すみませんここに来れば意を決してキスをPart2

  • 1123/03/29(水) 21:32:04

    すみませんここに来ればトレーナーが意識を失い目を覚ます方法がキスしかなくて、意を決してトレーナーにキスをするウマ娘のSSが読めるって聞いたんですが

    強欲人間なのでまだまだSSが読みたく次スレを立てさせていただきましたグヘヘヘヘ


    前スレです

    すみませんここに来れば|あにまん掲示板トレーナーが意識を失い目を覚ます方法がキスしかなくて、意を決してトレーナーにキスをするウマ娘のSSが読めるって聞いたんですがbbs.animanch.com
  • 2123/03/29(水) 21:41:52

    今までかいていただいたものですが、書いていただいた順番に
    5~7:サクラバクシンオー(スレ主)

    シンコウウインディ スイープトウショウ メジロアルダン アグネスタキオン
    エアグルーヴ ナイスネイチャ マンハッタンカフェ アドマイヤベガ
    ダイワスカーレット、ウオッカ ライスシャワー メジロパーマー テイエムオペラオー
    アストンマーチャン ヒシミラクル エイシンフラッシュ セイウンスカイ
    メジロマックイーン ダイイチルビー ファインモーション キタサンブラック
    "ダーレーアラビアン" オグリキャップ キングヘイロー フジキセキ
    シンボリクリスエス ゼンノロブロイ モブウマ娘(間違いでなければデュオエキュ?) ツインターボ
    タマモクロス マチカネタンホイザ ゴールドシチー スーパークリーク
    シンボリルドルフ アイネスフウジン ミスターシービー

    になります
    いやぁすっごい数を書いていただいてて大変ありがたい限りです
    イラストなども描いていただいたりしてますのでもしよければ前スレのほうもぜひ見ていただければ

  • 3二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 21:42:39

    マメだなスレ主…

  • 4モブウマ娘はいいぞ23/03/29(水) 21:44:39

    >>2

    画像の娘はデュオエキュで合ってますぜ!でもモブウマ娘だから純度100%幻覚なので好きなモブウマ娘に変換して読んでくれよな!

  • 5二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 21:44:44

    今短めだけどスズカさん書いてるんですが前スレよりこっちに載せた方が良いかな

  • 6123/03/29(水) 21:46:41

    私の方針なのですが
    ・同じキャラが何回出てきてもいい
    ・同じ方が何度SSを書いていただいてもいい
    ・もし感想を言いたいSSがあったらぜひ言ってほしい
    ・もしもしファンアートとか描きたくなったらぜひぜひ描いていってほしい

    と思っています なぜならそっちのほうが素敵なSSや感想、イラストがいっぱい見れるからですグヘヘヘヘ

  • 71のお知らせのコーナー23/03/29(水) 21:47:44

    誠に申し訳ございませんがこちらのスレからは私の変化がすごく雑になります
    理由なのですが、何に変身するか考えて結構時間がたっていることに気付いたことがあり、なかなか時間がもったいだいという気持ちになりました
    ひどい時には休みの日に感想に2分、私の中の一体の処分方法を考えるのに20分、何に変身するか決めるのに20分かかったことがあります
    既に前スレ170あたりから顕著になっていますし、ここからは生物だけでなく無機物や概念にも変化すると思いますが、ご了承ください

  • 8二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 21:48:41

    雑になる(変化先が増える)は草なんですよ

  • 9123/03/29(水) 21:50:04

    長くなりましたがこれからも引き続き書いていただいたり読んでいっていただけたりしていただければ幸いです



    >>5

    前置きが長くなりましたが、こちらに書いたほうが安全だと思います(もう前スレが残りギリギリなので書ききれるか不安ですし)

  • 10二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 21:52:01

    真面目だな…

  • 11二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 22:33:10

    こんないい感じのssがかけるかどうか不安や

  • 12123/03/29(水) 22:39:41

    >>11

    もう書いていただけるかもしれないってだけでめちゃくちゃにわくわくしてるので、もし書けたらぜひ投稿していってほしいなぁと思っています

  • 13二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 22:48:07

    まだやってんのかこれ

  • 14二次元好きの匿名さん23/03/29(水) 22:49:54

    立ておつです!
    すごいな、あれだけ密度あったのにもう2スレ目なのか…
    スレ主の变化にも期待ですわ

  • 15モブウマ娘はいいぞ23/03/29(水) 23:28:19

    明日までにライブガチャ成功して良いシーン撮れたら何か書こう

  • 16二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 00:51:14

    「トレーナーさん、今日も目を開けてくれないんですね…」

    病室のベッドで眠るトレーナーさん、トレーナー室で倒れてから1週間経ったけどまだ目を覚まさない。
    お医者さんから原因が分からないと言われた私は途方に暮れていた。
    トレーナーさん、トレーナーさん、走る事が嫌になっていた私にまた走るきっかけをくれた人。担当トレーナーになってくれた時からずっと、走る事ばかり考えている私を支えてくれている人。
    どんなレースでもゴール板を駆け抜けたその先の景色の中で、1番最初に目に映る大切な人。
    いつかの夏合宿の時、トライアスロンに参加した時に気づいた。あなたが待っているからこそ自分は限界だって越えられることに。

    「これからも、ゴールで待っているって言ってくれたじゃないですか…トレーナーさんがいるから私は今日までずっと走ってこれたんです」

    たまには一緒に歩いて2人で色んな景色を見たい、走ることばかりの私がそんな事も考える位にはこの人に惹かれていたんだと思う。

    「トレーナーさん、実は私この1週間1度も走ってないんですよ?スペちゃんからも心配されたんですけど走る気になれなくて…あなたがこんな状態なのに走るなんで出来ません」

    いつまでもトレーニングをやらないという訳にもいかない、起きた時にトレーナーさんに怒られてしまうから。

  • 17二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 00:52:01

    「だからお願いします…目を覚ましてください…!私は、あなたがいない景色が怖いんです!あなたが…あなたがいなくなってしまったら私は…」

    怖い、私の好きなあの景色から1番大切なものが無くなってしまうのは。それは感謝や親愛だけではなく、別のの想いだって混じっていることも分かっている。

    「あなたの事が好きなんです…それさえも伝えられずにお別れするなんて絶対に嫌…!だからお願いします!私を置いていかないで下さい…」

    走りたくないと思った時のように心が沈んでいく、自分でも信じたくないのに悪い方向ばかりに考えがいってしまう…もしもトレーナーさんが助かるのならなんだって出来る、そう思っても見守ることしか出来ない自分が嫌だった。

    「こうすれば…起きてくれませんか?」

    ふと思い出した、フクキタルの言い出した大切な人との関係を進めるおまじない。それは占いなのかしら…なんて思いもしたけど、そんなものにだって縋りたい。
    この人になら捧げても構わない、私はまだ一緒に歩いていきたい、私の目に映る景色にいて欲しい、あなたの元に帰りたい。だから…!

    「愛しています、トレーナーさん」

    そう言って彼に口付けした、私の初めて。後悔なんて無い、私は彼の事を想っているのだから。
    そうして、彼から離れてすぐの事だった。

    「スズカ…」

    自分を呼ぶ声が聞こえて、涙が溢れる。何が起こったなんて分からない、ただ分かるのは大切な人が目を開けて自分を見てくれているということだけだった。

    「はい…!あなたのサイレンススズカです!」

    そう言って彼に思いっきり抱きついた、これくらいは許して欲しい。大切な愛バを心配させたのだから

  • 18二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 02:19:28

    私は推しと推しが見たいのであり、私と推しはタブーを超えたタブー──彼の者の名は自滅、兵どもが夢の跡……

    私の名前はアグネスデジタル。どこにでもいる平凡なウマ娘。
    ですが同志トレーナーさんがいきなり昏倒──!?

    同志は全然、目を覚ましません。タキオンさんが示した可能性は、クライネ・レビン症候群──通称、眠り姫病。
    ロマンすら見え隠れしますがその実態は、おとぎ話でも本当は怖いグリム童話のそれでして……

    結論を言うと、一筋の希望はありました。愛する人のキスって、この魔法をいずれ科学して見せるって、あのタキオンさんが大真面目に言ったんですよ?パンドラの箱最後の希望みたいに──
    ですが……お触り厳禁、いや同志だからこそ、そのような感情は何か違うというか……
    ただ気付けば病室でぼーっとしてるだけ、身が入らない……なんで、なんでしょうね……?

    「まさか私が見ていて歯がゆいとは!寛大は美徳なんて優しいステージⅠはここで終わりというやつだ。
    ステージⅡへと進ませて貰う──素直に心を開いていれば違う可能性はあったが、今の君には禁忌の"薬品Σ"が相応しい」
    え、そ、お!?
    「そして仕損じのないよう、君の流儀を借り受けるとしようじゃあないか。ファイナルウマンタジーでも言っていたねえ!──さっ、実験開始だよ、カフェ!」
    「……がおー──……」
    な、何かマズイのにあまりの尊みで身体が!?
    「「『貴方は、逃げているだけです』……──」」
    え、これ、あれですよね。不器用な2人が手を取り合っての、一度限りの『想い』が叶える共闘──ああ、そうでした……麗しのタキオン様は、誰よりもロマンに、生きて……コッ……

    ええ、分かっていますとも。考えては、振り払っていました。
    今生の別れとなるのが、こわくて。二度と語り合えなくなってしまったら?
    言葉より先に、同志の優しさが、私のずるさに、響くから──
    ですから、これもズルです。それでも、おデジと一緒に、秘密の併走してくれますか?
    うーっ、うまぴょい!!……今瞬間は永遠となって──もう少し永く、深く、唇を重ねても、いいですよね──?

    「意識清明。後遺症もごく軽微ときた。完敗だ。奇跡、見せてもらったよ」
    「あの薬品、結局何だったんですか……──」
    「ああ、心配はいらない。実験体の前では禁句なだけさ──なあに月並みな……プラセボ、『うその薬』だ」

  • 19二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 06:55:29

    おいトレーナー、何故起きない?
    今度の焼肉はどうするんだ?
    アンタがいつにも増して楽しみにしていたじゃないか。
    それにアンタじゃないと上手く肉を焼けないんだぞ?
    それにトレーナーがそうしている間、私はレースに対して渇きも飢えも感じなくなっているんだぞ…
    何だ?どうして涙が…涙が…止まらないんだ…

    ……姉貴…ぐずっ…別に…泣いてなんか無いぞ?…ううっ…どうしたんだ一体…?
    トレーナーはキ…キスで治るのか…?他にも同じケースがある…か。
    ちょっと待て姉貴!まだ話は!……行ってしまった…
    しかしキスか…トレーナーにキス…か…
    何故だ!何故考えるだけで頭にもやがかかるんだ!それにトレーナーの顔を見たら…顔が吸い込まれる様に……
    顔が‥近い…呼吸も聞こえる…この呼吸が止まってしまったら?……そんな事考えたくも無い!
    今分かった…私は満たされたいんだ…トレーナー、アンタの全てに…
    レースも同じだ…だがそれ以上にまだ!アンタの全てで私は満ち足りていない!
    だから求めるんだ…渇きも飢えも心の穴も何もかも満たしてくれるアンタを…んむっ…んんっ…
    このままずっと……?………トレーナー?
    ぷはっ!…起きたのか…全く人騒がせな奴だアンタは…
    泣いてなんかないぞ…ぐすっ…泣いてなんか…

    しかし私も弱くなったな…前までは一人でも何も感じなかったが……確かにこれは弱さかもしれない…だが、同時に大事な者の為に出すことができる強さ…トレーナー、アンタのお陰でそれを知る事ができた…

    所でアンタが目覚めた途端、レースへの渇きと飢え、それと焼肉を食べたい気分が戻ってきたな。なら早く行くぞ、アンタなら今の私の飢えを満たしてくれる…いや、今だけじゃない…これからもずっと…

  • 20二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 07:08:32

    「ステータス『覚醒』を確認。回避行動へ移行」
    「私は1片たりとも、敗北に冒されていません」
    「……完敗……戦術の『根源』を、是非教えて下さい」
    「ブルボンさんの入力精度は、頂点でしょう。ただそれ故に読みやすいのですよ、Strategieが──私のトレーナーさんの受売りですが」
    「──ピーッ。NG状態異常『嫉妬』が上位割込で発生。自爆シーケンスへと移行」
    「それ、気に入ったんですね……あ」
    ウマホに着信。精密機器リスクを考慮し、フラッシュさんが出てくれました。内容は……マスターの意識不明。原因、療法……共に不明。

    バレンタインでは2位に終わり『悔しさ』を得てから、私達は様々な『勝ちたい』を追い求めていました。その日常の『崩壊』不可避……リカバリー方法を検索中……検索中……該当が、出てきません……

    ステータス『興奮』に陥るときは、正の方向性であって欲しかった。回路が軋み、焼き切れるというのは、こういうことなのだろうか──カラーコードが、ゼロへと流れていく……

    Recovery
    Your HEART/Devise needs to be repaired
    File:\Boot\XYZ
    Error code:0xc000014c
    You'll need to use KISS. If you have any questions, refer to Rice Shower's picture book.
    bootrec /rebuildxyz
    :y

    『閃き』、そういう、事でしたか。ライスさんの絵本から『KISS』の該当エリア検索……オペレーション『スノーホワイト』を開始します。
    瞬間的記憶、フラッシュさんの提言。唇はそっと重ねるだけでいい……ごほっ!?
    KISSとは回路接続、それも、唇と唇で……瞬間、顔から白煙が舞ったように感じました。急速放熱を開始し事なきを得ましたが、失敗すれば強制シャットダウン必至……
    難度特A級ミッションの蓋然性大。ですが、遂行します。任務故に……いいえ、ミホノブルボンとして。

    マスターを確認。致命的な心拍の乱れを検知。正常挙動に擬制し続行……いきます……私の心を、今……マスターに預けますから、お側に……
    弾力を、検知。これは、まるで……んっ……ぷはっ……はあっ……

    「ステータス『覚醒』を確認。任務、更新。ハグを要求します」
    「!!!?」

  • 21二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 07:09:20

    1のSS、オレハマッテルゼ

  • 22モブウマ娘はいいぞ23/03/30(木) 08:16:37

     ────何か、夢を見ていた気がする。冷たい風に頬を撫でられ、意識が水泡の様に浮かび上がって来た。何度か瞬きをした先、見上げる天井は暗く、無機質だった。

    (なんで、此処で寝ているんだろう?)

     まだぼんやりとする頭で考える。確か、最後に覚えているのは……いつも通り、“彼女”のトレーニングを見ていて……そこから先が良く思い出せない。

    (……冷たい、窓が開いているのか?)

     恐らく深夜、身体を起こして部屋を僅かに照らす月光と冷気の所在へ目を向けて……月明かりと夜風を浴びる“彼女”がそこに居る事に気付いた。自然体で、まるで一つの絵の様な姿に思わず息を漏らす。

    「……トレーナーさん、お目覚めですか?」
    「え……あ、ああ。今目が覚めた所だけど……」

     彼女は風に揺れる芦毛を軽く抑えつつ、こちらへゆっくりと振り向いた。その表情には安堵が浮かんでいる。

    「良かったです、目が覚めるまで個人差があるとは聞いてましたが……ちゃんと目が覚めて」
    「その、すまない……何があったのか教えてくれるか?」

     目が覚めて、と言うからにはやはり倒れでもしたのだろうか。自身の疲労や私生活には指導者として恥じぬ様に気を付けていたつもりだったが、不足だったか、或いは予期せぬ事でもあったのか。情けない話だがそれを聞く以外で知る手段が今は無かった。

  • 23モブウマ娘はいいぞ23/03/30(木) 08:17:07

    >>22

    「────察してらっしゃるとは思いますが、トレーナーさんはトレーニング指導の最中にお倒れになられました」

    「……先ず、心配を掛けてすまない」

    「いえ、お気にせず」


     やはりか、と。理解と同時に“彼女”へ頭を下げる。それを軽く手で制され、話の続きを聞く為にも一旦頭を上げる。


    「それで、原因は……」

    「……原因は────と言う、症状です。ご存知、だとは思います」

    「ああ、聞いた事は……」


     と、そこまで返して。いや待てよと、気が付いた。“彼女”の出した症状に対する治療法、もとい行為は一つであり、その内容から世間一般からは『白雪姫症』などと言われている。男女ウマ娘何れでも罹患する可能性を秘めた厄介な物だが、最低一人は解決できる相手がいると言う意味では非常に生易しい病……と、言われている。そう、特定の相手からキスをされる、と言う治療法だからだ。色々と複雑な条件を見越した上で、現状を見ると────


    「……ッ、すまな────」

    「────ダメですよ、トレーナーさん。『それ』への謝罪は受け取りませんから」


     人差し指で、そっと口先を押さえられてしまう。一人の大人として、治療行為と言えどそれを教え子に強要する様な状態になってしまった事は、紛れも無い事実だったからこそ、謝罪しなければと、そう思ったのだが……


    「────私が『王子様』の条件に該当している、それだけで充分、御理解いただけるでしょう?」


     ────家族愛、友愛、或いはその他問わず。親しき者からのキスならば、目が覚める。だが世間一般的に、『王子様』と揶揄されるキス役、それ即ち……


    「……分かった。謝罪は、しない」

    「ふふっ、ありがとうございます……ああ、でも」


     即ち……恋愛。


    「────私が眠った時は、トレーナーさんが『王子様』だったら嬉しいですよ?」


     恋心を持つ者から贈られるキスだ。

  • 24123/03/30(木) 14:02:04

    (帰ってから読もうと思ったけど帰ってからだとギリギリになりそうな気配がするので保守をしておく私……)

  • 25モブウマ娘はいいぞ23/03/30(木) 23:07:02

    保守はいいぞ

    余談だが>>22で“彼女”が窓を開けてた理由は熱くなった顔を覚ますためだゾ。こいつ冷静そうな顔して少し前までずっと顔真っ赤だったんだゾ。

  • 26二次元好きの匿名さん23/03/31(金) 06:51:42

    「遅い…ったく…アイツはどこで何をしてんの?」
    「はぁ…はぁ…ここにいたかタイシン!」
    「タイシィィン!大変だよぉ!タイシンのトレーナーさんが!」
    「——————は?」

    ここはとある病室の一室。そこにはベットの上に横たわる男性と椅子に座りながらそれを眺めている一人のウマ娘…ナリタタイシンとそのトレーナーが居た。
    三年間を好成績で走り抜いただけでなく、URAファイナルズ王者に輝いたナリタタイシン。
    そんな彼女へトレーナーが提案した旅行に出かけようと準備をしている最中の出来事であった…
    「どうして…アンタは起きないの?まだ旅行の行き先も決めてないのに何で寝てるワケ?」
    普段の様にトレーナーに話しかけるタイシン。普段と変わらない光景ではあるがタイシンの声や肩は明らかに震えていた。
    「ったく…普段は暑苦しくアタシに構ってるってのに…黙っていると調子が狂う…」
    日常の様な光景…だがそれがタイシンの限界であった。現実は理解している…しかし普段の様に振る舞わなければ心が壊れてしまう…それは彼女の心が無意識の内に行っていた最後の抵抗だったのだ。
    「まぁ、まだ起きないか。喉が渇いたし購買で飲み物でも買ってこよっと」
    タイシンが立ち上がると彼の鞄から何か光るものが見えた。気になったタイシンが鞄の中を見てみるとそこには、二人で行き先を決めようとした旅行雑誌…それと恐らく買ってバレない様にしまっておいたのだろう細長い箱があった。そして中身を覗いてみるとそこには綺麗なネックレスが入っていたのだ。

  • 27二次元好きの匿名さん23/03/31(金) 06:52:07

    「——————ッ!」
    (ふざけんな…!こんなもの見せられたらアタシ…もう…もう…)
    あまりの出来事に動揺するタイシンだったがそれでも心は踏みとどまっていた。
    すると鞄にあったスマホに着信が入り画面が光る…
    そこにはタイシンが初めて一着を取った時の彼との記念写真が待受になっていた。
    「あ………」
    恐る恐るスマホに手を伸ばす。しかし長時間充電していなかった為にスマホのバッテリーは底を付き、タイシンが触れる前に電源が切れた。
    その瞬間タイシンの脳裏には三年間の思い出が走馬灯の様に駆け巡っていき…そしてトレーナーの姿がノイズの様に見えなくなった。

    ———タイシンの何かが壊れる音がした。
    「一生でもって…言ったじゃん…一生でもって言ったじゃん!トレーナーの馬鹿ぁ!嘘吐き!うそつきぃ!………う…うあぁぁぁぁ…っ」
    力が抜ける様に座り込み、子供の様に泣き出すタイシン。幸い病室は防音であり周囲に響く事はなかったが異常を感じた看護師が駆け付けてもタイシンが泣き止む事は無かった。

  • 28二次元好きの匿名さん23/03/31(金) 06:54:13

    そして翌日、未だ目を覚まさないトレーナーをタイシンは虚ろな目で眺めていた。
    ———もう、あの日々は戻って来ない
    ———もう、話す事も出来ない
    そんな事実を頭の中で反芻する度、子供の様に泣き出してしまう…そしてまた虚ろな目でトレーナーを眺めては泣き出す…その繰り返しだった。
    そんな時病室の扉が開く。入ってきたのは彼女の親友であるウイニングチケットとビワハヤヒデである。

  • 29二次元好きの匿名さん23/03/31(金) 06:54:33

    「タイシン、大丈夫じゃ…ないな…」
    「うゔっ…ダイジン…」
    「チケット…ハヤヒデ…何……?」
    力無く掠れた声を振り絞って出すタイシン。そんな姿に二人とも絶句していた。
    「タ…タイシン…今日は話があって来たんだよ!」
    「ああ、君のトレーナーについての話だ」
    「トレー…ナー…」
    (———やめて)
    「そう!お医者さんから話を聞いて来たんだ!」
    (———やめて)
    (———それいじょういわないで)
    「ああ、その話を聞いてここに来たんだ」
    (———いやだ)
    (———こわい)
    (———ききたくない)
    (———おねがい)
    (———これいじょうあたしのこころをこわさないで)
    「タイシン…よく聞いて欲しい…」
    (———うるさい)
    (———やめて)
    (———おねがいやめて)
    「君のトレーナーの…」
    (———やめて)
    (———やめろ)
    (———やめろやめろいやだやめろやめろやめて)
    「病気の治し方が見つかったんだ!」
    「———え?」

  • 30二次元好きの匿名さん23/03/31(金) 06:54:52

    意外な答え…絶望していたタイシンにとってそれは正しく希望の光だった。
    「ああ、君のトレーナーは一種の奇病にかかっていてね、不思議な話だが想い人のキスで目を覚ますらしい」
    「なに…それ…それだけで…」
    「でもお医者さんが言ってたよ、この病気って本当に見分けが付かないから中々気付けないんだって」
    「そうだな、最悪の場合は判別が付かずに脳死とされる可能性もあるらしい。最もそのケースは今まで確認はされていないがな」
    「あ…え…?」
    恐ろしい話である。口付けだけで治る病気に気付けなければ今頃トレーナーは脳死の判定をされていたのかも知れなかったのだ。それを想像してまたもやタイシンは大粒の涙を流す。
    「大丈夫だ。君の想いを伝えればきっと…」
    「そうだよタイシン!トレーナーさんは目を覚ますって!」
    そんな彼女の背中をさすりながら二人は激励の言葉を送り病室を去っていった。
    再び静寂が訪れる。静寂に涙を流しながらもよろよろとした足取りでトレーナーの方へ歩くタイシン。そして顔を近づける…しかし唇同士が触れるまで数センチと言うところでこれ以上動かない。

  • 31二次元好きの匿名さん23/03/31(金) 06:55:31

    (どうして…!どうして動かないの!?)
    (違う…動かないんじゃない…動けないんだ…アタシの身体…)
    思い返せばトレーナーに対してキツく当たった事あった…振り回したこともあった。そんな自分がトレーナーにどう思われているのかが今分かるのである。
    もし目を覚まさなかったら?それは即ち自分の事を嫌っているか、病気ではなく本当に目を覚さないものであるかのどちらか…どちらに転んでも絶望的である。
    その事実が彼女の動きを止めているのである。
    (やっぱりアタシには…)
    その時である。
    「タ…イ…シン…」
    意識が無いトレーナーが彼女の名を呟いたのである。
    「トレーナー!?」
    しかしトレーナーは答えない。しかしそれがタイシンに決意をさせた。
    「アンタが目が覚めないなら起きるまで…一生…アンタに想いをぶつけてやる…!」
    意を決してタイシンは唇を落とした。
    んむっ…んんっ…んん…はっ…
    (———足りない)
    んっ…んうっ…んちゅっ…んくっ…ぷはっ…
    (———まだ足りない)
    (———これだけじゃ…アタシの想い…アンタにまだ全部伝えきれてない!)
    唇を落とし呼吸の限界までその想いを伝え、唇を離す。そしてまた唇を落としまた離す…
    それを始めた時は正午だった時間も気づけば一時間近くは過ぎていた。

  • 32二次元好きの匿名さん23/03/31(金) 06:55:48

    「なんで…起きないの…?…でもアタシは諦めない…アンタが起きるまで止めるもんか…!」
    再び唇を落とそうとしたその時、小さな呻き声と共にトレーナーの瞼が開かれた。
    「あれ…タイシン…?……そうか…ごめんね君を心配させてしまって…」
    「当たり前だよ…ッ!アンタが目を覚ます間アタシがどんな気持ちでいたか…!」
    「もう…会えないって思っちゃったじゃん…アンタが一生でもって言ったんだ!アタシをこんなに泣かせた責任取ってよ馬鹿!」
    泣きながら怒るタイシンをトレーナーはその他で優しく撫でる。
    「大丈夫…もうタイシンから離れないから」
    「うん…うん…!アタシ…ここが良い…!アンタの傍にずっと居たい!」
    抱きついてそのまま泣き出すタイシン。トレーナーはそんな彼女の身体と心の全てをその温もりで包み込んでいた…
    暫くして様子を見に来たチケットとハヤヒデ。
    ドアを開けた光景に驚き声を出しそうになる二人に対して人差し指を口に当ててサインを出すトレーナー。
    そこには彼を抱きしめながら満面の笑顔で眠っているタイシンの姿があった…

  • 33二次元好きの匿名さん23/03/31(金) 06:56:49

    スレ主さん忙しそうなのに長文すまない…

  • 34モブウマ娘23/03/31(金) 11:02:38

     最後の有マ記念は、絶対勝たなきゃいけないレースだった。ウチが勝つのが当たり前に思われていて、というのとはまた違うッス
     あの子と約束、したから。チギったッス。ここからずっと遠い遠い天国からでも、ウチが分かるように、目に焼き付けて欲しかったッスから……
     一緒に天を仰いで……その後アイツはドストレートな歯が浮くセリフをぽんぽんと……は~……ウチ以外でこんなんやっちゃ、ドン引きされるッスよ?

     3年過ぎた後も定期的に逢いに来るトレーナーって、本当に珍しいそうッスね
     そんなに恵まれていながら、ウチはそれがごく自然だと勘違いしていて、照れ隠しにどつきまわして……
     思えば、札付きの不良ウマ娘だったウチに、アイツはいつもやさしい言葉をかけてくれてたッス
     それなのに……何で……何であんな優しかったアイツが……アイツのこと全部わかってたつもりの自分が、恥ずかしくて。恥ずかしくてたまらない……!

     アイツに、逢いたい。誰にも出遅れとか、掛かりとか、言わせないッスよ
     考えなしのアポ無しで来たもんだから何なら門前払いでもおかしくないのに、拍子抜けな程あっさり案内されたッス
     今思えば、何であんなすんなり入れたんスかね?まさか、始めからウチが来ることも……いやこれは流石に思い上がりが過ぎるッスね
     何したかって、そりゃ、アレッスよ
     え?……今までのことを謝って、謝って、感謝してもしきれなくて、最後に、キ、キ、キス……あーっ!
     じ、状況を!?……ハイ……言います……ほんの軽くで済ませようとしたのに、世界が止まって、キスは止められなくて、貪るように何度も、何度でもしました……禊ではなく、伝えられなかった愛を、ほんの一欠片でもいいから注ぎたくて……うう……ハイ……

     ……ウマホで『意識恢復』の字を確認した刹那、ウチ、もう涙を抑えることが出来なくて………
     それで姉御にバレて『お話』することになったッス
     当然ッスよね……姉御に隠し事なんて通らない……

     「これが顛末ッス……ハイ……」

     馥郁たる香りと共に耳元へ空気が触れて、対称を描き生きた心地がしなくなったその時──

     「今の■■、どんな■■■より輝いてる。カレン、妬けちゃった」

     ズル過ぎるッスよ……そんなだから……龍王すら服従する魔性のウマ娘って……

     うう……ああああああああああ……──今の素顔、見ないで……

  • 35123/03/31(金) 16:57:47

    >>16

    あー、先頭です 先頭です 先頭過ぎて煎餅になります

    スズカさんがまとっているどことない儚さがこの文章にもうつっていて、色鉛筆で描かれたような淡い色合いの景色が目に浮かぶようでした 最後の場面できっと彼女が浮かべていたであろう笑顔はそれは幸せそうなものだろうと、思いをはせました

    本当にありがとうございました、これで割れてしまった私の中の一体が訳ありとして出荷されました

  • 36123/03/31(金) 17:11:54

    >>18

    あー、よきみです 尊みです マイ女神すぎて埋蔵金になります

    デジたんらしい若干ギャグっぽい文章の中で、最後の最後に甘い恋の話に落ち着くのが大変愛おしかったです 難しい病に対して、この上なく素晴らしい処方がされていたと思います

    本当にありがとうございました、これで地中奥深くに埋まっていた私の中の一体が発掘されました

  • 37もぶうまむすめ。23/03/31(金) 17:59:24

    ひとつみひかりもとむれば たくらみ ちがらみ そこはやみ
    私達は互いを『剣と鞘』と呼んでしました。一勝の光すら見えなかった私に、トレーナー殿は制御することの大切さを、教えてくれました
    それはあと一歩で悲願達成という時、限界を迎え──突然のタイムクラッシュ。トレーナー殿は、私に隠して、呆れる程の無理をしていたのです──

    ふたつふたりはもうあえぬ ちちなし ははなし いえもなし
    私はなぜ側に居ながら、気付けなかったのでしょうか?貴女は私にくれた愛を、何でもっと上手に自分に使えなかったのですか?私はずっと一緒に居るのが当たり前と驕った、独りよがりな罪の子なのでしょうか……?

    みっつみちづれまよいごは つれさり きえさり ひとりきり
    蒼い空が、やけに邪魔臭く思えました

    よっつよみじはぬけだせぬ ひがくれ たそがれ いのちくれ
    私は、抜身に戻ってしまいました。鞘なき剣は制御を離れ暴走し、やがて主を貫いて果てるもの──逃げ、先行、差し、追込──汎ゆる脚質を嫐り、自分を追い詰めました
    いつしか私は『呪われし野望』『百人斬りのウマ娘』と影で囁かれ、皆私を避けて通りました

    いつついかりにくるいしも ひだまり さだまり よみがえり
    「もー、ほんっと水臭いわ!アンタこそ使い魔に捧げてるおっきい感情を、少しは他の子にも分けてあげなさい!そしたらアタシが契約を教えてあげる」
    「誓います。教えて下さい、契約のありかたを」
    「……っ!バッカじゃないの!にぶちん!察しなさいよ!いい?契約っていうのは」

    むっつむかいにたたずめば さざめり よまいり もとどおり
    力なく横たわる鞘に、とめどなく溢れる願いを放り投げ裸にしました
    言葉が欲しい、脈拍が欲しい、唾が欲しい、愛が欲しい、貴女が欲しい──猛り澱めく我儘に、唇を重ね契りました
    貴女の凡てをください──私、貴女なしでは、もう、我慢できない、どうしようもなく、悪い子になってしまいましたから……責任を、くちゅ……取って、くださいね……はむっ……もっと……ここすきっ……

    ななつなごりはおしまれぬ そひかり おかえり にどまいり
    「君が壊れなくて、よかった」
    「……もう。いいですか。これからは私より、自分の心配をしてください。絶対、ですからね」

    やっつやまいはかれはてて きらめく かがやく てんたかく
    ──これは、魔剣の呪いと生き物のサガである

  • 38もぶうまむすめ。23/03/31(金) 18:00:35

    前スレのシービーの人の文章きれいすぎてすき
    おまえの文才をよこせ(豹変)

  • 39123/03/31(金) 23:27:08

    >>19

    あー、渇望です 渇望です 渇望過ぎてカツオになります

    普段の彼女からは想像できないほど弱々しくなっており、覚悟を決めるところに恋心と不安が混ざっているのが素敵でした 彼女の渇きを潤せるのはただ一人になり、二度と満たされることはないのだろうと思いました

    本当にありがとうございました、これで縦横無尽に泳ぎ回る私の中の一体が釣りあげられました

  • 40123/03/31(金) 23:37:53

    >>20

    あー、再起動です 再起動です 再起動過ぎてサイコロになります

    次々とシステムが落ちていって情報が少なくなっていき一度心が折れたのかコンソールが表示されるのがあまりにも痛々しく、復旧後はとたんに少女らしい振る舞いが多く心の中に一気に"かわいい"が注ぎ込まれました

    本当にありがとうございました、これでコロコロ転がる私の中の一体が7の目を出しました

  • 41とあるモブウマ娘の場合 1/223/04/01(土) 05:20:36

    およそ世にある学校という場所の多くは、教師よりも生徒の方が多い。
    ここトレセン学園も同じだ。沢山の生徒──ウマ娘に対して、教導役──トレーナーは少ない。
    トゥインクル・シリーズへの挑戦は担当トレーナー無くして出来ず、その挑戦も殆どはうまくいかない。
    重賞を勝利出来るウマ娘はほんの一握り、G1レースともなればなおのことだ。

    それでも、ウマ娘たちは夢を見る。
    自分を見出してくれたトレーナーと共に練習に励み、勝つためにレースを走る。

    ──まあ、自分は未だに栄光を掴みきれていないのだが。
    プレオープンを勝ち、オープン戦でも好走、しかし重賞レースでは着外ばかり。それが私だ。
    そんな私にも──先述の通り、いなければ出走すら出来ないので当然だが──担当トレーナーさんはいる。
    日々を私の為に費やし、一緒に考え、悩み、いい結果が出れば共に笑い、結果が振るわなければ共に泣いてくれる。

    数多いる学園の生徒たちの中から、私を選んでくれた。私と一緒に走ると、言ってくれた。
    そんなトレーナーさんが、今、私の前で眠っている──病室のベッドの上で何日も、眠り続けている。

    何故? 分からない。突然倒れ、そのまま今へ至る。
    どうすればいい? 分からない。原因が分からないから、手の打ちようもない。
    最悪のシチュエーションが、どうしても頭をよぎる。
    もう、二度と。トレーナーさんは目覚めないかもしれない、という。

    あの声を、もう聞けない。あの手で、もう触れてくれない。あの笑顔は、もう見られない。
    ──ならば、せめて。

  • 42とあるモブウマ娘の場合 2/223/04/01(土) 05:21:22

    >>41

    トレーナーさん。

    あなたの担当ウマ娘は、今から、とんでもなく悪い子になります。

    あなたが眠り続けているのをいいことに、あなたの大切なものを、頂いていきます。

    眠り続けるあなたに、私の大切なものを、勝手に捧げます。


    本当は、もっと凄い──重賞を幾つも勝って、あなたにもっと喜んで貰えるようなウマ娘の方が良かったでしょう。

    本当は、もっと可愛い──あるいは、もっと綺麗なウマ娘の方が良かったかも。

    私みたいな、うだつの上がらない、ここで決心をしきれないような子なんかよりも。


    でも、せめて。

    せめてそんな私にも、最後の思い出を下さい。

    あなたにとって私は、数いる教え子の一人。でも私にとってあなたは、たった一人のトレーナーさん。

    青春を共に駆ける、大事なパートナー。それが、私にとってのあなただから。


    だから、トレーナーさん──ごめんなさい。




    数日後、その病室には──

    ベッドの側で頬を染めてもじもじしてばかりで目も合わせようとしないウマ娘と、

    ベッドの上で不思議そうに首を傾げるばかりで困惑しっぱなしな担当トレーナーの姿があった。

  • 43二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 06:29:37

    良スレほしゅ

  • 44二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 06:49:54

    キスで目を覚ますか…トレ公も奇妙な病気にかかったもんだねぇ
    うう…改めてトレ公とキスすることを意識すると身体が固まった様に動かない…
    でもこれでしか目を覚ます術は無いらしいし…
    何よりトレ公…アンタが居ないと寂しんだ…!
    それにこうしている間にもアンタはその病気とタイマンしてるんだよね……
    …そうだ、アタシが怖気付いてどうするんだい!
    タイマン勝負は好きだけど…これはトレ公と一緒に戦うんだ!
    だからトレ公…起きなよ…ヒシアマ姐さんも傍にいるから…んっ…………

    トレ公!やっとお目覚めかい?
    良いの良いの謝らなくて!病気だったんだから仕方ないさ!
    え?どんな病気かだって?
    それが珍しい病気でね、何でもキスされないと目が覚めない病気なんだって
    それでその…ヒシアマ姐さんがキスして起こしたってワケさ!
    ……まぁ、御伽話の様にロマンチックだけど病気の治療の為だから複雑な気持ちだけどね…

    ん?何だいトレ公?こっちからお礼の初キスだって?
    ……んんっ!?……んむっ……んん……
    ぷはぁっ……はあっ…はあっ……ズルイよトレ公……
    こんな熱くて激しいキスなんかされたら…アタシ…癖になっちゃうじゃないか…

  • 45123/04/01(土) 14:06:29

    >>22

    あー、月明かりです 月明かりです 月明かりすぎて築地市場になります

    月の光が差し込む暗くも美しい空間の中で、目が覚めた後自分が何をしてもらったのかに気づき焦るトレーナーと、対照的にとても落ち着いた様子の担当の子というのが素敵でした 保守の時に聞かせていただいた裏話もまた、かわいらしいものでした

    本当にありがとうございました、これでいいものをそろえていた私の中の一体が繁盛しました

  • 46123/04/01(土) 14:31:43

    >>26

    あー、一生です 一生です 一生過ぎて石焼き芋になります

    渡せなかったネックレスが見つかり、スマホの画面が消えていき、と、少しずつ、少しずつタイシンの元からトレーナーが離れていくような描写があまりにも痛々しく、だからこそ最後の幸せに包まれた空間がとても素敵でした

    本当にありがとうございました、これでトラックに乗せられていた私の中の一体が無事購入されました

  • 47二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 22:18:43

    まさかのパート2!まだまだ絶えない良SS…皆に続きたいな…

  • 48二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 22:56:03

    トレーナーくんが突然倒れて、寝たきりになってもう2週間になる
    搬送された病院では原因は全く分からず、手の施しようがないと入院して経過観察しかできない状態だ
    そんなトレーナーの元へ足繁く通うウマ娘がいた、彼の担当マルゼンスキーだ
    「…お花変えるわね…」そう言って、花瓶の花を持ってきた物と移し替える、もう手慣れたもので手際良く終える
    「今日はね…スペちゃんの走りを見てあげたの…あの娘どんどん調子を上げててね…ダービーで勝つんだって気合いも入ってて…」
    ぽつりぽつりと彼女の日常を話していく、多くのウマ娘が出てくるのは彼女の人望ゆえだろう
    だが、その口調は暗く淡々としたもので、いつになっても上がることはなかった
    「…みんなから心配されちゃった、から元気なんてやめてって…もう…何をしても、苦しいだけなの…」

    「トレーナーくん…あなたがいないだけでアタシ、こんなになっちゃった……」声が震え涙が滲む
    「ねぇ…起きてよトレーナーくん…またタッちゃんに乗って一デートしましょう…またお花見に行って、プールに行って、紅葉見て、温泉にいきましょう…何度でも見惚れさせちゃうんだから…

    だから……起きて…!」

  • 49二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 22:58:12

    >>48

    それは、マルゼンスキーが考えて起こした行動では無かった

    彼に目覚めてほしい、その一心での無我夢中だった

    心からの愛に従った彼女は、涙を流しながらトレーナーにキスをした

    永遠とも感じるほんの数秒を終え、彼の体温を惜しむように唇が離れる

    涙で濡らしてしまった彼の顔を拭こうと思った、トレーナーの目尻からマルゼンの涙が伝ったその瞬間

    「……う…」彼の瞼が揺れ、目が開く

    「え……トレ、ーナー…く……」衝撃のあまりに固まるマルゼンスキー

    「マルゼン…?大丈夫か…?何があっ……」彼の口が鈍く動く、微かに認識した目の前の、マルゼンを気遣うために

    「バカ…バカバカバカぁぁぁぁぁぁ!!本当に…心配したんだからぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!"!"」

    大粒の涙を流しながら、マルゼンスキーはトレーナーを抱きしめた

    トレーナーもマルゼンを抱き返し、周囲を確認し状況を理解する

    「…マルゼン…本当にごめんな、心配掛けたみたいで……」

    「絶対許さないんだから……」トレーナーの胸元に顔を埋めながら呟く

    「退院したら、またデートにいこう……タッちゃんで…な…?」

    「……うん…うん…!」

    「…安全運転でな…?」

    「……ギリギリを攻めてるだけよ…」

    苦笑しつつも、彼らは互いに互いを確かめるように抱き合い続けていた

  • 50二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 02:11:28

    「私の心を差し上げますので、1コくださいまし」
    「ここで一緒にハンバーガーを食べても、一夏の一風景にしかなりません」
    「イクノさん……」
    「私の手を取って下さい、お嬢様。この騎士めが二人だけの同室で『あ~ん』しますから」
    「イクノさん……!」
    何を考えていたのやら、打てば響きソワソワしていたマックイーンさんは。お陰でハンバーガー"は"死守出来ました。
    トレーナーが、目を覚ましません。
    マーベラスさんとマーベラスしても、ヘリオスさんとテンアゲよいちょしても、私の心はつらみざわのまま。……管理から外れ、型無しですね。

    ──辛いとき、トレーナーは自分の事のように怒ってくれました。
    勝ちきれず"善戦ウマ娘"と揶揄された時も、『鉄の女』に引っ掛け、別のウマ娘と混同しデビュー前に屈腱炎からの完治という美談仕立てのデマゴギーを配り回られた時も。
    形式上は制止しましたが、内心とても嬉しかった私がいました。
    故にひたむきに、情熱のままに走り続け、他でもなく貴方と私で、怒りや憐憫ではなく……いいえ、まだ封印しておきましょう。

    日付を重ねる内に、密やかな企みが宿りました。
    空調の温度を、これからの悦びに震える手で下げていき……二人きりの夏の病室にて、物言わぬ貴方の唇をなぞり、遊び……重ね──
    管理を悪魔に、委ねたのです。私は2着に沈みたくない、貴方の1着になりたい。今も見続けている夢に、少しでも私の姿が刻み込まれるように──それ以上に、私の心を満たしたくて……
    許されたい、愛したい、ごめんなさい、罰されたい、見つけて欲しい──くちづけの度に、封じ込められた想いは揺曳し、増えていきました。
    狂おしい程に、ときめいていく。魔性の女で、構わない。覚悟してください。私のくちづけは誰よりも長く、強く、そう容易く翻りませんから……

    夕日に蝉が畜生と、鳴いていた。密やかな日々の終わり。管理を天使に返し……
    いや、まだやることがある。
    ナースコールを取る前に、その手を掴み、強く絡めた。もう二度と、離さないように──

    「トレーナーさん、貴方のイクノディクタスは信じて待っていました。二人の身体には血が流れている証を、感じますか?」
    「イクノは強いな」
    身体を寄せず、ただ涼やかに温もりを確かめるのみ……心を差し上げたのは、まだひとりだけの秘密。

    ──待っていますよ、貴方からの"ファーストキス"の日を

  • 51二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 07:00:32

    お兄ちゃん…どうして目を覚まさないの?
    カレンの事イヤになっちゃったの?
    このまま目を覚まさないの?
    お医者さんにも分からない原因不明の状態でずっとこのままなの?
    あの時幼い私に優しくしてくれたお兄ちゃんはもう居なくなっちゃうの?
    …そんなのイヤだよぉ…いやぁ…
    お兄ちゃんが見てくれないカワイイなんて…そんなのもういらない…だから目を開けてよぉ…

    ……投稿?…『#キスをすれば治る病がある』?
    き…キス…きす!?お、お兄ちゃんと!?
    ……寝ているお兄ちゃんにキスするなんて…本当はカワイクない事だと思う…でも!お兄ちゃんが目を覚ますなら…カレンは…カレンは!
    だからお願い…目を覚ましてお兄ちゃん… !

    ………え?おにい…ちゃん……?
    よかったぁ…おきてくれたぁ……ぐすっ…
    あっ…だめだよおにいちゃん…いま、カレンすごくかわいくないかおしてる…みちゃだめだよぉ…
    ……ううん…やっぱりみて…かわいいカレンも…かわいくないカレンも…ぜんぶ…ぜんぶみて……ううっ…
    …うわぁぁぁぁん!!

    ———その夜一つの投稿と写真が世界中の人々を笑顔にさせた
    #みんなありがとう
    #カワイイカレンチャン
    #カワイクナイカレンチャン
    #カレンの大好きなお兄ちゃん

  • 52二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 09:25:45

    「見事な負けっぷりやったな。おどれら全員、スケートからやり直しや!」
    「……なんでやねん」
    「だーっ!表情が硬いねん、こわばっとんねん!レースと同じ全力を見せえ!
    ええかオグリ、ツッコミっちゅうんは愛や。そないな生まれたての子鹿かって手付きで、愛は伝わるか?そんなんじゃ伝わらへん。もっとこう……」

    ──まったく、オグリは手ぇかかる子でな……ただそれは誰よりも無垢なだけで、そこが可愛いというか、ウチ、好きやねん。アイツが天性のウマ娘っちゅうのも分かるで、ほっとけないんや。
    せやからトレーナーが、ウチにツッコミを入れる時はな……すまん、微妙やったか?ほな他の話に変えよか。
    クリークがスモック持って、また、ウチにな……なぁ、何で、なんで目ぇ覚まさへんのや……!なぁ……!

    トレーナーは、身を捨てる程に献身する彼女を前にし、ほんの僅かにだが、手を動かしたことがある。ただそれだけが、今にも手折れそうなタマモクロスを繋ぎ止めていた。
    風も光も止まってしまって、そろそろ一ヶ月が過ぎようとしている。
    忌まわしき夜明けに起き、あるだけを語りかけ、淋しげに眠りへと堕ち、それを繰り返し続け──
    ……やがて来る『いつか』を待つのが、訪れを知るのが、何よりも怖い。

    ──ウチ、低い天井に、柱に傷付けながら育ったんや。なに?今も身長は低い?ドアホ!まだまだこれから伸びるわ!見とれホンマ!
    ……だからな、豊かになった今でも、何を贈ればいいか未だにようわからんねん。ごっつ高いお菓子も、贅沢も、アンタから貰った。
    でもな、何かちゃうねん。ウチはアンタからの贈り物なら、何でも嬉しい。説明はつかん。ルドルフみたいに、ちゃっちゃか頭も回らんし……

    ……せやからウチは、ウチを贈ることにしたんや。
    ──今から、初めてのキスを捧げる。アンタがくれたお菓子よりも、どこまでも甘く包んだるさかい……逃げちゃイヤやで?

    ……これでもう、未練は……ッ……嫌や……嫌や……嫌やぁッ!!

    家族を信じ切った者にだけ、夜中の夜明けが訪れる。

    手が、動いた。今にも力果てそうなほど微かに、それでも確かに。
    「?……なんや?」
    「……なんで、やねん」
    「……!……そうや……!ホンマダーリンはツッコミの天才やで……!ウチは、誰よりも、それ、を、……寝起きにすまん、今から、少し、少しだけ、勘弁しい……うぁぁああああぁぁ……──!」

  • 53二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 09:26:08

    微1悪
    笑に魔
    ん は


    ゛タ禁
    二マ断
    度モの
    打ク
    ちロ
    ゛ス

  • 54123/04/02(日) 17:26:20

    >>34

    あー、決意です 決意です 決意過ぎてケツァルコアトルになります

    今まで不良でもあったような子が有馬を勝てるぐらい大成して、そんな強かった子が一度不安にとらわれてしまった後は何度もキスをした そんな話が全て落ち着いた後本人からの後日談として語られるのがとても素敵でした

    本当にありがとうございました、これで力を狙われて追われていた私の中の一体が無事脱出できました

  • 55二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 17:31:11

    このレスは削除されています

  • 56二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 22:03:10

    一向に目を覚まさない想い人…幼い頃に読んだ御伽話や少女漫画によくある展開…その話を読む度にアタシは胸をときめかせていた…だから目覚めを待つ人の辛さも分かったつもりでいた…
    でも…自分がその番になってここまで辛いだなんて思いもしなかった…

    「アンタはどうして起きないのよ……!」
    アタシはトレーナー…アタシ、"メジロドーベル"という一人のウマ娘をここまで導いてくれた大切な人に呼びかける。でもアタシの声が木霊するだけ…そんなアタシの声にトレーナーは静寂で答える。
    「アンタだけなのよ…男性で唯一アタシを理解してくれたのは…アンタが居ないとまた前のアタシに逆戻りじゃない…」
    アタシの想いを伝えても、まるで君なら一人でも出来るとでも言う様に何一つ言わないトレーナー。
    (このままアタシ達のお話は終わりなの…?)
    「ドーベルお嬢様…失礼致します…」
    そう思ったその時、まるで急展開を迎えるかの様に部屋の扉が開く。そこに入ってきたのは爺やとお婆様であった。

  • 57二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 22:03:34

    「お婆様…それに爺やも…」
    「ドーベル…貴女に伝えなければならない事があります…」
    神妙な面持ちでアタシに話しかけるお婆様…
    「貴女のトレーナーは…」
    その言葉を聞いた瞬間、それを最後まで聞き終わる前にアタシは後ろにいるトレーナーに抱きつきながら…庇いながら叫んでいた…
    「嫌!そんなの嫌!連れてかないで!アタシの!アタシだけの!大好きなトレーナーを連れてかないでぇ!」
    「ドーベルお嬢様…落ち着いて下さい…」
    「トレーナーは目を覚ますの!絶対に覚ますもん!だからアタシがずっと傍にいるの!絶対に渡さないもん!いや!いやっ!いやぁぁぁぁっ!」
    気付けばアタシは涙を流しながら駄々をこねる子供の様に泣き叫んでいた…
    「話を聞きなさいドーベル。まだ貴女のトレーナーについて何も話してないですよ」
    お婆様の言葉でアタシは我に返る。それでも涙は止まらなかった…今まで我慢していた分ずっと…
    「ではご説明致します…ドーベルお嬢様…貴女のトレーナー様は今、ある呪いにかかっております」
    「呪い……?」
    突然の"呪い"という言葉…その言葉の意味が感情が乱雑になっていた今のアタシには理解できなかった。

  • 58二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 22:04:16

    「はい、お嬢様のトレーナー様の様子…昔どこかの文献で読んだ時の呪いに当てはまりまして…」
    「ここからは私が話します…その呪いは長い年月をかけてウマ娘の心の奥底にある未練…嫉妬…それらが集まり、結果を残したウマ娘の指導者を蝕むというものです…」
    「そん…な…いや…いやぁ…」
    崩れ落ちるアタシ…止まっていた涙が再び流れ落ちる…
    「ですがその呪いを解く術があります…それは自らの想いを…口付けでその者の心に注ぎ込む事で呪いを消滅させるというものです」
    「へ?」
    「今の貴女なら…きっとあの方を救えるはず…ドーベル…後はは貴女次第ですよ…」
    そう言ってお婆様と爺やは部屋を後にした…

    「良かったのですかお婆様?貴女の話を伝えなくて…」
    「あの子なら大丈夫ですよ。後は素直になるだけ…それに当事者と言えどもあの状況で私達の惚気話なんて無粋極まりますから…でもこれで、あの時の私の気持ちも分かりましたよね…"貴方"?」
    「そうでございますね…いや、そうだな…やっと君の辛さが本当に分かった気がするよ…」

    (キス…トレーナーとキス…ッ!)
    あまりの情報の多さに頭の中が真っ白になる。
    それでもアタシの決心は早かった。
    「そうよ…アタシとトレーナーの歩んできた道…アタシの想いが…そんな未練や嫉妬なんかに負けないんだから!」
    そうしてアタシはトレーナーに唇を落とした。

    御伽話や漫画ではどんなキスの仕方だっただろうか…でもそれも関係ない。これはアタシとトレーナーの物語、あの時レースで女帝という憧れを超えた様に…もう一つの…幼い頃からの憧れを今超えるのだから!
    アタシの想い全てを込めて口付ける。唇を離すとトレーナーが目を覚まして———

  • 59二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 22:04:28

    「よし!書けた!」
    「おっ、見ても良いか?」
    「だっ…駄目よ!アンタには見せないから!」
    アタシは見えない様にその原稿を隠す。
    「でも気になるなぁ…ドーベルの書いた物語…」
    「そんな事言っても駄目だから!……それに見せなくてもアンタには分かるわよ…だって…んっ…」
    不意を突くようにアタシは唇を重ねる。
    「……はっ…トレーナーと担当の関係ではない…アタシと"貴方"二人の物語の始まり…これなら見なくても分かるでしょ?」
    そう言ってアタシは得意げに話す。
    二人の物語…それはきっとこの手に光る誓いの証よりずっと輝き続けるのだろう…微笑みながらアタシはそう確信した。

  • 60123/04/03(月) 00:25:18

    >>37

    あー、納刀です 納刀です 納刀過ぎてノートパソコンになります

    ここのつこきざみ数え歌のような独特の語り方に魅せられて読み進めれば危うく帰れなくなりかけた葛藤が苦しく、とおとう閉じてた目が開かれれば、少し淫らな雰囲気も漂わせつつ素敵な文章でした

    本当にありがとうございました、これで最近調子の悪かった私の中の一体がパフォーマンスを発揮しました

  • 61二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 06:44:56

    保守

  • 62二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 12:43:59

    尊いSSが沢山…
    デジたんが天に昇っていく…

  • 63二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 17:52:44

    ──大粒の涙が、零れようとしている。

    オグリキャップのトレーナーへのしかかるプレッシャーは、尋常でなない。
    怪物を超えた怪物ウマ娘。勝って当然、負ければバッシング……「誰がやっても勝てる」「オグリキャップのトレーナーでこれか?」「もう限界だ、出走を取りやめろ」
    すべて結果で、ねじ伏せた。オグリ一着、オグリ一着。掌を返すように諸人が持ち上げる姿を、人ではなく蟲を見る目で追った。
    そんな折、トレーナーの心は、限界を迎えようとしていた。すべてを成し遂げ、燃え尽き……その一着が、あってはならないトリガーを引いてしまった。

    点滴を見て、オグリキャップは大粒の涙を零した。
    新米看護師が失敗したであろう、点滴注射の痕を隠すガーゼ。
    無論通常食など、採れるはずもない。
    代わりに、生を感じない管に、生かされている──そのことが、オグリキャップにとって、何よりも耐えられなかった。
    今のトレーナーは、美味しい物も食べられない。お代わりもできない。何が食べたいか、欲しがることすらも……これ以上の苦痛が、あるのだろうか?こんな事が、許されていいのか……?

    「……ひとつ聞いて、くれないか。今の私は、何を食べても、味を感じないんだ……トレーナーと二人で一緒に食べるから、美味しかった。独りで食べても、何も、満たされない……ただ、飢えるばかりなんだ……!」

    ……真似事でもいい、いや、真似事でいいからさせてくれ……そうでもしないと、もう、走れないんだ……
    だから、だから……不揃いな呼吸と共に立ち、オグリキャップは祈るように『口移し』をした。勿論、口の中には、何も入っていない。本当に口移しをすれば、窒息のリスクがあるのは目に見えている。
    それは甘酸っぱく、どこか切なくて──新たな感情の萌芽に、少女はまだ気づいていない。

    夜を越え、衰弱の闇を置き去りにし、新しい朝が目の前だった。

    夜明け前の街と共に、確かに過去を忘れた時計は、再び動き始めている。

    とうとう、悲劇の時間が、終わった。

    「……少し、喉が渇いた」
    「そうだろう、そうだろう──!ならば私のはちみつドリンクを飲め。元気が出てくるぞ……!」
    特大のはちみーを渡し、安堵した瞬間、紅潮した。ストロー越しに、トレーナーとの間接キス──いや待て、そもそも先の『口移し』はどう考えても、私のファーストキス──

    オグリキャップは、ひどく赤面した。

  • 64123/04/03(月) 23:17:46

    >>41

    あー、挑戦です 挑戦です 挑戦すぎてチョウチンアンコウになります

    傍から見れば平凡かもしれないけれど自分達のかけがえのない日々が返ってこなくなるかもしれない、それならば自分に自信を持てなくとも思いだけは伝えたい、というのが非常にいじらしく、そんな彼女のもとに奇跡が気まぐれにやってきて、甘酸っぱい空間が広がるのがとても素敵でした

    本当にありがとうございました、これで暗い海の中を泳いでいた私の中の一体が光り輝き始めました

  • 65二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 06:59:56

    保守

  • 66二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 12:05:41

    >>44

    あー、姐さんです 姐さんです 姐さんすぎてネイルサロンになります

    ところどころ乙女になってしまったり、反対に気合を入れる女傑になったりという切り替わりがとてもよく、この状況をタイマンではなくタッグマッチとする表現もとても素敵でした

    本当にありがとうございました、これで競合店の多かった私の中の一体が繁盛しだしました

  • 67123/04/04(火) 17:30:10

    >>48

    あー、マブいです マブいです マブすぎてマーブルになります

    マルゼンスキーと彼女のトレーナーだけがいる病室の静けさが文からも伝わってきました 時間にすれば決して長くないであろうこの二人だけが知っているこの逢瀬が、とてつもなく眩かったです

    本当にありがとうございました、これでどんなデザインにするか悩まれていた私の中の一体が無事世に送り出されました

  • 68123/04/04(火) 23:36:57

    >>50

    あー、艶めかしいです 艶めかしいです 艶めかしすぎて生ハムになります

    冒頭こそ思わずクスッとなってしまう描写でしたがその後の淡々と、しかし噛み締められるように連ねられる他の部分とは打って変わって非常に艶めかしい口づけの描写がとても素敵でした

    本当にありがとうございました、これでどう処理するか悩まれていた私の中の一体がメロンの上に載せられました

  • 69二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 06:45:52

    これは良スレ

  • 70二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 11:01:27

    このスレに参加したい…
    なので保守

  • 71二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 19:49:25

    このレスは削除されています

  • 72二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 19:53:37

    このレスは削除されています

  • 73二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 22:23:56

    「いいかアンタは表、私は裏だ」
    コインを投げ私はその手で受け止める。そしてコインは表向き。
    「これで10連勝か…流石だな。普段は全く勝てないってのに…誇ってもいいんだぞ?———だからトレーナー…早く目を覚ましたらどうなんだよ…」
    勝つ度に同じ事を話しかける。故にもう10回目だ。それでもトレーナーは目を覚ますことはなかった。
    「こうなって数週間…か…3年間走り抜いて、先生も元気になって…それでめでたしかと思ったらこれだ」
    急に倒れた時はどうなるかと思ったが、命に別状はなく、異常がある訳でもない…
    「"生"と"死"…それはコインの裏表の様なもの…私に10連勝したようにアンタもまだ勝負し続けて"生"を当て続けているんだろ?」
    ふと机の方に目を向ける。そこには私とトレーナーの写真や新聞の切り出しが置いてあった…どれも皆思い出だ。勿論、トレーナーとの何気ない日々も…
    「思えば初めて会ったあの日からアンタは常に全てを賭け続けていた…小細工もイカサマも…出し惜しみも無い真っ向勝負で…そんなアンタだからこそ、燻っていた私は真っ当に生きる事が出来た。それに先生も病を乗り越える事が出来た…」
    「本来なら私も真っ当に生きれず消える…先生の命もあの時尽きる…神が本当にいるのならそんな神が課した運命に挑んでアンタは勝ったんだ…」

    そうだ、トレーナーは常に全てを賭して挑んでいた。どんな日もどんな時も呆れるほどに真っ直ぐに…だから———
    「だがアンタは勝ったのにまだ何も手に入れてない!それなのに神や運命はトレーナーにこんな仕打ちをするのか!?ふざけるな!」
    怒鳴っても静寂が広がるのみ。ふと、私の手からコインが落ちた。それは地面に落ちて回った後、倒れたそれは裏の面を向けていた。
    そう———"裏"を———

  • 74二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 22:24:22

    ———
    「——————ッ!」
    ただ地面に落ちただけなのに、まだどっちが表か裏か決めてないのに、勝手に落ちて裏が出た…ただ、それだけなのに——————
    「嫌だ!嫌だ!嫌だぁ!まだ私はアンタに…アンタにっ…!」
    全身の力が抜けていく…涙が止まらない…何よりあの時の先生の状態がトレーナーに置き換わって私の頭にフラッシュバックする。ただ一つ違う事はトレーナーはそのまま———
    「—————————」
    もう言葉も出ない、嗚咽も出ない。呆然と涙を流し、座り込み虚空を眺める…その時だった。
    外にも聞こえていたのだろう。状況を察したシリウスが無言で扉を開けて入ってきた。
    そしてそのまま一枚の紙を手渡して…
    「トレーナーの治し方はここだ。探してきた奴らに感謝しろよ?それに…分の悪い勝負程燃えるのがナカヤマ…オマエだろ?」
    そう言って不敵に笑いながら私の肩を叩き、そのまま部屋を後にした。

    その紙には病気の簡単な説明と"口付け"をすれば治ると書かれていた。そしてその文書の下にはシリウスやゴルシ、ジョーダン…そして先生の激励の寄せ書きが書かれていた。
    涙を流しながら苦笑いする私…なんともまぁ奇妙な出来事があったものだ。それにシリウスにあの様を見せてしまった…
    だが———勝負手は見えた———
    私は地面に落ちたコインを手に取り目を瞑った後にそのコインを机の上に置いた。
    ———コインの表裏なんて必要無い
    ———賽の出目なんて関係無い
    ———配られたカードに意味など無い
    ———私の全てを賭けた…たった一枚の"ジョーカー"…それがあれば十分だ
    (神様とか運命がそこにいるのなら…私と勝負しろ)
    (だがハッキリと言える…アンタは"二度"負けるんだ)
    (一度目は私のトレーナーに…そして二度目はこの私に…!)
    迷う必要など無い。私はトレーナーに私の全てを注ぎ込む様に…この胸の鼓動で揺り起こす様に…深く熱く唇を重ねた。

  • 75二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 22:24:39

    このレスは削除されています

  • 76二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 22:25:10

    唇を離すとトレーナーはゆっくりと目を覚ます。
    (私の勝ち…いや…違うな。これは…)
    勝利にはやる気持ちを抑え、私はトレーナーに事情を説明する。
    それを理解したトレーナーは何度も謝っていた。
    私はどこまでも真面目なんだと内心呆れる。
    (だけどそんなアンタだから私はここまで来れたんだ)
    こんな出会いはもう二度と無い…
    この唯一無二の"相棒"と共に全てを賭けて未来に挑み続けて行きたい…
    だからもう———迷いは無い
    「トレーナー、今からコインを投げるぞ。アンタが表で私が裏だ。行くぞ………んっ…」
    コインを投げたと同時に私は再び"ジョーカー"を切る。その状況でもしっかりとコインはキャッチする。
    長らく時間が経ち、顔を離して掌のコインを見る。
    「………アンタの勝ちだよ、トレーナー……」
    そのコインの"表"を見せて私は三度…"ジョーカー"を切った。

  • 77二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 22:26:03

    スレ主さん…被ってしまって済まない…

  • 78123/04/05(水) 22:30:18

    >>77

    感想を投稿する前にスレが更新されてないか確認するのを失念しました、おいは恥ずかしか!(>>75は私です)

    こちらの方こそ、せっかく作品をあげていただいてる途中に大変申し訳ございません……

  • 79二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 22:33:27

    >>78

    逆に気を遣わせて申し訳ない…

    SS投下は完了しましたのでお気になさらず

  • 80モブウマ娘はいいぞ23/04/05(水) 22:52:10

    心の中の猗窩座が賞賛してる

  • 81123/04/05(水) 22:58:37

    >>51

    #あー、#カワイイです #カワイイです #カワイすぎて#カワウソ#になります

    今まで追求してきたものと引き換えにしても構わないと思うほどお兄ちゃんのことが大好きで、その人の意識を取り戻せるかもしれないと思ってもいざキスとなるとためらってしまうカワイイカレンチャン!

    #本当にありがとうございました#これで#カワイイカレンチャン#と#私の中の一体が#お話#しました

  • 82123/04/05(水) 23:15:00

    >>52

    あー、夫婦漫才です 夫婦漫才です 夫婦漫才すぎてメトロノームになります

    淡々と目を覚まさない人に語り掛ける様子が美しくも痛々しく、最後の手向けにとこの上ないほど高価なものを送って、それでも未練が断ち切れなかったからこそやってきたツッコミとそれに対する反応がとても愛おしかったです

    本当にありがとうございました、これで等間隔で揺れる私の中の一体がBPM1600で揺れ始めました

  • 83二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 23:24:36

    やー、びっくりだよね。眠ったまま起きなくなる奇病なんてものがあって、その治療法が愛する人のキスだなんて。
    何がすごいってさ、そんな治療法が確立する程、多くの人がそれを試したってこと。
    皆、目を覚まさなくなった人を前に……そんな都合のいい童話に縋ったんだよね。

    童話ってさ、夢のような話だよね。
    善人、正直ものは報われて、不幸な人は幸せに。ワルモノは痛い目を見る。
    元ネタはけっこうケレン味強かったものも、優しくて都合のいい……夢のある話になって残ってる。

    最初はさ、キミのお母さんに頼もうと思ったんだよね。きっとアタシよりはキミを愛した実績があるし。
    でも、夢みたいな方法でキミを起こすなら……
    その役目はキミが夢を見たアタシの役目だよね。

    だからさ。
    アタシで起きてよ、トレーナー。

    ────ん。


    おはよー。よく寝られた?
    ここ?ウチだけど。
    なんでって……ひとりじめしたかったから?

    まあいいじゃない。まだ横になっててよ。
    顔、もっとよく見せて。

  • 84二次元好きの匿名さん23/04/06(木) 04:23:24

    トレーナーさん、トレーナーさん、むむむむ……。疲れちゃったのかねぇ?

    ……あれまあ。ええと、それじゃ……おぼえてるかい?

    うんと、うんと綺麗な花束をくれたの。

    もうどうしたらいいかも、わからんほどに嬉しくって。

    あの時、ひそやかに決めたんよ。絶対このひとと、……しようと。

    ……あたしはね。強くなくても、格好良くなくてもいい。

    慎ましやかで、思いやりがある、そんなトレーナーさんの──側がいいねぇ。

    ──おや、いいのかい?返事のないちょんまいさんは、わるーいウマ娘に、”てくにかるけーおー”されちゃうのじゃよ……?

    んっ……ほわあ…………すき……すきじゃ……すきやけん……どうしようもないほど……

    ありがとう、ありがとう……そんな哀しい目、しないでおくれ……ひとりでも、走り続けるから……だから、あのころのあたしを忘れないで……



    ……タルマエちゃん、”うめすた”に写真をくっつけるの、これであってるかい?

    【アキュートさん、ここに文章を入れてね☆】
    #こらぼ #, #とれーなーさん #ワンダーアキュート #は
    #ほんとうに #しあわせ #こんなかんじで #いいんかねぇ

    ──揺れている、ふたつのあたたかすぎる影。いつでもいつまでも仲睦まじい微笑みたちが、そこにあった。

  • 85二次元好きの匿名さん23/04/06(木) 07:34:44

    ばぁば尊い…

  • 86123/04/06(木) 14:48:35

    >>56

    あー、絵本です 絵本です 絵本すぎて恵方巻になります

    分かっているつもりだったけれどその人がどれだけ苦しいか分かっていなかった、というのが二つの視点から描かれているのが素敵で、最後にどういった関係になったか分かるエピローグもまた素敵でした

    本当にありがとうございました、これでどっちを向けばいいかよくわかっていなかった私の中の一体がいい感じの方向を向きました

  • 87二次元好きの匿名さん23/04/06(木) 22:18:00

    トレーナーさん、起きてください。今日は花見に行く約束の日ですよ。

    私、グラスワンダーのトレーナーさんは一週間前に突如倒れて未だ目を覚ましてくれません。
    一週間前…今日のタイミングで桜が満開になるから一緒に花見に行こうと約束してくれた…そんな時に倒れたのです。
    このままだと私達、花見に行けないですよ?
    それとも…桜が散るまで目を覚まさないのですか?

    桜が全て散ってしまうその時まで———

    あれ…?どうしたのでしょう。新しい建物なのに雨漏りが…このままではトレーナーさんのお顔が濡れてしまいますね…
    どうしてでしょう…拭いても拭いても雨漏りは止みません…外も曇り一つない青空なのに…なんでっ…止まらないの…っ…?

    何が不退転ですか…!大切な人の事を思えず、何がっ…!
    …?こんな時に…メール?
    エル…それに皆さん……
    …ッ!?キ、キスで目を覚ます……!?
    そんな事があり得るのですか!?
    でも皆さんがそんな嘘を吐くなんてあり得ません…
    それに私の事を思ってくれて…
    ありがとう…

    キス…大切な人にだけ捧げる事のできる証…
    緊張します…ですが今ここで不退転を貫かなければ…これからトレーナーさんと一緒にいる資格なんてありません…!

    だからトレーナーさん…私の想い…受け取ってください…

  • 88二次元好きの匿名さん23/04/06(木) 22:18:13

    …目が覚めましたかトレーナーさん?
    もう、約束の日ですよ。
    ふふっ、謝らなくても大丈夫ですよ、そこはお互い様ですから。
    それに花見は明日でも行く事ができます。
    だから今日ずっとトレーナーさんの傍に居させてください…
    願わくば…共に末長く———


    ———あなた、起きてください。今日は花見をする約束の日ですよ?
    …しょうがない人ですね…んっ…
    ふふっ、起きましたね。まったく…本当に寝坊助さんなんですから…なんて、冗談ですよ。
    さぁ、早く準備していきましょう?
    あなたも私も…そしてあの子達もこの日を楽しみにしているんですから…

  • 89二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 06:58:23

    保守

  • 90123/04/07(金) 13:19:22

    最近いろんな方に保守をしていただいていたり、たくさん投稿していただいていたりありがとうございます
    読むペースが遅くなりつつあり大変申し訳無いです
    実はこっそりと目を通してアグネスデジタルしたあとゆっくり感想を書こうとしてる、なんて作品もありますが、なかなか時間がかかっています
    もう少しお待ちいただけますと幸いです

  • 91二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 21:34:04

    アグネスデジタルするはじわる

  • 92投稿終了だ、バァカ!23/04/08(土) 00:05:00

    class Scene_Kiss < Scene_Base
    #--------------------------------------------------------------------------
    # ○ 開始処理
    #--------------------------------------------------------------------------
    def Parcae_fadein_wakeup(target, obj = trainer)
    if target.kiss_flg == true
    PARCAE::BGM.new("!monad",120).play
    p "ンッ……ほらよ、これで満足か?

    ──おそよう、眠り姫サマ。お目覚めはどうだ?

    ……ハァ。お前今"ロジカルじゃねェ"とやらねェとか躊躇うとか、浅ェことおもってる顔してンな。まァ、寝起きなら仕方ねェか

    キスで目ェ覚ますのは確定要素なンだろ?なら考慮するまでもねェだろ

    ハ、予想外だ?ア”ァ!?レースだろうがなかろうが、そんなモンだろうが、バァカ!

    物事予想立てて引いた図面通りなンざ、そうそううまくいかねェとかまだ考えてそうだなァ?はッ!そんなのナンセンスだ

    図面を一枚しか描かねェ奴を想定すンな 幾度も重ねてはじめてシミュレーションだろうが

    なァんてな。……だからこうなンだよ……ンッ……オレを理解するのを諦めないンだろ……?はじめてを捧げたンだ……もう逃げられねェぞ

    ──オレとお前との間に……7cmの壁なんざねェンだからな"

    return true
    else
    #ンなもンある訳ねェだろ絶対にtrueなンだよ
    end
    end

  • 93二次元好きの匿名さん23/04/08(土) 07:40:31

    >>90

    気長に待ちますよ〜

  • 94123/04/08(土) 15:53:32

    >>63

    あー、走ります 走ります 走りすぎてハシビロコウになります

    トレーナーの折れるまでの描写が美しく、食事を愛するオグリキャップに合わせて口づけを口移しと表現するのがとても素敵でした 英雄が恋する少女に変わっていき、自分が何をしていたかに気付くのも非常にかわいらしかったです

    本当にありがとうございました、これでじっと動かない私の中の一体がちょっと動きました

  • 95二次元好きの匿名さん23/04/08(土) 22:27:56

    >>90

    このスレで一番ひねり出してるのイッチ説

  • 96二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 06:22:13

    保守

  • 97二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 12:01:17

    思いついたら書き込みたいので保守
    スレ主の感想も面白いし何よりしっかり読んでくれているってのが伝わって良いスレだ…

  • 98123/04/09(日) 12:04:22

    >>73

    あー、オールインです オールインです オールイン過ぎてオーケストラになります

    ゲン担ぎとして勝ち続けてきたコイントスがふと裏を出した時に背筋が凍るのを感じ、席に着いたのは彼女一人であっても決して孤独ではない戦いに勝つ様子が素敵でした とても強い切り札でした

    本当にありがとうございました、これで公演準備をしていた私の中の一体が無事満席になりました

  • 99123/04/09(日) 20:18:02

    >>83

    あー、甘美です 甘美です 甘美すぎて缶ビールになります

    起きると確信してるからこそ焦りもなく、相手のことが好きだからこそためらいもなくキスをする 童話が夢のような話だからこそ夢を見せた存在の権利だと言わんばかりの様子がとても素敵でした

    本当にありがとうございました、これでしゅわしゅわしてた私の中の一体がグラスに移し替えられました

  • 100二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 20:22:35

    トレーナーさん…おれ、悔しいんです。
    今もこうして目を覚まさないトレーナーさんに対して、ただ見守る事しかできない事が…悔しいんです。
    おれは昔、二度も生死を彷徨って二度の"奇跡"が起きて今も生きています。
    …でもそれは知識や技術があるお医者さん達が死力を尽くしてくれたから…でも、そのお医者さん達が今頭を抱えているんです。
    おれには今のトレーナーさんを救う知識も技術もありません…
    "いつか目覚めるだろう"…という"奇跡"を願うことだけしか出来ないのが何よりも悔しいんです……!

    ………キスで目を覚ますだなんて都合のいい事が起こるなんて思ってはいません。
    でも…もし、今のおれの想いが…トレーナーさんに届くのなら…
    目を覚ますキッカケになってくれるのなら………!
    起こします…おれは"奇跡"を起こしてみせます!
    だからトレーナーさん…見ていてください…
    おれが起こす"奇跡"を…この想いを———

    ———トレーナーさん……!
    目を覚ましたんですね……よかった…本当によかった…
    はい、トレーナーさんはしばらく起きなかったんですよ。お医者さんも頭を抱えていたんです…
    でも、"奇跡"が起きた……いいや、違いますね……
    んっ……俺が…"奇跡"を起こす事が出来たんです…
    でも、トレーナーさんが"奇跡"をくれたから…俺も同じ事ができたんですよ。

    え?自分は"奇跡"を起こした事はない…?
    いいえ、違いますよ。確かにトレーナーさんは"奇跡"をおれにくれたんですよ?

    トレーナーさんとあの時、あの場所で出会えた…
    それが貴方がくれた何よりの"奇跡"ですから———

  • 101二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 20:41:23

    数カ所「おれ」が「俺」になってる…
    すまない…ほんとにすまない…

  • 102二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 20:42:20

    このレスは削除されています

  • 103123/04/10(月) 00:41:24

    >>84

    あ~、優しいねぇ 優しいねぇ 優しすぎて野菜炒めになるねぇ

    まるで晩年の人に話しかけるような優しい語り口は少し寂しくも、文章全体がアキュートおばあちゃんの持つふわふわとした柔らかい感じに包まれていて、やっぱり目を覚ましてくれたら暖かかったねぇ 

    本当にありがとねぇ、これで丹精込めて作られた私の中の一体も、無事に食べてもらえたねぇ

  • 104二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 05:56:33

    良スレ保守

  • 105二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 07:45:02

    保守

  • 106123/04/10(月) 13:08:47

    >>87

    あー、春の息吹です 春の息吹です 春の息吹すぎて春巻きになります

    暖かな春を世界が迎えている中でグラスと彼女のトレーナーがいる空間だけが薄暗く、その回想が終われば同じような温かさの中で家族で花見をしに行くという、とても暖かなお話で素敵でした

    本当にありがとうございました、これでおいしくなるか不安だった私の中の一体がパリパリの皮になりました

  • 107二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 19:39:51

    ありがとうスレ主…

  • 108二次元好きの匿名さん23/04/10(月) 22:26:05

    トレーナーちゃん…マヤわかっちゃったんだ…
    大人になるって事は色んな事を経験しなくちゃってこと…
    まだマヤには早いって言ってくれた時も…だんだん少しずつ経験していく事が大切だから…マヤの事を思って言ってくれたんだよね?
    だからマヤ、頑張って大人になれる様に頑張る!レースも頑張る!だから色々マヤに教えてくれると嬉しいな!

    …………でも、でもぉっ!!!
    トレーナーちゃんがマヤに最初に教えてくれるコトがこれなの!?
    お願い目を開けてよぉ!覚ましてよぉ!
    いやだいやだいやだぁ!わかりたくない!マヤこんなのわかりたくない!わかりたくないよぉ!
    でもなんで…なんでマヤわかっちゃうの…?なんでぇ………
    うぅぅ…こんなに辛いなら…ぐすっ…マヤ大人になんてなりたくない…いやだぁ……ひっく………

    あ…この前トレーナーちゃんと一緒に見た映画のパンフレット…
    大人になるって…一緒に見たなぁ…
    でももう一緒に見れない……うううっ……
    ……あの時…ちゃんと見れなかったけど…大好きってキスをしてた……

    もう…目を覚まさないなら…ううぅ…もう…会えなくなるなら……ぐすっ……せめて…せめてトレーナーちゃんに伝えないと…
    トレーナーちゃん…だいすき…………ッ…

    ……ト…トレー…ナー…ちゃん……?
    目を…覚ましたの……?
    …そうなの!マヤが起こしてあげたの!
    マヤが…大人の…キスで…ううっ…
    もう…会えなく…なるかと思って…ぐすっ
    マヤ…マヤッ…ひっく…辛くて…寂しくて…悲しくて…!
    う…うぅぅっ……うわぁぁぁぁぁん!!!

  • 109123/04/11(火) 00:02:08

    (寝る前にハートをつけてそっと保守を……いつもたくさんの投稿をありがとうございます、筆も絶賛止まりまくり中ですが時間を見つけて書きたいですね……)

  • 110二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 05:46:52

    このレスは削除されています

  • 111二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 09:09:20

    >>109

    スレ主さん無理しないでくださいね

  • 112二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 12:23:39

    保守

  • 113123/04/11(火) 17:24:04

    >>92

    あー、successです successです successすぎてサッカーボールになります

    キスをすると固く決めているから、或いは目覚めると確信しているからこそ、elseの分岐を必要ないとした彼女の芯の強さが目覚めた後の会話にも表れていてとても素敵でした

    本当にありがとうございました、これでコートを縦横無尽に転がっていた私の中の一体が無事ゴールに入りました

  • 114二次元好きの匿名さん23/04/11(火) 19:09:46

    ──ねえトレーナー、誤解しないで聞いて欲しいんだ。

    ……今のボク、身体はピンピンしてるはずなんだよ?

    でも……でもね……走れないんだ……

    ボクの中で、気付いたら……キミのことがどんどん大きくなっててさ……

    ……倒れたって聞いて……心に大きな穴ができちゃった……

    ねえ……──恋って、いつを「始まり」と呼ぶんだろうね。恥ずかしがりながら、手を繋いだ時からかな?

    キミはボクが挫けたとき、いつだって、手を差しのべてくれたよね。

    なのに、ボクは……他の子のこと見てたでしょって、ボクだけを見てって、イジワルしてばかりで……キミを、ひとりにした……

    ……えっと、さ。こんなボクから……全部奪って。ボクを……まっさらにして。

    出逢った頃のふたりに、もう一度、戻ろうよ……

    んっ……ボクね……キミのこと……すき……もっと……だいすきなんだ……

    だから……やりなおさせて……はむっ……これ……最後の……イジワルにするから……



    ……あ、おはよう!もう……心配かけちゃう前に……キミもボクをさ、頼ってよね!

    えーっいいじゃん……なんでダメなの……?な、泣いてなんかないよー!

  • 115123/04/12(水) 01:23:52

    >>100

    あー、おれです おれです おれおれすぎてオレンジになります

    自分が救われてきた立場だからこそ医者という人達の技量を知っていて、その上でその人達が困っていることの深刻さを受け入れ、それに対して怒りも絶望もせず自分が奇跡を起こすことで救いたいというのがとても素敵でした

    本当にありがとうございました、これでいい感じに熟していた私の中の一体が無事ジュースになりました

  • 116二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 06:58:15

    しかしスレ主の変身はレパートリー豊富だな…

  • 117二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 12:05:41

    SSの物量が半端なさ過ぎて尊みの無限ループだぜ・・・!!

  • 118123/04/12(水) 13:10:19

    >>108

    あー、テイクオフです テイクオフです テイクオフすぎて庭球になります

    賢いからこそあまりにも早い別れを想像して泣いてしまう様子が痛々しく、大人になろうとしていた彼女が少女として涙が止まらなくなっている様子がとても素敵でした

    本当にありがとうございました、これで温泉旅館に置かれていた私の中の一体が無事ラリーが続きました

  • 119123/04/12(水) 17:26:19

    >>114

    あー、絶対です 絶対です 絶対過ぎて絶好調になります

    いつもの騒がしくにぎやかなテイオーからは想像もつかないほど落ち着いた語り口に惹かれ、トレーナーが目を覚ませば安堵からかまたいつもの明るい様子に移っていく様子がとても素敵でした

    本当にありがとうございました、これでステータスが下振れていた私の中の一体が何とかレースで勝てました

  • 120二次元好きの匿名さん23/04/12(水) 21:03:11

    このレスは削除されています

  • 121120の訂正23/04/13(木) 00:01:05

    貴方…早く起きて頂戴。
    ……私の事を放っておいてどういうつもりなのかしら?本当にひどい人ね…
    私、最近おかしいのよ?この前の模擬レースも勝ったのだけど…何故かしら、充実感なんて何も無かったわ。
    レースしか興味が無い私が、レースをつまらないと思ったのよ?
    トレーナーなら担当の悩みを聞くべきでは無いのかしら?
    だから早く起きて頂戴。早く…起きなさい…
    ねぇ…おきてちょうだい———
    ……可笑しいわね、私の瞳から涙が出てるわ……
    今までそんな事無かったのに……

    貴方はもう、目を覚まさないのかしら?
    そんなの……そんなの嫌よ!
    私をここまで狂わせて!レースでもないのに私の心を焼き尽くす様に熱くさせて!
    その責任も取らずに貴方は何処かへ行ってしまうの!?
    ふざけるのもいい加減にして頂戴!
    貴方が見てくれていない一着なんて何の意味もないの!ゴールを超えた先に貴方がいないなんて耐えられない!
    だからお願い!私が届かないゴールの果てに勝手に行かないで!
    ……ここまで言っても貴方は目を開けないのね…
    言葉で覚めないのなら…この気持ちを…唇に乗せて———

    …………貴方?やっと起きたのかしら?
    ……ええ、貴方が起きないからみっともなく泣き叫んでいたのよ?
    貴方のせいで私の心は焼け狂うようになってしまったの。それに貴方がいなければレースもつまらないと思うくらいに。
    別に謝ることでは無いわ。本当に変な人。
    でも…私をここまで狂わせた責任は取ってもらうわよ?
    そうね…私のこの燃え盛るような胸の熱さ…貴方の手で鎮めて頂けるかしら?
    ええ、心配する事はないわ。だって今は…
    ———あの月しか私達を見ていないのだから…

  • 122二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 06:38:51

    まとまったら書きたいねぇ

  • 123二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 13:57:53

    「トレーナーさん?トレーナーさん!しっかりしてください!」
    《駿川たづな》の声が響くトレセン学園の廊下には三つの影があった。
    一つは先程から涙声で叫ぶたづな。一つはたづなに体を揺すられながらも一切の反応を返さず目を閉じたままの、とあるウマ娘のトレーナー。そして一つは――
    「あ、あらら~。もしかして当たり所が悪かったかしら……オ、オホホ」
    ―――不審者である。詳細に説明するのならば、突然現れウマ娘達に笹針を刺して去って行く事でトレセン学園では名の知られた不審者《安心沢刺々美》である。
    「な、なにを呑気な事を……!分かっているんですか!貴女がトレーナーさんとぶつかったせいでトレーナーさんが、トレーナーさんが…………!」
    「うぐぅ!い、いえいえ!私のせいと決まったわけではありませんわ!そ、それに貴女が追いかけて来なければ私も逃げる必要は……」
    「学園に不法侵入した不審者を追いかけるのは当然です!」
    「そ、そもそもただ衝突しただけにしてはおかしいでしょう!?叫んでも叩いても刺しても何をしても目を覚まさないだなんて!」
    「そんな事分かっています!だからどうしたら良いのかさっきから考えて……刺したってなんですか!?まさかトレーナーさんに笹針を刺したんですか!?」
    『不毛』。そんな二文字が浮かぶやり取りの間もトレーナーはなんの反応も示さない。しばらく言い合っていた二人も流石に只事ではないのを理解したのか、兎に角病院に連絡しなければと漸く動き出そうとした時――

    「ここかオラァッ!ゴルシちゃんレーダーに反応あり!海底遺跡で鍛えたムエタイの経験を活かす時が来たぜ!」

    倒れているトレーナーの担当ウマ娘――ゴールドシップが現れた。

  • 124二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 14:27:35

    >>123

    「ゴ、ゴールドシップさん」

    「んぁ?なんだよ他にも人がいたのか…………お?」

    突如乱入してきたゴールドシップの目線の先。そこには意識を失い倒れた自分のトレーナーがいた。

    「―――。あー、そういう事か。ったく、世話の焼けるトレピッピだのぉ」

    なにか合点がいったのか、頭を掻きながらトレーナーに近付くゴールドシップ。

    そして―――

    「え!?ちょっ、な、なななにをしてるんですかー!?」

    「…………わーお、熱烈なkissですわね」

    接吻した。

    「――ぷはっ。よし終了!おーいトレーナー。起っきろーい!」

    「ん…………あ、あれ?ゴルシ?」

    「おう、ゴルシちゃんだ。詳しい事情はそこの不審者共に聞いてくれ。アタシは至高の焼きそば作りをしなきゃいけないから今日のトレーニングは無しな!じゃぁな!精々しっかり休めよ!」

    「は?いや、少しは説明を…………行っちゃったか」

    嵐が通りすぎた後に残された三人は顔を見合わせる事しか出来なかった。




    「あのぉ……ゴールドシップさん?」

    「……………………放っといてくれ」

    「いえ、カフェテラスの入り口に両手で顔を覆ってしゃがみ込むウマ娘がいたら放ってはおけないのですが。通れないので退いてくれません?」

    「…………アタシ、貝の物真似してて忙しいから、後にしてくれ」



    今回の件でゴールドシップしか知らない事。トレーナーは白雪姫病と呼ばれる、突然眠りに落ち目覚めなくなる病気に罹っていた事。その病を治す方法は罹患者が『もっとも大切に想っている』相手にキスされる事。それと―――


    「うぁ……熱ぅ……」


    ―――普段破天荒に振る舞っている自分も、結局はただの乙女だった事。

  • 125二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 14:29:47

    読み難い駄文ですみませんが、ゴルシトレとして書かせてもらいました!
    ハチャメチャ感を出したまま甘酸っぱくするのは難しいですね(笑)

  • 126二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 18:11:01

    マヤとゴルシの話好き

  • 127二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 00:39:04

    SS書ける人はやっぱ凄いな…

  • 128123/04/14(金) 01:00:45

    >>121

    あー、魔性です、魔性です 魔性過ぎてマシュマロになります

    レースが全てだった彼女の中でレースよりもトレーナーの存在が大きくなっていて、周囲の人間すべてを惑わしていた魔性がはがれかけるほど大事に思っている様子がとても素敵でした

    本当にありがとうございました、これで串に刺されていた私の中の一体がいい感じに焼かれました

  • 129123/04/14(金) 01:05:38

    >>123

    あー、不沈です 不沈です 不沈すぎて府中になります

    ゴルシちゃんのテンションよろしくハイテンポで繰り広げられていく中で、破天荒なようにふるまっていくその明るさ、そしてその場所を離れた後の一人の乙女として恥じらう様子が目に浮かぶようで、とても素敵でした

    本当にありがとうございました、これでたくさんのウマ娘ちゃん達が訪れる私の中の一体がレース場を抱えました

  • 130二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 06:53:44

    保守

  • 131二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 13:59:19

  • 132二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 20:41:44

    書きたいので保守

  • 133二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 21:19:12

    トレーナーさん…まだ目を覚さないのですか?
    どんなに身体を揺すっても…どんなに呼びかけても…
    どうしても起きないのですか?
    トレーナーさんだけだったんですよ?
    周りが私を"飾り立てる"だけの言葉の中、トレーナーさんだけが私を"磨き上げる"言葉を…"輝かせてくれる"言葉を言ってくれたんですよ?
    だからこそダイヤはここまで輝く事が出来ました。
    …でも、それはトレーナーさんが光で照らしてくれたから輝く事が出来たんです。
    だから早く起きてください…
    光がなければダイヤは輝く事などできません……

    ———いえ…違います。そんな事ありません!
    「光がなければダイヤモンドは輝けない」…そのダイヤモンドごとそんなジンクスなんて砕いて見せます!
    もう照らされて光るだけのダイヤではありません!
    自ら一際輝いて…貴方を眩く照らす光る本当のダイヤになるんです!
    だからこそ今!この輝きと私のこの想いでトレーナーさんの魂を照らすんです!
    この輝きと想い…伝えるならあの"方法"しかありません…
    そう…大好きな人にだけ出来る想いの伝え方を…!
    だからトレーナーさん…これが私(ダイヤ)の輝き…私(ダイヤ)の想い…だからお願い…目を覚まして!

    ……!
    目を…覚ましたんですね…トレーナーさん!
    闇の中で自分を光が眩しく照らされて、そうしたら目が覚めた…ですか…
    もしかしたらそれはダイヤモンドの輝きかもしれないですね。
    私…決めました。今までのトレーナーさんに照らされて輝く私から…トレーナーさんを照らす輝きを放てるダイヤになります!
    だからこれからもお互い輝いて…二人の道を照らしていきましょう?
    ……ありがとうございますトレーナーさん!

    だけど今は…こうやって…貴方の温もりでこのダイヤを包み込んで下さい…
    もう…抑えていた感情が…抑えきれないん…ですからっ……!

  • 134123/04/15(土) 00:51:36

    >>133

    あー、金剛です 金剛です 金剛すぎてコンテナになります

    どれだけ特別で大切な人だったかをゆっくりと語るところで少しずつ宝石の輝きを失いつつある中で、意を決して光を反射してこそ美しかったダイヤモンド自身が光源となりキスをするところがとても素敵でした

    本当にありがとうございました、これで中身が空っぽだった私の中の一体が無事パンパンに詰め込まれました

  • 135二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 03:01:49

    トレーナーさん、こんにちわ!今日も来ちゃいました。あ、ちゃんと自主メニューこなしてから来ましたから、心配しないでください。ちょっと窓開けますね。空気入れ替えないと。

    今日はね、いい物持ってきたんです。なんだと思います?
    じゃーん、花海棠の花束、綺麗でしょう?めずらしいですよね。駅前に来てた移動式の花屋さんで見つけたんです。他にもスイートピーとか、菜の花とか桜もあって。おひさまも暖かいし、もうすっかり春ですねぇ。
    そういえば、この花の名前、去年の誕生日前に教えてくれたんですよね。

    ……ねえ、トレーナーさん。もう、私の誕生日、終わっちゃいましたよ。
    まだ、おめでとうって言ってもらってないです。約束してた水族館も、行けてないです。
    トレーナーさん。
    さっき、自主メニューやってから来たって言ったの、うそです。
    学校終わってすぐ来ちゃいました。サボりです。ねえ、私、トレーニングサボっちゃったんですよ?怒ってくださいよ。明日も、明後日も、ずっとずっとサボっちゃいますよ?
    怒らなくていいんですか?
    ねえ、トレーナーさん。
    もっと悪いことしますからね。朝寝坊するし、パッキンするアイスも、ひとりでぜんぶ食べちゃうし。それに、ずっとここにいます。授業だって出ません。目をさましてくれるまで、うごかないで、ずっと。
    いいんですか?トレーナーさん。

    はやく、おきてくださいよ。
    じゃないと私、すごく悪い子になっちゃいますよ?
    勝手に、キスとか、しちゃうんですからね。

    ……だめって言わない、トレーナーさんが悪いんだ。

  • 136二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 08:05:15

    涅槃《ニルヴァーナ》に囚われたか、我が半身《トレーナー》よ

    ククッ……その貌の安息は偽りだ。俺は確かに死の臭いを感じ取れた

    お前を覚醒させんと、孤独では限界を感じたワタシに、千里より救世の徒が駆け降り──

    日出ずる国の三運命《クロト・ラケシス・アトロポス》は快く、力を貸してくれたよ

    《小さな巨人、影の英雄》ゼンノロブロイ、《不可能を奇跡に変える永遠の少女》ライスシャワー、《戯れのグランドスラム》テイエムオペラオー……

    ──どうだ、お前という存在はここまでのウマ娘を衝き動かしたんだぞ?誇って見せてくれ……お前の声を、聞かせてくれ……

    ……嗤うがいい。今の、俺は、ワタシは……斃れたお前を眼間に焼き付け、はじめてその価値に気付いた魯鈍な革袋《フーリッシュ》に過ぎない

    だが!早すぎるのだよ、別れのギムレットには!

    混沌を越えて終末が近づく《ミッシング》だと?そんな運命《ノルン》、この私が──破壊する!

    今こそ世界は絵本の中に回帰するのだ!受けよ、我が罪咎たる接吻の洗礼!受け取るがいい、ワタシの生まれた意味を!

    お前を喪うなど、考えられない!俺の理解者という領域を越え──

    甘露なり──ワタシは、お前のことを、滅茶苦茶にしたい程、愛しているのだから……!



    ………フッ、真打は遅れてやってくるもの……俺は、信じていたとも

    さあ、ここより再び始めようか……お前と私、ふたりで紡ぐ恒久の混沌《カオス・ディスアスター》!未知なるレースに夢を求めて《ミーニング・オブ・バース》!

  • 137二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 17:04:01

  • 138二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 00:30:03

    反応は"no signal"、トレーナーの脳は私の"喚起"を"インプット"していない———
    倒れた日から1週間が経過、「原因」は不明———
    "経験"と"叡智"の"合一"が必要…"経過観察"———それが現状への"アンサー"であることは"朗然"なのは理解している———

    でも———
    何故———
    どうして———
    私の心の中に"焦燥"の"エントロピー"が"イクスパンション"していく———
    専門家である医者から放たれた"経過観察"という"アンサー"…
    それなのにその"アンサー"…ネオユニヴァースには"アンコンヴィンスト"だと内なる"イド"が"call"する———

    思えばトレーナーとの出会いは"ビッグバン"、私という名の"ユニヴァース"をどこまでも"スプレッド"させてくれる———

    でも今のトレーナーは"ビッククランチ"、このまま自分という名の"ユニヴァース"の出来ることが"リダクション"されていく———
    そして"リダクション"、限界まで縮小されていくその"リザルト"はトレーナーとネオユニヴァースを"セパレート"させる———
    いや……そんなのいやぁ…やだぁ…やだよぉ…

    涙が流れる、それは心に"悲哀"の"エントロピー"を"イクスパンション"させる———

  • 139二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 00:30:16

    そんな中突如駆けつけた医者から提示された"キス"で目を覚ます病だという"Q.E.D."。
    "リアル"と"ファンタジー"という"背反"する事象の"融合"。その結論はネオユニヴァースの顔と感情…全てを"オーバーヒート"させる———
    "キス"———それは親しい者への"挨拶"と愛しい者への"誓い"…今求められるのは恐らく後者…
    ———この現状は"ターニングポイント"。ネオユニヴァースは、アップセットする———

    それでも"キス"によってトレーナーの"ビッククランチ"が止まり、それがネオユニヴァースの"ビッグバン"を"リスタート"させる事ができるならば———!

    トレーナー…ネオユニヴァースの"エモーション"、"貴方の"魂"に"キス"で"コネクト"させる———
    このネオユニヴァースの"call"…貴方の"魂"で"レセプション"して———!


    トレーナーが目を覚ます。
    それは私の感情の"エントロピー"を"キャパシティオーバー"させる———
    だが"ビッククランチ"は止まり、"ビックバン"が"リスタート"する———

    広大な宇宙の中…その中から私という名の"ユニヴァース"を"ディスカバリー"してくれたトレーナー。
    その事が私のある感情の"エントロピー"を再び"エキスパンション"させる———
    だからこそこの"エントロピー"と"エモーション"を込めた"想い"を自らの言葉で"call"する———

    ———大好き、トレーナー

  • 140二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 06:51:26

    保守

  • 141123/04/16(日) 12:51:10

    >>135

    あー、委員長です 委員長です 委員長すぎてインチになります

    最初こそいつもと変わらない明るさでいられていると思わせてから、少しずつ悪い子になっていく様子がどこか退廃的な美しさを持っていて、最後に相手のせいにしてしまうところがとても素敵でした

    本当にありがとうございました、これでもうちょっと大きくなってほしいと思われていた私の中の一体が3インチ大きくなりました

  • 142二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 22:55:47

    保守

  • 143二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 23:13:50

    ちょっと久々にSS書きたいので保守しますね

  • 144二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 06:42:03

  • 145123/04/17(月) 12:57:49

    >>136

    あー、創造(はかい)です 破壊(そうぞう)です 創造過ぎてそうめんになります

    ウマ娘たちの強さと功績を顕す表現がギムレットに合わせたとても力強いものとなっていて、トレーナーに向けられた期待が見えるようでした 彼女の名に合わせたカクテルを用いた表現も、また素敵でした

    本当にありがとうございました、これで贈り物に選ばれた私の中の一体がアレンジされて消費されました

  • 146二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 22:05:26

    保守

  • 147二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 23:17:03

    ケ!?
    キ…キキキキ…キスでトレーナーさんは目が覚めるのデス!?
    トレーナーさんとキス……
    だ…駄目デス!エルにはまだ早過ぎるデス!
    でも…このままトレーナーさんが目を覚まさないなんて…そんなの絶対に嫌デス…
    それに想いを込めなければ意味が無い…中途半端な覚悟じゃトレーナーさんは一生目を覚まさない…
    うう…せめてエルに勇気があれば……あっ…

    パパから貰ったマスク…いつもエルに勇気とパワーをくれるものデス…
    でもパパ…今は…このマスクに頼りません…!
    エルの…アタシ自身の勇気を出して…トレーナーさんを目覚めさせるんだから!
    これがアタシのアナタへの想い…起きて…んっ…

    ———起きましたかトレーナーさん?
    はい、エルコンドルパサーですよ。
    マスクを付けなくても分かってくれて嬉しいです。
    そうです。マスクを付けなくてもエル、勇気を出せちゃいました。キスも出来ちゃいました。
    でも…アナタがエルをこんなにさせたんですよ?
    アナタがいなければエルは翔ぶ事も出来ない…
    アナタがいなければ帰る場所も分からない…
    アナタだけがエルコンドルパサーという名の鳥の翼であり止まり木なんですよ?

    だからもう…
    アタシだけを見て…
    エルを独りにしないで…
    マスクを付けていない本当のエルを…
    ずっとずっと目から逸らさないで…
    だからもう一度…
    アナタの目を見てキスを…したいの
    …お願い…

  • 148二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 06:50:07

    みんなSS凄いねぇ…

  • 149二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 17:24:28

  • 150123/04/19(水) 00:46:03

    >>138

    あー、コネクトです コネクトです コネクト過ぎてこんにゃくになります

    彼女の独特な語り口によって一定のスピード感とテンポを保っていて、解法を伝えられた時に顔が赤くなってしまうところがとても愛おしかったです 目を覚ました時の喜びも非常に大きなエネルギーとして伝わりました

    本当にありがとうございました、これでぷるんぷるんしていた私の中の一体が田楽になりました

  • 151二次元好きの匿名さん23/04/19(水) 07:03:49

    このレスは削除されています

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