- 1二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 21:26:19
- 2二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 21:26:55
- 3二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 21:27:51
- 4二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 21:29:29
保守
- 5二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 21:30:48
スレ立てありがとうございます。
このスレは良質なSSやイラストの宝庫ですね
VS犠牲軸SSやドーナツホールもリキキリンのごとく首を長くしてまっています - 6二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 21:31:57
もうすぐアニポケも新章はいるし、パルデア出身のリコも詳細がわかったらこの概念にぶち込んでみたく……
- 7二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 21:32:28
- 8二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 22:11:34
保守
- 9二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 22:33:56
そうしたほうがいいでしょうね……
- 10二次元好きの匿名さん23/03/22(水) 22:35:08
- 11スレ立てた人23/03/22(水) 23:09:55
じゃあ次スレは>>190でお願いします
- 12二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 00:00:29
SS本編軸ハルトの手持ちに色テツノブジンいるのめっちゃ滾る
たぶんエリアゼロ調査中に出会ったんだろうけど、どういう経緯で仲間になったんだろうか
意志を持つ機械(?)なのステキ…… あっミライドンもいっしょやん - 13二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 07:13:09
ほしゅ、
- 14二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 15:34:07
ほしゅ
- 15二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 17:59:55
今更だけどミライドン2号は犠牲世界の2号だよね?
なんとかして仲良くなれないものか..... - 16二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 20:49:31
笛ラムネの過去、原作軸でもあったんだろうか
- 17二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 20:52:45
- 18二次元好きの匿名さん23/03/23(木) 20:56:05
ドーナツホールの方だ!!!!!!!
- 19二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 04:00:10
ほしゅ
- 20二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 07:06:27
SS読んでいく限り、犠牲軸ダカさんのイメソンがほんとにウタカタララバイでな……
わたしが やらなきゃ だから邪魔しないで お願い - 21二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 16:46:12
保守
- 22二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 17:58:48
英雄に鎮魂歌を。
残花の萼は枯れ落ちて、涙に濡れた根は腐る。
伝承はそれでも絶えなん、語り継ぐは異端の賢人。
曙光は照らす、荒れ果てた大地こそを。 - 23二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 17:59:26
グギャアァアアアア!!!!と咆哮が響き渡る。足元を電気が駆け巡り、エレキフィールドが展開された。ミライドンの特性、ハドロンエンジンである。どちらのミライドンのハドロンエンジンなのかは、この際誰も追及はしない。している暇も、ないのだが。
ドッ、と地面に"りゅうのはどう"が突き刺さる。そこは今さっきまでメブキジカが立っていた場所で、ミモザは2号と呼ばれたミライドンが口を開いた瞬間にその照準がメブキジカに向いていることを悟り、回避を命じた。地面に穴が穿たれ、その威力をまざまざと見せつける。あんなのが当たったらひとたまりもない。ミモザは思わず口角を上げて背中に冷や汗が伝うのを感じた。
「ムウマージ、アイツの肘目掛けてシャドーボール!!」
ナンジャモが叫ぶ。ムウマージは技の隙を狙い撃ちされぬよう、2号と呼ばれたミライドンの頭上を旋回し、逆さまの体勢からシャドーボールを撃つ。ミライドンの肘を狙って飛んでいくシャドーボールを、ミライドンはラスターカノンで相殺した。
流石に一筋縄ではいかないか。ナンジャモは乾いた笑いを浮かべてムウマージにマジカルフレイムを指示した。敢えてマジカルシャインにしないのは、マジカルフレイムの追加効果の特攻ダウンが本命だからだ。それを見たハルトはナンジャモの言外の提案を察し、テツノブジンにソウルクラッシュを命じた。
ヒュンッ、と薙刃が空を裂く音が聞こえる。テラスタルしたハルトのミライドンが、その音に合わせるようにマジカルシャインで2号と呼ばれたミライドンの視界を奪う。次の瞬間には、テツノブジンのソウルクラッシュがミライドンの左脚を薙いでいた。
「チャーレム、"れいとうパンチ"!!」
「メブキジカ、"じゃれつく"!!」
ミライドンの懐に飛び込んだチャーレムが"れいとうパンチ"で推進ブースターと化した右足を凍らせようと拳を撃ち抜く。メブキジカが蹄と角でミライドンの尻尾の付け根を引っ掻いた。2号と呼ばれたミライドンは不機嫌そうな表情で唸り、尾を振ってメブキジカを払い退ける。バックステップで直撃を躱したメブキジカと入れ違うように飛び出したニンフィアが至近距離からムーンフォースを発射した。 - 24二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 18:00:14
「かっっったいなあ!テラレイド結晶のテラスタルポケモン並みか!?」
「ちなみにさっきボクらが倒した怪獣みたいな奴も死ぬほどタフだったよ」
「よく倒せたな!?」
それは本当にそう。ナンジャモは声を張り上げるボタンに同意するように頷いた。正直ハルトが駆けつけなければやられていたのは確実にナンジャモだっただろう自信がある。そんな自信要らんわ。内心一人で突っ込んだ。
ハルトのミライドンがテラバーストを撃つ。テラスタルジュエルからエネルギーが溢れ、ミライドンの口を砲門として集束し発射される。2号と呼ばれたミライドンはそれを強引に回避しイナズマドライブで弧を描きながら突っ込んできた。
「テツノブジン、下に潜り込んでサイコカッター!」
ハルトの指示を受け取ったテツノブジンはスライディングで滑り込むようにしてミライドンの足元に飛び込み、掬い上げるようにサイコパワーを纏った薙刃を振り上げる。僅かにミライドンの軌道が逸れたところにチャーレムによるダメ押しの"しねんのずつき"が横腹に捩じ込まれた。
「ニンフィア、"でんこうせっか"で飛びつけ!」
ギュンッ、とニンフィアが光の速さでテラスタルジュエルを煌めかせながらミライドンの背中に飛び掛かる。しがみついた姿勢のままリボンの先にエネルギーを集中させる。ミライドンはニンフィアを振り落とそうと身体を捩りながら高速で低空を駆け回り、対するニンフィアは振り落とされてなるものかと可愛らしい外見とは裏腹に鋭い爪を立ててしがみついた。
ハルトのミライドンとミモザのメブキジカが、2号と呼ばれたミライドンの足のジェットエンジンに向かってそれぞれイナズマドライブとメガホーンを叩き込む。バランスを崩したミライドンはギャリギャリと地面に足を擦りながら滑った。しがみついていたニンフィアはここだ、とリボンの先に溜めていたエネルギーをゼロ距離から放出する。テラスタルジュエルのエネルギーで増幅されたそれは、ムーンフォースである。
ムーンフォースが弾けた衝撃で、ミライドンは前のめりに地面に叩きつけられる。ニンフィアは爆風で吹き飛ばされつつも空中でひらりと一回転して、ストン、と軽い足音と共に地面に着地した。 - 25二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 18:00:59
「グギャアァアアアアッス!!!!」
起き上がったミライドンは、怒りを覚えて咆哮する。ビリビリと轟音の衝撃がハルト達の皮膚を、骨を、内臓を震動させた。
「うわ、めっちゃ怒ってんじゃん」
「背中飛びつかれてほぼゼロ距離でテラスタル強化付きムーンフォース撃たれたらそりゃそうだよ」
軽口を叩かないとやってられない。ボタンは背負ったイーブイリュックからピッピ人形を取り出した。
「これ、流石に顔にぶつけたら動き一瞬でも止まらんかな」
「動き止める云々以前にボタン氏当てられるの?」
「……キハダ先生」
「任せろ」
話が早くて助かる。ボタンがノールックでキハダにピッピ人形を投げ渡した。受け取ったキハダは間髪入れずに走り出し、2号と呼ばれたミライドンに近付く。キハダにミライドンの攻撃が行かぬよう、ムウマージがシャドーボールでキハダに気付いたミライドンのラスターカノンを迎撃した。
大きくピッピ人形を握った手を振りかぶる。急停止の勢いでダンッ、と踏み込んだ足に体重をかけて、キハダは言語化できていない絶叫を上げてピッピ人形をミライドンの顔面目掛けて投げつけた。
ミライドンが左手で投げられたピッピ人形をはたき落とす。引っかかった爪が人形の布地を裂き、中の綿が飛び散った。
正直なところ半ば想定はしていた。この程度の小細工であの難敵強敵の足を止められるわけも無し。心の中で無惨な姿になったピッピ人形に黙祷を捧げたナンジャモが、しかし叫ぶ。
「ムウマージ、首根っこ目掛けてシャドーボール!!」
後ろに回り込んでいたムウマージが、ほんの一瞬とはいえピッピ人形に意識を割いた瞬間を射抜くようにシャドーボールを撃ち込んだ。グギャア、と呻くミライドンにハルトのミライドンがテラバーストで畳み掛ける。
グル、と2号と呼ばれたミライドンが唸る。ギロ、とハルトのミライドンを睨みつけたミライドンは、怒れるままに全身に電撃を走らせた。
「やっぱりミライドンに殴られると特に苛つくみたい」
ハルトは努めて冷静に言う。テツノブジンがハルトを護るように前に立ち、薙刃をクルリと手首で回して構えた。ハルトは表情を変えずに呟く。よし、もっと怒らせよ。 - 26二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 18:01:48
ハルトのミライドンが2号と呼ばれたミライドンに一気に接近する。"りゅうのはどう"で迎撃を貰うも、ニンフィアが間に割り込み受け止めた。フェアリータイプにドラゴンタイプの技は無効のため、ニンフィアには傷一つない。そのままハルトのミライドンは2号と呼ばれたミライドンの正しく目と鼻の先でマジカルシャインを放った。
2号と呼ばれたミライドンが明滅する電光モニターのような両目を抑えてのたうち回る。メブキジカがそれを抑え込むように全身で飛びかかり"じゃれつく"をぶつけた。動きの僅かに鈍ったところに、高く飛び上がったチャーレムが"かかとおとし"で強襲する。バキャ、という音が響いた。
「パラドックスポケモンってのは、こうも硬いものなのか!?さっきの怪獣といいこいつといい、これだけ殴ってなんで倒れないんだ!!」
「多分コイツが特別強い個体だから、だと思う……!ウチらがゼロラボで戦った時も、相当強かったし!」
「テラレイド結晶のポケモンがこんな感じに硬くなかったっけ」
「そっちは積み技使えばワンパンできるってネモが言ってたけど……」
「まあ確かにあの怪獣みたいなポケモンもトドメは"つるぎのまい"三積みテツノブジンのソウルクラッシュだったし……ア、ヤベ」
避けて、とナンジャモが声を張った。ボタン達は一斉に横へ跳ぶと、今さっきまで自分たちがいた場所にラスターカノンが穿たれるのを見た。ナンジャモが気付くのに遅れていたら大変なことになっていた、と息を飲む。
バチバチと2号と呼ばれたミライドンの身体を電気が覆う。ジェットエンジン状の足から推進エネルギーを噴射し、イナズマドライブでハルトのミライドンに突貫をかけた。
ゴウッ、と空気の壁を突き抜けるような突進に対し、ハルトは焦ることなくミライドンにテラバーストでの迎撃と回避を指示した。ハルトのミライドンはテラバーストで2号と呼ばれたミライドンのイナズマドライブの勢いを殺し、滑るように横に回り込んだ。
「あっ」
ハルトが少しだけ、マズった、という顔をする。ミライドンに躱されたイナズマドライブが、その先にあったアカデミーへ続く大階段の一部を大きく抉っていた。 - 27二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 18:02:55
当たってたらひとたまりもなかったな、と思うと同時に、今もおそらくグラウンドでライムと共にパラドックスポケモンの群れと戦っているはずの、此方側のネルケもといクラベルに申し訳なさを覚える。とはいえ、まだ校舎自体が損傷したわけではないだけマシなのかもしれない。地面にボコボコに穴の空いた惨状を鑑みて、ハルトはそう考えた。
ガラ、と崩れた大階段の一部から立つ土煙を払って、ミライドンがハルト達を睨む。ガパ、と口を開けて照準をハルトのミライドンに向けてエネルギーを集束させた。
「ミライドン、"りゅうのはど———"」
ハルトとミライドンが迎え撃とうとした、次の瞬間。
「———ハリテヤマ、インファイト」
ドゴッ、と横から飛び出して2号と呼ばれたミライドンの脇腹を殴打したのは。
「……っ!?こっちのキハダ先生!?」
「アギャッ!?」
俯いて、グローブの布地を突き破りそうなほど手を握りしめて、臼歯がすり減りかねないほど歯を食いしばる此方側のキハダは、此方側のミモザにその身体を支えられながらもミライドンを睨んで立っていた。 - 28二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 18:04:37
「もうやめてくれ」
掠れた声。此方側のミモザはハラハラと此方側のキハダに視線を向けている。正直ミモザから見て、いつ倒れてもおかしくなかったのだ。一時期酷く衰弱していたのを、なんとか短い時間で持ち直させただけだったので。
「リップが、目指すことを応援してくれた場所なんだ」
顔を上げる。コンシーラーでは隠しきれない隈のある目元が、複雑な感情で歪む。
「リップが、素敵な学校ね、って言ってたんだ……!」
だんだんと涙声になっていく。此方側のミモザがもういい、と此方側のキハダを止めようとする。ミモザはキハダに、あまり身体に負荷をかけないで欲しかった。それでもキハダは止まらない。
「リップが好きなパルデアを、これ以上無茶苦茶にしないでくれ!!!!」
遂には慟哭と共に叫んだ。ミライドンのラスターカノンの照準が此方側のキハダに向けられる。此方側のミモザは回復させたシビルドンのボールを構えて、キハダを守ろうとして———。
「そういうことなら、ボクも全力で助けるよ」
チャージビームと"みずのはどう"が、ラスターカノンを構えるミライドンの顎を撃ち抜いた。
「!?」
此方側のキハダとミモザが顔を攻撃が飛んできた方向へ向ける。その先にいたのは、ふわふわ空中を漂うムウマージと、ポヨポヨと上下に揺れるハラバリー。
その後ろで、トレードマークの一つのオーバーサイズのジャケットを脱ぎ捨てたナンジャモが立っていた。
「目の前にある思い出の場所を護ろう」
カツ、と一歩踏み出す。
「今必死で掴んで抱えられているものを大事にしよう」
ムウマージが笑うように鳴き、ハラバリーがピョンッ、と弾むように跳んだ。
「キミたちがやったこと、正直よくないことだけどさ。それでも今ここにある宝物を守るために頑張るのなら、ボク、力の限りお手伝いしちゃうぞ!」
右手にはテラスタルオーブ。ナンジャモの視線に応えるように、ムウマージが魔法使いが呪文を唱えるように鳴く。
「出でよ閃き豆電球ー!!勝利の発明、キュピピピーン!!」
高く投げられたテラスタルオーブが輝き、ムウマージに煌く雷光の力を与える。その頭上には、電気テラスタルジュエルが煌々と光を放っていた。 - 29二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 19:55:24
なんかいい感じの雰囲気になってるが、そもそもこんな事態になったのは犠牲ダカさんが自棄おこしてパラポケ呼び寄せちゃったからだし、そうなった根本を辿れば犠牲軸の面々が並行世界に攻め入って拉致誘拐を敢行したのが事の始まりなんで、つまるところ自業自得、因果応報でしかないと気づいてヴァ~~~~~~~~!!!
- 30二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 19:58:35
今ここにある宝物が危機に晒されてんのが自分たちの自業自得という……
- 31二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 20:02:52
- 32二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 21:15:23
これ以上宝物を傷つけられたくないって気持ちも犠牲軸の皆が辛い思いをしたからなのも分かるし、でも今宝物が傷ついてる原因の一つは自分達自身で生み出してるんだよって思う心がある~~!
- 33二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 22:28:44
エリアゼロ内に原種ポケと共生してるパラポケがいたり、そもそもハルトの手持ちにパラポケ(ミライドン、スカーフ付き色テツノブジン)がいたりと
パラポケをただの怪物じゃない、ちゃんとポケモンなんだって描写してるのマジでよき……
彼らともアカシアな絆が紡げるんだから……
ミライドンとテツノブジンの協力プレーすてき…… - 34二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 23:13:56
犠牲世界軸、自分たちの手であの日の惨劇を再現しちゃってるのが、もうね!!
- 35二次元好きの匿名さん23/03/24(金) 23:40:46
- 36二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 03:27:26
深夜テンションで並行世界の観測装置と演算装置が合体してガ○ダムみたいな変形ロボットになるとか益体もない妄想をしてしまった
関係ないけど、今のアカデミーに2号コライドンが乗り込んできて2号ミライドンと争い始めたらさらにヤバいことになりそうでは
ふと思ったんだけど、2号ミライがいるということは、この世界にも1号ミライいたりするんじゃないか……?? - 37二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 11:23:18
もうこんな詰んだ世界は捨てて、大切な人が生きてる並行世界に高飛びしちまおうぜ……
- 38二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 11:30:09
正直いってアカデミー校舎の損傷は避けられないと思ってるが、コルさんも多かれ少なかれ負傷者は出るって言ってたし
果たして戦いの行方は…… - 39二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 11:36:10
(いっそどっかの探偵映画ばりにド派手な大爆発が起きてもいいと思ってる()
- 40二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 12:06:39
- 41二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 12:10:37
レホール先生大激怒不可避
- 42二次元好きの匿名さん23/03/25(土) 22:18:20
一瞬とはいえパラポケの気を引いたピッピ人形に敬礼
- 43二次元好きの匿名さん23/03/26(日) 01:13:05
前スレのSSをちょいちょい読み返してるが、パラポケやぬしポケの残党のほかに悪の組織の残党も潜んでるって一文を見つけてしまって俺僕私
- 44二次元好きの匿名さん23/03/26(日) 08:54:49
- 45二次元好きの匿名さん23/03/26(日) 13:33:03
色テツノブジンのスカーフ、原作ゲームにおけるあかしみたいなもんじゃないかと思い始めた
〇〇な テツノブジン…… - 46二次元好きの匿名さん23/03/26(日) 13:48:28
ハルトと色テツノブジンがめっちゃ刺さってな……
ブジンくんマジ銀色の騎士 - 47二次元好きの匿名さん23/03/26(日) 19:51:33
逃げ遅れた人(アカデミー内に残ろうとした犠牲軸の先生か生徒でもありそう)を助ける為、爆発炎上するアカデミーに飛び込み、爆発する学び舎から逃げ遅れた人を救出してミライドンに乗って、ギリギリのところで脱出するハルトくん概念を受信したがこれもしかしなくてもポピギャルド並みのガッツでは???
- 48二次元好きの匿名さん23/03/26(日) 23:33:45
- 49二次元好きの匿名さん23/03/26(日) 23:37:55
民衆が混乱に陥ってるときこそ狙い時なんだぜ
- 50二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 10:44:13
ナンジャモかっこいいな
拉致されて閉じ込められた上にミナモに襲われたり散々な目に遭ってこのセリフ言えるのすごいと思う - 51二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 19:59:26
テラピース砕いた光で引き寄せられてきたパラポケ軍団、主にリーグとアカデミーに集中してるっぽいが、他のシティやタウンにも被害でてないか心配になる
犠牲ダカさんがピース砕いた位置関係的にセルクルやカラフも危ない気がする - 52二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 21:31:23
人の罪を濯ぐのは、人であれかし。
なれば大地の罪を濯ぐのは、何者であるべきやと。 - 53二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 21:32:10
煌々と三つのテラスタルジュエルが光り輝く。竜を冠するミライドンの傍に侍るのは、緑と黒のスカーフを靡かせる銀一色のテツノブジン。妖精を冠するニンフィアの脇を固めるチャーレムとメブキジカは、鋭い目つきで敵を見据える。雷光を冠するムウマージは嗤い、それに合わせるようにハラバリーが弾力のある身体を弾ませた。少し離れた場所に立つハリテヤマは、ギロ、と敵を睨みつける。
相対する2号と呼ばれたミライドンは、威圧するように唸り声を上げた。ハルトにはそれが、群れなければ戦う度胸もないくせにと嘲っているようにも聞こえ、やれやれと肩をすくめた。今からお前は、その群れなければ戦えない弱者に負けるんだぞ。ハルトの頭に敗北という概念は、今この瞬間においては存在しなかった。
「ニンフィア、"でんこうせっか"!!」
「メブキジカ、メガホーン!!」
先んじて、ボタンとミモザが動いた。ビュンッ、と音を置き去ってミライドンに肉薄したニンフィアは、ジェットエンジン状の足を踏み台にしてその背中に噛み付く。背中を噛まれたミライドンが身体を捩ってニンフィアを振り落とそうとしたところに、メブキジカがメガホーンで脇腹を突き刺した。その後に続くようにチャーレムが"しねんのずつき"でミライドンに向かって突っ込んでいき、それに対して2号と呼ばれたミライドンは"りゅうのはどう"で迎え撃った。
すんでのところでチャーレムは"りゅうのはどう"を横にステップして躱す。僅かに左肩を掠めたが、直撃には至らないだけ御の字である。そのチャーレムと入れ違うようにテツノブジンが薙刃を回転させてミライドンへ接近する。それに並走するのはドラゴンテラスタルジュエルを冠するハルトのミライドン。2号と呼ばれたミライドンが放ったラスターカノンをハルトのミライドンが"りゅうのはどう"で相殺し、テツノブジンがその衝撃で起きた爆風を突っ切ってソウルクラッシュで斬りかかった。
「グギャアス!!」
2号と呼ばれたミライドンは右手の爪でテツノブジンの薙刃を受け止める。バチバチと鉄の掌から火花が散り、一瞬均衡した。 - 54二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 21:33:23
「ムウマージ、アイツの腕にチャージビーム!!」
ナンジャモの指示する声に応えたムウマージは、レーザーのような速度で走る雷撃を発射し、テツノブジンと競り合うミライドンの腕を撃ち抜く。衝撃で弾かれた腕がジンジンと震えていた。テツノブジンは薙刃を振り抜くと、返す刀でサイコカッターで再度切り掛かる。ミライドンはラスターカノンでテツノブジンを突き飛ばそうとするが、上からチャーレムが"かかとおとし"で頭を蹴り落とし、斜め下からハリテヤマがストーンエッジを迫り上げ顎を撃ちつけた。その衝撃で閉じた口の中でエネルギーが暴発した。
「グルル……グゥギャアァアアアア」
口から煙を吐き出して、2号と呼ばれたミライドンが唸る。ハルトのミライドンを、ボタンのニンフィアを、ナンジャモのムウマージを順に見遣り、ミライドンは。
「———っは!?」
ボタンが思わず叫んだ。2号と呼ばれたミライドンの身体から高出力のエネルギーが放出される。そして、その身体を結晶が包み込んだ。
「グギャアァアアアアッス!!!!」
咆哮と共に飛び散る結晶。その先に現れたのは、電気テラスタルジュエルを頭上に冠したミライドン。ハルトたちは目を見開いた。
「テラスタルオーブも無しに自力でテラスタルした!?」
「野生のポケモンにも時々いるが、コイツもだったのか」
冷静に振る舞うキハダの頬に汗が伝う。恐ろしいことに、ミライドンのメインウェポンとも言えるイナズマドライブは電気タイプ。2号と呼ばれたミライドンのテラスタイプが電気である以上、その恩恵をしっかり受けられる。おまけにドラゴンタイプが消えたことで有効打を撃てるポケモンがハルトたちにはいなくなってしまった。勘弁してくれ。
「でも逆に言えばドラゴンタイプ複合だったから得ていた耐性も無くなってるよね!やっちゃえムウマージ!マジカルフレイム!!」
ナンジャモは前向きに捉えて、さっきまでは特攻ダウン目当てだったマジカルフレイムをダメージソースに据え直した。ミモザは心底ナンジャモの前向き思考が羨ましい。
メブキジカがウッドホーンでミライドンの尻尾の付け根をど突く。煩わしいと言うように振り抜かれた尻尾を上に跳躍して避けるも、半身で振り返ったミライドンの"らゅうのはどう"が直撃した。吹っ飛ばされたメブキジカを、ハラバリーとハリテヤマが二匹がかりで受け止める。 - 55二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 21:34:20
「ミライドン、テラバースト!!」
「チャーレム、下から突き上げるように"しねんのずつき"!!」
ハルトのミライドンがテラバーストを撃つ。それに隠れるようにして2号と呼ばれたミライドンの懐に飛び込んだチャーレムが、屈んだ状態から力を溜めて、飛び上がるようにして"しねんのずつき"をミライドンの腹に捩じ込んだ。ミライドンは左手でチャーレムを払い除け、ラスターカノンで追撃する。放たれたラスターカノンをハルトのミライドンがチャーレムを庇う形で受け止めた。
なんで倒れないんだ。ポケモンとして生き物として倒れておけ。本当にいい加減にしろよ、クソッタレ。内心でキハダは口汚く吐き捨てる。
「ナンジャモさん、チャージビーム何回撃ちました?」
ハルトがこそりと耳打ちする。ナンジャモは指折り数えて。
「二回」
端的にそう答えた。ハルトは少し考えて。
「後四回、ぼくたちでフォローするのでなんとか当てられます?」
「その心は」
「2号が"りゅうのはどう"かラスターカノンを撃つタイミングで、ムウマージのフルパワーシャドーボールを口の中に直接ぶつけて吹っ飛ばします」
「乗った」
即断即決、ナンジャモとハルトは存外にウマが合った。なにせ片方は光の速さでトレーナー初心者からチャンピオンランクに駆け上がったトンデモ逸材、片方は軽いノリとは裏腹にマジ過ぎる戦術で挑戦者を篩にかけるジムリーダーである。余談だが、ナンジャモのジムバトル配信を観たイッシュ出身のハルトのクラスメイトは「頭サブウェイかよ」と呟いていた。頭サブウェイって何。
「テツノブジン、ソウルクラッシュ!!」
「ハラバリー、"みずのはどう"!!ムウマージ、チャージビーム!!」
テツノブジンとハラバリーが左右に跳ぶ。テツノブジンは着地と同時にミライドンへ向かって跳躍、薙刃を振り抜きソウルクラッシュで斬りつける。ハラバリーはポヨンと着地の振動で腹の"へそダイナモ"を稼働させ、"みずのはどう"に一拍ずらした"ほうでん"を沿わせた。左右から挟み込むように攻撃を受けたミライドンは、イナズマドライブでまず接近戦を取るテツノブジンを殴りつけた。 - 56二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 21:35:16
「テツノブジン!!」
ハルトが叫ぶ。テツノブジンは地面に叩きつけられこそしたものの、上手く受け身は取れたらしい。痛みを振り切るように頭を横に振って、薙刃を支えに立ち上がった。顔だけ振り返って、まだ大丈夫、と空いた片手で親指を立てる。
針の穴を通すように、ムウマージのチャージビームがミライドンの後頭部を穿つ。ミライドンの意識がムウマージに向くより早く、ニンフィアが"でんこうせっか"で肩に飛びつき、またしてもゼロ距離からのムーンフォースをぶち込んだ。
ハルトのミライドンがムーンフォースで蹌踉めいた2号と呼ばれたミライドンにマジカルシャインで追撃する。目の眩んだミライドンにチャーレムが"れいとうパンチ"を、メブキジカがウッドホーンを叩き込む。ミライドンは横一線に"りゅうのはどう"を払うように撃ち、ハルトのミライドンたちを蹴散らした。技後の僅かな隙を逃さず、ムウマージはこの戦い四度目のチャージビームを撃ち、ニンフィアがしがみついているのとは反対側の肩を貫く。
「あと……っ、二回ィ!!」
腹から声を絞り出すナンジャモの口元は笑っていた。ウネルミナモとミライドン、立て続けに強敵と戦う羽目になったことで、普段ブレーキをかけていた勝利への渇望と貪欲な闘争心が首輪を引きちぎりつつあった。横目でその様子を伺ったハルトは、よかったと安心する。
愉しいのは、自分だけではなかった。
「テツノブジン、アイツの喉元目掛けてインファイト!!ミライドン、"りゅうのはどう"で注意を逸らして!!」
頬を僅かに紅潮させたハルトが叫ぶ。ネモやオモダカと本気のバトルをするのとはまた違う、ギリギリの戦いによる高揚感。重ね重ね、ポケモントレーナーは獰猛である。
ハルトのミライドンの"りゅうのはどう"が2号と呼ばれたミライドンの足元を抉る。それを鬱陶しがったところにテツノブジンが一気に踏み込み、掬い上げるように薙刃を振り上げインファイトで喉元を逆袈裟斬りにした。 - 57二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 21:35:55
ミライドンの悲鳴が上がる。ムウマージがそこを狙って五度目のチャージビームを当てて、ハラバリーが"みずのはどう"でヘイトを散らした。
ゴッ、と2号と呼ばれたミライドンがラスターカノンでテツノブジンを吹き飛ばした。相性の悪い技を受けたテツノブジンは地面を叩きつけられるように転がり、倒れ伏す。どうにか起き上がろうとはするものの、ダメージが大きいようで上手く力が入らないと見えた。
「テツノブジン、退がって!無茶しちゃダメだよ」
ハルトはテツノブジンのボールを向ける。テツノブジンは悔しそうに電光モニターのような眼を明滅させて、無念だ、と言うように下を向いて大人しくボールに戻った。
「ごめん!ちょっとみんなに負担増えるかも!!」
「気にしないでハルト!正直そんな変わらんし!!」
ボタンが努めて平静に返す。実際、テツノブジンの脱落自体は痛いものの、この状態では一匹二匹頭数が増減したところで変わらない。こっちの勝利条件は依然ナンジャモのフルパワームウマージによるシャドーボール爆撃だ。
「ハリテヤマ、ストーンエッジに乗って上に跳べ!!」
此方側のキハダがハリテヤマに出した指示に、えっ、と疑問符を浮かべたのは、ふらつくキハダの身体を支えていた此方側のミモザ。ハリテヤマの体重でストーンエッジに乗って跳ぶなど、現実的に考えて可能かと思考する。
当たり前だが、体重200オーバーのハリテヤマでは乗った側からストーンエッジの岩は潰れていくのだが、しかしハリテヤマは次々にストーンエッジで岩を出し、出した側から飛び移って高さを稼いでいく。なるほど、そういうやり方もあったのか。
十分な高さを稼ぎ、2号と呼ばれたミライドンの上を取る。 - 58二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 21:36:29
「ハリテヤマ、ヘビーボンバー!!」
ゴオッ、とハリテヤマの重量級の身体がミライドンの頭目掛けて落ちていく。ミライドンは口を真上に向けて開き、ラスターカノンで迎え撃った。ドォウッ、と技同士がぶつかり合い、煙幕が起きる。それを貫くように撃ち抜かれたのは、最後のチャージビーム。
「油断……大敵ィ!!」
ガキャアッ、とミライドンの側頭部をぶち抜いた。煙幕が晴れると同時に、ラスターカノンの直撃を受けたハリテヤマがドシンッ、と地面に俯せに落ちる。2号と呼ばれたミライドンは、いい加減にしろ、と怒りをぶちまけるような咆哮を上げた。
「いつでも行けるよ、ハルト氏!」
ナンジャモがギザ歯を全開にして親指を立てた。ハルトは口角を上げて歯を見せて笑い、頷く。
「ミライドン、テラバースト!!」
「ニンフィア、ムーンフォース!!」
ハルトとボタンが叫ぶ。ハルトのミライドンの、ボタンのニンフィアのテラスタルジュエルが煌々と光を放つ。2号と呼ばれたミライドンは、二匹の技を押し返そうとイナズマドライブを溜めて———。
「チャーレム、"しねんのずつき"!!」
背後からチャーレムの"しねんのずつき"の直撃を受け、溜めていた電気エネルギーが内側で爆ぜた。ジェットエンジン状の足の推進力噴射でチャーレムを吹き飛ばし、体勢を整えてラスターカノンで迎え撃とうと構えた時。
「今!!!!!」
短い命令、否、指示。それだけでムウマージはすべき事を実行するのは今この瞬間であると理解する。最大限に高めた特攻により、シャドーボールは通常の四倍の大きさと密度に膨れ上がっている。ギョンッ、と放たれたシャドーボールが、ラスターカノンを構えるミライドンの顎に直撃する。そして。
———ドゴォオオオオンッ!!!!
2号と呼ばれたミライドンの首から上が爆発した。そこに追い打ちをかけるように叩き込まれたテラバーストとムーンフォースにより、ミライドンは電光モニターのような眼を暗転させ、遂に倒れた。 - 59二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 21:36:59
数秒、ハルトもナンジャモも、ボタンたちも倒れたミライドンを見据える。倒れたフリをして油断したところを奇襲する可能性もなくはないからだ。そして、戦闘の名残も音も消えた頃。
「「〜〜〜〜〜っしゃオラァアアアイ!!!!」」
パァンッ、とハルトとナンジャモが奇声を上げてハイタッチを決めた。二人の奇行にボタンは一瞬ビビってキョドる。ハルトのミライドンはテラスタル状態が解かれ、ライドフォルムに戻ってアギャアギャと前脚を上げて喜びの舞を表現していた。
「……一先ず、校舎には被害が出ていなくて何よりだ。階段はもう諦めるとして」
「地面もなかなか酷いことになってるわね……瓦礫掃除大変そー」
キハダとミモザも胸を撫で下ろして、とりあえず一息つく。
ドシャリ、膝から崩れ落ちるようにして座り込んだ此方側のキハダは、掠れた声で。
「……もし、今みたいに……私がリップのところに助けに行けたなら、アイツを独りで戦わせなければ、何か変わったんだろうか」
偽りの希望と後悔と執着心で埋めていたはずの、胸に空いた穴がすっかり空になってしまった。そんなこと、誰にもわかるわけがないし、あの時はそんなことできようもなかった。此方側のミモザはそう言おうとして、ハッとする。してしまった。
ヤバい、ヤバい、ヤバいヤバいヤバい。
どうする、と考えるより先に身体が動いた。踏み出して、駆け出して、ナンジャモを突き飛ばして、そして。
———ドッ!
此方側のミモザの身体が飛んだ。突き飛ばされたナンジャモは目の前で起きたことが理解できなかった。此方側のミモザの身体が地面に無造作に転がる。ケホ、と一瞬咳き込んで、動かなくなった。ボタンがミモザの対角線上の先へ視線を向ける。そこにいたのは。
「なん……っ」
不自然に角ついた動きのテツノドクガと、頓珍漢な服装の不審者。不審者はボタンが自分の存在に気付いたと見るや、一目散に逃げ出す。何が何だかわからないが、ボタンはまずサンダースを出して追いかけさせた。 - 60二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 21:47:29
頓珍漢な服装の不審者……だと……?
- 61二次元好きの匿名さん23/03/27(月) 22:55:21
ハルト君、格好いい! こ れ は チャ ン ピ オ ン !!
と思ってたら、誰だテメー!!!??? - 62二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 07:06:46
親指たてるテツノブジンとか、前足で喜びの舞おどるアギャスとか
かわいい描写がうれしみ - 63二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 18:29:02
犠牲ダカさんが頑なに自分だけで罪を抱えて地獄へ落ちようとしているのは、チリポピやハッさんはもちろん、アカデミーの先生方とか巻き込んでしまった人に罪を被せたくない一心なのかな、と
ふと思った
まあ犠牲軸のハッさんもチリポピも、そして先生方も責任感つよい人が多いから自分で罪を背負いそうだけど…… - 64二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 18:47:48
オモダカさんを当時悩ませてた問題は山の如し
そこからやけっぱちになって放棄しても良かったんだけどそうはできないところがトップたる所以というかなんというか - 65二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 20:09:27
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- 66二次元好きの匿名さん23/03/28(火) 20:17:30
かくついた動きてもー! なんかパラポケを操れる?悪役っぽい技術もってるのがさー!!
……つまりこれからは不審者に犠牲世界軸の怒りが向かうって、こと!?
あ、これは死んだな - 67二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 01:33:19
不審者がこの事件に関わりあるなら犠牲軸からの殺意ヤバそうだな
- 68二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 07:06:48
パラポケ軍団が攻めてきてる原因のひとつに不審者が関わってるんじゃあ……
- 69二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 15:41:26
最後に出てきた不審者ってスター団と関係あるのかな?
- 70二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 17:46:24
密やかに忍び寄る悪意は死せず。
しかしそれさえ切られた尾ならば、果たして其れ等の成す事に価値は有らんか。
千切れた蔓に、糧なるものはあるか。 - 71二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 17:48:51
屋上へ飛び出して行ったポピーとアオキ、それを追いかけたチリを探して瓦礫の中を歩いていたコルサたちは、それを見て一瞬引き返そうかという考えが過った。しかしすぐに思い直して、視線で相談した結果カエデが問いかける。
「ええ〜っと?トップ〜、何なさってるんですか〜?」
「おや、カエデさんにコルサさん、ご無事でs「コルさん!!!!よくぞご無事でいらっしゃったですよ!!!!」うるs「ハッさんこそ!!無事で何よりだ!!」やかましいわ!!」
「トップ口が」
「おっと……んんっ、チリの喋り方が感染りました」
いつの間に此方に来ていらしたんですかこの人。そして何していらっしゃるんですか本当に。カエデはそれを確かめようとして、すぐに眼を逸らす。ちょっと見てはいけないものだったので。
そこにいたのはオモダカと、グルーシャと、ハッサクと、アオキのみ。屋上へ向かったはずのチリは。アオキと共に飛び出したはずのポピーは何処へ。
「あぁ、もしや此方の私をお探しで?残念ながらポピー共々まだ見つかってませんよ」
「別に此方のトップだけを探してたわけでもないんですけど……いや探してはいましたけど……なんでポピーちゃんもいないんですか」
「察してください」
ガリ、と眉間に人差し指を当てるオモダカの靴が何かを地面に擦り付けた。カエデは見なかった事にしていた足元のそれを眼を向ける。うわあ、と思わず声が出た。
オモダカたちに囲まれるようにして足蹴にされている、妙ちきりんな格好の三人組。よく見ればあちこち殴られたり蹴られたりした痕があるような気がして、カエデはちょっと頭を抱えたくなった。此方側のチリを抱えているのでできないが。残念。よく見れば、少し離れたところにパラドックスポケモンが何体か倒れているのがわかる。
「このひとたち、だれですの?」
遠慮気味に、此方側のポピーが訊ねる。ちょっと嫌な予感がしたが、聞かなければ多分話が進まないと思うので。それに答えたのはアオキだった。 - 72二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 17:49:42
「掻い摘んで言えば、此方の世界がこんな事になった元凶……の末端のようです」
そう言ってアオキはつまらなさそうにパキッ、と人差し指と親指で小さな機械のようなものを潰す。それを聞いた瞬間、コルサとカエデと此方側のポピーも脚での暴力に参戦した。スイッチがとてもわかりやすい。
「キサマらのせいでこんな事になってるのか。ふざけるなよ」
「厄介ごと起こすだけ起こして自分たちは甘〜い蜜を啜ろうとでも思ってらっしゃったんですか〜?肋骨へし折りますよこの野郎」
「あなたたちのせいで!!あなたたちのせいで!!かえせ!!おじちゃんたちをかえせ!!ジムリーダーのみんなをかえせ!!!!」
「皆さん一通り蹴ったら一旦止まってくださいね」
次々に口を突いて出る罵声怒号の合間に、オモダカの平静そのものの声が耳を通り抜ける。そんなことをしている場合じゃないし、カエデたちからしたら聞きたいこともいろいろあったが、それはそれとしてとりあえず八つ当たりはしておく。
ひとしきり蹴り倒して、一旦腹の虫が収まったカエデたちはハア、とため息を吐いた。
カエデのワナイダーの糸で三人組を拘束する。グルーシャがツンベアーを、アオキがウォーグルを、オモダカがドドゲザンを出して囲んだ。
「では、尋問を再開しましょうか」
にっこり、と効果音が鳴ってそうな笑顔でオモダカが告げる。ハッサクは内心、それ尋問ではなく脅迫ですよね、と呟いた。
「———アカデミーの平行世界観測装置の強奪及び占拠に六人、リーグの備蓄資材強奪に五人。……大穴に博士の研究資料の回収の為二人向かったが、つい一週間前に連絡が絶えた」
ワナイダーの糸で縛り上げられた三人の不審人物のうち一人が答える。その顔は追加で二、三発殴られたように腫れていた。
「なるほど……で、他には?」
グッと拳を握って笑顔で尋ねるオモダカの背後で、ドドゲザンが頭部の太刀を光らせた。取り囲むように位置取るグルーシャとアオキが凍てついた目線を向けている。 - 73二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 17:50:34
ポケモンたちは手を出さない。一切に。あくまで彼らの役目は威圧である。
不審者は悲鳴を上げて、本当にこれだけだと叫んだ。少し離れて見ていたカエデは本当かしら、と疑り深い目で不審者たちを睨みつける。此方側のポピーに至っては、ガルガルとルガルガンのように唸り声でも出そうなほど不審者たちを睨んでいた。
「まだ此方に二人も潜伏しているのですね。いかがなさいますですか、トップ」
まだ情報を強請ろうとするアオキとグルーシャを抑えつつ、ハッサクがオモダカに訊ねた。オモダカはふむ、と口元に手を添えて。
「探し出して締め上げてもいいのですが、なんでしょう、既にポピーがボコボコにしてそうな気がしまして……」
「あぁ……なんかわかりますですよ……」
「トップたちのそのポピーへのしんらいなんですの?」
「信頼というか前科というか、その、なんというか……」
カエデたちは全てを察した。特にコルサは流石ポピギャルドだ!と感心している。感心するな。コルサに連れてこられてそのまま流されるがままになっていた、此方側のハッサクだけが頭に疑問符を浮かべていた。気絶してたから仕方ない。仕方なくないだろ、頭突き喰らっただろお前。
「あの〜、それで聞きたいんですけど、チリさんは何処へ?あとリップさんとネモさん見てませんか〜?」
カエデがやっと聞きたかったことを口にした。アオキとポピーを追って屋上へ向かったはずのチリと、カエデに靴を押し付けてテツノイサハに向かって行ったリップと、その救援に向かったネモは。
「その三人なら、ネモさんがちょっと不穏な気付きをなさったのでエリアゼロに突入しています。実力的には心配無用ですし、ネモさんに関しては一度潜って帰還した経験もありますから大丈夫だとは思います……色んな意味でリップさんが不安ですが」
「それはそう」
お疲れ様ですトップ、とカエデは苦笑した。カエデに抱えられている此方側のチリも、眉尻を下げて目を伏せる。一人で未知のパラドックスポケモンに突撃かます人が何かやらかさないという信頼などない。 - 74二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 17:51:14
「それで、どうするんですかトップ。どっちにしろポピー探さないといけないけど」
不審者の一人の胸ぐらを掴んで揺するグルーシャが言う。わかった決めるからやめて差し上げろ。オモダカは若干頭のネジの外れかかっている人が多くないかと頭を抱えた。
「何はともあれ、ポピーと合流しましょう。おそらく此方の世界の私も一緒にいるはずですので、この状況を治めるためにもどうにか話を聞き出さないと……」
ふい、とオモダカが周囲を確認するように視線を回した時だった。
———ズガァン……ッ。
離れた場所から土煙が上がる。全員が音の方へ視線を向けた。
真っ先にオモダカが駆け出す。後に続くのはアオキとハッサク。一拍遅れてグルーシャと此方側のポピーが追いかけ、カエデは此方側のチリを落とさぬよう抱え直し、チリは回した腕にできる限り力を入れた。コルサは一旦此方側のハッサクから離していた手を再び繋ぎ、つんのめりかけたハッサクを気にかけつつ後を追いかけた。 - 75二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 19:54:59
SS続きあざます!!
悪の組織も並行世界関連の装置ねらってたか……悪用は色々できるもんね……
あ待って悪の組織が最後の悪あがきとして犠牲ダカさんに次ぐパラポケ侵攻よびよせたりしないか?
いまはジムリ全滅に加えリーグ本部もぶっ壊れて四天王やチャンピオンもボロボロだし、地方の実力者を一網打尽にするためとか…… - 76二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 21:35:47
ある意味めちゃくちゃタイミング良く新事実が発覚しましたね!
まぁ悪の組織?側からしたら最悪のタイミングでしょうが
ちゃんと償ってね?♡ - 77二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 23:22:58
まぁあのロープで拘束するわけにもいかないから手を繋ぐのは正解かもしれないねコルサさんとハッサクさん
どこの世界であろうと『ハッサク』を見捨てられないコルサさんVSよりにもよって『コルサ』に本心を見破られてしまった実は限界だったハッサクさんVSまたしても何も知らないハッサク先生 - 78二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 07:10:25
動けたら犠牲チリちゃんも悪の組織の制裁に参加したかっただろうな……
- 79二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 18:46:08
保守
- 80二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 18:47:23
ジムリ誘拐を敢行してしまった犠牲軸の面々も償わなきゃね……
- 81二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 19:51:40
これ犠牲ダカさんに説得&お説教いく感じか
犠牲ポピーちゃんは説得ロールクリティカル叩き出せたが、思いつめて突っ走ってるこちらはどう転ぶか…… - 82二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 19:56:10
犠牲軸のキハダ先生、このままだと騒動が終わった時に責任を取るといって教職を辞した後に虚無って行方くらましてしまいそうな雰囲気が……
- 83二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 22:01:30
このスレのループ概念とアニポケをコラボさせたら確実に劇場版になる(主人公はサトシとリコロイ希望)
ポケモンでループものは見たことなかったな……
夏はポケモン、今年の映画はこれで決まりだ!( - 84二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 23:03:16
- 85二次元好きの匿名さん23/03/31(金) 07:06:31
- 86二次元好きの匿名さん23/03/31(金) 07:12:19
- 87二次元好きの匿名さん23/03/31(金) 16:15:50
そもそもパラポケを呼び寄せちゃうようなテラピースをどこで手に入れたんですか?
それ、本当にテラピースですか? - 88二次元好きの匿名さん23/03/31(金) 17:24:12
犠牲軸のミモザ先生、養護教論の夢さえぶん投げる覚悟でジムリ奪還作戦に参加したんだろうか
今の彼女には、夢よりもずっとやりたいことが出来てしまったし、犠牲軸のキハダ先生が気がかりなのもあるし
「失くすよりキツいことを知った」とも言ってたから……
解釈違いだったら申し訳ないが、償いが終わったら、リップさんが生きている並行世界に高飛びしてそこで生きようとか言い出すルートもあるかも知れない(並行世界から連れてくるのがダメならこっちから押しかければいい的な)
友達に尋常でないショックを与えて亡くなってしまった犠牲軸リップさんへの、なんていうか、その、「そっちがその気なら、こっちもその気よ」って言いたい部分から来たのかもしれない
- 89二次元好きの匿名さん23/03/31(金) 17:40:57
悪の組織がパラポケを操る技術を有してるなら、パラポケ軍団を全員テラスタルさせて強化して再度大群で襲わせるみたいな、そんなダークライのナイトメアもかくやの展開があるんじゃないかと想像して心臓キュッってなった それはさすがにこわい
- 90二次元好きの匿名さん23/03/31(金) 18:03:21
前のスレにあった元主人公の手持ちの四災が守護神化する流れも大好きだけど、黒幕臭させながら四災にウッヒョーするレホール先生が見たくて書いてしまった
純度100%の妄想でお送りする前スレ65みたいなレホール先生SS
古の探究者 「これが最後か……」レホールは低い声で呟くと、目の前にある紫色の杭を見据えた。見渡す限りの大自然の中に埋められたそれは明らかに異質で、禍々しいオーラを纏っている。かつてパルでに存在していた王朝を一夜にして滅ぼした災いの宝物。そのうちの一つ、災いの木簡。それを封印している杭は、これが最後の一つだ。残りはすべて抜かれてしまった。
パラドックスポケモンたちの大暴走からどれほどたっただろうか。いまだに災害の爪痕は残るものの、町の機能は確実に回復しつつある。問題は人々の心だ。ジムリーダーの喪失は人々の心にいまだ暗い影を落としていた。特に関係者が多かったリーグやアカデミーではひどい状態だ。それも当然であるのだが、それだけではなかった。ただ失意の中にいるだけならまだしも、最近は何やら様子がおかしい。並行世界から彼らを取り戻そうというのだ。その議論が始まった時点で、レホールは反対の票をたたきつけてアカデミーを去った。あれは数人が反対したところで覆せない、‘‘歴史の流れ‘‘だ。
愚かな人間は同じ歴史を繰り返す。未曾有に見えたこの災害だってそうだ。災害に見舞われた人間が起こす行動などたかが知れてる。責任転換の虐殺、流…telegra.phこういうことをするのは初めてなので、不手際があったら申し訳ない
- 91二次元好きの匿名さん23/03/31(金) 18:18:55
- 92二次元好きの匿名さん23/03/31(金) 19:32:13
なんかスぺで災厄に対抗するためにレジ系めざめさせる展開があったのを思い出した……
パラポケ+四災とかパルデアがさらにヤバいことになりかねん!! - 93二次元好きの匿名さん23/03/31(金) 20:21:26
レホ先が四災を解放したとして、パラポケや悪の組織を鎮圧したら
次は四災をどうにかしなきゃいけなくなるのでは……??(連戦に次ぐ連戦) - 94二次元好きの匿名さん23/03/31(金) 23:10:39
レホール先生がGetしてくれたなら、大丈夫! ……きっと
- 95二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 00:56:01
- 96二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 09:38:06
- 97二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 10:27:34
- 98二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 13:11:35
枯れた大地に種を蒔くのは、誰かの心を想うもの。
種に水を与えるのは、誰かを偲び祈るもの。
咲いた花は、果たして去り行くもの達の魂なのか。 - 99二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 13:13:00
ウェーニバルのアイススピナーと、2号と推察されるコライドンのフレアドライブが激突する。あまりの熱に氷が溶けて、水を通り越して気体に昇華された。ネモは思わずキッツイな、と溢す。
ウェーニバルとコライドンがぶつかり合う背後で、チリはナマズンの"みらいよち"を仕掛けた。気付かれていないことを確認して、"ふぶき"で少しでも多くのダメージを狙う。間髪入れずに1号と思われるコライドンがウェーニバルと入れ替わるようにドラゴンクローを放った。2号と推察されるコライドンは、煩わしそうに吼えて"げきりん"の構えをとる。
「フラージェスちゃん、"あまえる"!!」
リップの指示が飛ぶ。フラージェスがコライドンに近付き、首元に擦り寄った。グル、と唸ったコライドンは膝をつきかけ、しかし頭を振って雑念を払う。腕を振り回してフラージェスを払い除け、アクセルドライブで1号と思われるコライドンに突撃した。
1号と思われるコライドンは落ち着いていた。かつてであれば、恐れをなして半端に回避行動を取り却って重傷を負う、ということになっていただろう。だが、しかし今は。
「コライドン!!」
ネモの声が聞こえる。同じだけれど別の人。彼女と、彼女が信頼する手練れが二人、コライドンと共に肩を並べて戦っている今。
———大丈夫だよ、コライドン。
優しい幻聴が聞こえる。背中を押される感覚がした。コライドンはキッ、と2号を見据える。三度目の敗北は、今この瞬間あり得ない———!
「アギャアァアアッス!!!!」
アクセルブレイクで迎え撃つ。ゴンッ、とぶつかり合った衝撃で近くに生えている木から葉が引きちぎられるように散った。一瞬、或いは永劫の均衡に競り勝ったのは。
「アギャギャッス!!」
頭を突き出して、相手を突き飛ばしたのは1号。押し負けた2号は仰け反り、身体を後方に滑らせてしかし、ブレーキをかけるように片足を踏み鳴らした。 - 100二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 13:13:58
負けてない、ネモにしてみればその事実があればいい。ミライドンがハルトと力を合わせて、ネモ達の声援を受けて2号を退けたように。コライドンもネモ達と力を合わせてこの強大な敵に打ち勝つことは不可能ではない。
ウェーニバルが2号に休む暇など与えないと、アクアステップで加速した状態でアイススピナーを放つ。纏った水は冷気で凍りつき、より大きな刃と成した。アイアンヘッドで迎え撃とうとする2号を、ナマズンが"だいちのちから"で、フラージェスが"はなふぶき"で妨害する。動きの鈍った2号の横っ面に、ウェーニバルのアイススピナーが直撃した。2号はグル、と唸って自分の顔を蹴り付けるウェーニバルの足を掴み、ぶん投げる。
「弱点タイプの技くらったんなら少しくらい怯めや、ポケモンとして!!」
チリが悪態を吐いた。ナマズンが"ふぶき"で2号の足元を凍り付かせる。踏ん張りが効かなくなった2号は煩わしそうにアクセルブレイクで凍った地面を砕きながら無理矢理飛び上がり、ナマズンへ突撃する。そこへ割って入ったフラージェスが、アクセルブレイクを受け止めた。
「フラージェスちゃん、ムーンフォース!!」
口角を上げたリップが叫ぶ。フラージェスは2号の身体を両手で掴み、逃さぬようにしてムーンフォースをゼロ距離で叩き込んだ。顔にモロ喰らった2号は思わず悶え、勢いよくフラージェスを投げ飛ばした。
1号が2号に肉薄する。ドラゴンクローで喉袋を狙い、しかし2号はそれを身を捩って躱した。1号は反撃される前に追撃のドラゴンクローを振り上げ、挟み込むように2号の後ろからナマズンが"だくりゅう"を放った。
「グルゥァアアアアア!!!!」
2号が咆哮する。ギラ、と両眼が紅い光を放つ。マズイ、と察知した時には1号の身体が突き飛ばされた。2号は後ろのナマズンには目もくれず、1号が飛ばされた方向にいるウェーニバルとフラージェスに向かって突撃する。
「"げきりん"ね、ネモちゃん下がって。フラージェスちゃん!!」
リップの指示でフラージェスが前に出る。フェアリータイプのフラージェスは、ドラゴン技である"げきりん"を無傷で受け止めた。 - 101二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 13:14:47
"げきりん"状態の2号はフラージェスを押し飛ばしてウェーニバルに向かって突き進む。そうはさせるかと、フラージェスはサイコキネシスで四肢を拘束した。
「振り切れるものなら振り切ってみなさい」
リップが嗤う。やっぱりメディア出演してる人がしていい顔じゃないんだよなあ、とネモとチリは場違いなことを考えた。
2号が吼える。拘束された脚を強引に動かして逃れようとする。動きの鈍くなった標的を前に、指を咥えて見ているお人好しはこの場にはいない。1号がアクセルブレイクで、ウェーニバルがアイススピナーで、ナマズンが"ふぶき"で一斉攻撃を敢行した。
ドンッ!!と2号の身体が吹き飛び岩壁に激突する。"げきりん"が切れた2号は悪運が強いのか、岩壁に激突した衝撃で本来混乱状態になるのを回避した。唸り声を上げて1号を、チリ達を睨む2号は、一瞬視線を近くに生えているテラスタル結晶に覆われた木に向けた。
ピリ、とリップが肌を刺す悪い予感を感じ取る。奴を今すぐにアソコから遠ざけなければ、とフラージェスにムーンフォースを命じた。ドウッと空気の壁を突き抜けるように放たれたムーンフォースは、2号のアイアンヘッドとぶつかり合って弾けて散る。リップは思わず舌打ちした。さっきまでとの温度差。
2号が結晶に覆われた木を尻尾の一振りで薙ぎ倒す。太めの枝を掴んで、そのまま結晶に覆われた幹に齧り付いた。
「げえっ!?」
チリはギョッとする。嫌な予感がして、背中を悪寒が駆け巡った。
2号の身体がビキビキと筋繊維を膨張させる。ギンッ、と目を見開いて唸り声を上げると、2号の身体からエネルギーの光が放出され、結晶に包まれた。
「グルゥァアアアアアォオオオオン!!!!」
結晶が弾け飛ぶ。頭上に冠するは格闘テラスタルジュエル。それを見たチリ達は戦慄した。
「野生のテラスタルポケモンと同じ!?」
「テラスタル結晶を食べてエネルギーを取り込んでるんだから、まあ、できてても不思議じゃないわね。メンドーだけど」
「ごちゃごちゃ言っとる場合ちゃうで!」
エリアゼロの不気味で異質で異常な明るさも、テラスタルの影響には負けるらしい。周囲一帯が2号のテラスタルによって光を失って薄暗くなる。 - 102二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 13:15:24
2号がテラスタルの恩恵を受けたアクセルドライブで、1号に向かって猛進する。ナマズンが勢いを殺そうと進行方向に"だいちのちから"を噴出させぶつける。ウェーニバルは"つばめがえし"で2号の脚を鋭く蹴りつけ、フラージェスはサイコキネシスで力を削ぎ落としにかかった。
ここまでしてなお、2号のアクセルブレイクの勢いは三分の一程しか削れない。テラスタルの恩恵があるとしても、威力がありすぎる。1号は意を決して、自身もアクセルブレイクで迎え撃った。
2号の頭上のテラスタルジュエルがエネルギーを発し、アクセルブレイクの威力を増幅する。1号は少しずつ力負けし、踏み締めた地面が電車道を作り始めた。押し負ける、1号が顔を顰めたその時。
「———油断大敵やコラクソボケェ!!!!」
チリが叫ぶ。2号の上からサイコパワーによる攻撃が降ってきた。ナマズンの仕掛けた"みらいよち"が今この瞬間に発動したのである。その衝撃で体勢を崩した2号を、1号は力任せに弾き飛ばした。
チリはボールからダグトリオとドンファンを出す。しゃがんで二匹に耳打ちすると、二匹は任せろと言うように頷いて何処かへ走り去った。
「さて、そんなら仕込みが終わるまで付き合ってもらおうやんけ。途中退席なんていけずなことしたら許さんからなあ!!」
チリが不敵に嗤う。熾烈を極める戦いは、まだ終わらない。 - 103二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 15:46:34
続ききてた!コライドンの中にある暖かい思い出と幻聴と…。別人だけど三度目の敗北はない!っていう気概がスカッとするなぁ!
みらいよちいつ来るいつ来る?って読み進めてて啖呵とともにぶち当たっていくのもカッコいいねぇチリちゃんっ - 104二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 16:49:58
そ、それもこれもよその世界に侵攻して他人の宝物を奪おうとした報いだから(震え声)
- 105二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 17:13:38
四災を従え高笑いしながら現れるレホール先生、どうみても黒幕にしか見えないです本当にありがとうございました
- 106二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 19:27:59
コライドーン!! 頑張ってぇぇぇぇぇ!!
- 107二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 19:35:43
チリちゃんとダグトリオとドンファンなにかしらの仕込みするっぽいが……
- 108二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 21:23:00
ホームウェイ組が帰ってこれなかったのも、エリアゼロの表層にポケモンがいなかったのも
悪の組織がいらん妨害したせいでは……などど邪推してしまった - 109二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 01:28:13
前スレでSS読み返してたら、
10スレでポピーちゃんが「なってたまるかこのクソボケですの!!」というセリフを発見
そして今回のチリちゃん「油断大敵やコラクソボケェ!!」
……うん、見事に口の悪さがうつってますね(白目) - 110二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 08:05:35
チリちゃん…帰ったら気をつけような…
- 111二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 08:49:27
子供って…周りの大人の口調すぐ真似するからね? 意外と聞かれてるからね?
- 112二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 19:54:23
この騒動で何人かの闘争本能が目覚めてしまいそうなのが……
- 113二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 21:41:22
謀略は、愛する我が子の明日を守るためにある。
- 114二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 21:42:03
2号と推察されるコライドンのアイアンヘッドがフラージェスを襲う。ウェーニバルがそれに割って入り、"かわらわり"で迎撃した。
「ナマズン、"だくりゅう"で押し潰せ!!」
後ろからナマズンの"だくりゅう"が2号に迫る。2号はウェーニバルを弾き飛ばし、アクセルブレイクで"だくりゅう"を突き破った。ナマズンは"だいちのちから"で追撃し、それに合わせるように1号と思しきコライドンがドラゴンクローで横から飛び込んだ。
「グルゥァアアアアア!!!!」
「アギャギャアァアアアッス!!!!」
2号がフレアドライブで1号を薙ぎ払おうとする。1号はアクセルブレイクでそれを跳ね飛ばし、テラバーストを至近距離から叩き込んだ。テラスタルしていない今、2号のテラバーストはノーマルタイプだ。
ナマズンの"ふぶき"が再び2号の足元一帯を凍り付かせる。ウェーニバルは凍り付いた地面をアクアステップで滑るように駆け抜け、フィギュアスケートのような動きで跳躍し"つばめがえし"を2号の項に見舞った。2号は腕をぶん回し、ウェーニバルを払い退けると"げきりん"で凍った地面を踏み壊しながら1号に殴りかかった。
2号を注視しつつもチラ、とチリは後ろに視線を向ける。まだ知らせは来ない。もう少し奴をここに縫い止めなければ。ナマズンに"だいちのちから"で2号を囲ませる。"げきりん"状態の2号は噴き出した"だいちのちから"を煩わしそうに爪で切り裂き、ナマズンに向かって吼えながら突っ込んできた。そこにフラージェスが飛び込んできて、ムーンフォースで迎え撃ちながらその爪を受け止め、ガッチリ捕まえる。
無傷で"げきりん"状態の2号の爪をその両腕で捕まえたまま、フラージェスは2号の手の甲に頬擦りし"あまえる"を使う。二度目の"あまえる"は、2号の腕力を大きく削ぎ落とした筈だ。尻尾が脱力して、頭の鶏冠が僅かに萎えたのをチリは確認する。
「物理タンクとして優秀すぎるやろリップさん」
「自慢じゃないけど、対格闘タイプには一家言あるわよ」
「成程」
それはそれとしてニッコニコやね。チリはそう言いかけて飲み込んだ。変に指摘してパフォーマンスが落ちては敵わない。 - 115二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 21:42:54
ウェーニバルのアイススピナーが2号の側頭部に叩き込まれる。"げきりん"状態の2号は唸りながら紅く光る眼で睨みを返し、フラージェスに掴まれていない方の腕でウェーニバルを殴りつけた。
「ウェーニバル!!」
地面に叩きつけられたウェーニバルにネモが駆け寄る。ウェーニバルは痛みを堪えるように顔を顰めながらも上半身を起こし、スッと右手でネモを制した。まだ大丈夫、戦えるという意思表示だった。ネモは僅かに二の足を踏み、堪えるように前を向く。
2号がフラージェスを振り払う。振り払われたフラージェスは後ろに跳びつつムーンフォースを足元向けて牽制に放った。2号がそれを回避しようと横にステップを踏んだところに1号がアクセルブレイクで猛追する。"げきりん"が切れていない2号はギュンッ、と首を迫り来る1号に向けて大顎を開け、左肩に食いちぎらん勢いで噛み付いた。
「ギャアッス!!」
「コライドン!!クソッ、負けるなきばれ!!」
ナマズンの"だいちのちから"の集中砲火で1号に噛み付いた2号を引き剥がす。牙が抜けた傷口から流れる血が酸化して、緋い皮膚を赤黒く染めた。
「"あまえる"ちゃんと効いてるのかしらコレ!パワー落ちてる気がしないんだけど!!」
「効いとらんかったら今のでコライドンの骨まで逝ってもうてるで。弱体化しとる気せえへんのはそう」
チリは2号のパワフルさに思わずため息を吐く。テラスタルエネルギーを直接経口摂取したせいだろうか、自分達がテラスタルオーブを用いて発動するテラスタルよりも補正威力の上昇幅が大きい上に、気の所為ならいいのだがステータスが全体的に底上げされているような感さえあった。ふざけんなよこの野郎。
2号がフレアドライブでフラージェスに向かって突っ込んでくる。ナマズンが"だくりゅう"で、ウェーニバルがアクアステップで2号の纏う炎を消しにかかる。フラージェスはサイコキネシスで2号を捉え、突進の勢いを殺した。威力を殺されながらも止まらない2号の爪が、フラージェスの首を掴んで地面に引き倒した。フラージェスは気道が詰まって咽せながら、ただでは転ばんとムーンフォースをゼロ距離で破裂させて反撃する。 - 116二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 21:43:41
まだか、チリは僅かにそわついた。ナマズンが"だいちのちから"でムーンフォースのゼロ距離破裂を受けて仰け反った2号を追撃する。
———ぼごっ。
その音に、チリは電流が走ったように背筋をピンと伸ばした。地面から頭を出したのは、チリの指示でドンファンと共に何か謀をしていたダグトリオ。
チリはダグトリオの眼を見て、ニヤリと嗤う。
「リップさん!ネモ!コライドン!フィールド変更や!!誘導すんで!!」
チリの声を合図に、ナマズンが"だいちのちから"で2号の行動範囲を制限するように囲い込む。リップとネモは若干戸惑いながらも、チリの案なら勝算あってのものだろうと何も聞かず従った。
ウェーニバルが"かわらわり"で2号の背中を背骨を叩き折らん勢いで殴りつける。1号はドラゴンクローをわざと首や肘を掠めるように振り回して2号を煽り、チリの誘導に沿って誘き寄せた。フラージェスが"はなふぶき"で2号の視界を制限する。
「グルルゥウウウウ!!!!」
ブンッ、と2号は腕をめちゃくちゃに振り回して"はなふぶき"を払う。直撃をわざと避ける1号に苛立った2号は、アクセルブレイクで突撃した。
「横に跳べ!コライドン!!」
チリの声が飛ぶ。1号はダンッ、と地面を踏み締めて横へ跳び、アクセルブレイクを回避した。僅かに尻尾を引っ掛けはしたものの、ズダンッ、と着地した1号は大した怪我もなく吼える。
「リップさん、ネモ!!押し込め!!!!」
「「了解!!!!」」
チリの指揮に則って、ネモはウェーニバルにアクアステップで2号の背中を蹴らせ、リップはフラージェスにムーンフォースを後頭部目掛けて撃たせた。2号の身体が背後からの強烈な猛攻によって岩壁に突き飛ばされる。それを待ち構えていたように、2号の進行方向の岩壁を突き破ってドンファンが飛び出した。
「ドンファン、ストーンエッジでダメ押しや!!」
ドンファンは転がって2号の傍をすり抜け、そのケツに向かってストーンエッジでダメ押した。2号は前傾姿勢のまま岩壁に空いた穴に押し込まれる。そしてそのまま、下に落下した。 - 117二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 21:44:32
チリがナマズンをボールに戻し、2号を追って穴に飛び込む。リップとネモも1号に掴まって、ウェーニバルとフラージェス共々後を追う。
落ちた先は、バトルコートほどの広さの空洞だった。地面には枯葉や枯れ草が敷き詰められ、それがクッションになって落下の衝撃を和らげる。ネモはこの枯れ草が、1号が匿っていた異種混合の群れの隠れ家にあった寝床の床材と同じであることに気がつく。
ネモ達が飛び込んだ入り口を、外からダグトリオとドンファンが土を盛り上げて僅かな隙間を残して塞ぐ。これで、お互いに退路はなくなった。
チリがボールからバクーダを出した。そして、底意地の悪い顔でほくそ笑んで。
「バクーダ、"だいもんじ"でこの辺の葉っぱ全部燃やしい」
ゴオッ!!とバクーダの"だいもんじ"が、地面に敷き詰められた枯れ草を燃やした。その熱気は凄まじい。火のついた枯れ葉、枯れ草は次々と燃え移り、あっという間に空洞全体に広がった。
ガチのデッドオアアライブ辞めろ。ネモは内心で叫んだ。尚勝っても下手したら死ぬ。その一方でリップは少し愉しそうに笑んでいる。ネモは思わず顔を手で覆った。
2号がアイアンヘッドでバクーダに襲いかかる。バクーダは慌てず口を開け、ふあ、と"あくび"をした。アイアンヘッドこそ直撃はしたが、鋼技は炎タイプの複合であるバクーダには相性半減である。バクーダはそのまま"だいちのちから"で2号の腹を突き上げた。
フラージェスが"はなふぶき"で浮き上がった2号に追撃する。2号はまとわりつく花弁をフレアドライブで焼き尽くし、そのままフラージェスに突進する。1号が庇うようにフラージェスの前に出て両腕によるドラゴンクローで迎え撃った。
たったそれだけの攻防で、空洞内の酸素が一気に減る。枯葉や枯れ草に着いた火はまだ燃え続けている。熱気で喉が焼けそうになりながら、チリは順調だと内心嗤った。
「ネモ、できれば水技控えてくれると助かるんやけど」
「参考までに何企んでるんですかチリさん」
「おもろい事」
語尾にハートマークでも着いてそうな調子でチリが答える。絶対碌でもないことだ、とネモはハンカチで口元を覆い咳き込みながらげんなりした。ことポケモン勝負というものに関してはぶっちぎりでネジが外れているネモだが、命のかかった本気の戦闘においてはチリやリップの方がヤバいと今日学んだ。 - 118二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 21:45:16
ウェーニバルが"つばめがえし"で1号と取っ組み合う2号の首を蹴り付ける。2号は1号から手を離し、ウェーニバルの足首を掴んで壁に叩き付けた。1号はアクセルブレイクで2号の脇腹を思い切り殴りつけ、至近距離でのテラバーストで畳み掛ける。
バクーダの"だいもんじ"が2号の頭上を掠める。鶏冠が焦げて、熱された岩壁が僅かに赤く染まっていた。2号は"げきりん"で1号を地面に捩じ伏せ、バクーダに飛び掛かる。
息苦しい。だんだんと呼吸が浅くなる。しかしそれさえチリの謀略の内。チラと周囲に眼を向ければ、燃える枯れ葉の火は少しずつ小さくなっていた。
2号の鋭く太い爪がバクーダに直撃する寸前、2号がガクッと膝をつく。強烈な睡魔に襲われた2号は、頭を右手で押さえて唸り声を絞り出した。
「やっと眠なったか、このおたんこなす」
ゼェ、と息を荒げるチリが言う。バクーダの"あくび"がやっと効いてきたのだ。2号はギロ、とバクーダを、チリを睨みつけて。
「グルァアアオ!!!!」
ゴッ、と地面に自ら頭を叩きつけた。そらそうするわな、とチリは肩を竦める。痛みで眠気を無理矢理払った2号は、アクセルブレイクでバクーダに殴りかかった。
ウェーニバルが"かわらわり"で横から2号の脇腹を鋭く突く。起き上がった1号がドラゴンクローでダメ押して、2号は横に吹っ飛んだ。フラージェスがサイコキネシスで2号の身体を持ち上げて、思い切り叩き落とす。
空洞内の火がどんどん小さくなる。チリが視界に捉えた火は、殆ど種火ほどの大きさにまで衰えていた。
———今だ。
ドオーをボールから出す。ネモとリップを自分の近くに呼びつけて、ドオーの後ろに控えさせる。
「やってまえ!!!!」
チリは叫ぶ。土で塞がれた入口で待機しているドンファンとダグトリオに聞こえるように。無事に聞こえたらしいドンファンとダグトリオが、入口に盛った土を"じしん"で崩した。
上から急速に新鮮な空気が送り込まれる。次の瞬間。
———ドゴァアアアアアアアンッ!!!!!!
空洞内が爆発的に炎上した。 - 119二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 21:53:02
このレスは削除されています
- 120二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 22:48:48
怖いことしてる!!
それ火事の現場で命の危険伴うやつですよね…!?(震え声) - 121二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 22:55:03
この四天王、バッグドラフト起こしよった....!!!
- 122二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 07:08:44
さてエリアゼロ最深部はどうなっているか……
- 123二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 18:07:17
保守
- 124二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 20:13:04
犠牲軸リーグのとある部屋に入って目星ロールしたら、状況の打開に必要な情報が出てくる
クリティカルを出すとルート分岐に関わる重要な追加情報を得られる
という、犠牲軸VS原作軸のTRPG妄想が脳裏をよぎった - 125二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 20:17:16
目覚めさせちゃいけない本能?目覚めさせちゃってるなぁ…
地上組もこうなっちゃうの?
パルデアの未来よ… - 126二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 21:18:33
この調子で目覚めれば犠牲軸を襲った悲劇は原作軸では叩き潰されるからセーフ
- 127二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 07:08:06
エリアゼロ内のテラスタル結晶の浸食が著しい犠牲軸の世界線、各地のテラスタル結晶やテラスタルしたままのポケモンが増えてそうでは……
- 128二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 18:24:39
これチリちゃん達大丈夫なんかな、ドオーが守ってくれてると思いたい…!そわそわする〜
- 129二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 19:34:44
一歩足を踏み外しゃあ、奈落の底へ真っ逆さま。
一つ道を間違えりゃあ、破滅の果てへと真っしぐら。
はてさて、お前は真っ直ぐ歩けるかい。
はてさて、お前は迷わず進めるかい。
その旅の行き着く先を、酔いどれ親父に見せとくれい。 - 130二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 19:35:23
ゲホッ、とチリは咳き込んだ。袖を捲って露出した腕が薄ら火傷しているのを認識して、ドジってもうたわ、と自嘲する。周囲を確認して、疲れた様子でもちもちとした身体を平べったく脱力させるドオーを撫でた。
さて、あの暴れん坊将軍はどうなったかな。チリは肩を鳴らして立ち上がり———後ろからスパコンッ、と殴られた。
「あっだぁ!?」
「なんっっってことするんですかこのバカチリさん!!!!」
ギャースッ、と喚くのは全身煤まみれになったネモだった。ポニーテールの先が焦げてチリチリになっているのを見て、チリは思わず噴き出した。チリだけに。喧しいわ。
「いやでもちゃんと言うたやん。ドオーの後ろ隠れときって。"まもる"のお陰でみんな無事やったやろ?」
「そんなギリギリの綱渡りすると思いませんからね普通!!」
「綱渡りどころじゃないでしょあれ」
ふんぬーっ、と怒りを露わにするネモの横からリップが言う。髪が乱れたと言って、ぐしゃぐしゃになった髪を手櫛で応急処置的に整える。とりあえずどうにかみっともなくはないか程度まで整えて、リップはくたくたになったらしいフラージェスを撫でた。
「やばそうな方のコライドンは?」
「さて、まだ確認できとらんけどどないなったかねえ……」
ガリ、とチリが頭を掻いた。フラフラとした足取りで鶏冠を萎えさせた1号と思しきコライドンは、疲弊し切ったのだろう、既にライドフォルムに戻っている。ネモは手持ちの治療薬で1号の傷を手当てする。肩の咬み傷が痛々しい。チリに投げ渡された包帯で、気休めにしかならずとも傷口を覆った。
ザリ、と音がした。ゆっくり呑気に音の方を振り返ったチリの視界に入ったのは、案の定、2号と推察されるコライドン。チリが起こした爆発と爆炎を全身でもろに受けて、ヒビ割れたような傷口から血が流れている。膝は痙攣するように震えていて、立っているのもやっとであることが伺えた。よく無事だったな、と思ってすぐにテラスタルジュエルが身代わりになったのだと察した。地上で見られるテラスタルポケモンも、一定以上のダメージをテラスタルジュエルが肩代わりする現象が確認されていたもので。
随分見上げた根性やなあ。チリはいっそ感心してため息を吐く。とはいえ、だ。 - 131二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 19:36:01
「自分、流石にこれで終いやで」
パチンッ、とチリが指を鳴らす。次の瞬間、"だいちのちから"が2号の腹を打ち上げるように貫いた。
「あっ、バクーダ」
ネモが思わず声を上げた。チリの横からひょっこりと顔を覗かせたバクーダは、ふんっ、と鼻を鳴らして中に詰まっていたらしい砂埃を噴き出した。そういえばボールに退避させてなかったのか、とリップは肩を竦める。
ドシャリ、と2号が遂に地面に倒れ伏した。本当に体力の限界だったようで、逆に心配になる程ぴくりとも動かない。
「ああ〜〜〜……っ、つっかれたあ」
「温度差で風邪引きそうなくらいテン下げだけど大丈夫なのチリちゃん」
「んー、多分賢者タイムやわコレ」
「賢者タイム!?」
あかんわー、と行儀悪く座り込むチリにリップは少しだけ呆れた。ネモは額に手を当てて、とにかくどうやって外に戻ろうかと考える。戦闘のダメージで疲弊したコライドンに無理をさせるわけにもいかない以上、少しずつ壁を削って坂を作るか、あるいはチリの手元にいるアオキのチルタリスを頼るか。
考えるうちに無意識に歩き回っていたネモは、壁際まで辿り着いて、そして。
———ピシッ。
「えっ」
身体が浮遊感を覚えた。我に返って足元を見ると、床がひび割れて崩れている。サッとネモの全身から血の気が引いた。
「ネモちゃん!!」
リップが慌てて駆け寄り手を伸ばす。ネモは焦って手を伸ばし返すが、目測を誤ってから振った。
「わ、わあぁあああああ!!!?」
落ちたネモは咄嗟にボールを手に取る。ボールからミミズズが飛び出して、ネモはその胴体にしがみついた。ミミズズは下に向かってロックブラストを撃ちつけ落下の勢いを殺す。直撃する寸前でアイアンテールを放ち、どうにか大きな怪我なく着地した。
「ひい……あ、危なかった……」
今日厄日かな、とネモは脱力してミミズズの上で寝そべった。 - 132二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 19:36:39
「ネモー!無事かー!?」
上からチリが呼ぶ声がする。どうにか無事でーす、と返して、ネモは自分がどこに落ちたのかを確かめた。
「———っ、ここ、って……」
地下なのは間違いない。ミミズズの背から降りた地面は、どうやら巨大なテラスタル結晶の天面らしい。
結晶の奥に何か見えた気がして、ネモは足元に眼を凝らす。そして、ギョッとした。
「……第四、観測ユニット……!?」
ネモが巨大なテラスタル結晶だと思っていたのは、結晶に完全に取り込まれた第四観測ユニットだった。
一方のチリとリップは、地面に空いた穴を覗き込んでネモの無事を確認すると、どうやって合流するか相談する。ひとまずネモが巨大なテラスタル結晶の上に落ちたのは目視できたが、如何にして降りたものか。正直降りるだけならチルタリスの力を借りればいいが、ゼロラボで目的を果たした後エリアゼロから地上へ戻るのに体力を残しておきたい。
頭を捻って考え込む二人を、コライドンは鼻先で突っついた。
「どしたん、コライドン」
「アギャッス」
どうやら考えがあるらしい。
コライドンは上の入り口に待機したままのダグトリオとドンファンに何かを伝えた。二匹は一旦顔を見合わせて、すぐに頷いて何処かへ向かう。数分もしないうちに戻ってきた二匹は、何者かを穴の中へ向かわせた。
身の丈の倍近い翼を広げて降り立ったのは、あの異種混合の群れが身を寄せ合っていた隠れ家にいた、チリ達が遭遇したどの個体よりもうんと小さなトドロクツキだった。
「アギャ、アギャギャッス」
「ぐあんぬ!」
コライドンが地面に空いた穴を示して、次いでチリ達を前足で指差した。トドロクツキは任せて、と言うように頷いて、チリ達の側に歩み寄り姿勢を低くした。乗れ、ということらしい。二人は顔を見合わせて、二匹の厚意に甘んじることにする。
チリは入口のドンファンとダグトリオをボールに戻してトドロクツキに跨った。その後ろにリップがチリの腰にしがみつくように座り、二人が背に乗ったことを確認したトドロクツキはゆっくり立ち上がって、翼を広げて穴に飛び込んだ。コライドンは前脚を振って、いってらっしゃい、と言うように一吼えした。 - 133二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 19:37:17
ネモのいるテラスタル結晶の天面に、チリ達を乗せたトドロクツキが降り立つ。ネモは一瞬驚くが、背に乗っているチリ達を認めて、トドロクツキの体躯が一際小柄なのに気付いてすぐに警戒を解いた。
「おおきにな、トドロクツキ」
トドロクツキの背中から降りたチリは、その首を撫でて労る。トドロクツキは機嫌良さそうに喉を鳴らして頭を擦り寄せた。
「チリさん、どうしましょう……運が良いというかなんと言うか……」
ネモが眉尻を下げた。せやなあ、とチリは足元を見る。結晶の奥に見える観測ユニットの屋根を考えると、とてもでないが降りてドアを確かめたところで中に入ることはできないだろう。というかゼロラボ本当に大丈夫か。
ひとまず降りるか、と再びチリはトドロクツキに乗る。ネモを挟んでリップがその後ろに乗って、もう一回頼むで、とチリはトドロクツキの背中を撫でた。ぐおんっ、と鳴いたトドロクツキはドシドシと結晶の上を端まで歩き、翼を広げて踏み切り滑空した。
「えらい懐っこい子やなあこのトドロクツキ」
「コライドンの影響ですかねえ」
そんな会話をしてるうちに、ドスン、とトドロクツキが着地した。キョロキョロと周囲を見渡すトドロクツキは、安全を確認したのか三人が降りやすいように姿勢を低くした。
「さて、と」
改めて、結晶に覆われた第四観測ユニットを見上げる。建物全体が完全に覆われ切って、侵入経路は全く見つからない。それどころか、建物だけでなく周囲一体の岩壁もテラスタル結晶に覆われている。見るからに異常、見るからに異質。自分の知るエリアゼロと違いすぎて、ネモはやはり顔色が悪くなった。
リップはネモの背中を摩ってやる。そして、何か目ぼしいものはないかと周囲を観察して、それを見つけた。
「わあ」
思わず声に出る。視線の先にあったのは。
「チリちゃん、ネモちゃんお願いしていい?」
「ええけど、どないしたん」
子供にはあんまり見せられないもの、と返したリップは巻きつけた包帯が解けかかった足でそれに近付く。
「コイツら……」
それは、奇抜でダサい服装の二人組の遺体だった。 - 134二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 19:37:24
犠牲軸トップへの説得がどう転ぶか今からそわそわしてる
- 135二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 19:41:26
コメ書き込んでる間にSS続きだヒャッホイ
最小個体で人懐っこいトドロクツキがかわいすぎる……
それにしても第四観測ユニット、完全に結晶に取り込まれてるのかあ…… - 136二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 19:47:58
続ききたー!
人懐こいなトドロクツキ……まさかこっちのアオハルの子か…??
てか仏さん奇抜でダサいとか言われておるが( - 137二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 19:49:03
原作でもトドロクツキとテツノブジンは対みたいな扱いされてたし、トドロクツキのおやが犠牲軸アオハルの可能性はありそうですね……
- 138二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 21:49:05
前スレでテラスタル結晶に覆われたアオキさんの遺体を安置しちゃってる犠牲ダカさんというのがお出しされてたが、これに報いが来るとしたら
パラポケに捕まえられたりして犠牲ダカさん自身が大穴に落下、自分自身もテラスタル結晶に覆われ……いずれはアオキさんと同じ末路を辿るとかだろうか - 139二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 00:09:55
あらー、無事ではすまなかったか…(ーー;)
しかし自業自得なので同情されない - 140二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 00:27:53
犠牲ダカさん、止まった時計の秒針の錆はやっと落とされたとか言ってましたが、
その時計、逆回転してません? 明日へ進むどころか巻き戻ってません?? - 141二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 07:06:40
パルデア壊滅の引き金となったのが奇抜でダサい格好した悪の組織とか、犠牲となったジムリがしんでもしにきれんのでは……
これは悔しい、色々な意味で - 142二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 09:20:54
奇抜でダサい格好をした奴らは本編でもシャレにならないことするからね 仕方ないね
- 143二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 15:21:32
- 144二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 19:38:06
- 145二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 19:44:45
まさか第四観測ユニットの中に犠牲軸のホームウェイ組の遺体があったりしないよね?
最期に遺した何かがあったりしないよね?(゚Д゚;) - 146二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 21:04:56
なんとなく帰宅組はゼロラボにいそうではあるけど…どうなんだろう?
ゼロラボが元々本編でもテラスタルエネルギーありきで不可能を可能にしてたからそのエネルギーの余波で結晶化してると思ってるんだけど、この世界だとまだラボの装置も動きっぱなし=テラスタル化進みっぱなしなのかね…?
本編の時点で正規じゃない入口から入ったのに、この世界のゼロラボに侵入口残ってるんだろうか? - 147二次元好きの匿名さん23/04/06(木) 07:01:19
ゼロラボの中に帰宅組の遺体があったらネモがこの先自分の遺体見ちゃうってことじゃないですかやだー
- 148二次元好きの匿名さん23/04/06(木) 07:09:31
テラスタルエネルギーを使用していたタイムマシンのあるゼロラボが完全にテラスタルに覆われてたなら、
タイムマシン理論流用の並行世界関連の装置があるアカデミーも同じ危険性があるんじゃ……と不安になってまう - 149二次元好きの匿名さん23/04/06(木) 17:45:02
テラスタル=エネルギーの塊みたいなものだし、平行世界の装置が稼働を続けていたら周囲のテラスタル粒子がくっついて同様の事態にならない、という保証はどこにもないんだよなぁ!!
- 150二次元好きの匿名さん23/04/06(木) 22:26:02
保守
- 151二次元好きの匿名さん23/04/06(木) 23:45:41
倒壊したリーグ跡がテラスタル結晶に覆われて、将来的にはテラレイドバトルの舞台になる可能性も……
- 152二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 00:53:10
- 153二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 07:07:29
- 154二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 17:40:54
保守
- 155二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 17:44:47
原型は留める代わりに、この悲劇の一端を担う力の大きさも不可解さもまざまざ見せつけられるね…
- 156二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 18:13:18
青白く冷たい手ではなく、優しく暖かい手で触れて欲しい。
原初の願いは、ただ、それだけ。 - 157二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 18:14:14
鋼の身体が猛スピードで空気の壁を突き抜ける。パラドックスポケモンの群れを跳ね飛ばして、最後方にいた大柄なアラブルタケにアーマーガアは鋭い嘴を突き立てた。
「ジバコちゃん、ラスターカノン」
静かで淡々とした幼い声が命じるままに、ジバコイルは一際太さのあるラスターカノンを発射した。地面さえ抉り取るようなそれは真っ直ぐ突き抜けて、テツノツツミの集団に穴を空ける。上からこちらに照準を合わせるテツノドクガ達にダイオウドウが"10まんばりき"で大きな瓦礫を投げ飛ばして撃墜した。
ジバコイルのトライアタックの直撃を受けたスナノケガワが倒れ伏す。それを最後に出来上がったのはパラドックスポケモンによる屍血山河もかくやの光景。世界こそ違えど、彼女はいつの間にこんなに強くなっていたのだろうかと、つい先程までポピーと相対していた筈の此の世界のオモダカは、呆然とその様を見ていることしかできなかった。
「……ん?」
ポピーは倒れたパラドックスポケモンの中でも一回り以上体躯の大きいイダイナキバの、右側の牙の付け根に何かを見つけた。ゆっくり近付いて、そっと手を伸ばす。人差し指と親指で摘んで、やや強めの力で引っ張ると、ぷつ、と音を立てて外れた。
顔の上に掲げて、目を凝らす。ポピーの手と比較して尚小さなそれは、裏側に針状の電極の付いたチップのような機械だった。
「なにコレ」
ポピーは怪訝な顔で機械の全体像を眺める。なぜこんな物がイダイナキバの身体に。指先で機械を弄んで、結局なにもわからないので地面に落として足で踏み壊した。パキ、と小さな音がした。
「オモダカ、かくにんを」
ポピーが振り返る。
「……話すことなど、貴女が知る必要のあることなど、一体何がありましょうか」
目を伏せた此方側のオモダカは、ポピーの眼を見ない。
「これだけこちらもあちらもめちゃくちゃにしておいて、いまさらポピーたちにはむかんけいだと?あなた、もういちどずつきをされたいようで」
「絶対やめてください。頭蓋が割れる。私の」
冷たい声で恐ろしいことを言うポピーに、流石にオモダカは顔を上げた。目についたポピーの眼差しはガチだった。 - 158二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 18:15:26
「ジムリーダーたちがなくなったひ、パラドックスポケモンたちにふしぜんなうごきをしていたこたいはいませんでしたか」
「は」
どういう意味だ。オモダカは言葉を失った。ポピーは困惑するオモダカに構わず続ける。
「たとえば、めせんがあちこちにおよいでいたとか。たとえば、てあしがいとでひっぱられるみたいにうごきがひきつっていたとか、そういうことは?」
そんなこと。オモダカは答えられない。あの日、迫り来るパラドックスポケモンの軍勢を前にして、一体一体の動きや表情など気にできる余裕などなかった。誰も彼もがこれ以上壊されないように、奪われないように戦うことに必死で、有象無象を識別できる状態ではなかった。
「もし、パラドックスポケモンたちが自分たちのいしで、パルデアを襲ったわけでないとしたら」
その黒幕に心当たりはあるか。ポピーは問うた。オモダカは閉口する。心当たりは、ある。しかし、それこそこの世界の人間でないポピーには関係ないことだ。リーグの目を掻い潜ろうと日陰でコソコソと小細工をしていたらしい、不審なグループのことなど。
奴らの暴挙を事前に防げず、あの惨劇に敗れ去った自分のことなど。
オモダカにとってはアレが最初の罪だ。そして、そこから望む望まずに関わらず、罪は折り重なっていった。傷付いた人々を立ち上がらせることのできなかった罪を。人々を正しく導けなかった罪を。未来を担ったはずの若き才能を守れなかった罪を。膿み続ける傷を洗うこともできず衰弱していった部下を救えなかった罪を。若葉を育む先導者たちを支えることのできなかった罪を。宿した種子の発芽のための水を失った幼子から自由を奪った罪を。愛する世界のために世界を破壊する罪を。
黙して答えないオモダカの様子に苛立っているらしいポピーは、眉間に皺を寄せて右足をタンタンと打ち鳴らした。あまり褒められたことでないところばっかりチリに似てきているような、気がしないでもない。オモダカは眼だけを僅かに横へ向けて、ゾッとした。 - 159二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 18:16:21
「ッ……!クエスパトラ、ルミナコリジョン!!」
クエスパトラが飛び出す。ポピーの横を通り抜けて跳び、ルミナコリジョンを放った。ドッ、と音がしてポピーが臨戦態勢で振り返ると、大柄なハバタクカミがクエスパトラの攻撃を受けて吹っ飛んでいた。その向こう、面白おかしい格好の不審者二人が慌てて逃げようとするので、ポピーは素早くアーマーガアの足に掴まり空を飛んで追いかける。
「まてやゴルァですの!!」
バサッ、と羽ばたくアーマーガアが不審者二人を射程に捉える。ポピーはパッと手を離し、不審者の一人に向かって急降下、頭を振りかぶって逃走姿勢で後ろを向いたままの頭に思い切り頭突きをかました。
不審者の一人が白目を剥いて倒れる。もう一人は小さく悲鳴を上げて自分だけでも逃げ切ろうとするが、然もありなん、アーマーガアに上から飛び掛かられて敢えなく捕まった。
「あなたたち、なにものですか」
不審者の片割れを踏みつけて、ポピーがアーマーガアに押さえつけられているもう一人を見下ろす。その後ろで、電磁ユニットから電流を走らせるジバコイルとゆらゆら長い鼻を揺らすダイオウドウが睨みを効かせていた。
尋問開始である。
「……つまり、こっちのせかいのハルトおにーちゃんたちがぼーえープログラムのばんポケモンの……ええと、コライドン?にトドメをさすすんぜんで、そうちであやつったパラドックスポケモンできしゅうをかけた、と」
「そ、それでタイムマシンも、オーリム博士の研究成果も回収できるはずだったんだ!だのに、あの弱い方のコライドンがめちゃくちゃに暴れやがって……!」
「そのしょうげきでそうちのおやきがごさどーして、ゼロラボのそとでまちかまえさせていたパラドックスポケモンたちがそとにでた」
ポピーは両手を背中に回して、大きくため息を吐いた。碌でもないことをしてくれたものだ。だとして、もう一つの疑問点は。 - 160二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 18:17:51
「そうちのごさどーでパラドックスポケモンたちがそとにでたのだとして、チャンプルタウンはともかくとしても、なぜジムリーダーたちのいるまちをじゅうてんてきにおそったのですか?」
ポピーの後ろでジバコイルが威嚇するように鳴く。不審者は悲鳴を上げて。
「じゃ、邪魔をされない為に、事前に指令プログラムを書き込んであったんだ!此方の動きを掴まれたら、任意のタイミングでパラドックスポケモン達をジムリーダー共にけしかけて足止めをさせる為に!」
バキッ。言い終わるや否やポピーは反射的に不審者の顔を思い切り殴った。あ、とポピーは間抜けな声を洩らす。
「しまった、ついなぐってしまいましたの」
「……貴女が殴らなければ、私が殴っていましたよ」
意図的にしろ偶然にしろ、コイツらのせいでパルデアは壊滅的な被害を受け、ジムリーダーたちはその命を天へ捧げた。多くの人が心に深い傷を負った。赦されざる、ことだ。
「私の罪も、貴方達の罪も、必ず裁かれる。……精々、苦しまず永眠できることを祈りなさい」
フッと、オモダカは顔を背けた。そうしなければ抑えている怒りが、眼前の仇を惨殺せよと五月蝿く喚くので。
ポピーはどうするべきかと考える。この不審者二人をこのまま此処に転がしておいても良いことはなさそうで、かといって、有事の為にも荷物は出来るだけ少なくしたい。うーん、と腕を組んで唸る。
アーマーガアがピク、と反応する。顔を向けた方角にポピーも視線を向けると、そちらからポピーを呼ぶ声がした。 - 161二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 18:18:25
「カエデおねーちゃん!トップたちも!」
特に理由はないが不審者をドゲシッ、と蹴ってから、ポピーは声のした方へ駆け寄った。向こうからポピーを探しに来たのであろう、カエデ達と合流する。
「ポピーちゃん、無事でよかったです〜」
「カエデおねーちゃんたちも、けがはありませんか?」
「アカデミーの方へ行かせたハイダイが瓦礫で脱臼した以外は大した怪我はないな。ポピギャルドは」
「ポピーはこのとーり、ピンピンへっちゃらもへもへですの!」
「……」
ふんっ、と両腕を上げてポピーは平気だという意味のポーズを取る。カエデに抱えられている此方側のチリは、片手を伸ばしてポピーの頭を撫でようとして———普通に届かず諦めて腕を下ろした。
「トップ……」
此方側のポピーが不安げな声で此方側のオモダカを呼ぶ。此方側のオモダカは目を伏せたまま静かに佇んでいる。
空はまだ、暗闇に覆われたままだった。 - 162二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 19:01:51
>「やめてください頭蓋が割れます 私の」
好きすぎるw
……それはそれとしてポピちゃんがどんどんポピギャルドしちゃっとる
- 163二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 19:40:51
あかん方向へ進化していってるなポピーちゃん!
いや、今この状況では最適化なのかもしれませんが!!
……そして面白おかしい格好の人たちは市中引き回しいっちゃう?いっちゃう? - 164二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 20:09:37
犠牲チリちゃんが少しずつだけど動けるようになっていってる
悪の組織の話を聞く限り、ホームウェイ組はタイムマシンのある部屋で…… - 165二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 20:19:22
- 166二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 20:20:33
よく考えたら犠牲軸のミモ先がナンジャモ庇ってケガした?っぽいので、犠牲軸キハダ先生のメンタルがいよいよヤバい
- 167二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 21:31:42
- 168二次元好きの匿名さん23/04/08(土) 00:52:50
「(中略)普通の人より不幸になっちゃうの」ってリップさんが言ってたけど
まさにその言葉通りになっちゃってるな犠牲軸のパルデア……
犠牲ダカさんも、なまじ才能があったからタイムマシン理論の応用で並行世界関連の装置を作れちゃったわけで、それなら才能なんて初めからちっともなければ良かったのにねってリップさんの言葉が刺さる刺さる
うろ覚えだけど、SSだと確かアカデミー内にもなかったっけ、並行世界関連の装置
グラウンドのものと合わせて二機あったような気が……
しかもすぐそばのエリアゼロは表層のゼロラボさえ半分くらいテラスタル結晶に覆われてたような
アレ?避難地になってるはずのアカデミー内、現在進行形でヤバい?
- 169二次元好きの匿名さん23/04/08(土) 01:32:03
「誰 一人も責められずに 悪いのは自分だったと
想い込んで 耐え切れなくて 僕は生まれ変わる 心ごと……」
っていう歌詞がまさに犠牲ダカさんの心情そのものだし、
というかこの曲の歌詞が犠牲ダカさんとの親和性めっちゃ高いの……
- 170二次元好きの匿名さん23/04/08(土) 10:56:45
ポピーちゃん2人とオモダカがいると改めて「オモダカ」呼びが味わい深いなぁ…同世界のポピーちゃんがトップと呼ぶシーンが直後にきて余計に…
まだ空は暗いらしいから一悶着ありそうだけど、いつか曇りない太陽が見えてくるといいね… - 171二次元好きの匿名さん23/04/08(土) 11:51:45
この騒動の結末が大団円であれ苦いものであれ、終わったらホームウェイ組はエリアゼロから帰ってきた時みたいに買い食いにいってほしさある
帰ってきた日常を噛みしめるように…… - 172二次元好きの匿名さん23/04/08(土) 11:58:07
このスレ読んでると劇場版ポケモンを観てる気分になれるからいいな
- 173二次元好きの匿名さん23/04/08(土) 12:14:06
原作軸で暗躍してる悪の組織をぶっ飛ばす時、贖罪として犠牲軸の面々にも手伝ってもらうのはどうだろう
彼らも元凶は憎くてしゃーないだろうし、別世界とはいえ大切な人を助けたという結果が得られれば少しは救われるかもしれないし - 174二次元好きの匿名さん23/04/08(土) 18:36:03
倒壊したリーグ跡を探索したら重要な情報でてこないかな……
悪の組織についてまとめたやつとか、並行世界の装置関連の情報の書類とか
でも瓦礫の中から探し出すの難しそうやな…… - 175二次元好きの匿名さん23/04/08(土) 21:04:55
神妙な格好してる連中の懐を漁ろうぜ!!!
- 176二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 02:36:57
犠牲軸のパルデアでパラポケが溢れた原因となった悪の組織、原作軸にも存在してるとしたら原作軸も危ないのでは……
すでに暗躍を開始してるのかもしれない……
ハルトの色テツノブジン、もしかしたら例の悪の組織に襲われて傷ついたのをハルトに助けられたのでは?
パラポケを操作する機械の実験台にされたとか……
(あくまで妄想です) - 177二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 09:12:41
犠牲軸の悪の組織を壊滅させても、犠牲軸側の溜飲は下がらないかもしれない
その場合、償いの意味を込めて原作軸の悪の組織壊滅に加わる可能性が…
やーだー、オーバーキル!! - 178二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 14:06:22
BW2のタワーオブヘブンのイベントのように、誰かの宝物を奪うためにポケモンを戦わせたことを悔やむ犠牲軸の人もいるのではないか
自分のことだけで、そばにいるポケモンのことすら考えていなかった
宝物を奪う人間が、ポケモンや人から宝物を求めてはいけないのね的な……
犠牲ダカさんは悔やんだうえで一度きめた以上もう止まれないと突っ走ってそうだけど……
犠牲軸コライドンは原作軸ミライドンと異なり、自分の相棒を守れなかったイフだけど
そのミライドンに、自分の宝物(ハルト)は何が何でも守り通せよみたいなこと言いそう - 179二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 17:57:46
遥か彼方で浮かぶ星々に、悔恨と祈りを届けんとする。
選択する道の先、行き詰まりであったとしても。 - 180二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 17:58:23
ドガッ、とサンダースが頓珍漢な格好の不審者の背後から飛びかかって地面に押し倒す。ボタンはイーブイリュックから、エリアゼロでの経験から持ち歩くようにしているロープを取り出して不審者をぐるぐる巻きにして拘束した。本来は足場の不安定な場所で命綱に使う為に持ち歩いているのだが、思わぬ使い道があったものだ。
「で、あんたら何者?返答によっては二、三発ビンタも辞さんけど」
「詰問で初手暴力ちらつかせるのやめな?」
少し離れた場所で、テツノドクガをハラバリーの"かみなり"で沈めたナンジャモが軽く引いていた。それはそれとして殴りたい気持ち自体は否定しない。倒れたテツノドクガの首元に小さな機械を見つけたナンジャモは、それを摘んで外し押し潰す。これでツーアウト。
その一方でハルトとミモザは、ナンジャモを庇いテツノドクガの攻撃の直撃をもらった此方側のミモザの様子を見る。辛うじて息はしているが、地面に転がった時に擦り傷だのがあちこちに、頭も打って僅かに血が滲んでいる。できれば今すぐちゃんとした病院で検査したいところだが、如何せん状況が許してくれない。詰んでる。
「一瞬しか見えなかったが、明らかにナンジャモさんを狙っていたな。此方の世界のジムリーダー達を殉職させたのはアイツらの仕業か?」
「……不審な動きをしているグループの存在自体は、リーグとアカデミー双方に通達があった。ただ、直接的に対応していたのはリーグ側だけで、アカデミー側はあくまで生徒等への注意勧告だけだ」
「成程。まあ、確かにアカデミーとしては生徒の安全が優先される以上、そうなるか」
キハダは納得はしつつ、それでも尚向こうのほうが一枚上手だったのか、あの理事長を出し抜くとは厄介な組織のようだと危惧する。自分たちの世界にも、コイツらがいないとも限らないので。
バキッ、と人を殴る音がした。キハダが振り返ると、ナンジャモがボタンに縛り上げられた不審者を殴り倒しているのが見て取れる。一体何を言われたのやら、ナンジャモは歯を食いしばって顔を真っ赤にしていた。 - 181二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 17:59:07
「おっっっまえ、なん、ふざけるなよ!!そんなしょうもないことのためにこっちのパルデアめちゃくちゃにしやがって!!」
配信などで見る姿からは想像できないような罵声怒号。どうやら不審者は何かしらナンジャモの逆鱗に触れたらしい。キハダは殴られた不審者を睨みつけるボタンに、何を聞いたかを確認する。
「コイツら、博士の研究成果使って、タイムマシンでパラドックスポケモンを乱獲して、軍隊作ろうとしてたくさい、です」
「軍隊?」
キハダは思わず顔を顰めた。他所の地方ならいざ知らず、基本的に平和そのもののはずのパルデアに置いて危険なポケモンによる軍隊の組織とは、穏やかでない話だ。
「軍隊作って、パルデア征服した上で大昔の帝国みたいな独裁国家作る気だったみたい、です。コイツら末端だから、上がなんでそんなことしようとしてるのかまでは知らなかったっぽいですけど、目的達成した後に優遇されたかったんですかね」
「もう二、三発殴っておけ」
スンッ、とキハダは表情を消した。人間、怒りが一定値を越えると逆に冷静になるらしい。
「ジムリーダー達のいる街を襲撃したのは、計画の邪魔をするであろう存在を消すためか」
「そうみたいです。ただ、一番排除したかったであろうこっちのトップは五体満足なんで、コイツらのお上はかなり御立腹だったらしいですよ」
「今になって行動を起こしたのは、こっちの理事長を潰す為か?」
「それもあるけど、なんか、パラドックスポケモンの大規模侵攻の後コイツ含めた末端はなんの通告も無しに置いてかれたっぽいです。それで、本隊に助けてもらう為に何かしら功績にできそうなことして気付いてもらおうと、混乱に乗じて行動を始めたそうです」
「傍迷惑な……」
ただでさえ混沌とした状況の中に余計な火種を投げ込むのはやめろ。キハダは頭を抱えてため息を吐く。
ボタンは般若の形相で不審者を殴り続けるナンジャモをどう止めるか考えつつ、膝から崩れ落ちて座り込んだ此方側のキハダに目をやる。素人判断だが、少しばかりメンタルケアが必要そう、と考えてブースターを出し、そのもふもふの尻尾を此方側のキハダの膝の上に被せさせた。
いい加減ナンジャモを止めるか、とキハダは髪を掻き上げて声をかけようとして———背筋に悪寒が走った。 - 182二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 18:00:10
振り返る。遠目から猛スピードで突っ込んでくるのは、おそらくはテツノワダチ。それも複数。キハダはウォーター種ケンタロスの控えるボールを構えて迎撃しようとして———。
「イーユイ、"だいもんじ"」
劫火が、テツノワダチ達を飲み込むように走った。
何事だ、と此方側のミモザを介抱していたハルトとミモザは立ち上がってボールを構える。キハダは炎が飛んできた方角へ視線を向けて、マジか、と呟いた。
「全く、まだ日が沈む時間でないというのに空が急に暗くなったと思えばこの惨状。しかもなんだ、そこでタコ殴りにされているのはあの日散々パルデアを好き勝手してくれた連中の一員ではないか」
汚れた軍手に覆われた手で草臥れたロングコートの襟を引いて現れたのは、パルデア危険人物番付け堂々一位(ボタン調べ)とハルト達の間で評されている、歴史講師のレホールだった。レホールは眼鏡の位置を正して、金魚のようなポケモン———イーユイの炎で焼き尽くされたテツノワダチの群れの更に後方、そこに人の姿を認めると、ボールを一つ手にして中のポケモンを呼び出した。
「獲ってこい、パオジアン」
ボールから飛び出した白く細長い体躯のポケモン———パオジアンは地に足をつけると同時に踏み切り、ビュンッ、と突っ走った。狙われている、と理解したその人影は慌てて逃げの姿勢を取るものの、残念ながらポケモンの身体能力に敵うわけもなく敢えなく確保された。
「厄災のポケモン……」
ハルトが呟く。ハルトはレホールがイーユイやパオジアンを保有していることに驚きこそしたものの、現在のパルデアのこの状況を考えれば、そして此方の世界の自分たちがどうなってしまったのかを考えれば、成る程あり得なくはないだろうと納得した。
パオジアンが捕らえた人物を引き摺ってレホールの下へ戻ってくる。引き摺られている人物の服装を見るに、ナンジャモに現在進行形で殴られている不審者と同一組織の人間か。
「さて、貴様らは彼方の世界のハルト達だな?其方ではまだ何も起きていないようで何よりだ」
レホールはパオジアンに捕えられた不審者には目もくれず、クツクツと悪どく笑う。 - 183二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 18:00:52
「こっちのレホール先生、よくアカデミーから出られましたね」
ハルトはレホールに向けられた厄災のポケモン達の目を見て、少しばかり怪訝な顔をした。トレーナーとしてID登録がなされていなければ、恐らく今にもこの二匹はレホールの命を奪わんとしただろう。そういう眼だ。
「理事長の提案に反対票を叩きつけた後、すぐに辞表を理事長の自宅のポストにダイレクトメールして逃亡したからな。もっとも、今となってはそれで正解だったと言える」
レホールは肩をすくめて、右側の軍手を外してコートの袖を捲った。ハルトは驚いて意味の無い声を上げ、ミモザが息を飲む。
「所詮凡人の域を出ないワタシでは、厄災を全て御し切るには足らぬらしい。チャンピオンランクか、或いは四天王級でもなれば、話は変わっていただろうがね」
露わになった右腕には、塩酸でも被ったか、或いは火に炙られたかのようなグロテスクな色合いの痣が纏わりついていた。
「ちょ、それ大丈夫なんですか……って、んなわけないか」
「生憎表面的な異常よりもずっと、内側はボロボロでね。ワタシの予想では後一ヶ月保てば良い方、最短で二週間で命が腐って潰れるだろう」
凡庸な人間が大き過ぎる力を手にした代償と思えば妥当だろう。そう言ってレホールは袖を戻して軍手を着け直す。
「事が終わり次第、校長に頼んで信頼のおける実力あるトレーナーにそれぞれ一体ずつ譲渡するつもりだ。四体同時は恐らくワタシのようになりかねんのでな」
聞き入れられるかどうかはさておいてな、とレホールはパオジアンとイーユイをボールに戻す。
流石にキハダもミモザも何も言えなかった。 - 184二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 19:03:17
ちょ 犠牲レホール先生 自分の命が残りわずかなのを淡々と
心残りはエリアゼロに行けなかったこと、パルデアの歴史の全貌を解明できなかったことだな……くらいは言いそう
というか犠牲レホ先生の命がこのまま尽きたら
いや犠牲軸のミモザさんは物理的にキハダ先生は精神的に深く傷ついてるし
あの犠牲ダカさんあなたの手の中に残ったもの取り返しのつかないくらい傷つけちゃってるんですが
これ犠牲ダカさんが知ってしまったらどうなるか……
話を聞く限りだと、今のパルデアにいるのはあくまで末端で悪の組織の本部は別の地方にあるっぽいな
これ悪の組織に復讐を誓ってパルデアを飛び出す人が出かねないんじゃ…… - 185二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 19:09:51
あのこれ、ごめんなさいも おやすみなさいも さようならも 間に合うんか……?
というか許されるの……?? - 186二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 19:47:55
レホール先生~~~!!!???
何やってんですか、あなた!!
格好いいですが、待って、これ先生からも犠牲者出る感じ?
あれ、本当に犠牲軸色んなもの終わってないか?! ねぇ!! - 187二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 19:51:43
レホール先生が格好良く見える…!でも本人的には救うとかそういう殊勝な感じじゃなくて好奇心からなんだろうな…
- 188二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 19:55:50
>パルデア危険人物番付け堂々一位(ボタン調べ)とハルト達の間で評されている
どうしよう否定できないw
からのこの描写よ…随分服装違うなと思ったらこんな…こんな…
やだよーレホ先!散々黒幕最適解とかやってる事ロケット団とか言って悪かったから死なないでくれよぉ!
- 189二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 23:14:42
レホール先生少なくとも騒動が終わるまでは死なないから大丈夫
by筆者 - 190二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 07:10:27
- 191二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 07:11:06
(仕事から帰ってきたらスレ立てします)
- 192二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 16:44:31
保守
- 193二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 19:40:56
- 194二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 19:51:55
ありがとう!
- 195二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 19:52:17
レホール先生とんでもないことになってる…
レホ先かっけー!!って気持ちと死なないで…って気持ちで自分の情緒ぐちゃぐちゃだよ - 196二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 19:55:47
- 197二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 07:12:32
ほしゅ
- 198二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 08:19:03
次スレあるし埋める
- 199二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 08:19:24
埋め
- 200二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 08:19:41
完走