"水"

  • 1二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 00:09:42

    唇が切れていた
    そのことに気がついたのは今朝方ニコ・ロビンに指摘された時だ

    「あら、サー? 唇切れてるわよ」

    反射的に手をやれば乾いた唇のささくれが触れた
    身だしなみには気を配る方なのだが全く気づかなかった
    英雄ごっこも楽じゃない
    思っている以上に疲れていたのかもしれない
    今度リップクリームでも頼んでみるか

  • 2二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 00:12:45

    オタ・サークロコダイル

  • 3二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 00:26:07

    ──喉が渇いた
    書類に目を通しながら渇きに顔をしかめる
    気にしなければいいだけなのに一度気になってしまうと頭から離れなくなる
    乱れた集中力でこなす仕事と通常の集中力でこなす仕事
    どちらが早いかはわかりきっていた
    持っていた書類の束の底をトントンと机で叩いて整える
    ウォーターピッチャーに目をやればそれがほとんど空であることを知った
    そういえば今朝から何度も水を口に運んだ気がする
    時間はまだ正午にもなっていない
    いくらアラバスタとはいえ今日はそこまで暑いでもない
    どうしてこんなに頻繁に喉が渇くのか

    まあ、そんなことどうでもいいか

  • 4二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 00:31:03

    もしや不穏な話か……?

  • 5二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 00:31:31

    珍しいタイプの鰐スレ

  • 6二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 00:31:43

    俺が口移ししてやるよ

  • 7二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 00:33:17

    ドキドキ

  • 8二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 00:33:41

    ホラーか…?最近ホラースレ不足だったから助かる

  • 9二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 00:34:51

    期待

  • 10二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 00:35:56

    謙虚な光沢のある万年筆に透かすだけで材質の良さが伺える羊皮紙
    業務に使うものは一流品で揃えている
    細かい点でもそれだけで仕事の効率が僅かに上がったりする
    その万年筆で書類にサインしていた時、ボロボロの爪が目に入った
    でこぼこしているとかそういうわけではないが、薄い縦線が浮かんでいた
    思いつく原因は不摂生やストレス
    やはり仕事の負荷が原因なのかもしれない

  • 11二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 00:38:11

    何もわからないけど嫌な予感でぞわぞわする

  • 12二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 00:39:20

    クロコダイル~過労死まてまの記録~

  • 13二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 00:43:04
  • 14二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 00:43:39

    >>13

    か、幹部さん

  • 15二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 00:57:56

    最近水の減りが早い

    理由はわかっている

    ボスであるサー・クロコダイルが以前より水を飲むようになった

    それも尋常でないほどに

    どうやら夜中に起きては水差しから直に飲むこともあるらしい

    一部地域で雨が降らなくなってから──雨を奪ってから水は貴重な資源だ

    それを嗜好品として利用しているのかと勘ぐったこともあったが、彼に限ってそんな生産性のないことはしないだろう

    作戦が動きだしたことで緊張しているのかもしれない

    今度ハーブティーでも仕入れようかしら


    https://bbs.animanch.com/storage/img/1704948/1

  • 16二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 01:00:29

    画像の貼り方分からん?

  • 17二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 01:12:09

    >>16

    本当だ

    変になってる…

    画像のリンクをコピーして貼り付けで合ってますよね?

  • 18二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 01:14:29

    媒体が何か知らんけどファイルを選択から貼り付けてるよ

  • 19二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 01:15:28

    スレ立てた時は画像貼れてるじゃん

  • 20二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 01:16:34

    >>17

    中のstorage/って部分消せば表示されるよ

  • 21二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 01:16:45

    >>16

    https://bbs.animanch.com/storage/img/1704948/1

    /storage

    もしくは

    storage/

    を消す

  • 22二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 01:17:32

    リンクコピーはリンク元の画像が消えると表示されなくなるリスクがあるから画像持ってるならファイル選択から画像選んで貼り付けしたほうが安定する

    あと差し支えなければ書いてる方の名前欄に1とかスレ主とか書いてもらえると見分けやすくなってとても助かります

  • 23スレ主23/03/30(木) 01:20:24

    >>18

    >>20

    >>21

    >>22

    ありがとうございます!!

  • 24二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 08:11:48

    保守

  • 25二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 09:12:31

    すごいワクワクする

  • 26スレ主23/03/30(木) 09:19:51

    一言で「かわき」といってもその意味はさまざまだろう
    しかも"スナスナ"で体が乾き砂へと変化していく感覚は他の誰も知りえない
    体から水分が抜けるもそれに苦しみはなく、むしろ水分がない方が心地いい物体に作り替えられていく
    そしてさらさらと体が解けるのだ
    だからこそサー・クロコダイルは「かわき」の恐ろしさを忘れていたのかもしれない

  • 27二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 20:24:54

    保守

  • 28スレ主23/03/30(木) 22:05:16

    青年は少し古い文化の残る村で育った
    例えば流れ星の降った日に産まれた鶏は殺してはいけないし、その肉や産み落とした卵を食すことも許されない
    年に一度、眠ってはいけない日がある
    他にも妙な風習は多かったが、青年にそれらのしきたりを破る気はなかった
    なぜかしきたりを破った人間は忽然と姿を消すのである
    そんな村だったからある日突然長老たちが「雨乞いの儀」を始めるだなんだと言いだしても、不思議に思わなかった

  • 29二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 22:22:02

    場面が変わった…

  • 30スレ主23/03/30(木) 22:31:08

    砂漠にいる
    足元から地平線まで砂が広がっている
    それ以外は何もない
    砂と空──太陽だけの空間にクロコダイルは立っていた

    喉が渇いた

    さっきから太陽が焼かんばかりの熱でこちらを照りつけているのだから当たり前である
    しかし砂漠に水がないのも当然のことであって
    水源のためにどれだけ歩くことになるか考え、クロコダイルはため息をついた
    そして歩こうと足を踏み出して
    倒れこんだ

  • 31スレ主23/03/30(木) 23:02:11

    鼻や口に砂が入り込んできて咳きこむ
    起き上がろうと腕で上半身を起こし、また、倒れた
    体に何が起きているのかわからない
    どうしてか腕にも脚にも力が入らないのだ

    「何かの能力者か……?」

    そう呟いて、そう呟こうとして、声が出ないことにも気がついた

    「……っ、ぁ゛」

    そればかりか言葉を発しようとするだけで喉が痛む
    渇いている
    渇ききっている
    そしてなぜ四肢に力が入らなかったのかも理解した
    腕が細くなっていた
    病的なまでに
    血管も浮きでて肌がひび割れている
    脚は見えないが、きっと同じようになっているだろう
    渇いている
    乾いている
    かわいている
    砂であるはずの自分が、かわいている

  • 32二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 23:13:17

    砂になるときは体が作り変わる
    水がなくても問題のない部位として「砂」は形成される
    だけどコレは違う
    水が奪われる
    どうしようもなく、かわくのだ
    体が干上がる
    苦しい
    こんなに暑いはずなのに汗が垂れない
    きっとこの体に水分は残っていない
    頭がぼうっとする
    思考が奪われる

    どうする?
    どうしたらいい?
    からだは?
    みずは?
    この、さばくで

    疑問や問題がその先の結論へ到達することなく脳に停滞する
    気持ちが悪い

    ──ピキリ

    小さな音が指先から聞こえた

    ──ピキリ。ピキリ。ピキリ。

    音は絶えない

  • 33二次元好きの匿名さん23/03/30(木) 23:27:09

    焦点が定まらなくなってきた目を腕に向ける
    そこには指先から音を立ててひび割れていく腕があった
    比喩ではなく、ひびが腕を走っている

    うでが、こわれる

    本能がこの体の行く末を確信した
    陶器を落とした時のように
    氷を水に入れる時のように
    生命が孵化する時のように

    いやだ

    幼子のような拙い生存本能が目の前で起こる現象を拒絶して、目を瞑った

    いやだ

    しかしそれは無力な祈りに過ぎず、ピキリという無機質な音が変わらず耳に響く
    音が疲れきった脳を揺さぶる
    不快感が募る

    ──ピキリ。ピキリ。ピキッ。

    ピキッ?
    突然今までとは違う音が聞こえて慌てて腕を見やる
    視界に飛び込んできたのは
    腕が
    うでが
    うで、が

  • 34二次元好きの匿名さん23/03/31(金) 10:33:41

    保守

  • 35スレ主23/03/31(金) 15:21:50

    「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!」

    叫び声を上げてクロコダイルは飛び起きた
    窓の外はまだ暗く、眠りについてからまだ時間はさほど経っていないらしい
    バクバクと心臓が強く脈打つ
    汗が吹き出て寝巻きや布団を湿らす



    水分が、体外に出ている
    クロコダイルは慌ててベッド脇の棚にある水差しを手にした
    そのまま水差しを直にあおる
    口の端から水を漏らしながらも半分ほどの水を腹に収めた
    やっと気分は落ち着いてきて右腕を眺めたが、腕に変化はなかった
    ──バカバカしい
    悪夢に飛び起きるなんて幼子でもあるまいし

    クロコダイルは再び横になったが、結局その夜は眠れなかった

  • 36二次元好きの匿名さん23/03/31(金) 19:02:38

    クロコダイルは怪異とかの類に弱いという偏見がある

  • 37二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 01:18:06

    無慈悲に腕が割れてくときの描写好き

  • 38二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 12:52:42

    保守

  • 39二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 14:17:53

    誰でもビビるけどスナスナ持ってる自分がってなるともっと怖いわな

  • 40スレ主23/04/01(土) 17:38:40

    長老たち曰く「雨乞いの儀」には3人の生娘が必要で、どうやら青年の妹がその1人に選ばれたらしい
    それを聞いて落ち着いていられる人間がいるだろうか
    儀式に誰かが呼ばれて無事だったことなど今までないというのに
    青年には他に家族がいない
    妹と2人支えあって生きてきた
    その妹を得体の知れない儀式に出すだなんて
    憤慨し大暴れしたのは昼のことで、呆気なく村人に取り押さえられた青年が解放されたのはその日の夜だった

  • 41スレ主23/04/01(土) 17:39:22

    もう儀式は始まっていて、村の祠に長老1人と娘3人で夕方から閉じ籠っている
    祠まで行ってみたが内から錠をかけられているようで扉はビクともしなかった
    扉の向こうからは念仏のような歌のような低い声と、鈴の音が聞こえてくる
    声は長老で、鈴は3人の娘が鳴らしているのだろう
    どうか無事であってほしいと思う
    水不足で人が死にまくるこの村でそんなことを願うのは可笑しいかもしれないが
    それでもケロッとした顔でこの扉から出てきてくれる日を待って、青年は扉の前に居続けることにした

  • 42二次元好きの匿名さん23/04/01(土) 23:59:58

    保守

  • 43スレ主23/04/02(日) 00:29:36

    「東の方の学者によると、歌は『訴える』という意味があるらしいわ」

    「英雄様にありがとうって伝えたくて!」と主張した少女が歌い終えるのを見届けたニコ・ロビンは上司にそう補足した
    少女にその意図があったわけではないだろうが、気持ちを込めていたことを困惑する上司にわかって欲しいようだった

    「なるほど……」

    どこか物憂げな調子で呟くクロコダイルにロビンは眉をひそめる
    彼は最近様子がおかしいどころではない
    なぜか急に水を飲まなくなった
    量が減ったのではなく一切飲まなくなったのだ
    そして常時『砂』で過ごしている
    服で見えないがきっと今も、スーツの内側には人型の砂が詰まっているはずだ
    一体どんな秘密を隠しているというのだろう

  • 44スレ主23/04/02(日) 00:30:28

    クロコダイルが砂で過ごすようになって数日が経った
    砂でいれば、かわきもなくなる気がした
    しかし現に今水が飲みたくて飲みたくて堪らない
    集中力が乱れるせいか『砂』を保つのも難しくなっていて、クロコダイルは布団の中で『人』に戻っていた
    右手を水差しに伸ばし、逡巡する
    飲めば干からびる寸前の身体は潤うだろう
    そしてまた汗をかくなりなんなりして水分を失う
    その水を失う感覚が耐え難いほどに恐ろしいのだ
    どうしてか恐怖が体に刻みつけられている
    今はただ、水を飲むことすら恐い
    脱水に惚けた頭でもその恐怖だけは明確に認識していた

  • 45スレ主23/04/02(日) 00:31:12

    儀式が始まって何日か過ぎた日の夜
    祠の中から聞こえてくる鈴の音が、1つ消えた
    扉の前で耳を澄ませていた青年は慌てて扉を叩く

    ──ドンドン!! ドン!! ドン!!

    何度叩いても返事はない
    きっと誰か倒れたのだ
    ずっと祠を見張っていたが、誰も出てこなかったし誰も入らなかった
    食べ物どころか飲み物すら口にしていないはずだ

    ──ドンドン!! ドンドンドン!!!

    返事の代わりに2つに減った鈴の音と歌のような長老の声が聞こえてくる
    違う
    聞きたいのはこんなものじゃない
    妹の声が聞きたいだけだ

    ──ドンドンドンドン!! ドン!! ドン!!

    木製の扉のささくれが拳に刺さる

    ──ドンドンドンドンドンドン!!

    手が血まみれになるまで扉を叩いても何も返ってこない

  • 46スレ主23/04/02(日) 00:31:54

    「う゛ぅーーー」

    低い獣のような唸り声が聞こえて、そのワンテンポ後に声の主が自分であることにクロコダイルは気がついた
    水が飲みたい飲みたい飲みたい
    でも同時に恐ろしい
    潤った状態から干からびていくのが受け入れ難い
    震える右手が水差しを掴む
    恐怖と渇望が回らなくなった頭を占めていく
    何かに耐えるように右手に力を込める

    ──バキッ

    乾いた音が水差しから響いた
    力を込めすぎて水差しにひびを入れてしまったのだ
    細く入った線から水が漏れていく
    体が望んだものが消えていく

    どうせなら飲んでしまえ

    頭の中に囁き声が聞こえて、クロコダイルは一思いに水差しをあおった

  • 47スレ主23/04/02(日) 00:33:03

    とうとう2つ目の鈴の音が絶えた
    3人の内、2人が倒れた

    ──ドンドンドン!!!!

    「おいっ! 開けろ!! 早く開けろ!!」

    絶叫と発狂の間のような声で青年は叫ぶ
    もしかしたら妹が倒れてしまったのかもしれない
    そうでなくとも体は危険な状態にあるはずだ

    「いい加減にしろ!! さっさとしろよ! クソジジイ!!」

    怒りのまま腹から声を出す
    扉を叩く衝撃で腕が痺れる
    その時、

    ──ギィィィ

    軋むような音を立てて僅かに扉が開いた
    即座に飛び込もうとしていた青年はその先にあるものを見て固まる
    そこには枝のようにやつれた長老が立っていた
    暗闇の中、大きな目だけがらんらんと光っている

    「あと少しなんじゃ……。邪魔ァするなっ!!」

    それだけ言うと扉を閉めてしまった
    青年は呆然としたまま最後の鈴の音が消えたことを、扉の外で確認した

  • 48スレ主23/04/02(日) 00:33:44

    「……おえっ」

    クロコダイルはシーツに広がる染みを見て唖然とした
    水を飲むと何かが腹の底からこみあがって、どうしてか水を吐き戻してしまう
    あの後水差しから飲みこんですぐに嘔吐し、試しに何度か飲んでみたのだが水が飲めないという事実を再確認させられただけだった
    もう身体に水は残っていない
    このままでは死んでしまう
    焦燥が水を飲ませるが、身体がそれを拒絶して水は胃ではなくシーツに溜まった
    水が染み込んでいく布団に苛立ちが募る

    ──ビリッ

    羽毛が舞った
    気づけば鉤爪で布団を斬り裂いていた
    しかしそれで潤うのはちっぽけな自尊感情だけで身体はどうしようもない
    それどころか震えが全身を襲った
    脳に正しく酸素を送れなくなった
    いつかの砂漠のようにそのまま前に倒れこむ
    クロコダイルはベッドから落下し、水差しもその拍子に落ちて砕ける
    水も完全に失ってしまった
    その光景を視界の端で捉えながらクロコダイルの意識は途切れた

  • 49スレ主23/04/02(日) 00:34:18

    遂には長老の低い声すらも聞こえなくなった
    何も聞こえない静かな夜
    やっと青年の意識が覚醒してきた
    人を、呼ばなくてはならない

  • 50スレ主23/04/02(日) 00:35:10

    クロコダイルが目を覚ますと見覚えのない天井が目に入った
    次いでこちらを覗きこんだロビンの顔が天井を隠す
    彼女は「気がついたのね」と呟くと急いで部屋から出ていった
    右腕に妙な感覚を覚えそちらを見れば、点滴が付けられていた
    そこまで来て病院に運び込まれたらしいことを把握する
    ニコ・ロビンが医者を連れて戻ってきてクロコダイルに脱水症状であったことを伝えた
    過労だのストレスだのと説明されたがピンと来ず、クロコダイルは渡されたコップの水を戸惑いながら口に運ぶ
    また吐き戻すのではないかと思ったがそれは杞憂だったようで、以前のように水を胃に流し込むことができた
    もしかしたらあれは本当にストレスが原因でおかしくなっていたのかもしれない
    そういうことにして脳で処理する
    理想郷計画だってあるのだ
    こんなこと、気にしてなんていられない
    クロコダイルは医者の反対を押しきってその日のうちに退院手続きを済ませた

  • 51スレ主23/04/02(日) 00:35:45

    祠の中からは4体のミイラが見つかった
    他に鈴と蝋燭以外の物は見つからず、結局儀式が何であったのかもこのミイラが本当に妹たちであるのかも、全てわからずじまいとなってしまった
    青年は家族を喪った事実だけを受け入れ途方に暮れる
    あの日から1ヶ月経ったが依然雨は降らない
    妹は無駄死にだったのか
    静かな絶望が心に空いた穴を埋めていく
    もういっそ永遠に雨が降らないでいてくれたらいい
    そしたらどうしようもなかったと割り切れる
    青年は広々とした晴天に、暗い祈りを捧げた

  • 52スレ主23/04/02(日) 00:36:13

    〜おしまい〜

  • 53二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 00:38:03

    …これつまりクロコダイルを殺す儀式をしたけど失敗した…ってコト!?

  • 54二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 00:44:27

    たぶん長老たちはクロコダイルの裏の顔に気付くほど頭良くはないので雨乞いする→邪神的なのが原因を絶とうとする→結果的に殺人 かもしれない

  • 55二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 00:54:08

    関係はありそうだけど因果はないっていうのはゾクゾクして良い

  • 56二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 01:16:40

    点と点が繋がりそうで繋げられるほどの決め手がないのがもやもやとして不気味だ…

  • 57二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 10:41:47

    今まで何度か成功させて殺せてそうではあるこの長老

  • 58二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 11:16:32

    2つの話は同時進行で、青年はユバよりさらに西の村に住んでて>>54ってことだと思った

  • 59二次元好きの匿名さん23/04/02(日) 22:49:28

    面白かったです!

  • 60二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 01:33:32

    青年日照りが人為的なものだと知って曇りそう
    でも儀式ほぼ成功なんすけどね…

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています