40) (79) 0/1

    dice1d3=1 (1)

    1:グエル「……キャリア、とは何だ?」グエル言いくるめ:dice1d100=76 (76) (70/2=35)

    2:ラウダ「そうだね、さっさと二階の探索をしよう!」グエル目星:dice1d100=86 (86) (70) ラウダ目星:dice1d100=37 (37) (70)

    3:グエル「もう帰ろうぜ!!」ラウダ「もちろんだよ兄さん!!!!」

  • 60二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 13:44:27

    なんかやっぱ秘匿バースとかバース変更とかありそうな感じだな

  • 61二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 13:45:21

    オメガバースならビッチングネタは鉄板だしね

  • 62二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 13:47:58

    今更だけどバースが自己申告制でΩの判別薬があるってことは
    メインのキャラクターの中でも自分の性別偽ってるΩがいるんだろうな

  • 63二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 14:17:10

    >>60

    >>61

    >>62

    スレッタ「ふ、ふふ!楽しみにしていてください……ね?」

    エラン「……先に開示だけしておくと、いわゆる『一般的な意味でのビッチング』、αがαに屈することでのバース変更はないよ。処理と上手い理由付けが思いつかなかったからね、ごめんね」


    グエルSAN値:42→41

    『君にそれを教える義理はない。帰って』

     扉の向こうの声はぴしゃりと言い放ち、それきり沈黙する。グエルは「なんだよ、一体……」と片眉をはね上げた。

     ラウダはその間に扉を簡単に確認する。やはり見たことのない素材でできているようだ。仮に開くとしたら、どうやって開くのだろう? 押戸なのか引き戸なのかすら、検討がつかない。

    「……はあ、ラウダ。そろそろ撤収するか?」

    「え、まだ二階と地下は探索できていないよ」

    「そこは普通入れない場所じゃないか。それに、お前はその本を読みたいんだろう?早めに帰って時間を取った方がいい」

    「うーん、そうかな……?」

     ラウダは首を傾げる。そう言われればそんな気もする。別にどうしても読まなければならないわけでもないが、少し気になるということも事実だ。ぎゅっと本を抱きしめる。表紙では、どこか既視感のある二人組と、巨大な黒山羊が踊っていた。

    dice1d2=1 (1)

    1:ラウダ「だめだよ。まだdice1d2=1 (1) (1:二階 2:地下)を探索するんだもん」グエル目星:dice1d100=89 (89) (70) ラウダ目星:dice1d100=44 (44) (70)

    2:グエル「ということで帰るぞ。今かなり出目が腐ってる」

  • 64二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 14:20:35

    本当に出目が腐ってるね

  • 65二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 14:27:06

    兄さんダイスちゃんとお祓いした?

  • 66二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 15:38:18

    ヒートトークンの判定、最初の森ミオリネの反応見てまさか…とは思っている

  • 67二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 16:06:15

    「……」

     ラウダはざっと本棚を見回す。どうやら薬に関する本や、病気に関する本が大多数を占めているらしい。

     とはいっても、どれにどんな内容が書いてあるのかまでは、ラウダにはわからない。どれを借りれば何の役に立つのか、それがわかるのは「魔女」だけだ、ということなのだろう。ゆるゆると嘆息すれば、ふと、グエルと目が合った。

    「何か気になる本でもあった?」

    「もし魔女狩りが激化したら、ここの本は焚書されてしまうのだろうか」

    「可能性としては、あるね。まあ、魔女の悪しき技術だなんて、焼かれて当然だと思うけれど」

    「……そうだな」

     グエルはぼうと本棚を見上げて、ぱちぱちと瞬きをした。

     それからゆっくりと首を振り、「なんでもない」と呟く。

    「それより、これからどうする? このまま地下の書庫も見ていくか?」

    「そろそろ遅い時間になってきたね。帰ってもいいけど」

    「どうする。ラウダが決めてくれ」

    「え?……うーん……」

     ラウダは首を傾げる。

     ……延々、悩んでいるのも時間の無駄だ。

     ふっと息を吐いて、簡潔にこう言った。

    dice1d2=2 (2)

    1:ラウダ「ここまで来たら地下も行くよ」グエル目星:dice1d100=19 (19) (70) ラウダ目星:dice1d100=86 (86) (70)

    2:ラウダ「……帰ろっか」

    グエル??:dice1d100=38 (38) (??)

    ラウダ??:dice1d100=74 (74) (??)

  • 68二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 16:23:14

    ラウダ「なんか突然ダイス渡されて怖いから帰ろっか」

    グエル「賢明な判断だな。一体何の判定なんだか……おいエラン、寄り道する時間はあるか?」

    エラン「そこそこ探索に時間がかかってるからね、ないよ。諦めて」

    ラウダ「どこかいきたいところでもあったの?」

    グエル「……いや。聞いてみただけだぞ。もし行けるなら市場で食事でも調達しようと思っていただけだ」

    ラウダ「そういえば、食事はどうする?うちで食べてく?」

    グエル「お前はラズベリージャムを食べないんだろう?なら俺は自分の拠点に帰って……と、考えていたが。一緒がいいか?」

    dice1d2=2 (2)

    1:ラウダ「じゃあそれでいいよ。また明日ね」

    2:ラウダ「もし襲撃があったら死ぬ。一緒にいてほしいな」


    スレッタ「おまたせしました、色ボケタイムです」

    ミオリネ「とても重要な事項だと思う。」

    シャディク「ほんとにやるの???テコ入れ」

    スレッタ「はい。じゃあ、スレッタが通してくれた客間に来て、最初に見えたのは、机の上にある瓶です」


    「これは?」

     ミオリネは小瓶を手に取って、光にかざしてみる。中は、黒い粉末でたっぷりと満たされていた。ほんのりと、花のような優しい香りがする。スレッタは「あ、それは、ええと……」と少しまごついたような声を出した。

    「……ひとを、後天的に『Ω種』にするくすり、を開発していたんです。β種が服用した場合は何の副作用もないのですけど、α種が服用した場合はどうやら、精神に悪影響があるみたいで……」

    「そうしているうちに、あれが起きた、ということ?」

    「はい。どうしてこんなところに」

     スレッタは瓶を受け取る。そこで、「いりますか?」と首を傾げた。シャディクは目を伏せる。

    「飲んじゃだめだよ、ミオリネ。君が『魔女狩り』の対象になるのは嫌だ」

    「わかった。……一応、持っていく?」

    「俺はいらない。ほしいなら、ミオリネが持っていけばいいよ」

     ミオリネはしばらく、考えるようにくちびるを閉じる。

     それから、「これも何かを確かめる手段になるかもしれない」と言って、そっとふところにしまい込んだ。

    dice1d2=1 (1)

    1:ミオリネ「一応部屋を調べる」ミオリネ目星:dice1d100=37 (37) (70)

    2:シャディク「使う場所なんてもうここしかないよね」シャディク芸術(音楽):dice1d100=25 (25) (70)

  • 69二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 16:34:55

    スレッタはなんでそんなものを作ってるんだ

  • 70二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 16:46:45

    「……?」

     ミオリネはふと壁に目を向ける。同じ色で塗装されているからわかりづらかったが、なにか、鉄製の板のようなものを発見する。何かを塞いでいるようだが、鍵がなければ入れそうにない。

    「なに?これ」

    「さあ……なんだろう?」

     シャディクも首を傾げる。一緒にそこを覗き込んだところで、ふと。

     肩が触れ合った。

    「あ、ごめん」

    「はっ……あ、あ、ああ!ごめんね!!」

    「……どうしたの」

    「な、ななな、なんでも……ないよ……」

     シャディクは全力で目を逸らす。ミオリネはぱちぱちと数度瞬きをして、ゆっくりと首を傾げた。シャディクは冷静に考えてみる。つまるところ今日、シャディクはミオリネと同室で眠る、ということだ。冷静にミオリネに視線を向ける。何もわかっていないきょとんとした顔をしている。ゆっくりと息を吸って、吐く。脈はない。ついでにいうとミオリネはスレッタの婚約者だ。何よりミオリネもシャディクもα種なのである。

    「よし」

    「何が? さっきから様子がおかしいわよ、シャディク」

     ミオリネは立ち上がると、二つあるベッドのうちのひとつにごろりと寝転んだ。それから数度寝返りを打ったあと、シャディクの方をじっと見つめた。

    「ねえ。歌って」

    「え?」

    「眠れない。……怖い夢を、見てしまいそうで」

    「……わかった」

     シャディクは困ったように微笑んで、リュートを取り出した。

     何の歌をうたおうか。海を渡る冒険者の話か。洞窟を進む勇者の話か。それとも、いばらの城で眠るお姫さまの話か。

     何にしたって、この声がミオリネの役に立つのなら、なんでもいい。

     シャディクは、ゆっくりと、低く。静かに、歌いだした。


    スレッタ「と、いうわけで。シャディクさんが芸術(音楽)に成功したらミオリネさんはSAN値を1回復させてもいいですよ!」

    ミオリネ「これは必要な色ボケ要素」

    シャディク「ミオリネなんかすっごい楽しそうにRPしてるねえ!? ……うう、振るよ……?」

    シャディク芸術(音楽):dice1d100=100 (100) (70)

  • 71二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 16:48:50

    大事なところでシャディクお前

  • 72二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 16:54:00

    シャディク「???????????」

    ミオリネ「シャディク!シャディク!!シャディク!?!?」

    スレッタ「ここで100ファンは持ってますねえ。笑いが止まりません」

    シャディク「待って水星ちゃん!水星ちゃんお願いプッシュロールさせて!!」

    スレッタ「うちの卓の処理は基本全部六版なんですよ。諦めてください」

    ミオリネ「まってスレッタ!私はこんなことでSAN値を減らしたくない……提案があるわ。今これが『色ボケ要素』なのだとしたら、『色ボケ方面』にファンブル効果を発揮してもいいんじゃないかしら」

    シャディク「ミオリネぇ!?!?」

    スレッタ「面白いですね。じゃあダイスの女神に聞いてみましょうか」

    ミオリネ「……女神、に?」

    スレッタ「はい。1ならミオリネさんは冒涜的な音色にSAN値を1減らしてください。2ならミオリネさんはシャディクさんの乳首が見えてヒートトークンを1増やしてください。3ならシャディクさんは全力で色ボケRPをして私を楽しませてください」

    シャディク「ねえ完全に悪乗りしてないかなあ!?!?」

    ミオリネ「シャディク。……振るわよ」

    シャディク「覚悟決まった顔やめて!覚悟決まった顔やめて!!」

    dice1d3=1 (1)

    1:ミオリネSAN値:34→33

    2:ミオリネヒートトークン+1 ミオリネヒート判定:dice1d100=24 (24) (??) 成功の場合dice1d5=2 (2)

    3:やるよ 色ボケRP

  • 73二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 16:55:40

    色ボケチャンスをことごとく逃していく男よ

  • 74二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 17:06:44

    シャディク「???」
    ミオリネ「??????」
    スレッタ「あ、女神は一歩踏み出せないシャディクさんが好みみたいですね。せいぜいヘタレてください」
    シャディク「水星ちゃん口悪くない!?」
    ミオリネ「シャディク!シャディク!!シャディク!!!!」

    「あ、あ、あ~……♪?」
    「……今日、なんだかガッタガタね。あまりに冒涜的な音色でうっかりSAN値が減った気がする」
    「ご、ごめんね、ミオリネ……」
     シャディクはリュートを下ろす。できない。できるわけない。こんな精神状態で、まともに歌えるはずがなかった。
     ミオリネは真っ赤になって俯くシャディクを見て、小さく笑った。それからゆっくりと立ちあがり、シャディクに近づいてくる。なんだろう、と思っていると、ふと。ぎゅっと、頭を掻き抱かれた。
    「なんだか昔に戻ったみたい」
    「ミオリネ……」
    「最近なんだか張り詰めた様子だけど。また、あの頃みたいに、一緒に遊べたらいいな」
    「それは、」
    「……無理か。こんなことになっちゃったんだものね」
     ミオリネはゆっくりと離れる。それから自分のベッドに帰って、布団をかぶった。
    「おやすみ。またあしたね」
     シャディクは座ったまま、呆然とする。
     『こんなこと』。
     それが、魔女狩りをさしているのは、文脈からしてさすがにわかる。何故、魔女を倒すのはいいことであるはずなのに。そういう義憤に駆られるべきだ。なのにシャディクの胸中には、すべてを否定されたような、愕然とした感覚があった。
     きゅっと、くちびるを引き結ぶ。
     だけど、止まることはできない。リュートを傍らに置く。布団をかぶると、ミオリネに背を向け、目を閉じた。
    ミオリネSAN値:34→33
    シャディクSAN値:51→50

  • 75二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 17:23:12

    シャディクさぁ…いや、らしいっちゃらしいんだけども…

  • 76二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 18:21:10

    エラン「さて。じゃあグエルはラウダと夕食を食べる。ただしグエルだけはラズベリージャムを使う。ということでいいね」

    グエル「ああ。独り占めしていいんだよな?これみよがしにパンにたっぷり塗って食べるぞ」

    ラウダ「もう、警戒心がないんだから……毒でも入っていたらどうするの」

    エラン「じゃあそうだね、グエルのからだが、ぼうっと。にわかに熱をもったようにあつくなりはじめる」

    グエル「は!?」

    ラウダ「ほらやっぱりぃ!」

    エラン「そしてすぐに。どこからか漂ってくる甘い香りに、ラウダの体もあつくなる」

    ラウダ「えあっ!?!?」

    グエル「おい待てエラン!どうなっている!?」

    エラン「きっと薄々勘づいてるんじゃないかな」

    グエル「……まさか……」

    ラウダ「な、……何の話……?」

    エラン「でも、僕にはKPとして、処理を説明する責任がある」


    エラン「__グエルのヒートトークンが+10、それに伴ってラウダのヒートトークンが+5された」


    エラン「現在のヒートトークンの数は、グエルが16、ラウダが11だ。というわけでラウダはヒート判定、ついでに二人ともPOW*3で判定してね。失敗したらどうなるかは……まあ言わなくてもわかるか」

    グエル「あっ……あっ……あっ……」

    ラウダ「兄さん!?兄さんどうなってるの!!兄さん!?!?」

    エラン「……いつかは起爆するかもしれないとは思ってたけど、こんな早く。しかもα二人が別行動してる時だなんて思わなかった」

    グエル「KP!俺はSANcする!アイデアロールはいらない、一時的狂気『パニック状態で逃げ出す』させろ!!」

    ラウダ「ちょっと待ってよ置いてかないでよ!説明しろよ兄さん!!」

    エラン「つべこべ言わず振って」

    グエルヒート判定:(自動成功)

    グエルヒート表:dice1d5=4 (4)

    ラウダヒート判定:dice1d100=26 (26) (60)

    ラウダヒート表:dice1d5=4 (4)

    グエルPOW判定:dice1d100=54 (54) (27)

    ラウダPOW判定:dice1d100=30 (30) (48)

  • 77二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 18:25:30

    グエルーッ!!!!

  • 78二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 18:29:02

    ジェターク家スケベな目に遭いがち問題

  • 79二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 18:33:31

    もー見えてる地雷を踏みに行くから…

  • 80二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 18:43:17

    これもまたダイス神のお導き
    …ちょっと神の寵愛受けすぎじゃありません?

  • 81二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 18:45:37

    シャディクの色ボケタイム、こっちに流れてきてたか……

  • 82二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 18:47:14

    女神の笑い声が聞こえる

  • 83二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 19:00:49

     __グエルの脳で、かちりと何かが切り替わる。

     何が起きているか理解できていないらしい、呆然とくちびるを半開きにしているラウダの腕を引っ掴み、ぐいと引き寄せる。ぐわん、と。頭がゆらゆらする。目の前がぼやける。近づくたびに、噎せ返るほどの、甘いにおいがする。

    「……らうだ……」

    「に、いさ、……なに、これ、いったい……」

     不思議な、感覚だった。ラウダはグエルの自由を奪わねばならない。導かれるように、その手に自分の手を重ねる。不思議だ。それが一体何に起因するのか、まったくわからない。不思議。

     いや、違う。

     不思議、なんかじゃない。

     ほんとうは、わかっているのだ。

     ただ、理解することを拒んでいるだけ。その証拠に、『どうすればいい』のか、冷静に、判断することができる。しかしそれは、決していけないことだ。そうであっては、いけないことだ。だって、もし、それが、ほんとうだとしたら?

     目の前、のぼせあがったように真っ赤になったグエルの顔が、いびつに緩んだ。

    「ラウダ」

     やめろ。続く言葉は、わかっている。言うな。言うな。やめろ。やめてくれ。叫ぼうとするのに、凍り付いたように何も喋れない。

    「お前は可愛い弟だ。大切な弟だ。優しい兄弟。協力、してくれるな?」

     やめてくれ。いやだ。くちびるを開く。はくはくと、声にならない音を上げる。心臓が高鳴る。恐怖、ではない。あってはならない感情によってだ。そしてそれを、肯定したがっている自分がいることもまた、事実であった。どうして。……どうして、ラウダの大切な兄は、

    「俺は子を産まなければならない」

     グエル・ジェタークは、魔女である。

     __Ω、だったのだ。

    ラウダSANc:dice1d100=37 (37) (79) dice1d6=3 (3) /dice1d10=8 (8)

  • 84二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 19:02:47

    親の顔より見た妊娠

  • 85二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 19:06:01

    >>84

    まだ未遂だからセーフ(アウト)

  • 86二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 19:06:29

    グエル、ちゃんとお祓い行った???

  • 87二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 19:07:31

    兄弟間でなそうとしてるもの女神の愉悦を感じる。

  • 88二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 19:11:51

    前科があるからグエルの妊娠出産に動じなくなった自分がいる

  • 89二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 19:14:27

    ラウダSAN値:79→76

    エラン「SAN値硬」

    グエル「お前さてはさしてショックを受けていないな?」

    ラウダ「まあ人生そんなこともあるよね。切り替えていこう」

    エラン「情緒どうなってるの?」

    グエル「壊れたSiriか??」

    ラウダ「……そう、切り替えないと!この状況っ、どうすればいいの!?下手に正気を保っちゃったからフィジカルでボロ負けしてる兄さんを一人で止めなきゃいけなくなったんだけど!!」

    エラン「がんばれ」

    グエル「なんとかしろ」

    ラウダ「(電卓を叩いている)……うそでしょ、SIZで対抗するなら成功値25、CONでも成功値10……!?KP、POWで対抗することを要求する!こう気合いでなんとかする!!何故ならジェターク寮は体育会系、それぐらいなんとかなるよ!!」

    エラン「無理だよ……あ、ラウダは目的変更ね。はい、こっち」

    ラウダ「……う、あ……わかった。頑張る。とりあえず兄さんをなんとかする!」

    グエル「なんとかしてくれラウダ。お前ならクリティカルのひとつやふたつ出せる」

    エラン「とんでもない無茶ぶりをする兄」

    ラウダ「……ッ!待って、ここって『ラウダの家』なんだよね。じゃあアレがあるんじゃないかな!!」

    グエル「あれ?……とは、なんだ?」

    エラン「あるよ。ただし今はグエルに押さえつけられている状態だ。POW判定は成功しているし、僕は寛大なKPだから、いつも通りの『組み付き』に対する処置……SIZ対抗ロールに成功したら、取りに行くことができたとしてもいい。あと可哀想だからPOW*4に成功したら補正を30贈呈する」

    グエル「なんでもいいからいったん俺を落ち着かせてくれ。あっ精神分析(物理)は嫌だぞ。死にたくない」

    ラウダ「うあああああ!やる!出せる!兄さんがあれだけ出目腐ってたんだよ、確率は__収束する!!」

    ラウダがんばる:dice1d100=47 (47) (64)

    ラウダSIZ対抗:dice1d100=17 (17) (25)(※↑で成功していた場合55)

  • 90二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 19:15:42

    ラウダがんばった!!?

  • 91二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 19:15:59

    めっちゃがんばってるな

  • 92二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 19:18:20

    ラウダがんばった!!これは冷静で理知的

  • 93二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 19:22:31

    さすがラウダ、頼りになる弟

  • 94二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 19:27:24

    ラウダ「ハアッハアッハア……」
    グエル「よくやったラウダ!えらいぞ~よしよし」
    ラウダ「他人事のように!!」
    エラン「強いね。ほんとに確率って就職するんだ」
    グエル「ふふん。さすが俺の弟だな」
    エラン「……それならラウダは火事場の馬鹿力を発揮し、逆にグエルを引き倒して取り押さえることに成功する」

    「ふー、う、う、はあ……」
     グエルの両手を縛り上げ、仰向けになったところに乗るようにして抑え込む。グエルはいまだじたばた暴れているが、関節を押さえられているためうまく抵抗することもできないようだ。
     ラウダは一旦、息をいれる。それから部屋を見回して、『それ』__純銀製の大剣に手をかけた。
     ラウダが何事かを唱えると、それは深い紅色の光を放つ。ゆっくりと、グエルの背に刺す。グエルの身体から力が抜けた。……本来なら、このまま刺しっぱなしにして使うのだが、今の目的は拷問でも、戦闘でもない。すぐに引き抜く。くたりと倒れたグエルを抱え上げると、ふらふらとベッドにまで連れて行き、放り投げた。
     シーツを一部切り裂いて紐を作ると、なれた手つきでグエルの両手足を拘束する。拘束した部分を柱にかければ、これで、余程の力で暴れない限り、自由に動くことはできないだろう。
    「……あ、……あ……?」
    「兄さん。……詳しい話は、また聞く」
     ラウダはそのままくるりと踵を返す。感情を抑えるように、横髪を引っ張る。闇の中に沈んだ茶色い瞳が、どこか爛々と、輝いていた。
    「おやすみ」
     ぱたり。
     扉が閉まった。
    ラウダSAN値:76→75

  • 95二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 19:34:22

    毎回ギリ最悪を回避するラウダ、出来る弟だ…

  • 96二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 19:35:29

    前作でもすごいがんばってましたね
    その後がちょっとアウトっぽかったけど…

  • 97二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 19:45:23

    エラン「おはよう」

    ラウダ「もういやだ」

    グエル「なあ俺さすがに落ち着いたことにしていいか?」

    エラン「……いわばヒート状態で拘束されて一晩中放置されたわけだからね。とはいっても近くにα種はいないし……よし、二人とも、POW*8で成功したら一時的に正気に戻れるということにするよ。そうでなくても出目にマイナス補正さえつければ、ある程度は自由に行動できるとする」

    ラウダ「寛大なキーパリングに感謝するよ。……POW判定は自動成功、あのジャムはごみとして捨てるよ。普通の朝食を持って兄さんのところに行く」

    グエル「ああ。……係数8か、だいぶ温情を受けたな……正気に戻りさえすれば俺がなんとかしてやる。安心しろ」グエルPOW判定:dice1d100=19 (19) (72)


    「兄さん、おはよう。……さて、どういうことなのかな」

     ラウダはベッドサイドに置かれた椅子に腰かけると、あしを組んだ。グエルはぼんやりと、外を見ている。それからラウダの姿をみて、ラウダが持っているサンドイッチを見て、しばらく重たげに瞬きをしたあと、こくこくと頷いた。

     真っ赤な指先が、震えながらパンに触れる。

     グエルはくちを開けて、それにかぶりついた。ハムの塩気。野菜の食感。たまごの優しいあじ。咀嚼する。青いひとみから、ぼろぼろと涙が零れ落ちる。

    「すまない、ラウダ。今まで、だましてて、ごめんなさい」

    「謝罪は求めていないよ、兄さんは悪くないんだから。……それより、兄さんはこれからシャディクには近づかない方が良い。彼は魔女狩りを完遂しようとしている。兄さんがΩだとわかったら、……まず、殺されるだろう」

    「は、そんな、い、いやだ、おれ、俺は、死にたくない……!」

    「わかってる。……兄さんが死ぬなんて、ぜったいだめだ。だから、大丈夫だよ。みんなには黙ってるから。ただ、問題は、どうやって隠蔽するか、なんだけど……現状、兄さんに家で待機してもらうとか、そういう方法しか……」

     ラウダは考え込むように腕を組む。

     その様子を見ていたグエルが、口の中のものを、ごくりと呑み込んだ。

    「できる」

    「……え?」

    「俺なら、なんとか、できる」

  • 98二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 19:58:51

    大剣かっけーなもしかして『シュバルゼッテ』だったりするのかな?
    ミカエリスみたいにみんなアイテムか特殊能力持ってるのかな

  • 99二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 20:07:05

     朝の森は、少し肌寒いほどの清涼な空気に包まれている。

    「ね、ねえ、どうしてこんな……」

    「あまり遅くなると、花やベリーを摘みに来た人に見つかるかもしれない。そうなる前に、できるだけ早く、やらなければいけない」

     グエルはラウダと目を合わせないようにしてずんずん奥まで進むと、ふと、屈みこんだ。何やら植物を数種類、引き抜く。それをラウダに見せて、低い声で、慎重に、唸るように言った。

    「これと同じものをを集めてくれ。できるだけたくさん。俺も集める」

    「……なあに?これ」

    「いいから、早く!」

     ラウダは戸惑いながらも、こくりと頷いた。特徴的な見た目だ。これならぱっと見でわかるだろう。

     純銀の大剣__シャディクから借り受けた神具、『シュバルゼッテ』。

     情報を吐かせることに特化した、器具だ。武器、といっていいのかはわからない。ほとんど殺傷能力はない。できることは抵抗を奪うことと、恐怖を与えて苦しめることだけである。

     一応、持ってきた。最悪、また使うことになるだろう。……できればグエルに対して、刃を向けたくはないが。

     気合いをいれて探さないと。

     ラウダはこくりと頷いて、森の中の植物たちと向き合った。

    グエル薬学:dice1d100=54 (54) (70) 見つけた個数:dice1d10=6 (6)

    ラウダ目星:dice1d100=93 (93) (70-10=60) 見つけた個数:dice1d5=1 (1)

    グエル薬学:dice1d100=61 (61) (70)

  • 100二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 20:22:48

    序盤からクライマックスを切り抜けて気が抜けたような出目

  • 101二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 20:38:12

    「兄さん、これであってる?」

    「それは見た目が似ているだけの別物だ。……だが、これだけあればとりあえず今のぶんは足りるだろう。おそらく予備はひとつぶんくらいしか余らないだろうが……」

     グエルは植物から根やら葉やらをぷちぷち切り離し、どこからか擂鉢やら乳棒やらランプやらを取り出すと、ごりごりとそれを合わせる。火を当てて、あたためる。最後にゆっくりとかき混ぜれば、どろりとした何かができあがった。

     それを、少しだけ瓶に掬って、残りを半分ほど飲み、残りをラウダに差し出した。

    「な、なあに?これ……」

    「ヒートを抑える薬。本来なら一日一つしか飲んだらいけないものだが、緊急事態だ」

     グエルの顔色は、悪い。

     ラウダはしばらく考えたのち、一息にそれを飲み干した。独特の青い味とにおいがある。グエルの言葉を信じるならば過剰摂取なのだ、吐きそうなほど、気持ち悪い。だが同時に、頭の中に立ち込めていた靄が、すうっと晴れるのも感じた。

    「兄さんは、どうしてこんなものを……」

    「どうしてって、決まっているだろう」

     グエルが笑う。ラウダも、問いながら、わかっていた。

     魔法使い__Ωだけ入ることを許された本棚につまっていたのは、薬や病気に関する本ばかりだった。であれば、答えはひとつである。つまるところ、これが。

    「『魔法』だよ」


    エラン「『抑制剤』。即座にヒートトークンを5減らす。ただし一日二つ以上摂取すると、その日のうちはすべての技能がー10される。グエルは三つ、ラウダは二つ飲んだね。予備はひとつ」

    ラウダ「……もしかしてあの時、ジャムに薬学振った?」

    グエル「ああ。危険なものは入ってないって言っていたから、大丈夫だと思ったんだが……おい騙したなエラン!」

    エラン「君の知る既存の毒物には該当しないよ」

    ラウダ「なるほど……これ結構重要な情報だよね?兄さんの『薬学』にたまたまそれが該当していないか、そうでなければ……『教会』は、神話的な存在と関わっている」

    エラン「……それで、どうするの?これから」

    dice1d3=3 (3)

    1:グエル「フェルシーが言っていた【中央広場】に向かおう。何か情報があるかもしれない」

    2:グエル「なんとかして【王宮】に助けを求められないだろうか」

    3:グエル「予備が一つじゃ心もとない。もう少し抑制剤を作っていくぞ」

    ラウダ幸運:dice1d100=65 (65) (80)

  • 102二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 21:57:53

    このレスは削除されています

  • 103二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 22:19:53

    おや、Ω攻めが存在することをご存知ない?

  • 104二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 22:21:26

    このレスは削除されています

  • 105二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 22:26:10

    このシリーズやるにあたってカプ名は明記しないし
    カプ展開になった場合のキャラ表記も番号順以外の意味ないってわざわざ言ってるんだから…ね?

  • 106二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 22:30:21

    描写偏ってるとか思った事一度もないです
    気にせず続けてください

  • 107二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 22:31:11

    急な衝撃展開で「探偵Lの献身」がどっか行ってる

  • 108二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 22:32:16

    「探偵Lの献身」めっちゃ気になるから読んで欲しいぞ!

  • 109二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 22:36:16

    >>102

    スレッタ「そうなんですよね、今、かなり悩んでて……言っちゃうとミオリネさんがバース性『α』を選択したので、現状だとたぶん、よくあるカプに当てはめると、グエルさんが受け……になるんですよね?ただ、ここからのルートによってはグエルさんがαになることも、例の粉末で他の方がΩになることもありえます。その時「グエルさん受けですよ!」と宣言しておくと、若干不都合になるかもしれない。それで明言していない、です。シャディクさん(魔女狩り遂行派)が手に入れたから、Ωへのバース変更は余程のことがない限りおきないとは思いますけど……αへの方は、まだどうやるかすら出せていないですし、そもそも登場するかどうかもわかりませんし……」

    エラン「……これで『えっ!?』ってなるところ見たかったがためにこれ書いたところあるから少しもったいないんだけど、ひとつ開示しておくよ。αとΩがヒート状態で同室になったとしても、君たちの思っていることはたぶん起きない。この時点で予測されたらたまったものじゃないし……今回あんな感じで処理したのはラウダが『β』だからだ。例えばあそこにいるのがシャディクだったら……いやまあ、POW判定に成功してるから、まあ何も起きないんだけど。うーん……どうやって、説明すればいいかな?ヒート表を見れば、もしかしたら何かわかるかもしれないし、わからないかもしれないね」

    スレッタ「だからほんとにピンポイントで狙撃されてびっくりしてるんですよね。もうっ、グエルさん、真面目に早く合流してくださいよ!」

    エラン「あ、具体的に何が起きるかは、実際に起きるまで伏せさせてね。割と答えはいっちゃった気もするけど」

    グエル「待て。え?なんだ?何が……起こるというんだ?」

    ミオリネ「これほんとにオメガバースシナリオ?これほんとにオメガバースシナリオ??」

    シャディク「狼の耳じゃなくてわざわざ『ラズベリーの香り』と『毒』と『鱗』が出てきたあたりでなんとなくそんな気はしていたけどさあ……これ色ボケシナリオの皮を被った別の何かだよね?」

    ラウダ「β『だから』ああなったの?じゃあα選択した方がよかったの……?いやでもαもαで色々大変そうだし……」

  • 110二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 22:54:04

    (今読んだんですけど最初のミオリネSAN値チェック時のアイデアが1 d100じゃなくて1 d10になってるなって)

  • 111二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 22:59:57

    スレッタ「ただいま戻りました」

    ミオリネ「なにしてたの?」

    スレッタ「ミオリネさんとシャディクさんの組み合わせは裏処理が楽でいいですね」

    シャディク「何の話??」

    スレッタ「さて。王宮の探索ですよね。行ける場所は【禁書庫】【騎士団宿舎】【スレッタの部屋】【地下】ですよ。さて、どこに行きますか?」

    ミオリネ「待って。その前に、スレッタに聞きたいことがある」


    「どうしてこんなものを開発したの?」

     ミオリネはふと、懐から瓶を取り出した。

     黒い粉の入った瓶だ。例の、飲むとΩになる、という。スレッタは「ああ」と言って、口許を押さえて笑った。

    「魔法使いは、国にとって有用です。魔法の資質というのもそうですが、やはり生殖能力が高いから。産めよ殖やせよ地に満ちよ。人口を増やし、国を発展させるために、彼等の力は必要なのですよ」

    「……へえ」

     ミオリネは閉口した。それから光に透かして、瓶を見てみる。

     今これを飲んで外に出れば、間違いなく暴徒と化した『魔女狩り』集団によって殺されるだろう。すっと、腕を下ろす。死にたくは、ない。だから、やめておいた方がいい。そういうことにしておこう。

    「ここまで、です。私は少しお仕事がありますので、【地下】に向かいますね。王宮の中は好きに見て回っていただいて構いませんよ」

     スレッタはそう言って、二人から走り去っていく。その項には、やはりきらきらとした__無色透明な、鱗があった。

    行先はdice1d4=2 (2)

    1:禁書庫

    2:騎士団宿舎

    3:スレッタの部屋

    4:地下

  • 112二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 23:14:40

    >>110

    スレッタ「……みなかったことにしてください!」

    エラン「今から一日目までさかのぼってやりなおすというのも大変だからね。ガバガバキーパリングでごめんね」

    ミオリネ「パッションで卓を回してる……」


     騎士団宿舎に入ると、どうやら人は出払っているようだった。見える範囲に座っているのは、穏やかそうな雰囲気の少女だ。ただし、今はかなり怯えているらしい。ミオリネが「ねえ」と接近したところで、ようやくその存在に気づいた。

    「あ、……えっと、ごめんなさい、いま、みんな、みまわり、の、治安維持のために。外、出てて……私しかいないんです……」

    「あんたは?」

    「わ、私は……その。魔女、Ω、だから。ここに残って、いるようにと。……他のひと、アリヤ先輩たちは、魔法学校に避難できたけれど、わた、私は、……にげおくれちゃって……」

    「……怖かったわね。名前は?」

    「りり、け、です。リリッケ・カドカ・リパティ」

    「リリッケね。うちで保護と護送用の人が手配できないか、試してみる」

     ミオリネがそうっと、リリッケの肩を撫でる。その様子を見て、シャディクは一瞬、表情をなくした。

     彼女は魔女だ。殺さなければいけない。今すぐにでも。

     しかし、今この場で手にかけたら、ミオリネはどう思うだろう?

     それで、辛うじて、踏みとどまる。背に負った『ミカエリス』を握ろうとして、やめる。息を吸って、吐いて。優し気な、笑顔をつくってみせた。

    「ならあまり長い間僕たちと一緒にいない方がいいね。探索する場所は絞ろう。行けて一か所だ」

    「……ええ、そうね」

    dice1d3=3 (3)

    1:ミオリネ「何か武器はないかしら」ミオリネ幸運:dice1d100=64 (64) (40) シャディク幸運:dice1d100=3 (3) (55)

    2:シャディク「使えそうなものはない?」ミオリネ目星:dice1d100=100 (100) (70) シャディク目星:dice1d100=24 (24) (70)

    3:ミオリネ「……リリッケから話を聞きたい」シャディク「わかった。俺は落ち着きそうな音楽でも流しているね」ミオリネ言いくるめ:dice1d100=64 (64) (70) シャディク芸術(音楽):dice1d100=47 (47) (70)

    ミオリネヒート判定:dice1d100=53 (53) (20)

    ヒート表:dice1d5=2 (2)

    シャディクヒート判定:dice1d100=86 (86) (10)

    ヒート表:dice1d5=4 (4)

  • 113二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 23:27:47

    シャディク「こういう時はちゃんと成功するんだよね」

    ミオリネ「不満なの?」

    シャディク「いやあ……昨日の夜でればよかったのになあって……」

    ミオリネ「普通なら腐る技能がここぞとばかりに活かせてよかったじゃないの」


     シャディクの弾く穏やかなリュートと、ミオリネが傍でゆっくりと背を撫でていたおかげか、リリッケは少し、落ち着いたらしい。ゆっくりと、息を吐いて。それから「おかしいですよう」と、ぽつり、呟いた。

    「あんなの、おかしいです。教会には、よくいってたけれど……信徒に優しく、愛を惜しまない。皆やさしくて、……孤児院のこどもたちも、みんな、笑顔で……」

     そこで、リリッケが再び泣き出した。ミオリネは落ち着かせるために、「そうね」と穏やかに肯定した。リリッケはひとしきり泣いたあと、ぐす、とまぶたを拭い、小さな声で、尋ねるように言った。

    「きょ、教会が……軍を抱えているっていう噂は、本当なんですか?だとしたら、この魔女狩りは、その実験運用、なんじゃ……」

    「そんなわけない」

     シャディクが低く言う。

     一瞬、リリッケが驚いたように肩をびくつかせた。シャディクは再びリュートに手をかけて、ふわりと花開くように微笑む。

    「そんなわけないよ。変な嘘もあったものだね、忘れた方がいい」

     __そう、教会は、昔から軍を抱えている。

     『ドミニコス』という、特殊軍を。

     しかし魔女狩りは決して、実験でも演習でもなんでもない。魔女をすべて狩りつくすための、聖戦なのである。だからリリッケも殺さなければ。……ミオリネの家の馬車で護送されるのなら、そこを狙って襲撃すればいいだろうか?

    「……わたし、しにたく、ないです」

     リリッケが小さく呟く。

     それはできない相談だ、と言う代わりに、シャディクは微笑んだ。それからミオリネに目配せする。ミオリネはこくりと頷いた。

    「きっと、助ける。待っていてね、リリッケ」

    行先dice1d3=3 (3)

    1:禁書庫

    2:スレッタの部屋

    3:地下

  • 114二次元好きの匿名さん23/03/21(火) 23:37:47

    「あ。ミオリネさん、シャディクさん。来たんですね!」

     地下に降りれば、スレッタはすぐに見つかった。ふふふ、と笑って、近くの扉を指さす。

    「王様にワインを渡し行こうと思ったんです。あのお方は偏食だから、召し上がられないかもしれないけれど。王都でも人気の、『おいしい!リリス印の赤ワイン』です!あ、一つだけなら私の個人所有のがあるので、こっそりもっていってもいい、ですよ~……!」

    「へえ。そんなの入って来てたんだ」

    「はい!市場に行けば買えると思いますよ」

     シャディクは二人の考えを聞きながら、ぼんやり考えてみる。そういえば教会でも、このワインをよく買っていた。貯蔵がある、かもしれない。どちらにしても、度数が高くて甘めのこのワインは、恐怖を紛らわせるのに役立つだろう。

     それから、ゆっくりとあたりを見渡した。見えるものは、『ワインセラー』と『倉庫』、それから『洞窟のようなもの』だ。時間はたっぷりあるのだから、全部見て回ることはできるだろう。だが、どこから行くべきだろうか?


    ミオリネ「リ リ ス 印 の 赤 ワ イ ン」

    シャディク「ネタアイテムにしても黄の印の蜂蜜酒とかにしておけば?」

    スレッタ「えへ、えへへ……」

    ミオリネ「飲んだらどうせヒートトークン溜まるやつでしょ?知ってる」

    スレッタ「いえ、SAN値回復アイテムですよぅ!クトゥルフのもちものあるあるといえば度数の高いお酒ですからね(個人の感想です)!」

    シャディク「それはそれとしてヒートトークンは?」

    スレッタ「たまります」

    ミオリネ「正直でよろしい。……さあ、どこから行くか」

    dice1d3=1 (1)

    1:ミオリネ「ワインセラーで『リリス印の赤ワイン』を貰っていこうかな」

    2:シャディク「倉庫に何があるのか気になるよ」

    3:ミオリネ「……この徐にある『洞窟のようなもの』って、何?」

  • 115二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 00:24:28

    Ω種になる薬を反魔女狩り派のミオリネが持ってるのは安心…と思いきや
    シャディクが持ってるの知ってるのが怖い。
    のちのち障害になる人間に薬盛って魔女処分…とか考えない?大丈夫?

  • 116二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 00:33:53

    シャディクよ
    お前がその手のハンドアウト持ってる時は大体ろくなことにならんから
    早いとこどっかで目的変更踏んだ方がよくない?

  • 117二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 00:45:35

    あっシャディクが目的変更せざるを得ない冴えた方法思いついたけどンガング…
    続き楽しみにしてまーす

  • 118二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 07:08:42

    「これがそのワイン?」

    「みたいだね」

     二人はワインセラーにある瓶をひとつ手に取った。みっつの天使の名前が書かれた護符が提げられており、満月を象った意匠がほどこされているボトルである。ミオリネであれば、香りからしてそこまで上等なものではないが、気になるほどに粗悪なものでもない、ようするに『普通のワイン』であることがわかるだろう。

     スレッタが一本だけくれる、といっていたワインは、すぐにわかった。これを飲めば、多少恐怖が紛らわされるだろう。……あんなことがあったのだから、酒でも飲んでいないとやっていられない。と、無意識に脳がアルコールを求めているのかもしれない。

    「飲む?」

    「うーん……どうしよう?こんな昼から飲むのもどうかと思うし、夜まで待ってもいいとは思うけど」

    「そうね……」

     一人であけるには少し多い量である。二人で飲んでもいいかもしれないし、一人で全部飲んでもいい。

     ……どうする?


    スレッタ「具体的には『一人で飲む』なら飲んだ方は2d6のSAN回復と2のヒートトークンの追加。『二人で飲む』なら1d6のSAN回復と1のヒートトークンの追加。ただしこのSAN回復は、SAN値の初期値を越えて回復しません。また適度に泥酔RPしてくれればある程度SANcに色を付けますよ」

    ミオリネ「なるほど。……私、そこそこSAN値減ってるからのみたい、っていうのもあるのよね」

    シャディク「あー……7減ってるんだっけ?期待値が出ればちょうど全回復だね。できれば俺も回復したいけど……うーん、どうしようか?」

    dice1d3=1 (1)

    1:dice1d2=1 (1) (1:ミオリネ 2:シャディク)が一人で飲む

    2:二人で飲む

    3:飲まない

    次に行く場所はdice1d2=2 (2)

    1:倉庫

    2:謎の洞窟

  • 119二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 07:10:08

    ミオリネSAN回復値:dice2d6=5 2 (7)

    ミオリネヒートトークン:2→4

    ミオリネヒート判定:dice1d100=12 (12) (40)

    ヒート表:dice1d10=8 (8)

    ※ヒート判定成功の場合ワイン相手にするわけにもいかないのでシャディクが犠牲になります

  • 120二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 07:10:28

    (ヒート判定ダイスミス)

    dice1d5=2 (2)

  • 121二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 07:26:28

    ミオリネSAN値:33→40


     ミオリネが中身を飲むと、心地よい酔いがからだを包む。フルーティでさっぱりと飲みやすいのに、こくがあってうすぼけた感じはない。いつからかささくれだっていた胃に、ぽうと温かな火が付いたようだった。つまみや水がなくても無理なく飲める味である。あたまが、ふわふわ、する。

     ふと、ミオリネは隣を見た。シャディクがいた。ぱちぱち。数度、瞬きをする。なんだか、気になる。こちらに微笑みかけてくる愛らしい童顔に、ミオリネでもなんとか頑張れば抑え込めそうなほどの体躯。首を見れば喉仏が微かに出っ張っていて、ああ、ここからあの歌が溢れてくるのか、と思うと、やけにどきどきしてくる。

     シャディクは「おいしい?それ」と言い、尋ねるように首を傾げた。

     ミオリネは答えることなく、くちのなかにいつの間にかたまっていた唾を飲みこんだ。

     そうして、半ば無意識に、手を伸ばして__

    「どうしたの、ミオリネ」

    「あ」

     血流によってほんの少しだけ色づいた指先が、シャディクの腕に触れる前に。ふっと、正気に戻った。

    「な、なんでもないわ。はやく先に進まないと。さっきの洞窟、何があるのかしら」

     白々しくそう言って、立ち上がる。シャディクは不思議そうな顔をして、すぐに後に続いた。

     今、ちょっと、冷静じゃなくなってた。

     ミオリネは自覚して、意識してゆっくりと深呼吸する。そうして洞窟に向かったところで。ふと。

    「こちらはだめですよ」

     呼び止められる。

     『王様』に会いに行ったはずのスレッタが、いつの間にか洞窟の奥に、ぼんやりと浮かび上がるようにして、立っていた。

     スレッタは、こちらに近寄ってくる。それからそうっと、二人の手を取って、微笑んだ。

    「こちらは、だめですよ。ミオリネさん、シャディクさん?」

     彼女はじいっと、こちらを見ていた。

    dice1d2=1 (1)

    1:ミオリネ「強行突破!強行突破しましょう!!」ミオリネ言いくるめ:dice1d100=95 (95) (70)

    2:シャディク「……わ、わかった。じゃあ、dice1d2=2 (2) (1:スレッタの部屋 2:禁書庫)に向かおうか」

  • 122二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 08:27:04

    スレッタ「わあ」

    シャディク「ほぼファンブルみたいな出目で失敗してるね」

    ミオリネ「こんな時に腐らないでよ出目!!」

    スレッタ「……そうですね。なら、ミオリネさんは、アルコールのせいで鼻がききづらいかもしれませんね。でもシャディクさんは、気づく。気づいてしまう」


     ぷん、と。

     どこからか、酷い悪臭が漂ってくる。

     シャディクは咄嗟に身構える。ミオリネは気付いていない。ほとんど無意識に、彼女を守るように一歩前にでた。ミオリネは一瞬訝しむような顔をするが、すぐに。気づく。そうして、

     __それが『何』なのか、二人は理解できなかった。

     目だ。高速でぎょろぎょろと動き、やがて二人の姿をとらえる。大きさはおよそ3mほどだ。タールでできたアメーバのような黒く伸縮性のあるゲル状の身体は、玉虫色にねばねばとしたかすかな光を放っていた。ぷつぶつ、そこから泡があふれて、弾ける度にちかちかと緑色に点滅する。塊には目玉と牙の生えた口がある。目玉と牙の生えた口がある。目玉のそばには口が、その反対側には口が、その左上には目玉が、その上には口が、そのすぐ右横には目玉が、その上と下と左右には目玉と口と上と目玉と口と目玉と目玉がある。それはゆっくり、ゆっくりと、こちらに近づいてきて、無数の口から、鈴を鳴らすような、奇妙な音、意志の感じない、悍ましい鳴き声をあげる。

     てけり・り。

     テケリ・リ!

    「もうっ、だめですよ、ショゴスさん!」

     スレッタは両手をこしにあて、怒るように頬を膨らませた。それからシャディクに近づくと、その首に提げられたペンダントを手に取り、掲げた。

     化けものはそれを見ると、見るからに怯えて、分裂する。そうして、どこかへ去って行った。スレッタは「またね」と親し気に手を振ったあと、二人に向きあう。

    「あの子、まだ門番としての教育がなってなくて……」

     あたかも当たり前であるかのようにそう話を続けて、スレッタはこまったように、ごくいつも通りに、笑いかけてくる。

    「……ごめんなさいね?」

     名状しがたき、玉虫色の悪臭。

     ショゴスとの接触だ。

    ミオリネSANc:dice1d100=4 (4) (40) dice1d4=3 (3) /dice1d8=8 (8) (※ワイン効果でちょっとSAN値減少が減っているよ)

    シャディクSANc:dice1d100=2 (2) (50) dice1d5=1 (1) dice1d10=1 (1)

  • 123二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 08:35:44

    極端すぎる

  • 124二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 09:37:33

    うわあ!いきなりCoCになった!

  • 125二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 11:26:56

    回復したのに減るSAN値

  • 126二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 13:09:06

    一瞬全部d10振ったのかと思ったけど何度見返してもd100だった

  • 127二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 14:00:34

    度数の高い酒…スピリタス…マッチ…うっ!頭が……!!

  • 128二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 15:35:19

    ミオリネSAN値:40→37

    シャディクSAN値:50→49


    「あ、れは?」

    「あれはショゴスのりりちゃんですよ~!」

    「……ライオンにも、蛇にも、鳥にも、見えない。あれはいったいどういう動物なの」

    「動物?……ううん、おっきくてつよいけど従順でかわいいですよ。いじめさえしなければ襲ってこないので、安心してくださいね」

     スレッタは微笑む。

     いつものように。

     それをみたミオリネとシャディクは、背筋を何か、うすら寒いものが走るのを感じた。


    スレッタ「??????」

    シャディク「その旧支配者のキャロル止めてこっちの君よ気高くあれ流してよ」

    ミオリネ「まあてけりりって鳴いてるしちっちゃい(当社比)し不定形でねとねとして可愛いし何か新しいマスコットか何かでしょ」

    スレッタ「ここ数少ないクトゥルフ要素だったんですけど!?神話生物と直接対峙っていうハラハラ☆イベントだったんですけど!?!?」

    シャディク「……で、水星ちゃんはショゴスと面識がある、それどころか操っているようにも思える、か。これ、やっぱり水星ちゃんや王宮というか、Ω自体が厄ネタっぽいね?魔女狩り完遂すれば、少なくともノーマルエンド以上にはなりそう」

    ミオリネ「わざわざ鱗の描写もあったし、ペンダントはマプローで、スレッタは深きものかしら。……いや、だとしたらペンダントじゃなくてブレスレットにするだろうし、そもそももっとSAN値減ってるわね。あら?なら『鱗』がHOに記載されてるαもやばいやつなのでは?」

    スレッタ「どうでしょうね?……ふふ、どうします?」

    シャディク「……とりあえず、情報共有しないと。ラウダにこのことを流しておかなきゃ……」

    ミオリネ「そうね。そろそろこの2PL×2状態から戻りたいし……でも、どうする?もう少しここを探索していってもいいわよね。あと【禁書庫】と【スレッタの部屋】に行けるわけだし……」

    dice1d4=2 (2)

    1:シャディク「……はやめに合流しようか」

    2:シャディク「dice1d2=2 (2) (1:禁書庫 2:スレッタの部屋)も探索しよう」

    3:シャディク「とりあえず倉庫だけ見ていく?」

    4:シャディク「水星ちゃん!言いくるめリベンジ!!」ミオリネ言いくるめ:dice1d100=59 (59) (70)

  • 129二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 15:51:19

    シャディク「水星ちゃん明らかに怪しいって。ちゃんと調べた方がいい」

    ミオリネ「……それもそっか。KP、私たちはスレッタの部屋に向かうわよ」

    スレッタ「わかりました!スレッタの部屋には鍵がかかっていません。中はどこか少女趣味なかわいいお部屋ですよ。【本棚】と【机】があります。それぞれ図書館と目星が振れますね、それと机を調べるなら追加でアイデアが振れますよ!」

    ミオリネ「おあつらえ向きに私は目星、シャディクは図書館持ってるわね。分担しましょうか」

    シャディク「水星ちゃんミオリネのアイデア僕が代理で振るのはだめ?」

    スレッタ「だめです」


    「あの生き物……生き物?って、なんだったのかしら」

     ふと、ミオリネが呟いた。

     シャディクは顔を上げる。それから少しだけ視線を逸らし「なんだろう」と小さく返す。……わからない。明らかに、シャディクの知る常識の中には存在しないナニカだった。目を閉じればいまでも、あのおぞましい姿が、悪夢のようによみがえる。テケリ・リという声が、聞こえてくる気がする。

     ……わからない、が。

     つまるところ教会は正しい。それを確信できたのは、収穫だ。目を開ける。微笑みをたたえる。Ωは、魔女は、そしてそれに与する存在は、全て殺すべきなのだ。そうだ、そうに決まってる。ゆっくりと息を吸って、吐いた。

     俺は間違っていない。

     思いながら、スレッタの部屋の本棚と向き合った。やけに普通の本が多いな、と思った。

    ミオリネ目星:dice1d100=77 (77) (70)

    ミオリネアイデア:dice1d100=34 (34) (60)

    シャディク図書館:dice1d100=20 (20) (70)

  • 130二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 15:59:47

    アイデアが成功しているのに…

  • 131二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 16:07:49

    ミオリネ「????」

    シャディク「反動だね」

    スレッタ「この君よ気高くあれもう止めていいですか??」

    ミオリネ「そんな……七割なのに……」

    シャディク「ミオリネ。七割というのはね、七割と書いてさんじゅっぱーせんとって読むんだよ」

    スレッタ「そうですね。それじゃあシャディクさんの処理からしましょうか」


     存外こうしてみると、普通の娯楽小説が多い。時間を越えて目的を達成するために戦いつづけるミステリ小説『探偵Lの献身』。巻き込まれ体質な衛兵と必ず何かしらはやらかす機械技師が手を組んで奇妙な事件を解決する冒険小説『夜明けの刻』。ダブルヒロインで注目を集めたサスペンス小説『種の魔女(全四巻)』。宗教団体の教祖とその儲、黒山羊の神とその巫女の恋愛小説『祝愛』。シャディクでも知っているほど有名で、気になるのはこのあたりだろうか。

     一冊なら持っていけそうだが、勝手に持っていくのも気が引ける。どうしようか? 考えた末にシャディクは、dice1d5=2 (2) (1:『探偵Lの献身』を手に取る 2:『夜明けの刻』を手に取る 3:『種の魔女dice1d4=1 (1) 巻』を手に取る 4:『祝愛』を手に取る 5:何も手に取らなかった)。

     一方そのころ。ミオリネは、あの化け物__ショゴスが脳裏を過ぎるからか、探索に集中できない。どの神も、等しく同じものに見えてしまう。嘆息する。そこでふっと、気づいた。

     大きさにしては、やけに引き出しが浅いのだ。

     そういえば『探偵Lの献身』には、二重底になっている引き出しが出てきた記憶がある。まさかね、とは思いながら、ゆっくりと叩いてみる。ぽてぽてとした鈍い音。下に、明らかに空洞がある。息をのむ。底板を、ゆっくりと外す。

     そこにあったのは、見ているだけで邪悪かつ、深遠で有害で仄暗いことがわかる、ぞっとする、おぞましい、不思議な書物。タイトルには、ミオリネも読める言語で、

     __『エイボンの書』と書かれていた。

  • 132二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 16:13:10

    探偵Lの献身ここにもあるんかーいさすがベストセラーやな
    夜明けの刻の元ネタはエランとボブかな?
    それはそうと明らかにやばい上にまたSAN値が減りそうなもんが出てきましたね…

  • 133二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 16:19:32

    シャディク「特定した」

    スレッタ「※今までのスレ参照 ですね。読んでなくても大丈夫ですよ」

    シャディク「何?ギャグアイテム??」

    スレッタ「渾身のほのぼの要素です。『夜明けの刻』はとっても読みやすくてかっこいいお話ですね。斜め読みでも十分楽しめますよ。鮮やかなアクションで次々敵を蹴散らしてく姿、兄弟思いの真ん中っ子、被害者体質の始まりであるボブさん……感動したシャディクさんはライフル技能に+10です」

    シャディク「あっきちんと効果あるんだ……他の本も何かあるのかな……?」

    ミオリネ「ねえシャディクの方と比べてこっち色々おかしくない??なんでこんなところに乱雑に置いてあるのよ 魔導書」

    スレッタ「持っていくこともできますよ。ただしこの場で読むのは少し難しいですね。持ち運ぶだけならSANcはいりませんが……読むならまあ、察してくださいね?」

    シャディク「エイボンの書ってどんな呪文があったっけ?」

    ミオリネ「アザトースの招来から空中浮遊までなんでもござれ。割とどんな呪文でも乗ってる、ネクロノミコンに次ぐ便利魔導書よ。書いてる人は『陽のセラエノ断章、陰のエイボンの書』ってよく言ってる」

    シャディク「終わりの倫理観だね」

    スレッタ「さて、どうしますか?特に宣言がないのであればスレッタの部屋に置いていくことになりますが」

    ミオリネ「そうね……dice1d2=2 (2) (1:私が持っていくわ 2:シャディク、持って行って)」

    シャディク「とりあえずこれで水星ちゃんの部屋はおしまいかな?これからどうする?」

    dice1d2=2 (2)

    1:ミオリネ「さっさと情報共有したい。合流優先ね」

    2:ミオリネ「ここまで来たら禁書庫も行くわよ」

  • 134二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 17:13:31

    ミオリネシャディクだけでなくしっかり自分もネタにしていたことが判明したスレッタ・マーキュリーさん

  • 135二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 17:14:13

    話の流れを素直に追ってると教会と王宮どっちも不穏な集団すぎる

  • 136二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 17:57:11

    ダイス次第で探索するから情報拾えないことも多かったけど、今回は結構しっかり探索してるな

  • 137二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 18:03:14

    シャディク「いいの?」

    ミオリネ「ええ。私SAN値低いから」

    シャディク「俺もだよ……うーん、ラウダにでも読ませようかな?俺たちの中だとぶっちぎりでSAN値高いし、あとなんかこう、多少何かあっても動じないっていう信頼がある」

    ミオリネ「具体的には最初からクライマックスが発生してもSAN値減少量3くらいで済みそうな貫禄あるわよね……それがいいんじゃない?じゃあ、本繋がりで禁書庫にも行きましょうか。何かあるかも」

    シャディク「そうだね。賛成」

    スレッタ「わかりました。それじゃあ禁書庫には、明らかに重要そうな書類がたくさん保存されています」


    「ここ、入ってよかったの?」

    「いいのよ。自由に見て回っていいって言ったのはスレッタなんだから」

     ミオリネはあの書物をシャディクに渡した後、真っ直ぐにこの部屋に向かってきた。ミオリネが足を踏み入れると、ひとりでにふわりと明かりがつく。ぐるりと、中を見回す。

     窓はない。日光による劣化を防ぐためだろうか。棚に近づいてみると、いわゆる「本」として製本されたものは少ないことがわかる。どちらかというと雑多な資料をまとめている、という印象が強い。奥には火気厳禁と書かれた張り紙がある。だからランプではなくて魔法の道具か何かで採光しているのだろう。

    「この本、なんなんだろうね」

     シャディクはふと、ぽつりと呟いた。

    「さあ?娯楽小説でないことだけは確かだけど」

    「水星ちゃんは怪しいよ。自己申告ではβみたいだけど、本当にそうなのか」

    「……だとしたら?」

    「魔女狩りを完遂させるのは、この国のためになるのかもしれない」

     ミオリネがすっと表情を消す。

     それから否定も肯定もせずに、ふいと視線を逸らした。

    「もしそうでも、あんなやり方をする必要はない」

    ミオリネ目星:dice1d100=45 (45) (70)

    シャディク図書館:dice1d100=91 (91) (70)

  • 138二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 18:25:20

    シャディク「?????」

    ミオリネ「私の出目がよくなるとシャディクの出目が悪くなる。シャディクの出目がよくなると私の出目が悪くなる。確率は収束する」

    スレッタ「えっああ……なら、そうですね。ミオリネさんはふと、紙に目を向けます」


     そこにあったのは、国の地図である。

     そういえば、正確な地図に関しては国家機密に指定されているんだっけ。思いながら、なにとはなしに見つめる。【時計塔】なんて、この国にあったのか。初めて知った。おそらく公共施設なのに、というか国のシンボルになりうる存在なのに、それでいいのか時計塔。内心でツッコミを入れながら、あちこち辿ってみる。

     図書館。教会。中央広場。住宅街。森。市場。港。__

     魔法学校?

     まるで隠されるようにして、それは森を越えた先、国の最北端に書かれていた。つまるところここに、今は魔女狩りの対象になっているΩたちが避難している、ということか。

     ミオリネは顔を上げる。シャディクはやけに、魔女狩りを進めたがっていた。この情報を共有したら、どうなるだろうか。最悪焼き討ちに行く、なんて言い出さないだろうか。……いや、さすがにそんなことはない、と信じたいが。

     ……考えた末に、この情報をdice1d2=1 (1) (1:共有する 2:共有しない)ことにした。

    「シャディク」

    「なあに?」

    「それそろ日も暮れてきたわ。帰りましょうか」

    「そうだね。……一度、ラウダたちと合流しよう。話さなきゃいけないことが、たくさんあるから」

  • 139二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 18:37:40

    シャディク「ふ~~~~ん……?なるほどね、魔法学校の場所、ね……?」

    ミオリネ「怖。……あ、スレッタ。先に宣言しておくわ。私は今日の夜、リリッケを魔法学校に送れるように、家のひとに案内と護衛を頼んでおく」

    スレッタ「わかりましたよ!……シャディクさんは、どうしますか?」

    シャディク「ラウダに魔導書の解読を断られたら、俺が読む。……もし快く引き受けてくれたら、ね?」

    スレッタ「おお、こわいこわい……そうですね。じゃあ、合流まで時間をとばしますよ~!」


    エラン「さて二人は森に残るね」

    グエル「ああ。……ラウダ。怖い話をしてもいいか?」

    ラウダ「やだ」

    グエル「Ωのヒート処理の話だ」

    ラウダ「やだ」

    グエル「Ωは何もしなくても行動するごとにヒートトークンが増える。αと行動するとさらに増える。ミオリネとシャディクは両方αなんだろう?というわけで今の状態であいつらと合流したら即刻ドカンだ」

    ラウダ「やだ」

    グエル「ついでに起爆すると周囲にヒートトークンばらまくから揃ってヒート状態。そうなった場合誰が止めるかわかるか?βのお前だラウダ」

    ラウダ「ねえやだっていってるよね!ラウダのCON見た!?4なんだけど!!SIZでも11なんだけど!?!?」

    グエル「というわけで抑制剤は、少なく見積もっても四つ以上予備が欲しい。おいエラン、慣れが入ったってことでラウダが見つけられる薬草の個数が増えないか?」

    エラン「……代用技能だから、補正をなくすだけにしておく。どうやって華々しく散るか考えておいてね」

    グエル「俺は散らん」

    ラウダ「そうだよ。散らせてたまるか」

    エラン「こちらはもうキャロルの準備はできてるんだよ」

    グエル「なんてBGM準備してるんだ」

    ラウダ「そんなの使うタイミングあるの?神話生物でも出てくるの??」

    グエル薬学:dice1d100=12 (12) (70) 見つけた個数:dice1d10=7 (7)

    ラウダ目星:dice1d100=57 (57) (70) 見つけた個数:dice1d5=1 (1)

    グエル薬学:dice1d100=56 (56) (70)

  • 140二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 18:47:29

    ラウダは1個しか見つけられない呪いでもかかってるのか?

  • 141二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 18:52:38

    エラン「おめでとう。グエルは抑制剤の予備を8個手に入れた。今までのを合わせると計9個だね」

    グエル「……これでシナリオ終了までもつか?」

    ラウダ「まだどれだけかかるかわからない以上、何とも言えない。ねえKP、推定プレイ時間はどれぐらいなの?」

    エラン「何もかもが噛み合ったら多分一時間も経たないうちに終わる。きちんと色々な要素を回収してハッピーエンドを目指すならそこそこ時間がかかるんじゃないかな」

    グエル「なるほど。じゃあ俺は抑制剤を一つ飲んでおく。あとは……一応、ミオリネとシャディクにも渡すべきか?いやでもそれしたら色々バレそうだしな……うーん、どうしよう」

    ラウダ「とりあえずそのあたりは合流してから考えようよ。……いや、そもそも合流するべきなのか?仮に兄さんが『魔女』だと知ったら、シャディクはまず確実に兄さんの命を狙ってくる、よね……となると、兄さんには隠れていてもらって、こちらで応対した方がいい?」

    グエル「問い詰められた時はどうする。結局俺が怪しまれるのでは?」

    ラウダ「そのときはがんばってごまかすよ」

    グエル「『ラウダがんばる』」

    エラン「実際にがんばってパッションでなんとかした前例があるから馬鹿にできない」

    グエル「あとはまあ、人が少ないところで合流する、というのも手だな。仮にバレた時、周囲の人間が暴徒と化したら逃げ切れる自信がない」

    ラウダ「でも、少なくともフェルシーとペトラは魔女狩りを怖がっていたよ。反対派もある程度はいるんじゃない?そういう人は、力になってくれるかも」

    エラン「……で、どうするのかな。向こうはもう合流する準備ができているみたいだけど」

    グエル「そうだな、それじゃあ……」

    dice1d3=3 (3)

    1:グエル「人の多いところで合流する」

    2:グエル「人の少ないところで合流する」

    3:グエル「ラウダに一任するぞ」

  • 142二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 19:16:56

     ラウダは万が一にも家に誰かが押し入ってこないように、窓や扉を封鎖しておく。唯一の玄関扉も、鍵がかけられるから安心だ。今日借りてきた本をグエルに手渡し、これでも読んでいてね、と言う。

     __仮にグエルが『魔女』なのだとすれば、一人で隔離しておくことが最適解なのだ。

    「じゃあ兄さんはおうちで待っててね」

    「ああ。……なんか、悪いな。食事は他の三人と食べてくるか?」

    「大丈夫だよ。すぐに帰ってくる」

     ぱたり。

     扉が閉まる。

    ????:dice1d100=37 (37) (??)


    「あ、ラウダ!なんだか一日しか会ってないのに、ずいぶん久しぶりな気がするわね」

    「うん。どうだった?」

    「色々あったよ。とりあえず、市場と図書館に行ってきた」

     三人は中央広場の近くで集まって、わいわいと今までの収穫を話す。先に口火を切ったのはミオリネだ。懐から黒い粉末を取り出して、「これは人をΩにする薬なんですって」と言う。

    「あと、スレッタが何か、こう……微妙に愛嬌がある感じの化け物を使役していた。王宮には何かあるとみて間違いなさそう」

    「それと、これ」

     シャディクは『エイボンの書』を取り出した。ラウダはそれを見て、顔を顰める。一瞬見ただけで、何か、ぞっとするものが全身を駆け巡るのがわかる。

    「……明らかに怪しい。ラウダ、解読しておいてくれる?」

    「なんで?シャディクがすれば?」

    「俺には別の仕事があるからね」

     ラウダはしばし考える。シャディクと協力関係にあることも、神具を借り受けていることも事実だ。だが、シャディクがグエルと敵対する可能性が非常に高いことも事実である。

     悩んだ末にラウダは、dice1d3=(1:本を受け取る 2:断ることにする)。

    「こっちでは、中央広場に化け物が出た、と言う話を聞いた。あとは図書館に『賢者様』がいるみたいだ。正直、収穫としてはそれぐらいかな」

    「ふうん。……ところで」

     そこでシャディクが、すっと目を細める。

    「グエルは?てっきり一緒だと思ってたんだけど」

    「家にいるよ。どうやら疲れちゃったみたい。今日は先に寝るって」

    「……」シャディク心理学:dice1d100=42 (42) (70)

  • 143二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 19:19:12

    エイボンの書行方ダイスミス:dice1d2=1 (1)

    (キャラシ見たらラウダも心理学持ってたのでこれ心理学対抗ロールですね。処理を間違えるガバガバKP!どっちにしても成功してるのでシャディクは嘘に気づくよ)

  • 144二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 19:45:25

    「わかった。解読しておくよ」

     ラウダは本を受け取った。内容は知りたいし、シャディクの手に『それ』があるのも少し怖い。ついでにできるだけ心証は稼いでおいた方が良い。

     そのまま、腕を引っ込めようとする。掴まれる。ギリギリと。痛む。ラウダはシャディクを睨む。シャディクは微笑み返す。

    「……離してくれるかな」

    「ラウダ、もう一度聞くよ。グエルは何故来ない」

    「さっき言ったよね、疲れて……」

    「それ、嘘だよね」

     ラウダが閉口する。

     ミオリネは「なにやってんの」と困ったような顔をした。シャディクは一瞬そちらにちらりと視線を向けると、取り出されたままの黒い粉を指さす。

    「今ここでお前にそれを飲ませて、魔女として教会に連れていくことだってできるんだよ」

    「……」

    「正直に話した方がいい。俺はお前と戦いたくはないんだ」


    シャディク「というかここで話してくれればラウダは魔導書の解読、俺は『仕事』!全部うまくいくんだよ!!」

    ラウダ「絶対無理!!!!」

    ミオリネ「……シャディクの『仕事』って何?まさかほんとに魔法学校に焼き討ちに行くつもり?」

    シャディク「そんなことないけどね。そんなことはないけどね!」

    ラウダ「あこれいくやつだ!……そうだ、話を逸らすわけじゃないけど、黒い粉?でバース性をΩに変更できるんだよね。ちょっと気になることがあって」

    ミオリネ「なに?」

    ラウダ「図書館で確認した感じ、魔法使いの使う『魔法』は薬学や医学関連だと思う。仮にΩになったら自動的にそれ関連の技能がある程度貰えるとかでもない限り、『魔法の適性』云々は嘘だってわかるよね。だから誰かで試してほしい」

    シャディク「本音は?」

    ラウダ「ここで死にたくない」

    ミオリネ「生にしがみついてる」

    dice1d3=1 (1)

    1:dice1d3=2 (2) (1:ミオリネ 2:シャディク 3:ラウダ)がこの場で飲む

    2:NPCの誰かに飲ませるために保留

    3:シャディク「……で?はぐらかさないでほしいなあ……」

  • 145二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 19:48:03

    おおっと

  • 146二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 19:49:56

    あらー
    今回のシャディク上手くいってると思ったらあらー

  • 147二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 19:55:36

    どうなっちゃうんだ目的変更ワンチャン?

  • 148二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 19:57:56

    盛り上がって参りました

  • 149二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 20:01:25

    スレッタ「……と、『探偵Lの献身』の内容はこんな感じですね!」

    グエル「大筋は例のアレと同じだな。でも最後、二重底の仕掛けの罠なんてあったか?」

    スレッタ「ふふ、どうでしょうね?……うん、どうしたんです、エランさん?……あ……はい、はいはい、なるほど……」

    グエル「どうした」

    スレッタ「グエルさん。突然散歩に行きたくなりませんか?抑制剤を持って」

    グエル「ほんとになにがあった!?」

    dice1d2=2 (2)

    1:グエル「……いやあ月がきれいな夜だな~、散歩シタイナー」

    2:グエル「ラウダに待ってるよう言われたし、やめておく」


    シャディク「待 っ て」

    ラウダ「冷静に考えればこれが最適解だ。飲んでよシャディク」

    ミオリネ「これでシャディクが魔女狩り云々の懸念点は解消される。飲みなさいシャディク」

    エラン「決定だね」

    シャディク「うあああ民主主義の闇!」

    ミオリネ「これが多数決の原理よ。もう少し言うなら女神のご意志よ。諦めなさいシャディク」

    エラン「それならシャディクが半ば無理矢理薬を飲まされた瞬間、シャディクの手首に、首にあった鱗が、剥がれ落ちていく。急速に、何かが造り変えられていく。おぞましい感覚。ぞっとする。というわけでシャディクはΩ種にバース変更、ついでにSAN減少1d10だ」

    シャディク「罠!!!!!」

    シャディクバース変更SAN減少:dice1d10=4 (4)


    【ΩHO】

    Ωは非常に特殊な性であり、抑制する方法こそあるが、暴走状態になることがある。それと引き換えに魔法への適性が高いとされ、『魔法学校』というところで魔法を教わる。卒業生は魔法を使って人を助けながら、人口を増やすよう指示される。

    あなたは以下を持つ。

    ×ヒート:貴方はシナリオ中何か行動する度にヒートトークンをひとつ得る。また、‪α‬種のキャラと行動を共にしている場合、さらに‪α‬種の人数*2のヒートトークンを得る。ヒートトークンの数に応じて様々なオメガバースあるあるなデメリットが起こる他、10貯まるとヒート状態となり、POW*3で判定して失敗した場合「とにかく子を産まなければ」という強迫観念に陥る。

    ※『魔法』関連の技能は手に入らない。また、貴方は【αHO】に書かれているメリット・デメリットをすべて喪失する。

  • 150二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 20:05:12

    ちょっと変な笑い出ちゃったよね

  • 151二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 20:05:50

    ただただ罠やんけ

  • 152二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 20:07:05

    面白すぎる

  • 153二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 20:08:12

    ダイスの女神様、本当にいい趣味してらっしゃる

  • 154二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 20:14:51

    グエル「いや、俺はもう眠る。……月が、きれいな夜だ」

    スレッタ「そうですねえ」

    グエル「ラウダ遅いな」

    スレッタ「そうですねえ……」


    シャディクSAN値:49→45

    シャディク「よし一時的狂気はないね!」

    エラン「うん。そうだね、お察しの通り目的変更だよ。どうぞ」

    『ここで自害しなければ、貴方はあなたの信じるものを裏切る結末になる。しかし、……何故か、まだ死にたくはないと、思ってしまう。貴方は現状目的が『存在しない』。貴方の目的は、『目的となる何か』を見つけることである。』

    シャディク「ど う し ろ と !?!?」

    エラン「あとミオリネと一緒に行動しているから加算されて……、シャディクの今のヒートトークンの数は4だよ」

    シャディク「あっ あうあ あ ……えっとね、ラウダ。魔法関連の情報は手に入らなかったよ。王宮の目的は『人口を増やす』の方で間違いない。魔法の適性がどうとかいうのは完全にでたらめだね」

    ミオリネ「なるほど。……王宮がかなり怪しくなってきたわね。明日以降、教会の方にも話を聞けるといいけど……」

    ラウダ「ああ。その場合シャディクは向かわせられなくなったことだし、ミオリネとラウダで向かおう」

    エラン「それと、ヒート判定がいるよね」

    シャディク「は?」

    ミオリネ「え」

    ラウダ「あ」

    エラン「Ωと行動を共にしたミオリネとラウダはヒートトークンを追加。ミオリネはこれでヒートトークンが5溜まったからヒート状態になる。しめやかにヒート判定、ついでにPOW*5を振ってね」

    シャディク「ミオリネ!ラウダ!ミオリネ!!」

    ミオリネ「そういえばワイン飲んでたから今のヒートトークン4つだったわね。忘れてたわ。てへ」

    ラウダ「がんばれ」

    シャディク「うあああああたすけて!!」

    ミオリネヒート判定:dice1d100=72 (72) (50)

    ミオリネヒート表:dice1d5=5 (5)

    ミオリネPOW判定:dice1d100=66 (66) (40)

  • 155二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 20:19:01

    ごめん笑いが止まらん
    まあ当面はミオリネと対立しなくてよさそうだからよかったんじゃないですか?

  • 156二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 20:20:12

    Ωになっても技能取得できないから現状グエルの薬学が生命線か
    あとαは深きものなのか?

  • 157二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 20:20:16

    不穏分子が除かれてしまったw

  • 158二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 20:33:07

    エラン「あ。ヒート判定は失敗だから、ヒート表のデメリットはないよ。それに伴ってPOW判定も適用されないね。……チッ……」
    ミオリネ「舌打ち漏れてるわよ」
    シャディク「よかった、よかった、たすかった……」
    ラウダ「気合いが足りてないよね」
    エラン「でも、そうだね。ミオリネ、君はいまこういう状態だ。これに従って行動してくれる?」
    ミオリネ「……わかった」
    シャディク「たすけて」
    ラウダ「シャディク、今何渡されたの……?」

    「……はっ、は、あ……?」
     ミオリネは胸を抱えて、うずくまる。口許を抑える。頬が、耳が、真っ赤に上気している。
     シャディクはぺたぺたと自身の首や手首を撫でる。ない。鱗がない。くちに触れる。牙がなくなっている。これでは噛み付くことはできないだろう。ラウダはその様子を呆れた様子で見やったあと、「じゃあ兄さん待ってるから」と言って踵を返した。
    「また明日このあたりで集合しようね」
    「待って!待ってラウダ!今この状態で置いてかないで!!」
     必死に手を伸ばす。ラウダはおよそCONが4だとは思えないスピードで走り去っていく。あの異母弟野郎裏切りやがったな!!
     恐る恐る、シャディクは振り返った。ミオリネの呼吸は荒い。飢えた獣でももう少しましなのではないかと思うほどだ。瞳孔が、割れたように縦に開いている。肩が、震えて、いる。
    「だ、……大丈夫?」
    「触らないで!」
     ミオリネはシャディクの手を振り払った。それから数度、肩で息をして、呼吸を整える。ぐるりと、踵を返す。
    「触らない、で。今のあんたと一緒にいたら、きっと酷いことをしてしまう」
    「……」
    「あたま、ひやしてくる。またあした」
     シャディクは目を見開いて、その後姿を見送った。
     魔女を殺さねばならぬのに『魔女』になって。ラウダは行ってしまって。からだが何故か、熱くて。……ミオリネに、手を、振り払われて。
     __シャディクにはもう、どうすればいいのか、わからなかった。

  • 159二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 20:40:29

    CON4でもDEXは18くらいありそうなラウダ

  • 160二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 20:42:44

    一番過激思想な奴が牙抜かれちゃった…
    教会も王宮もうさんくさいからこのまま4人で第三勢力になって敵をぶっ飛ばしていこうぜ!!

    ところでリリッケちゃんまだ大丈夫だよね?

  • 161二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 20:47:44

    異母弟野郎(笑)

  • 162二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 20:50:04

    この世界でも異母弟なのかな
    それはそうと縦瞳孔ミオリネはかなりイイと思います!

  • 163二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 21:19:45

    シャディクが例の温室入室拒否顔してるところが目に浮かぶ…

  • 164二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 21:30:59

    異母弟野郎⇔養子野郎

  • 165二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 21:38:52

    「ただいま」

    「おかえり。遅かったな、ご飯食べるか?」

    「うん。ラズベリージャムはダメだよ」

    「もちろんだ、もう危ないことはしないから……うん? その本はどうした?」

    「ちょっとね。抑制剤をふたつ、ちょうだい。ひとつは自分用、ひとつはミオリネ用……あ、明日ミオリネと合流して教会に行ってくるよ。兄さんはシャディクと中央広場あたりを探索してきてほしいな」

    「え? シャディクは危険なんじゃなかったのか? 一緒にいると殺されるって……」

    「大丈夫だよ。シャディクはΩになったから」

    「……は???????」


    スレッタ「もらえる呪文は……こんなかんじ、ですよ~!」

    ラウダ「え?……このふたつだけ?」

    スレッタ「はい。一晩で読み切れる分でいうと、ここが落としどころかなと」

    ラウダ「使えそうなのもあるけど……アザトースの招来とかないの?」

    スレッタ「国をぶっ壊す用ですか?」

    ラウダ「もしくは門の創造とか」

    スレッタ「亡命用ですか???あ、魔導書読んだのでSANチェックしてくださいね」

    ラウダ「わかった……さて、これで何をするんだか……」

    ラウダ魔導書解読SANc:dice1d100=39 (39) (76) dice1d4=3 (3) /dice2d4=2 3 (5)

  • 166二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 21:47:27

    さらっととんでもないものをお呼びしようとするな
    前は阻止する側でしたよね??

  • 167二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 21:50:04

    スレッタ「SAN値硬いですね。ちょっと引きます」

    ラウダ「えへん」

    スレッタ「……私はグエルさんとシャディクさんの方の処理行きますので、あとはエランさんに任せますね」

    ラウダSAN値:76→73


    エラン「さて、翌日だね。行動する組み合わせはミオリネ・ラウダとグエル・シャディクでよかったかな」

    ミオリネ「エラン。……私は、シャディクと顔をあわせないように、細心の注意を払って、ラウダと合流する」

    ラウダ「おはよう。ミオリネ、いいニュースがあるよ。兄さんが『抑制剤』を作ってくれた。ヒートトークンー5だ、これでヒート状態を解除できる」

    ミオリネ「そんなのあったの!?……まあ、あるか。いただくわ」

    エラン「君たちは『教会』に向かうと言っていたけれど、行動に変更はない?」

    ミオリネ「場所はわかるし、万が一止められたら全力で言いくるめる」

    ラウダ「たのもしい」


    スレッタ「おはようございます!さて、どこに向かいますか?」

    グエル「本当に、何があったんだ。お前……」

    シャディク「俺が一番聞きたいんだけど!?」

    スレッタ「犠牲コンビネタを使いたいなあとは思ってましたけどこんな形で回収するとはおもってなくて笑いが止まりません」

    グエル「……とりあえず、選択肢は三つだ。フェルシーとペトラが言っていた【中央広場】を探索する、まだ行ってない【犠牲者の家】【魔法学校】【時計塔】のどこかに向かう、シャディクに抑制剤の作り方を教える……」

    シャディク「【教会】に向かう、というのは?」

    グエル「却下だ、十中百で殺される」

    シャディク「あはは、全く否定ができないな……」

    スレッタ「それで、どうしましょう」

    グエル「……どうする、シャディク?」

    dice1d3=2 (2)

    1:シャディク「中央広場を探索しよっか」

    2:シャディク「dice1d3=3 (3) に向かってみる?」

    3:シャディク「抑制剤の作り方を教えてほしいな」

  • 168二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 22:19:18

    スレッタ「わお。ないすちゃれんじですが、鍵がかかっていますね」

    グエル「鍵、か。どこかで拾えるのか?」

    シャディク「ちなみに壊せる?」

    スレッタ「……してもいいですよ?大きな音が出るでしょうけど」

    グエル「ブタ箱エンドか~~」

    シャディク「今の段階でブチ込まれるブタ箱ってもしかして:教会でしょ。うーん……時計塔の周りを調べられない?」

    スレッタ「できますよ!目星が振れます」

    グエル「わかった。……あ、お前、そろそろヒートトークンが溜まってきているだろう。抑制剤やるよ、飲め」

    シャディク「よくせいざい……そんなものが。反抑制剤もあるんだから、あるか。いただくよ」

    スレッタ「美しき師弟愛ですね」

    グエル「以降俺のことはグエル先輩と呼ぶように」

    シャディク「悪乗りやめて!!!!」


    「……お前は何を企んでいた?」

     不意に、グエルが切り出す。

     シャディクは俯いたまま、くちびるを噛む。それからふいと顔を逸らして、「魔女は殺すべきだと思っていただけだ」と呟いた。

    「魔女は人を惑わせる、残虐な魔法を持った、悪しき存在。……でも、わからなくなってしまった。あの邪悪な本を見て、きっと魔女はああいった術を使うものだと思っていたのに、今こうしてみても、何もわからない。かわったように、思えない」

    「魔法は練習しないと使えないんだ。俺だって最初は簡単な睡眠薬すら作れなかった。だが、今は見ただけである程度危険かそうでないかは判別できるようになった。……あのラズベリージャムだけはわからなかったが」

    「ラズベリージャム?」

    「ああ、市場で売ってた……既存の毒が入っているようには見えなかったんだが」

    「それは教会が持ってる反抑制剤だね。使うとΩかどうかがわかる」

    「教会は、新種の毒を開発している?あるいは……」

    「……さあね」

     ほんとうに、しらない。

     今まで知ろうともしなかったのだ。だけど突然叩きつけられて、シャディクは未だに、混乱している。

     ごくり、と受け取った薬を一気に飲み干した。くちの中に、つんと抜けるような青臭い味が広がった。

    グエルアイデア:dice1d100=41 (41) (70)

    シャディク目星:dice1d100=13 (13) (70)

  • 169二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 22:36:06

    「あれ?これは……」

     不意にシャディクは、地面に不自然に色が違う部分があることに気づいた。触れてみれば、すぐに気づく。ここの部分の草だけ、根が張っておらず、掘り返されたようになっているのだ。というよりは、上から覆い隠すように、土をかけられただけ。と言った方が、正しいかもしれない。

     しかし、何を?

     掘り返してみれば、王城でも見た、黒い板のようなものがあった。やはり何かを塞いでいるように見える。ただしやはり、鍵がかかって開かないようだ。その様子を見ていたグエルが、屈みこんで、腕を組んで呻り始めた。ひとしきり悩んだあと、「あ」と思いついたように指を立てる。

    「これと同じものを、森で見たことがある。薬草を採取している時に見つけたんだが……あれには確か、鍵がかかっていなかったな。何があるかわからなかったから、放置していた」

    「ということ?」

    「もしかしたらこの時計塔の中に、入れるかもしれない」

    「……試してみる価値は、ありそうだね」

     シャディクは立ち上がる。無意識に自分の腕を撫でる。……失ってしまったものは、あまりに大きい。見えはじめた世界が、あまりに広い。扉の中に閉じこもっていたら、決して見えなかった。見ようともしなかったであろうものだ。

     だがシャディクは連れ出されてしまった。強制的に、向き合わざるを得なくなった。この、『現実』に。

     風が頬を撫でる。

     光が差し込んできた。


    グエル「……このまま森に行くか。一応中央広場に行くという選択肢もあるが、それ以外は『また鍵がかかってますよ~』となったら困るから、やめておこう」

    シャディク「公共施設である魔法学校はわからないけれど、犠牲者の家は個人宅だもんね?……さあ、どっちに行こうかな……」

    スレッタ「どうします?」

    シャディク「じゃ、次はグエルが決めてよ」

    dice1d2=1 (1)

    1:グエル「わかった。森に行ってみよう」

    2:グエル「中央広場に行ってみるか」

  • 170二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 22:46:17

    グエル前回ポテンシャルのわりにポンコツダイス振りまくってた印象が強くて、ちゃんと生産的な出目出してるところ見ると「おお…」てなる

  • 171二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 22:53:48

    スレッタ「それではお二人は森に辿りつきましたよ。グエルさんは記憶をたどってあの黒い板を探します。存外すぐ、それは見つかるでしょう。中には下へと続くはしごがありますよ」

    グエル「降りるしかない、……か」

    シャディク「ここまで来たらね」

    スレッタ「……わかりました。でははしごを降りると、そこにあったのは__」


     そこは、古びた水路だった。

     ランプではない何かでできた明かりがあるが、薄暗い通路である。ある程度綺麗に整えられてはいるが、頻繁に整備がされている訳ではないだろう、というのは想像に難くない。石レンガの隙間は苔でびっしりと覆われている。カサカサと暗闇を歩く虫の気配、ざ、ざ、と流れる水の音。

     そして、時々響く、ゴウンゴウンと、何かが唸るような音。

     薄暗い通路はその見た目に反して実ににぎやかだった。あちこちに同じようにはしごがかけられている場所がある。うまくやれば、色々な場所にいけるだろう。

    「どうして、こんなものが……」

    「この音、なんなんだろうか」

    「わからない。……聞いたことがあるような気もするけど……」

    「……とにかく進むぞ。来た道を戻るようにすれば、きっと時計塔の真下に出られる」

    「できるの?」

    「当たり前だろう。俺を誰だと思っている、路地裏のまとめ役、侠客『ボブ様』だぞ」

     グエルは振り返り、ニイとどこか悪辣にすら見える笑みを浮かべる。シャディクは少し不安に思いながらも、ゆっくりと地下水路を進みだした。


    スレッタ「行きたい場所に辿りつけるかは幸運です!どちらかが成功すれば時計塔の真下に行けますよ。失敗してもどこかには辿りつきますけど、どこに辿りつくかまではわかりません。ファンブルで教会行きです」

    グエル「わかった。……大丈夫だ、俺は幸運の女神に愛されているからな」

    シャディク「幸運(40)でそんなに自慢げにしないでほしいな」

    グエル幸運:dice1d100=17 (17) (40)

    シャディク幸運:dice1d100=49 (49) (55)

    失敗時行先:dice1d8=3 (3)

  • 172二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 23:45:12

    正しい意味でのフラグ回収でよかったね

  • 173二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 00:33:02

    それぞれ幸運低いのに成功してるのえらい

  • 174二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 07:26:47

    スレッタ「偉いですね」

    グエル「ふふん。……だからその、ひとついいか?そのギャグパートの時に流れているBGMをやめてくれ」

    シャディク「水星ちゃんさあ……俺達のことなんだと思ってる?」

    スレッタ「PvPでことごとくファンブルを出し続けた狂儲とエランさんハーレム完成の立役者、でしょうか……」

    グエル「心底屈辱的」

    シャディク「なまじっか間違いでもないから否定できないんだよね~~~」


     二人がはしごを登ると、きちんと時計塔の内部に辿りつけたみたいだ。跳ね上げ扉を開錠すると、そこはどうやら、普通の家でいうところの玄関に近い場所らしい。煉瓦作りの壁に、小さな窓がある。ちらりと外を見やれば、遠くに住宅街が見えた。

    「本当についた。すごいね」

    「当たり前だろう。シャディク」

    「なに?」

     グエルはがちゃり、と入口の鍵を開ける。これでいつでも中に入れるはずだ。視線だけで後ろを見やって、一瞬、閉口する。それから低く、呟くように言った。

    「お前のことは信用してもいいんだな?」

    「……、」

    「ああ、違う……信用したいんだ。させてくれ」

    「わからないよ、そんなの……」

     シャディクは『ミカエリス』をぎゅっと握りしめる。

     もしいまここで、シャディクの身体に再び鱗が現れたならば、シャディクは間違いなくグエルを殺すだろう。しかし今は、それができない。……どうすれば、いい。

    「とりあえず今は、と、言ったら。だめかな」

    「……そうか」

     グエルはふいと目を逸らした。

    行先dice1d3=3 (3)

    1:倉庫

    2:機械室

    3:地下

  • 175二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 07:42:28

     地下へと降りる階段を進む。明かりは少なく、とても暗い。螺旋状になっている階段を、下へ、下へと、進んでいくと。

     __ざざん。ざざ、ん。

     徐々に波の音が響く。やがて明かりが見えて、最下部へと辿りついた。

     そこはどうやら、あの港から見えた海岸洞窟を利用してつくられた非常脱出口のようだ。天井を見れば、大きな卵型の容器のようなものが「ひとつ」ある。また、今しがた降りてきた階段付近に、よくわからない板を発見することができるだろう。黒いそれに触れれば、ウィンと音を立てて光り出した。そうして、ゆっくりと、天井の卵が降りてくる。

     中は存外広い。それでも基本は「ひとり」乗りだし、ぎゅうぎゅうに詰めて乗ったとしても乗ることができるのは「ふたり」までだろう。

    「……、」

    「グエル?」

    「これ……ここ、見てくれ……」

     板には次々と、その卵の説明だと思われるもの浮かんで消える。食料はどこにしまわれているか。どうやって操作するべきか。そして、

     『行先入力欄』。

     国の地図を一度見たことあるシャディクは、そこに表示されている地図は明らかに国のものではない、とわかるだろう。つまるところこれに乗れば、アスティカシア王国から脱出することができる。

     ふたりだけなら。

     ……どうしますか?


    グエル「意地が悪いな~~~」

    シャディク「ここでミオリネとラウダを置いて亡命することもできる、ってことか。さすがにしないけども」

    スレッタ「えへ。えへへ……ちなみに当然燃料は片道分しか入っていませんよ」

    グエル「意地が悪いな~~~~~~~」

    シャディク「あ、あ、あー……収穫、ではあるよね?」

    グエル「これ使うならまずもってPvPになるが」

    シャディク「……それはそう、だね」

    dice1d4=1 (1)

    1:グエル「倉庫にも行ってみるか」

    2:シャディク「機械室にも行ってみようよ」

    3:グエル「卵型の機体を調べてみるぞ」グエルアイデア:dice1d100=83 (83) (80) シャディクアイデア:dice1d100=67 (67) (80)

    4:シャディク「いったん帰って合流する?」

  • 176二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 13:04:27

    魔法知識ってつまり薬学や化学だから、身体が変わっただけじゃ使えないのも当然か
    この卵も脱出ポッドだろうし……

  • 177二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 14:59:28

     倉庫には雑多なものがたくさんつめこまれている。

     目につくのは大きな箱がいくつかだ。開ければ何か入っているかもしれないが、勝手に漁るのも気が引ける……とシャディクが尻込みしていると、グエルは何のためらいもなく箱をガンガン叩き始めた。

    「何やってるの!?」

    「だって俺『侠客』だぞ?」

    「何の免罪符!?!?」

    「路地裏の仕事はお手の物。こういうことには慣れている」

    「慣れないでよ解釈違いだよ!!!!」

     思いながらも、シャディクはそっと、箱を開ける。

     中には瓶がいくつか入っていた。ジャム瓶とワイン瓶だ。ワイン瓶には「おいしい!リリス印の赤ワイン」と書かれている。そしてジャム瓶の方には、教会のマークがしるされていた。

     ……非常に嫌な予感がする。

     ジャム瓶を手に取り、少しだけ蓋をあけ、恐る恐る嗅いでみた。ラズベリーの香りがする。蓋を閉じる。それはもう固く閉じる。そのままほとんど投げるようにして、箱の奥にしまい込む。

    「……見なかったことにしようか」

    「……ああ、そうだな」

     賢明な判断だった。

     身をもって知っていた。


    スレッタ「というわけで『ワイン』と『ジャム』を回収できますよ!ワインの効果は以前ミオリネさんが飲んでいたものと同じですね」

    グエル「……?何かあったのか」

    シャディク「あっあーあ……まあね……ジャム瓶は論外として、ワイン瓶は……dice1d3=2 (2) (1:グエルが持って行ってよ 2:俺が持っていくよ 3:おいていこうか)」

    スレッタ「それとは別に、『幸運』『目星』が振れますよ。それと、幸運で成功したらそのままアイデアも振ってくださいね」

    グエル「幸運はシャディクの方が高いな。俺は目星を振る」

    シャディク「わかった。さて、何が出てくるんだか……?」

    グエル目星:dice1d100=90 (90) (70)

    シャディク幸運:dice1d100=58 (58) (55)

    シャディクアイデア:die1d100= (80)

  • 178二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 15:22:14

    グエル「終わりじゃねえか!!!!!」

    シャディク「????????」

    スレッタ「ここに来るので運、使い果たしちゃいましたね……?」

    グエル「嘘だ、嘘だ、こんなの……幻だ……」

    シャディク「アイデアのダイス振るの失敗してるけど幸運失敗してるから意味ないね。はは、あはは……」

    スレッタ「なんかむしろ安心してきました」

    グエル「それ、どういう意味だ。スレッタ・マーキュリー……!」

    シャディク「え、えっと、赤ワインは俺が回収しておくよ。一番SAN値減ってるのは俺だし、……うん? ここで飲むという選択肢を出すのを忘れていたね。グエルはSAN値いくつ減ってる?」

    グエル「4だな。シャディクは……10か」

    シャディク「ああ、ヒートトークンが増える、というのはデメリットではあるけど……dice1d4=4 (4) (1:この場で飲むよ 2:グエルと分けて飲むよ 3:今日SAN値を減らしてくるであろうミオリネとラウダ用に取っておいてあげるかな 4:とりあえず持って帰ろう)」

    スレッタ「それで、どうします、か? あと行っていないところだと、機械室がありますよ」

    グエル「今帰ると時間的にはどんな感じだ?」

    スレッタ「森の方を通っていくのであれば、合流までに抑制剤をひとつ作る程度の時間は取れるとします。扉から出るのであれば、そうですね。……精神分析の時間が取れるとしましょう」

    シャディク「待ってグエル精神分析までもらってるの!?」

    グエル「条件付きだが『応急手当』『精神分析』が99、『薬学』が70だ。ただ、ヒートトークンが自動でたまる、戦闘関係には補正無し、と……生存に特化した能力だな」

    シャディク「あー……α種がダメージ増加と装甲、ついでに気絶ロール自動成功だったっけ。もうないけど……」

    グエル「……さて。どう動こうか……?」

    dice1d2=1 (1)

    1:シャディク「ここは探索を優先しよう。機械室に向かうよ」グエル目星:dice1d100=56 (56) (70) シャディク目星:dice1d100=2 (2) (70)

    2:シャディク「dice1d2=1 (1) (1:森 2:扉)を通って合流しようか」????:dice1d100=62 (62)

    グエルヒート判定:dice1d100=21 (21) (10)

    ヒート表:dice1d5=2 (2)

  • 179二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 15:52:57

    グエル「?????????」

    シャディク「どうして驚いたような顔をしているのかなあ?これぐらいできて当然のことだよね、『グエル先輩』」

    スレッタ「出目が荒ぶってますねぇ。あヒート判定の目標値間違えてますけどどっちにしても失敗してるのでこのまま続行しますね」

    グエル「おかしいだろシャディク!絶対何らかの不正をしている!!」

    シャディク「『運命』を引き寄せる『力』……かな……」

    スレッタ「さっき盛大に空振りしてたの見てましたからね。……わかりました、じゃあクリティカル効果は……」


     機械室に入ると、ぼおん、ぼおん、と低い振り子の音がする。

     グエルがなかを見回すと、予備の針をひとつ、見つけた。持ち上げてみる。かなり重い。どうやら純鉄製であるようだ。持ち歩けばかなり目立つだろうが、頑張れば槍の代わりとして振り回せるかもしれない。もちろん刃があるわけではないので、どちらかというと重量や勢いで叩き斬る感覚になるだろうし、使うのに多少コツは必要だろうが。

     しばらく考えた末、グエルは時計の針を持っていくことにする。武器があるに越したことはない。それに、それ以外の何かとしても使える、かもしれない。最悪鋳潰して換金することもできるだろう。

     と、考えていると、シャディクがはっとしたような顔で何かを見ていた。グエルが近づいてみると、そこには薬瓶がdice1d3=3 (3) 個ある。色、見た目。かなり見覚えのあるものだ。瓶を開け、においを嗅いでみる。……青いにおい、これは。

    「抑制剤、か?」

    「みたいだね。何故こんなところにあるのかまではわからないけど……あ、グエル、そろそろきつくなってきたんじゃない?飲んでおいたら?」

    「わかった。頂こう」

     グエルは瓶の中を口に含み、簡単に味と粘度を確かめる。間違いない。飲み干す。熱が、すうっと引いていく。……しかしなぜ、こんなところに?

     ……まあいいか。

     思いながら、ふと窓の外を見やる。そろそろミオリネ・ラウダと集合しなければならない時間だ。「行くか」と言って、二人は時計塔をあとにした。

    dice1d2=1 (1)

    1:シャディク「地下水路を通って出るよ」シャディク幸運:dice1d100=44 (44) (55)

    2:グエル「扉から外に出るか」グエル幸運:dice1d100=98 (98) (45)

    シャディクヒート判定:dice1d100=89 (89) (20)

    ヒート表:dice1d5=5 (5)

  • 180二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 16:04:11

    振り幅デッカいダイス

  • 181二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 17:19:53

    2が選ばれてたらヤバくて草

  • 182二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 20:40:35

    「……」

    「ミオリネ? どうしたの?」

     ラウダは心配するような顔で、ずっと沈んだ顔をしたままのミオリネの様子をうかがう。彼女はこちらをちらりとすらも見ないまま「なんでもないわ」と低く呟いた。

    「教会に行けば、きっと何かわかる。……そのはずよ」

     教会は孤児院を兼ねており、週末になれば小さなチャリティーイベントも行うため、国民たちの憩いの場にもなっている。だが、今となっては、目を爛々と輝かせる信徒か、遠巻きに見ている人か、あるいは異質さを感じ取って怯える子どもか、と、いつになく異様な雰囲気となっていた。

     ラウダが門番に『シュバルゼッテ』__純銀製の大剣を見せると、彼は一瞬目を見開いた後、「どうぞ」といって二人を中に案内する。これで自由に探索ができそうだ。ミオリネはそれで、ようやく顔を上げて、「何?」と低く言った。

    「何、とは?」

    「どうしてあの人はラウダを通してくれたの。こんな状況で」

    「……単に少し、つながりがあるだけだよ」


    エラン「行ける場所は『懺悔室』『談話室』『厨房』『孤児院』だね。どこから行く?」

    ラウダ「どこからでも。ミオリネはどうしたい?」

    ミオリネ「明らかに怪しいのは懺悔室ね。ただ、他の場所も、気になると言えば気になる。さて、どう動くべきか。どれぐらいの時間をとれる?」

    エラン「すべて回る時間はあるよ。向こうはなんか大移動しているみたいだし」

    ラウダ「……兄さんとシャディク、何してるの……?」

    ミオリネ「さあ……?」

    dice1d4=2 (2)

    1:ミオリネ「まどろっこしいわね。さっさと本命いきましょ」

    2:ラウダ「情報収集がしたいよ。談話室に行ってみよう」

    3:ミオリネ「ワインが手に入るかもしれない。厨房にいきましょうか」

    4:ラウダ「孤児院って、何があるのかな?」

  • 183二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 20:51:58

     談話室。といっても、今は大方出払っているようだ。そこそこ広いはずの部屋には、今は五人の少女しかいない。彼女たちは二人が入ってきたのに気づくと、顔をあげて、「あっ、ミオリネ、ラウダ!」と目を輝かせた。

    「サビーナ、レネ、メイジー、イリーシャ、エナオ……何してるの?」

    「何って、魔女狩りのお手伝いだよお」

     メイジーが何の気も無しにそういって、何やら板のようなものを取り出した。サビーナが頷いて、その板の上、どういう原理なのか移動している光を指さす。

    「これは、遠見の宝玉と、知らせの石板。遠くにいても会話ができるし、どこにいるかわかる。実働部隊の中でも危険な場所に踏み込まなければならないものは、これを使って常に位置を知らせなければならない」

    「もし何時間も止まっているなら、危険かもしれないから連絡を取れ~ってワケ。もう、私だって戦闘したいのに~!」

     レネが足を投げ出した。エナオはこくりと頷く。「連絡を取れ」のほうに頷いたのか、「戦闘がしたい」の方に頷いたのかまではわからなかった。

    「へえ。教会の技術ってすごいのね」

    「私たちも全部を理解してるわけじゃありません。神具、と呼ばれています。教会にはもっといろんな神具があるんですよ。エランさんが使っている炎の杖も、神具のひとつですし……」

     『それ』も、と。

     言葉には出さず、イリーシャはラウダの手の大剣を見やった。


    ラウダ「GPS+通話機能、みたいな感じ?」

    エラン「その認識で間違っていないよ」

    ミオリネ「へえ。便利ね、言いくるめに成功すれば一つくらい借りていけない?」

    ラウダ「こっちも、信用がある。しかも教会関係者だってことはわかってるんだよね」

    エラン「RP次第ではあげるよ。とりあえず判定どうぞ」

    ミオリネ言いくるめ:dice1d100=53 (53) (70)

    ラウダ信用:dice1d100=74 (74) (70)

  • 184二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 21:06:56

    「今は、いないけど。私はシャディクと一緒に、この魔女狩り事件を追ってる。もしかしたら協力できるかもしれないわ、それ、ひとつ貸してくれない?」

     ミオリネは言い聞かせるように、ゆっくりと語り掛ける。イリーシャはやや困惑したようだった。エナオが「ミオリネ、これは……」と断るように首を振ったところで、サビーナが「許可する」と真っ直ぐに言い切る。

    「サビーナ、いいの?」

    「ミオリネはシャディクが『私たち』の関係者だと知っている。そうだな?」

    「ええ。シャディクと教会の関係、シャディクがやけに魔女狩りを推進しようとしていたこと、……考えればわかるわ」

    「協力してくれるのであれば。ただし、遠見の宝玉と知らせの石板を、1セットだけ。会話と言うよりは一方的に喋りかけるだけになる。それでもいいか?」

    「もちろんよ。感謝するわ」

     ミオリネは堂々とした態度で、それを受け取る。薄くてのひらに収まるサイズの石板には、この国のおよその地図が記されている。その、教会があるのであろうあたりに、赤い光が浮かんでいた。どうやらこちらの、耳飾りの形をした宝玉が動いた場所と連動して、この光が動く、らしい。試しに石板に語り掛けてみると、耳飾りの方から声が響いてきた。

    「これで、直接顔をあわせなくても情報共有ができるね」

    「ええ。情報共有というか、一方的に流すだけになっちゃうけど……」

     使い方によっては、相当便利なものだろう。

     二人は顔を見合わせて、頷いた。


    ミオリネ「思った以上にモロGPSね。ここ中世ヨーロッパでしょ?なんであるのよ」

    ラウダ「さあ……まあいいんじゃない?どうする、これ」

    ミオリネ「うーん……とりあえず今はどうしようもないから、dice1d2=2 (2) (1:私が預かっておく 2:ラウダが持ってて)。今日の情報共有タイムで、どちらかをグエル・シャディクに渡す、って感じになると思う。ただ、どうしても一方通行である関係上、難しくはなると思うけど……」

    ラウダ「うん。……それで、次はどこに行こうかな」

    dice1d3=3 (3)

    1:ミオリネ「懺悔室に行ってみる?」

    2:ラウダ「厨房に行ってみるかな」

    3:ミオリネ「孤児院に向かいましょう」

  • 185二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 21:25:33

    「あ!ラウダおにーちゃんだ~!」

    「ラウダおにーちゃん!!」

    「あそんで~!」

    「わあ!?」

     孤児院に入った瞬間、何人かの幼い子どもたちがラウダめがけて突撃してきた。ラウダは困ったような顔をして、「遊びに来てるわけじゃないんだけどな……」と呟く。

     ミオリネはその様子を見て、「知り合い?」と首を傾げた。ラウダが顔を上げて、ミオリネを伺い見る。

    「ああ。シャディクと会う時は、大抵ここを使っていたから。そうしたら、懐かれちゃって……うう、子どもの扱いは、あまり得意ではないんだけどな……」

    「ふうん」

    「あそんであそんで!」

    「シャディクおにーちゃんさいきん帰ってこないからつまんない~!」

    「おうた!おうたうたって!!」

    「え、えっとね、ラウダおにいさんは、おうたは、苦手だから……むり、かなあ……?」

     ラウダは屈みこんだまま、されるがままに頬をむにむにされ、手をにぎにぎされ、といっそ見事なまでにじゃれつかれている。ミオリネはその様子を見下ろして、ぱちぱちと瞬きをした。


    ミオリネ「何このイベント」

    エラン「正直にいうとシャディクとラウダが協力関係、あとラウダが教会関係者だってことのにおわせだよ。でもまあ、今回もうその辺の情報は出そろってるから……無意味にラウダが玩具にされただけだね」

    ラウダ「誠に遺憾」

    ミオリネ「遊ばれてるラウダを見たい気持ちもあるけど……早く次行きましょうか。次はdice1d2=2 (2) (1:懺悔室 2:厨房)かしら」

    エラン「……ついでにラウダは幸運振ってよ」

    ラウダ「え???」

    ラウダ幸運:dice1d100=99 (99) (80)

  • 186二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 21:27:30

    笑った

  • 187二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 21:28:14

    見事にダイスが荒ぶってますねぇ…

  • 188二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 21:35:26

    幸運でファンブルとは

  • 189二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 21:36:37

    「あ!おにーちゃんなんかもってる!ちょうだい~!」

    「えっあっそれは……」

     ラウダが持っていた遠見の宝玉が。ラウダが持っていた知らせの石板が。ついでにラウダが持っていたエイボンの書が。

     子どもたちによって見事に全部奪われる。

    「わ~!なにこれ!」

    「みみかざりきれ~~!」

    「すっごいよこの本!すごいよこの本冒涜的かつ名状しがたき邪悪かつ悍ましい印象があり手に取るだけで正気度が減っていく」

    「ああああ!え、えっとそれおにいちゃんにかえしてほしいな」

    「だめ~!これわたしの~!!」

    「ぴかぴか~~!!」

    「邪悪なる呪文、儀式、典礼の集大成、狂気を齎す禁断の書物、SANc1d4/2d4」

    「ねえ約一名正気失ってない?大丈夫なの??」

    「わかんないよおおお!たすけてよお、にいさあああん!!」


    エラン「ということでラウダは持ち物をすべて失った」

    ラウダ「?????????」

    ミオリネ「持ってるわね。持ってるものはなくなったけど」

    ラウダ「決して許してはならない」

    エラン「あっ、厨房にはリリス印の赤ワインとソースがあるだけだよ。持っていく?」

    ミオリネ「へえ。……ちなみにソースは?」

    エラン「血のように赤い」

    ラウダ「においは?」

    エラン「甘酸っぱい、ラズベリーのような香りがする」

    ミオリネ「……dice1d3=3 (3) (1:ワインだけ私が持ってく 2:ワインだけラウダが持ってって 3:おいていくわ)」

    エラン「わかった。……じゃあ」

    ラウダ「うん。まあ、やっぱ本命はここだよね」

    ミオリネ「行くしかない、……か。もう忘れ物もないはず」


    ミオリネ「懺悔室に行くわ」

  • 190二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 21:38:32

    全部はひどすぎて草
    ラウダ幸運高いのにな…

  • 191二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 21:39:08

    神話技能得てそうな子供がおりますねぇ…
    しかしいくつかのルートが閉ざされる音しなかった?だいじょぶ?

  • 192二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 21:51:50
  • 193二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 21:54:57

    乙です
    衝撃展開の多いPart1でした…

  • 194二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 22:09:49

    乙ー

  • 195二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 22:14:44

    乙です
    エイボンの書もっていった子供大丈夫かな…

  • 196二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 22:15:15

    乙です
    最近このスレを知って過去卓も全部見ました!とても面白くて続きが待ち遠しいです

  • 197二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 07:32:21

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オススメ

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