すみません、ここに来れば

  • 1二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 18:37:08

    「デジタル、申し訳ないけど、クレームが来てるんだ」
    「はい、す、すみません」

    怒った所なんて見たことないようなあたしの同志の、辛そうな苦しそうな顔。それをさせてしまうことがあまりにも不甲斐ない。
    だって、これは全部デジたんのせいだから

    「気絶した娘が倒れているのも、突然気絶する娘がいるのも、非常に安全上よくないのは事実だから、なんとかして直してもらわないと」
    「本当に、申し訳ない……」

    そう、尊みキャパオーバーでエモエモフィーバーしてしまうと倒れるあたし。それを新入生ウマ娘ちゃんが心配してくれて! ああ、なんて優しい!
    と、なった挙げ句にまたもその可愛さと健気さにGoto天国。繰り返し意識を失った先輩を前にして、涙ながら助けを求めた結果、方々に陳述され正式に注意されてしまった。
    曰く、持病みたいなものとはいえ、自衛くらいはしてください。とのことで

    本当に申し訳ない、でもデジたんが倒れようともウマ娘ちゃんの可愛さは変わらないから、どうにもできないわけでして

    「だから厳しいようだけど、今後は可能な限り俺も一緒に行動するから、君のその趣味にも」

    「へぇ? と、トレーナーさんもですか?」
    「うん、可能な限り君が倒れないように。そして、君が気絶したら、ペナルティを課す……リハビリみたいなものかな?」

    心苦しそうにそういったトレーナーさん。
    彼は有言実行で、あたしのウマ娘ちゃんを影ながら見守る活動────あ、勿論トレーニングも創作活動も、勉学をした上で行うものですよ!?────それに嫌な顔せず同行してくれることになったのです。

  • 2二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 18:37:46

    前までは生垣に潜める小柄なあたしの活動。今はそれができなくなって、ベンチに腰掛けてとか、オープンテラスからとかになって。
    デジたんよ、お前は背景。立ち絵の奥で2色位で塗られてる推定人物ぽい淡い影になるのだ。と自己暗示しながらの活動を、トレーナーさんと二人ですることに。

    あたしの邪魔をしないように、声をかけることなくただ隣りにいてくれるだけの同志。それでもあたしが尊みに耐えきれなくなった時は

    「ひょえええ!あの二人手を取って、秘密の花壇に!? そ、そんなまさk」「はい、デジタルこっち見てねーだめだよー?」────ひゃィ!?」

    あたしの顎と頬にその大きくて少し節くれだった手を当てて、顔を彼の顔しか見れないようにくいって動かして、そのまま目を覗き込んできます。
    吐息がかかりそうな距離に、ウマ娘ちゃんを見て飛びそうな意識が、また別の熱をぶつけられるように。目を覗き込んでくる同志の顔のどアップに、落ち着けないけど、何故か集中が乱れて爆発もできません。

    それでも間に合わず気絶してしまったあたしへのペナルティはというと

    「あ、起きた? デジタル、今日はこんな感じにしてみたよ?」

    あたしの寝顔を写真でとって、それを誰から学んだのか、可愛くデコってあたしに送ってくるということでした……

    え、いやその、【世界一かわいいウマ娘ここに眠る】とかキャプション芸されると、その……困るといいますか、恐れ多いと言いますか。というか、寝顔を撮られるのは流石に恥ずかしい……でもこれデジたんへの正統な罰

    「10枚溜まっちゃったら1枚を君が選んで、ウマスタにあげてね。これはペナルティだから……仕方ないことだよ」
    「ひょ、ひょえええ」

    ほかにも眠り姫とか、まどろむ聖女とか……花を持たられせてたり、小道具を置かれたりと寝相アートもかくやの勢いでいいようにされてしまい……

    デジたん、次気絶したら、どんなことをされてしまうの? そんな恐怖と不安でバクバクしながらも、今日もウマ娘ちゃん観察を続けてます。親愛なるあたしの同志の横で。

    だからそう、これは決して!! デートとかプレイとかじゃないんですよ、聞いてます!?


    みたいな、公然イチャラブ見せつけプレイの羞恥心にはまって変な趣味に目覚めかけたデジタルの話が
    今なら無料で読めるって聞いたんですけど、どこに置いてます?

  • 3二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 18:39:06

    そこですか?

  • 4二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 18:39:11

    ここにあるよ!
    目の前にあったよ!ごちそうさまでしゅ!

  • 5二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 18:58:45

    尊みは既にここに…

  • 6二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 19:09:51

    しかし公然イチャラブ見せつけプレイのデジたんとか書くのが難しそうな…
    スレ主、あなたがナンバーワンだ

  • 7二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 19:12:06

    もう手にとってますね

  • 81の過去辻SSのリサイクル23/04/03(月) 20:06:04

    「どういうことですか!トレーナさん!」
    「どうしたんだい、デジタル?」

    いつも飄々としているトレーナさんへと駆け寄する。今日のデジたんは義憤に燃えている。必ずかの邪智暴虐でかくれサドで多分むっつりトレーナーさんを正さねばならぬっ! これは聖戦であり、全てはウマ娘ちゃんのため! 決して私利私欲から動くデジたんではない!

    「聞きましたよ! 彼女持ちのトレーナーさんが白昼堂々と恋人ウマ娘ちゃんとハグをしていたって! 」
    「いや、なんのことかな?」

    そう! デジたんを勝らずとも劣らぬウマ娘ちゃんマスターであり、デジたんのトレーナーさんの許しがたい背信行為!

    「これはもう、おこですよ! おこ! デジタンげきおこぷんぷん丸です! 古典的な怒りです! 百歩譲ってハグはお互いの合意があればいいでしょう! でもっ! 同志に彼女が居たのを、どうして教えてくれなかったんですか!! デジたんショックでまた気絶しちゃいそうになりましたよ!?」
    「あー、デジタル?」
    「断金の交わりと思ってたのは、あたしだけだったんですか!? URAを各国の芝もダート駆け抜けた時のあたし達は、もっと輝いていました!! 大変不満足ですよ!」

    心の情動の赴くままに叫んでいると、鼻の奥がツンとしてくる。その意味もわからないまま、でもぉ! 全ウマ娘ちゃんのためならっ! そのためならっ たとえ同志でも! 馬謖を斬るが如く!
    「せっかく最近は気絶癖が治って来たのに、今度はなんだい?」
    「恍けるおつもりですか? ウマ娘ちゃんを観察しながらデジたんイヤーがはっきり捉えていましたよ! 同志の所業の数々を!」

    曰く渡り廊下の柱の影で、肩を寄せるように小柄なウマ娘ちゃんと並び愛を囁いていた。曰く校舎裏の花壇そばのベンチで眠る少女を、姫抱きで連れ去っていった。曰くレッスンルームから、恍惚とした表情のウマ娘ちゃんを背負い出てきた。
    これだけの証拠が、しかも複数の方面のより上がっている! ご丁寧に教えてくれた時は、怒りと尊みで意識が朦朧としちゃったけどっ! べつにー、デジたんにも平気で顎クイする人ですし? そんな、怒ってるとか、モヤモヤしてるわけじゃないですけどぉ?

  • 91の過去辻SSのリサイクル23/04/03(月) 20:07:09

    「どうですかっ! この絶対的な証拠を前に! まだ待った! を連打するおつもりですか!? それともそれは違うよ!ですか?」
    そう言いながらもあたしは、塩辛いなにかを飲み干しながら糾弾する。ジクジク胸は傷んで重くて手も足も先っぽは凍ったように冷たい
    それでもあたしはフリージアの如く咲き誇り止まらない!

    「……はい、どうぞこれを見て?」
    トレーナーさんはどこか呆れた表情で画像を送ってくる。また寝顔写真を送りつけてごまかす魂胆なのかと警戒しながら開いてみれば

    「ひょ、ひょええええええ!? アイエエエ、デジたんなんで!?」
    「あの新入生を筆頭に、実は君のファンも写真を撮ってるんだよ、これはその一例」
    その写真は、いえ、アルバムの登場人物はアグネスデジタル、つまりあたし自身だったのです! そんな、デジたんが限界オーバードライブしてる間に、そんなことまでしていたんでしゅ!? ドキドキバクバクうるさい心臓の音と、ゾクゾクとしびれるような感覚が背中をなぞっている

  • 101の過去辻SSのリサイクル23/04/03(月) 20:07:54

    「え、じゃあその……彼女っていうのは……?」
    「皆、君が俺の彼女って言ってくるんだよ【まだ】担当トレーナーなのにね、困っちゃうよ」
    「ひょ、ひょえええ……」
    にこにこと、気絶する前によく覗き込むきれいな瞳を細めてそう言ってくるトレーナーさん。え、まってそれって、もしかして、でもデジたんなんかよりカワイイウマ娘ちゃんをいつも一緒に見ているのに。
    でもでもでも! 一緒に見守っている時、トレーナーしゃんはずーっとデジたんの顔を見てるよね? 本も読まないであたしの独り言みたいな解説を聞きながら、ずっとあたしに微笑んでるよね!?
    あ、ああああああああ! だめっ! デジたん! 考えたら10回目の気絶をしちゃう! ふにふにと、あたしの左手を取って、薬指をまるで測るように触っているトレーナーしゃん。そんなただ手を握っているだけなのに、すっごい意識しちゃいます!!
    あたしの尻尾と耳が、垂直になるまでピン伸びるのを感じながら、気を逸らすべく右手でスマホを操作して、さっき気になったものを探す! 今必要なのは、冷静になるためのきっかけ!
    クールなデジたんは完璧な解決策を見出す!! そう、ウマ娘ちゃんの守護天使のあたしなら!

    「あ、あああ、あのっ! この写真の構図お願いしましゅ! しょうもん前でぇ! 検証しますよ!?」
    満足して眠りこけたあたしの手を取って、それに口づけをしているトレーナーさん。そんな写真を指さして、そう言いってみました。顔も頭も湯だったあたしは、もうそれがどういう意味かもわからないままで


    みたいなのは見つけたんですけど、公開羞恥プレイが癖になったデジたんは見つからなくて……
    みかけた人います?

  • 11二次元好きの匿名さん23/04/03(月) 20:29:47

    アッ!

  • 12二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 00:02:04

    この尊さを表現したいんだがどうやら俺の語彙力は蒸発してしまったようだ
    イイ…

  • 13二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 00:10:22

    付き合う付き合わないのラインギリギリを攻めてきて、将来的に陥落させるのを匂わせてくる系スパダリは、中等部に与えるには劇薬すぎる

  • 14二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 00:30:57

    アッ 尊い……。 やはりデジトレ♂×デジタンは推せる……。
    これがデジトレ♀とデジタンだとまた変わってくるのだろうが。

  • 15二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 00:38:58

    しゅごい……

  • 16二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 01:17:49

    あーやっべ

  • 17二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 05:28:12

    トレデジ最も増えろ

  • 18二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 07:45:49

    デジたんは女々

  • 19二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 08:46:37

    おデジは恥ずかしさのあまり言葉も出なくなっちゃうシチュが最高に似合う

  • 20123/04/04(火) 18:22:48

    「やっぱり、自分がされてみないと本当の意味では理解できないと思うんだ」
    「あのぉ……トレーナーさん、その小脇に抱えた箱は?」

    今日の彼は普段トレーナー室に置いてある段ボール箱を、春を感じさせる麗らかな風が吹き込む、憩いのベンチのまで持ち出していますね。
    あたしが何枚かの写真を泣く泣くウマスタにあげて、ぷちパズってからも、同志との訓練は続いていました。仕方ないじゃないですか! ウマ娘ちゃんのかわいさは日々進化していくんですよ!?
    トレセン学園で収斂進化したそれはもはや凶器を振り回しているようなものですよ! デジたんも狂喜乱舞です!
    なので、決してぞわってする背筋が癖になってしまったとか、そういうのじゃないです! ええ、決して違いますとも!

    「ほらデジタルは褒めるの上手でしょ? 他のウマ娘の良いところを見つけて、感激して気絶しちゃってるからさ」
    「まぁ、広義で言えばそうですね! はい」

    微妙に理解していないような気もするけど、そこは私の同志。あたしなんかを推しているようにややずれたところがあります。もちろん推しに貴賤はないですけど、それはそれとして変わり者ですよね。嬉しくはあるんですよ!? 

    「だから、こうして君に届いたたくさんのファンレターやDMを検閲して持ってきたんだ、もちろんこの後も君に渡すけど」
    「ひょ、ひょえええ、こんなにいっぱい!?」
    「いや、これ今期分だけだよ、本当はもっとたくさんあるし、いつも渡してるよね?」
    「あ、すみません、つい」

    もちろん大事なお手紙、人前に立つものとして真摯に受け止めてますとも。できればすべてにお返事とか書きたいんですけど、どうしてもその、自主製作本の活動がありまして。締め切りを絶対に守るように父から言いつけられて育っていますから……

  • 21123/04/04(火) 18:22:58

    「今からこれを音読する」
    「な、なんですとぉ!?」
    「君がいつも大声でやっていることを俺もやってみるよ、君は聞いてるだけでいい、そうすれば気絶される立場もわかると思ってね」

    え、いやまってそんな心の準備が! というか周り! 普通にウマ娘ちゃん往来してる場所! T!P!O!

    「────いつも凛々しい顔で、真剣にレースに挑む姿が格好いいです。またうちの地元で走ってください」
    「あばばば!!」
    「この前お姿をお見かけした際、あまりのかわいさに近寄って声をかけることができませんでした。その天に許されざる程愛らしく可愛らしい御身と同じ空間にいられるだけで光栄でした」
    「わああ、ご同類さんのにおい!」

    え、待ってこんなに!? こんな恥ずかしいの!? トレーナーさんがただ読み上げているだけなのに!? お外だから!? いつも黙読で読むときは、いやぁ照れますねぇくらいなのに。よく通る彼の声のせいで、近くの芝生に座ってるウマ娘ちゃんたちもこっちを見てる!?
    あ、これ、結構、恥ずかしい!

    「小さな体から、驚くような切れのあるラストスパート、場所を選ばない適正能力にウマ娘として憧れてしまいます! いつか私と走ってくれると嬉しいです! あ、これ後輩ちゃんだね」
    「あ、あの、本当もう 限界で」
    「あなたの走りに心を奪われて、恋に落ちるように君のことばかりを考えるようになりました。側にいて支えている幸せをずっと噛み締めています、永遠に思い続けます。あなたのファン第一号より、あ、これ俺のだった」
    「ミ゛!!」
    「でじたるちゃんだいすきです、だって ほら♥のシールも。かわいいね、お母さんと書いたのかな?」
    「え、ちょっとちょっと」

    急になんかぶっこまれた気がして、意識が飛びかけるデジたん、え、待って今なんかすごい事を言われたような!?

  • 22123/04/04(火) 18:23:17

    「え? まぁ今日はここまでにしようか? 残りはまた後日だね」
    「あ、あのぉ、もう本当勘弁して」

    恥ずかしくて、でもうれしくて耳でお湯が沸かせそう、さっきからこっちを見ている娘や通り過ぎるウマ娘ちゃんたちが笑ってみている。
    あ、デジたんと同志がまた公然で何かやってるて、そんな風に囁かれれるし見られちゃってる。

    「まぁ人に褒められるっていうのは結構恥ずかしいんだよ、分かったかな?」
    「ひゃ、ひゃい本当によくわかり「あ、そうだった、じゃあ俺5分くらい気絶するから」
    「え?」

    き、気絶!? どこかお体の具合が? そう言うふうに誤魔化したいのに、それはまさにデジたんがやっていたことだから、強く言えないわけで

    「そこまでやらないとだめでしょ? このアラームが鳴るまで何されても起きないし、その間のことを覚えてないからね、デジタルと一緒で」

    トレーナーさんはそう言ってベンチの背もたれに体を預かて目をつぶってリラックスした姿勢をとって、眠るように脱力してます。

    え、どうするの!? デジたん、え? いまなら何してもいいってこと? 知らないフリして、覚えてないままにするって事ぉ!? いやウマ娘ちゃんはそんな邪念をもってデジたんを見たりはしないでしょ!?

    で、でも普段写真を撮られたりしてるので、ちょっとくらいいたずらなんか……あっ、同志って、結構筋肉質なんですね────この先は掠れて読めない


    みたいなのは見つけたんですけど
    ちょっとデジトレの誘い受けまでは解釈違いなんですよねぇ……他にないですか?

  • 23二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 18:53:16

    ここがデジたん牧場か

  • 24二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 19:25:06

    そこになければないですねー

  • 25二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 21:27:29

    ドトウトレか?このデジトレ

  • 26二次元好きの匿名さん23/04/04(火) 23:49:35

    しゅきぃ……

  • 27二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 00:01:23

    すげえなこのスレ供給が…ゴフッ

  • 28二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 07:45:43

    保守

  • 29二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 18:09:59

    デジたん好きは業が深い

  • 30二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 18:32:52

    公開イチャイチャトレデジ…そういうのもあるのか!
    もっと…もっと…

  • 31123/04/05(水) 20:19:34

    「へ? 自費出版のやり方ですか?」
    「うん、詳しいかなって思って」

    二人きりのトレーナー室でのミーティングが終わって帰る前の雑談のようなときに、ふとした拍子に聞かれたその言葉は、デジたんのトレーナーとは結びつかないものでした。
    画像加工なら、なんかだんだんレベルが上ってるんですけどね、デジたんのせいで!!

    「実は、先輩に倣ってポエムを書いてみたんだ」
    「ウ゛フゥ!! そ、それは……」

    自主制作のポエム!? 誰しもポエトな時期はございますが! デジたんは貴賤なく決してそれを否定しませんけど!!
    でもちょっと待ったほうがいい案件かもしれませんよぉ、これ!!

    「好きなウマ娘の思ったことをまとめただけなんだけどね、勿論デジタルのことだけど」
    「ひゃ……ふ、ふーん。そうですか、でもわざわざ本にしないで自分のノートに書いておくが方が良いと思いますよ、そういうのは! これは善意でいってますけど」

    さすがのデジたんももう慣れましたからねっ! トレーナーさんが推しのポエムを書いただけですしぃ? 照れる理由とかもう無いですよね?
    後ろからしてるひゅんひゅんと風を切る音を聞き流して、あたしはしっかりと先達としてアドバイスしました。

    「んーそうかな? SNSとかブログにあげるとかも、もしかしてしないほうが良いのかな?」
    「はいっ! 周りにあたしみたいな創作してる人がいて、引っ張られて作ったモノは! まずはノートにしまって1年寝かせましょう!」
    「そうかー……こんな感じなんだけど」

  • 32123/04/05(水) 20:19:50

    ダブルクリップに止められて渡されたA4コピー紙の束を思わず受け取ると、そこにずらっと並ぶ……文字列……え!? 誰なの!?
    この可憐でひたむきでストイックながらも、皆に愛されて前を向いて挑戦を続ける、その様が多くの人に勇気と感動を与えてる勇者みたいなウマ娘ちゃん!? もしかして、トレーナーさんの空想の存在ですか、このアグネスデジタルってウマ娘は?
    でも、そのぉ……すごい伝わってきます……

    「あ、あの舌の根も乾いてないですけど、やっぱり本にしていいですか?」
    「え、勿論いいけど?」

    これを、形にしてSNSにあげて皆さん見られるのは、もはやデジたんへのある種のイメ損ですけど、でも

    「配布とかはしないで3部……いえ、2部だけ印刷して持ってたいなぁって……」
    「本当? そう言ってくれるとなんか嬉しいな」

    自分の創作物を手に取ってくれた嬉しさを浴びる沼に同志を沈めたいですけどっ! でも

    「これは、あたしだけのものに、したいです」

    たまにはそう思っても、良いですよね?
    そんな、らしくもないいつもと少し違うふわふわした恥ずかしさに身を委ねながら、わがままを言ってしまいました。

    後日、クラスメイトから
    「トレーナーさんからもらったポエムを製本して独占してるって本当? トレーナーさん達の間で噂になってるよ」
    と聞かれて、またゾワってするんですけどねっ!!




    みたいな、今度は公開羞恥をキャンセルして独占する女々デジたんが出てきたんです。
    ちょうどいいのはどちらに? 司書さんも休みですかね?

  • 33二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 21:08:56

    日刊デジたん羞恥プレイSS部か?

  • 34二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 21:37:14

    またいちゃついてる……

  • 35二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 22:58:32

    おデジ……

  • 36二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 23:08:18

    スレ主のSSの火力がしゅごい…
    やはりセルフサービス店…

  • 37二次元好きの匿名さん23/04/06(木) 00:45:26

    ここに来ればスレなのに侍がいない……妙だな?

  • 38二次元好きの匿名さん23/04/06(木) 01:31:04

    侍ならもう尊みで腹を切ってるんじゃない?
    俺も切ってくるわ

  • 39二次元好きの匿名さん23/04/06(木) 07:27:08

    このレスは削除されています

  • 40二次元好きの匿名さん23/04/06(木) 14:16:57

    おデジには甘々言葉責めがよく似合いますわね

  • 41123/04/06(木) 19:17:03

    「トレーナーさん! デジたんに根も葉もない噂を流すのやめてもらえませうか!?」
    「こんにちは。今度はなんだい? デジタル」

    今日もランチを楽しむウマ娘ちゃん達の無邪気な様子を観察……もとい! 昼休みの時間。ふとトレーナーさんがベンチで昼食を食べている所を見かけたので、あたし思わず駆け寄って、そして詰め寄ったのです。ここで会ったが百年目!

    「ですからっ! デジたんが何故か! 噂されてるんですよっ! いっつも!」
    「あまり言いたくないけど、デジタルは巷で噂のウマ娘だし、多少の噂くらいは」
    「トレーナーさんが積極的に広めてますよね!?」

    なんでも、あまりの可愛さに周囲を魅了してやまないウマ娘だとか、まじで【ガチ】なウマ娘だとか、そんな噂ばかり!
    というか! 周りのウマ娘ちゃんから普通に真偽を聞かれるこっちの身にもなってください!! こっちはいっつも審議中ですよ!?

    「はぁ……いいかいデジタル。君はG1を勝ってる、それも複数回だ。それだけで一流のウマ娘なんだよ」
    「ええ! 光栄なことに、あなたの指導もあって、ここまで来ましたからねっ!」
    どこにでもいる普通の平凡なウマ娘。そうであるとは思うけれど、同時に芝もダートも走りたい、ちょっと欲張りなウマ娘でもあるあたし。
    色々数奇な縁があって、一廉の競技者にはなりました。それは否定できない実績だとは思います、大変恐れ多いですけど!

    「だから、一挙手一投足とまではいかなくても、君は常に見られていている自覚をもって皆の規範として────
    「それでも、この噂の量は、流石に同志が広めてますよね! 明らかに!!」
    ウマ娘ちゃんマスターたるトレーナーさんのいうことは一理あるけど、今日は誤魔化されませんよ!知ってますよ! 他のトレーナーさんと話す時に何かにつけて、「デジタルはこうなので」とか「デジタルの場合は」みたいに、いろいろ言ってるの!
    嬉しいですけど! トレーナーさんの物差しが、これからすべてのウマ娘を見る時、デジたんを基準に図るなんて、とても恐れ多すぎましゅうううう!

  • 42123/04/06(木) 19:17:15

    「まぁ否定はしないけど、俺以外の専属でやってるトレーナー達は、大抵担当の娘のことばっか話すから仕方ないよ」
    「もう! それが原因じゃないですかぁ!」
    言い逃れをするかと思えば、おどけたように急に柔らかく言ってくるトレーナーさん。あたしが真面目に話を聞かないからなのか、こうして温度差の緩急をよくつけてくるって、そう気づいたのは結構最近です。
    いえいえ、そんなデジたんなんんて大したウマ娘じゃ……って謙遜させすぎないようにしているんだって、これも噂で聞きました。

    「まぁデジタルも自覚して、こうやって自主的に訓練してくれてるみたいだし、俺は満足だよ」
    「へ?」
    そうして油断すると、今度はにこにこと変わらぬ笑顔の質が少し変わって。ふとぴくぴくと動いてる自分の耳を周囲に向けてみれば。

    "また、デジタルちゃんがいちゃいちゃしてる"
    "さっきの見た? トレーナーさん見かけたら、ゲートより上手なスタートで詰め寄ってたよ"
    "場所を厭わないのはレースも私生活もなんだねっ"

    「あばばばばっ!」
    「トレセン学園にいる間にしっかり、自分の最適な振る舞いを学ぼうね? これでいいやって割り切ってもいいし、否定できるように節度を持ってもいいよ? 好きに飲み込もうね、君なりにさ」
    真っ赤になってしまうわたしに。優しく君が好きに選んでいいよと、そんな風に言ってくれるトレーナーさん。その申し出は優しいから

    「じゃ、じゃあ、もうちょっと訓練、そう、訓練!! 視線に慣れる訓練をしたいので……今日は一緒にご飯食べていいですか?」
    「うん、もちろん」
    あたしは彼の隣に腰掛けて「あ、また皆に見られちゃってる。ウマ娘ちゃんに囲まれて見られてる」って。
    きっとそれが理由のこの胸のどきどきと幸せに身をゆだねる。ああ、なんて至福の昼休み!

    なんて思ってました。



    みたいな、羞恥と親愛を誤認してパブロフ化しつつあるデジたんは掘り出せたのですが……

  • 43二次元好きの匿名さん23/04/06(木) 20:07:59

    トレデジたすかる

  • 44二次元好きの匿名さん23/04/06(木) 21:46:33

    今日もありがとうございましゅ……

  • 45二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 00:19:37

    あっしゅき

  • 46二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 04:10:21

    デジたんはバカップルがお似合いなんだよなぁ

  • 47二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 07:27:17

    保守

  • 48二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 17:58:40

    将来的にご近所でも有名な万年新婚夫婦として名を馳せそう

  • 49123/04/07(金) 20:34:37

    「トレーナーさん、あたし、そのっ!」

    二人きりのトレーナー室。何度も会議に使ったこの場所は、明日卒業を迎えるあたしにとってはもう部外者な場所。
    そう。あたしはすでにトゥインクルの第一線を引いた身。今年の1月に引退セレモニーもしてもらう栄誉に賜り。ドリームトロフィーへの参加は一度保留してます。

    トレーナーさんは、あたしが回った海外レースの記録やその間のコンディションの管理みたいなノウハウをまとめています。他にも後輩指導のための資料作成をしたり、広報の職業説明で使うデータづくりとデスクワーク中。
    でも来月からはまた指導者として誰かを教え導くか、チームを作るはずだ。きっと、素晴らしいトレーナーさんになる

    「あ、あたし、あなたみたいな、ウマ娘ちゃんマスターになりたいです!」
    「嬉しいな、そう言ってくれると」

    卒業後も専門課程に進むことは決めていて。
    トレセンに籍を置いて、のんびり希望のコースを受講する予定だったけど、でも!

    「あなたと一緒にっ、最高のウマ娘チームを作れるように! トレーナーのアシスタントにしてください!」
    「うん。もちろんいいよ。いつでも講義の空いた時間に来てくれてさ。今後は相方になるのかな?」
    「は、はいっ!!」
    だから、こうしてにっこりと了承してくれた彼を見て、ホッとしたのと同時に、嬉しくてちょっとだけ涙が出ちゃいました。
    だって、これからも一緒にいられるって、そうわかったから。卒業式の前日まで引っ張ったあたしが悪いんですけどね。

    「本当は、明日の式の後言おうと思ったんだけど、耳を貸してくれるかな」
    そんな、ふわふわと緩んだ気持ちで、体が条件反射まで覚えてしまったトレーナーさんの言葉に従うように動く。数歩近寄って彼の側にいくと、耳に顔を寄せて────

  • 50123/04/07(金) 20:34:57

    「デジタルは、推しとのガチ恋勢ありな人?」
    「へ?」

    あたしだけに聞こえる声で出会ったときより少しだけ近くなった、でも心はもっと近くなったトレーナーさんからのその言葉が右から左にっ!!

    「難聴系は好きじゃないから、理解するまで何度も言うね? 卒業したら、俺のパートナーになってほしいけど、いいかな?」
    「ぱぱぱ、パッ!?」
    「公私ともにってやつ、うん。でも、今日はこれくらいにしておくね? 卒業式の後に言う予行演習ってことでさ」

    二人っきりなのに、まるで誰かに見られてしまっているんじゃないかってほどに恥ずかしい!! でも顔は真っ赤で熱くて、胸はもっともっととっても熱い。

    ああああ!! これ、そういうことだよね!? デジたんは勘違いとかしがちだけど、さすがにこれは違うよね! でも、え? 明日もう一回!? なんで!?
    とか濁流のようにとめどなく言葉がぐるぐるする。
    すこしだけ屈んであたしを覗き込むように、耳もとに顔を寄せてるトレーナーさんのほうを見て
    返事を返そうと、口を開けば。

    「ストップ、今日言われると。俺は答えを言えないからさ、明日まで待ってて」
    「は、はい、わかりました! 式が終わったら観覧席に向けて走ります!」
    「あはは、そこまではしなくていいけど、うん準備して待ってるね」

    そう言って笑ったトレーナーさん。ちょっと釈然としないけど、ふわっと気持ちは上を向いてて
    だって、あたしの来月からのことも無事決まったから、そういうことです!
    まずは下っ端のトレーナーのアシスタントになる! 今はそれだけを考えます!

    なんか、『通い妻』みたいな単語が出てくるけど、消えろ、デジたんの煩悩!
    でも、あとで制服もう一度アイロンかけることにしましょう。

    そう思って部屋を後にしたその日が。
    翌日、二人っきりの場所で続きを言われたあたしの、とっても幸せな記憶の序章で────

  • 51数日の付き合いありがとー23/04/07(金) 20:35:53

    『────と、今の映像が新郎新婦の馴れ初めとのことでした』

    流れていた映像が止まる、きゃーきゃー言ってるパーティーに参加してくれたウマ娘ちゃん達の声。
    隣に座って笑ってるト……彼!!

    『新婦からの積極的なアプローチがあって、交際をはじめたわけですね!』

    だから、どうして!
    あの日に限って、定点カメラで仕事の様子って資料作ってたんですか!? 全部録画してたとか黙ってたとか!
    もう!! とれーなーさん! 責任をとって────ますね!!もうっ!!





    みたいな話が最後にあったんですけど
    ゴールインしちゃったんでもう話が他にないですよねー
    在庫を見つけたら教えてください。

  • 52二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 21:13:33

    やっとくっついたよ!やったねデジたん!

  • 53二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 22:56:54

    しゅきぃ…

  • 54二次元好きの匿名さん23/04/07(金) 23:32:53

    てぇてぇ…てぇてぇよぅ…しゅきぃ

  • 55二次元好きの匿名さん23/04/08(土) 01:16:01

    デジタルのG1級勝利数の6と同じ数のSS……1のやつそこまで考えて……

  • 56二次元好きの匿名さん23/04/08(土) 12:19:39

    侍が来ないなら一人で書く……見事やな

  • 57二次元好きの匿名さん23/04/08(土) 15:59:58

    スレ主のデジたん力は底なしであった

  • 58二次元好きの匿名さん23/04/08(土) 19:36:45

    トレデジもっと増えろ

  • 59二次元好きの匿名さん23/04/08(土) 22:01:52

    もっと書いてもいいのよ?

  • 60二次元好きの匿名さん23/04/09(日) 00:26:32

    神SSが、いっぱいぃ!

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています